JP2002036411A - 機能性膜及びその製造方法 - Google Patents

機能性膜及びその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 塗布法による各種機能を発現し得る機能性膜
及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 支持体上に塗布により形成された機能性
微粒子含有層を圧縮することにより得られる機能性微粒
子の圧縮層を含む機能性膜。前記機能性微粒子含有層
は、機能性微粒子を分散した液を支持体上に塗布、乾燥
して形成される。前記機能性微粒子の圧縮層は、好まし
くは44N/mm2 以上の圧縮力で圧縮することにより
得られる。前記機能性微粒子が無機微粒子から選ばれる
ことが好ましい。前記支持体が樹脂製フィルムであるこ
とが好ましい。機能性膜としては、例えば、導電膜、磁
性膜、強磁性膜、誘電体膜、強誘電体膜、エレクトロク
ロミック膜、エレクトロルミネッセンス膜、絶縁膜、光
吸収膜、光選択吸収膜、反射膜、反射防止膜、触媒膜及
び光触媒膜が挙げられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、機能性膜及びその
製造方法に関する。本発明において機能性膜は、以下の
ように定義される。すなわち、機能性膜とは機能を有す
る膜であり、機能とは物理的及び/又は化学的現象を通
じて果たす働きのことを意味する。機能性膜には、導電
膜、磁性膜、強磁性膜、誘電体膜、強誘電体膜、エレク
トロクロミック膜、エレクトロルミネッセンス膜、絶縁
膜、光吸収膜、光選択吸収膜、反射膜、反射防止膜、触
媒膜、光触媒膜等の各種の機能を有する膜が含まれる。
【0002】とりわけ本発明は、透明導電膜及びその製
造方法に関する。透明導電膜は、エレクトロルミネッセ
ンスパネル電極、エレクトロクロミック素子電極、液晶
電極、透明面発熱体、タッチパネルのような透明電極と
して用いることができるほか、透明な電磁波遮蔽膜とし
て用いることができる。とりわけ、本発明の透明導電膜
は、透明面発熱体やタッチパネルのように散乱の少ない
ことが要求される用途に適する。
【0003】
【従来の技術】従来より、各種の機能性材料からなる機
能性膜は、真空蒸着、レーザアブレーション、スパッタ
リング、イオンプレーティング等の物理的気相成長法
(PVD)や、熱CVD、光CVD、プラズマCVD等
の化学的気相成長法(CVD)によって製造されてい
る。これらは、一般に大掛かりな装置が必要であり、中
には大面積の膜の形成には不向きなものもある。
【0004】また、ゾル−ゲル法を用いた塗布による膜
の形成も知られている。ゾル−ゲル法では、大面積の膜
の形成にも適するが、多くの場合、塗布後に高温で無機
材料を焼結させる必要がある。
【0005】例えば、透明導電膜について見れば以下の
通りである。現在、透明導電膜は主にスパッタリング法
によって製造されている。スパタッリング法は種々の方
式があるが、例えば、真空中で直流または高周波放電で
発生した不活性ガスイオンをターゲット表面に加速衝突
させ、ターゲットを構成する原子を表面から叩き出し、
基板表面に沈着させ膜を形成する方法である。スパッタ
リング法は、ある程度大きな面積のものでも、表面電気
抵抗の低い導電膜を形成できる点で優れている。しか
し、装置が大掛かりで成膜速度が遅いという欠点があ
る。今後さらに導電膜の大面積化が進められると、さら
に装置が大きくなる。このことは、技術的には制御の精
度を高めなくてはならないなどの問題が発生し、別の観
点では製造コストが大きくなるという問題が発生する。
また、成膜速度の遅さを補うためにターゲット数を増や
して速度を上げているが、これも装置を大きくする要因
となっており問題である。
【0006】塗布法による透明導電膜の製造も試みられ
ている。従来の塗布法では、導電性微粒子がバインダー
溶液中に分散された導電性塗料を基板上に塗布して、乾
燥し、硬化させ、導電膜を形成する。塗布法では、大面
積の導電膜を容易に形成しやすく、装置が簡便で生産性
が高く、スパッタリング法よりも低コストで導電膜を製
造できるという長所がある。塗布法では、導電性微粒子
同士が接触することにより電気経路を形成し導電性が発
現される。しかしながら、従来の塗布法で作製された導
電膜は接触が不十分で、得られる導電膜の電気抵抗値が
高い(導電性に劣る)という欠点があり、その用途が限
られてしまう。
【0007】従来の塗布法による透明導電膜の製造とし
て、例えば、特開平9−109259号公報には、導電
性粉末とバインダー樹脂とからなる塗料を転写用プラス
チックフィルム上に塗布、乾燥し、導電層を形成する第
1工程、導電層表面を平滑面に加圧(5〜100kg/
cm2 )、加熱(70〜180℃)処理する第2工程、
この導電層をプラスチックフィルムもしくはシート上に
積層し、熱圧着させる第3工程からなる製造方法が開示
されている。この方法では、バインダー樹脂を大量に用
いている(無機質導電性粉末の場合には、バインダー1
00重量部に対して、導電性粉末100〜500重量
部、有機質導電性粉末の場合には、バインダー100重
量部に対して、導電性粉末0.1〜30重量部)ため、
電気抵抗値の低い透明導電膜は得られない。
【0008】例えば、特開平8−199096号公報に
は、錫ドープ酸化インジウム(ITO)粉末、溶媒、カ
ップリング剤、金属の有機酸塩もしくは無機酸塩からな
る、バインダーを含まない導電膜形成用塗料をガラス板
に塗布し、300℃以上の温度で焼成する方法が開示さ
れている。この方法では、バインダーを用いていないの
で、導電膜の電気抵抗値は低くなる。しかし、300℃
以上の温度での焼成工程を行う必要があるため、樹脂フ
ィルムのような支持体上に導電膜を形成することは困難
である。すなわち、樹脂フィルムは高温によって、溶融
したり、炭化したり、燃焼してしまう。樹脂フィルムの
種類によるが、例えばポリエチレンテレフタレート(P
ET)フィルムでは130℃の温度が限界であろう。
【0009】特許2994764号公報には、ITOの
超微粒子粉を樹脂と共に溶剤中に分散させて成るペース
トを樹脂フィルム上に塗布し、乾燥し、その後、スチー
ルロールによって圧延処理を施すことからなる透明導電
膜の製造法が開示されている。
【0010】特開平7−235220号公報には、IT
O等の導電性微粒子を含み、バインダーを含まない分散
液をガラス基板上に塗布し、ゆっくりと乾燥し、得られ
たITO膜上にシリカゾルからなるオーバーコート液を
塗布し、次いで乾燥あるいは乾燥に続く焼成を行う方法
が開示されている。同号公報によれば、シリカゾルから
なるオーバーコート塗膜を乾燥させて硬化収縮させ、そ
の際の硬化収縮応力によって、ITO膜中のITO微粒
子同士を強固に接触させる。ITO微粒子同士の接触が
不十分であれば、導電膜の電気抵抗は高い。大きな硬化
収縮応力を得るため、オーバーコート塗膜を150〜1
80℃の高温で乾燥処理する必要がある。しかし、支持
体が樹脂フィルムである場合には、このような高温によ
り樹脂フィルムが変形してしまう。また、同号公報によ
れば、シリカゾルからなるオーバーコートは、導電膜と
ガラス基板との結合にも寄与する。すなわち、シリカゾ
ルからなるオーバーコートによって導電膜の強度が得ら
れる。しかし、オーバーコート液の塗布、硬化収縮を行
わなければ、導電膜の電気抵抗が高い上に、膜の強度も
低い。さらに、導電膜の光学特性を向上させ、表面抵抗
を小さくするため、導電性微粒子の分散液をガラス基板
上に塗布した後の乾燥をゆっくりと行う必要がある。シ
リカゾルからなるオーバーコート膜は、その膜厚が厚い
とクラックが入ってしまう欠点がある。
【0011】塗布法以外のものとしては、特開平6−1
3785号公報に、導電性物質(金属又は合金)粉体よ
り構成された骨格構造の空隙の少なくとも一部、好まし
くは空隙の全部に樹脂が充填された粉体圧縮層と、その
下側の樹脂層とからなる導電性皮膜が開示されている。
その製法について、板材に皮膜を形成する場合を例にと
り説明する。同号公報によれば、まず、樹脂、粉体物質
(金属又は合金)及び被処理部材である板材を皮膜形成
媒体(直径数mmのスチールボール)とともに容器内で
振動又は攪拌すると、被処理部材表面に樹脂層が形成さ
れる。続いて、粉体物質がこの樹脂層の粘着力により樹
脂層に捕捉・固定される。更に振動又は攪拌を受けてい
る皮膜形成媒体が、振動又は攪拌を受けている粉体物質
に打撃力を与え、粉体圧縮層が作られる。粉体圧縮層の
固定効果を得るために、かなりの量の樹脂が必要とされ
る。また、製法は塗布法に比べ、煩雑である。
【0012】塗布法以外のものとしては、特開平9−1
07195号公報に、導電性短繊維をPVCなどのフィ
ルム上にふりかけて堆積させ、これを加圧処理して、導
電性繊維−樹脂一体化層を形成する方法が開示されてい
る。導電性短繊維とは、ポリエチレンテレフタレートな
どの短繊維にニッケルメッキなどを被着処理したもので
ある。加圧操作は、樹脂マトリックス層が熱可塑性を示
す温度条件下で行うことが好ましく、175℃、20k
g/cm2 という高温・低圧条件が開示されている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】このような背景から、
大面積の機能性膜を容易に形成しやすく、装置が簡便で
生産性が高く、低コストで機能性膜を製造できるという
塗布法の利点を生かしつつ、各種機能を発現し得る機能
性膜が得られる方法の開発が望まれる。
【0014】とりわけ導電膜については、大面積の導電
膜を容易に形成しやすく、装置が簡便で生産性が高く、
低コストで導電膜を製造できるという塗布法の利点を生
かしつつ、電気抵抗値の低い透明導電膜が得られる方法
の開発が望まれる。
【0015】そこで、本発明の目的は、塗布法による各
種機能を発現し得る機能性膜を提供すること、及び塗布
法による前記機能性膜の製造方法を提供することにあ
る。
【0016】とりわけ本発明の目的は、塗布法による抵
抗値が低く且つ好ましくは散乱の少ない透明導電膜を提
供すること、及び塗布法による前記透明導電膜の製造方
法を提供することにある。さらには、高温の加熱操作を
必要とせず膜を形成でき、均質で厚みむらのない膜が得
られる透明導電膜の製造方法、膜の大面積化にも対応で
きる透明導電膜の製造方法を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】従来、塗布法において、
バインダー樹脂を大量に用いなければ機能性膜を成膜で
きず、あるいは、バインダー樹脂を用いない場合には、
機能性物質を高温で焼結させなければ機能性膜が得られ
ないと考えられていた。導電膜について見れば、バイン
ダー樹脂を大量に用いなければ導電膜を成膜できず、あ
るいは、バインダー樹脂を用いない場合には、導電性物
質を高温で焼結させなければ導電膜が得られないと考え
られていた。
【0018】ところが、本発明者は鋭意検討した結果、
驚くべきことに、大量のバインダー樹脂を用いることな
く、かつ高温で焼成することもなく、圧縮によって機械
的強度を有し且つ各種の機能を発現し得る機能性膜が得
られることを見いだし、本発明に到達した。本発明者
は、導電性物質を用いると、抵抗値の低い透明導電膜が
得られることを見いだし、本発明に到達した。
【0019】本発明は、支持体上に圧縮された機能性微
粒子含有塗布層が形成されている機能性膜である。本発
明は、支持体上に塗布により形成された機能性微粒子含
有層を圧縮することにより得られる機能性微粒子の圧縮
層を含む、機能性膜である。前記機能性微粒子含有層
は、機能性微粒子を分散した液を支持体上に塗布、乾燥
して形成される。
【0020】前記機能性膜において、前記機能性微粒子
が無機微粒子から選ばれることが好ましい。前記機能性
膜において、前記機能性微粒子の圧縮層は、44N/m
2 以上の圧縮力で圧縮することにより得られたもので
あることが好ましい。
【0021】前記機能性膜は、例えば、導電膜、磁性
膜、強磁性膜、誘電体膜、強誘電体膜、エレクトロクロ
ミック膜、エレクトロルミネッセンス膜、絶縁膜、光吸
収膜、光選択吸収膜、反射膜、反射防止膜、触媒膜及び
光触媒膜から選ばれる。
【0022】前記機能性膜において、前記支持体が樹脂
製フィルムであることが好ましい。
【0023】とりわけ本発明は、透明導電膜に関する。
前記機能性膜が導電膜の場合には、前記機能性微粒子が
導電性微粒子であり、導電膜としての機能を有する。す
なわち、本発明は、支持体上に塗布により形成された導
電性微粒子含有層を圧縮することにより得られる導電性
微粒子の圧縮層を含む透明導電膜である。この場合に、
前記導電性微粒子は、例えば、酸化錫、酸化インジウ
ム、酸化亜鉛、酸化カドミウム、アンチモンドープ酸化
錫(ATO)、フッ素ドープ酸化錫(FTO)、錫ドー
プ酸化インジウム(ITO)及びアルミニウムドープ酸
化亜鉛(AZO)からなる群から選ばれる導電性無機微
粒子であることが好ましい。
【0024】また、本発明は、機能性微粒子を分散した
液を支持体上に塗布、乾燥し、機能性微粒子含有層を形
成し、その後、前記機能性微粒子含有層を圧縮し、機能
性微粒子の圧縮層を形成することを含む、機能性膜の製
造方法である。
【0025】前記方法において、前記機能性微粒子含有
層を44N/mm2 以上の圧縮力で圧縮することが好ま
しい。前記方法において、前記機能性微粒子含有層を前
記支持体が変形しない温度で圧縮することが好ましい。
前記方法において、前記機能性微粒子含有層をロールプ
レス機を用いて圧縮することが好ましい。
【0026】前記機能性膜が導電膜の場合には、前記機
能性微粒子として導電性微粒子を用いる。すなわち、本
発明は、導電性微粒子を分散した液を支持体上に塗布、
乾燥し、導電性微粒子含有層を形成し、その後、前記導
電性微粒子含有層を圧縮し、導電性微粒子の圧縮層を形
成することを含む、透明導電膜の製造方法である。前記
方法において、前記導電性微粒子の分散液は、少量の樹
脂を含んでも良いが、特に樹脂を含まないことが好まし
い。
【0027】特に、本発明において、前記機能性微粒子
としての導電性微粒子の圧縮層に透明物質が含浸される
ことによって、抵抗値が低く且つ散乱の少ない透明導電
膜が提供される。
【0028】すなわち、本発明は、支持体上に塗布によ
り形成された導電性微粒子含有層を圧縮することにより
得られる導電性微粒子の圧縮層を含む透明導電膜であっ
て、前記導電性微粒子の圧縮層には透明物質が含浸され
ている透明導電膜である。
【0029】さらに、本発明は、導電性微粒子を分散し
た液を支持体上に塗布、乾燥し、導電性微粒子含有層を
形成し、その後、前記導電性微粒子含有層を圧縮し、導
電性微粒子の圧縮層を形成し、さらに、形成された導電
性微粒子の圧縮層に透明物質を含浸することを含む、透
明導電膜の製造方法である。
【0030】
【発明の実施の形態】本発明において、機能性膜には、
特に限定されることなく、導電膜、磁性膜、強磁性膜、
誘電体膜、強誘電体膜、エレクトロクロミック膜、エレ
クトロルミネッセンス膜、絶縁膜、光吸収膜、光選択吸
収膜、反射膜、反射防止膜、触媒膜、光触媒膜等の各種
の機能を有する膜が含まれる。従って、本発明におい
て、前記目的とする膜を構成すべき機能性微粒子が用い
られる。機能性微粒子は、特に限定されることなく、凝
集力を有する主として無機の微粒子が用いられる。いず
れの機能性膜の製造においても、本発明の方法を適用す
ることにより、十分な機械的強度を有する機能性塗膜が
得られると共に、バインダー樹脂を大量に用いていた従
来の塗布法におけるバインダー樹脂による弊害を解消す
ることができる。その結果、目的とする機能がより向上
する。
【0031】例えば、透明導電膜の製造においては、酸
化錫、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化カドミウム、ア
ンチモンドープ酸化錫(ATO)、フッ素ドープ酸化錫
(FTO)、錫ドープ酸化インジウム(ITO)、アル
ミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)等の導電性無機微粒
子が用いられる。あるいは、有機質の導電性微粒子が用
いられてもよい。本製造方法の適用によって、優れた導
電性が得られる。
【0032】強磁性膜の製造においては、γ−Fe2
3 、Fe3 4 、Co−FeOx、Baフェライト等の
酸化鉄系磁性粉末や、α−Fe、Fe−Co、Fe−N
i、Fe−Co−Ni、Co、Co−Ni等の強磁性金
属元素を主成分とする強磁性合金粉末等が用いられる。
本製造方法の適用によって、磁性塗膜の飽和磁束密度が
向上する。
【0033】誘電体膜や強誘電体膜の製造においては、
チタン酸マグネシウム系、チタン酸バリウム系、チタン
酸ストロンチウム系、チタン酸鉛系、チタン酸ジルコン
酸鉛系(PZT)、ジルコン酸鉛系、ランタン添加チタ
ン酸ジルコン酸鉛系(PLZT)、ケイ酸マグネシウム
系、鉛含有ペロブスカイト化合物等の誘電体ないしは強
誘電体の微粒子が用いられる。本製造方法の適用によっ
て、誘電体特性ないしは強誘電体特性の向上が得られ
る。
【0034】各種機能を発現する金属酸化物膜の製造に
おいては、酸化鉄(Fe2 3 )、酸化ケイ素(SiO
2 )、酸化アルミニウム(Al2 3 )、二酸化チタン
(TiO2 )、酸化チタン(TiO)、酸化亜鉛(Zn
O)、酸化ジルコニウム(ZrO2 )、酸化タングステ
ン(WO3 )等の金属酸化物の微粒子が用いられる。本
製造方法の適用によって、膜における金属酸化物の充填
度が上がるため、各機能が向上する。例えば、触媒を担
持させたSiO2 、Al2 3 を用いた場合には、実用
強度を有する多孔質触媒膜が得られる。TiO2 を用い
た場合には、光触媒機能の向上が得られる。また、WO
3 を用いた場合には、エレクトロクロミック表示素子で
の発色作用の向上が得られる。
【0035】また、エレクトロルミネッセンス膜の製造
においては、硫化亜鉛(ZnS)微粒子が用いられる。
本製造方法の適用によって、塗布法による安価なエレク
トロルミネッセンス膜の製造を行うことができる。
【0036】本発明において、目的に応じて、上記各種
の機能性微粒子から選ばれる機能性微粒子を分散した液
を機能性塗料として用いる。この機能性塗料を支持体上
に塗布、乾燥し、機能性微粒子含有層を形成する。その
後、前記機能性微粒子含有層を圧縮し、機能性微粒子の
圧縮層を形成して、機能性膜を得る。
【0037】導電性微粒子などの機能性微粒子を分散す
る液体としては、特に限定されることなく、既知の各種
液体を使用することができる。例えば、液体として、ヘ
キサン等の飽和炭化水素類、トルエン、キシレン等の芳
香族炭化水素類、メタノール、エタノール、プロパノー
ル、ブタノール等のアルコール類、アセトン、メチルエ
チルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケ
トン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステ
ル類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエー
テル等のエーテル類、N,N−ジメチルホルムアミド、
N−メチルピロリドン(NMP)、N,N−ジメチルア
セトアミド等のアミド類、エチレンクロライド、クロル
ベンゼン等のハロゲン化炭化水素等を挙げることができ
る。これらのなかでも、極性を有する液体が好ましく、
特にメタノール、エタノール等のアルコール類、NMP
等のアミド類のような水と親和性のあるものは、分散剤
を使用しなくても分散性が良好であり好適である。これ
ら液体は、単独でも2種以上の混合したものでも使用す
ることができる。また、液体の種類により、分散剤を使
用することもできる。
【0038】また、液体として、水も使用可能である。
水を用いる場合には、支持体が親水性のものである必要
がある。樹脂フィルムは通常疎水性であるため水をはじ
きやすく、均一な膜が得られにくい。支持体が樹脂フィ
ルムの場合には、水にアルコールを混合するとか、ある
いは支持体の表面を親水性にする必要がある。
【0039】用いる液体の量は、特に制限されず、前記
微粒子の分散液が後述する塗布方法に適した粘度を有す
るようにすればよい。例えば、前記微粒子100重量部
に対して、液体100〜100,000 重量部程度である。前
記微粒子と液体の種類に応じて適宜選択するとよい。一
般的には、前記微粒子の粒径が小さくなるほど比表面積
が大きくなり、粘度が高くなりやすい。比表面積が大き
い微粒子を用いる場合は、液体の量を多くして、固形分
濃度を下げればよい。また、塗膜厚みが薄い場合も、液
体の量を多くして、固形分濃度の低い塗布液を用いると
よい。
【0040】前記微粒子の液体中への分散は、公知の分
散手法により行うとよい。例えば、サンドグラインダー
ミル法により分散する。分散に際しては、微粒子の凝集
をほぐすために、ジルコニアビーズ等のメディアを用い
ることも好ましい。また、分散の際に、ゴミ等の不純物
の混入が起こらないように注意する。
【0041】前記微粒子の分散液は、樹脂を含まないこ
とが好ましい。すなわち、樹脂量=0であることが好ま
しい。前記微粒子の分散液が樹脂を含まなければ、塗布
により形成された(圧縮前の)機能性微粒子含有層も樹
脂を含まない。
【0042】導電膜においては、樹脂を用いなければ、
樹脂によって導電性微粒子同士の接触が阻害されること
がない。従って、導電性微粒子相互間の導電性が確保さ
れ、得られる導電膜の電気抵抗値が低い。導電性を損な
わない程度の量であれば、樹脂を含むことも可能である
が、その量は、従来技術におけるバインダー樹脂として
の使用量に比べると非常に少ない。例えば、分散液中に
おける樹脂の含有量の上限は、分散前の体積で表して、
前記導電性微粒子の体積を100としたとき、19程度
の体積である。従来技術においては、強い圧縮を行わな
いので、塗膜の機械的強度を得るためにバインダーを多
く用いなければならなかった。バインダーとしての役割
を果たす程度の量の樹脂を用いると、導電性微粒子同士
の接触がバインダーにより阻害され、微粒子間の電子移
動が阻害され導電性が低下する。高い導電性を得るとい
う観点からは、分散液中における樹脂の含有量は、分散
前の体積で表して、前記導電性微粒子の体積を100と
したとき、3.7未満の体積とすべきであり、特に体積
0が好ましい。
【0043】WO3 微粒子やTiO2 微粒子などを始め
その他の機能性微粒子を用いた機能性膜においても、樹
脂を用いなければ、樹脂によって各微粒子同士の接触が
阻害されることがないため、各機能の向上が図られる。
微粒子間の接触が阻害されず各機能を損なわない程度の
量であれば、樹脂を含むことも可能であるが、その量
は、前記各微粒子の体積を100としたとき、例えば約
80以下の体積であり、好ましくは19以下の体積であ
る。
【0044】Al2 3 微粒子などを用いた触媒膜にお
いては、樹脂を用いなければ、樹脂によって触媒機能を
有する微粒子の表面が覆われることがない。このため、
触媒としての機能の向上が図られる。触媒膜において
は、膜の内部に空隙が多い方が、触媒としての活性点が
多くなるので、この観点からもなるべく樹脂を用いない
ことが好ましい。
【0045】このように機能性膜には、圧縮時において
(すなわち、前記機能性微粒子の分散液中において)樹
脂を用いないことが好ましく、用いるとしても少量が好
ましい。用いる場合の樹脂量は、機能性膜の目的に応じ
て、ある程度変化し得るので、適宜決定するとよい。
【0046】前記微粒子の分散液には、導電性や触媒作
用などの各機能に要求される性能を満たす範囲内で、各
種の添加剤を配合してもよい。例えば、紫外線吸収剤、
界面活性剤、分散剤等の添加剤である。
【0047】支持体としては、特に限定されることな
く、樹脂フィルム、ガラス、セラミックス、金属、布、
紙等の各種のものを用いることができる。しかしなが
ら、ガラス、セラミックス等では、後工程の圧縮の際に
割れる可能性が高いので、その点を考慮する必要があ
る。また、支持体の形状は、フィルム状の他、箔状、メ
ッシュ状、織物等が使用可能である。
【0048】支持体として、圧縮工程の圧縮力を大きく
しても割れることがない樹脂フィルムが好適である。樹
脂フィルムは、次に述べるように、導電性微粒子などの
機能性微粒子層の該フィルムへの密着性が良い点でも好
ましく、また軽量化を求められている用途にも好適であ
る。本発明では、高温での加圧工程や、焼成工程がない
ので、樹脂フィルムを支持体として用いることができ
る。樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレ
フタレート(PET)等のポリエステルフィルム、ポリ
エチレンやポリプロピレン等のポリオレフィンフィル
ム、ポリカーボネートフィルム、アクリルフィルム、ノ
ルボルネンフィルム(JSR(株)製、アートンなど)
等が挙げられる。
【0049】PETフィルムのような樹脂フィルムで
は、乾燥後の圧縮工程の際に、PETフィルムに接して
いる導電性微粒子などの機能性微粒子の一部分がPET
フィルムに埋め込まれるような感じとなり、この微粒子
層がPETフィルムに良く密着される。
【0050】ガラスなどの硬いものや、樹脂フィルムで
あってもフィルム表面が硬いものでは、微粒子が埋め込
まれないため微粒子層と支持体の密着性がとれない。そ
の場合は、ガラス面や、硬いフィルム表面上に柔らかい
樹脂層を予め形成しておき、微粒子を塗布、乾燥、圧縮
することが好ましい。圧縮後に、柔らかい樹脂層を熱や
紫外線などで硬化させてもよい。
【0051】柔らかい樹脂層は、微粒子を分散した液に
溶解しないものの方がよい。導電膜においては、前記樹
脂層が溶解すると毛管現象で、前記樹脂を含む溶液が導
電性微粒子の周りにきてしまい、結果として、得られる
導電膜の電気抵抗値が上昇する。触媒膜においても、毛
管現象で、前記樹脂を含む溶液が触媒機能を有する微粒
子の周りにきてしまい、触媒機能が低下する。
【0052】また、支持体として硬い金属を用いた場
合、微粒子層と支持体の密着性が悪いので、支持体金属
の表面を樹脂で処理するか、柔らかい金属(合金でもよ
い)とすればよい。
【0053】前記微粒子の分散液を前記支持体上に塗
布、乾燥し、導電性微粒子含有層などの機能性微粒子含
有層を形成する。前記支持体上への前記微粒子分散液の
塗布は、特に限定されることなく、公知の方法により行
うことができる。例えば、1000cps以上の高粘度
の分散液の塗布は、ブレード法、ナイフ法などの塗布法
によって行うことができる。500cps未満の低粘度
の分散液の塗布は、バーコート法、キスコート法、スク
イズ法などの塗布法によって行うことができ、又は噴
霧、吹き付けなどにより、支持体上へ分散液を付着させ
ることも可能である。さらに、分散液の粘度によらず、
リバースロール法、ダイレクトロール法、エクストルー
ジョンノズル法、カーテン法、グラビアロール法、ディ
ップ法などの塗布法を用いることも可能である。
【0054】乾燥温度は分散に用いた液体の種類による
が、10〜150℃程度が好ましい。10℃未満では空
気中の水分の結露が起こりやすく、150℃を越えると
樹脂フィルム支持体が変形する。また、乾燥の際に、不
純物が前記微粒子の表面に付着しないように注意する。
【0055】塗布、乾燥後の導電性微粒子含有層などの
機能性微粒子含有層の厚みは、次工程の圧縮条件や、圧
縮された後に最終的に得られる導電膜などの各機能性膜
の用途にもよるが、0.1〜10μm程度とすればよ
い。
【0056】このように、導電性微粒子などの機能性微
粒子を液に分散させて塗布し、乾燥すると、均一な膜を
作成しやすい。前記微粒子の分散液を塗布して乾燥させ
ると、分散液中にバインダーが存在しなくても微粒子は
膜を形成する。バインダーが存在しなくても膜となる理
由は必ずしも明確ではないが、乾燥させて液が少なくな
ってくると毛管力のため、微粒子が互いに集まってく
る。さらに微粒子であるということは比表面積が大きく
凝集力も強いので、膜となるのではないかと考えてい
る。しかし、この段階での膜の強度は弱い。また、導電
膜においては抵抗値が高く、抵抗値のばらつきも大き
い。
【0057】次に、形成された導電性微粒子含有層など
の機能性微粒子含有層を圧縮し、導電性微粒子などの機
能性微粒子の圧縮層を得る。圧縮することにより、膜の
強度を向上させる。すなわち、圧縮することで導電性微
粒子などの機能性微粒子相互間の接触点が増え接触面が
増加する。このため、塗膜強度が上がる。微粒子は元々
凝集しやすい性質があるので圧縮することで強固な膜と
なる。
【0058】導電膜においては、塗膜強度が上がると共
に、電気抵抗が低下する。触媒膜においては、塗膜強度
が上がると共に、樹脂を用いないか又は樹脂量が少ない
ので多孔質膜となる。そのため、より高い触媒機能が得
られる。他の機能性膜においても、微粒子同士がつなが
った高い強度の膜とすることができる共に、樹脂を用い
ないか又は樹脂量が少ないので、単位体積における微粒
子の充填量が多くなる。そのため、より高いそれぞれの
機能が得られる。
【0059】圧縮は44N/mm2 以上の圧縮力で行う
ことが好ましい。44N/mm2 未満の低圧であれば、
導電性微粒子含有層などの機能性微粒子含有層を十分に
圧縮することができず、導電性などの機能性に優れた導
電膜などの機能性膜が得られにくい。138N/mm2
以上の圧縮力がより好ましく、183N/mm2 の圧縮
力が更に好ましい。圧縮力が高いほど、塗膜強度が向上
し、支持体との密着性が向上する。導電膜においては、
より導電性に優れた膜が得られ、また、導電膜の強度が
向上し、導電膜と支持体との密着性も強固となる。圧縮
力を高くするほど装置の耐圧を上げなくてはならないの
で、一般には1000N/mm2 までの圧縮力が適当で
ある。
【0060】また、圧縮を前記支持体が変形しない温度
で行うことが好ましい。例えば、前記支持体が樹脂フィ
ルムの場合、前記樹脂のガラス転移温度(二次転移温
度)以下の温度範囲となる。前記支持体が金属製の場
合、前記金属が溶融しない温度範囲となる。
【0061】圧縮は、特に限定されることなく、シート
プレス、ロールプレス等により行うことができるが、ロ
ールプレス機を用いて行うことが好ましい。ロールプレ
スは、ロールとロールの間に圧縮すべきフィルムを挟ん
で圧縮し、ロールを回転させる方法である。ロールプレ
スは均一に高圧がかけられ、シートプレスよりも生産性
が良く好適である。
【0062】ロールプレス機のロール温度は生産性の点
から常温(人間が作業しやすい環境)が好ましい。加温
した雰囲気やロールを加温した圧縮(ホットプレス)で
は、圧縮圧力を強くすると樹脂フィルムが伸びてしまう
などの不具合が生じる。加温下で支持体の樹脂フィルム
が伸びないようにするため、圧縮圧力を弱くすると、塗
膜の機械的強度が低下する。導電膜においては、塗膜の
機械的強度が低下し、電気抵抗が上昇する。ロールプレ
ス機で連続圧縮した場合に、発熱によりロール温度が上
昇しないように温度調節することも好ましい。
【0063】微粒子表面の水分の付着をできるだけ少な
くしたいというような理由がある場合に、雰囲気の相対
湿度を下げるために、加温した雰囲気としてもよいが、
温度範囲はフィルムが容易に伸びてしまわない範囲内で
ある。一般にはガラス転移温度(二次転移温度)以下の
温度範囲となる。湿度の変動を考慮して、要求される湿
度になる温度より少し高めの温度にすればよい。支持体
が金属製であれば、この金属が溶融しない温度範囲ま
で、加温した雰囲気にすることも可能である。
【0064】なお、樹脂フィルムのガラス転移温度は、
動的粘弾性を測定して求められ、主分散の力学的損失が
ピークとなる温度を指す。例えば、PETフィルムにつ
いて見ると、そのガラス転移温度はおよそ110℃前後
である。
【0065】ロールプレス機のロールは、強い圧力がか
けられることから金属ロールが好適である。また、ロー
ル表面が柔らいと、圧縮時に微粒子がロールに転写する
ことがあるので、ロール表面をハードクロムやセラミッ
ク溶射膜、TiNなどのイオンプレーティングにより得
た膜、DLC(ダイヤモンドライクカーボン)等の硬質
膜で処理することが好ましい。
【0066】このようにして、導電性微粒子などの機能
性微粒子の圧縮層が形成される。導電性微粒子などの機
能性微粒子圧縮層の膜厚は、用途にもよるが、0.05
〜10μm程度とすればよく、0.1〜5μmが好まし
く、0.1〜3μmが更に好ましく、0.1〜2μmが
最も好ましい。
【0067】また、10μm程度の厚い圧縮層を得るた
めに、微粒子の分散液の塗布、乾燥、圧縮の一連の操作
を繰り返し行っても良い。さらに、本発明において、支
持体の両面に導電膜などの各機能性膜を形成することも
勿論可能である。
【0068】このようにして得られる透明導電膜などの
各機能性膜は、優れた導電性や触媒作用などの各機能性
を示し、バインダー樹脂を用いないか又はバインダーと
しては機能しない程の少量の樹脂を用いて作成したにも
かかわらず、実用上十分な膜強度を有し、支持体との密
着性にも優れる。
【0069】次に、本発明を透明導電膜に適用した例に
ついて説明する。本発明において、導電性微粒子を分散
した液を導電性塗料として用いる。この導電性塗料を支
持体上に塗布、乾燥し、導電性微粒子含有層を形成す
る。その後、前記導電性微粒子含有層を圧縮し、導電性
微粒子の圧縮層を形成して、導電膜を得る。さらに、好
ましくは、形成された導電性微粒子の圧縮層に透明物質
を含浸する。
【0070】透明導電膜における導電性微粒子として
は、導電膜の透明性を大きく損なうものでなければ特に
限定されることなく、無機質の導電性微粒子が用いられ
る。あるいは、有機質の導電性微粒子が用いられる場合
もある。
【0071】本発明において、透明とは可視光を透過す
ることを意味する。光の散乱度合いについては、導電膜
の用途により要求されるレベルが異なる。本発明では、
一般に半透明といわれるような散乱のあるものも含まれ
る。しかしながら、透明物質を導電性微粒子の圧縮層に
含浸させることにより、本発明の導電膜は光の散乱度合
いが非常に軽減され透明性に優れる。
【0072】無機質の導電性微粒子としては、酸化錫、
酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化カドミウム等があり、
アンチモンドープ酸化錫(ATO)、フッ素ドープ酸化
錫(FTO)、錫ドープ酸化インジウム(ITO)、ア
ルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)等の微粒子が好ま
しい。更にITOがより優れた導電性が得られる点で好
ましい。あるいは、ATO、ITO等の無機材料を硫酸
バリウム等の透明性を有する微粒子の表面にコーティン
グしたものを用いることもできる。これら微粒子の粒子
径は、導電膜の用途に応じて必要とされる散乱の度合い
により異なり、また、粒子の形状により一概には言えな
いが、一般に10μm以下であり、1.0μm以下が好
ましく、5nm〜100nmがより好ましい。
【0073】有機質の導電性微粒子としては、例えば、
金属材料を樹脂微粒子表面にコーティングしたもの等が
挙げられる。
【0074】前記導電性塗料中に樹脂を含ませると、樹
脂には導電膜の散乱を少なくする作用がある。しかしな
がら、本発明においては、以下に説明するように、導電
性微粒子の圧縮層を形成した後、好ましくは透明物質を
前記圧縮層に含浸させるので、導電膜の散乱が非常に軽
減される。従って、前記微粒子の分散液中に樹脂を含ま
せる必要性に乏しい。
【0075】本発明においては、好ましくは得られた導
電性微粒子の圧縮層に透明物質を含浸させる。得られた
導電性微粒子の圧縮層は、多孔質の膜なので光の散乱を
生じることがある。前記圧縮層に透明物質を含浸させる
ことにより、光の散乱を減らすことができる。導電性微
粒子の分散液中に最初から透明物質を添加して、透明物
質を含む圧縮層を形成する場合とは異なり、電気抵抗の
低い導電性微粒子の圧縮層を形成した後に圧縮層の間隙
に透明物質を含浸させるので、得られる導電膜の電気抵
抗は低いままである。
【0076】本発明において、透明物質を含浸させると
は、多孔質の導電性微粒子の圧縮層の間隙に透明物質
(あるいはその前駆体)を含む含浸液をしみ込ませ、そ
の後適切な方法でしみ込ませた透明物質を固化させるこ
とである。あるいは、導電膜の用途によっては、含浸さ
れた液体がそのまま存在してもよい。
【0077】含浸させる透明物質として、特に限定され
ることなく、有機ポリマー、有機ポリマーの中間体、オ
リゴマー、モノマーなどの物質が挙げられる。具体的に
は、フッ素ポリマー、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、
ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、
ヒドロキシプロピルセルロース、再生セルロース、ジア
セチルセルロース、ポリ塩化ビニル、ポリビニルピロリ
ドン、ポリエチレン、ポリプロピレン、SBR、ポリブ
タジエン、ポリエチレンオキシド、ポリエステル、ポリ
ウレタン等の有機ポリマーが挙げられる。これらの有機
ポリマーの前駆体(モノマー、オリゴマー)を含浸さ
せ、含浸後に紫外線処理や熱処理を行うことによってこ
れらの有機ポリマーに変換してもよい。また、含浸時点
で液状にできるものであれば、無機物やガラス等を用い
ることもできる。含浸液が高温になる場合には、支持体
として高温の影響を受けにくいものを用いるとよい。
【0078】支持体として樹脂フィルムを用いた場合に
は、含浸させる透明物質として、支持体樹脂フィルムに
影響を及ぼさない程度の低温で成膜可能な無機物も使用
可能である。例えば、過酸化チタン、過酸化タングステ
ン等を用いることもできる。過酸化チタンを水に溶解し
た含浸液を圧縮層上に塗布し、水を乾燥し、100℃程
度で熱処理して酸化チタンとする。ゾル−ゲル法によ
り、金属アルコキシドの溶液を塗布して、100℃程度
で熱処理して金属酸化物としても良い。ポリシラザンを
用いても良い。また、シリコーンオイルのような液体を
含浸させてもよい。含浸させる透明物質には、必ずしも
硬化収縮の性質は必要ではなく、幅広い透明物質から選
択可能である。支持体として金属やセラミックスを用い
た場合には、溶融したガラスを含浸させてもよい。
【0079】含浸液は、透明物質又はその前駆体を適切
な溶媒に溶解して得ることができる。この溶媒として
は、特に限定されることなく、公知の各種液体を使用す
ることができる。例えば、ヘキサン等の飽和炭化水素
類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、メタノ
ール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアル
コール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソ
ブチルケトン、ジイソブチルケトン等のケトン類、酢酸
エチル、酢酸ブチル等のエステル類、テトラヒドロフラ
ン、ジオキサン、ジエチルエーテル等のエーテル類、
N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン
(NMP)、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド
類、エチレンクロライド、クロルベンゼン等のハロゲン
化炭化水素類、水等が挙げられる。含浸しやすいよう
に、含浸液の粘度を調整することが好ましい。
【0080】また、透明物質又はその前駆体が、モノマ
ーやオリゴマーのように液体のものであれば、溶媒に溶
解することなく、透明物質又はその前駆体をそのまま含
浸液として用いることも可能である。あるいは、含浸し
やすいように、適切な溶媒で希釈して含浸液としてもよ
い。
【0081】含浸液には、各種の添加剤を配合してもよ
い。例えば、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、着色剤等の
添加剤である。
【0082】透明物質の含浸は、導電性微粒子の圧縮層
の表面に前記含浸液を塗布して、あるいは前記含浸液に
圧縮層を浸漬する等の方法で行うことができる。圧縮層
は多孔質なので、含浸液は毛管力により間隙に入り込
む。
【0083】前記導電性微粒子の圧縮層上への前記含浸
液の塗布は、特に限定されることなく、公知の方法によ
り行うことができる。例えば、リバースロール法、ダイ
レクトロール法、ブレード法、ナイフ法、エクストルー
ジョンノズル法、カーテン法、グラビアロール法、バー
コート法、ディップ法、キスコート法、スクイズ法など
の塗布法によって行うことができる。また、噴霧、吹き
付けなどにより、前記圧縮層上へ含浸液を付着させ、し
み込ませることも可能である。
【0084】前記含浸液を前記圧縮層の間隙にしみ込ま
せた後、適切な方法でしみ込ませた透明物質を固化させ
る。例えば、含浸後に溶媒を乾燥し透明物質を固化させ
る方法、含浸後に溶剤を乾燥し、有機ポリマー及び/又
はモノマー及び/又はオリゴマーを紫外線処理や熱処理
して硬化させる方法、含浸後に金属過酸化物又は金属ア
ルコキシドを100℃程度までの温度で熱処理して金属
酸化物とする方法などを適用すればよい。用いた透明物
質に応じて、適切な方法を採用する。
【0085】前記導電性微粒子の圧縮層上への前記含浸
液の塗布量は、導電膜の用途に応じて適宜選択される。
例えば、導電膜の表面全体を電気的に接触可能な状態と
したい場合には、前記圧縮層の間隙を満たす程度の塗布
量とするとよい。前記圧縮層の間隙を満たす以上の塗布
量として、含浸と同時に、前記圧縮層上へ透明物質の保
護層を形成してもよい。この場合、保護層の厚みは、一
般には0.1μm〜100μm程度である。保護層の厚
みによって、含浸液の塗布量を選択するとよい。
【0086】また、導電膜表面の所望の部分(通常は端
部)に導通部を残しておきたい場合には、マスキング処
理等により、前記保護層が形成されない部分を確保して
もよい。あるいは、保護層形成後に、保護層の一部を除
去してもよい。
【0087】このような透明物質の含浸によって、前記
導電性微粒子の圧縮層表面の光の散乱が減少する。
【0088】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるもの
ではない。実施例1〜6及び比較例1は、CRT電磁波
遮蔽用途の透明導電膜を得るために、導電性微粒子とし
てATO微粒子を用いた例である。
【0089】[実施例1]一次粒径が10〜30nmの
ATO微粒子(SN−100P:石原産業(株)製)1
00重量部にエタノール300重量部を加え、メディア
をジルコニアビーズとして分散機にて分散した。得られ
た塗液を50μm厚のPETフィルム上に、バーコータ
ーを用いて塗布し、50℃の温風を送って乾燥した。得
られたフィルムを、以降において、圧縮前ATOフィル
ムと称する。ATO含有塗膜の厚みは1.7μmであっ
た。
【0090】まず、圧縮圧力の確認のための予備実験を
行った。一対の直径140mmの金属ロール(ロール表
面にハードクロムめっき処理が施されたもの)を備える
ロールプレス機を用いて、ロールを回転させず且つ前記
ロールの加熱を行わないで、室温(23℃)にて前記圧
縮前ATOフィルムを挟み圧縮した。この時、フィルム
幅方向の単位長さ当たりの圧力は1000N/mmであ
った。次に、圧力を解放し、圧縮された部分のフィルム
長手方向の長さを調べたら2mmであった。この結果か
ら、単位面積当たりに500N/mm2 の圧力で圧縮し
たことになる。
【0091】次に、予備実験に使用したものと同様の前
記圧縮前ATOフィルムを金属ロール間に挟み前記条件
で圧縮し、ロールを回転させ5m/分の送り速度で圧縮
した。このようにして、圧縮されたATOフィルムを得
た。圧縮後のATO塗膜の厚みは1.0μmであった。
【0092】(電気抵抗)導電膜が形成されたフィルム
を50mm×50mmの大きさに切断した。対角の位置
にある角の2点にテスターをあてて電気抵抗を測定した
ところ、65kΩであった。
【0093】(90度ピール試験)導電膜の支持体フィ
ルムとの密着性及び導電膜の強度を評価するため、90
度ピール試験を行った。図1を参照して説明する。導電
膜が形成された試験サンプル(1) における支持体フィル
ム(1b)の導電膜(1a)が形成された面とは反対側の面に両
面テープ(2) を貼った。これを大きさ25mm×100
mmに切り出した。試験サンプル(1) をステンレス板
(3) に貼った。試験サンプル(1) が剥がれないように、
サンプル(1) の両端部(25mm辺)にセロハン粘着テ
ープ(幅12mm、日東電工製、No. 29)(4) を貼っ
た。(図1(a))。
【0094】試験サンプル(1) の導電膜(1a)面にセロハ
ン粘着テープ(幅12mm、日東電工製、No. 29)(5)
をサンプル(1) の長辺と平行になるように貼った。セロ
ハンテープ(5) とサンプル(1) との貼付の長さは50m
mであった。セロハンテープ(5) の貼付されていない端
を張力計(6) に取り付け、セロハンテープ(5) の貼付面
と非貼付面(5a)との成す角が90度になるようにセット
した。セロハンテープ(5) を、100mm/分の速度で
引っ張って剥がした。このときテープ(5) を剥がす速度
と試験サンプル(1) を貼り付けたステンレス板(3) が同
じ速度で移動するようし、セロハンテープ(5) の非貼付
面(5a)と試験サンプル(1) 面とが常に90度となるよう
にした。張力計(6) にて剥がすときに要した力(F) を計
測した。(図1(b))。
【0095】試験後、剥がされた導電膜表面とセロハン
テープ表面を調べた。両方の表面に粘着剤がある場合
は、導電膜が破壊されたのではなく、セロハンテープの
粘着剤層が破壊されたこと、すなわち、粘着剤の強度が
剥がすときに要した力(F) の値であったということにな
り、導電塗膜の強度はその値(F) 以上となる。
【0096】本試験においては、粘着剤の強度上限が6
N/12mmであるため、表1に6N/12mmと表示
したものは、上記のように両方の表面に粘着剤がある場
合であって、密着性と導電膜の強度が6N/12mm以
上であることを表す。これより小さい値の場合は、導電
膜表面に粘着剤がなくセロハンテープ表面に導電膜が一
部付着しており、その値において、塗膜厚中で破壊が生
じたことを表す。3N/12mm以上の値であれば、実
用的レベルである。
【0097】上記90度ピール試験の結果、実施例1で
は、セロハンテープを剥がすのに6N/12mmの力を
要した。ピール試験後の塗膜表面を調べたところ、セロ
ハンテープの粘着剤が付着していた。剥がしたセロハン
テープの粘着面を調べたところ、粘着性があった。従っ
て、塗膜の強度は6N/12mm以上であった。
【0098】[実施例2]実施例1において、フィルム
幅方向の単位長さ当たりの圧力を660N/mmに変更
して圧縮した以外は実施例1と同様にして、予備実験を
行い、更に圧縮されたATOフィルムを得た。予備実験
において、圧縮してロールプレス機を回転させないで、
次に圧力を解放し、圧縮された部分のフィルム長手方向
の長さを調べたら1.9mmであり、この結果から、単
位面積当たりの圧力は347N/mm2 であった。以下
の実施例においても同様にして、単位面積当たりの圧力
を算出した。圧縮後のATO塗膜の厚みは1.0μmで
あった。なお、用いた圧縮前ATOフィルムは、実施例
1で作成したものと同様のものであり、以下の実施例3
〜6、比較例1についても同様である。
【0099】圧縮されたATOフィルムの電気抵抗は7
5kΩであった。90度ピール試験の結果、セロハンテ
ープを剥がすのに6N/12mmの力を要した。ピール
試験後の塗膜表面を調べたところ、セロハンテープの粘
着剤が付着していた。剥がしたセロハンテープの粘着面
を調べたところ、粘着性があった。従って、塗膜の強度
は6N/12mm以上であった。
【0100】[実施例3〜6]実施例1において、圧縮
圧力をそれぞれ表1に示す値に変更して圧縮した以外は
実施例1と同様にして、圧縮されたATOフィルムを得
た。電気抵抗を測定し、90度ピール試験を行った。
【0101】[比較例1]実施例1において、圧縮を行
わなかった。すなわち、実施例1の圧縮前ATOフィル
ムにつき、物性試験を行った。圧縮処理されていないA
TOフィルムの電気抵抗は4500kΩであった。90
度ピール試験の結果、セロハンテープを剥がすのに0.
8N/12mmの力を要した。
【0102】
【表1】
【0103】実施例1〜6及び比較例1の測定結果を表
1に示す。実施例1〜6の導電性フィルムはいずれも、
電気抵抗値が低く、塗膜強度も強く、導電膜と支持体フ
ィルムとの密着性にも優れていた。実施例1〜6から、
プレス圧が高いほど導電性がより良好となり、塗膜強度
が強く、導電膜と支持体フィルムとの密着性も強固とな
リ、セロハンテープの粘着剤が導電面に残ってしまうほ
どであった。また、実施例1〜6の導電性フィルムはい
ずれも、可視光透過率の点においても透明性にも優れて
いた。これに対して、比較例1のものは、圧縮工程を行
っていないので、実施例1〜6のものに比べ、電気抵抗
値が高く、塗膜強度にも劣っていた。
【0104】実施例7〜17及び比較例2〜4は、エレ
クトロルミネッセンスパネル電極用途の透明導電膜を得
るために、導電性微粒子として、ATOよりもより低い
電気抵抗の得られるITO微粒子を用いた例である。
【0105】[実施例7]一次粒径が10〜30nmの
ITO微粒子(同和鉱業(株)製)100重量部にエタ
ノール300重量部を加え、メディアをジルコニアビー
ズとして分散機にて分散した。得られた塗液を50μm
厚のPETフィルム上に、バーコーターを用いて塗布
し、50℃の温風を送って乾燥した。得られたフィルム
を、以降において、圧縮前ITOフィルムと称する。I
TO含有塗膜の厚みは1.7μmであった。
【0106】実施例1と同様にして、ロールプレス機を
用いて、前記圧縮前ITOフィルムをフィルム幅方向の
単位長さ当たりの圧力1000N/mm、単位面積当た
りの圧力500N/mm2 、5m/分の送り速度で圧縮
し、圧縮されたITOフィルムを得た。圧縮後のITO
塗膜の厚みは1.0μmであった。圧縮されたITOフ
ィルムの電気抵抗は3kΩであった。90度ピール試験
の結果から、塗膜強度は6N/12mm以上であった。
【0107】[実施例8〜12]実施例7において、圧
縮圧力をそれぞれ表2に示す値に変更して圧縮した以外
は実施例7と同様にして、圧縮されたITOフィルムを
得た。電気抵抗を測定し、90度ピール試験を行った。
【0108】[比較例2]実施例7において、圧縮を行
わなかった。すなわち、実施例7の圧縮前ITOフィル
ムにつき、物性試験を行った。圧縮処理されていないI
TOフィルムの電気抵抗は340kΩであった。90度
ピール試験の結果、セロハンテープを剥がすのに1.2
N/12mmの力を要した。
【0109】[実施例13]実施例8において、圧縮時
の送り速度を2.5m/分に変更した以外は実施例8と
同様にして、圧縮されたITOフィルムを得た。電気抵
抗を測定し、90度ピール試験を行った。
【0110】[実施例14]樹脂としてポリフッ化ビニ
リデン(PVDF:密度1.8g/cm3 )を用いた。
NMP900重量部にPVDF100重量部を溶解し
て、樹脂溶液とした。一次粒径が10〜30nmのIT
O微粒子(密度:6.9g/cm3 、同和鉱業(株)
製)100重量部に、前記樹脂溶液50重量部とNMP
375重量部を加え、メディアをジルコニアビーズとし
て分散機にて分散した。得られた塗液を50μm厚のP
ETフィルム上にバーコーターを用いて塗布し乾燥し
(100℃、3分)、圧縮前ITOフィルムを得た。
(ITO微粒子の体積を100としたときのPVDFの
体積は19であった) 実施例1と同様にして、ロールプレス機を用いて、この
フィルムをフィルム幅方向の単位長さ当たりの圧力66
0N/mm、単位面積当たりの圧力347N/mm2
5m/分の送り速度で圧縮し、圧縮されたITOフィル
ムを得た。圧縮後のITO塗膜の厚みは1.0μmであ
った。電気抵抗を測定し、90度ピール試験を行った。
90度ピール試験の結果は、5N/12mmであった。
これは高圧で圧縮したために塗膜表面にPVDFが滲み
出て、塗膜表面に対するセロハンテープの密着性が低く
なったためであり、塗膜は破壊されていなかった。従っ
て、塗膜強度は5N/12mm以上であった。
【0111】[実施例15〜17]実施例14におい
て、圧縮圧力をそれぞれ表2に示す値に変更して圧縮し
た以外は実施例14と同様にして、圧縮されたITOフ
ィルムを得た。電気抵抗を測定し、90度ピール試験を
行った。
【0112】[比較例3]実施例14において、圧縮を
行わなかった。すなわち、実施例14の圧縮前ITOフ
ィルムにつき、物性試験を行った。圧縮処理されていな
いITOフィルムの電気抵抗は320kΩであった。9
0度ピール試験の結果、セロハンテープを剥がすのに1
N/12mmの力を要した。
【0113】[比較例4]NMP900重量部にPVD
F100重量部を溶解して、樹脂溶液とした。一次粒径
が10〜30nmのITO微粒子(同和鉱業(株)製)
100重量部に、前記樹脂溶液1000重量部とNMP
900重量部を加え、メディアをジルコニアビーズとし
て分散機にて分散した。得られた塗液を50μm厚のP
ETフィルム上にバーコーターを用いて塗布し乾燥し
(100℃、3分)、ITOフィルムを得た。ITO塗
膜の厚みは1.0μmであった。電気抵抗を測定し、9
0度ピール試験を行った(ITO微粒子の体積を100
としたときのPVDFの体積は383であった)。90
度ピール試験の結果は、3.4N/12mmであった。
これは樹脂量が多いために塗膜表面にPVDFが滲み出
て、塗膜表面に対するセロハンテープの密着性が低くな
ったためであり、塗膜は破壊されていなかった。従っ
て、塗膜強度は3.4N/12mm以上であった。
【0114】
【表2】
【0115】実施例7〜17及び比較例2〜4の測定結
果を表2に示す。実施例7〜17の導電性フィルムはい
ずれも、電気抵抗値が低く、塗膜強度も強く、導電膜と
支持体フィルムとの密着性にも優れていた。実施例7〜
12及び実施例14〜17から、プレス圧が高いほど導
電性がより良好となり、塗膜強度が強く、導電膜と支持
体フィルムとの密着性も強固となリ、セロハンテープの
粘着剤が導電面に残ってしまうほどであった。導電性微
粒子としては、ATOよりもITOの方がより優れた導
電性が得られた。樹脂を含む導電膜よりも樹脂を含まな
い導電膜の方が、より優れた導電性が得られた。また、
実施例7〜17の導電性フィルムはいずれも、可視光透
過率の点においても透明性にも優れていた。
【0116】これに対して、比較例2及び3のものは、
圧縮工程を行っていないので、それぞれ実施例7〜12
及び14〜17のものに比べ、電気抵抗値が高く、塗膜
強度にも劣っていた。比較例4のものは、従来のように
圧縮しなくても塗膜が形成できるようにバインダー樹脂
を多量に用いた。バインダー樹脂を多量に用いたので塗
膜の強度は十分であったが、電気抵抗値が高かった。
【0117】以下の実施例18〜20は、無機微粒子と
して、酸化タングステン(WO3 )微粒子、酸化チタン
(TiO2 )微粒子、酸化アルミニウム(Al2 3
微粒子をそれぞれ用いて、無機材料膜を作製した例であ
る。
【0118】[実施例18]この実施例は、エレクトロ
クロミック表示素子用途として、WO3 微粒子を用いた
例である。一次粒径が50〜100nmのWO3 微粒子
100重量部にエタノール400重量部を加え、メディ
アをジルコニアビーズとして分散機にて分散した。得ら
れた塗液を50μm厚のPETフィルム上に、バーコー
ターを用いて塗布し、50℃の温風を送って乾燥した。
得られたフィルムを、以降において、圧縮前WO3フィ
ルムと称する。WO3 含有塗膜の厚みは1.0μmであ
った。
【0119】実施例1と同様にして、ロールプレス機を
用いて、前記圧縮前WO3 フィルムをフィルム幅方向の
単位長さ当たりの圧力1000N/mm、単位面積当た
りの圧力500N/mm2 、5m/分の送り速度で圧縮
し、圧縮されたWO3 フィルムを得た。圧縮後のWO3
塗膜の厚みは0.6μmであった。
【0120】得られたWO3 膜について、導電膜の場合
と同様に90度ピール試験を行い、塗膜の状態を調べ
た。セロハンテープを剥がすのに6N/12mmの力を
要した。ピール試験後の塗膜表面を調べたところ、セロ
ハンテープの粘着剤が付着していた。剥がしたセロハン
テープの粘着面を調べたところ、粘着性があった。従っ
て、塗膜の強度は6N/12mm以上であった。
【0121】[実施例19]この実施例は、光触媒膜用
途として、TiO2 微粒子を用いた例である。一次粒径
が30〜70nmのTiO2 微粒子100重量部にエタ
ノール900重量部を加え、メディアをジルコニアビー
ズとして分散機にて分散した。得られた塗液を50μm
厚のPETフィルム上に、バーコーターを用いて塗布
し、50℃の温風を送って乾燥した。得られたフィルム
を、以降において、圧縮前TiO 2 フィルムと称する。
TiO2 含有塗膜の厚みは0.7μmであった。
【0122】実施例1と同様にして、ロールプレス機を
用いて、前記圧縮前TiO2 フィルムをフィルム幅方向
の単位長さ当たりの圧力1000N/mm、単位面積当
たりの圧力500N/mm2 、5m/分の送り速度で圧
縮し、圧縮されたTiO2 フィルムを得た。圧縮後のT
iO2 塗膜の厚みは0.5μmであった。
【0123】得られたTiO2 膜について、導電膜の場
合と同様に90度ピール試験を行い、塗膜の状態を調べ
た。セロハンテープを剥がすのに6N/12mmの力を
要した。ピール試験後の塗膜表面を調べたところ、セロ
ハンテープの粘着剤が付着していた。剥がしたセロハン
テープの粘着面を調べたところ、粘着性があった。従っ
て、塗膜の強度は6N/12mm以上であった。
【0124】[実施例20]この実施例は、触媒膜用途
として、Al2 3 微粒子を用いた例である。一次粒径
が5〜20nmのAl2 3 微粒子100重量部にエタ
ノール400重量部を加え、メディアをジルコニアビー
ズとして分散機にて分散した。得られた塗液を50μm
厚のPETフィルム上に、バーコーターを用いて塗布
し、50℃の温風を送って乾燥した。得られたフィルム
を、以降において、圧縮前Al23 フィルムと称す
る。Al2 3 含有塗膜の厚みは1.2μmであった。
【0125】実施例1と同様にして、ロールプレス機を
用いて、前記圧縮前Al2 3 フィルムをフィルム幅方
向の単位長さ当たりの圧力1000N/mm、単位面積
当たりの圧力500N/mm2 、5m/分の送り速度で
圧縮し、圧縮されたAl2 3 フィルムを得た。圧縮後
のAl2 3 塗膜の厚みは0.8μmであった。
【0126】得られたAl2 3 膜について、導電膜の
場合と同様に90度ピール試験を行い、塗膜の状態を調
べた。セロハンテープを剥がすのに6N/12mmの力
を要した。ピール試験後の塗膜表面を調べたところ、セ
ロハンテープの粘着剤が付着していた。剥がしたセロハ
ンテープの粘着面を調べたところ、粘着性があった。従
って、塗膜の強度は6N/12mm以上であった。
【0127】上記実施例では、無機微粒子として、AT
O微粒子、ITO微粒子、WO3 微粒子、TiO2 微粒
子、Al2 3 微粒子をそれぞれ用いて、無機機能性膜
を作製した例を示した。上記実施例と同様にして、種々
の性質を有する無機微粒子を用いて、種々の無機機能性
膜を作製することができる。
【0128】実施例21〜24は、本発明の透明導電膜
のより好ましい実施例である。 [実施例21] 1.ITO微粒子の圧縮層の形成 一次粒径が10〜30nmのITO微粒子(同和鉱業
(株)製)100重量部にエタノール300重量部を加
え、メディアをジルコニアビーズとして分散機にて分散
した。得られた塗布液を50μm厚のPETフィルム上
に、バーコーターを用いて塗布し、50℃の温風を送っ
て乾燥した。得られたフィルムを、以降において、圧縮
前ITOフィルム(A)と称する。圧縮前のITO含有
層の厚みは1.7μmであった。
【0129】まず、圧縮圧力の確認のための予備実験を
行った。一対の直径140mmの金属ロール(ロール表
面にハードクロムめっき処理が施されたもの)を備える
ロールプレス機を用いて、ロールを回転させず且つ前記
ロールの加熱を行わないで、室温(23℃)にて前記圧
縮前ITOフィルム(A)を挟み圧縮した。この時、フ
ィルム幅方向の単位長さ当たりの圧力は660N/mm
であった。次に、圧力を解放し、圧縮された部分のフィ
ルム長手方向の長さを調べたら1.9mmであった。こ
の結果から、単位面積当たりに347N/mm2 の圧力
で圧縮したことになる。
【0130】次に、予備実験に使用したものと同様の前
記圧縮前ITOフィルム(A)を金属ロール間に挟み前
記条件で圧縮し、ロールを回転させ5m/分の送り速度
で圧縮した。このようにして、ITO微粒子の圧縮層が
形成されたITOフィルム(B)を得た。ITO圧縮層
の厚みは1.0μmであった。以下の実施例22及び2
3においても、同じITOフィルム(B)を用いて、透
明物質の含浸を行った。
【0131】(含浸前の電気抵抗の測定)ITO圧縮層
が形成されたフィルムを50mm×50mmの大きさに
切断した。対角の位置にある角の2点にテスターをあて
て電気抵抗を測定したところ、4kΩであった。 (含浸前のヘイズの測定)ヘイズメーター(TC−H3
DPK型:東京電色技術センター製)を用いてヘイズ
を測定したところ、6%であった。
【0132】2.透明物質の含浸 (マスキングフィルムの作製)10μm厚のPETフィ
ルムをロールプレス機に挟み、幅方向の単位長さ当たり
の圧力を50N/mmとして、ロールを回転させ5m/
分の送り速度で圧縮した。この操作によりPETフィル
ムを帯電させた。図2に示すように、帯電したPETフ
ィルムの幅方向のほぼ中央部に、幅方向(w1 )40m
m×長手方向(l1 )60mmの長方形の穴(11a) をあ
けた。以下で、これをマスキングフィルム(11)として用
いた。
【0133】(透明物質の含浸)含浸物質としてシリコ
ーン樹脂を用いた。シリコーンワニス(TSR−14
5、GE東芝シリコーン(株)製、固形分濃度60重量
%)100重量部に、エタノール50重量部と硬化触媒
(CR−15、GE東芝シリコーン(株)製)1.5重
量部を加えて含浸液を得た。上記1.で得られたITO
フィルム(B)のITO圧縮層面に、上記帯電したPE
Tフィルム(11)を付け、マスキングした。マスキングさ
れたITOフィルム(B)に、前記の含浸液をバーコー
ターを用いて塗布し、マスキングフィルム(11)を取り除
き、60℃の温風を送って乾燥した。次に、100℃、
1時間の条件でシリコーン樹脂を硬化させた。図3に示
すように、ITO圧縮層(12)にシリコーン樹脂が含浸さ
れると同時に、ITO圧縮層(12)上に4μm厚みの保護
層(13)が形成された。
【0134】(含浸後の電気抵抗の測定)含浸処理され
たITOフィルムを、図3において破線で示すようにI
TO圧縮層(12)面が露出された両端部(12a)(12b)が含ま
れるように、幅方向(w2 )50mm×長手方向
(l2 )50mmの大きさに切断した。このようにし
て、図4に示すような本発明の透明導電膜サンプルを得
た(図4において、支持体(14))。保護層(13)の形成さ
れていない対角の位置にある角の2点にテスターをあて
て電気抵抗を測定したところ、4kΩであった。 (含浸後のヘイズの測定)含浸処理された部分(13)のヘ
イズを測定したところ、2%であった。
【0135】[実施例22]含浸物質として実施例21
のシリコーン樹脂を、アクリル樹脂に変更した。アクリ
ル樹脂溶液(103B、大成化工(株)製、固形分濃度
50重量%)100重量部に、トルエン82重量部を加
えて含浸液を得た。実施例21で用いたのと同じITO
フィルム(B)のITO圧縮層面に、実施例21と同様
にマスキングした。マスキングされたITOフィルム
(B)に、前記の含浸液をバーコーターを用いて塗布
し、マスキングフィルムを取り除き、60℃の温風を送
って乾燥した。ITO圧縮層にアクリル樹脂が含浸され
ると同時に、ITO圧縮層上に3.5μm厚みの保護層
が形成された。含浸処理されたITOフィルムの電気抵
抗は4kΩであった。含浸処理された部分のヘイズは4
%であった。
【0136】[実施例23]含浸物質として実施例22
のアクリル樹脂の種類を変更した。また、含浸操作での
マスキングフィルムを15μm厚のPETフィルムに変
更した。アクリル樹脂溶液(1BR−305B、大成化
工(株)製、固形分濃度39.5重量%)100重量部
に、トルエン100重量部を加えて含浸液を得た。実施
例21で用いたのと同じITOフィルム(B)のITO
圧縮層面に、実施例21と同様にして帯電させた15μ
m厚のPETフィルムを付け、マスキングした。マスキ
ングされたITOフィルム(B)に、前記の含浸液をバ
ーコーターを用いて塗布し、マスキングフィルムを取り
除き、60℃の温風を送って乾燥した。ITO圧縮層に
アクリル樹脂が含浸されると同時に、ITO圧縮層上に
2.5μm厚みの保護層が形成された。含浸処理された
ITOフィルムの電気抵抗は4kΩであった。含浸処理
された部分のヘイズは4%であった。
【0137】[比較例5]実施例21における圧縮前I
TOフィルム(A)を圧縮することなくそのまま、実施
例21と同様にして、含浸処理した。ITO層にシリコ
ーン樹脂が含浸されると同時に、ITO層上に3.0μ
m厚みの保護層が形成された。含浸処理されたITOフ
ィルムの電気抵抗は210kΩであった。含浸処理され
た部分のヘイズは4%であった。
【0138】[比較例6]実施例21における圧縮前I
TOフィルム(A)を圧縮することなくそのまま、実施
例22と同様にして、含浸処理した。ITO層にアクリ
ル樹脂が含浸されると同時に、ITO層上に3.0μm
厚みの保護層が形成された。含浸処理されたITOフィ
ルムの電気抵抗は340kΩであった。含浸処理された
部分のヘイズは7%であった。
【0139】[比較例7]実施例21における圧縮前I
TOフィルム(A)を圧縮することなくそのまま、実施
例23と同様にして、含浸処理した。ITO圧縮層にア
クリル樹脂が含浸されると同時に、ITO層上に2.0
μm厚みの保護層が形成された。含浸処理されたITO
フィルムの電気抵抗は340kΩであった。含浸処理さ
れた部分のヘイズは7%であった。
【0140】[実施例24]実施例23における圧縮前
ITOフィルム(A)のITO含有層の厚みを2.6μ
mに変更した以外は、実施例23と同様にして、ITO
圧縮層の厚み1.5μmのITOフィルム(C)を得
た。ITOフィルム(C)の電気抵抗は3kΩであっ
た。ヘイズは7%であった。
【0141】実施例23と同様にして、ITOフィルム
(C)を含浸処理した。ITO圧縮層にアクリル樹脂が
含浸されると同時に、ITO層上に3.0μm厚みの保
護層が形成された。含浸処理されたITOフィルムの電
気抵抗は3kΩであった。含浸処理された部分のヘイズ
は5%であった。
【0142】
【表3】
【0143】実施例21〜24及び比較例5〜7の結果
を表3に示す。実施例21〜24の導電性フィルムはい
ずれも、電気抵抗値が低く、ヘイズも小さく優れてい
た。透明物質の含浸によって、電気抵抗値に悪影響を及
ぼすことなく、ヘイズが改良されたことが分かる。実施
例21でヘイズの改良度合いが大きかったのは、シリコ
ーン樹脂にはシラノール基が存在し、ITOとの親和性
が良くより緻密に含浸されたためと考えられる。実施例
21〜24の導電性フィルムについて、実施例1と同様
の90度ピール試験を行ったところ、いずれも塗膜の破
壊や剥離はなかった。一方、比較例5〜7では、圧縮操
作を行っていないので、電気抵抗値が高く導電性フィル
ムとして不十分な性能であった。
【0144】前述の実施例はあらゆる点で単なる例示に
すぎず、限定的に解釈してはならない。さらに、請求の
範囲の均等範囲に属する変更は、すべて本発明の範囲内
のものである。
【0145】
【発明の効果】本発明によれば、機能性微粒子を含む塗
料を支持体に塗布後、圧縮するという簡便な操作で機能
性膜が得られる。本発明による機能性膜は、十分な機械
的強度を有すると共に、従来の塗布法におけるバインダ
ー樹脂による弊害が解消され、その結果、目的とする機
能がより向上する。
【0146】本発明によれば、導電性塗料を支持体に塗
布後、圧縮するという簡便な操作で透明導電膜が得られ
る。本発明による透明導電膜は、導電性に優れ、透明性
にも優れる。さらに、十分な機械的強度を有し、導電膜
と支持体との密着性も強固であり、長期間使用すること
が可能である。
【0147】本発明によれば、導電性塗料を支持体に塗
布後、圧縮し、好ましくはその後透明物質を含浸すると
いう簡便な操作で透明導電膜が得られる。本発明による
好ましい透明導電膜は、導電性に優れ、透明性にも非常
に優れる。さらに、導電膜と支持体との密着性も強固で
あり、長期間使用することが可能である。
【0148】また、本発明の方法によれば、導電膜の大
面積化にも対応でき、装置が簡便で生産性が高く、低コ
ストで透明導電膜を始め各種の機能性膜を製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例における90度ピール試験を説明する
ための図である。
【図2】 実施例21〜24で用いたマスキングフィル
ムの概略を示す平面図である。
【図3】 実施例21〜24で作製された本発明の透明
導電膜の一例の概略を示す平面図である。
【図4】 実施例21〜24で作製された本発明の透明
導電膜の一例の概略を示す斜視図である。
【符号の説明】
(1) :導電膜が形成された試験サンプル (1b):支持体フィルム (1a):導電膜 (2) :両面テープ (3) :ステンレス板 (4) :固定用セロハンテープ (5) :セロハンテープ (5a):セロハンテープ非貼付面 (6) :張力計 (11):マスキングフィルム (11a) :マスキングフィルムの穴 (12):導電性微粒子圧縮層 (13):保護層 (14):支持体フィルム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B32B 9/00 B32B 9/00 A G02F 1/15 505 G02F 1/15 505 H01B 5/14 H01B 5/14 A 13/00 503 13/00 503B Fターム(参考) 2K001 BB01 BB16 4D075 BB05Z CA21 CA45 DA04 DB31 DC21 EA02 EC02 4F100 AA25B AA28B AA33B AE01B AK01A AK42 AT00A BA02 CA21B DE01B EH462 EJ192 EJ422 EJ822 EJ862 GB41 JG01B JG04B JG05B JG06B JK01 JK06 JL08B JN01B JN06B JN13B 5G307 FA01 FA02 FB01 FC10 5G323 BA02 BB01 BC03

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に塗布により形成された機能性
    微粒子含有層を圧縮することにより得られる機能性微粒
    子の圧縮層を含む、機能性膜。
  2. 【請求項2】 前記機能性微粒子含有層は、機能性微粒
    子を分散した液を支持体上に塗布、乾燥して形成された
    ものである、請求項1に記載の機能性膜。
  3. 【請求項3】 前記機能性微粒子が無機微粒子から選ば
    れる、請求項1又は2に記載の機能性膜。
  4. 【請求項4】 前記機能性微粒子の圧縮層は、44N/
    mm2 以上の圧縮力で圧縮することにより得られたもの
    である、請求項1〜3のうちのいずれか1項に記載の機
    能性膜。
  5. 【請求項5】 導電膜、磁性膜、強磁性膜、誘電体膜、
    強誘電体膜、エレクトロクロミック膜、エレクトロルミ
    ネッセンス膜、絶縁膜、光吸収膜、光選択吸収膜、反射
    膜、反射防止膜、触媒膜及び光触媒膜から選ばれる、請
    求項1〜4のうちのいずれか1項に記載の機能性膜。
  6. 【請求項6】 前記支持体が樹脂製フィルムである、請
    求項1〜5のうちのいずれか1項に記載の機能性膜。
  7. 【請求項7】 前記機能性微粒子が導電性微粒子であ
    り、導電膜としての機能を有する、請求項1〜6のうち
    のいずれか1項に記載の機能性膜。
  8. 【請求項8】 前記機能性微粒子が導電性微粒子であ
    り、機能性微粒子の圧縮層には透明物質が含浸され、透
    明導電膜としての機能を有する、請求項1〜6のうちの
    いずれか1項に記載の機能性膜。
  9. 【請求項9】 前記導電性微粒子が、酸化錫、酸化イン
    ジウム、酸化亜鉛、酸化カドミウム、アンチモンドープ
    酸化錫(ATO)、フッ素ドープ酸化錫(FTO)、錫
    ドープ酸化インジウム(ITO)及びアルミニウムドー
    プ酸化亜鉛(AZO)からなる群から選ばれる導電性無
    機微粒子である、請求項7又は8に記載の機能性膜。
  10. 【請求項10】 機能性微粒子を分散した液を支持体上
    に塗布、乾燥し、機能性微粒子含有層を形成し、その
    後、前記機能性微粒子含有層を圧縮し、機能性微粒子の
    圧縮層を形成することを含む、機能性膜の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記機能性微粒子含有層を44N/m
    2 以上の圧縮力で圧縮する、請求項10に記載の機能
    性膜の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記機能性微粒子含有層を前記支持体
    が変形しない温度で圧縮する、請求項10又は11に記
    載の機能性膜の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記機能性微粒子含有層をロールプレ
    ス機を用いて圧縮する、請求項10〜12のうちのいず
    れか1項に記載の機能性膜の製造方法。
  14. 【請求項14】 前記機能性微粒子が導電性微粒子であ
    り、機能性微粒子を分散した液には樹脂が含まれていな
    い、請求項10〜13のうちのいずれか1項に記載の機
    能性膜の製造方法。
  15. 【請求項15】 前記機能性微粒子が導電性微粒子であ
    り、さらに、形成された機能性微粒子の圧縮層に透明物
    質を含浸することを含む、請求項10〜14のうちのい
    ずれか1項に記載の機能性膜の製造方法。
  16. 【請求項16】 支持体上に圧縮された機能性微粒子含
    有塗布層が形成されている機能性膜。
JP2000391160A 1999-12-28 2000-12-22 導電膜の製造方法 Expired - Fee Related JP3774117B2 (ja)

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