JP2002035585A - エンジンの排気ガス浄化用触媒 - Google Patents

エンジンの排気ガス浄化用触媒

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JP2002035585A JP2001183687A JP2001183687A JP2002035585A JP 2002035585 A JP2002035585 A JP 2002035585A JP 2001183687 A JP2001183687 A JP 2001183687A JP 2001183687 A JP2001183687 A JP 2001183687A JP 2002035585 A JP2002035585 A JP 2002035585A
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Yasutaka Yoshino
康隆 吉野
Kazunori Ihara
和則 井原
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エンジンの排気ガス低温時において、触媒活
性を十分に高めて排気ガス浄化率の向上を図ることがで
きる排気ガス浄化用触媒を提供する。 【解決手段】 エンジンの排気ガスを浄化する第1排気
ガス浄化用触媒6においては、その排気ガス入口側端部
近傍から下流側に向かって所定の位置までの部分では、
第2触媒コート層にパラジウムが高濃度で分布させられ
ており、この部分はパラジウム担持層13を形成してい
る。一方、パラジウム担持層13より下流側では、第2
触媒コート層にパラジウムが全く含まれておらず、この
部分は無パラジウム層14を形成している。これによ
り、エンジンの排気ガス低温時においては、触媒活性が
十分に高められ、排気ガス浄化率が高められる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多孔性のモノリス
担体表面に触媒コート層が形成されたエンジンの排気ガ
ス浄化用触媒に関するものである。
【0002】
【従来の技術】コージェライト等の材料でつくられた多
孔性のモノリス担体表面に、排気ガス中の炭化水素(H
C)、一酸化炭素(CO)等の酸化を促進し、あるいは窒
素酸化物(NOx)の還元を促進する、貴金属系またはそ
の他の金属系の触媒物質(例えば、白金、ロジウム等で
あり、以下このような物質を単に触媒貴金属という)を
含む触媒コート層が形成された、エンジンの排気ガス浄
化用触媒は従来より知られている。
【0003】また、排気ガス浄化用触媒内の温度分布あ
るいはガス流速分布に応じて、部分的に触媒貴金属の分
布濃度を変えた排気ガス浄化装置が提案されている(特
開昭61−46252号公報参照)。
【0004】上記公報に開示された従来の排気ガス浄化
装置では、図9に示すように、排気通路101に介設さ
れた略円筒形のハウジング102内に、モノリス担体表
面に触媒貴金属を含む触媒コート層が形成された排気ガ
ス浄化用触媒103が配置され、この排気ガス浄化用触
媒103内において、排気入口側端部からやや下流の適
当な厚さの部分と、この部分より下流側の軸心部まわり
とでは、触媒貴金属の分布濃度が高められ、略T字形の
縦断面をもつ触媒貴金属高濃度部104が形成されてい
る。一方、この触媒貴金属高濃度部104以外の部分で
は、これより触媒貴金属の分布濃度が低くなっており、
これらの部分には触媒貴金属低濃度部105,106が
形成されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、図9に示す
従来の排気ガス浄化用触媒103では、エンジン冷機時
等、排気ガス温度が低いときには、触媒活性が低くなり
排気ガス浄化率が低下するといった問題がある。また、
一般に排気ガス浄化用触媒の軸心部まわりでは周辺部よ
り触媒温度が高くなるが、この従来の排気ガス浄化用触
媒103では、温度が高くなる軸心部まわりで触媒貴金
属の分布濃度が高くなっているので、軸心部がとくに高
温となり、この高温化によって触媒貴金属(とくに白金)
がシンタリング(熔着)をおこし、排気ガス浄化用触媒1
03が熱劣化するといった問題がある。
【0006】本発明は上記従来の問題点に鑑みてなされ
たものであって、エンジン冷機時等、排気ガス低温時に
おいて、触媒活性を十分に高めて排気ガス浄化率の向上
を図ることができるエンジンの排気ガス浄化用触媒を提
供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達するため
になされた本発明の第1の態様にかかる排気ガス浄化用
触媒は、多孔性のモノリス担体表面に、排気ガス浄化作
用を備えた触媒物質を含む触媒コート層が形成されてな
る、エンジンの排気ガス浄化用触媒において、触媒コー
ト層が、排気ガス入口側端部から出口側端部にかけて均
一に白金が担持されるとともに、排気ガス入口側端部近
傍にパラジウム系触媒物質が高濃度に分布されるよう形
成されていることを特徴とするものである。
【0008】本発明の第2の態様にかかる排気ガス浄化
用触媒は、第1の態様にかかる排気ガス浄化用触媒にお
いて、触媒コート層が、排気ガス入口側端部から出口側
端部にかけて均一に白金が担持された第1触媒コート層
と、排気ガス入口側端部近傍にパラジウム系触媒物質が
高濃度に分布された第2触媒コート層とから構成されて
いることを特徴とするものである。
【0009】本発明の第3の態様にかかる排気ガス浄化
用触媒は、第2の態様にかかる排気ガス浄化用触媒にお
いて、第1触媒コート層上に、第2触媒コート層がコー
トされていることを特徴とするものである。
【0010】本発明の第4の態様にかかる排気ガス浄化
用触媒は、第1の態様にかかる排気ガス浄化用触媒にお
いて、白金に代えて、ロジウムが用いられていることを
特徴とするものである。
【0011】本発明の第5態様にかかる排気ガス浄化用
触媒は、多孔性のモノリス担体表面に、排気ガス浄化作
用を備えた触媒物質を含む触媒コート層が形成されてな
る、エンジンの排気ガス浄化用触媒において、触媒コー
ト層が、排気ガス入口側端部から出口側端部にかけて白
金が担持されている第1コート層と、排気ガス入口側端
部近傍にパラジウム系触媒物質が高濃度に分布されてい
る第2コート層とから構成されていることを特徴とする
ものである。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を具体
的に説明する。図1に示すように、エンジン(図示せず)
の排気マニホールド1の下流側端部には排気通路2が接
続されている。そして、排気マニホールド1との接続部
のやや下流において、排気通路2には排気ガスを前処理
するための略円筒形のプリコンバータ3が介設され、こ
のプリコンバータ3内には略円柱形のデポジット触媒4
が配置されている。また、プリコンバータ3下流におい
て排気通路2には、排気ガス中の炭化水素(HC)、一酸
化炭素(CO)等を二酸化炭素と水にコンバートするとと
もに、窒素酸化物(NOx)を窒素にコンバートする略円
筒形のメインコンバータ5が介設され、このメインコン
バータ5内には、上流から順に、酸化・還元促進作用を
有する略円柱形の第1,第2排気ガス浄化用触媒6,7
と、酸化促進作用のみを有する略円柱形の酸化触媒8と
が配置されている。
【0013】図2に示すように、第1排気ガス浄化用触
媒6は、その軸線方向に伸長する多数の細孔9が形成さ
れた、ハニカム状のモノリス担体10の表面に、後で説
明するような方法で、アルミナを主成分とし白金系成分
(以下、単に白金という)とロジウム系成分(以下、単に
ロジウムという)とを触媒成分とする第1触媒コート層
11が形成され、この第1触媒コート層11の上にさら
に酸化セリウム(CeO)を主成分としパラジウム系成
分(以下、単にパラジウムという)を触媒成分とする第2
触媒コート層12が形成された、いわゆるモノリス担体
触媒である。
【0014】図3に示すように、第1排気ガス浄化用触
媒6の排気ガス入口側端部近傍において、端部から下流
側に向かって所定の位置までの部分では、第2触媒コー
ト層12(図2参照)にパラジウムが高濃度で分布させ
られており、この部分はパラジウム担持層13を形成し
ている。一方、パラジウム担持層13より下流側では、
第2触媒コート層12(図2参照)にパラジウムが全く
含まれておらず、この部分は無パラジウム層14を形成
している。なお、第2排気ガス浄化用触媒7(図1参照)
も第1排気ガス浄化用触媒6と同様の構成となってい
る。
【0015】以下、図4に示す工程図に従って、図1〜
図3を参照しつつ、第1排気ガス浄化用触媒6の製造方
法を説明する。 (1)工程P1…γ−アルミナ(γ−Al)540g
と、ベーマイト60gと、水1lとを混合した後、硝酸を
10ml加えて、第1触媒コート層11用のスラリーを調
製する。なお、上記比率を保って各材料使用量を増減す
ることにより、任意の量のスラリーをつくることができ
るのはもちろんである。 (2)工程P2…モノリス担体10を上記スラリーに浸
漬する。このモノリス担体10は、コージェライトで円
筒形につくられ、その直径は 25.4mm(1インチ)、
その軸線方向の長さは50.8mm(2インチ)となって
いる。また、モノリス担体10の軸線方向に伸長する細
孔9は、断面積6.46cm(1平方インチ)あたり
400個形成されている。
【0016】(3)工程P3…モノリス担体10をスラ
リー中から取り出し、これに対してエアブローを行ない
余分なスラリーを除去する。 (4)工程P4…エアブローされたモノリス担体10を
250℃で2時間乾燥する。 (5)工程P5…乾燥したモノリス担体10を、650
℃で2時間焼成し、モノリス担体10の表面に第1触媒
コート層11を形成する。なお、上記工程P2〜工程P
5において、第1触媒コート層11は、モノリス担体1
0に対して14%wtとなるように調整する。
【0017】(6)工程P6…適当な濃度の塩化白金溶
液と、適当な濃度の塩化ロジウム溶液とを調製する。 (7)工程P7…第1触媒コート層11が形成されたモ
ノリス担体10を順次塩化白金溶液と塩化ロジウム溶液
とに浸漬し、第1触媒コート層11に白金とロジウムと
を担持させる。ここにおいて、第1触媒コート層11の
白金とロジウムの担持量は、合わせて1.6g/lで、か
つ白金とロジウムの比率が5:1となるように、両溶液
の濃度と浸漬時間とを調整する。 (8)工程P8…白金とロジウムとが担持されたモノリ
ス担体10を乾燥する。
【0018】(9)工程P9…モノリス担体10を焼成
して白金とロジウムとを第1触媒コート層11に固定す
る。 (10)工程P10…モノリス担体10の第1触媒コー
ト層11の上に、さらに第2触媒コート層12を形成す
る。第2触媒コート層12の形成方法は、スラリーの成
分が異なるだけで、その他は第1触媒コート層11の形
成方法(工程P1〜工程P5)と同様であるので、詳しい
説明は省略する。なお、第2触媒コート層12用のスラ
リーは、酸化セリウム(CeO)540gと、ベーマイト
60gと、水1lとを混合し、これに硝酸を10ml加えて
調製する。上記比率を保って各材料使用量を増減するこ
とにより、任意の量のスラリーをつくることができるの
はもちろんである。この工程P10において、第2触媒
コート層12は、モノリス担体10に対して28%wtと
なるように調整する。
【0019】(11)工程P11…適当な濃度の塩化パ
ラジウム溶液を調製する。 (12)工程P12…含浸容器15(図5参照)内に、ス
ポンジ、布等の吸水性材料でつくられた吸水材16(図
5参照)を配置し、この吸水材16に塩化パラジウム溶
液を吸収させる。ここにおいて、吸水材16(図5参照)
は、モノリス担体10の端面と係合するような形状に形
成する。 (13)工程P13…図5に示すように、吸水材16の
上に、第1,第2触媒コート層11,12が形成されたモ
ノリス担体10を、排気ガス入口側端面が吸水材16の
上面と当接するようにして載せ、モノリス担体10を適
当な圧力で、適当な時間吸水材16側に向かって(下向
き)押圧し、モノリス担体10の排気ガス入口側端部の
第2触媒コート層12にパラジウムを担持させる。ここ
において、パラジウムが担持される部分、すなわちパラ
ジウム担持層13のモノリス担体軸線方向の厚みが5mm
となり、そのパラジウム担持量(パラジウム分布濃度)が
0.5g/lとなるように、塩化パラジウム溶液の濃度と
モノリス担体10に対する押圧力とを調整する。
【0020】このように、吸水材16を用いてモノリス
担体10にパラジウム担持層13を形成するようにして
いるが、この方法によれば、パラジウム担持層13のモ
ノリス担体軸線方向の厚さを所望の値に高精度で設定す
ることができ、かつ塩化パラジウム溶液のロス率を大幅
に低減することができる。また、吸水材16のモノリス
担体10との当接面の形状を変えることにより、モノリ
ス担体10の端面に任意の断面形状をもつパラジウム担
持層13を形成することができる。例えば、図6に示す
ように、排気ガス浄化用触媒18の端面の軸心部まわり
のみにパラジウム端面担持層19を形成することもでき
る。
【0021】従来は、このようなパラジウム担持層の形
成は、含浸容器に塩化パラジウム溶液を入れ、これにモ
ノリス担体を適当な深さまで溶液表面から下方に差し込
んで浸漬するか、あるいは、スプレーを用いてモノリス
担体の端面に塩化パラジウム溶液を吹き付けるといった
方法で行なわれていた。しかし、前者によれば端面の一
部のみにパラジウム担持層を形成することができず、か
つパラジウム担持層の厚さを調整するには塩化パラジウ
ム溶液の濃度を変えなければならないといった問題があ
る。
【0022】また、後者によれば、端面の一部のみにパ
ラジウム担持層を形成することができず、かつパラジウ
ム担持層の厚さの調整が困難であり、さらに塩化パラジ
ウム溶液のロス率が高くなるといった問題がある。 (14)工程P14…パラジウムが第2触媒コート層1
2に担持されたモノリス担体10を、250℃で2時間
乾燥する。 (15)工程P15…モノリス担体10を焼成してパラ
ジウムを第2触媒コート層12に固定する。
【0023】図7に、基本的には上記製造方法により、
ただしパラジウム担持層13のパラジウム担持量を0.
1〜1.0g/lの範囲で変え、かつパラジウム担持層1
3のモノリス担体軸線方向の厚さを2〜15mmの範囲で
変えて、種々の排気ガス浄化用触媒6をつくり、これら
の排気ガス浄化用触媒6の、炭化水素浄化率が50%と
なる温度(以下、これをHCライトオフ温度という)を測
定した結果を示す。ここにおいて、HCライトオフ温度
とは、触媒の低温活性性能をあらわす指標であり、HC
ライトオフ温度が低いほど、触媒の低温活性が高くな
る。なお、従来の方法で調製した排気ガス浄化用触媒の
HCライトオフ温度も示している。この従来の方法によ
る排気ガス浄化用触媒は、次のような方法で調製した。
【0024】第1触媒コート層は、図4の工程P1〜
工程P9と同様の方法で形成する。 次に、酸化セリウム(CeO)粉末に塩化パラジウム
水溶液を加えて混練し、乾燥させた後粉砕し、パラジウ
ムを担持(固定化)した酸化セリウム(CeO)粉末を調
製する。
【0025】上記のパラジウムを担持した酸化セリウ
ム粉末540gとベーマイト60gと水1lを混合し、これ
に硝酸10mlを加えてスラリーを調製する。 上記スラリーに第1触媒コート層が形成されたモノリ
ス担体を浸漬した後、乾燥・焼成し第2触媒コート層を
形成する。ここにおいて、第2触媒コート層は、モノリ
ス担体の28wt%に調整し、またパラジウム量は1.0g
/lに調整する。図7および図8において、この排気ガ
ス浄化触媒をPM異層コート(従来)として示した。
【0026】また、図8に、上記各排気ガス浄化用触媒
を900℃のエア中に50時間さらした後、HCライト
オフ温度を測定した結果を示す。図7と図8とから明ら
かなように、パラジウム担持量は、0.35g/l未満
では低温活性向上効果が低く、また1.0g/lを超え
ると低温活性向上効果が飽和するので、これを0.35
〜1.0g/lの範囲内で、より好ましくは0.5〜1.
0g/lの範囲内で適当な値にするのがよい。また、パ
ラジウム担持層厚さは、2mm未満では製造上その厚さを
高精度で調整することがむずかしく、また7mmを超える
と低温活性向上効果が低下するので、これを2〜7mmの
範囲内で、より好ましくは2〜5mmの範囲内で適当な値
に設定するのがよい。
【0027】ここで、本実施の形態との比較のため、基
本的には従来の方法でつくられた次の3種の触媒サンプ
ルについて、後で説明するような測定方法で低温活性と
浄化率とを実測した結果を表1に示す。 触媒サンプル1 図10に示すように、φ25.4mm×50mmの円柱形の
モノリス担体上に、アルミナをベースとするシングルコ
ートの触媒層が形成されている。この触媒層は触媒濃度
が比較的低いA層と触媒濃度が比較的高いB層とからな
り、A,B各層は、円柱形の担体の軸線方向にみて排気ガ
ス入口側から、A層(7mm)、B層(10mm)、A層(33m
m)の順に形成されている。A層及びB層の貴金属触媒組
成は次のとおりである。
【0028】<A層> Pt 0.25g/1178ml Pd 0.25g/1178ml Rh 0.05g/1178ml Pt/Pd/Rh=4.5/4.5/1.0 貴金属触媒含有量 0.46g/l <B層> Pt 0.5g/1178ml Pd 0.5g/1178ml Rh 0.1g/1178ml Pt/Pd/Rh=4.5/4.5/1.0 貴金属触媒含有量 0.92g/l
【0029】触媒サンプル2 図11に示すように、φ25.4mm×50mmの円柱形の
モノリス担体上に、アルミナをベースとするシングルコ
ートの触媒層が形成され、排気ガス入口側から順にB層
(7mm)とA層(43mm)とが形成されている。なお、A層
及びB層の貴金属触媒組成はサンプル1と同様である。
【0030】触媒サンプル3 図12と図13とに示すように、φ25.4mm×50mm
の円柱形のモノリス担体上に、アルミナをベースとする
第1層Cと酸化セリウムをベースとする第2層C,
とからなるダブルコートの触媒層が形成されてい
る。ここで、触媒層は、担体軸線方向にみて排気ガス入
口側端部から2mmまではC層とC層とからなり、こ
れより後側(排気ガス出口側)ではC層とC層とから
なる(48mm)。C層及びC層の貴金属触媒組成は次
のとおりである。なお、C層は、貴金属触媒成分を含
有していない。
【0031】<C層> Pt/Pd/Rh=4.5/4.5/1.0 貴金属触媒含有量 0.5g/l <C層> Pt/Rh=5.0/1.0 貴金属触媒含有量 0.9g/l ここにおいて、触媒の低温活性は、空燃比A/F=1
4.7における排気ガス中のHC、COまたはNOxを5
0%浄化することができる温度すなわちライトオフ温度
で評価した。ライトオフ温度が低いほど低温活性がよい
のはもちろんである。なお、上記測定は、各触媒サンプ
ルを900℃のエア中に50時間さらした後で行なっ
た。
【0032】
【表1】
【0033】また、排気ガスの浄化率は、排気ガスの流
入温度を400℃に固定したときの、HC、COまたは
NOxの減少率である。表1から明らかなように、基本
的には従来の方法でつくられたサンプル1〜3はいずれ
もライトオフ温度が高く、低温活性が悪いことがわか
る。また、排気ガスの浄化率も低い。
【0034】ここで、例えばHCのライトオフ温度は、
最も低い触媒サンプル3でも280℃であるが、図8に
示す本発明にかかる触媒では、HCのライトオフ温度は
最も高いものでも220℃であり、最も低いものでは約
200℃である。このような事実から、本発明にかかる
触媒の低温活性が非常に良好なことがわかるであろう。
また、サンプル2では、排気ガス入口側端部近傍に、触
媒濃度の高いB層(7mm)を形成しているが、低温活性の
向上効果はほとんど認められない。このことから、単に
排気ガス入口側で触媒濃度を高めるだけでは、低温活性
向上効果が実質的に得られないことがわかる。すなわ
ち、本発明にかかる触媒のように、排気ガス入口側端部
でパラジウム濃度だけを高めることによって、はじめて
良好な低温活性向上効果が得られるわけである。
【0035】また、サンプル3では、触媒層を本実施の
形態のようにダブルコートにしているが、低温活性向上
効果は非常に小さい。したがって、触媒層を単にダブル
コートにするだけでは、実質的に低温活性が良くなら
ず、排気ガス入口側端部にパラジウム濃度の高い領域を
形成し、かつダブルコートとすることによって良好な低
温活性向上効果が得られることがわかる。
【0036】なお、本実施の形態では、パラジウム担持
層13以外の部分(無パラジウム層14)にはパラジウム
が全く含まれていないが、第2触媒コート層12全体に
パラジウムを低濃度で分布させ、これに対して、排気ガ
ス入口側端部近傍にパラジウム担持層を高濃度に形成す
るようにしてもよい。また、2つの触媒コート層を設け
ず、酸化セリウム(CeO)を主成分とし、白金とロジ
ウムとを触媒成分とする1つの触媒コート層のみを設
け、排気ガス入口側端部近傍において、この触媒コート
層にパラジウムを担持させ、パラジウム担持層を形成す
るようにしてもよい。
【0037】
【発明の効果】本発明の第1〜第5の態様にかかる排気
ガス浄化用触媒によれば、いずれも、該排気ガス浄化用
触媒の排気ガス入口側端部近傍に、酸化反応に対する触
媒作用の高いパラジウム系触媒物質が高濃度に分布させ
られている。このため、パラジウム濃度が高い部分で
は、排気ガス中の炭化水素、一酸化炭素等が強く酸化さ
れ、この酸化反応によって多量の熱が発生する。このた
め、パラジウム濃度が高い部分では排気ガス温度が高め
られ、この高温の排気ガスが下流の排気ガス浄化用触媒
本体部に流れるので、これによって下流側の排気ガス浄
化用触媒本体部の温度が高められ、排気ガス浄化用触媒
全域の活性が高められる。したがって、その低温活性が
高められ、排気ガス浄化率の向上を図ることができる。
また、パラジウム濃度が高い部分では、触媒温度が高く
なるが、パラジウムは耐熱性に優れているので、シンタ
リングを起こさず、このため排気ガス浄化用触媒の熱劣
化を有効に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる排気ガス浄化用触媒を備えた、
エンジンの排気ガス浄化装置の縦断面を示す模式図であ
る。
【図2】 第1(第2)排気ガス浄化用触媒の横断面説明
図である。
【図3】 第1(第2)排気ガス浄化用触媒の縦断面説明
図である。
【図4】 第1(第2)排気ガス浄化用触媒の製造工程を
示す工程図である。
【図5】 含浸容器内に配置された、吸水材とモノリス
担体の縦断面説明図である。
【図6】 軸心部まわりのみにパラジウム担持層を形成
した排気ガス浄化用触媒の模式図である。
【図7】 本発明にかかる方法で製造された排気ガス浄
化用触媒と従来の方法で製造された排気ガス浄化用触媒
において、HCライトオフ温度のパラジウム担持層厚さ
と、パラジウム担持量とに対する特性を示す図である。
【図8】 図7に示す各排気ガス浄化用触媒を900℃
のエア中に50時間さらした後における、HCライトオ
フ温度の、パラジウム担持層厚さとパラジウム担持量と
に対する特性を示す図である。
【図9】 従来の排気ガス浄化用触媒の縦断面説明図で
ある。
【図10】 本発明にかかる触媒との性能の比較のため
につくられた従来の触媒サンプル1の模式図である。
【図11】 本発明にかかる触媒との性能の比較のため
につくられた従来の触媒サンプル2の模式図である。
【図12】本発明にかかる触媒との性能の比較のために
つくられた従来の触媒サンプル3の模式図である。
【図13】 図12に示す従来の触媒サンプル3の触媒
層の構成を示す模式図である。
【符号の説明】
1…排気マニホールド、2…排気通路、3…プリコンバ
ータ、5…メインコンバータ、6,7…第1〜第2排気
ガス浄化用触媒、9…細孔、10…モノリス担体、11
…第1触媒コート層、12…第2触媒コート層、13…
パラジウム担持層、14…無パラジウム層、15…含浸
容器、16…吸水材。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉野 康隆 東京都町田市成瀬台4丁目3700番地8 (72)発明者 井原 和則 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内 Fターム(参考) 3G091 AB01 BA02 BA25 FA01 FA04 FB02 FC04 GA06 GB06W GB07W 4D048 AA06 AA13 AA18 AB01 AB02 BA30X BA31X BA33X BB02 CC36 CC49 CC50 4G069 AA03 AA08 BA01B BA13B BC71A BC71B BC72A BC72B BC75A BC75B CA03 CA07 CA08 CA09 DA06 EA19 EE09 FA03 FB14 FB23

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多孔性のモノリス担体表面に、排気ガス
    浄化作用を備えた触媒物質を含む触媒コート層が形成さ
    れてなる、エンジンの排気ガス浄化用触媒において、 前記触媒コート層は、排気ガス入口側端部から出口側端
    部にかけて均一に白金が担持されるとともに、排気ガス
    入口側端部近傍にパラジウム系触媒物質が高濃度に分布
    されるよう形成されていることを特徴とするエンジンの
    排気ガス浄化用触媒。
  2. 【請求項2】 前記触媒コート層は、排気ガス入口側端
    部から出口側端部にかけて均一に白金が担持された第1
    触媒コート層と、排気ガス入口側端部近傍にパラジウム
    系触媒物質が高濃度に分布された第2触媒コート層とか
    ら構成されていることを特徴とする請求項1記載のエン
    ジンの排気ガス浄化用触媒。
  3. 【請求項3】 前記第1触媒コート層上に、前記第2触
    媒コート層がコートされていることを特徴とする請求項
    2記載のエンジンの排気ガス浄化用触媒。
  4. 【請求項4】 多孔性のモノリス担体表面に、排気ガス
    浄化作用を備えた触媒物質を含む触媒コート層が形成さ
    れてなる、エンジンの排気ガス浄化用触媒において、 前記触媒コート層は、排気ガス入口側端部から出口側端
    部にかけて均一にロジウムが担持されるとともに、排気
    ガス入口側端部近傍にパラジウム系触媒物質が高濃度に
    分布されるよう形成されていることを特徴とするエンジ
    ンの排気ガス浄化用触媒。
  5. 【請求項5】 多孔性のモノリス担体表面に、排気ガス
    浄化作用を備えた触媒物質を含む触媒コート層が形成さ
    れてなる、エンジンの排気ガス浄化用触媒において、 前記触媒コート層は、排気ガス入口側端部から出口側端
    部にかけて白金が担持されている第1コート層と、排気
    ガス入口側端部近傍にパラジウム系触媒物質が高濃度に
    分布されている第2コート層とから構成されていること
    を特徴とするエンジンの排気ガス浄化用触媒。
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