JP2002036403A - 加圧用筒状体 - Google Patents

加圧用筒状体

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JP2002036403A JP2000228388A JP2000228388A JP2002036403A JP 2002036403 A JP2002036403 A JP 2002036403A JP 2000228388 A JP2000228388 A JP 2000228388A JP 2000228388 A JP2000228388 A JP 2000228388A JP 2002036403 A JP2002036403 A JP 2002036403A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ゴム製筒状体を流体加圧により径方向に膨張さ
せて形成される膨張体を利用して、コンクリートの貫通
孔形成用中型、土壌や岩盤の孔を塞ぐシール部材あるい
はパッカー部材に適した筒状体で、特に、加圧膨張後の
除圧のとき、被加圧面から該筒状体が容易に分離・剥離
する使い勝手が良く、繰返し使用できる耐久性のあるゴ
ム製筒状体。 【解決手段】正逆二方向の対称的に巻回した補強層を非
対称的に巻回す、あるいは、一対(2層)の補強層の一
つを1層のみとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ゴム製筒状体を流体加
圧により径方向に膨張させて形成される膨張体を利用し
て、土木建築用コンクリート構造物の製造で必要とする
貫通孔を形成する中型、土壌や岩盤などに形成された孔
を塞ぐシール部材あるいは破砕用チューブ部材の加圧用
に適した筒状体を提供するものである。
【0002】
【従来技術】一般に、筒状体はゴム製ホースとされてい
るもので、該ホースの補強層補強材は編組あるいはスパ
イラルの構成となることが多い。そして一般的に、スパ
イラル層は撚り線コードがホース軸線に対し正逆二方向
に対称的にかつ同数になるように複数スパイラル(巻
回)されている。例えば、当社発明実公昭63−319
25号のコンクリートブロック等の孔成形用中型は、2
層のスパイラルが50度の角度で正逆二方向に巻回され
ているので、加圧流体を排出した後であっても筒状を保
ち折曲しないとしている。同じく、当社発明特公平3−
18075号の岩盤や土壌の孔を破砕するチューブ用あ
るいは孔のシール部材用は、編組角度30度の繊維補強
層の他に4層のスパイラルが各々略30度の角度で正逆
二方向に巻回されているので、拡径変形の偏りを極力回
避しているとしている。更に、当社発明特願平11−3
58068号の液の排出装置用ゴム膨張管は、補強層が
軸方向に延びる縦糸で引き揃えられているので、軸方向
に収縮を伴うことなく径方向に膨張・収縮することがで
きるとしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】これら上記筒状体は、
補強層に内圧が加わると静止角度54.5に成るように
コードが変位して径方向に膨張し易くなっている。除圧
されるとゴム弾性により筒状体の径が均等に元に戻ろう
とする。しかし、これら筒状体を施工現場や工場で使用
を繰返すと、例えば孔成形用中型の場合は、コンクリー
ト硬化後の除圧で筒状体外面ゴム層の表面にコンクリー
ト内周面等が密着して剥離し難くなるか、一部剥離して
いても孔より中型を引抜くときに捩りを与えて引抜く力
を必要とする。あるいは、筒状体にバンピング圧力や外
部から衝撃を加えることで剥離することになるが、脱型
に時間がかかり筒状体に外傷を与え耐久性が低下する。
【0004】また、シール部材用では、その端部にパイ
プやケーブルを通して機器類が取付けられて、筒状体軸
方向の荷重負担が増加し筒状体に永久伸びが生じて耐久
性即ちシール性能が早期に低下する問題がある。これを
解消するため補強層を増やせば膨張性の低下、あるいは
可撓性の低下でシール性能が悪くなる。更に筒状体の重
量が重くなり人手による取扱いができなくなる。
【0005】また、軸方向に延びる縦糸を引き揃えた補
強層のゴム膨張管は、径方向に膨張するのはゴム弾性の
みのため外面あるいは内面ゴム層に外傷が発生すると、
繰返す膨縮で外傷が成長し終には貫通傷となり易い。そ
のため上記特公平3−18075号のシール部材用チュ
ーブは損傷を防止するために編組層を内面ゴム層に積層
している。よって、本発明は、径方向に膨張し易くかつ
除圧のとき筒状体を容易に短時間に抜去することがで
き、尚、加圧膨張の繰返しに耐久性のある筒状体を提供
するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】よって、本発明は、上記
の課題を解決するために発明された加圧用筒状体であっ
て、而して、請求項1は、筒状体がその端部からの流体
加圧で膨張・拡径されて前記筒状体外周面に接する被圧
面を加圧する筒状体にして、前記筒状体の内面ゴム層と
外面ゴム層との間に、撚り線コード簾織布のゴム引き補
強層が筒状体長さ方向軸線に対して正逆二方向に巻回さ
れた少なくとも一対を一体的に設けた筒状体において、
前記一対の一方の補強層コードが前記軸線と交差する角
度をα、他方の補強層コードの前記角度をβとしたと
き、α≦54.5度、β≦54.5度及び|β−α|≧
5度にあることを特徴とする加圧用筒状体、である。こ
のため、正逆二方向に巻回される補強層コードが軸線に
対し非対称となるため、コードの軸線と交差する角度の
小さい補強層のみが他の補強層に比べて長さ方向の収縮
が小さくなる。例えば、コンクリートの貫通孔成形用中
型であれば膨張後の中型収縮のとき、交差角度が大きい
補強層の収縮が大きいので捩じれるように収縮すること
になり、成形される孔の内周面との剥離が容易となる。
交差角度の差が5度を超えないと中型の捩じれ効果が弱
く中型の抜去の容易性に変化が表れなかった。このよう
に筒状体が膨張・拡径するためには、ホースの補強層の
編組角度と同様に静止角度54.5度以下の網角が必要
である。更に、軸線との交差角度が小さい補強層コード
はより荷重負担を受け持つことになるので、正逆二方向
の対称的に巻回される補強層を増加させて荷重負担を図
る必要が少なくなる。
【0007】請求項2は、筒状体がその端部からの流体
加圧で膨張・拡径されて前記筒状体外周面に接する被圧
面を加圧する筒状体にして、前記筒状体の内面ゴム層と
外面ゴム層との間に、撚り線コード簾織布のゴム引き補
強層が筒状体長さ方向軸線に対して正逆二方向に巻回さ
れた少なくとも一対を一体的に設けた筒状体において、
前記一対の他に、前記補強層コードの前記軸線と交差す
る角度を54.5度以下とした補強層1層が正逆一方向
に巻回されてあることを特徴とする加圧用筒状体、であ
る。これにより、補強層が正逆二方向の一対毎になって
いないので収縮に偏りが発生し筒状体が捩れるように収
縮する。
【0008】更に、請求項3は、請求項1の記載におい
て、前記補強層が一対のみからなり、かつ、前記α<前
記βのとき前記αの補強層が前記βの補強層の外側に位
置することを特徴とする加圧用筒状体、である。これに
より、径方向に膨張するゴム層が2層の補強層コードに
よって菱形に形成されることにより、内外面ゴム層の損
傷に対して傷の成長防止となる。更に、交差角度の大き
い補強層が筒状体の内側に位置するため、径方向への膨
縮が均一になり易い。
【0009】更に、請求項4は、請求項1、2乃至3の
記載において、前記コードが有機繊維からなる撚り線で
あることを特徴とする加圧用筒状体、である。このた
め、可撓性のあるコードを使用するため柔軟性が確保で
き、より円形に膨張しシールすべき孔の内周面になじみ
易い。
【0010】更に、請求項5は、請求項1記載の前記一
方の補強層コード、請求項2記載の前記正逆一方向の補
強層コード乃至請求項3記載の前記αの補強層コードに
おいて、これらのコードが無機繊維からなる撚り線であ
ることを特徴とする加圧用筒状体、である。このため、
引張応力の大きいコードを使用するため長さ方向荷重負
担を大きくでき、その端部に取付けられる機器類の荷重
負担に耐えることができる。
【0011】
【実施例】次に本発明の実施例を図面に基づいて説明す
る。図1は、外面ゴム層1と内面ゴム層2の間に2層の
撚り線コードの簾織布のゴム引き補強層31、32が一
体成形された筒状体5の一部解剖図を示す。補強層31
のコード41の交差角度αは補強層32のコード42の
βより5度小さくなっている。図2は、図1の補強層3
2のコード42が軸線8と平行になっている筒状体5を
示す。図3は、正逆二方向に対称的に巻回された一対の
補強層31、32に対して、更に、その外側に1層の補
強層33が一体成形された筒状体5の一部解剖図を示
す。図4は、図1のコード41、42が軸線と交差する
角度α、βを説明する模式図を示す。図5は、図1の筒
状体5をコンクリートブロックの貫通孔形成用中型9に
した場合の長さ方向中央部を欠損した長さ方向断面図を
示す。金具71、72はホース両端末に装着されるもの
で、片端が膨張用加圧流体の入出用金具となり他端が密
閉用金具となる。筒状体5の外側の点線は筒状体が膨張
した場合の拡径の状態を示す。シール部材用であれば各
々金具にパイプあるいはケーブルが挿通されて必要に応
じてそれらに機器類が装着される(図示されていな
い)。
【0012】更に、本発明の構成を詳しく説明する。補
強層31、32の補強材は、公知のタイヤ用簾織布がそ
のまま使用できる。織布のコードはレーヨン、ナイロ
ン、テトロン(登録商標)、ビニロン、ケブラーあるい
は綿等の有機繊維の撚り線が好ましい。無機繊維として
はカーボン、ガラス、鋼線等の撚り線が知られている
が、タイヤ用簾織布に使用されているスチールコードが
好ましい。これら無機繊維は有機繊維に比べて引張応力
が大きいことが特徴であり、これにより、筒状体の荷重
負担を増加できる。これら簾織布はいずれも接着処理が
施されてゴムと加硫接着が可能となっている。
【0013】補強層31、32は、上記簾織布をゴム引
き6したものを云い、簾織布が筒状体径方向に膨縮が十
二分にできるように、軟質なゴムが各コードの間及び簾
織布の間に充填されていれば良い。図1の補強層31、
32は、径0.56mm、引張り強度1.67MPa、
伸び15.4%のポリエステル製のコードを51本/5
cmで織って公知のデイップ処理したもので厚み0.7
5mmになるようにゴム引き6したものである。
【0014】表1の筒状体5は、通常のゴムホース製造
と同様で、厚み1.5mmの内面ゴム層2をマンドレル
上にチューブ状の成形を行い、その外周面に補強層31
を内面ゴム層側にマンドレル軸線8に対し交差角度25
度に貼着し、その外側に同じく帯状の補強層32をマン
ドレル軸線8に対し補強層31とは逆方向に20度に貼
着し(比較例は25度)、その外周面に外面ゴム層1を
厚み2.2mmに貼着しホース状に成形する。筒状体の
軸線8との交差角度を0度(コードが軸線に平行とな
る)にする方法は、通常、寿司巻きと云われる方法でコ
ードの並びが軸線と同じになるようにゴム引き簾織布を
補強層31の外周面に密着して巻付ける。
【0015】これにラッピイングを施し、加硫缶で所定
の加硫後、ラッピイング及びマンドレルを外して筒状体
5を得る。
【0016】表1の比較例1は従来のコンクリートブロ
ック貫通孔成形用中型で、外径59mmφ、肉厚5.2
mm、長さ8mの筒状体を使用。実施例1は比較例1の
外面ゴム層側に接する補強層の交差角度を図1とは逆に
表1の如く変えたものである。加圧空気により筒状体の
膨張した外径を示し、捩れ角度は加圧前に筒状体外面ゴ
ム表面に軸線と平行な線を全長表示し、加圧膨張後、片
端を固定した場合に他端末に表示した線が捩れて周方向
に回転した角度を表示したものである。実施例1の45
0度とは他端が片端に対して1周(360度)と更に9
0度回転したことを示す(捩れたこと)。実施例1の筒
状体で成型された貫通孔は比較例1の膨張状態と同様な
孔であった。しかし、除圧したときは直ぐに捩れを発生
したため、筒状体に直接捩れを与えることは不要であっ
た。当然に抜去ためのバンピング圧も不要であった。比
較例1の90度は補強層31と32の外径差による通常
の捩れである。
【0017】
【表1】
【0018】
【発明の効果】通常、コンクリートの貫通孔成型用中
型、土壌や岩盤の孔のシール部材用ゴム膨張管あるいは
パッカー用ゴム管は、正逆二方向に軸線に対し対称的に
巻回した一対の補強層を必要に応じて複数対積層したゴ
ム製筒状体(ホース)を加圧拡径していたが、本発明
は、非対称に補強層を巻回す、あるいは、一対の補強層
の他に補強層1層のみを巻回すことにより、補強層が加
圧により収縮差を発生しそれが筒状体の捩れとなる。こ
の筒状体の捩れは使用現場では、繰返し使用する場合に
は除圧後の筒状体の縮径、抜去るが容易となった。ま
た、筒状体の軸方向の荷重は軸線方向に傾いているコー
ドが主に負担するため、荷重の増加にも対応して使用す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例で、一部解剖図を示す。
【図2】本発明の二実施例で、一部解剖図を示す。
【図3】本発明の三実施例で、一部解剖図を示す。
【図4】図1における補強層コードのα及びβを説明す
る模式図を示す。
【図5】本発明の筒状体をコンクリートブロック等の孔
成型用に使用した場合の中型の中央部を欠損した概要断
面図を示す。
【符号の説明】
1 外面ゴム層 2 内面ゴム層 31、32 撚り線コード簾織布 41、42 撚り線コード 5 加圧用筒状体 9 コンクリートの貫通孔成型用中型
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3H111 AA04 BA13 BA24 BA25 BA26 BA28 CB03 CB11 CC02 DA07 DB15 DB18 EA15 4F100 AA00B AA00D AH00B AH00D AK41B AK41D AN00A AN00C BA04 BA06 BA10A BA10C BA22 DA11 DG01B DG01D DG07B DG07D DG12B DG12D DH00B DH00D GB90

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】筒状体がその端部からの流体加圧で膨張・
    拡径されて前記筒状体外周面に接する被圧面を加圧する
    筒状体にして、前記筒状体の内面ゴム層と外面ゴム層と
    の間に、撚り線コード簾織布のゴム引き補強層が筒状体
    長さ方向軸線に対して正逆二方向に巻回された少なくと
    も一対を一体的に設けた筒状体において、 前記一対の一方の補強層コードが前記軸線と交差する角
    度をα、他方の補強層コードの前記角度をβとしたと
    き、α≦54.5度、β≦54.5度及び|β−α|≧
    5度にあることを特徴とする加圧用筒状体。
  2. 【請求項2】筒状体がその端部からの流体加圧で膨張・
    拡径されて前記筒状体外周面に接する被圧面を加圧する
    筒状体にして、前記筒状体の内面ゴム層と外面ゴム層と
    の間に、撚り線コード簾織布のゴム引き補強層が筒状体
    長さ方向軸線に対して正逆二方向に巻回された少なくと
    も一対を一体的に設けた筒状体において、 前記一対の他に、前記補強層コードの前記軸線と交差す
    る角度を54.5度以下とした補強層1層が正逆一方向
    に巻回されてあることを特徴とする加圧用筒状体。
  3. 【請求項3】請求項1の記載において、前記補強層が一
    対のみからなり、かつ、前記α<前記βのとき前記αの
    補強層が前記βの補強層の外側に位置することを特徴と
    する加圧用筒状体。
  4. 【請求項4】請求項1、2乃至3の記載において、前記
    コードが有機繊維からなる撚り線であることを特徴とす
    る加圧用筒状体。
  5. 【請求項5】請求項1記載の前記一方の補強層コード、
    請求項2記載の前記正逆一方向の補強層コード乃至請求
    項3記載の前記αの補強層コードにおいて、これらのコ
    ードが無機繊維からなる撚り線であることを特徴とする
    加圧用筒状体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006272624A (ja) * 2005-03-28 2006-10-12 Tokai Rubber Ind Ltd コンクリート成形体の孔成形用ゴム型及びその製造方法
JP2010096354A (ja) * 2010-01-08 2010-04-30 Toyoda Gosei Co Ltd ブレーキホース
JP2016210032A (ja) * 2015-04-30 2016-12-15 宇部エクシモ株式会社 繊維強化樹脂複合管状構造体及びその製造方法

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