JP4523129B2 - タイヤの摩耗状態検知装置および方法 - Google Patents

タイヤの摩耗状態検知装置および方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はタイヤの摩耗状態検知装置および方法に関する。さらに詳しくは、タイヤの回転情報を用いて、タイヤの摩耗状態を検知することにより、車両の性能や安全性を高めることができるタイヤ摩耗状態検知装置および方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
タイヤには、排水性などを考えて、縦溝と横溝が彫ってあるため、これらの溝に囲まれたゴムブロックが形成されている。このゴムブロックが大きいと、前後左右にせん断変形しにくく、剛性も大きいため、一般に大きなブロックからなるトレッドパターンをもったタイヤをパターン剛性の大きなタイヤという。
【0003】
パターン剛性の大小は、コーナリングパワーやコーナリングフォースのほか、スリップ率に大きな影響を及ぼすため、タイヤの回転情報をもとにして車両の性能や安全性を高める装置、たとえばABS(アンチブロックブレーキングシステム)、TCS(トラクションコントロールシステム)またはタイヤ空気圧低下警報装置などにおいて、タイヤの回転情報をもとにして車両の挙動を推定するには、タイヤのパターン剛性を把握しておくことは重要である。
【0004】
また、タイヤが摩耗すると、タイヤのトレッドゴムの厚さが薄くなるため、パターンの前後剛性が大きくなる。タイヤが摩耗すると冬用タイヤにおいては、雪上性能に影響を与えるとともに、夏用タイヤにおいては、ハイドロプレーニング性能に影響を与える。したがって、摩耗を検知することは有用であるが、これらの装置では、タイヤの摩耗状態を検知する機能が備えられていない。したがって、タイヤの摩耗を識別するには、溝深さを測定するデプスゲージを用いたり、タイヤに設けられている摩耗限界を示すスリップサインを確認するなどの目視による識別だけである。かかる目視による識別は、熟練を要するため、タイヤのメンテナンスが煩雑になりやすいとともに、タイヤのメンテナンスにおける始業点検時にタイヤの摩耗を見過ごしてしまう惧れがある。
【0005】
そこで、特開平11−78442号公報では、タイヤの摩耗状態を定期的に測定する方法が示されている。
【0006】
かかる方法によると、4輪のタイヤの回転速度を定期的に測定し、その測定された回転速度から、前輪タイヤと後輪タイヤの回転速度の比を演算し、該回転速度の比と車両の加速度との関係式の傾きを求め、この傾きと予め判っているタイヤの回転速度の比と加速度との関係式の傾きとを比較することによりタイヤの摩耗状態を検知している。すなわちスリップ率の小さい範囲(10%以下)では、タイヤと路面のあいだでほとんど滑りがなく、μ−s勾配は、トレッドゴムの前後剛性で決まっているので、この傾きの経時変化を測定していればタイヤの摩耗が検知できるというものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
事実、μ−s勾配は、トレッドゴムの前後剛性が大きくなるにしたがい大きくなるが、路面の摩擦係数にも大きく影響を受けており、図7に示すように路面(高μ路R1、中μ路R2、低μ路R3)の摩擦係数が小さくなるにしたがい、μ−s勾配、たとえばR3のμ−s勾配θも小さくなる傾向にある。したがって、単にμ−s勾配のみの経時変化を測定していても、同じ摩擦係数の路面で測定したものを比較しないと、たとえばμ−s勾配が初期に比べて大きくなったからといって、それはタイヤが摩耗したためなのか、前に測定した路面よりも摩擦係数が高い路面で測定したためなのかの判断ができない。
【0008】
本発明は、叙上の事情に鑑み、路面の摩擦係数によらず、タイヤの摩耗状態を検知できるタイヤの摩耗状態検知装置および方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明のタイヤの摩耗状態検知装置は、車両の4輪のタイヤの回転速度を定期的に検出する回転速度検出手段と、前記回転速度検出手段による測定値から、スリップ比と車両の加減速度を演算する第1演算手段と、該スリップ比と車両の加減速度との互いの1次の回帰係数と相関係数を求める第2演算手段と、得られた相関係数の値に応じて所定の時間または所定の個数の1次の回帰係数の値を蓄積し、当該蓄積した1次の回帰係数の値の頻度分布と予め判っている頻度分布を比較してタイヤの摩耗状態を検知するタイヤ摩耗検知手段とを備えてなることを特徴とする。
【0010】
また本発明のタイヤの摩耗状態検知方法は、車両の4輪のタイヤの回転速度を定期的に検出する工程と、該測定された回転速度から、スリップ比と車両の加減速度を演算する工程と、該スリップ比と車両の加減速度との互いの1次の回帰係数と相関係数を演算する工程と、得られた相関係数に応じて所定の時間または所定の個数の1次の回帰係数を蓄積し、当該蓄積した1次の回帰係数の値の頻度分布と予め判っている頻度分布を比較してタイヤの摩耗状態を検知するタイヤ摩耗検知工程とを備えていることを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に基づいて、本発明のタイヤの摩耗状態検知装置および方法を説明する。
【0012】
図1は本発明のタイヤの摩耗状態検知装置にかかわる一実施の形態を示すブロック図、図2は図1におけるタイヤの摩耗状態検知装置の電気的構成を示すブロック図、図3は1次の回帰係数の頻度分布を示す図、図4は標準偏差と平均値の関係に基づいてタイヤの摩耗状態のエリアの一例を示す図、図5は標準偏差と平均値の関係に基づいて2つのタイヤの摩耗状態を示す図、図6は本発明のフローチャートの一例である。
【0013】
図1に示すように、本発明の一実施の形態にかかわるタイヤの摩耗状態検知装置は、4輪車両のタイヤFLW、FRW、RLWおよびRRWにそれぞれ設けられた車輪タイヤの回転速度を定期的に検出する回転速度検出手段Sを備えており、この回転速度検出手段Sの出力は、ABSなどの制御ユニット1に伝達される。なお、2はタイヤを交換した際などに運転者によって、操作される初期化スイッチであり、3はタイヤの摩耗状態により警報を発する警報器である。
【0014】
前記回転速度検出手段Sとしては、電磁ピックアップなどを用いて回転パルスを発生させてパルスの数から回転速度を測定する車輪速センサまたはダイナモのように回転を利用して発電を行ない、この電圧から回転速度を測定するものを含む角速度センサなどを用いることができる。
【0015】
前記制御ユニット1は、図2に示されるように、外部装置との信号の受け渡しに必要なI/Oインターフェイス1aと、演算処理の中枢として機能するCPU1bと、該CPU1bの制御動作プログラムが格納されたROM1cと、前記CPU1bが制御動作を行なう際にデータなどが一時的に書き込まれたり、その書き込まれたデータなどが読み出されるRAM1dとから構成されている。
【0016】
本実施の形態では、前記制御ユニット1に、前記回転速度検出手段Sによる測定値から、スリップ比(前輪タイヤの車輪速度と後輪タイヤとの車輪速度の比)と車両の加減速度を演算する第1演算手段と、該スリップ比と車両の加減速度との互いの1次の回帰係数と相関係数を求める第2演算手段と、得られた相関係数の値に応じて所定の時間または所定の個数の1次の回帰係数の値を蓄積し、当該蓄積した1次の回帰係数の値の頻度分布と予め判っている頻度分布を比較して走行路面に限定されず、タイヤの摩耗状態を検知するタイヤ摩耗検知手段とを備えている。
【0017】
また前記タイヤ摩耗検知手段は、蓄積した1次の回帰係数の値の頻度分布と予め判っている頻度分布を比較する比較手段をさらに備えており、蓄積した1次の回帰係数の値の標準偏差と平均値の関係を、予め車両ごとに設定したタイヤの摩耗状態のエリアを組み込んだロジックを含んでいる。
【0018】
本実施の形態では、前記4輪のタイヤの回転速度を0.1秒以下で検出する。
前記車両の加減速度はGセンサで測定することもできるが、4輪または従動輪の平均車輪速度から演算するのがコスト面から好ましい。
【0019】
ついで前記スリップ比および車両の加減速度を一定時間分のデータ、たとえば少なくとも0.2秒分以上のデータの平均値として、サンプリング時間ごとに移動平均化して求め、この移動平均された値(一定個数のスリップ比と車両の加減速度)を求める。
【0020】
さらに前記移動平均されたスリップ比および車両の加減速度のデータ、たとえば少なくとも5個以上のデータを用いて、スリップ比と車両の加減速度との互いの1次の回帰係数と相関係数を求める。ここで、移動平均して求められたスリップ比がある一定値以上の場合または一定値以下の場合(たとえば0.05以上または−0.05以下の場合)は、回帰係数の演算には使用しないようにしても良い。
【0021】
以下、本実施の形態のタイヤの摩耗状態検知装置の動作を手順▲1▼〜▲7▼に沿って説明する。
【0022】
▲1▼車両の4輪タイヤFLW、FRW、RLWおよびRRWのそれぞれの回転速度から車輪速度(V1n、V2n、V3n、V4n)を算出する。
たとえば、ABSセンサなどのセンサから得られた車両の各車輪タイヤFLW、FRW、RLW、RRWのある時点の車輪速データを車輪速度V1n、V2n、V3n、V4nとする。
【0023】
▲2▼ついで従動輪および駆動輪の平均車輪速度(Vfn、Vdn)を演算する。
前輪駆動の場合、ある時点の従動輪および駆動輪の平均車輪速度Vfn
Vdnをつぎの式(1)、(2)により求められる。
Vfn=(V3n+V4n)/2 ・・・(1)
Vdn=(V1n+V2n)/2 ・・・(2)
【0024】
▲3▼ついで前記従動輪の平均車輪加減速度(すなわち車両の加減速度)Afnを演算する。
前記従動輪の平均車輪速度Vfnより1つ前の車輪速データから、平均車輪速度Vfn-1とすると、従動輪の平均車輪加減速度Afnはそれぞれつぎの式(3)で求められる。
Afn=a・(Vfn−Vfn-1)/Δt/g ・・・(3)
【0025】
ここで、Δtは車輪速データから算出される車輪速度VfnとVfn-1の時間間隔(サンプリング時間)であり、gは重力加速度であり、aは車輪速度(km/h)の単位と加速度(m/s)の単位を合わせるための定数(1/3.6)である。前記サンプルング時間としては、データのばらつきを小さくするためにも、0.1秒以下が好ましい。
【0026】
▲4▼ついで前記車両の加減速度Afnの値に応じて、スリップ比を演算する。
まず、加速状態で、駆動輪がロック状態で車両が滑っているとき(Vdn=0、Vfn≠0)や、減速状態で、車両が停止状態で駆動輪がホイールスピンを起こしているとき(Vfn=0、Vdn≠0)は、起こり得ないものとして、スリップ比Snをつぎの式(4)、(5)から演算する。
Afn≧0およびVdn≠0である場合、Sn=(Vfn−Vdn)/Vdn
・・・(4)
Afn<0およびVfn≠0である場合、Sn=(Vfn−Vdn)/Vfn
・・・(5)前記以外の場合は、Sn=1とする。
【0027】
▲5▼ついでスリップ比および車両の加減速度のデータをサンプリング時間ごとに移動平均化処理する。
直線回帰をする場合、一定以上のデータ数がなければ、得られた回帰係数の信頼性が劣る。そこで、たとえば数十msごとにデータをサンプリングし、このサンプリング時間で得られたばらつきの大きいデータを移動平均することにより、データの数を減らさずに、データのばらつきを小さくすることができる。
【0028】
スリップ比については、
MSn=(S1+S2+・・・+Sn)/N ・・・(6)
MSn+1=(S2+S3+・・・+Sn+1)/N ・・・(7)
MSn+2=(S3+S4+・・・+Sn+2)/N ・・・(8)
車両の加減速度については、
MAfn=(Af1+Af2+・・・+Afn)/N ・・・(9)
MAfn+1=(Af2+Af3+・・・+Afn+1)/N ・・・(10)
MAfn+2=(Af3+Af4+・・・+Afn+2)/N ・・・(11)
【0029】
▲6▼ついでスリップ比と車両の加減速度との互いの1次の回帰係数、すなわちスリップ比の車両の加減速度に対する回帰係数K1と車両の加減速度のスリップ比に対する回帰係数K2をそれぞれつぎの式(12)、(13)から求める。
【0030】
【数1】
Figure 0004523129
【0031】
【表1】
Figure 0004523129
【0032】
また相関係数Rは、
R=K1×K2 ・・・(14)
となる。
【0033】
前記手順▲6▼により求めた回帰係数K1(またはK2)の値を所定の時間または所定の個数蓄積する。以下、回帰係数K1について説明する。このとき、相関係数Rの値に応じて回帰係数K1のデータを蓄積するかしないかを決定する。このデータ蓄積のしきい値となる相関係数Rの値については、とくに限定されるものではないが、小さすぎると測定精度が劣ったデータも蓄積されてしまうため、0.5以上であるが、0.9以上ではデータがほとんど蓄積されないため、0.7前後が好ましい。
【0034】
データの蓄積量については、測定時間または蓄積個数で決定する。蓄積量についてはとくに限定しない。ただ、測定時間が1分程度と短すぎると測定精度がわるくなるのであまり好ましくない。タイヤの摩耗状態を評価する場合、摩耗が数分や数時間といった時間単位で急激に進むことはほとんどありえないので、測定時間を30分や1時間と長くする分にはとくに問題はない。しかし、データ容量の都合もあるので、現実的な範囲で設定すれば良い。また、たとえば数分間の測定を数回程度繰り返し、その平均で評価したり、ばらつきの大きなデータは削除して評価することもできる。
【0035】
▲7▼つぎに蓄積したデータの頻度分布を演算手段により求めるとともに、この頻度分布と予め判っている頻度分布を比較手段により比較する。該比較手段により、タイヤが摩耗状態にあると判断された場合には、警報を発する表示器を備え付けることができる。前記予め判っている頻度分布とは、たとえば、新品タイヤを装着したときに、前述の手順▲1▼〜▲6▼で測定した頻度分布であったり、6ヶ月や1年ごとまたは5千キロや1万キロ走行ごとといったように定期的および自動的に測定しておいた頻度分布であっても良い。また、どのようなタイヤでも摩耗末期の頻度分布は、ほとんど同じような形態になるので、予め車両ごとに摩耗末期のレベルを設定しておくのが良い。
【0036】
前記頻度分布を比較するとは、たとえばその指標として、データの標準偏差と平均値との関係があげられる。ただし、指標は、これらに限られるものではなく、たとえばデータの最も発生頻度の高い値(ピーク値)などの統計的手法により求めることができる。
【0037】
図3に回帰係数K1の頻度分布の一例を示す。図3に示される頻度分布の場合、標準偏差σは0.027、頻度分布の平均値μは0.109である。これらの関係を予め車両ごとに設定しておくことにより、図4に示されるようにタイヤの摩耗状態を検知する。すなわち、タイヤが摩耗するとトレッドゴムのゲージが薄くなってトレッドゴムの前後剛性が新品のタイヤに比べて大きくなるために、標準偏差σと平均値μの関係が、たとえばレベル0→1→2→3と移っていく。したがって、新品タイヤ時のレベル0または前回測定時のレベルの値に対して今回測定したレベルの値が大きくなっていればタイヤが摩耗していることを示している。
【0038】
なお、図4のような摩耗レベルのマップ、すなわち摩耗状態のエリア設定のマップは、車両ごとに予め設定しておく必要がある。
【0039】
【実施例】
つぎに本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
【0040】
実施例1〜2
まず前輪駆動車に新品タイヤまたは約40%摩耗したタイヤを装着した。このときのタイヤは、住友ゴム工業(株)製 グラスピックDS−1で、タイヤサイズは205/55R15であった。そして走行路面としては、各タイヤについて、乾燥アスファルト路、湿潤アスファルト路、圧雪路およびアイスバーン路の4つの路面を走行した(実施例1、2)。
【0041】
この走行に際し、図6に示されるように回転速度検出手段から出力される車輪速パルスに基づいて、0.1秒ごとの車輪速を取り込み(ステップS1)、従動輪の平均車輪速を車両速度Fsとして演算するとともに、走行時間Tと走行距離Dを計算する(ステップS2)。つづいて0.1秒ごとの車両加減速度Facとスリップ比SRを計算した(ステップS3、S4)。この車両加減速度Facとスリップ比SRについては、それぞれ1秒間のデータをサンプリング時間ごとに、移動平均処理した値FacMおよびSRMを求めた(ステップS5、S6)。
【0042】
該FacMとSRMを50個蓄積し、スリップ比に対する車両加減速度の1次の回帰係数K1と相関係数Rを求める(ステップS7)。ここで、S2=−0.05より小さいか、S1=0.05より大きいスリップ比SRMは、回帰係数の演算には使用しない(ステップS8)。ついで相関係数Rがしきい値R1=0.7をこえないときはデータをリジェクトする(ステップS9)とともに、しきい値R1=0.7をこえるときの回帰係数K1の値を蓄積した(ステップS10、S11)。以下、新しい移動平均処理した値FacMおよびSRMが計算されるごと(0.1秒ごと)に一番古いFacMとSRMが除かれて、同様に回帰係数K1と相関係数Rの計算を繰り返した。このときの蓄積量は、測定時間が30分または回帰係数K1の蓄積個数が、10,000個になった時点で測定を終了した(ステップS12)。
【0043】
つぎに蓄積した回帰係数K1のデータの頻度分布を比較するにあたり、標準偏差σおよび平均値μを求めた(ステップS13)。この標準偏差σと平均値μの関係を予め摩耗レベル(レベル0〜2)のしきい値を設定した図5に示すマップを組み込んだロジックと比較して、実施例1、2における摩耗状態のエリアのレベル値を求め保持した(ステップS14)。
【0044】
ここで、新品時のタイヤのレベル値(La)に対して、または前回に測定したレベル値(Lb)に対して現在のレベル値(L)が大きくなったかどうかで警報を発するか否かを判断する(ステップS15)。
【0045】
本実施例では、路面の摩擦係数によらず、新品タイヤの場合はすべてレベル0に、約40%摩耗したタイヤの場合はすべてレベル1に入っており、どのような摩擦係数の路面を走行してもタイヤの摩耗状態の違いが検知できることがわかる。
【0046】
【発明の効果】
以上説明したとおり、本発明によれば、路面の摩擦係数によらず、タイヤの摩耗状態を検知することができるため、車両の性能や安全性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のタイヤの摩耗状態検知装置にかかわる一実施の形態を示すブロック図である。
【図2】図1におけるタイヤの摩耗状態検知装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図3】1次の回帰係数の頻度分布を示す図である。
【図4】標準偏差と平均値の関係に基づいてタイヤの摩耗状態のエリアの一例を示す図である。
【図5】標準偏差と平均値の関係に基づいて2つのタイヤの摩耗状態を示す図である。
【図6】本発明のフローチャートの一例である。
【図7】路面μとスリップ比sとの関係を示す模式図である。
【符号の説明】
1 制御ユニット
2 初期化スイッチ
3 警報器
S 回転速度検出手段
FLW、FRW、RLW、RRW タイヤ

Claims (2)

  1. 車両の4輪のタイヤの回転速度を定期的に検出する回転速度検出手段と、前記回転速度検出手段による測定値から、スリップ比と車両の加減速度を演算する第1演算手段と、該スリップ比と車両の加減速度との互いの1次の回帰係数と相関係数を求める第2演算手段と、得られた相関係数の値に応じて所定の時間または所定の個数の1次の回帰係数の値を蓄積し、当該蓄積した1次の回帰係数の値の頻度分布と予め判っている頻度分布を比較してタイヤの摩耗状態を検知するタイヤ摩耗検知手段とを備えてなるタイヤの摩耗状態検知装置であり、
    前記タイヤ摩耗検知手段が、蓄積した1次の回帰係数の値の標準偏差と平均値の関係を、予め車両ごとに設定したタイヤの摩耗状態のエリアを組み込んだロジックを含んでいるタイヤの摩耗状態検知装置
  2. 車両の4輪のタイヤの回転速度を定期的に検出する工程と、該測定された回転速度から、スリップ比と車両の加減速度を演算する工程と、該スリップ比と車両の加減速度との互いの1次の回帰係数と相関係数を演算する工程と、得られた相関係数に応じて所定の時間または所定の個数の回帰係数を蓄積し、当該蓄積した回帰係数の値の頻度分布と予め判っている頻度分布を比較してタイヤの摩耗状態を検知するタイヤ摩耗検知工程とを備えているタイヤの摩耗状態検知方法であり、
    前記タイヤの摩耗状態を検知する工程が、蓄積した1次の回帰係数の値の標準偏差と平均値の関係を、予め車両ごとに設定したタイヤの摩耗状態のエリアを組み込んだロジックと比較してタイヤの摩耗状態を検知する手順を含んでいるタイヤの摩耗状態検知方法
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