JP2002036868A - 空調装置 - Google Patents

空調装置

Info

Publication number
JP2002036868A
JP2002036868A JP2000230955A JP2000230955A JP2002036868A JP 2002036868 A JP2002036868 A JP 2002036868A JP 2000230955 A JP2000230955 A JP 2000230955A JP 2000230955 A JP2000230955 A JP 2000230955A JP 2002036868 A JP2002036868 A JP 2002036868A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
compressor
capacity
evaporator
cooling capacity
opening
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000230955A
Other languages
English (en)
Inventor
Masahiko Shiyuugai
雅彦 集貝
Kazuhiro Irie
一博 入江
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Valeo Thermal Systems Japan Corp
Original Assignee
Zexel Valeo Climate Control Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Zexel Valeo Climate Control Corp filed Critical Zexel Valeo Climate Control Corp
Priority to JP2000230955A priority Critical patent/JP2002036868A/ja
Publication of JP2002036868A publication Critical patent/JP2002036868A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 圧縮機の動力源の負荷を軽減する空調装置を
提供する。 【解決手段】 可変容量型の圧縮機3、凝縮器4、受液
器5、膨張装置6、蒸発器7を少なくともこの順で配管
接続して閉サイクルを構成し、凝縮器4と受液器5との
間に第1の開閉弁8を設け、蒸発器7と圧縮機3との間
に第2の開閉弁9を設ける。蒸発器7の冷却能力が第1
の所定能力より増大するまで第1及び第2の開閉弁8,
9を開にして圧縮機3を最大吐出容量で運転し、蒸発器
7の冷却能力が第1の所定能力より増大した場合に第1
及び第2の開閉弁8,9を閉にして圧縮機3の吐出容量
を抑え、その後、蒸発器7の冷却能力の低下に応じて第
2の開閉弁を開にし、圧縮機3の吐出容量を大きくす
る。そして、圧縮機の吐出側の圧力が所定圧力以上とな
った場合に第1及び第2の開閉弁8,9を開にして圧縮
機3を最大吐出容量とする運転に切り換える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、車両用に適した
空調装置に関し、特に、圧縮機として外部からの制御信
号によって吐出容量を可変することができる可変容量圧
縮機を用いた冷凍サイクルを有する空調装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の空調装置として、蒸発器又はその
直後に取り付けられたデフロストサーモによって、蒸発
器の温度又は蒸発器直後の吹出空気温度が所定温度以上
になれば圧縮機を駆動(ON)する制御信号を出力し、
所定温度以下となれば圧縮機を停止(OFF)する制御
信号を出力して、蒸発器の凍結防止を図ると共に蒸発器
の冷力不足を避けるようにしているものが多い。このよ
うな技術においては、デフロストサーモの設定値が一定
であれば、熱負荷が小くなるほど、圧縮機がオフした後
に再び圧縮機がオンとなるまでの時間が長くなり、逆
に、熱負荷が大きくなるほど、圧縮機がオフした後に再
び圧縮機がオンとなるまでの時間が短くなる。このこと
から、従来においては、さらに空調装置の省動力化を図
るために、デフロストサーモの設定値を外気条件や圧縮
機の回転数によって可変する制御などが考えられてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、デフロ
ストサーモのOFF値を上げる場合には、吹き出し温度
の上昇により、乗員に不快感を与えることとなる。ま
た、OFF値を上げれば、蒸発器の冷却能力が低下し、
すぐに圧縮機がONすることとなり、圧縮機の動力を低
減させることができないものであった。さらに、デフロ
ストサーモのON値とOFF値との巾(DIFF値)を
広げる場合には、圧縮機のOFFからONになる迄の時
間が長くなるものの、蒸発器の冷却するまでの時間を要
するため、かえって圧縮機の稼動時間が長くなり、同様
に圧縮機の動力を低減させにくい不都合がある。
【0004】また、従来の直噴ガソリンエンジンのよう
に、エンジン負荷の度合いによって燃料噴射量を制御す
るものにあっては、エアコンの圧縮機や車両用発電機と
してのオルタネータの駆動力をエンジンから得ている場
合、エアコンによる車室内の快適温度の維持とオルタネ
ータでのバッテリー充電との両方の要請があれば、エン
ジン負荷が多大となる。このため、微少燃料でのエンジ
ン駆動が困難となることから、燃料噴射量を増大させた
り、エンジン回転数を増大させる等の制御手段を講じる
必要があり、このため、燃費が悪化するという不都合が
生じていた。このような動力源の負荷の増大に伴う不都
合は、動力源がモータによる場合であれば、消費電力の
増大という形で生じることとなる。
【0005】そこで、この発明においては、上述の問題
点を解決し、圧縮機の動力を軽減することにより動力源
の負荷を軽減し、もって、圧縮機の動力源がエンジンに
よる場合であれば燃費の向上を図り、モータによる場合
であれば消費電力の低減を図ることができる空調装置を
提供することを課題としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を達成するため
に、この発明に係る空調装置は、外部からの制御信号に
よって吐出容量を変更可能とする圧縮機と、前記圧縮機
によって圧縮された冷媒を放熱する凝縮器と、前記凝縮
器によって放熱された冷媒を蓄積する受液器と、冷媒を
減圧する膨張装置と、前記膨張装置で減圧された冷媒を
蒸発気化する蒸発器とを少なくともこの順で配管接続し
て構成された冷凍サイクルを有する空調装置において、
前記凝縮器と前記受液器との間を開閉する第1の開閉手
段と、前記蒸発器と前記圧縮機との間を開閉する第2の
開閉手段と、前記蒸発器の冷却能力を検出する冷却能力
検出手段と、前記圧縮機の吐出側の冷媒圧力を検出する
圧力検出手段と、前記冷却能力検出手段によって検出さ
れた冷却能力の大きさを判定する冷却能力判定手段と、
前記圧力検出手段によって検出された冷媒圧力が所定圧
力以上になったことを判定する圧力判定手段と、前記冷
却能力判定手段によって前記蒸発器の冷却能力が前記第
1の所定能力より増大したと判定されるまで前記第1及
び第2の開閉手段を開にして前記圧縮機を最大吐出容量
で運転する冷力増大運転手段と、前記冷却能力判定手段
によって前記蒸発器の冷却能力が前記第1の所定能力よ
り増大したと判定された場合に、前記第1及び第2の開
閉手段を閉にして前記圧縮機の吐出容量を抑え、その
後、前記蒸発器の冷却能力の低下に応じて、前記第2の
開閉手段を開にし、前記圧縮機の吐出容量を大きくする
冷力保持運転手段と、前記圧力判定手段によって前記冷
媒圧力が前記所定圧力以上になったと判定された場合に
前記冷力増大運転手段による運転に切り替える運転切換
手段とを具備することを特徴としている(請求項1)。
【0007】したがって、圧縮機が最大吐出容量で運転
されて蒸発器の冷却能力が第1の所定能力より増大すれ
ば、第1の開閉手段が閉になるので、可変容量圧縮機の
吐出容量が抑えられても受液器に蓄積されている高圧の
液冷媒が凝縮器へ逆流することがなくなり、第1の開閉
手段と膨張装置との間に高圧の液冷媒を保持させること
ができるようになる。また、第2の開閉手段も閉になる
ので、圧縮機が最大吐出容量で運転していたときの膨張
装置から第2の開閉手段までの低圧状態を保つことがで
き、膨張装置の前後で大きな圧力差を形成することがで
きる。このため、第1の開閉手段と膨張装置との間に閉
じ込められた液冷媒を確実に減圧させることができる。
即ち、圧縮機の吐出容量が抑えられた場合でも、膨張装
置と蒸発器とからなる直列要素の前後に設けられた開閉
手段によって蒸発器へ減圧された冷媒を確実に供給する
ことができるので、あたかも圧縮機が最大吐出容量で作
動しているかのような状態を形成することが可能とな
る。
【0008】第1及び第2の開閉手段を閉にした状態で
しばらくすると、高圧側から膨張装置を介して低圧側へ
流れる冷媒によって膨張装置と第2の開閉手段との間の
圧力が徐々に上昇し、蒸発器の冷却能力が低下してくる
ので、蒸発器の冷却能力の低下に応じて、第2の開閉手
段を開にし、可変容量圧縮機の吐出容量を大きくするこ
とで蒸発器の冷却能力の低下を低減することができる。
【0009】そして、第1の開閉手段を閉にした状態で
可変容量圧縮機の吐出容量を大きくする制御が行われる
と、冷凍サイクルの高圧圧力が上昇してくることから、
圧力判定手段によって前記冷媒圧力が前記所定圧力以上
になったと判定された場合には、運転切換手段によって
再び第1及び第2の開閉手段を開にすると共に圧縮機を
最大吐出容量の運転に切り替えることで、冷力を増大さ
せる運転が再開されることとなる。
【0010】上述の冷力保持運転手段のより具体的な構
成としては、前記冷却能力判定手段によって前記蒸発器
の冷却能力が前記第1の所定能力より増大したと判定さ
れた場合に前記第1及び第2の開閉手段を閉にすると共
に前記圧縮機を最小吐出容量で運転し、その後、前記冷
却能力判定手段によって前記蒸発器の冷却能力が前記第
1の所定能力よりも小さい第2の所定能力より低下した
と判定された場合に前記第2の開閉手段を開にし、前記
冷却能力判定手段によって前記蒸発器の冷却能力が前記
第2の所定能力よりも小さい第3の所定能力より低下し
たと判定される都度、前記圧縮機の吐出容量を徐々に大
きくするような構成にしてもよい(請求項2)。
【0011】このような構成は、特に、可変容量圧縮機
として連続的な吐出容量の変更が可能な圧縮機を用いた
場合に適したものであり、このような構成とすること
で、蒸発器の冷却能力が第1の所定能力に達した後に第
2の所定能力より小さくなるまで第1及び第2の開閉手
段が閉となるので、あたかも圧縮機が最大吐出容量で作
動しているかのような状態を形成することができ、ま
た、膨張装置と第2の開閉手段との間の圧力が徐々に上
昇して蒸発器の冷却能力が低下してきた場合には、第2
の開閉手段を開にすることで膨張装置と第2の開閉手段
との間の圧力が開放されると同時に低圧ラインの圧力が
引かれることとなるので、蒸発器の冷却能力の低下を低
減することが可能となる。その後、さらに蒸発器の冷却
能力が低下して第3の所定能力より小さくなると、圧縮
機の吐出容量が大きくなって低圧ラインの冷媒が強く引
かれるようになるので、蒸発器の冷却能力の低下を抑え
ることができ、蒸発器の冷却能力が第3の所定能力を下
回る都度、圧縮機の吐出容量を徐々に大きくすること
で、蒸発器の冷却能力を第3の所定能力の近傍に保つこ
とができるようになる。
【0012】よって、圧縮機の吐出容量は、必要冷却能
力が得られる限度で最小吐出容量から徐々上げられるの
で、圧縮機が最大吐出容量で運転される間は圧縮機の動
力が最大となるものの、蒸発器の冷却能力が第1の所定
能力よりも増大した後は、圧縮機の動力を最小、又は、
最小状態から徐々に大きくすることで蒸発器の冷却能力
を保持することができる。つまり、蒸発器の冷却能力を
確保しつつ、圧縮機の動力を必要最小限度にすることで
全体として小さくすることが可能となる。
【0013】さらに、冷力保持運転手段としては、冷却
能力判定手段によって蒸発器の冷却能力が第1の所定能
力より増大したと判定された場合に第1及び第2の開閉
手段を閉にすると共に圧縮機を停止して吐出容量を零と
し、その後、冷却能力判定手段によって蒸発器の冷却能
力が第1の所定能力よりも小さい第2の所定能力より低
下したと判定された場合に第2の開閉手段を開にすると
共に圧縮機を最小吐出容量で運転するようにしてもよい
(請求項3)。
【0014】このような構成は、特に、可変容量圧縮機
として段階的に吐出容量の変更が可能な圧縮機を用いた
場合に適したものであり、このような構成とすること
で、蒸発器の冷却能力が第1の所定能力よりも増大した
後に第2の所定能力より小さくなるまで第1及び第2の
開閉手段が閉となるので、前述と同様、あたかも圧縮機
が最大吐出容量で作動しているかのような状態を形成す
ることができる。また、膨張装置と第2の開閉手段との
間の圧力が徐々に上昇して蒸発器の冷却能力が低下して
きた場合には、第2の開閉手段を開にすると共に圧縮機
を最小吐出容量で運転することで膨張装置と第2の開閉
手段との間の圧力を開放すると同時に低圧ラインの圧力
が引かれることとなるので、蒸発器の冷却能力の低下を
低減することが可能となる。
【0015】よって、圧縮機の吐出容量は零の状態から
蒸発器の冷却能力を保持することができる限度で最小吐
出容量となるだけであるので、圧縮機が最大吐出容量で
運転される間は圧縮機の動力が最大となるものの、蒸発
器の冷却能力が第1の所定能力よりも増大した後は、圧
縮機の動力を零又は最小とすることで蒸発器に冷却能力
を保持することができる。つまり、蒸発器の冷却能力を
確保しつつ、圧縮機の動力を全体として小さくすること
が可能となる。
【0016】また、このような構成においては、蒸発器
の冷却能力が第2の所定能力よりも小さい第3の所定能
力より低下したと判定された場合に、冷力増大運転手段
による運転に切り替える手段をさらに設け、第1及び第
2の開閉手段を開にすると共に圧縮機を最大吐出容量で
運転するようにしてもよい(請求項4)。
【0017】尚、蒸発器の冷却能力を検出する冷却能力
検出手段としては、蒸発器の温度又は蒸発器を通過した
空気温度を検出する温度検出器を用い、この温度検出器
で検出された温度が高くなるほど蒸発器の冷却能力が小
さいことを、また、検出された温度が低くなるほど蒸発
器の冷却能力が大きいことを検知するようにするとよい
(請求項5)。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
面により説明する。図1において、車両用として用いら
れる空調装置の構成例が示され、この車両用空調装置
は、エンジン1又はモータ2からの動力を受けて回転す
る圧縮機3と、この圧縮機3によって圧縮された高温高
圧の冷媒を凝縮液化する凝縮器(コンデンサ)4と、こ
の凝縮器4によって凝縮液化された冷媒を溜めると共に
気相冷媒と液相冷媒とに分離し、液相冷媒のみを下流側
へ送る受液器5と、この受液器5から送られる液相冷媒
を減圧して低温低圧の気液混合冷媒にする膨張装置6
と、この膨張装置6から送られる低温低圧の気液混合冷
媒を蒸発気化する蒸発器(エバポレータ)7とを、この
順で配管接続した冷凍サイクルを有している。
【0019】圧縮機3は、吐出容量を可変するための機
構を制御する制御部3aを有し、この制御部3aに外部
から供給される制御信号によって吐出量を可変させるこ
とができる外制式の可変容量圧縮機であり、また、膨張
装置6は、それ自体周知のものであり、この例では感温
筒6aにて蒸発器7を通過した直後の冷媒の過熱度を検
出し、この過熱度を一定に保つように開度を調整する温
度作動式膨張弁が用いられている。
【0020】また、この冷凍サイクルにおいては、凝縮
器4と受液器5との間の配管経路上にこの経路を開閉す
るための第1の開閉弁8が設けられ、また、蒸発器7と
圧縮機3との間の配管経路上にこの経路を開閉するため
の第2の開閉弁9が設けられており、第1の開閉弁8に
よって第1の開閉手段が、第2の開閉弁9によって第2
の開閉手段がそれぞれ構成されている。
【0021】10は蒸発器7の温度、又は、蒸発器7を
通過した直後の空気温度(以下においてエバ直後温度と
いう)を検出するエバ直後温度センサ、11は圧縮機3
の吐出側の冷媒圧力(高圧冷媒圧力)を検出する圧力セ
ンサ、12は空調装置の状態を設定するマニュアル設定
器であり、これらセンサ及び設定器からの信号は、制御
部15に入力されるようになっている。ここで、制御部
15は、図示しない中央演算処理装置(CPU)、読出
専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RA
M)、入出力ポート(I/O)等を備えると共に、第1
及び第2の開閉弁8、9を制御する駆動回路等を有して
構成され、ROMに与えられた所定のプログラムにした
がって各種入力信号を処理し、圧縮機3の吐出容量、第
1及び第2の開閉弁8、9の開閉等を制御するようにな
っている。
【0022】図2において、制御部15による空調装置
の制御動作例がフロチャートとして示され、以下、この
フローチャートに基づいて制御動作例を説明する。ここ
で示す制御動作例は、圧縮機3として、特に、ピストン
ストロークを連続的に可変して吐出容量を連続可変させ
る連続可変容量タイプの可変容量圧縮機を用いた場合の
ものであり、制御部3aは、冷凍サイクルが起動された
後に、この制御ルーチンに入り、ステップ50におい
て、エバ直後温度センサ10によって検出されたエバ直
後温度Ta に相当する信号、圧力センサ11によって検
出された高圧冷媒圧力Pdに相当する信号を含む各種信
号を入力し、次のステップ52において、エバ直後温度
Ta が1.5℃よりも低くなって、十分な冷却能力を有
するに至ったか否かを判定する。
【0023】このステップにおいて、Ta が1.5℃以
上であると判定された場合には、ステップ68へ進み、
第1の開閉弁8を開、第2の開閉弁9を開とし、次のス
テップ70において、圧縮機3をフルストローク、即
ち、最大吐出容量で運転し、しかる後にこの制御ルーチ
ンから図示しない他の処理を行い、その後、再びこの制
御ルーチンを実行するようになっている。したがって、
冷凍サイクルが起動した直後においては、Ta が1.5
℃よりも低くなるまで圧縮機3はフルストロークで運転
され続けることとなる。
【0024】そして、ステップ52において、エバ直後
温度センサによって検出された温度(Ta)が1.5℃
よりも低くなったと判定された場合には、ステップ54
へ進み、第1の開閉弁8と第2の開閉弁9を共に閉と
し、ステップ56において、圧縮機3を最小ストロー
ク、即ち、最小吐出容量で運転する。
【0025】そして、この状態は、ステップ58におい
て、Ta が3.0℃よりも大きくなるまで維持され、T
a が3.0℃よりも大きくなると、第1の開閉弁8を閉
にしたまま、第2の開閉弁9を開とする(ステップ6
0)。
【0026】その後、高圧圧力Pdがサイクルで許容さ
れる上限の圧力(2MPa)に至ったか否かを判定し
(ステップ62)、この上限の圧力に至らない限り、エ
バ直後温度センサ10によって検出された温度(Ta)
が5.0℃よりも高くなったか否か判定し、Taが5.
0℃よりも高いと判定された場合には圧縮機3の吐出容
量を10%高めてステップ62へ戻り、Taが5.0℃
以下であれば、圧縮機3の吐出容量を変更せずにステッ
プ62へ戻り、Pdが2MPaまで上昇したか否かをモ
ニタリングし続ける。換言すれば、Pdが2MPaに至
るまで、Taが5.0℃よりも高くなる都度、第1の開
閉弁8を閉、第2の開閉弁9を開にした状態を維持して
圧縮機3の吐出容量を10%づつ高めていく。
【0027】そして、高圧冷媒圧力Pdがサイクルで許
容される上限の圧力(2MPa)に達すると、ステップ
62からステップ68へ進み、ここで第1の開閉弁8も
開にして開閉弁による冷力制御を終え、次のステップ7
0で圧縮機3をフルストローク、即ち、最大吐出容量で
運転し、この制御ルーチンから他の処理ルーチンへ移行
するようになっている。
【0028】ここで、ステップ52によるTaが1.5
℃よりも低くなったかどうかの判定により蒸発器7の冷
却能力が第1の所定能力より増大したか否かが判定さ
れ、ステップ58によるTaが3.0℃よりも高くなっ
たかどうかの判定により蒸発器7の冷却能力が第2の所
定能力より低下したか否かが判定され、ステップ64に
よるTaが5.0℃よりも高くなったかどうかの判定に
より蒸発器7の冷却能力が第3の所定能力より低下した
か否かが判定される。また、ステップ68、70によっ
て冷力増大運転手段が、ステップ52〜60、64、6
6によって冷力保持運転手段が、ステップ62によって
運転切換手段がそれぞれ構成されている。
【0029】したがって、以上の第1及び第2の開閉弁
8,9、及び、圧縮機3の吐出容量の制御により、エバ
直後温度、圧縮機の吐出容量、冷媒圧力、圧縮機の必要
駆動トルクの経時的な変化は、図3に示されるようにな
る。尚、冷媒圧力を示す特性線のうち、高圧側の実線
は、圧縮機3の吐出側と第1の開閉弁8との間の冷媒圧
力を示し、高圧側の破線は、第1の開閉弁8と膨張装置
6との間の冷媒圧力を示す。また、低圧側の実線は、第
2の開閉弁9と圧縮機3の吸入側との間の冷媒圧力を示
し、低圧側の破線は、膨張装置6と第2の開閉弁9との
間の冷媒圧力を示す。
【0030】よって、冷凍サイクルが起動すると、第1
及び第2の開閉弁8,9が開となって圧縮機3がフルス
トロークで駆動し(ステップ68、70)、高圧側の圧
力と低圧側の圧力は所定の圧力差に保たれ、圧縮機3の
必要駆動トルクは最大となり、エバ直後温度(Ta)は
急速に低下してくる。その後、エバ直後温度(Ta)が
1.5℃を下回ると、第1及び第2の開閉弁8,9が閉
となり、圧縮機3の吐出容量が最小となり、それに伴っ
て圧縮機3の駆動トルクも小さくなる。(ステップ5
2、54、56)。すると、高圧ラインの第1の開閉弁
8よりも上流側においては、急激に圧力が低下するもの
の、第1の開閉弁8が閉になることから、第1の開閉弁
8と膨張装置6との間に存在する液冷媒が逆流すること
なくこの間に保持され、高圧状態が保たれる。また、第
2の開閉弁9も閉じられることから、膨張装置6の前後
の圧力差を保持することができ、第1の開閉弁8と膨張
装置6との間に閉じ込められた液冷媒を確実に膨張装置
6を介して蒸発器7へ導くことができるようになる。し
たがって、圧縮機3の吐出容量が最小であるにも拘わら
ず、あたかも圧縮機3が最大吐出容量で稼動している状
態を形成することが可能となり、蒸発器7の温度上昇を
鈍らせることができるようになる。
【0031】この際、高圧ラインの第1の開閉弁8より
も下流側においては、徐々に圧力が低下してくることと
なり、また、低圧ラインの第2の開閉弁9よりも上流側
においては、膨張装置6を介して低圧側へ送られる冷媒
によって徐々に圧力が上昇し、第2の開閉弁9よりも下
流側においては、第2の開閉弁9と圧縮機3との間の冷
媒が引かれ続けることから圧力は一層低下してくる。
【0032】この段階では、第1の開閉弁8と膨張装置
6との間に保持された液冷媒が徐々に低圧側へ流れて膨
張装置6と第2の開閉弁9との間の低圧圧力が徐々に上
昇することから、蒸発器7の冷却能力が低下してくる。
このため、エバ直後温度(Ta)は徐々に高くなってく
る。そして、エバ直後温度が3.0℃よりも高くなるま
で冷却能力が低下してくると、第1の開閉弁8を閉にし
た状態で第2の開閉弁9が開となり(ステップ60)、
圧縮機3と第2の開閉弁9との間の圧力が開放されると
共にこの間に存在する冷媒が引かれ始め、低圧ラインの
第2の開閉弁9よりも上流側において冷媒圧力の上昇が
抑えられると共に第2の開閉弁9よりも下流側において
も冷媒圧力の低下が抑えられ、蒸発器7の冷却能力の低
下が緩やかとなる。
【0033】その後、蒸発器7の冷却能力がさらに低下
し、エバ直後温度(Ta)が5.0℃よりも高くなる
と、現在の圧縮機3の吐出量では冷力が不足することか
ら、圧縮機3の吐出容量を10%増加し、低圧ラインか
らの冷媒の吸引量を増大させることで蒸発器7の冷却能
力を増大を図り、エバ直後温度が5.0℃よりも高くな
らないようにする。その後、エバ直後温度が5.0℃よ
りも高くなる都度、圧縮機3の吐出容量を10%づつ増
加していき、蒸発器7の冷却能力を保持するようにして
いる。
【0034】このように第1の開閉弁8を閉とした状態
で圧縮機3を稼動し続けると、高圧ラインの第1の開閉
弁8よりも上流側の圧力が徐々に高まり、サイクルで許
容される上限の圧力(2MPa)に達すると、第1の開
閉弁8が開となり、圧縮機3がフルストロークで駆動
し、エバ直後温度を急速に低下させる(ステップ62、
68、70)。その後、エバ直後温度が1.5℃より低
くなった時点で上述した制御が繰り返し行われることと
なる。
【0035】したがって、このような第1及び第2の開
閉弁8,9の開閉制御と連続可変タイプの圧縮機3の容
量制御を組み合わせた上述の構成によれば、エバ直後温
度(Ta)をおよそ5℃に保つように吐出量を調整して
いた従来の制御に比べ、圧縮機3をフルストロークさせ
る期間(図3の0〜t1、t5〜t6)では、従来より
も圧縮機3の駆動トルクは大きくなって砂状で示された
分だけ圧縮機3の動力が大きくなるものの、その以外の
期間(図3のt1〜t5、t6〜)においては、駆動ト
ルクを小さくして圧縮機3の動力を斜線で示された分だ
け小さくすることができ、全体として圧縮機3の動力の
軽減を図ることができるようになる。このため、圧縮機
3をエンジン1で駆動する場合であれば、燃費を低減す
ることができ、圧縮機3をモータ2で駆動する場合であ
れば、消費電力の低減を図ることができるようになる。
【0036】図4において、制御部15による空調装置
の他の制御動作例がフロチャートとして示されている。
ここで示す制御動作例は、圧縮機3として、段階的に吐
出容量を可変させるステップ可変容量タイプの可変容量
圧縮機を用いた場合の例であり、特に、この例では、吐
出容量を零(圧縮機停止)、最小容量、最大容量の3段
階に切り換えることができる圧縮機を用いた場合が示さ
れている。
【0037】即ち、制御部15は、冷凍サイクルが起動
された後に、この制御ルーチンに入り、ステップ80に
おいて、エバ直後温度センサ10によって検出されたエ
バ直後温度(Ta )に関する信号、圧力センサ11によ
って検出された高圧冷媒圧力(Pd)に関する信号を含
む各種信号を入力し、次のステップ82において、エバ
直後温度(Ta)が1.5℃よりも低くなって、十分な
冷却能力を有するに至ったか否かを判定する。
【0038】このステップ82において、Ta が1.5
℃以上であると判定された場合には、ステップ98へ進
み、第1の開閉弁8を開、第2の開閉弁9を開とし、次
のステップ100において、圧縮機3を最大吐出容量で
運転し、しかる後にこの制御ルーチンから図示しない他
の処理を行い、その後、再びこの制御ルーチンを実行す
るようになっている。したがって、冷凍サイクルが起動
した直後においては、Ta が1.5℃よりも低くなるま
で圧縮機3はフルストロークで運転され続けることとな
る。
【0039】そして、ステップ82において、エバ直後
温度センサ10によって検出された温度(Ta)が1.
5℃よりも低くなったと判定された場合には、ステップ
84へ進み、第1の開閉弁8と第2の開閉弁9を共に閉
とし、ステップ86において、圧縮機3を停止して吐出
容量を零とする。
【0040】そして、ステップ88において、この状態
をTa が3.0℃よりも大きくなるまで持続し、Ta が
3.0℃よりも大きくなった時点で、第1の開閉弁8を
閉にしたまま、第2の開閉弁9を開とし(ステップ9
0)、圧縮機3を最小吐出容量で運転する(ステップ9
2)。
【0041】その後、高圧冷媒圧力Pdがサイクルで許
容される上限の圧力(2MPa)に至ったか否かを判定
し(ステップ94)、この上限の圧力に至らない限り、
エバ直後温度センサ10によって検出された温度(T
a)が5.0℃よりも高くなったか否か判定し(ステッ
プ96)、Taが5.0℃以下であれば、ステップ94
へ戻り、高圧冷媒圧力Pdが2MPaまで上昇したか否
かをモニタリングし続ける。そして、Pdが2MPaに
達した場合、又は、Taが5.0℃よりも高いと判定さ
れた場合にはステップ98へ進み、ここで第1の開閉弁
8も開にして開閉弁による冷力制御を終え、次のステッ
プ100で圧縮機3を最大吐出容量で運転し、この制御
ルーチンから他の処理ルーチンへ移行するようになって
いる。
【0042】ここで、ステップ82によるTaが1.5
℃よりも低くなったかどうかの判定により蒸発器7の冷
却能力が第1の所定能力より増大したか否かが判定さ
れ、ステップ88によるTaが3.0℃よりも高くなっ
たかどうかの判定により蒸発器7の冷却能力が第2の所
定能力より低下したか否かが判定され、ステップ96に
よるTaが5.0℃よりも高くなったかどうかの判定に
より蒸発器7の冷却能力が第3の所定能力より低下した
か否かが判定される。また、ステップ98、100によ
って冷力増大運転手段が、ステップ82〜92によって
冷力保持運転手段が、ステップ94によって運転切換手
段がそれぞれ構成される。
【0043】したがって、以上の開閉弁及び吐出容量の
制御により、エバ直後温度、圧縮機の吐出容量、冷媒圧
力、圧縮機の必要駆動トルクの経時的な変化は、図5に
示されるようになる。尚、前述と同様、冷媒圧力を示す
特性線のうち、高圧側の実線は、圧縮機3の吐出側と第
1の開閉弁8との間の冷媒圧力を示し、高圧側の破線
は、第1の開閉弁8と膨張装置6との間の冷媒圧力を示
す。また、低圧側の実線は、第2の開閉弁9と圧縮機3
の吸入側との間の冷媒圧力を示し、低圧側の破線は、膨
張装置6と第2の開閉弁9との間の冷媒圧力を示す。
【0044】よって、冷凍サイクルが起動すると、第1
及び第2の開閉弁8,9が開となって圧縮機3が最大吐
出容量で駆動し(ステップ98、100)、高圧側の圧
力と低圧側の圧力は所定の圧力差に保たれ、圧縮機3の
必要駆動トルクは最大となり、エバ直後温度(Ta)は
急速に低下してくる。その後、エバ直後温度が1.5℃
を下回ると、第1及び第2の開閉弁8,9が閉となり、
圧縮機3の吐出容量が零となり、それに伴って圧縮機3
の駆動トルクは零となる(ステップ82、84、8
6)。すると、高圧ラインの第1の開閉弁8よりも上流
側においては、急激に圧力が低下するものの、第1の開
閉弁8が閉になることから、第1の開閉弁8と膨張装置
6との間に存在する液冷媒は逆流することなくこの間に
保持され、高圧状態が保たれる。また、第2の開閉弁9
も閉じられることから、膨張装置6の前後の圧力差を保
持することができ、第1の開閉弁8と膨張装置6との間
に閉じ込められた液冷媒を確実に膨張装置6を介して蒸
発器7へ導くことができるようになる。したがって、圧
縮機3の吐出容量が零であるにも拘わらず、あたかも圧
縮機3が最大吐出容量で稼動している状態を形成するこ
とが可能となり、蒸発器7の温度上昇を鈍らせることが
できるようになる。
【0045】この際、高圧ラインの第1の開閉弁8より
も下流側においては、徐々に圧力が低下してくることと
なり、また、低圧ラインの第2の開閉弁9よりも上流側
においては、膨張装置6を介して低圧側へ送られる冷媒
によって徐々に圧力が上昇し、第2の開閉弁9よりも下
流側においては、圧縮機が停止していることから圧力の
変動はほとんどなくほぼ一定の低圧状態を保つ。
【0046】この段階では、第1の開閉弁8と膨張装置
6との間に保持された液冷媒が徐々に低圧側へ流れて低
圧圧力が徐々に上昇することから、蒸発器7の冷却能力
が低下してくる。このため、エバ直後温度(Ta)は徐
々に高くなってくる。そして、エバ直後温度が3.0℃
よりも高くなるまで冷却能力が低下してくると、第1の
開閉弁8を閉にした状態で第2の開閉弁9が開となり
(ステップ90)、圧縮機3と第2の開閉弁9との間の
圧力が開放されると共にこの間に存在する冷媒が引かれ
始め、低圧ラインの第2の開閉弁9よりも上流側におい
て冷媒圧力の上昇が抑えられ、蒸発器7の冷却能力の低
下が緩やかとなる。
【0047】このように第1の開閉弁8を閉とした状態
で圧縮機3を最小吐出容量で運転し続けると、高圧ライ
ンの第1の開閉弁8よりも上流側の圧力が徐々に高まっ
てくるが、高圧冷媒圧力がサイクルで許容される上限の
圧力(2MPa)に達すると、第1の開閉弁8が開とな
り、圧縮機3が最大吐出容量で駆動されることから、エ
バ直後温度は急速に低下してくる(ステップ94、9
8、100)。その後、エバ直後温度が1.5℃より低
くなった時点で上述した制御が繰り返し行われることと
なる。
【0048】また、蒸発器7の冷却能力の低下が著し
く、高圧冷媒圧力が2MPaに至る前にエバ直後温度T
aが5.0℃よりも高くなると、現在の圧縮機3の吐出
量では冷力が不足するため、第1の開閉弁8を開として
圧縮機3が最大吐出容量で運転され、エバ直後温度(T
a)を急速に低下させ、蒸発器7の冷却能力の増大が図
られるようになる(ステップ96、98、100)。
【0049】したがって、このような第1及び第2の開
閉弁8,9の開閉制御とステップ可変容量タイプの圧縮
機3の容量制御とを組み合わせた上述の構成によれば、
エバ直後温度をおよそ5℃に保つように吐出量を調整し
ていた従来の制御に比べ、圧縮機3を最大吐出容量で運
転させる期間(図5の0〜t1、t3〜t4、t6〜t
7)では、従来よりも圧縮機の駆動トルクは大きくなっ
て砂状で示された分だけ圧縮機3の動力が大きくなるも
のの、その以外の期間(図5のt1〜t3、t4〜t
6、t7〜)においては、駆動トルクを小さくして圧縮
機3の動力を斜線で示された分だけ小さくすることがで
き、全体として圧縮機3の動力の軽減を図ることができ
るようになる。このため、圧縮機3をエンジン1で駆動
する場合であれば、燃費を低減することができ、圧縮機
3をモータ2で駆動する場合であれば、消費電力の低減
を図ることができるようになる。
【0050】
【発明の効果】以上述べたように、この発明によれば、
可変容量圧縮機、凝縮器、受液器、膨張装置、蒸発器を
少なくともこの順で配管接続して構成される冷凍サイク
ルにおいて、凝縮器と受液器との間に第1の開閉手段を
設け、蒸発器と可変容量圧縮機との間に第2の開閉手段
を設け、冷却能力検出手段によって検出された蒸発器の
冷却能力が第1の所定能力より増大するまで第1及び第
2の開閉手段を開にして圧縮機を最大吐出容量で運転
し、冷却能力検出手段によって検出された蒸発器の冷却
能力が第1の所定能力より増大したと判定された場合に
第1及び第2の開閉手段を閉にすると共に、圧縮機の吐
出容量を抑え、その後、蒸発器の冷却能力の低下に応じ
て第2の開閉手段を開とし、圧縮機の吐出容量を大きく
するようにしたので、圧縮機の容量を抑えた場合におい
ても、膨張装置の前後で圧力差を大きく保つことがで
き、第1の開閉手段と膨張装置との間に閉じ込められた
液冷媒を確実に膨張装置を介して蒸発器へ導くことがで
き、また、膨張装置と第2の開閉手段との間の圧力が徐
々に上昇して冷却能力が低下してきた場合でも、第2の
開閉手段と圧縮機の吐出容量とを調節することで蒸発器
の冷却能力の低下を低減させることができる。よって、
圧縮機の吐出容量制御と開閉手段の開閉制御とを組み合
わせることにより、蒸発器の冷却能力を保持するために
必要な限度まで圧縮機の動力を抑えることができ、圧縮
機の動力源の負担を低減することができる。即ち、エン
ジンを圧縮機の動力源とする場合にあっては燃費の向上
を図ることができ、モータを圧縮機の動力源とする場合
にあっては消費電力の低減を図ることができる。
【0051】また、圧縮機の動力源の負担を低減するこ
とができることから、直噴ガソリンエンジンのように、
エアコンの圧縮機やオルタネータの駆動力をエンジンか
ら得ている場合でも、エアコンでの車室内の快適温度の
維持とオルタネータでのバッテリー充電との両方の要請
を満たしやすいものとなり、燃料噴射量の増大やエンジ
ン回転数の増大を抑えることが可能となる。
【0052】また、圧縮機の吐出側での冷媒圧力が所定
圧力以上になった場合に第1及び第2の開閉手段を開に
すると共に圧縮機を最大吐出容量で運転再開させるよう
にしたので、サイクルの高圧圧力の異常上昇を避けるこ
とができ、圧縮機の動力低減を図りつつ冷凍サイクルを
保護することができる。
【0053】蒸発器の冷却能力が第1の所定能力に達し
た場合に、特に、圧縮機として連続的に吐出容量が変更
する可変容量圧縮機を用いる場合であれば、第1及び第
2の開閉手段を閉として可変容量圧縮機の吐出容量を最
小に設定し、蒸発器の冷却能力が第1の所定能力よりも
小さい第2の所定能力より低下した場合に第2の開閉手
段を開とし、さらに、蒸発器の冷却能力が第2の所定能
力よりも小さい第3の所定能力より低下する都度、圧縮
機の吐出容量を徐々に大きくするような構成とすること
により、圧縮機の動力を抑えつつ蒸発器の冷却能力を第
3の所定能力の前後に保つことが可能となる。
【0054】また、圧縮機として段階的に吐出容量が変
更する可変容量圧縮機を用いる場合であれば、冷却能力
判定手段によって蒸発器の冷却能力が第1の所定能力に
達したと判定された場合に第1及び第2の開閉手段を閉
にすると共に圧縮機を停止して吐出容量を零とし、その
後、冷却能力判定手段によって蒸発器の冷却能力が第1
の所定能力よりも小さい第2の所定能力より低下したと
判定された場合に第2の開閉手段を開にすると共に圧縮
機を最小吐出容量で運転することで、冷力を確保しつつ
可変容量圧縮機の動力源の負担を低減することができ
る。さらに、このような構成においては、蒸発器の冷却
能力が第2の所定能力よりも小さい第3の所定能力に達
したと判定された場合に、第1及び第2の開閉手段を開
にすると共に圧縮機を最大吐出容量で運転再開する手段
をさらに備えるようにしておけば、蒸発器の冷却能力の
低下が著しいような場合に、冷却能力の増大を優先させ
ることが可能となる。
【0055】尚、蒸発器の冷却能力の検出を蒸発器の温
度又は蒸発器を通過した空気温度を検出する温度検出器
によって行い、検出温度が低いほど冷却能力が大きく、
検出温度が高いほど冷却能力が小さいと判定するように
しておけば、蒸発器の冷却能力を的確に認識することが
可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に係る空調装置の構成例を示
し、圧縮機として可変容量型を用い、凝縮器と受液器と
の間、及び、蒸発器と圧縮機との間に開閉弁を設けた図
である。
【図2】図2は、可変容量圧縮機として、連続可変容量
タイプの圧縮機を用いた場合の制御部による制御動作例
を示すフローチャートである。
【図3】図3は、図2で示す制御を行った場合のエバ直
後温度、圧縮機の吐出容量、冷媒圧力、及び圧縮機の必
要駆動トルクの経時変化を示す線図である。
【図4】図4は、可変容量圧縮機として、ステップ可変
容量タイプの圧縮機を用いた場合の制御部による制御動
作例を示すフローチャートである。
【図5】図5は、図4で示す制御を行った場合のエバ直
後温度、圧縮機の吐出容量、冷媒圧力、及び圧縮機の必
要駆動トルクの経時変化を示す線図である。
【符号の説明】
3 圧縮機 4 凝縮器 5 受液器 6 膨張装置 7 蒸発器 8 第1の開閉弁 9 第2の開閉弁 10 エバ直後温度センサ 11 圧力センサ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外部からの制御信号によって吐出容量を
    変更可能とする圧縮機と、前記圧縮機によって圧縮され
    た冷媒を放熱する凝縮器と、前記凝縮器によって放熱さ
    れた冷媒を蓄積する受液器と、冷媒を減圧する膨張装置
    と、前記膨張装置で減圧された冷媒を蒸発気化する蒸発
    器とを少なくともこの順で配管接続して構成された冷凍
    サイクルを有する空調装置において、 前記凝縮器と前記受液器との間を開閉する第1の開閉手
    段と、 前記蒸発器と前記圧縮機との間を開閉する第2の開閉手
    段と、 前記蒸発器の冷却能力を検出する冷却能力検出手段と、 前記圧縮機の吐出側の冷媒圧力を検出する圧力検出手段
    と、 前記冷却能力検出手段によって検出された冷却能力の大
    きさを判定する冷却能力判定手段と、 前記圧力検出手段によって検出された冷媒圧力が所定圧
    力以上になったことを判定する圧力判定手段と、 前記冷却能力判定手段によって前記蒸発器の冷却能力が
    前記第1の所定能力より増大したと判定されるまで前記
    第1及び第2の開閉手段を開にして前記圧縮機を最大吐
    出容量で運転する冷力増大運転手段と、 前記冷却能力判定手段によって前記蒸発器の冷却能力が
    前記第1の所定能力より増大したと判定された場合に、
    前記第1及び第2の開閉手段を閉にして前記圧縮機の吐
    出容量を抑え、その後、前記蒸発器の冷却能力の低下に
    応じて、前記第2の開閉手段を開にし、前記圧縮機の吐
    出容量を大きくする冷力保持運転手段と、 前記圧力判定手段によって前記冷媒圧力が前記所定圧力
    以上になったと判定された場合に前記冷力増大運転手段
    による運転に切り替える運転切換手段とを具備すること
    を特徴とする空調装置。
  2. 【請求項2】 前記冷力保持運転手段は、前記冷却能力
    判定手段によって前記蒸発器の冷却能力が前記第1の所
    定能力より増大したと判定された場合に、前記第1及び
    第2の開閉手段を閉にして前記圧縮機を最小吐出容量で
    運転し、その後、前記冷却能力判定手段によって前記蒸
    発器の冷却能力が前記第1の所定能力よりも小さい第2
    の所定能力より低下したと判定された場合に前記第2の
    開閉手段を開にし、前記冷却能力判定手段によって前記
    蒸発器の冷却能力が前記第2の所定能力よりも小さい第
    3の所定能力より低下したと判定される都度、前記圧縮
    機の吐出容量を徐々に大きくすることを特徴とする請求
    項1記載の空調装置。
  3. 【請求項3】 前記冷力保持運転手段は、前記冷却能力
    判定手段によって前記蒸発器の冷却能力が前記第1の所
    定能力より増大したと判定された場合に、前記第1及び
    第2の開閉手段を閉にすると共に前記圧縮機を停止して
    吐出容量を零とし、その後、前記冷却能力判定手段によ
    って前記蒸発器の冷却能力が前記第1の所定能力よりも
    小さい第2の所定能力より低下したと判定された場合に
    前記第2の開閉手段を開にすると共に前記圧縮機を最小
    吐出容量で運転することを特徴とする請求項1記載の空
    調装置。
  4. 【請求項4】 前記冷却能力判定手段によって前記蒸発
    器の冷却能力が前記第2の所定能力よりも小さい第3の
    所定能力より低下したと判定された場合に、前記冷力増
    大運転手段による運転に切り替える手段をさらに備える
    ことを特徴とする請求項3記載の空調装置。
  5. 【請求項5】 前記蒸発器の冷却能力を検出する冷却能
    力検出手段は、前記蒸発器の温度、又は、前記蒸発器を
    通過した空気温度を検出する温度検出器である請求項1
    記載の空調装置。
JP2000230955A 2000-07-31 2000-07-31 空調装置 Pending JP2002036868A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000230955A JP2002036868A (ja) 2000-07-31 2000-07-31 空調装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000230955A JP2002036868A (ja) 2000-07-31 2000-07-31 空調装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002036868A true JP2002036868A (ja) 2002-02-06

Family

ID=18723847

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000230955A Pending JP2002036868A (ja) 2000-07-31 2000-07-31 空調装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002036868A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015001743A1 (ja) * 2013-07-02 2015-01-08 株式会社デンソー 車両用空調装置

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015001743A1 (ja) * 2013-07-02 2015-01-08 株式会社デンソー 車両用空調装置
JP2015009795A (ja) * 2013-07-02 2015-01-19 株式会社デンソー 車両用空調装置
CN105377600A (zh) * 2013-07-02 2016-03-02 株式会社电装 车辆用空调装置
KR101757264B1 (ko) 2013-07-02 2017-07-12 가부시키가이샤 덴소 차량용 공조 장치
US9919580B2 (en) 2013-07-02 2018-03-20 Denso Corporation Air conditioner for vehicle

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7559206B2 (en) Supercritical heat pump cycle system
US9389005B2 (en) Two-stage compression refrigeration cycle device
US7836716B2 (en) Refrigerant cycle device and control system for vehicle
EP1749173A1 (en) System and method for controlling an economizer circuit
JPH09318169A (ja) 冷凍装置
JP2001063348A (ja) 冷凍サイクル装置
JP2000320936A (ja) 冷凍サイクルの安全装置
JPH11230624A (ja) 電子膨張弁の制御装置及び電子膨張弁の制御方法
JP2002267279A (ja) 冷凍サイクル制御装置
JPH1089778A (ja) 冷凍装置
JP2003028522A (ja) 冷凍サイクル
JP2007032895A (ja) 超臨界冷凍サイクル装置およびその制御方法
JP2002071228A (ja) 冷凍サイクルの制御装置
JP2002036868A (ja) 空調装置
JP4274250B2 (ja) 冷凍装置
JPH1038387A (ja) 空気調和機の運転制御装置
JP2004176938A (ja) 冷凍サイクルの制御方法
JP2002364937A (ja) 冷蔵庫
JP4301546B2 (ja) 冷凍装置
JP2002061965A (ja) 冷凍サイクル
JPH1163687A (ja) エアコンサイクル
JP2002036867A (ja) 空調制御装置
JP2006205959A (ja) 車両用空調制御装置
JPH10122677A (ja) 二元冷凍装置
JPH0526524A (ja) 二段圧縮式冷凍装置