JP2002036746A - 円筒状ブランケット及びブランケット胴並びに印刷機 - Google Patents
円筒状ブランケット及びブランケット胴並びに印刷機Info
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- Y10S—TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y10S428/00—Stock material or miscellaneous articles
- Y10S428/909—Resilient layer, e.g. printer's blanket
Abstract
(57)【要約】
【課題】 円筒状ブランケット及びブランケット胴並び
に印刷機に関し、並設された複数の印刷ユニットを用い
て走行するウェブに多色印刷を施す場合に、振動，騒音
を抑えながら走行方向におけるウェブのテンションを均
一化できるようにする。 【解決手段】 印刷機のブランケット胴４を基軸ローラ
３と基軸ローラ３に嵌脱自在な円筒状ブランケット１と
から構成し、円筒状ブランケット１は円筒状のスリーブ
８の外周面に一体的に弾性層９を形成してこの弾性層９
に軸方向に延びる溝４０を設けることによって構成す
る。
に印刷機に関し、並設された複数の印刷ユニットを用い
て走行するウェブに多色印刷を施す場合に、振動，騒音
を抑えながら走行方向におけるウェブのテンションを均
一化できるようにする。 【解決手段】 印刷機のブランケット胴４を基軸ローラ
３と基軸ローラ３に嵌脱自在な円筒状ブランケット１と
から構成し、円筒状ブランケット１は円筒状のスリーブ
８の外周面に一体的に弾性層９を形成してこの弾性層９
に軸方向に延びる溝４０を設けることによって構成す
る。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、多色印刷機等の印
刷機に関し、特に、印刷機の各印刷ユニットに配設され
るブランケット胴の構造、詳しくはブランケット胴の外
周面を形成する円筒状ブランケットの構造に関する。
刷機に関し、特に、印刷機の各印刷ユニットに配設され
るブランケット胴の構造、詳しくはブランケット胴の外
周面を形成する円筒状ブランケットの構造に関する。
【０００２】
【従来の技術】オフセット輪転機（印刷機）には、印刷
すべき色に応じて複数の印刷ユニットが備えられてい
る。各印刷ユニットは、インキ溜に充填されたインキを
並設されたインキローラ群により順次転移しながらその
過程で適度に練って薄いインキ被膜に形成するようにな
っている。そして、形成したインキ皮膜を版胴に巻着さ
れた刷版へ転移し、更に、ブランケット胴の外周面へ転
写させた後、該ブランケット胴へ転接して走行するウェ
ブへ印刷を施すようになっている。
すべき色に応じて複数の印刷ユニットが備えられてい
る。各印刷ユニットは、インキ溜に充填されたインキを
並設されたインキローラ群により順次転移しながらその
過程で適度に練って薄いインキ被膜に形成するようにな
っている。そして、形成したインキ皮膜を版胴に巻着さ
れた刷版へ転移し、更に、ブランケット胴の外周面へ転
写させた後、該ブランケット胴へ転接して走行するウェ
ブへ印刷を施すようになっている。
【０００３】ところで、前記ブランケット胴の外周面
は、ゴム等を主体とする弾性部材からなるため、へたり
や破損等が生じやすく交換の必要が生じる。このため、
ブランケット胴の外周面は、従来より取り外し可能に構
成されている。ここで、図３〜図５は、従来のブランケ
ット胴の代表的な構成を示す摸式図である。ここでは、
ブランケット胴をシートパスラインの両側へ対設させる
ことによってウェブへ両面印刷を施すことが可能な印刷
ユニットを示している。
は、ゴム等を主体とする弾性部材からなるため、へたり
や破損等が生じやすく交換の必要が生じる。このため、
ブランケット胴の外周面は、従来より取り外し可能に構
成されている。ここで、図３〜図５は、従来のブランケ
ット胴の代表的な構成を示す摸式図である。ここでは、
ブランケット胴をシートパスラインの両側へ対設させる
ことによってウェブへ両面印刷を施すことが可能な印刷
ユニットを示している。
【０００４】図３は基軸ローラにシート状ブランケット
を巻着するタイプのブランケット胴の構成を示してい
る。図３に示すように、このブランケット胴３０は、基
軸ローラ２４の外周面の軸方向の全域に亘ってスリット
状の溝１６を備え、この溝１６にシート状ブランケット
１５の前後両端を挿入して締め付け装置２３を介して把
持（固定）させるべく構成されている。なお、図３中に
符号１２で示す部材は版胴であり、符号１３で示す部材
は刷版である。刷版１３は周方向両端部を版胴１２の外
周面に設けられた咥え部１２ａにより咥えられて、版胴
１２の外周面に巻着されている。また、ウェブ１４は上
下のブランケット胴３０，３０に挟持されながら走行す
るようになっている。
を巻着するタイプのブランケット胴の構成を示してい
る。図３に示すように、このブランケット胴３０は、基
軸ローラ２４の外周面の軸方向の全域に亘ってスリット
状の溝１６を備え、この溝１６にシート状ブランケット
１５の前後両端を挿入して締め付け装置２３を介して把
持（固定）させるべく構成されている。なお、図３中に
符号１２で示す部材は版胴であり、符号１３で示す部材
は刷版である。刷版１３は周方向両端部を版胴１２の外
周面に設けられた咥え部１２ａにより咥えられて、版胴
１２の外周面に巻着されている。また、ウェブ１４は上
下のブランケット胴３０，３０に挟持されながら走行す
るようになっている。
【０００５】ところが、このタイプのブランケット胴３
０は、ブランケット１５の交換における作業性が悪く、
作業時間がかかるという課題がある。また、締め付け装
置２３の近辺ではブランケット１５に大きな張力がかか
るが、締め付け装置２３から離れた部分には張力がかか
りにくい。このため、張力に応じてブランケット１５の
厚みが変化してしまい、初期の円筒精度が悪く印刷品質
が変動してしまうという課題もある。更に、締め付け装
置２３の胴表面に開口した軸方向のスリット状溝１６に
より、回転振動や騒音が発生したり、このスリット状溝
１６が非印刷部分となるため多くの損紙が発生してしま
うという課題もある。
０は、ブランケット１５の交換における作業性が悪く、
作業時間がかかるという課題がある。また、締め付け装
置２３の近辺ではブランケット１５に大きな張力がかか
るが、締め付け装置２３から離れた部分には張力がかか
りにくい。このため、張力に応じてブランケット１５の
厚みが変化してしまい、初期の円筒精度が悪く印刷品質
が変動してしまうという課題もある。更に、締め付け装
置２３の胴表面に開口した軸方向のスリット状溝１６に
より、回転振動や騒音が発生したり、このスリット状溝
１６が非印刷部分となるため多くの損紙が発生してしま
うという課題もある。
【０００６】図４，図５は基軸ローラに円筒（スリー
ブ）状ブランケットを嵌装するタイプのブランケット胴
を示している。図４に示すように、このブランケット胴
３１は、基軸ローラ３の外周面へ円筒状ブランケット１
０を嵌装したものである。円筒状ブランケット１０は、
金属製スリーブ８に対しゴム等の弾性体にて形成した表
皮層１７を一体的に巻着させることによって構成されて
いる。また、円筒状ブランケット１０は、図５に示すよ
うに、フレーム５ａ，５ｂ間においてブッシュ７ａ，７
ｂに嵌装された軸受６ａ，６ｂによって回転自在に軸支
されている。このため、基軸ローラ３に対する円筒状ブ
ランケット１０の嵌脱作業は、一方の軸受６ａをブッシ
ュ７ａとともに一旦フレーム５ａから抜き取って所定の
スペースを形成し、基軸ローラ３を他方の軸受６ｂによ
って片持ち支持させた状態で行なわれるようになってい
る。
ブ）状ブランケットを嵌装するタイプのブランケット胴
を示している。図４に示すように、このブランケット胴
３１は、基軸ローラ３の外周面へ円筒状ブランケット１
０を嵌装したものである。円筒状ブランケット１０は、
金属製スリーブ８に対しゴム等の弾性体にて形成した表
皮層１７を一体的に巻着させることによって構成されて
いる。また、円筒状ブランケット１０は、図５に示すよ
うに、フレーム５ａ，５ｂ間においてブッシュ７ａ，７
ｂに嵌装された軸受６ａ，６ｂによって回転自在に軸支
されている。このため、基軸ローラ３に対する円筒状ブ
ランケット１０の嵌脱作業は、一方の軸受６ａをブッシ
ュ７ａとともに一旦フレーム５ａから抜き取って所定の
スペースを形成し、基軸ローラ３を他方の軸受６ｂによ
って片持ち支持させた状態で行なわれるようになってい
る。
【０００７】基軸ローラ３の外周面で円筒状ブランケッ
ト１０が嵌脱される側の端部には、周方向に複数の空気
孔１８が形成されている。これら空気孔１８は基軸ロー
ラ３の内部に形成された空気供給孔１９に連通し、配管
２０，電磁弁２１等を介して空気圧縮源２２に連結され
ており、適宜のタイミングで半径方向外側へ圧縮空気を
吹き出すことが可能になっている。空気孔１８に向けて
圧縮空気を給送すると、基軸ローラ３と円筒状ブランケ
ット１０との隙間には圧縮空気層が形成される。この圧
縮空気層は円筒状ブランケット１０の内径を拡大させ、
基軸ローラ３に対する嵌脱を容易にする。なお、円筒状
ブランケット１０の内径は基軸ローラ３の外径に対して
わずかに小さく形成されているので、装着後の運転時に
は圧縮空気の給送を停止することによって、円筒状ブラ
ンケット１０は収縮して基軸ローラ３に対し密着するよ
うになっている。
ト１０が嵌脱される側の端部には、周方向に複数の空気
孔１８が形成されている。これら空気孔１８は基軸ロー
ラ３の内部に形成された空気供給孔１９に連通し、配管
２０，電磁弁２１等を介して空気圧縮源２２に連結され
ており、適宜のタイミングで半径方向外側へ圧縮空気を
吹き出すことが可能になっている。空気孔１８に向けて
圧縮空気を給送すると、基軸ローラ３と円筒状ブランケ
ット１０との隙間には圧縮空気層が形成される。この圧
縮空気層は円筒状ブランケット１０の内径を拡大させ、
基軸ローラ３に対する嵌脱を容易にする。なお、円筒状
ブランケット１０の内径は基軸ローラ３の外径に対して
わずかに小さく形成されているので、装着後の運転時に
は圧縮空気の給送を停止することによって、円筒状ブラ
ンケット１０は収縮して基軸ローラ３に対し密着するよ
うになっている。
【０００８】上記のような構成により、このタイプのブ
ランケット胴３１によれば、前述のブランケット胴３０
において必要であったスリット状溝１６の基軸ローラ３
外周面への形成が不要になるとともに、ブランケットの
交換作業時間を短縮することが可能になった。また、ブ
ランケット１０の表面に継ぎ目が無いことにより、ブラ
ンケット胴３１上における非印刷部分が無くなり、非印
刷部分は版胴１２における刷版１３の装着部の範囲のみ
に縮小され、これにより損紙を減少させることが可能に
なった。また、表面に継ぎ目が無くブラケットの厚さの
変化も小さいので、円筒精度が向上して振動騒音が低減
されるとともに、印刷品質も初期から安定するようにな
った。
ランケット胴３１によれば、前述のブランケット胴３０
において必要であったスリット状溝１６の基軸ローラ３
外周面への形成が不要になるとともに、ブランケットの
交換作業時間を短縮することが可能になった。また、ブ
ランケット１０の表面に継ぎ目が無いことにより、ブラ
ンケット胴３１上における非印刷部分が無くなり、非印
刷部分は版胴１２における刷版１３の装着部の範囲のみ
に縮小され、これにより損紙を減少させることが可能に
なった。また、表面に継ぎ目が無くブラケットの厚さの
変化も小さいので、円筒精度が向上して振動騒音が低減
されるとともに、印刷品質も初期から安定するようにな
った。
【０００９】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ウェブ１４
は、印刷ユニットを順次通過する際にインキや湿し水が
供給されるため、含水率が次第に高くなっていきウェブ
１４の走行方向に沿って伸び易くなる。このため、複数
の印刷ユニットを並設することによって多色印刷を行わ
せる輪転機では、下流に行くに従って上記伸び量が集積
されることになり、ウェブ１４に作用するテンションが
徐々に減少するといった傾向がある。
は、印刷ユニットを順次通過する際にインキや湿し水が
供給されるため、含水率が次第に高くなっていきウェブ
１４の走行方向に沿って伸び易くなる。このため、複数
の印刷ユニットを並設することによって多色印刷を行わ
せる輪転機では、下流に行くに従って上記伸び量が集積
されることになり、ウェブ１４に作用するテンションが
徐々に減少するといった傾向がある。
【００１０】この問題に対処する方法としては、例え
ば、図６に示すようにウェブ１４の走行方向下流側に向
けて各ブランケット胴３２，３３，３４の直径Ｄ1，
Ｄ2，Ｄ3を順次相対的に拡大し（即ち、Ｄ1＜Ｄ2＜
Ｄ3）、各ブランケット胴３２，３３，３４の周速度
Ｖ1，Ｖ2，Ｖ3を僅かに速くしていくこと（即ち、Ｖ1＜
Ｖ2＜Ｖ3）によって、ウェブ１４の伸びを吸収してテン
ションの低下を防止する方法が考えられる。また、各ブ
ランケット胴の外周面のゴム材質を紙送り特性の異なる
ものにし、各ブランケット胴の直径は同一のままで紙送
り特性を変えることによってテンションの低下を防止す
る方法も考えられる。
ば、図６に示すようにウェブ１４の走行方向下流側に向
けて各ブランケット胴３２，３３，３４の直径Ｄ1，
Ｄ2，Ｄ3を順次相対的に拡大し（即ち、Ｄ1＜Ｄ2＜
Ｄ3）、各ブランケット胴３２，３３，３４の周速度
Ｖ1，Ｖ2，Ｖ3を僅かに速くしていくこと（即ち、Ｖ1＜
Ｖ2＜Ｖ3）によって、ウェブ１４の伸びを吸収してテン
ションの低下を防止する方法が考えられる。また、各ブ
ランケット胴の外周面のゴム材質を紙送り特性の異なる
ものにし、各ブランケット胴の直径は同一のままで紙送
り特性を変えることによってテンションの低下を防止す
る方法も考えられる。
【００１１】前述した図３に示すタイプのブランケット
胴３０では、基軸ローラ３と板状ブランケット１５との
間に図示しないアンダシートを介装し、このアンダーシ
ートの厚みを変更することで比較的容易に直径を変更す
ることができる。更に、各色間においてウエブテンショ
ンにレベル変動が生じた場合でも、外周面に形成された
スリット状溝１６において一回転毎にテンション抜けが
起るため、ウエブテンションは平均化されやすい。
胴３０では、基軸ローラ３と板状ブランケット１５との
間に図示しないアンダシートを介装し、このアンダーシ
ートの厚みを変更することで比較的容易に直径を変更す
ることができる。更に、各色間においてウエブテンショ
ンにレベル変動が生じた場合でも、外周面に形成された
スリット状溝１６において一回転毎にテンション抜けが
起るため、ウエブテンションは平均化されやすい。
【００１２】ところが、図４に示すブランケット胴３１
では、円筒状ブランケット１０の外周面には継ぎ目がな
いので、前述のブランケット胴３０のようなテンション
抜けによるウエブテンションの平均化は期待できない。
また、円筒状ブランケット１０は、弾性部材で形成する
表皮層１７を金属製スリーブ８と一体的に製造するもの
であるので、ブランケット胴３１の直径を変更するに
は、表皮層１７の厚さを変更する必要がある。或いは、
ブランケット胴３１の直径をそのままにする場合には、
表皮層１７の特性（紙送り特性）を変更する必要があ
る。
では、円筒状ブランケット１０の外周面には継ぎ目がな
いので、前述のブランケット胴３０のようなテンション
抜けによるウエブテンションの平均化は期待できない。
また、円筒状ブランケット１０は、弾性部材で形成する
表皮層１７を金属製スリーブ８と一体的に製造するもの
であるので、ブランケット胴３１の直径を変更するに
は、表皮層１７の厚さを変更する必要がある。或いは、
ブランケット胴３１の直径をそのままにする場合には、
表皮層１７の特性（紙送り特性）を変更する必要があ
る。
【００１３】このため、上記ブランケット胴３１を備え
た輪転機では、直径或いは特性の異なる円筒ブランケッ
ト１０を各色毎（各印刷装置毎）に用意する必要があ
り、各ブランケット胴３１間での円筒ブランケット１０
の互換性がなくなってしまう。したがって、予備品の保
管量が増えて保管スペースが増大するとともに、個々の
円筒状ブランケット１０の製造費用も高くなってしま
う。
た輪転機では、直径或いは特性の異なる円筒ブランケッ
ト１０を各色毎（各印刷装置毎）に用意する必要があ
り、各ブランケット胴３１間での円筒ブランケット１０
の互換性がなくなってしまう。したがって、予備品の保
管量が増えて保管スペースが増大するとともに、個々の
円筒状ブランケット１０の製造費用も高くなってしま
う。
【００１４】本発明は、このような課題に鑑み創案され
たもので、並設された複数の印刷ユニットを用いて走行
するウェブに多色印刷を施す場合に、振動，騒音を抑え
ながら走行方向におけるウェブのテンションを均一化で
きるようにした、円筒状ブランケット及びブランケット
胴並びに印刷機を提供することを目的とする。
たもので、並設された複数の印刷ユニットを用いて走行
するウェブに多色印刷を施す場合に、振動，騒音を抑え
ながら走行方向におけるウェブのテンションを均一化で
きるようにした、円筒状ブランケット及びブランケット
胴並びに印刷機を提供することを目的とする。
【００１５】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の円筒状ブランケットは、円筒状のスリーブ
と、該スリーブの外周面に一体的に形成された弾性層と
を備え、該弾性層に軸方向に延びる溝が設けられたこと
を特徴としている。好ましくは、該弾性層を板状の弾性
部材を該スリーブの外周面に巻回して貼り付けることに
より形成し、該板状弾性部材の周方向両端部間に隙間を
設けることよって該溝を形成する。より好ましくは、該
板状弾性部材の周方向両端部が該スリーブから剥離する
のを防止すべく、肉厚が該板状弾性部材の肉厚よりも薄
く形成された剥離防止部材を該隙間に埋設する。
に、本発明の円筒状ブランケットは、円筒状のスリーブ
と、該スリーブの外周面に一体的に形成された弾性層と
を備え、該弾性層に軸方向に延びる溝が設けられたこと
を特徴としている。好ましくは、該弾性層を板状の弾性
部材を該スリーブの外周面に巻回して貼り付けることに
より形成し、該板状弾性部材の周方向両端部間に隙間を
設けることよって該溝を形成する。より好ましくは、該
板状弾性部材の周方向両端部が該スリーブから剥離する
のを防止すべく、肉厚が該板状弾性部材の肉厚よりも薄
く形成された剥離防止部材を該隙間に埋設する。
【００１６】また、本発明のブランケット胴は、上記の
円筒状ブランケットと、該円筒状ブランケットが嵌装さ
れる基軸ローラとを備え、該円筒状ブランケットと該機
軸ローラとが嵌脱自在に構成されたことを特徴としてい
る。
円筒状ブランケットと、該円筒状ブランケットが嵌装さ
れる基軸ローラとを備え、該円筒状ブランケットと該機
軸ローラとが嵌脱自在に構成されたことを特徴としてい
る。
【００１７】また、本発明の印刷機は、ウェブの走行ラ
インに沿って複数の印刷ユニットが並設され上記複数の
印刷ユニットによって該ウェブに印刷を施す印刷機にお
いて、各印刷ユニットに上記のブランケット胴が配設さ
れたことを特徴としている。特に、両面印刷を行なう場
合、即ち、該ウェブの走行ラインを挟んで上記ブランケ
ット胴が対をなして配設される場合は、対をなす各ブラ
ンケット胴の外周面にそれぞれ形成される上記溝が該ウ
ェブの走行ライン上において対面するように各ブランケ
ット胴の相対的位相を設定するのが好ましい。
インに沿って複数の印刷ユニットが並設され上記複数の
印刷ユニットによって該ウェブに印刷を施す印刷機にお
いて、各印刷ユニットに上記のブランケット胴が配設さ
れたことを特徴としている。特に、両面印刷を行なう場
合、即ち、該ウェブの走行ラインを挟んで上記ブランケ
ット胴が対をなして配設される場合は、対をなす各ブラ
ンケット胴の外周面にそれぞれ形成される上記溝が該ウ
ェブの走行ライン上において対面するように各ブランケ
ット胴の相対的位相を設定するのが好ましい。
【００１８】
【発明の実施形態】以下、図面を参照しながら本発明の
実施の形態について説明する。図１，図２は本発明の一
実施形態を示すものである。まず、図１は本実施形態に
かかるブランケット胴の構成を示す図であり、（ａ）は
ウェブの走行方向（正面方向）に見たブランケット胴の
正面図（一部を破断して示している）、（ｂ）は（ａ）
のＩ−Ｉ矢視断面を基軸ローラを省略して示す図、即ち
円筒状ブランケットの軸方向断面図である。
実施の形態について説明する。図１，図２は本発明の一
実施形態を示すものである。まず、図１は本実施形態に
かかるブランケット胴の構成を示す図であり、（ａ）は
ウェブの走行方向（正面方向）に見たブランケット胴の
正面図（一部を破断して示している）、（ｂ）は（ａ）
のＩ−Ｉ矢視断面を基軸ローラを省略して示す図、即ち
円筒状ブランケットの軸方向断面図である。
【００１９】本実施形態にかかるブランケット胴４は、
図１（ａ）に示すように、内筒を形成する基軸ローラ３
と外筒を形成する円筒状ブランケット１とから構成され
ている。基軸ローラ３と円筒状ブランケット１とは別体
であり、円筒状ブランケット１を基軸ローラ３を軸方向
にスライドさせることによって着脱できる構成となって
いる。基軸ローラ３の外周面の軸方向一端部にはフラン
ジ１１が形成されており、このフランジ１１がストッパ
となって円筒状ブランケット１の軸方向位置が規定され
るようになっている。なお、図示はしていないが、基軸
ローラ３の外周面のフランジ１１が形成されていない側
の端部には、従来同様に複数の空気孔が穿設されてい
る。円筒状ブランケット１の着脱時には従来同様にこの
空気孔から圧縮空気が噴出され、円筒状ブランケット１
の内径を拡張して基軸ローラ３に対する嵌脱を容易にす
るようになっている。
図１（ａ）に示すように、内筒を形成する基軸ローラ３
と外筒を形成する円筒状ブランケット１とから構成され
ている。基軸ローラ３と円筒状ブランケット１とは別体
であり、円筒状ブランケット１を基軸ローラ３を軸方向
にスライドさせることによって着脱できる構成となって
いる。基軸ローラ３の外周面の軸方向一端部にはフラン
ジ１１が形成されており、このフランジ１１がストッパ
となって円筒状ブランケット１の軸方向位置が規定され
るようになっている。なお、図示はしていないが、基軸
ローラ３の外周面のフランジ１１が形成されていない側
の端部には、従来同様に複数の空気孔が穿設されてい
る。円筒状ブランケット１の着脱時には従来同様にこの
空気孔から圧縮空気が噴出され、円筒状ブランケット１
の内径を拡張して基軸ローラ３に対する嵌脱を容易にす
るようになっている。
【００２０】本実施形態にかかる円筒状ブランケット１
は、図１（ａ），図１（ｂ）に示すように、内筒を形成
する金属製のスリーブ８と外周面を形成する板状弾性体
９とから構成されている。金属製スリーブ８は従来同
様、基軸ローラ３の外径に対して内径寸法を僅かに小さ
く形成されており、基軸ローラ３への嵌装後は基軸ロー
ラ３を周囲から締め付けることによって装着時の回転方
向及び軸方向へのズレが発生しないよう構成されてい
る。板状弾性体９は表面ゴム層，基布層，発泡層等の複
層構造の板状部材であり、金属製スリーブ８の外周面に
糸層を巻き付けた後、次の工程で金属製スリーブ８の外
周面に巻回されて接着剤等により貼り付けられ、金属製
スリーブ８と一体化されるようになっている。また、板
状弾性体９の外周面は、所定の直径となるように金属製
スリーブ８との一体化後に研磨加工されるようになって
いる。
は、図１（ａ），図１（ｂ）に示すように、内筒を形成
する金属製のスリーブ８と外周面を形成する板状弾性体
９とから構成されている。金属製スリーブ８は従来同
様、基軸ローラ３の外径に対して内径寸法を僅かに小さ
く形成されており、基軸ローラ３への嵌装後は基軸ロー
ラ３を周囲から締め付けることによって装着時の回転方
向及び軸方向へのズレが発生しないよう構成されてい
る。板状弾性体９は表面ゴム層，基布層，発泡層等の複
層構造の板状部材であり、金属製スリーブ８の外周面に
糸層を巻き付けた後、次の工程で金属製スリーブ８の外
周面に巻回されて接着剤等により貼り付けられ、金属製
スリーブ８と一体化されるようになっている。また、板
状弾性体９の外周面は、所定の直径となるように金属製
スリーブ８との一体化後に研磨加工されるようになって
いる。
【００２１】板状弾性体９の周方向長さは金属製スリー
ブ８の外周面の円周長よりも僅かに短く設定されてい
る。このため、金属製スリーブ８の外周面に装着したと
きには、周方向両端部間において隙間（継ぎ目）４０が
形成されるようになっている。継ぎ目４０内には板状の
部材（剥離防止部材）２が埋設される。この部材２は、
板状弾性体９の両端部が金属製スリーブ８から剥離する
のを防止するためのものであり、金属製スリーブ８の外
周面と板状弾性体９の両端部とに接着されている。剥離
防止部材２の肉厚Ｓ１は板状弾性体９の肉厚Ｓ２に比べ
て薄く設定され、これにより継ぎ目４０部には深さＲ
（＝Ｓ２−Ｓ１）の溝が形成されるようになっている。
なお、剥離防止部材２の材質は板状弾性体９と同じ材質
を用いることができる。
ブ８の外周面の円周長よりも僅かに短く設定されてい
る。このため、金属製スリーブ８の外周面に装着したと
きには、周方向両端部間において隙間（継ぎ目）４０が
形成されるようになっている。継ぎ目４０内には板状の
部材（剥離防止部材）２が埋設される。この部材２は、
板状弾性体９の両端部が金属製スリーブ８から剥離する
のを防止するためのものであり、金属製スリーブ８の外
周面と板状弾性体９の両端部とに接着されている。剥離
防止部材２の肉厚Ｓ１は板状弾性体９の肉厚Ｓ２に比べ
て薄く設定され、これにより継ぎ目４０部には深さＲ
（＝Ｓ２−Ｓ１）の溝が形成されるようになっている。
なお、剥離防止部材２の材質は板状弾性体９と同じ材質
を用いることができる。
【００２２】上記の構成により、本ブランケット胴４に
おいても、基軸ローラ３に対する円筒状ブランケット１
の交換作業は従来同様の方法で行なうことができる。即
ち、図５を参照すると、まず、基軸ローラ３を軸支する
一方の軸受６ａが嵌装されたブッシュ７ａを一旦フレー
ム５ａから抜き取り、円筒状ブランケット１を基軸ロー
ラ３の軸方向に嵌脱できるだけの所定のスペースを形成
する。そして、基軸ローラ３を他方の軸受６ｂによって
片持ち支持しながら古い円筒状ブランケット１を基軸ロ
ーラ３から軸方向に抜き取り、新たな円筒状ブランケッ
ト１を基軸ローラ３に嵌装する。その後、抜き取ったブ
ッシュ７ａをフレーム５ａに嵌装してもとの形に組み立
て、これにより交換作業が終了する。
おいても、基軸ローラ３に対する円筒状ブランケット１
の交換作業は従来同様の方法で行なうことができる。即
ち、図５を参照すると、まず、基軸ローラ３を軸支する
一方の軸受６ａが嵌装されたブッシュ７ａを一旦フレー
ム５ａから抜き取り、円筒状ブランケット１を基軸ロー
ラ３の軸方向に嵌脱できるだけの所定のスペースを形成
する。そして、基軸ローラ３を他方の軸受６ｂによって
片持ち支持しながら古い円筒状ブランケット１を基軸ロ
ーラ３から軸方向に抜き取り、新たな円筒状ブランケッ
ト１を基軸ローラ３に嵌装する。その後、抜き取ったブ
ッシュ７ａをフレーム５ａに嵌装してもとの形に組み立
て、これにより交換作業が終了する。
【００２３】ところで、上述のように円筒状ブランケッ
ト１の外周面には軸方向に延びる継ぎ目４０が形成され
ている。この継ぎ目４０が刷版の印刷絵柄面にかからな
いようにするためには、回転時に継ぎ目４０が版胴の外
周面に形成された刷版の咥え部（図３，図４中の符号１
２ａ参照）に一致する（対面する）ように、継ぎ目４０
と刷版の咥え部との相対的位相を正確に調整する必要が
ある。そこで、本実施形態では、基軸ローラ３のフラン
ジ１１の外周面に装着基準線としてのケガキ線４１を設
け、このケガキ線４１に継ぎ目４０が合致するように円
筒状ブランケット１を装着することによって、円筒状ブ
ランケット１が正しい位相位置になるようにしている。
ト１の外周面には軸方向に延びる継ぎ目４０が形成され
ている。この継ぎ目４０が刷版の印刷絵柄面にかからな
いようにするためには、回転時に継ぎ目４０が版胴の外
周面に形成された刷版の咥え部（図３，図４中の符号１
２ａ参照）に一致する（対面する）ように、継ぎ目４０
と刷版の咥え部との相対的位相を正確に調整する必要が
ある。そこで、本実施形態では、基軸ローラ３のフラン
ジ１１の外周面に装着基準線としてのケガキ線４１を設
け、このケガキ線４１に継ぎ目４０が合致するように円
筒状ブランケット１を装着することによって、円筒状ブ
ランケット１が正しい位相位置になるようにしている。
【００２４】次に、上記のように構成された本発明の一
実施形態にかかるブランケット胴４を多色印刷用の輪転
機（印刷機）に備えた場合の作用及び効果について、図
２を用いて説明する。図２は本実施形態にかかる輪転機
の作用を説明するための説明図であり、（ａ）はウェブ
走行ライン上におけるブランケット胴の配置を示す図、
（ｂ），（ｃ）は走行ライン上におけるウェブのテンシ
ョン状態を示す図、（ｄ）は特定点Ｐにおけるウェブテ
ンションの時間変化を示す図である。
実施形態にかかるブランケット胴４を多色印刷用の輪転
機（印刷機）に備えた場合の作用及び効果について、図
２を用いて説明する。図２は本実施形態にかかる輪転機
の作用を説明するための説明図であり、（ａ）はウェブ
走行ライン上におけるブランケット胴の配置を示す図、
（ｂ），（ｃ）は走行ライン上におけるウェブのテンシ
ョン状態を示す図、（ｄ）は特定点Ｐにおけるウェブテ
ンションの時間変化を示す図である。
【００２５】まず、多色印刷を行なう場合の輪転器の配
置構成について説明する。多色印刷を行なう場合には、
図２（ａ）に示すように、印刷すべき色に応じてウェブ
１４の走行ラインに沿って複数の印刷ユニット２５が並
設され、各印刷ユニット２５毎に上記ブランケット胴４
が配設される。特に、ここでは両面印刷を行なう場合の
配置構成を示しており、ブランケット胴４はウェブ１４
の走行ラインを挟んで上下に対をなして配設されてい
る。上下のブランケット胴４，４は互いに同期して回転
しており、ここでは、各ブランケット胴４，４の外周面
に形成される継ぎ目４０が一回転毎にウェブ１４の走行
ライン上において対面するように各ブランケット胴４，
４の相対的位相が設定されている。
置構成について説明する。多色印刷を行なう場合には、
図２（ａ）に示すように、印刷すべき色に応じてウェブ
１４の走行ラインに沿って複数の印刷ユニット２５が並
設され、各印刷ユニット２５毎に上記ブランケット胴４
が配設される。特に、ここでは両面印刷を行なう場合の
配置構成を示しており、ブランケット胴４はウェブ１４
の走行ラインを挟んで上下に対をなして配設されてい
る。上下のブランケット胴４，４は互いに同期して回転
しており、ここでは、各ブランケット胴４，４の外周面
に形成される継ぎ目４０が一回転毎にウェブ１４の走行
ライン上において対面するように各ブランケット胴４，
４の相対的位相が設定されている。
【００２６】前述したように、多色印刷を行なう場合、
複数の印刷ユニットを経て印刷を重ねる度にウェブ１４
にはインキと共に湿し水が供給されるので、ウエブ１４
はその物性が変化して次第に伸び易くなっていく。この
ため、各印刷ユニットのブランケット胴が同一の紙送り
特性の外周面を備え、且つ同一直径である場合、ウェブ
１４のテンションは、伸び量の増加に伴って図２（ｂ）
に示すように走行方向下流に行くに従い次第に低下して
いく。
複数の印刷ユニットを経て印刷を重ねる度にウェブ１４
にはインキと共に湿し水が供給されるので、ウエブ１４
はその物性が変化して次第に伸び易くなっていく。この
ため、各印刷ユニットのブランケット胴が同一の紙送り
特性の外周面を備え、且つ同一直径である場合、ウェブ
１４のテンションは、伸び量の増加に伴って図２（ｂ）
に示すように走行方向下流に行くに従い次第に低下して
いく。
【００２７】しかしながら、本実施形態にかかる輪転機
では、各印刷ユニット２５に配置されるブランケット胴
４は、同一紙送り特性で且つ同一直径ではあるものの、
その周面には軸方向に延びる継ぎ目４０が形成されてい
る。継ぎ目４０部分はブランケット胴４の他の外周面よ
りも内に凹んでいるので、ブランケット胴４が回転して
継ぎ目４０がウェブ１４にあたった時にはブランケット
胴４とウェブ１４との間の係合が一瞬弱くなる。このた
め、ウエブ１４のテンションにブランケット胴４の上流
側と下流側で差がある場合には、継ぎ目４０部分におい
てテンション抜けが起こり、上流側と下流側とは一瞬同
一テンションになる。
では、各印刷ユニット２５に配置されるブランケット胴
４は、同一紙送り特性で且つ同一直径ではあるものの、
その周面には軸方向に延びる継ぎ目４０が形成されてい
る。継ぎ目４０部分はブランケット胴４の他の外周面よ
りも内に凹んでいるので、ブランケット胴４が回転して
継ぎ目４０がウェブ１４にあたった時にはブランケット
胴４とウェブ１４との間の係合が一瞬弱くなる。このた
め、ウエブ１４のテンションにブランケット胴４の上流
側と下流側で差がある場合には、継ぎ目４０部分におい
てテンション抜けが起こり、上流側と下流側とは一瞬同
一テンションになる。
【００２８】特に、本実施形態では、各ブランケット胴
４，４の外周面に形成される継ぎ目４０は一回転毎にウ
ェブ１４の走行ライン上において対面するようになって
いるので、ウェブ１４のテンション抜けは大きく、図２
（ｃ）に示すようにブランケット胴４の上流側と下流側
とのテンションの差は小さくなる。また、図２（ｄ）は
図２（ａ）中のＰ点におけるウェブテンションの時間変
化を示した図であるが、この図２（ｄ）に示すように、
ブランケット胴４が一回転して継ぎ目４０が向き合った
ときテンション抜けが起こり、（周辺のテンション発生
機構にもよるが）その時のウェブテンションは少なくと
も前後テンションの平均値に近い値になる。つまり、ウ
ェブ１４のテンションが大幅に下がることがなく、従来
のようにブランケット胴４からウエブ１４が離れる時に
巻き付きが大きくなって印刷障害を起こすようなことは
ない。
４，４の外周面に形成される継ぎ目４０は一回転毎にウ
ェブ１４の走行ライン上において対面するようになって
いるので、ウェブ１４のテンション抜けは大きく、図２
（ｃ）に示すようにブランケット胴４の上流側と下流側
とのテンションの差は小さくなる。また、図２（ｄ）は
図２（ａ）中のＰ点におけるウェブテンションの時間変
化を示した図であるが、この図２（ｄ）に示すように、
ブランケット胴４が一回転して継ぎ目４０が向き合った
ときテンション抜けが起こり、（周辺のテンション発生
機構にもよるが）その時のウェブテンションは少なくと
も前後テンションの平均値に近い値になる。つまり、ウ
ェブ１４のテンションが大幅に下がることがなく、従来
のようにブランケット胴４からウエブ１４が離れる時に
巻き付きが大きくなって印刷障害を起こすようなことは
ない。
【００２９】このように、本輪転機では、各ブランケッ
ト胴４に装着する円筒状ブランケット１を全て同一直
径，同一特性にした場合でも、ウェブテンションの変化
による不具合を招くことがない。したがって、仕様の異
なる円筒状ブランケット１を用意する必要がないので予
備品数量が少なくてよみ、保管スペースの節約や費用の
節約が可能になるという効果がある。また、単一仕様の
円筒状ブランケット１とすることで、交換時の取付けミ
スが無くなり、チェック時間も不要になるという効果も
ある。
ト胴４に装着する円筒状ブランケット１を全て同一直
径，同一特性にした場合でも、ウェブテンションの変化
による不具合を招くことがない。したがって、仕様の異
なる円筒状ブランケット１を用意する必要がないので予
備品数量が少なくてよみ、保管スペースの節約や費用の
節約が可能になるという効果がある。また、単一仕様の
円筒状ブランケット１とすることで、交換時の取付けミ
スが無くなり、チェック時間も不要になるという効果も
ある。
【００３０】更に、本実施形態にかかるブランケット胴
４によれば、前述した従来の完全に継ぎ目が無い円筒状
ブランケット１０を使用したものに比較すると振動，騒
音は多少増えるものの、従来の板状ブランケット１５を
単に巻き付けただけのものに比較すると継ぎ目の幅を小
さくできる上に円筒精度が高く直径の変化が小さいた
め、振動，騒音の増加を小さくすることができるという
効果がある。また、円筒状ブランケット１は板状弾性体
９を金属製スリーブ８に貼り付けたものであるので、完
全な円筒形の従来の円筒状ブランケット１０に比較して
安価に製造できるという効果もある。
４によれば、前述した従来の完全に継ぎ目が無い円筒状
ブランケット１０を使用したものに比較すると振動，騒
音は多少増えるものの、従来の板状ブランケット１５を
単に巻き付けただけのものに比較すると継ぎ目の幅を小
さくできる上に円筒精度が高く直径の変化が小さいた
め、振動，騒音の増加を小さくすることができるという
効果がある。また、円筒状ブランケット１は板状弾性体
９を金属製スリーブ８に貼り付けたものであるので、完
全な円筒形の従来の円筒状ブランケット１０に比較して
安価に製造できるという効果もある。
【００３１】以上、本発明の一実施形態を説明したが、
本発明は上述の実施形態に限定されず、本発明の趣旨を
逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
例えば、上述の実施形態では、板状弾性体９を金属製ス
リーブ８に貼り付けることにより円筒状ブランケット１
を製造し、その外周面に継ぎ目４０を形成しているが、
金属製スリーブ８の外周面に弾性層が一体的に形成さ
れ、その弾性層に軸方向に延びる溝が設けられたもので
あればよい。したがって、従来の完全な円筒形の円筒状
ブランケット１０の外周面を加工して軸方向に延びる溝
を形成してもよい。この場合でも、従来の板状ブランケ
ット１５を単に巻き付けただけのものに比較すると、溝
幅を任意に設定できる上に円筒精度が高いので、振動，
騒音の増加を比較的小さくすることができる。
本発明は上述の実施形態に限定されず、本発明の趣旨を
逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
例えば、上述の実施形態では、板状弾性体９を金属製ス
リーブ８に貼り付けることにより円筒状ブランケット１
を製造し、その外周面に継ぎ目４０を形成しているが、
金属製スリーブ８の外周面に弾性層が一体的に形成さ
れ、その弾性層に軸方向に延びる溝が設けられたもので
あればよい。したがって、従来の完全な円筒形の円筒状
ブランケット１０の外周面を加工して軸方向に延びる溝
を形成してもよい。この場合でも、従来の板状ブランケ
ット１５を単に巻き付けただけのものに比較すると、溝
幅を任意に設定できる上に円筒精度が高いので、振動，
騒音の増加を比較的小さくすることができる。
【００３２】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の円筒状ブ
ランケットによれば、円筒状のスリーブの外周面に形成
された弾性層に軸方向に延びる溝が設けられているの
で、多色印刷用の輪転機の各印刷ユニットに備えられた
場合に走行方向におけるウェブのテンションを均一化す
ることができるとともに、スリーブと弾性層との一体化
により円筒精度を高くでき、振動，騒音の発生を抑える
ことができるという効果がある。
ランケットによれば、円筒状のスリーブの外周面に形成
された弾性層に軸方向に延びる溝が設けられているの
で、多色印刷用の輪転機の各印刷ユニットに備えられた
場合に走行方向におけるウェブのテンションを均一化す
ることができるとともに、スリーブと弾性層との一体化
により円筒精度を高くでき、振動，騒音の発生を抑える
ことができるという効果がある。
【００３３】特に、弾性層を板状の弾性部材をスリーブ
の外周面に巻回して貼り付けることにより形成し、板状
弾性部材の周方向両端部間に隙間を設けることよって溝
を形成することにより、製造を容易にして製造コストを
抑えることができるという効果もある。また、その場
合、肉厚が板状弾性部材の肉厚よりも薄く形成された剥
離防止部材を上記隙間に埋設することにより、板状弾性
部材の周方向両端部がスリーブから剥離するのを防止し
て寿命による交換頻度を低減することができるという効
果がある。
の外周面に巻回して貼り付けることにより形成し、板状
弾性部材の周方向両端部間に隙間を設けることよって溝
を形成することにより、製造を容易にして製造コストを
抑えることができるという効果もある。また、その場
合、肉厚が板状弾性部材の肉厚よりも薄く形成された剥
離防止部材を上記隙間に埋設することにより、板状弾性
部材の周方向両端部がスリーブから剥離するのを防止し
て寿命による交換頻度を低減することができるという効
果がある。
【００３４】また、本発明のブランケット胴によれば、
上記の円筒状ブランケットが基軸ローラに対して嵌脱自
在に構成されているので、円筒状ブランケットが奏する
上記効果を得ることができる上に、円筒状ブランケット
を容易に交換することができるという効果がある。
上記の円筒状ブランケットが基軸ローラに対して嵌脱自
在に構成されているので、円筒状ブランケットが奏する
上記効果を得ることができる上に、円筒状ブランケット
を容易に交換することができるという効果がある。
【００３５】また、本発明の印刷機によれば、上記のブ
ランケット胴が各印刷ユニットに配設されることによ
り、ブランケット胴の上下流側でのウェブのテンション
を均一化することができるので、直径や紙送り特性等の
仕様の異なる円筒状ブランケットを用意する必要がな
く、単一仕様の円筒状ブランケットのみで足りるという
効果がある。特に、両面印刷を行なう場合には、対をな
す各ブランケット胴の外周面にそれぞれ形成される上記
溝がウェブの走行ライン上において対面するように各ブ
ランケット胴の相対的位相を設定することによって、テ
ンション抜けを大きくしてウェブテンションをより均一
化することができるという効果がある。
ランケット胴が各印刷ユニットに配設されることによ
り、ブランケット胴の上下流側でのウェブのテンション
を均一化することができるので、直径や紙送り特性等の
仕様の異なる円筒状ブランケットを用意する必要がな
く、単一仕様の円筒状ブランケットのみで足りるという
効果がある。特に、両面印刷を行なう場合には、対をな
す各ブランケット胴の外周面にそれぞれ形成される上記
溝がウェブの走行ライン上において対面するように各ブ
ランケット胴の相対的位相を設定することによって、テ
ンション抜けを大きくしてウェブテンションをより均一
化することができるという効果がある。
【図１】本発明の一実施形態にかかるブランケット胴の
構成を示す図であり、（ａ）はウェブの走行方向（正面
方向）に見たブランケット胴の正面図（一部を破断して
示している）、（ｂ）は（ａ）のＩ−Ｉ矢視断面を基軸
ローラを省略して示す図である。
構成を示す図であり、（ａ）はウェブの走行方向（正面
方向）に見たブランケット胴の正面図（一部を破断して
示している）、（ｂ）は（ａ）のＩ−Ｉ矢視断面を基軸
ローラを省略して示す図である。
【図２】本発明の一実施形態にかかる輪転機の作用を説
明するための説明図であり、（ａ）はウェブ走行ライン
上におけるブランケット胴の配置を示す図、（ｂ），
（ｃ）は走行ライン上におけるウェブのテンション状態
を示す図、（ｄ）は特定点Ｐにおけるウェブテンション
の時間変化を示す図である。
明するための説明図であり、（ａ）はウェブ走行ライン
上におけるブランケット胴の配置を示す図、（ｂ），
（ｃ）は走行ライン上におけるウェブのテンション状態
を示す図、（ｄ）は特定点Ｐにおけるウェブテンション
の時間変化を示す図である。
【図３】従来のブランケット胴の代表的な構成を示す概
略図であり、（ａ）は軸方向断面図、（ｂ）は正面方向
から見た外観図（一部は断面図）である。
略図であり、（ａ）は軸方向断面図、（ｂ）は正面方向
から見た外観図（一部は断面図）である。
【図４】従来のブランケット胴の代表的な構成を示す概
略図であり、（ａ）は軸方向断面図、（ｂ）は正面方向
断面図である。
略図であり、（ａ）は軸方向断面図、（ｂ）は正面方向
断面図である。
【図５】図４に示すブランケット胴における円筒状ブラ
ンケットの交換方法を説明するための説明図である。
ンケットの交換方法を説明するための説明図である。
【図６】従来の多色輪転機の課題を説明するための説明
図であり、ブランケット胴の配置構成を示す図である。
図であり、ブランケット胴の配置構成を示す図である。
１ 円筒状ブランケット ２ 埋設部材（剥離防止部材） ３ 基軸ローラ ４ ブランケット胴 ５ａ，５ｂ フレーム ６ａ，６ｂ 軸受 ７ａ，７ｂ ブッシュ ８ 金属製スリーブ ９ 板状弾性体（板状弾性部材） １１ フランジ １２ 版胴 １３ 刷版 １４ ウェブ ４０ 弾性体シートの継ぎ目 ４１ ケガキ線 Ｓ１ 埋設部材の肉厚 Ｓ２ 板状弾性体の肉厚 Ｒ 溝の深さ
Claims (6)
- 【請求項１】 円筒状のスリーブと、 該スリーブの外周面に一体的に形成された弾性層とを備
え、 該弾性層に軸方向に延びる溝が設けられたことを特徴と
する、円筒状ブランケット。 - 【請求項２】 該弾性層が板状の弾性部材を該スリーブ
の外周面に巻回して貼り付けられることにより形成さ
れ、 該溝が該板状弾性部材の周方向両端部間の隙間によって
形成されたことを特徴とする、請求項１記載の円筒状ブ
ランケット。 - 【請求項３】 該板状弾性部材の周方向両端部が該スリ
ーブから剥離するのを防止する剥離防止部材が該隙間に
埋設され、 該剥離防止部材の肉厚は該板状弾性部材の肉厚よりも薄
く形成されたことを特徴とする、請求項２記載の円筒状
ブランケット。 - 【請求項４】 請求項１〜３の何れかの項に記載の円筒
状ブランケットと、 該円筒状ブランケットが嵌装される基軸ローラとを備
え、 該円筒状ブランケットと該機軸ローラとが嵌脱自在に構
成されたことを特徴とする、ブランケット胴。 - 【請求項５】 ウェブの走行ラインに沿って複数の印刷
ユニットが並設され上記複数の印刷ユニットによって該
ウェブに印刷を施す印刷機において、 各印刷ユニットに請求項４記載のブランケット胴が配設
されたことを特徴とする、印刷機。 - 【請求項６】 該ウェブの走行ラインを挟んで上記ブラ
ンケット胴が対をなして配設され、対をなす各ブランケ
ット胴の外周面にそれぞれ形成される上記溝が該ウェブ
の走行ライン上において対面するように各ブランケット
胴の相対的位相が設定されたことを特徴とする、請求項
５記載の印刷機。
Priority Applications (9)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2000231813A JP3457932B2 (ja) | 2000-07-31 | 2000-07-31 | 円筒状ブランケット及びブランケット胴並びに印刷機 |
| US09/820,942 US6505555B2 (en) | 2000-07-31 | 2001-03-30 | Cylindrical blanket and blanket cylinder, and printing press |
| EP01107851A EP1177915B1 (en) | 2000-07-31 | 2001-04-09 | Cylindrical blanket, blanket cylinder, and printing press |
| ES01107851T ES2236071T3 (es) | 2000-07-31 | 2001-04-09 | Mantilla cilindrica, cilindro con mantilla y prensa de impresion. |
| DE60109239T DE60109239D1 (de) | 2000-07-31 | 2001-04-09 | Zylindrisches Gummituch, Gummituchzylinder und Druckmaschine |
| CN01117673A CN1129527C (zh) | 2000-07-31 | 2001-05-15 | 圆筒形像皮层和像皮滚筒以及印刷机 |
| TW090112246A TW561105B (en) | 2000-07-31 | 2001-05-22 | Cylindrical blanket and blanket cylinder, and printing press |
| KR10-2001-0040220A KR100440104B1 (ko) | 2000-07-31 | 2001-07-06 | 원통형상 블랭킷과, 블랭킷 통 및 인쇄기 |
| HK02102452.5A HK1040669B (zh) | 2000-07-31 | 2002-04-03 | 圓筒形橡皮層和橡皮滾筒以及印刷機 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2000231813A JP3457932B2 (ja) | 2000-07-31 | 2000-07-31 | 円筒状ブランケット及びブランケット胴並びに印刷機 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2002036746A true JP2002036746A (ja) | 2002-02-06 |
| JP3457932B2 JP3457932B2 (ja) | 2003-10-20 |
Family
ID=18724590
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2000231813A Expired - Fee Related JP3457932B2 (ja) | 2000-07-31 | 2000-07-31 | 円筒状ブランケット及びブランケット胴並びに印刷機 |
Country Status (9)
| Country | Link |
|---|---|
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