JP2002036278A - 発泡性成形体 - Google Patents

発泡性成形体

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JP2002036278A JP2000224210A JP2000224210A JP2002036278A JP 2002036278 A JP2002036278 A JP 2002036278A JP 2000224210 A JP2000224210 A JP 2000224210A JP 2000224210 A JP2000224210 A JP 2000224210A JP 2002036278 A JP2002036278 A JP 2002036278A
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Koji Matsumoto
浩治 松本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】接着性の高い発泡性成形体を提供する。 【解決手段】熱可塑性樹脂と、発泡剤とを含有する発泡
性成形体1であって、架橋された表面部分2と、未架橋
の表面部分とを有し、前記未架橋部分は、当該成形体の
端部及びこの端部に連続する周辺部を含んでいる発泡性
成形体1を提供する。発泡性成形体1を加熱し、発泡さ
せると、架橋された表面部分2の内部は、表面からのガ
ス抜けが無く、良好な発泡倍率の多孔質部に形成され、
一方、未架橋部分では、発生する気体は表面から抜けて
緻密質の部位が形成される。この未架橋の緻密質の部位
は、他部材に対する接着強度が高い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、熱可塑性樹脂を
含有する発泡性成形体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車のピラーなどの中空部分を
遮音、防振、断熱、補強等の目的で遮蔽する部材とし
て、熱可塑性樹脂の発泡体が使用されている。この発泡
体は、区分された空間内に熱可塑性樹脂の発泡性材料を
設置した後、外部から加熱して、空間を遮蔽する大き
さ、形状に発泡させることで得られる。発泡性材料は、
熱可塑性樹脂と発泡剤とを有しており、加熱して熱可塑
性樹脂を溶融させると同時に、発泡剤を分解して気泡を
発生させることにより発泡体となる。遮蔽部材として用
いられる発泡体では、通常、1つ1つの気泡を連続させ
ることなく独立状態に保持すると良い。このためには、
溶融状態の熱可塑性樹脂が所定の粘性を有していなけれ
ばならない。
【0003】従来、溶融状態の熱可塑性樹脂の気泡保持
能力を向上させるため、熱可塑性樹脂に架橋部分を構成
させる方法が取られている。これには大きく分けて二つ
あり、一つは、化学架橋剤を混合して樹脂溶融時に架橋
させる化学架橋法である。もう一つは、熱可塑性樹脂の
表面に電離性放射線を照射して、架橋させる電子線架橋
法である。特開平11-209496号公報では、化学
架橋法と電子線架橋法とを組み合わせ、化学架橋剤を含
有する熱可塑性樹脂の表面を電離性放射線で照射して架
橋させた未発泡成形体を所望の空間に設置して加熱し、
架橋反応と発泡とを同時に起こさせる遮蔽性の発泡体の
製造方法が開示されている。この方法で製造された遮蔽
構造物は、図4(a)に示すように、表面に予め形成さ
れている架橋部分22によってガス抜けが抑制され、ま
た、内部での架橋反応によって独立気泡が維持されるた
め、均質かつ発泡倍率の高い発泡体が得られる。ところ
で、この発泡体は、未発泡成形体の電子線によって処理
されていない厚み部分から発泡の圧力で押出される材料
のみによって、所定の部位に接着される。この接着部位
は、化学架橋剤を含んでいるので、図4(b)に示すよ
うに、架橋により気泡を保持してなお高い発泡倍率を有
する多孔質状となっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明では、
接着性の高い発泡性成形体を提供することを課題とし、
また、取付け強度の大きい発泡体により遮蔽された遮蔽
部分を備えた中空構造物を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明では、熱可塑性樹脂と、発泡剤とを含有する
発泡性成形体であって、架橋された表面部分と、未架橋
の表面部分とを有し、前記未架橋部分は、当該成形体の
端部及びこの端部に連続する周辺部を含んでいる発泡性
成形体を提供する。この発明によれば、架橋部分では、
予め架橋された樹脂により、気泡を保持しつつ多孔質部
に形成され、また、樹脂の一部は端部の未架橋部分に移
動する。一方、未架橋部分の樹脂は、発生した気泡を保
持できない。このため、未架橋の端部では、発生したガ
スが端部から抜けやすくなること、及び、架橋部分から
移動した樹脂により樹脂量が増大することにより、発泡
倍率が低く、架橋部分に比して緻密質の部位が形成され
る。当該部位は、その大きさ、密度、及び架橋されてい
ないことから、接着強度が高くなっている。
【0006】また、前記発泡性成形体は、中空構造物の
中空部を遮蔽する部材である発泡性成形体を提供する。
また、上記いずれかの発泡性成形体であって、前記端部
及びこの端部に連続する周辺部は、中空構造物との結合
部位となることを特徴とする発泡性成形体を提供する。
これらの発明によれば、中空構造物と強固に結合される
発泡性成形体を得ることができる。
【0007】また、上記いずれかに記載の発泡性成形体
であって、化学架橋剤を含む発泡性成形体を提供するこ
ともできる。この発明によれば、化学架橋剤により、架
橋部分の架橋反応を補足して、表面が架橋された領域に
おいて所望の発泡組織を付与することができる。
【0008】また、発泡体によって遮蔽された部分を有
する中空構造物であって、前記発泡体の端部が前記中空
構造物の内壁に結合され、当該結合部位は、前記発泡体
中央部より密度が大きく、かつ前記内壁側に略放射状に
広がった形状であることを特徴とする中空構造物を提供
する。この発明によれば、発泡体は、中空部の内壁によ
り大きな正味の接着面積で接触しているため、接着性が
高く、丈夫な遮蔽部分を有する中空構造物となる。
【0009】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発
明の一実施の形態に係る発泡性成形体の斜視図である。
本形態の発泡性成形体1は、中空部を有する中空構造物
を完全に遮蔽するためのもので、中空部の断面より小さ
い四角形の薄板状の発泡性材料から成る。この発泡性成
形体1の厚み方向に延びる四側面及びこれに連続する周
辺部以外の表面は、両面とも架橋されて架橋部分2とな
っている。なお、本発明の発泡性成形体は、所定の空間
を完全に遮蔽する場合に限らず、一部を遮蔽したり、覆
ったりする等、種々の配置や使用形態が可能である。
【0010】発泡性成形体1は、熱可塑性樹脂と発泡剤
とを含有する発泡性材料から成る。発泡性材料は、熱可
塑性樹脂が溶融する温度で各材料を混合して均質となる
まで混錬した混合物で、所定の形状に成形することによ
り、発泡性成形体1となる。
【0011】熱可塑性樹脂は、接着部位の材質や、防
音、遮音、防振、断熱などの用途に合わせて、従来公知
の種々の樹脂から選択することができるが、ポリオレフ
ィン化合物が一般的である。熱可塑性樹脂は、一種のみ
でも良いし、複数種を組み合わせて用いても良い。ま
た、熱可塑性樹脂には、重合性モノマーを添加しても良
い。ポリオレフィン化合物としては、例えば、ポリエチ
レン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル
等を用いることができる。
【0012】金属製の中空構造物に発泡体を設ける場合
は、金属接着性を高めるため、熱可塑性樹脂は、好まし
くは、ポリエチレン、ポリ酢酸ビニル、又はエチレンと
アルキルアクリレートとの共重合体、アイオノマー樹脂
などから選択する。例えば、上記したポリオレフィン化
合物とアルキルアクリレートとの共重合体において、エ
チレンを使用した場合は、アルキル基の炭素数が1〜4
個のアルキルアクリレートを使用すると好ましい。
【0013】発泡剤は、必要とされる発泡倍率や熱可塑
性樹脂の性質等に合わせて適当な量だけ添加される。揮
発性発泡剤や熱分解型発泡剤を使用することができる
が、混錬時に発泡するのを抑制するため、熱分解型発泡
剤を使用するのが好ましい。熱分解型発泡剤としては、
アゾジカルボンアミド、ジニトロソペンタメチレンテト
ラミン、パラトルエンスルホニルヒドラジド、4,4'−
オキシベンゼンスルホニルヒドラジドなど従来公知の発
泡剤を使用することができる。
【0014】発泡性材料には、熱可塑性樹脂及び発泡剤
以外に、例えば、架橋促進剤、発泡助剤、反応性希釈
剤、難燃剤、着色剤、補強材料、無機添加剤等を、適宜
添加することができる。
【0015】また、発泡性材料には、接着性を付与した
い部位における接着性を妨げない範囲で化学架橋剤を添
加することができる。化学架橋剤を添加することによ
り、溶融発泡時に熱可塑性樹脂を架橋させて粘性を増大
させ、ガスを気泡の形で保持しやすくすることができ
る。したがって、発泡性成形体の発泡倍率を高めたり、
より厚みのある発泡性成形体を形成したりすることが可
能となる。
【0016】化学架橋剤は、使用する熱可塑性樹脂の種
類に応じて選択するが、一般に有機過酸化物が用いられ
る。有機過酸化物としては、例えば、ジクミルパーオキ
サイドや、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t-ブチルパー
オキサイド)ヘキシン−3などがある。化学架橋剤は、
反応温度が、熱可塑性樹脂の溶融温度よりも高く、発泡
剤の発泡温度付近のものを選択すると、好ましい。な
お、化学架橋剤を用いるときは、適当な架橋助剤を添加
して架橋反応を調節すると良く、例えば、架橋剤として
ジクミルパーオキサイドを使用する場合、ジアリルフタ
レートやトリアリルシアヌレート等を添加すると良い。
【0017】発泡性成形体1を製造するには、熱可塑性
樹脂、発泡剤及び適宜選択される他の添加物を、熱可塑
性樹脂の溶融状態において、例えば、加熱ロールミルに
よって混錬して発泡性材料を作り、所定の形状に形成す
る。発泡性成形体の形状は、板状、球状、棒状など、適
用する部位に合わせた任意の形状が選択できる。本形態
では、プレス型によって板状に成形後、中空構造物の中
空部断面に合わせた四角形状にカットし、発泡性成形体
1の外形を得た。
【0018】本発泡性成形体は、成形後の発泡性材料の
所定の部位に架橋部分を形成することによって得られ
る。架橋部分は、発泡性材料を発泡のために加熱させた
ときにも、より粘度が高く、もとの構造を維持する部分
で、発泡反応するときに表面からガス抜けしたり、発泡
状態が不均一となるのを防ぐことができる。架橋部分を
設ける部位は、他の部材の中空部内壁の形状に沿わせた
り、他の部材に接着したりする部分以外の部分に設けら
れるが、より大きな範囲に設けられると、好ましい。し
たがって、他の部材に接触しない発泡性成形体中央部に
設けられると好ましく、発泡性成形体の端部及びこの端
部に連続する周辺部の少なくとも一部を除く全体に設け
られると、より好ましい。架橋部分は、表面から所定の
深さまでに形成されていても良いが、内部を含む全体が
架橋部分とされていても良い。架橋部分を表面側のみに
設ける場合は、化学架橋剤を添加しておくと、内部にお
ける発泡状態が良好となり、良質の多孔質部が得られる
ため、好ましい。
【0019】未架橋部分は、発泡性成形体の端部及びこ
の端部に連続する周辺部を含む部位に設けられる。未架
橋部分の表面及び内部の発泡性材料は、発泡によって放
射状に自由に膨張する。このため、未架橋部分は、発泡
体を中空構造物の遮蔽体とする場合には発泡性成形体の
周縁部に設けることが、好ましい。また、発泡体を他の
部材に接着させたい場合には、発泡性成形体の接着部位
に設けられると、好ましい。なお、本発明において、端
部は、例えば、発泡性成形体の他の部分と比較して、所
定の方向に突出している部分又は面である。曲面の所定
の方向に最も突出している部分(点)を端部としても良
い。同一平面の一部又は全部としても良い。また、この
端部に連続する周辺部は、例えば、端部と連続的に形成
されている曲面部分や、端部と隣接する屈曲部、あるい
は、屈曲部を介して連続する平面部や曲面部とすること
ができる。周辺部は、端部に連続する部分全体を未架橋
としても良いし、所定の方向に延びる部分のみを未架橋
としても良い。
【0020】未架橋部分は、1つの発泡性成形体に対し
て単一に形成されていても良いし、複数個設けられてい
ても良い。例えば、長方形の板状の発泡性成形体の場
合、図5(a)に示すように、他部材である中空構造物の
中空部内壁と接触する各辺中央部の端部及びこの端部に
連続する周辺部が未架橋部分33に形成され、計4つの
未架橋部分33を有していても良い。また、端部に連続
する周辺部に設ける未架橋部分の幅を変化させても良
い。例えば、図5(b)に示すように、各頂点が発泡性成
形体の各辺の中点に向かう四角形状、すなわちひし形状
の架橋部分42を設けることができる。このように設け
ると、各角部において未架橋部分が三角形状に形成さ
れ、角部においてより強固な固着部分が形成される。こ
のように、未架橋部分(架橋部分)の大きさ、数、形状
等を変化させることで、架橋部分と未架橋部分とを最適
な割合で適当な位置に設けることができ、部分的に強固
な接着部分を形成して全体的な接着強度を向上させると
ともに、発泡倍率の高い、すなわち密度の小さい良質の
発泡部分が大きい発泡体を得ることもできる。
【0021】架橋部分2の形成は、従来公知の任意の方
法で行えば良いが、未架橋部分をシールドした状態で電
離性放射線を照射することによって良好に行われる。電
離性放射線の照射では、表面から約1〜1.5mmの深さま
でを架橋させることができる。発泡性成形体1の厚み
は、化学架橋剤を添加していない場合は、3mm以下に形
成すると、良質の多孔質部が得られるため、好ましい。
一方、化学架橋剤を含有する発泡性材料の場合は、3mm
以上に形成すると、より厚みのある発泡性成形体とする
ことができる。照射する電離性放射線としては、β線、
γ線、X線、中性子線、加速エレクトロン紫外線等であ
り、これらの供給源は、原子炉、放射性同位元素、電子
線加速器等である。また、照射線量は、2〜20Mradで
あり、好ましくは5〜20Mradである。本形態では、板
状の発泡性成形体1の四側面及びこの側面に連続する上
下両面を各5mmの幅でシールドし、全体に電離性放射線
(例えば、10Mrad)を照射した。
【0022】次に、発泡性成形体1を中空構造物の中空
部に適用して遮蔽部分を形成する場合について説明す
る。図2は、断面がほぼ四角形の中空部を備えた自動車
のピラーに、発泡性成形体1を中空部の内壁面に対して
垂直となるよう配置したときの状態を示す。発泡性成形
体1の中空部への固定方法は、従来公知の任意の方法で
良く、例えば、発泡性成形体1の下面側を支える支持板
を備え、中空構造物の中空部の内壁に係合可能な係止部
材によって固定することができる。なお、発泡性成形体
1は、加熱しても軟化しにくい架橋部分2を備えている
ため、下面全体を支持しなくても良く、例えば、架橋部
分2を含む一部をクリップで挟んで固定しても良い。固
定された発泡性成形体1に対し、例えば、中空構造物全
体を熱するなどして加熱することにより、発泡性成形体
1中の発泡剤を分解して気泡を発生させる。
【0023】加熱された発泡性成形体1では、発泡剤が
発泡してガスが発生する。このとき、架橋部分2は比較
的硬い構造となっているため、ガス抜けを抑制しつつ、
ガスを気泡状に留めると同時に、ガスによって膨張す
る。このため、架橋部分2の内部は、発泡剤から発生し
たガスが気泡状に保持され、発泡倍率の高い多孔質状に
形成され、図3(a)で示すようになる。また、架橋部
分2のうち、特に表面から内面に向かう方向への圧力が
高くなるため、架橋部分2内の流動可能な成形材料の一
部は、未架橋の発泡性成形体1の端部方向へ向かって移
動する。
【0024】一方、未架橋部分では、発泡剤から発生す
るガスは、成形材料を膨張させつつ表面から抜けてい
き、図3(a)に示すように、架橋部分2の内部と比較
して緻密質に形成される。このとき、未架橋部分は、端
部だけでなくその周辺部にわたっており、さらに架橋部
分2内部から押出された材料も加わって全量が多いた
め、中空部の内壁により大きな面積で緻密に接触し、よ
り強固に接着する。また、成形材料の全量が多いため、
図3(a)に示すように、発泡体は、中空部の内壁に向
かって放射状に広がった形状で接触し、接着部位、すな
わち結合部位が増大している。加熱終了後の中空構造物
との境界部分の状態を図3(b)に示す。
【0025】発泡性成形体1が化学架橋剤を含有し、よ
り厚みを持って形成されている場合、加熱によって発泡
剤からガスが発生すると同時に、化学架橋剤によって架
橋反応が起こる。このため、電子線架橋によってより多
くの架橋構造を有する架橋部分2の表面側に比べて、架
橋部分2内部の架橋構造が少なかった部分は、架橋構造
の形成に伴ってガスを気泡状に保持しつつ、より自由に
膨張する。このため、より厚みのある発泡体が得られ
る。化学架橋剤を添加することにより、未架橋部分にお
いても架橋構造が形成され、ある程度の気泡は保持され
るが、架橋部分2を設けたときのように表面からのガス
抜けを抑制することはない。このため、未架橋部分は、
架橋部分2内部と比較してより緻密質に形成され、中空
部内壁に良好に接着する。
【0026】本発明の発泡性成形体は、架橋部分では表
面付近の架橋構造によって発泡時のガス抜けを抑制して
発泡倍率の高い多孔質部とすることができる。一方、端
部及びこの端部に連続する周辺部に設けられた未架橋部
分では、加熱発泡によって発泡成形材料が放射状に膨張
するとともに、表面からガス抜けが起こる。本発明で
は、未架橋部分は、端部とこれに連続する周辺部という
より大きな領域として形成されているため、単に端部の
みが未架橋の場合と比較して多くの成形材料が当該部分
で膨張する。このため、この膨張した未架橋部分を他の
部材との結合(接着)部位とすると、より大きな面積で
より緻密に接触して、より強固な接着となる。このた
め、本発明の発泡性成形体を用いると、大きな面積で接
着し、接着強度の大きい、しっかりした結合部位を有す
る多孔質部を有する成形体を得ることができる。
【0027】また、本発明の発泡性成形体は、発泡性材
料を製造し、成形した状態、あるいは、さらに架橋部分
を形成した状態での常温での保存が可能であり、取り扱
いや在庫管理等が容易である。また、上記した通りの特
性を有する本発明の発泡性成形体を用いて製造された遮
蔽部分を有する中空構造物は、特に、厚み方向の膨張を
規制する部材、例えば、発泡性成形体の両面側に配置さ
れる板状部などを設けなくても、適度な厚みを有する均
質な発泡体とすることができる。そして、形成された発
泡体は、中空部の内壁と強固に且つより緻密に接着する
端縁部と、良質な多孔質に形成され、遮蔽効果の高い中
央部分を有する。このように、本発明の発泡性成形体か
ら得られる発泡体は、放射状のより大きい接着面積で、
他部材に良好に密着状に結合でき、取付強度の大きい、
丈夫で安定した遮蔽構造となる。このため、例えば、遮
音、防振、補強など、目的とする機能を十分に発揮でき
る遮蔽部分を有する中空構造物となる。
【0028】
【発明の効果】本発明では、接着性の高い発泡性成形体
を提供することができた。また、取付け強度の高い発泡
体により遮蔽された遮蔽部分を備えた中空構造物を提供
することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の一実施の形態に係る発泡性成
形体を示す斜視図である。
【図2】図2は、図1の発泡性成形体を中空構造物の所
定の場所に固定したときの断面図である。
【図3】図3(a)は、図1の発泡性成形体から得られ
た発泡体による遮蔽部分を備えた中空構造物を示す断面
図である。図3(b)は、図3(a)の発泡体と中空構
造物との境界部分を示す、図3(a)中Bの部分の拡大断
面図である。
【図4】図4(a)は、従来の発泡体によって遮蔽され
た部分を備えた中空構造物を示す断面図である。図4
(b)は、図4(a)の発泡体中空構造物との境界部分
を示す、図4(a)中Bの部分の拡大断面図である。
【図5】図5(a)(b)は、本発明の発泡性成形体に架橋部
分を設ける場合の別の形態を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 発泡性成形体 2,22 架橋部分
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 101:00 B29C 67/22 Fターム(参考) 3D003 AA01 AA10 BB01 CA33 CA34 CA35 4F074 AA17 AA23 AA41 BA13 BA16 BA17 BA18 BB02 CA25 CC06X CC31 CC48 DA05 DA35 4F212 AA04 AA18 AB02 AB03 AE06 AG06 AG20 AH17 UA09 UB01 UF06 UN02 UN06

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂と、発泡剤とを含有する発
    泡性成形体であって、 架橋された表面部分と、未架橋の表面部分とを有し、 前記未架橋部分は、当該成形体の端部及びこの端部に連
    続する周辺部を含んでいる発泡性成形体。
  2. 【請求項2】 前記発泡性成形体は、中空構造物の中空
    部を遮蔽する部材である請求項1記載の発泡性成形体。
  3. 【請求項3】 前記端部及びこの端部に連続する周辺部
    は、中空構造物との結合部位となることを特徴とする請
    求項1又は2記載の発泡性成形体。
  4. 【請求項4】 化学架橋剤を含む請求項1から3のいず
    れかに記載の発泡性成形体。
  5. 【請求項5】 発泡体によって遮蔽された部分を有する
    中空構造物であって、 前記発泡体の端部が前記中空構造物の内壁に結合され、 当該結合部位は、前記発泡体中央部より密度が大きく、
    且つ前記内壁側に略放射状に広がった形状であることを
    特徴とする中空構造物。
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