JP2002036689A - 多孔性樹脂シート製印判、製版装置及び製版方法 - Google Patents

多孔性樹脂シート製印判、製版装置及び製版方法

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JP2002036689A
JP2002036689A JP2001187199A JP2001187199A JP2002036689A JP 2002036689 A JP2002036689 A JP 2002036689A JP 2001187199 A JP2001187199 A JP 2001187199A JP 2001187199 A JP2001187199 A JP 2001187199A JP 2002036689 A JP2002036689 A JP 2002036689A
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porous resin
sheet
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light
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Mitsunobu Suda
光信 須田
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Brother Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】多孔性樹脂シートを用いた印板の製作工程の簡
素化と、印板の製作コストの低減を図ることを目的とす
る。 【解決手段】透明アクリル板25上に文字や図形等の印
像36Aが描かれた原稿シート36を載せる。続いて、
原稿シート36の上に所定量のカーボンを含有する多孔
性樹脂シート38を載せた後に、フラッシュバルブ38
を発光させる。そして、フラッシュバルブ35の光成分
中の赤外線で、原稿シート36の原稿シート36A以外
に対応する部分の多孔性樹脂シート38の連続気泡を加
熱溶融により閉塞して、上記印像に対応するインク滲出
部38Aと印像以下に対応する非インク滲出部38Bが
形成された多孔性樹脂シート製印板シー39を製作する
ものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクを含浸させ
ることにより長時間インクを補給することなく、くり返
し捺印することができる連続気泡を有する多孔性樹脂シ
ートを用いて製作される印版、およびその製版装置、製
版方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、ハガキ等の被印刷媒体に文
字、図形等の所望の印像を捺印するための印版シート
(スタンプ等)を製版する種々の製版装置が提案されて
いる。この製版装置は、インク含浸可能な連続気泡を有
する多孔性樹脂シートに対して所望印像に対応するイン
ク滲出部と所望印像以外の非インク滲出部とを形成して
なる印版シートを製作するもので、このように、連続気
泡を有する多孔性樹脂シートを用いるのは、各色のイン
クをインク滲出部の連続気泡に含浸させることにより長
時間インクを補給することなく、くり返して捺印できる
からである。
【0003】このような、多孔性樹脂シートを用いた印
版シートの製作は、例えば、図7において、透明アクリ
ル板125上に、文字や図形等の印像136Aが描かれ
た原稿シート(紙)136を載せてアルコール系溶液で
半透明にした後に、この原稿シート136上にカーボン
等がコーテングされた黒フィルム137、および多孔性
樹脂シート138の順で重ね合わせる。そして、フラッ
シュバルブ115を発光させて、その光成分中の赤外線
Rを原稿シート136の下面に照射する。このように原
稿シート136上の印像136Aに照射された赤外線R
1は印像136Aで遮断され、一方、印像136A以外
に照射された赤外線R2は原稿シート136を通過す
る。これにより、黒フィルム137において、原稿シー
ト136の印像136Aに対する部分に赤外線R1が照
射されず、この部分が発熱することがないので、原稿シ
ート136の印像136Aに対する部分の多孔性樹脂シ
ート138に連続気泡を有するままの状態となるインク
滲出部138Aを形成し、一方、印像136A以外に対
応する部分については赤外線R2が照射されて発熱する
ので、印像136A以外に対応する部分の多孔性樹脂シ
ート138の表面の加熱溶融により連続気泡を閉塞する
非インク滲出部138Bを形成することで、図8(A)
および図8(B)に示す多孔性樹脂シート138を用い
た印版シート139が製作される。そして、印版シート
139は、そのインク滲出部138Aの連続気泡に各色
のインクを含浸させることで、被印刷媒体(ハガキ等)
に対する連続的な捺印を行うものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
多孔性樹脂シートを用いた印版シート139は、その製
作時に発熱体となる黒フィルム137を使用し、原稿シ
ート136と多孔性樹脂シート138との間に介在させ
る必要がある。従って、黒フィルム137を使用する分
だけ印版シート139の製作工程が多くなり、また、印
版シート139の製作コストも高くなり、製版装置の価
格に影響を与えていた。
【0005】本発明は、この問題を解決するためになさ
れたもので、多孔性樹脂シートを用いた印版の製作工程
の簡素化と、印版の製作コストの低減を図ることを目的
とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記問題を解決するた
め、本発明は、請求項1の多孔性樹脂シート製印版で
は、文字や図形等の印像が描かれた原稿と重ねて用いら
れ、インク含浸可能な連続気泡を有する多孔性樹脂シー
トで形成された多孔性樹脂シート製印版であって、前記
原稿は、印像部分と非印像部分とが赤外線透過度の大小
で区画形成され、前記多孔性樹脂シートは、所定量の黒
系素材を含有して形成され、前記原稿に前記多孔性樹脂
シートを重ね、前記原稿側からの光の照射で前記黒系素
材を発熱させて、前記原稿の非印像部分に対応する部分
の前記多孔性樹脂シートを溶融して連続気泡を閉塞する
ことで製作されるものである。これにより、多孔性樹脂
シートが黒系素材を含み、この黒系素材が発熱体として
の機能を発揮して、原稿の印像以外に対応する部分の多
孔性樹脂シートの連続気泡を加熱溶融して閉塞するの
で、印版を製作する際に、原稿と多孔性樹脂シートとの
間に発熱体となる黒フィルムを介在させる必要がなくな
る。また、多孔性樹脂シートは、例えば、ポリオレフィ
ン系フォーム等の材料に黒系素材であるカーボンを混在
させて、従来からの成形方法と変わりなく、容易にイン
ク含浸可能な連続気泡を有して成形できる。
【0007】請求項2では、請求項1記載の多孔性樹脂
シート製印版において、前記多孔性樹脂シートは、前記
黒系素材を0.01〜15重量パーセント含有したもの
である。これにより、黒系素材を0.01〜15重量パ
ーセントの範囲で多孔性樹脂シートに含有すると、黒系
素材による多孔性樹脂シートの連続気泡を閉塞するに十
分な発熱を確保しつつ、成形される多孔性樹脂シートの
色をグレー色にできる。従って、照射する光の発光強度
を高めることなくグレー色にされた多孔性樹脂シートの
黒系素材を選択的に発熱させて印版を製作することがで
きると共に、製版された前記印版シートにおける各色の
インクの含浸の有無や各色インクの塗り分け状態の確認
がしやすくなる。
【0008】請求項3では、請求項1または3に記載の
多孔性樹脂シート製印版において、前記多孔性樹脂シー
トの光照射側表面の色は前記黒系素材によりグレー色に
され、前記光照射された後には、グレー色から黒色に近
い色に変色されるものであることにより、グレー色にさ
れた多孔性樹脂シートの黒系素材を発熱させて印版を製
作すると、発熱されない印像に対応するインク滲出部
(グレー色)と、発熱される印像以外に対応する非イン
ク滲出部(黒色)との間に異なる色が現れ、これら各部
分がより明確に区別できる。
【0009】請求項4では、請求項1乃至3のいずれか
1つの多孔性樹脂シート製印版において、前記黒系素材
は赤外線により発熱される素材よりなることによって、
容易な構成の製版装置により効率的な熱作用を黒系素材
は受けることが出来、低コストな製版が可能となる。
【0010】請求項5では、請求項1乃至4のいずれか
1つの多孔性樹脂シート製印版において、前記黒系素材
はカーボンからなるものであることによって、容易で安
価に前記多孔性樹脂シートを製作することができると共
に、製作された多孔性樹脂シートの取扱が容易であり、
製版時には必要な効果的な加熱を容易に得ることができ
る。
【0011】請求項6の製版装置では、発光体の光を透
光させる透光性台板を有する製版装置に、所定量の黒系
素材を含有してインク含浸可能な連続気泡を有する多孔
性樹脂シートを付属させて、前記透光台板に載せられた
文字や図形等の印像が描かれ、当該印像部分と非印像部
分とが赤外線透過度の大小で区画形成された原稿に前記
多孔性樹脂シートを重ね、前記発光体の光の照射で前記
黒系素材を発熱させることで、前記原稿の非印像部分に
対応する部分の前記多孔性樹脂シートを溶融して連続気
泡を閉塞することにより前記多孔性樹脂シートに印版を
製作するものである。これにより、印像が描かれた原稿
に黒系素材を有する多孔性樹脂シートを重ねて、発光体
から光を照射すると、上記黒系素材が発熱体としての機
能を発揮するので、印版の製作に際して、原稿と多孔性
樹脂シートとの間に発熱体となる黒フィルムを介在させ
る必要がなくなる。
【0012】請求項7の製版方法では、所定量の黒系素
材を含有してインク含浸可能な連続気泡を有する多孔性
樹脂シートと、文字や図形等の印像が描かれ、当該印像
部分と非印像部分とが赤外線透過度の大小で区画形成さ
れた原稿とを重ね、前記原稿側からの光の照射で前記黒
系素材を発熱させることで、前記原稿の非印像部分に対
応する部分の前記多孔性樹脂シートを溶融して連続気泡
を閉塞することにより前記多孔性樹脂シートに印版を製
作するものである。これにより、印像が描かれた原稿に
黒系素材を有する多孔性樹脂シートを重ねて、発光体か
ら光を照射すると、上記黒系素材が発熱体としての機能
を発揮するので、印版の製作に際して、原稿と多孔性樹
脂シートとの間に発熱体となる黒フィルムを介在させる
必要がなくなる。
【0013】請求項8では、請求項7の製版方法におい
て、前記多孔性樹脂シートに照射される光が赤外線成分
を含んでいるので、前記多孔性樹脂シートに効率的に熱
作用を与えることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本実施形態の多孔性樹脂シ
ート製印版シート及び製版装置について、図面を参照し
て説明する。先ず、図1および図2により、本発明の製
版装置2の概略構成を説明する。
【0015】図1および図2において、製版装置2は、
カバー4と、カバー4上に開閉自在に設けられた3つの
可動蓋8,9,10とを主要部としてなり、付属品とし
て後述に説明するカーボンが含有された多孔性樹脂シー
トが備えられている。
【0016】カバー4には、その内部に各可動蓋8,
9,10側に開口する段差部24を有する逆四角台状の
凹部26が形成されている。段差部24には凹部26の
開口側を閉塞するように透明アクリル台板25(透光性
台板)が配置されている。また、凹部26の底壁26A
には2つのフラッシュバルブ15(発光体)が取り付け
られている。各フラッシュバルブ15は底壁26Aの下
側に設けられた取付部27に取り外し可能として支持さ
れており、スイッチ14を介して図示しない乾電池等の
電源に接続されている。
【0017】各可動蓋8,9,10は、カバー4の透明
アクリル板25側を開放、又は閉鎖可能として可動蓋1
0,9,8の順で折り畳み自在に設けられている。可動
蓋8の一端は、図1に示す閉鎖時にカバー4の透明アク
リル板25との間に各可動蓋9,10を折り畳み可能な
空間を区画するようにカバー4の側壁上側から突出する
一対の支持壁11に回転自在に軸支されている。また、
可動蓋8の他端には、バネ12を介して外側に付勢され
たロック爪13が設けられている。ロック爪13には、
カバー4の透明アクリル台板25側に形成された係止部
4Aに係止可能なロック部13Aが形成されており、係
止部4Aとの係止により可動蓋8をカバー4にロックす
るとともに、カバー4内に設けられたスイッチ14をオ
ンして、各フラッシュバルブ15に電力供給して発光さ
せるものである。可動蓋8の上面中央部には、2つの支
持部16に対して引き出し、又は収納自在にされた取っ
手17が設けられいる。更に、可動蓋8の下面(閉鎖時
に透明アクリル台板25と対向する面)には、2つの押
圧部18,19がカバー4側に突出して形成されてお
り、各押圧部18,19は後述するように、多孔製樹脂
シート製印版シート(以下、単に「印版シート」とい
う。)を製作する際に、可動蓋9,10を介して多孔性
樹脂シート38に均等な押圧荷重をかけるためのもので
ある。
【0018】可動蓋9の一端は、上記支持壁11の反対
側のカバー4の側壁の上側から突出する支持壁20に回
転自在に軸支されており、図1に示す閉鎖時に可動蓋9
の上面は可動蓋8の各押圧部18,19に当接するよう
に構成されている。また、可動体9の下面(閉鎖時に透
明アクリル台板25と対向する面)には、その長さ方向
に亘って4つの押圧部21がカバー4の透明アクリル台
板25側に突出するように形成されている。各押圧部2
1は、上記押圧部18,19と同様に、印版シートを製
作する際に、可動蓋10を介して多孔性樹脂シート38
に均等な押圧荷重をかけるためのものである。また、可
動蓋10の一端は、上記支持壁11の下方に形成された
支持部22に回転可能に軸支されており、図1に示す閉
鎖時に可動蓋10の上面は可動蓋9の各押圧部21に当
接するように構成されている。可動蓋10の下面(閉鎖
時に透明アクリル台板25と対向する面)には、後述す
るように、印版シートを製作する際に多孔性樹脂シート
38に均等な押圧力を付与するゴム等の弾性シート23
が貼付されている。
【0019】本発明の製版装置2は、以上のように構成
されるが、次に、この製版装置2を使用して多孔製樹脂
シート製印版シートを製作する手順について説明する。
【0020】製版装置2を使用して印版シートを製作す
るには、図1の状態にある可動蓋8,9,10を透明ア
クリル板25から離れる方向に順々に回動させて、図2
に示すような開放状態にした後に、透明アクリル板25
上に、図3に示すように、文字や図形等の印像36Aが
描かれた原稿シート36を載せるとともに、多孔性樹脂
シート38を原稿シート36上に重ね合わせる。このと
き、原稿シート36として、透明又は半透明でない用紙
に印像36Aを描いたものを用いる場合には、透明アク
リル板25上に載せた後に、アルコール系溶液を塗布し
て原稿シート36を半透明状態にする。
【0021】ここで、製版装置2の付属品として備えら
れる多孔性樹脂シート38は、所定量のカーボン(黒系
素材)をポリオレフィン系フォーム等の材料に混在させ
て、その内部に立体網目構造のインク含浸可能な微細連
続気泡を有するように成形したもので、その表面はカー
ボンを介して加熱された場合に溶融されて連続気泡が閉
塞される特性を備えたものが用いられる。また、多孔性
樹脂シート38に対するカーボンの含有量は、後述する
ように、製作された印版シートに各色のインクが含浸さ
れた有無の確認や、各色のインクの塗り分け状態の確認
ができ、且つ各フラッシュバルブ15の発光により多孔
性樹脂シート38の連続気泡を十分に加熱溶融して閉塞
できる程度の含有量とされており、好ましくは多孔性樹
脂シート38に対して0.01〜15重量パーセントの
範囲の含有量として多孔性樹脂シート38の色をグレー
色にする。すなわち、カーボンの含有量を0.01〜1
5重量パーセントの範囲とするのは、含浸量を0.01
重量パーセント以下にすると、カーボンの発熱を十分に
確保するために各フラッシュバルブ15の発光強度を増
加させる必要があるからであり、また、含有量を15重
量パーセント以上にすると、多孔性樹脂シート38の色
がほぼ黒色になり上記印版シートへの各色のインクの含
浸の有無等の確認ができない不都合が生じるからであ
る。
【0022】次いで、透明アクリル板25上に原稿シー
ト36と多孔性樹脂シート38とを載せた状態で、図2
に示すように、可動蓋10,9,8を透明アクリル板2
5に向けて順々に回動させて、弾性シート23を多孔性
樹脂シート38上に当接させるとともに、可動蓋9を可
動蓋10の上に、可動蓋8を可動蓋9上に順々に載置す
る。そして、可動蓋8に適当な荷重をかけながら押圧し
て、ロック爪13のロック部13Aを係止部4Aに係止
して可動蓋8をケース4に対してロックすると、スイッ
チ14がロック爪13を介してオンされ、これにより上
記電源を介して各フラッシュバルブ15が発光される。
【0023】上記のようにフラッシュバルブ15が発光
されると、図3に示すように、その光成分中の赤外線R
は透明アクリル板25を通過し、原稿シート36の下面
に照射される。このとき、原稿シート36の印像36A
に照射された赤外線R1が印像36Aで遮断され、印像
36A以外の原稿シート36の部分に照射された赤外線
R2が原稿シート36を通過する。これにより、多孔性
樹脂シール38において、原稿シート36の印像36A
に対応する部分については赤外線R1が照射されないの
でこの部分のカーボンが発熱することなく、一方、原稿
シート36の印像36A以外に対応する部分については
赤外線R2が照射されることからこの部分のカーボンが
発熱される。
【0024】この結果、多孔性樹脂シート38の原稿シ
ート36に当接する面において、原稿シート36の印像
36Aに対応する部分は、カーボンが発熱されないこと
から、連続気泡を有するそのままの状態のインク滲出部
38Aが形成され、一方、印像36A以外の対応する部
分は、カーボンが発熱されることに基づき、その表面の
加熱溶融により連続気泡が閉塞される非インク滲出部3
8Bが形成されて、図4(A)および図4(B)に示す
ような、印版シート39が製作される。
【0025】上記のように印版シート39の製作が終了
すると、可動蓋10,9,8の順に透明アクリル板25
から離れる方向に回動させて、図2に示すような開放状
態とした後に、図4(A)および図4(B)に示す印版
シート39を取り出し、このインク滲出部38Aの連続
気泡に各色のインクを含浸させることで、印版シート3
9による被印刷媒体(ハガキ等)に対する連続した捺印
を可能とする。
【0026】ところで、上記のように多孔性樹脂シート
38に含有されたカーボンを発熱させて、印版シート3
9を製作すると、印版シート39のインク滲出部38A
は、連続気泡を有するそのままの状態にされていること
からグレー色に保持され、一方、非インク滲出部38B
は、加熱溶融により連続気泡が閉塞されることからグレ
ー色から黒色に近い色に変色されるので、印版シート3
9のインク滲出部38Aと非インク滲出部38Bとの区
別が明確となる。従って、多孔製樹脂シート38にカー
ボンを含有しても、印版シート39のインク滲出部38
Aに対する各色のインクの含浸が容易に行え、且つ誤っ
て非インク滲出部38Bに各色のインクを塗布する無駄
を省くことができる。また、印版シート39のインク滲
出部38Aがグレー色に保持されるので、このインク滲
出部38Aに各色のインクが含浸されたか否かの確認
や、各色のインクの塗り分け状態も確認できる。
【0027】このように、製版装置2に付属品として備
えられたカーボン含有の多孔性樹脂シート38を用いて
印版シート39を製作すると、従来の図7で示す如く、
黒フィルムを使用する必要がなくなり、原稿シートと多
孔性樹脂シートとの間に介在させる必要もなくなる。ま
た、多孔性樹脂シート38は、ポリオレフィン系フォー
ム等の材料にカーボンを混在させて、従来からの成形方
法により容易にインク含浸可能な連続気泡を有して成形
できる。従って、印版シート39の製作工程を簡素化
し、且つその製作コストの低減を図ることができる。
【0028】また、本発明において、印版シートの製作
は、カーボンを含有する多孔性樹脂シート38を用いた
ものを示したが、これに限定されるものでなく、図5
(A)に示すように、ポリオレフィン系フォーム等の材
料で、その内部に立体網目構造のインク含浸可能な微細
連続気泡を有して成形された多孔性樹脂シート58に、
所定量のカーボン(黒系素材)を含有する発熱層60を
積層形成したものを用いてもよい。この場合、発熱層6
0は、図5(B)に示すように、連続気泡58aが開口
する多孔性樹脂シート58の表面に形成するとともに、
この発熱層60に含有されるカーボンの粒子を、多孔性
樹脂シート58の連続気泡58aを塞ぐことなく、且つ
上記各色のインクの透過を可能とする大きさとする。
【0029】また、発熱層60は、上記に示したと同様
の理由により、グレー色にする。
【0030】そして、発熱層60が形成された多孔性樹
脂シート58を用いて印版シートを製作するには、図5
(A)に示すように、透明アクリル板25に載せられた
原稿シート36に対して発熱層60側から多孔性樹脂シ
ート58を重ね合わせた後に、上記と同様にして、各フ
ラッシュバルブ15を発光させる。これにより、多孔性
樹脂シート58の原稿シート36に当接する面におい
て、原稿シート36の印像36Aに対応する部分は、発
熱層60に含有されているカーボンが発熱されないこと
から、連続気泡を有するそのままの状態のインク滲出部
58Aが形成され、一方、印像36A以外の部分は、発
熱層60に含有されているカーボンが発熱されることに
基づき、その表面の加熱溶融により連続気泡58aが閉
塞される非インク滲出部58Bが形成されて、図6
(A)および図6(B)に示すような、印版シート69
が製作される。
【0031】次いで、製作された印版シート69のイン
ク滲出部58Aに各色のインクを塗布すると、図5
(B)に示すように、発熱層60のカーボンの相互間か
ら各色のインクがインク滲出部58Aの連続気泡58a
に含浸され、また、印版シート69を被印刷媒体(ハガ
キ等)に押し付けると、インク滲出部58Aの連続気泡
58aに含浸された各色のインクがカーボンの相互間か
ら滲み出て、被印刷媒体(ハガキ等)に対する連続した
捺印を行うことが可能となる。尚、図5(C)に示すよ
うに、多孔性樹脂シート58の表面のみにカーボンが含
まれたものを用いることも可能である。この場合は、直
接インクが連続気泡58aに含浸される。
【0032】また、上記のように発熱層60に含有され
たカーボンを発熱させて、印版シート69を製作する
と、上記と同様に、印版シート69のインク滲出部58
Aは発熱層60のグレー色に保持され、一方、非インク
滲出部58Bはグレー色から黒色に近い色に変色される
ので、印版シート69のインク滲出部58Aと非インク
滲出部58Bとの区別が明確となる。従って、印版シー
ト69のインク滲出部58Aに対する各色のインクの含
浸が容易に行え、且つ誤って非インク滲出部58Bにイ
ンクを塗布する無駄を省くことができる。また、印版シ
ート69のインク滲出部58Aがグレー色に保持される
ので、このインク滲出部58Aに各色のインクが含浸さ
れたか否かや各色のインクの塗り分け状態も確認でき
る。
【0033】このように、製版装置2に付属品として備
えられ発熱層60が形成された多孔性樹脂シート58を
用いて印版シート69を製作すると、従来の図7で示す
如く、黒フィルムを使用する必要がなくなり、黒フィル
ムを原稿シートと多孔性樹脂シートとの間に介在させる
必要もなくなる。従って、印版シート69の製作工程を
簡素化し、且つその製作コストの低減を図ることができ
る。
【0034】また、本発明において、黒系素材としてカ
ーボンを使用したものを示したが、これに限定されるも
のでなく、フラッシュバルブ15の発光で、その光成分
中に含まれる赤外線Rにより発熱される素材であれば如
何なるものを使用しても、上記と同様な効果を達成でき
る。
【0035】
【発明の効果】このように本発明によれば、請求項1の
多孔性樹脂シート製印版では、多孔性樹脂シート製印版
を製作する際に、発光体の光により多孔性樹脂シートに
含有される黒系素材を発熱体として機能させて、原稿の
印像以外に対応する部分の多孔性樹脂シートの連続気泡
を加熱溶融して閉塞できるので、従来のように発熱体と
しての黒フィルムを使用し、原稿と多孔性樹脂シートと
の間に介在させる工程を必要としない。従って、黒フィ
ルムを使用せずに行うことができるので、印版の製作工
程を簡素化し、且つその製作コストの低減を図り、もっ
て安価な製版装置を提供できる。また、多孔性樹脂シー
トに黒系素材を含有するようにしても、ポリオレフィン
系フォーム等の材料に黒系素材であるカーボンを混在さ
せるだけで、従来からの成形方法と変わりなく、インク
含浸可能な連続気泡を有して成形できる。
【0036】請求項2の多孔性樹脂シート製印版シート
では、請求項1の効果に加えて、黒系素材を0.01〜
15重量パーセントの範囲で多孔性樹脂シートに含有さ
せてグレー色にすることができる。従って、照射する光
の発光強度を高めることなくグレー色にされた多孔性樹
脂シートの黒系素材を選択的に発熱させて印版を製作す
ることができると共に、製版された前記印版シートにお
ける各色のインクの含浸の有無や各色インクの塗り分け
状態の確認がしやすくなる。
【0037】請求項3では、請求項1または2に記載の
多孔性樹脂シート製印版における効果に加えて、前記多
孔性樹脂シートの光照射側表面の色は前記黒系素材によ
りグレー色にされ、前記光照射された後には、グレー色
から黒色に近い色に変色されるものであることにより、
グレー色にされた多孔性樹脂シートの黒系素材を発熱さ
せて印版を製作すると、発熱されない印像に対応するイ
ンク滲出部(グレー色)と、発熱される印像以外に対応
する非インク滲出部(黒色)との間に異なる色が現れ、
これら各部分がより明確に区別できる。
【0038】請求項4では、請求項1乃至3のいずれか
1つの多孔性樹脂シート製印版における効果に加えて、
前記黒系素材は赤外線により発熱される素材よりなるこ
とによって、容易な構成の製版装置により効率的な熱作
用を黒系素材は受けることが出来、低コストな製版が可
能となる。
【0039】請求項5では、請求項1乃至4のいずれか
1つの多孔性樹脂シート製印版における効果に加えて、
前記黒系素材はカーボンからなるものであることによっ
て、容易で安価に前記多孔性樹脂シートを製作すること
ができると共に、製作された多孔性樹脂シートの取扱が
容易であり、製版時には必要な効果的な加熱を容易に得
ることができる。
【0040】請求項6の製版装置では、発光体の光を透
光させる透光性台板を有する製版装置に、所定量の黒系
素材を含有してインク含浸可能な連続気泡を有する多孔
性樹脂シートを属させて、前記透光台板に載せられた
(文字や図形等の印像が描かれた)原稿に前記多孔性樹
脂シートを重ね、前記発光体の光の照射で前記黒系素材
を(選択的に)発熱させることで、(加熱溶融により前
記原稿の印像以外に対応する部分の前記多孔性樹脂シー
トの連続気泡を閉塞することにより)前記多孔性樹脂シ
ートに印版を製作するものである。これにより、印像が
描かれた原稿に黒系素材を有する多孔性樹脂シートを重
ねて、発光体から光を照射すると、上記黒系素材が発熱
体としての機能を発揮するので、印版の製作に際して、
原稿と多孔性樹脂シートとの間に発熱体となる黒フィル
ムを介在させる必要がなくなる。
【0041】請求項7の製版方法では、所定量の黒系素
材を含有してインク含浸可能な連続気泡を有する多孔性
樹脂シートと、文字や図形等の印像が描かれた原稿とを
重ね、前記原稿側からの光の照射で前記黒系素材を選択
的に発熱させることで、加熱溶融により前記原稿の印像
以外に対応する部分の前記多孔性樹脂シートの連続気泡
を閉塞することにより前記多孔性樹脂シートに印版を製
作するものである。これにより、印像が描かれた原稿に
黒系素材を有する多孔性樹脂シートを重ねて、発光体か
ら光を照射すると、上記黒系素材が発熱体としての機能
を発揮するので、印版の製作に際して、原稿と多孔性樹
脂シートとの間に発熱体となる黒フィルムを介在させる
必要がなくなる。
【0042】請求項8では、請求項7の効果に加えて、
前記多孔性樹脂シートに照射される光が赤外線成分を含
んでいるので、前記多孔性樹脂シートに効率的に熱作用
を与えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】製版装置を示す概略断面図である。
【図2】可動蓋を開放した状態を示す製版装置の概略断
面図である。
【図3】印版シートの製版原理を示す模式図である。
【図4】印版シートを示すものであり、(A)は印版シ
ートの模式断面図、(B)は印版シートの斜視図であ
る。
【図5】変形例における印版シートの製版原理を示す模
式図である。
【図6】変形例における印版シートを示すものであり、
(A)は印版シートの模式断面図、(B)は印版シート
の斜視図である。
【図7】従来技術における印版シートの製版原理を示す
模式図である。
【図8】従来技術における印版シートを示すものであ
り、(A)は印版シートの模式断面図、(B)は印版シ
ートの斜視図である。
【符号の説明】
15 フラッシュバルブ(発光体) 25 透明アクリル板(透光性台板) 36 原稿シート 38 多孔性樹脂シート 39 印版シート

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 文字や図形等の印像が描かれた原稿と重
    ねて用いられ、インク含浸可能な連続気泡を有する多孔
    性樹脂シートで形成された多孔性樹脂シート製印版であ
    って、 前記原稿は、印像部分と非印像部分とが赤外線透過度の
    大小で区画形成され、 前記多孔性樹脂シートは、所定量の黒系素材を含有して
    形成され、 前記原稿に前記多孔性樹脂シートを重ね、前記原稿側か
    らの光の照射で前記黒系素材を発熱させて、前記原稿の
    非印像部分に対応する部分の前記多孔性樹脂シートを溶
    融して連続気泡を閉塞することで製作されることを特徴
    とする多孔性樹脂シート製印版。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記多孔性樹脂シー
    トは、前記黒系素材を0.01〜15重量パーセント含
    有したことを特徴とする多孔性樹脂シート製印版。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、前記多孔性
    樹脂シートの光照射側表面の色は前記黒系素材によりグ
    レー色にされ、前記光照射された後には、グレー色から
    黒色に近い色に変色されるものであることを特徴とする
    多孔性樹脂シート製印版。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれか1つにおい
    て、前記黒系素材は赤外線により発熱される素材よりな
    ることを特徴とする多孔性樹脂シート製印版。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれか1つにおい
    て、前記黒系素材はカーボンからなるものであることを
    特徴とする多孔性樹脂シート製印版。
  6. 【請求項6】 発光体の光を透光させる透光性台板を有
    する製版装置に、所定量の黒系素材を含有してインク含
    浸可能な連続気泡を有する多孔性樹脂シートを付属させ
    て、前記透光台板に載せられた文字や図形等の印像が描
    かれ、当該印像部分と非印像部分とが赤外線透過度の大
    小で区画形成された原稿に前記多孔性樹脂シートを重
    ね、前記発光体の光の照射で前記黒系素材を発熱させる
    ことで、前記原稿の非印像部分に対応する部分の前記多
    孔性樹脂シートを溶融して連続気泡を閉塞することによ
    り前記多孔性樹脂シートに印版を製作する製版装置。
  7. 【請求項7】 所定量の黒系素材を含有してインク含浸
    可能な連続気泡を有する多孔性樹脂シートと、文字や図
    形等の印像が描かれ、当該印像部分と非印像部分とが赤
    外線透過度の大小で区画形成された原稿とを重ね、前記
    原稿側からの光の照射で前記黒系素材を発熱させること
    で、前記原稿の非印像部分に対応する部分の前記多孔性
    樹脂シートを溶融して連続気泡を閉塞することにより前
    記多孔性樹脂シートに印版を製作する製版方法。
  8. 【請求項8】 前記多孔性樹脂シートに照射される光
    は、赤外線成分を含むことを特徴とする請求項7に記載
    の製版方法。
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