JP4639430B2 - 透明導電膜の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、機能性膜の製造方法に関する。本発明において機能性膜とは、物理的及び/又は化学的現象を通じて機能する膜のこといい、具体的には、導電膜、磁性膜、強磁性膜、誘電体膜、強誘電体膜、エレクトロクロミック膜、エレクトロルミネッセンス膜、絶縁膜、光吸収膜、光選択吸収膜、反射膜、反射防止膜、触媒膜、光触媒膜等の各種の機能を有する膜が含まれる。
【0002】
これらの中で、例えば、透明導電膜は、エレクトロルミネッセンスパネル電極、エレクトロクロミック素子電極、液晶電極、透明面発熱体、タッチパネルのような透明電極として用いることができるほか、透明な電磁波遮蔽膜として用いることができる。
【0003】
【従来の技術】
従来より、各種の機能性材料からなる機能性膜は、真空蒸着、レーザアブレーション、スパッタリング、イオンプレーティング等の物理的気相成長法(PVD)や、熱CVD、光CVD、プラズマCVD等の化学的気相成長法(CVD)によって製造されている。これらは、一般に大掛かりな装置が必要であり、中には大面積の膜の形成には不向きなものもある。
【0004】
また、ゾル−ゲル法を用いた塗布による膜の形成も知られている。ゾル−ゲル法では、大面積の膜の形成にも適するが、多くの場合、塗布後に高温で無機材料を焼結させる必要がある。
【0005】
例えば、透明導電膜について見れば以下の通りである。現在、透明導電膜は主にスパッタリング法によって製造されている。スパタッリング法は種々の方式があるが、例えば、真空中で直流または高周波放電で発生した不活性ガスイオンをターゲット表面に加速衝突させ、ターゲットを構成する原子を表面から叩き出し、基板表面に沈着させ膜を形成する方法である。
【0006】
スパッタリング法は、ある程度大きな面積のものでも、表面電気抵抗の低い導電膜を形成できる点で優れている。しかし、装置が大掛かりで成膜速度が遅いという欠点がある。今後さらに導電膜の大面積化が進められると、さらに装置が大きくなる。このことは、技術的には制御の精度を高めなくてはならないなどの問題が発生し、別の観点では製造コストが大きくなるという問題が発生する。また、成膜速度の遅さを補うためにターゲット数を増やして速度を上げているが、これも装置を大きくする要因となっており問題である。
【0007】
塗布法による透明導電膜の製造も試みられている。従来の塗布法では、導電性微粒子がバインダー溶液中に分散された導電性塗料を基板上に塗布して、乾燥し、硬化させ、導電膜を形成する。塗布法では、大面積の導電膜を容易に形成しやすく、装置が簡便で生産性が高く、スパッタリング法よりも低コストで導電膜を製造できるという長所がある。塗布法では、導電性微粒子同士が接触することにより電気経路を形成し導電性が発現される。しかしながら、従来の塗布法で作製された導電膜は接触が不十分で、得られる導電膜の電気抵抗値が高い(導電性に劣る)という欠点があり、その用途が限られてしまう。
【0008】
従来の塗布法による透明導電膜の製造として、例えば、特開平9−109259号公報には、導電性粉末とバインダー樹脂とからなる塗料を転写用プラスチックフィルム上に塗布、乾燥し、導電層を形成する第1工程、導電層表面を平滑面に加圧(5〜100kg/cm2)、加熱(70〜180℃)処理する第2工程、この導電層をプラスチックフィルムもしくはシート上に積層し、熱圧着させる第3工程からなる製造方法が開示されている。
【0009】
この方法では、バインダー樹脂を大量に用いている(無機質導電性粉末の場合には、バインダー100重量部に対して、導電性粉末100〜500重量部、有機質導電性粉末の場合には、バインダー100重量部に対して、導電性粉末0.1〜30重量部)ため、電気抵抗値の低い透明導電膜は得られない。
【0010】
例えば、特開平8−199096号公報には、錫ドープ酸化インジウム(ITO)粉末、溶媒、カップリング剤、金属の有機酸塩もしくは無機酸塩からなる、バインダーを含まない導電膜形成用塗料をガラス板に塗布し、300℃以上の温度で焼成する方法が開示されている。この方法では、バインダーを用いていないので、導電膜の電気抵抗値は低くなる。しかし、300℃以上の温度での焼成工程を行う必要があるため、樹脂フィルムのような支持体上に導電膜を形成することは困難である。すなわち、樹脂フィルムは高温によって、溶融したり、炭化したり、燃焼してしまう。樹脂フィルムの種類によるが、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムでは130℃の温度が限界であろう。
【0011】
塗布法以外のものとしては、特開平6−13785号公報に、導電性物質(金属又は合金)粉体より構成された骨格構造の空隙の少なくとも一部、好ましくは空隙の全部に樹脂が充填された粉体圧縮層と、その下側の樹脂層とからなる導電性皮膜が開示されている。その製法について、板材に皮膜を形成する場合を例にとり説明する。同号公報によれば、まず、樹脂、粉体物質(金属又は合金)及び被処理部材である板材を皮膜形成媒体(直径数mmのスチールボール)とともに容器内で振動又は攪拌すると、被処理部材表面に樹脂層が形成される。続いて、粉体物質がこの樹脂層の粘着力により樹脂層に捕捉・固定される。更に振動又は攪拌を受けている皮膜形成媒体が、振動又は攪拌を受けている粉体物質に打撃力を与え、粉体圧縮層が作られる。粉体圧縮層の固定効果を得るために、かなりの量の樹脂が必要とされる。また、製法は塗布法に比べ、煩雑である。
【0012】
塗布法以外のものとしては、特開平9−107195号公報に、導電性短繊維をPVCなどのフィルム上にふりかけて堆積させ、これを加圧処理して、導電性繊維−樹脂一体化層を形成する方法が開示されている。導電性短繊維とは、ポリエチレンテレフタレートなどの短繊維にニッケルメッキなどを被着処理したものである。加圧操作は、樹脂マトリックス層が熱可塑性を示す温度条件下で行うことが好ましく、175℃、20kg/cm2という高温・低圧条件が開示されている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
このような背景から、大面積の機能性膜を容易に形成しやすく、装置が簡便で生産性が高く、低コストで機能性膜を製造できるという塗布法の利点を生かしつつ、各種機能を発現し得る機能性膜が得られる方法の開発が望まれる。
【0014】
とりわけ導電膜については、大面積の導電膜を容易に形成しやすく、装置が簡便で生産性が高く、低コストで導電膜を製造できるという塗布法の利点を生かしつつ、電気抵抗値の低い透明導電膜が得られる方法の開発が望まれる。
【0015】
そこで、本発明の目的は、塗布法による各種機能を発現し得る機能性膜を得るための製造方法を提供することにある。
【0016】
とりわけ本発明の目的は、塗布法による抵抗値の低い透明導電膜が得られる製造方法を提供することにある。さらには、高温の加熱操作を必要とせず膜を形成でき、均質で厚みむらのない膜が得られる透明導電膜の製造方法、膜の大面積化にも対応できる透明導電膜の製造方法を提供することにある。
【0017】
さらに、機能層を塗布・形成するにあたり塗布しやすい機能性微粒子の分散液を提供して良好な機能性膜を得ることを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
従来、塗布法において、バインダー樹脂を大量に用いなければ機能性膜を成膜できず、あるいは、バインダー樹脂を用いない場合には、機能性物質を高温で焼結させなければ機能性膜が得られないと考えられていた。
【0019】
導電膜について見れば、バインダー樹脂を大量に用いなければ導電膜を成膜できず、あるいは、バインダー樹脂を用いない場合には、導電性物質を高温で焼結させなければ導電膜が得られないと考えられていた。
【0020】
ところが、本発明者は鋭意検討した結果、驚くべきことに、大量のバインダー樹脂を用いることなく、かつ高温で焼成することもなく、圧縮によって機械的強度を有し且つ各種の機能を発現し得る機能性膜が得られることを見いだし、本発明に到達した。本発明者は、導電性物質を用いると、抵抗値の低い透明導電膜が得られることを見いだし、本発明に到達した。
【0021】
また、機能層を塗布・形成するにあたり良好な機能性膜を得るためには、機能性微粒子の分散液の選定が重要であることも実験的にわかってきた。
【0022】
このような実状のもとに本発明は創案されたものであり、本発明は、導電性微粒子を分散液に分散した塗料を支持体上に塗布、乾燥し、導電性微粒子含有層を形成し、しかる後、前記導電性微粒子含有層を圧縮し、導電性微粒子の圧縮層を形成する透明導電膜の製造方法であって、前記導電性微粒子を分散するための分散液が、水と可溶な液体であるメチルアルコール、エチルアルコールおよびN−メチルピロリドン(NMP)から選択され、前記導電性微粒子が、酸化錫、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化カドミウム、アンチモンドープ酸化錫(ATO)、フッ素ドープ酸化錫(FTO)、錫ドープ酸化インジウム(ITO)及びアルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)からなる群から選択されており、前記導電性微粒子を分散液に分散した塗料は樹脂を含有しておらず、前記導電性微粒子の圧縮層は、44N/mm 2 以上の圧縮力で圧縮されることにより形成されるように構成される。
【0026】
本発明の好ましい態様として、圧縮が常温で行なわれるように構成される。
【0027】
本発明の好ましい態様として、圧縮がロールプレス機によりなされるように構成される。
【0032】
本発明の好ましい態様として、前記支持体が樹脂製フィルムから構成される。
【0035】
【発明の実施の形態】
本発明において、機能性膜には、特に限定されることなく、導電膜、磁性膜、強磁性膜、誘電体膜、強誘電体膜、エレクトロクロミック膜、エレクトロルミネッセンス膜、絶縁膜、光吸収膜、光選択吸収膜、反射膜、反射防止膜、触媒膜、光触媒膜等の各種の機能を有する膜が含まれる。従って、本発明において、前記目的とする膜を構成すべき機能性微粒子が用いられる。
【0036】
機能性微粒子は、特に限定されることなく、凝集力を有する主として無機の微粒子が用いられる。いずれの機能性膜の製造においても、本発明の方法を適用することにより、十分な機械的強度を有する機能性塗膜が得られると共に、バインダー樹脂を大量に用いていた従来の塗布法におけるバインダー樹脂による弊害を解消することができる。その結果、目的とする機能がより向上する。
【0037】
例えば、透明導電膜の製造においては、酸化錫、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化カドミウム、アンチモンドープ酸化錫(ATO)、フッ素ドープ酸化錫(FTO)、錫ドープ酸化インジウム(ITO)、アルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)等の導電性無機微粒子が用いられる。あるいは、有機質の導電性微粒子が用いられてもよい。本製造方法の適用によって、優れた導電性が得られる。
【0038】
強磁性膜の製造においては、γ−Fe23、Fe34、Co−FeOx、Baフェライト等の酸化鉄系磁性粉末や、α−Fe、Fe−Co、Fe−Ni、Fe−Co−Ni、Co、Co−Ni等の強磁性金属元素を主成分とする強磁性合金粉末等が用いられる。本製造方法の適用によって、磁性塗膜の飽和磁束密度が向上する。
【0039】
誘電体膜や強誘電体膜の製造においては、チタン酸マグネシウム系、チタン酸バリウム系、チタン酸ストロンチウム系、チタン酸鉛系、チタン酸ジルコン酸鉛系(PZT)、ジルコン酸鉛系、ランタン添加チタン酸ジルコン酸鉛系(PLZT)、ケイ酸マグネシウム系、鉛含有ペロブスカイト化合物等の誘電体ないしは強誘電体の微粒子が用いられる。本製造方法の適用によって、誘電体特性ないしは強誘電体特性の向上が得られる。
【0040】
各種機能を発現する金属酸化物膜の製造においては、酸化鉄(Fe23)、酸化ケイ素(SiO2)、酸化アルミニウム(Al23)、二酸化チタン(TiO2)、酸化チタン(TiO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、酸化タングステン(WO3)等の金属酸化物の微粒子が用いられる。本製造方法の適用によって、膜における金属酸化物の充填度が上がるため、各機能が向上する。例えば、触媒を担持させたSiO2、Al23を用いた場合には、実用強度を有する多孔質触媒膜が得られる。TiO2を用いた場合には、光触媒機能の向上が得られる。また、WO3を用いた場合には、エレクトロクロミック表示素子での発色作用の向上が得られる。
【0041】
また、エレクトロルミネッセンス膜の製造においては、硫化亜鉛(ZnS)微粒子が用いられる。本製造方法の適用によって、塗布法による安価なエレクトロルミネッセンス膜の製造を行うことができる。
【0042】
本発明において、目的に応じて、上記各種の機能性微粒子から選ばれる機能性微粒子を分散液に分散した塗料(ここでは機能性膜の源となるため「機能性塗料」と称す)として用いる。この機能性塗料を支持体上に塗布、乾燥し、機能性微粒子含有層を形成する。その後、前記機能性微粒子含有層を圧縮し、機能性微粒子の圧縮層を形成して、機能性膜を得る。
【0043】
本発明においては、導電性微粒子などの機能性微粒子を分散するための分散液として、水と可溶な液体を実質的な主成分として用いる。具体的には、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン(NMP)、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類が挙げられる。これらのなかでも、エタノール、NMP、メタノール等が特に好ましい。これらは混合して用いてもよい。これらは、極性を有する液体であり、水に可溶性、すなわち、水と親和性のあるものは、特に分散剤を使用しなくても分散性が良好であり好適である。特に、水とあらゆる比率で均一に混合するものが好ましい。以下、更に詳述する。
【0044】
機能性微粒子が無機物であるときには、その表面は、親水性になっている。メタノール、エタノールやNMPのような水に溶解する液体は、親水性の表面を持つ微粒子との親和性が高い。このため、分散性が良好となる。従来法における機能層の形成は多量の結合材樹脂を用いていた。樹脂の種類によっては必ずしも水に溶解する液体(分散液)に対する樹脂の溶解性がよいとは限らない。むしろ水に溶解する液体(分散液)に溶解する樹脂の方がその種類が限られており、場合によっては微粒子との親和性の悪い液体を使わざるを得ない。また、その場合、微粒子の分散性を上げるために分散剤を添加することも多く、結果として得られる機能性膜中には本来の機能にとって不要な樹脂や分散剤を含むこととなる。本発明では、後述するように機能性微粒子含有層を圧縮することで機能層としての圧縮層を形成する。本発明のごとく上記所定の分散液を用いることにより結合材樹脂を含まなくても機能層を形成することができる。つまり、微粒子を分散させる分散液を選ぶときに樹脂を考慮しなくてもよい。また、本発明では樹脂を用いた場合ものでも効果がある。この場合、樹脂により使用できる液体(分散液)が制限される。つまり、水に溶解することができる液体を分散液とし、樹脂がこの分散液に溶解することが求められる。
【0045】
水に溶解しない液体を分散溶媒とすると、機能性微粒子の分散が不十分となる。まず、微粒子の凝集があまりほぐれない。微粒子を分散した液は、液体が上澄みとなる。このため、塗布がしづらくなる。透明導電膜を例にとると、この分散液を塗布し、乾燥し、圧縮したものは、いわゆるヘイズが悪くなってしまう。電気抵抗も理由はよくわからないが高くなってしまう。これは、分散液を塗布し乾燥した時に、微粒子が凝集した部分と液体が多い部分ができてしまい、塗膜を圧縮しても微粒子に電気経路の形成がうまくいかないためと考えられる。
【0046】
上記本発明で用いられる分散液中の所定の液体は、単独でも2種以上の混合したものでも使用することができる。
【0047】
これらの分散液としての水と可溶な液体は、前記微粒子100重量部に対して、液体100〜100000重量部、特に、200〜20000重量部とするのがよい。
【0048】
前記微粒子の液体中への分散は、公知の分散手法により行うとよい。例えば、サンドグラインダーミル法により分散する。分散に際しては、微粒子の凝集をほぐすために、ジルコニアビーズ等のメディアを用いることも好ましい。また、分散の際に、ゴミ等の不純物の混入が起こらないように注意する。
【0049】
前記微粒子の分散液は、樹脂を含まないことが好ましい。すなわち、樹脂量=0であることが好ましい。導電膜においては、樹脂を用いなければ、樹脂によって導電性微粒子同士の接触が阻害されることがない。従って、導電性微粒子相互間の導電性が確保され、得られる導電膜の電気抵抗値が低い。導電性を損なわない程度の量であれば、樹脂を含むことも可能であるが、その量は、従来技術におけるバインダー樹脂としての使用量に比べると少ない。例えば、分散液中における樹脂の含有量の上限は、分散前の体積で表して、前記導電性微粒子の体積を100としたとき、25未満、より好ましくは、20未満、最も好ましいのは零である。従来技術においては、強い圧縮を行わないので、塗膜の機械的強度を得るためにバインダーを多く用いなければならなかった。バインダーとしての役割を果たす程度の量の樹脂を用いると、導電性微粒子同士の接触がバインダーにより阻害され、微粒子間の電子移動が阻害され導電性が低下する。
【0050】
WO3微粒子やTiO2微粒子などを用いた機能性膜においても、樹脂を用いなければ、樹脂によって各微粒子同士の接触が阻害されることがないため、各機能の向上が図られる。微粒子間の接触が阻害されず各機能を損なわない程度の量であれば、樹脂を含むことも可能であるが、その量は、上述の範囲内である。
【0051】
Al23微粒子などを用いた触媒膜においては、樹脂を用いなければ、樹脂によって触媒機能を有する微粒子の表面が覆われることがない。このため、触媒としての機能の向上が図られる。触媒膜においては、膜の内部に空隙が多い方が、触媒としての活性点が多くなるので、この観点からもなるべく樹脂を用いないことが好ましい。
【0052】
このように機能性膜には樹脂を用いないことが好ましく、用いるとしても少量が好ましい。用いる場合の樹脂量は、機能性膜の目的に応じて、ある程度変化し得るので、適宜決定するとよい。
【0053】
前記微粒子の分散液(分散液)には、導電性や触媒作用などの各機能に要求される性能を満たす範囲内で、各種の添加剤を配合してもよい。例えば、紫外線吸収剤、界面活性剤、分散剤等の添加剤である。
【0054】
塗設の対象となる支持体は、特に限定されることなく、樹脂フィルム、ガラス、セラミックス、金属、布、紙等の各種のものを用いることができる。しかしながら、ガラス、セラミックス等では、後工程の圧縮の際に割れる可能性が高いので、その点を考慮する必要がある。また、支持体の形状は、フィルム状の他、箔状、メッシュ状、織物等が使用可能である。
【0055】
好適な支持体としては、圧縮工程の圧縮力を大きくしても割れることがない樹脂フィルムが挙げられる。樹脂フィルムは、次に述べるように、導電性微粒子などの機能性微粒子層の該フィルムへの密着性が良い点でも好ましく、また軽量化を求められている用途にも好適である。本発明では、高温での加圧工程や、焼成工程がないので、樹脂フィルムを支持体として用いることができる。
【0056】
樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステルフィルム、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィンフィルム、ポリカーボネートフィルム、アクリルフィルム、ノルボルネンフィルム(JSR(株)製、アートンなど)等が挙げられる。
【0057】
PETフィルムのような樹脂フィルムでは、乾燥後の圧縮工程の際に、PETフィルムに接している導電性微粒子などの機能性微粒子の一部分がPETフィルムに埋め込まれるような感じとなり、この微粒子層がPETフィルムに良く密着される。ガラスなどの硬いものや、樹脂フィルムであってもフィルム表面が硬いものでは、微粒子が埋め込まれないため微粒子層と支持体の密着性がとれない。その場合は、ガラス面や、硬いフィルム表面上に柔らかい樹脂層を予め形成しておき、微粒子を塗布、乾燥、圧縮することが好ましい。圧縮後に、柔らかい樹脂層を熱や紫外線などで硬化させてもよい。
【0058】
柔らかい樹脂層は、微粒子を分散した液に溶解しないものの方がよい。導電膜においては、前記樹脂層が溶解すると毛管現象で、前記樹脂を含む溶液が導電性微粒子の周りにきてしまい、結果として、得られる導電膜の電気抵抗値が上昇する。触媒膜においても、毛管現象で、前記樹脂を含む溶液が触媒機能を有する微粒子の周りにきてしまい、触媒機能が低下する。
【0059】
また、支持体として硬い金属を用いた場合、微粒子層と支持体の密着性が悪いので、支持体金属の表面を樹脂で処理するか、柔らかい金属(合金でもよい)とすればよい。
【0060】
前記微粒子の分散液(塗料)を前記支持体上に塗布、乾燥し、導電性微粒子含有層などの機能性微粒子含有層を形成する。前記支持体上への前記微粒子分散液の塗布は、特に限定されることなく、公知の方法により行うことができる。例えば、リバースロール法、ダイレクトロール法、ブレード法、ナイフ法、エクストルージョンノズル法、カーテン法、グラビアロール法、バーコート法、ディップ法、キスコート法、スクイズ法などの塗布法によって行うことができる。また、噴霧、吹き付けなどにより、支持体上へ分散液を付着させることも可能である。
【0061】
乾燥温度は分散に用いた液体の種類によるが、10〜150℃程度が好ましい。10℃未満では空気中の水分の結露が起こりやすく、150℃を越えると樹脂フィルム支持体が変形する。また、乾燥の際に、不純物が前記微粒子の表面に付着しないように注意する。
【0062】
塗布、乾燥後の導電性微粒子含有層などの機能性微粒子含有層の厚みは、次工程の圧縮条件や最終導電膜などの各機能性膜の用途にもよるが、0.1〜10μm程度とすればよい。
【0063】
このように、導電性微粒子などの機能性微粒子を分散液に分散させて塗布し、乾燥すると、均一な膜を作成しやすい。前記微粒子の分散液を塗布して乾燥させると、分散液中にバインダーが存在しなくても微粒子は膜を形成する。バインダーが存在しなくても膜となる理由は必ずしも明確ではないが、乾燥させて液が少なくなってくると毛管力のため、微粒子が互いに集まってくる。さらに微粒子であるということは比表面積が大きく凝集力も強いので、膜となるものと考えられる。しかし、この段階での膜の強度は弱い。また、導電膜においては抵抗値が高く、抵抗値のばらつきも大きい。
【0064】
そこで次の工程で、形成された導電性微粒子含有層などの機能性微粒子含有層を圧縮し、導電性微粒子などの機能性微粒子の圧縮層を得る。圧縮することにより、膜の強度を向上させる。すなわち、圧縮することで導電性微粒子などの機能性微粒子相互間の接触点が増え接触面が増加する。このため、塗膜強度が上がる。微粒子は元々凝集しやすい性質があるので圧縮することで強固な膜となる。
【0065】
導電膜においては、塗膜強度が上がると共に、電気抵抗が低下する。また、触媒膜においては、塗膜強度が上がると共に、樹脂を用いないか又は樹脂量が少ないために多孔質膜となる。そのため、より高い触媒機能が得られる。他の機能性膜においても、微粒子同士がつながった高い強度の膜とすることができる共に、樹脂を用いないか又は樹脂量が少ないので、単位体積における微粒子の充填量が多くなる。そのため、より高いそれぞれの機能が得られる。
【0066】
圧縮層を形成させるための圧縮は、44N/mm2以上の圧縮力で行うことが好ましい。44N/mm2未満の低圧であれば、導電性微粒子含有層を十分に圧縮することができず、導電性に優れた導電膜が得られにくい。特に、135N/mm2以上の圧縮力がより好ましく、更に180N/mm2以上の圧縮力が好ましい。圧縮力が高いほど、塗膜強度が向上し、支持体との密着性が向上する。導電膜においては、より導電性に優れた膜が得られ、また、導電膜の強度が向上し、導電膜と支持体との密着性も強固となる。圧縮力を高くするほど装置の耐圧を上げなくてはならないので、一般には1000N/mm2までの圧縮力が上限として適当である。また、圧縮は常温(15〜40℃)付近の温度で行うことが好ましい。常温付近の温度における圧縮操作は、本発明の利点の一つである。
【0067】
圧縮のための手段は、特に限定されることなく、シートプレス、ロールプレス等により行うことができるが、ロールプレス機を用いて行うことが好ましい。ロールプレスは、ロールとロールの間に圧縮すべきフィルムを挟んで圧縮し、ロールを回転させる方法である。ロールプレスは均一に高圧がかけられ、また、ロールトゥーロールで生産できることから生産性が上がり好適である。
【0068】
ロールプレス機のロール温度は常温が好ましい。加温した雰囲気やロールを加温した圧縮(ホットプレス)では、圧縮圧力を強くすると樹脂フィルムが伸びてしまうなどの不具合が生じる。加温下で支持体の樹脂フィルムが伸びないようにするため、圧縮圧力を弱くすると、塗膜の機械的強度が低下する。導電膜においては、塗膜の機械的強度が低下し、電気抵抗が上昇する。微粒子表面の水分の付着をできるだけ少なくしたいというような理由がある場合に、雰囲気の相対湿度を下げるために、加温した雰囲気としてもよいが、温度範囲はフィルムが容易に伸びてしまわない範囲内である。一般にはガラス転移温度(二次転移温度)以下の温度範囲となる。湿度の変動を考慮して、要求される湿度になる温度より少し高めの温度にすればよい。ロールプレス機で連続圧縮した場合に、発熱によりロール温度が上昇しないように温度調節することも好ましい。
【0069】
なお、ガラス転移温度は、動的粘弾性を測定して求められ、主分散の力学的損失がピークとなる温度を指す。例えば、PETフィルムについてみると、そのガラス転移温度はおよそ110℃前後である。
【0070】
支持体が金属製であれば、この金属が溶融しない温度範囲まで、加温した雰囲気にすることも可能である。
【0071】
ロールプレス機のロールは、強い圧力がかけられることから金属ロールが好適である。また、ロール表面が柔らいと、圧縮時に微粒子がロールに転写することがあるので、ロール表面を硬質膜で処理することが好ましい。
【0072】
このようにして、導電性微粒子などの機能性微粒子の圧縮層が形成される。導電性微粒子などの機能性微粒子圧縮層の膜厚は、用途にもよるが、0.1〜10μm程度とすればよい。また、10μm程度の厚い圧縮層を得るために、微粒子の分散液の塗布、乾燥、圧縮の一連の操作を繰り返し行っても良い。さらに、本発明において、支持体の両面に導電膜などの各機能性膜を形成することも勿論可能である。このようにして得られる透明導電膜などの各機能性膜は、優れた導電性や触媒作用などの各機能性を示し、バインダー樹脂を用いないか又はバインダーとしては機能しない程の少量の樹脂を用いて作成したにもかかわらず、実用上十分な膜強度を有し、支持体との密着性にも優れる。
【0073】
次に、本発明を透明導電膜に適用した例について説明する。
【0074】
本発明において、導電性微粒子を上記の分散液に分散した塗料を導電性塗料として用いる。この導電性塗料を支持体上に塗布、乾燥し、導電性微粒子含有層を形成する。その後、前記導電性微粒子含有層を圧縮し、導電性微粒子の圧縮層を形成して、導電膜を得る。透明導電膜における導電性微粒子としては、導電膜の透明性を大きく損なうものでなければ特に限定されることなく、無機質の導電性微粒子が用いられる。あるいは、有機質の導電性微粒子が用いられる場合もある。
【0075】
本発明において、透明とは可視光を透過することを意味する。光の散乱度合いについては、導電膜の用途により要求されるレベルが異なる。本発明では、一般に半透明といわれるような散乱のあるものも含まれる。
【0076】
無機質の導電性微粒子としては、酸化錫、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化カドミウム等があり、アンチモンドープ酸化錫(ATO)、フッ素ドープ酸化錫(FTO)、錫ドープ酸化インジウム(ITO)、アルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)等の微粒子が好ましい。更にITOがより優れた導電性が得られる点で好ましい。あるいは、ATO、ITO等の無機材料を硫酸バリウム等の透明性を有する微粒子の表面にコーティングしたものを用いることもできる。これら微粒子の粒子径は、導電膜の用途に応じて必要とされる散乱の度合いにより異なり、また、粒子の形状により一概には言えないが、一般に10μm以下であり、1.0μm以下が好ましく、5nm〜100nmがより好ましい。
【0077】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0078】
下記実施例I−1〜I−2及び比較例I−1は、CRT電磁波遮蔽用途の透明導電膜を得るために、導電性微粒子としてアンチモンドープ酸化錫(ATO)微粒子を用いた例である。
【0079】
[実施例I−1]
一次粒径が10〜30nmのアンチモンドープ酸化錫(ATO)微粒子(SN−100P:石原産業(株)製)100重量部にエタノール400重量部を加え、メディアをジルコニアビーズとして分散機にて分散した。
【0080】
得られた塗液を100μm厚のPETフィルム上に、バーコーターを用いて塗布し、50℃の温風を送って乾燥した。得られたフィルムを、以降において、圧縮前ATOフィルムと称する。ATO含有塗膜の厚みは3.4μmであった。
【0081】
まず、圧縮圧力の確認のための予備実験を行った。
一対の直径140mmの金属ロール(ロール表面にハードクロムめっき処理が施されたもの)を備えるロールプレス機を用いて、ロールを回転させず且つ前記ロールの加熱を行わないで、室温(23℃)にて前記圧縮前ATOフィルムを挟み圧縮した。この時、フィルム幅方向の単位長さ当たりの圧力は660N/mmであった。次に、圧力を解放し、圧縮された部分のフィルム長手方向の長さを調べたら1.9mmであった。この結果から、単位面積当たりに347N/mm2の圧力で圧縮したことになる。
【0082】
次に、予備実験に使用したものと同様の前記圧縮前ATOフィルムを金属ロール間に挟み前記条件で圧縮し、ロールを回転させ5m/分の送り速度で圧縮した。このようにして、圧縮されたATOフィルムを得た。圧縮後のATO塗膜の厚みは2.0μmであった。
【0083】
この実施例I−1のサンプルについて下記の要領で抵抗値とヘイズをそれぞれ測定した。
【0084】
(電気抵抗及びヘイズの測定)
導電膜が形成されたフィルムを50mm×50mmの大きさに切断し、対角の位置にある角の2点にテスターをあてて電気抵抗を測定した。また、ヘイズメーター(TC−H3 DPK型:東京電色製)を用いてヘイズを測定した。
【0085】
測定の結果、実施例I−1のサンプルにおける電気抵抗は、37kΩであり、ヘイズは11%であった。
【0086】
[実施例I−2]
上記実施例I−1における分散液をエタノールから、N−メチルピロリドン(NMP)に変えた。それ以外は、上記実施例I−1と同様にして、実施例I−2のサンプルを作製し、上記の要領で抵抗値とヘイズをそれぞれ測定した。
【0087】
測定の結果、実施例I−2のサンプルにおける電気抵抗は、38kΩであり、ヘイズは11%であった。
【0088】
[比較例I−1]
上記実施例I−1における分散液をエタノールから、トルエン(水に不溶)に変えた。それ以外は、上記実施例I−1と同様にして、比較例I−1のサンプルを作製し、上記の要領で抵抗値とヘイズをそれぞれ測定した。
【0089】
測定の結果、比較例I−1のサンプルにおける電気抵抗は、160kΩであり、ヘイズは40%であった。
【0090】
次ぎに示す実施例II−1〜II−2及び比較例II−1は、エレクトロルミネッセンスパネル電極用途の透明導電膜を得るために、導電性微粒子として、ATOよりもより低い電気抵抗の得られるITO微粒子を用いた例である。
【0091】
[実施例II−1]
一次粒径が10〜30nmのITO微粒子(同和鉱業(株)製)100重量部にエタノール400重量部を加え、メディアをジルコニアビーズとして分散機にて分散した。得られた塗液を100μm厚のPETフィルム上に、バーコーターを用いて塗布し、50℃の温風を送って乾燥した。得られたフィルムを、以降において、圧縮前ITOフィルムと称する。ITO含有塗膜の厚みは3.4μmであった。
【0092】
実施例I−1と同様にして、ロールプレス機を用いて、前記圧縮前ITOフィルムをフィルム幅方向の単位長さ当たりの圧力660N/mm、単位面積当たりの圧力347N/mm2、5m/分の送り速度で圧縮し、圧縮されたITOフィルムを得た。圧縮後のITO塗膜の厚みは2.0μmであった。
【0093】
このようにして作製した実施例II−1のサンプルについて上記の要領で抵抗値とヘイズをそれぞれ測定した。
【0094】
測定の結果、実施例II−1のサンプルにおける電気抵抗は、2kΩであり、ヘイズは7%であった。
【0095】
[実施例II−2]
上記実施例II−1における分散液をエタノールから、N−メチルピロリドン(NMP)に変えた。それ以外は、上記実施例II−1と同様にして、実施例II−2のサンプルを作製し、上記の要領で抵抗値とヘイズをそれぞれ測定した。
【0096】
測定の結果、実施例II−2のサンプルにおける電気抵抗は、2kΩであり、ヘイズは7%であった。
【0097】
[比較例II−1]
上記実施例II−1における分散液をエタノールから、トルエン(水に不溶)に変えた。それ以外は、上記実施例II−1と同様にして、比較例II−1のサンプルを作製し、上記の要領で抵抗値とヘイズをそれぞれ測定した。
【0098】
測定の結果、比較例II−1のサンプルにおける電気抵抗は、8kΩであり、ヘイズは29%であった。
【0099】
以上の実験結果より、水に溶解するエタノール、NMPなどを、微粒子を分散させるための分散液とした場合には、分散性が良好で扱いやすい塗料を得ることができ、しかも電気抵抗も低く、ヘイズも良好であった。これに対して、水に溶解しないトルエンなどを分散液に用いた場合には、微粒子の分散が悪く、電気抵抗が高くなり、ヘイズも悪くなってしまった。
【0100】
また、本発明における上記各実施例サンプルは、バインダー樹脂を用いないで作製したにもかかわらず、十分な膜強度を有し、支持体との密着性にも優れることが実験的に確認されている。
【0101】
【発明の効果】
以上の結果より、本発明の効果は明らかである。すなわち、本発明は、機能性微粒子を分散液に分散した塗料を支持体上に塗布、乾燥し、機能性微粒子含有層を形成し、しかる後、前記機能性微粒子含有層を圧縮し、機能性微粒子の圧縮層を形成する機能性膜の製造方法であって、前記機能性微粒子を分散するための分散液が、水と可溶な液体を実質的な主成分として含んでなるように構成されているので、分散性が良好で扱いやすい塗料を得ることができ、各機能性膜に要求される特性が向上する。例えば、本発明による透明導電膜は、導電性に優れ、透明性にも優れる。さらに、十分な機械的強度を有し、導電膜と支持体との密着性も強固であり、長期間使用することが可能である。
また、本発明の方法によれば、製造方法自体が簡便で生産性が高く、低コストで導電膜を始め各種の機能性膜を製造できる。

Claims (4)

  1. 導電性微粒子を分散液に分散した塗料を支持体上に塗布、乾燥し、導電性微粒子含有層を形成し、しかる後、前記導電性微粒子含有層を圧縮し、導電性微粒子の圧縮層を形成する透明導電膜の製造方法であって、
    前記導電性微粒子を分散するための分散液が、水と可溶な液体であるメチルアルコール、エチルアルコールおよびN−メチルピロリドン(NMP)から選択され、
    前記導電性微粒子が、酸化錫、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化カドミウム、アンチモンドープ酸化錫(ATO)、フッ素ドープ酸化錫(FTO)、錫ドープ酸化インジウム(ITO)及びアルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)からなる群から選択されており、
    前記導電性微粒子を分散液に分散した塗料は樹脂を含有しておらず、
    前記導電性微粒子の圧縮層は、44N/mm 2 以上の圧縮力で圧縮されることにより形成されることを特徴とする透明導電膜の製造方法。
  2. 圧縮が常温で行なわれる請求項1に記載の透明導電膜の製造方法。
  3. 圧縮がロールプレス機によりなされる請求項2に記載の透明導電膜の製造方法。
  4. 前記支持体が樹脂製フィルムである、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の透明導電膜の製造方法。
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