JP2002036351A - プラスチック製型枠材の製造法 - Google Patents

プラスチック製型枠材の製造法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 裁断処理が容易なプラスチック製型枠材の製
造法の提供。 【解決手段】 受け具30の凹部35にリブ3の突出部12を
嵌め込み、同様にそれぞれの平坦部36と平坦部14を当接
させた後、上方から裁断する。裁断時に長尺状シート10
がリブ3の部分でばたつかないので、裁断が容易にな
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建築、土木作業時
等のコンクリート基礎工事で使用するプラスチック製型
枠材の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】各種建
築、土木作業において、コンクリート基礎工事を行う
際、合板の型枠やラス型枠で区切った空間にコンクリー
トを流し込んで固めた後、型枠を取り除く作業が行われ
る。このような作業では、型枠を裁断したり、組み合わ
せたりする作業が繁雑となり、型枠を取り外す作業も必
要となる。
【0003】このような合板の型枠やラス型枠を使用し
た場合の問題点を解決するため、図1に示すようなプラ
スチック製多孔型枠が提案されている(実用新案公報第
3057777号)。このプラスチック製多孔型枠6は
長尺状シートからなり、長さ方向の一端縁側を一方向に
折ってフランジ部2が形成され、立ち上げ面の幅方向に
は長さ方向に適当間隔をおいて、強度付与のためのリブ
3が形成されている。そして、フランジ部2とリブ3を
除く立ち上げ面には、適当間隔をおいて貫通孔4が形成
されている。5は釘穴である。
【0004】図1に示すようなプラスチック製型枠は、
上記実用新案公報の第8図に示されているように、金属
パイプ等と組合せて使用されるが、軽く、耐水性も良
く、裁断等による加工が容易であり、コンクリートを充
填固化させた後に取り外す必要もないため、作業を簡略
化することができる点で優れているほか、更に廃棄プラ
スチックの再利用を促進できる点でも産業上の有用性は
高い。
【0005】プラスチック製型枠材は、押出及び延伸し
てシート状に成形した後、所望の大きさに調整したり、
周囲に生じたバリ等を取り除いたりするため、端縁を裁
断する工程が必須となる。このとき平坦面の裁断は容易
であるが、図1に示すようなプラスチック製型枠6は、
強度付与のためのリブ3を有しているので、フランジ部
2とは反対側の端縁を長さ方向に裁断する場合はリブ3
の部分でシートがばたつくため、真っ直ぐに裁断できな
いという問題がある。このため、裁断工程を自動化する
ことが困難となり、はさみ、カッターナイフ等を使用し
た手作業に頼らざるを得なかった。
【0006】本発明の課題は、上記したプラスチック製
型枠材の製造において、裁断処理を簡便かつ正確にする
ことができ、更に裁断工程の自動化もできるプラスチッ
ク製型枠材の製造法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題の解
決手段として、プラスチック材料を押出して長尺状シー
トを得る工程、前記長尺状シートを所望形状に成形する
工程、成形後の長尺状シートに穿孔する工程及び穿孔後
の長尺状シートの周囲を裁断する工程を具備しており、
長尺状シートの成形工程において、長尺状シートの幅方
向一端縁側のフランジ部を除いた残部面に、長さ方向に
所定間隔をおき、シート面に対して略直角にかつ一方向
に突出させて幅方向に複数のリブを形成し、成形後の穿
孔工程において、フランジ部とリブを除いた面に複数の
貫通孔を形成し、穿孔後の裁断工程において、シートの
周囲端縁を裁断する際、前記複数のリブの突出部と同形
状かつ同配置間隔の複数の凹部を長さ方向に有する長尺
状の受け具を使用し、長尺状シートのリブの突出部を受
け具の凹部に嵌め込んだ後、上方から裁断するプラスチ
ック製型枠材の製造法を提供する。
【0008】本発明の製造法において長尺状シートとい
うときは、図1に示すプラスチック製型枠6でフランジ
部2が折り曲げられておらず、リブ3及び貫通孔4が形
成されていない平坦なシート乃至はリブ3及び貫通孔4
が形成された裁断工程前までのものを合わせて意味する
ものとする。
【0009】また本発明のプラスチック製型枠材は、長
尺状シートを裁断処理した後のもので、図1に示すよう
に、フランジ部を折り曲げる前の状態のものを意味し、
プラスチック製型枠は、フランジ部を折り曲げた状態の
ものを意味する。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明のプラスチック製型
枠材の製造法を図1〜図5に基づいて説明する。図1
は、本発明の製造法を適用して得られるプラスチック製
型枠の斜視図、図2、図3は、本発明の製造法の裁断工
程で使用する受け具の斜視図、図4は、図3の受け具を
使用した場合の裁断法の説明図、図5は、本発明の製造
法で受け具と押え具を併用した裁断工程を説明するため
の図である。なお、図1、図4では、貫通孔は一部のみ
を図示している。
【0011】本発明の製造法は、プラスチック材料を押
出して長尺状シートを得る工程、前記長尺状シートを所
望形状に成形する工程、成形後の長尺状シートに穿孔す
る工程及び穿孔後の長尺状シートの周囲を裁断する工程
を具備しているが、これらの工程以外にも長尺状シート
の冷却工程等の公知のシート製造工程を適宜付加するこ
とができる。
【0012】プラスチック材料を押出及び延伸して平坦
な長尺状シートを得る工程は、一般的な押出機及び複数
のローラーを組み合わせた方法を適用できる。
【0013】プラスチック材料は、ベース樹脂と必要に
応じて各種添加剤を配合したものであり、ベース樹脂は
熱可塑性樹脂が好ましく、機械的強度等を考慮すればポ
リエチレンテレフタレート等のポリエステルが特に好ま
しく、施工後に放置する場合を考慮して生分解性プラス
チックを使用することもできる。
【0014】長尺状シートの厚みは特に限定されるもの
ではなく、例えば、約0.30〜5.00mmにするこ
とができる。
【0015】長尺状シートの成形工程は、長尺状シート
の幅方向一端縁側のフランジ部2を除いた残部面に、長
さ方向に所定間隔をおき、シート面に対して略直角にか
つ一方向に突出させて、幅方向に複数のリブ3を形成す
る工程である。従って、リブ3が形成された後の長尺状
シートは、長さ方向に連続した突出部12と平坦部14
を交互に有している。
【0016】リブ3の形成方法は、金型を使用したプレ
ス成形又は真空成形法等を適用することができる。
【0017】リブ3の突出部は、長尺状シートの長さ方
向への断面が三角形、円弧状又はそれらに類似する形
状、例えば、台形、楕円形のものである。
【0018】リブ3の突出部は、断面における最大高さ
が好ましくは5〜50mm、より好ましくは10〜25
mmで、最大幅が好ましくは3〜30mm、より好まし
くは5〜15mmである。
【0019】リブ3は、等間隔で長さ方向に好ましくは
8〜80本/m、より好ましくは15〜40本/mの割
合で配置されている。
【0020】リブ3は、強度付与のため、フランジ部2
を除く幅方向の全長に形成されていることが望ましい
が、部分的に形成されていてもよい。
【0021】成形後の穿孔工程は、フランジ部2とリブ
3を除いた面に複数の貫通孔4を形成する工程である。
なお、この工程で、フランジ部2の釘穴5も穿孔するこ
とができる。貫通孔4の穿孔手段は特に限定されず、所
要径の筒状の打ち抜き型等を適用できる。
【0022】貫通孔の直径は、好ましくは3〜30m
m、より好ましくは5〜15mmである。貫通孔の直径
が前記範囲内であると、流動状態のコンクリートが貫通
孔から漏れ出ることがなく、貫通孔から水分が蒸発され
るので、固化・乾燥が促進される。
【0023】貫通孔の配置密度は、好ましくは200〜
20,000個/m2、より好ましくは1000〜40
00個/m2であり、これらの貫通孔は、均等間隔で配
置されていることが望ましい。貫通孔の配置密度を前記
範囲内にすると、貫通孔から水分が蒸発されるので、コ
ンクリートの固化・乾燥が促進される。
【0024】穿孔後の裁断工程は、長尺状シートの周囲
端縁を裁断して所望形状、所望大きさに加工したり、ば
り等を除いて形を整えたりするための工程である。この
裁断工程では、裁断に際して例えば図2及び図3に示す
ような受け具を使用する。
【0025】図2に示す受け具20は、所要長さの長尺
状部材で、凹部22と平坦部24が長さ方向に連続して
交互に形成されている。これらの凹部22と平坦部24
の形状及び長さ方向の配置間隔は、長尺状シートのリブ
3の突出部12、平坦部14の形状及び配置間隔と一致
している。
【0026】図3に示す受け具30は、所要長さの長尺
状部材で、図2に示す受け具10に相当する受け具3
1、32を幅方向に所要間隔をおいて平行配置し、底部
で一体化した構造のものであり、受け具31、32に
は、それぞれ凹部35と平坦部36が長さ方向に連続し
て交互に形成されている。受け具31、32間には、長
さ方向に連続した溝37が形成されており、溝37の幅
は裁断手段に応じて適宜設定することが望ましいため、
受け具31、32を幅方向に可動自在にしてもよい。
【0027】これらの凹部35と平坦部36の形状及び
長さ方向の配置間隔は、長尺状シート10(図4参照)
のリブ3の突出部12、平坦部14の形状及び配置間隔
と一致している。
【0028】受け具30は、2つの受け具31、32を
適当な台座上又は床面上等に溝37が形成できるように
平行配置したものでもよい。
【0029】裁断工程では、受け具30を使用した場
合、図4に示すように、受け具31、32の凹部35に
長尺状シート10のリブ3の突出部12を嵌め込み、同
様に平坦部36上に平坦部14を当接した後、長尺状シ
ート10端縁の所要長さを上方から裁断する。
【0030】受け具30又は受け具20を使用した場
合、リブ3の突出部12が受け具の凹部に嵌め込まれて
いるため、裁断時に長尺状シート10がばたつくことが
なく、裁断作業が容易になる。更に、受け具30を使用
した場合、裁断箇所が溝37に位置するように設定すれ
ば、溝37の部分で裁断ができるため、より一層裁断作
業が容易になる。
【0031】また、本発明では、図5に示すように、裁
断工程において、受け具と共に押え具40を併用して、
上方から押え具40で押圧した状態で裁断する方法を適
用できる。
【0032】押え具40は、間隔をおいて並列配置され
た2つの上下動(上昇及び下降)自在な押え部材41、
42からなり、押え部材41、42間には、上下動(上
昇及び下降)及び回転自在な円形刃44が取り付けられ
ている。押え部材41、42は同じ支持機構によって同
時に上下動できるものであり、回転刃44は、押え部材
41、42とは別に独立して上下動できるものである。
【0033】図5に示すように、受け具30と押え具4
0を併用した場合、裁断は次のようにして行う。まず図
4に示すように受け具30上に長尺状シート10を溝3
7に裁断部分が位置するように置く。次に、押え具40
の0押え部材41、42を下降させ、溝37に相当する
部分の長尺状シートを挟み込むようにして上方から押圧
する。次に、回転刃44を溝37上に下降させ、2つの
押え部材41、42で押圧したまま、回転刃44を長尺
状シート10の長さ方向に移動させながら回転刃44を
回転させて裁断する。このとき、回転刃44は溝37の
内部に至っている。
【0034】このようにして受け具と押え具を併用して
裁断することによって、裁断工程を自動化した場合であ
っても、裁断作業を容易かつ正確に行うことができる。
なお、施工現場等でフランジ部2を折り曲げやすくする
ため、適宜折り目を付ける工程を付加してもよい。
【0035】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳しく説
明するが、本発明はこれらにより限定されるものではな
い。 実施例1 ポリエチレンテレフタレートを使用し、二軸押出機と複
数のローラーを組み合わせて押出して、幅960mm、
厚み1.0mmのエンドレスシート(ロール状に巻かれ
たシート原反)を得た。このエンドレスシートに対して
金型を使用して、所要数のリブ(25本/m、突出部の
最大高さ15mm、突出部の最大幅9.7mm)を幅方
向全長に形成した後、金型内に水を注入して冷却した。
次に、直径9.0mmの貫通孔を2083個/m2の割
合で穿孔した後、図4及び図5に示すようにして、端縁
から897mmまでを裁断して、プラスチック製型枠材
を得た。なお、裁断時に長尺状シートがばたつくことも
なく裁断は円滑に行われ、裁断面は直線であった。
【0036】
【発明の効果】本発明の製造法を適用すれば、複数のリ
ブを有するプラスチック製型枠材の製造法における裁断
工程を自動化することができるので、所望形状及び寸法
のプラスチック製型枠材を大量生産することができる。
従って、施工現場の要請に応じたプラスチック製型枠材
を供給することができ、更に廃棄プラスチック、特に複
数回リサイクルされた廃棄プラスチックの有効利用を促
進できるという点で、工業上の利用価値は非常に高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の製造法を適用して得られるプラスチ
ック製型枠の斜視図。
【図2】 本発明の製造法の裁断工程で使用する受け具
の斜視図。
【図3】 本発明の製造法の裁断工程で使用する別形態
の受け具の斜視図。
【図4】 図3の受け具を使用した場合の裁断工程の説
明図。
【図5】 本発明の製造法の裁断工程の説明図。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラスチック材料を押出して長尺状シー
    トを得る工程、前記長尺状シートを所望形状に成形する
    工程、成形後の長尺状シートに穿孔する工程及び穿孔後
    の長尺状シートの周囲を裁断する工程を具備しており、 長尺状シートの成形工程において、長尺状シートの幅方
    向一端縁側のフランジ部を除いた残部面に、長さ方向に
    所定間隔をおき、シート面に対して略直角にかつ一方向
    に突出させて幅方向に複数のリブを形成し、 成形後の穿孔工程において、フランジ部とリブを除いた
    面に複数の貫通孔を形成し、 穿孔後の裁断工程において、シートの周囲端縁を裁断す
    る際、前記複数のリブの突出部と同形状かつ同配置間隔
    の複数の凹部を長さ方向に有する長尺状の受け具を使用
    し、長尺状シートのリブの突出部を受け具の凹部に嵌め
    込んだ後、上方から裁断するプラスチック製型枠材の製
    造法。
  2. 【請求項2】 前記受け具が、幅方向中間部又はその付
    近に長さ方向に連続する溝を有し、幅方向両端に長さ方
    向に複数の凹部のある側壁を有する長尺状部材であり、
    前記側壁の凹部の断面形状及び長さ方向への配置間隔と
    リブの突出部の断面形状及び長さ方向への配置間隔が同
    一のものである請求項1記載のプラスチック製型枠材の
    製造法。
  3. 【請求項3】 長尺状シートのフランジ部とならない他
    端縁側を上方から裁断する際、前記他端縁を上方から押
    え具で押圧した状態で裁断する請求項1又は2記載のプ
    ラスチック型枠の製造法。
  4. 【請求項4】 長尺状シートのフランジ部とならない他
    端縁側を上方から裁断する際、間隔をおいて並列配置さ
    れた2つの部材からなる押え具で前記他端縁を上方から
    押圧し、2つの部材間から裁断する請求項1〜3のいず
    れか1記載のプラスチック製型枠材の製造法。
  5. 【請求項5】 リブ突出部の長尺状シートの長さ方向へ
    の断面が三角形、円弧状又はそれらに類似する形状であ
    る請求項1〜4のいずれか1記載のプラスチック製型枠
    材の製造法。
  6. 【請求項6】 リブ突出部の断面における最大高さが5
    〜50mmで、最大幅が3〜30mmである請求項1〜
    5のいずれか1記載のプラスチック製型枠材の製造法。
  7. 【請求項7】 リブが等間隔で長さ方向に8〜80本/
    mの割合で配置されている請求項1〜6のいずれか1記
    載のプラスチック製型枠材の製造法。
  8. 【請求項8】 貫通孔の直径が3〜30mmである請求
    項1〜7のいずれか1記載のプラスチック製型枠材の製
    造法。
  9. 【請求項9】 貫通孔の配置密度が200〜20,00
    0個/m2である請求項1〜8のいずれか1記載のプラ
    スチック製型枠材の製造法。
  10. 【請求項10】 貫通孔が均等間隔で配置されている請
    求項1〜9のいずれか1記載のプラスチック製型枠材の
    製造法。
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