JP2002035578A - 色度除去用複合濾材 - Google Patents

色度除去用複合濾材

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JP2002035578A
JP2002035578A JP2000227603A JP2000227603A JP2002035578A JP 2002035578 A JP2002035578 A JP 2002035578A JP 2000227603 A JP2000227603 A JP 2000227603A JP 2000227603 A JP2000227603 A JP 2000227603A JP 2002035578 A JP2002035578 A JP 2002035578A
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Toshikazu Hiruma
敏和 比留間
Shiyouji Kagawa
詔士 香川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水道用原水用の濾材を、色度の主体であるフ
ミン類を効率よくかつ経済的に吸着除去することができ
るものとする。 【解決手段】 焼成されたサンゴ砂2の表面に活性炭3
を添着させて色度除去用複合濾材1とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水道用原水の濾材
に関し、詳しくは水道用原水の色度を除去する複合濾材
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】水道用原水で大きな問題となるのは、水
道水質の臭気と色度である。水道用原水に含まれる色度
成分の主体は、原水に溶存しているマンガン、鉄等の無
機物質や、植物等に由来する腐食酸を主体とする有機物
質であるフミン類等である。マンガン、鉄等の無機物質
は、マンガン砂への塩素接触酸化法により除去が行わ
れ、かなりの成果をあげている。従って、色度の一因で
ある無機物質に対する除去技術はほぼ確立されていると
いえる。
【0003】近年、河川水から水道原水中に溶存するフ
ミン類が、水道水の殺菌の際に添加される塩素と反応し
て発癌性の高いトリハロメタン等を生成することが大き
な環境問題となっている。また、フミン類の色度が、白
物衣類洗浄において着色の一因となるといった問題もあ
る。従って、フミン類を有効に除去することは、水道水
の安全性、信頼性の点からきわめて重要である。
【0004】色度除去法としては、従来より、色度除去
用濾材による接触酸化法、オゾン酸化分解法あるいは紫
外線分解法、活性炭除去法などが知られている。色度除
去用濾材による接触酸化法は、接触酸化の前段階で凝集
剤によりフロックを形成させてフミン類を除去し、多孔
性セラミックなどに酸化マンガンをコーティングした特
殊濾材に、オゾンや塩素等を供給しながら濾材表面で反
応を起こす除去法である。しかし、この方法では、分子
量の大きなフミン類は凝集剤で除去されるが、大半のフ
ミン類は接触酸化によっては除去されないため、フミン
類に起因する色度除去効果は小さい。
【0005】また、オゾン酸化分解法あるいは紫外線分
解法は、オゾン酸化あるいは紫外線によって色度の主体
を分解することで色度除去を図るものである。しかし、
これらの分解法は、単に高分子のフミン類を分解して低
分子化するにすぎず、低分子化されたフミン類に起因す
る有機物は以前として溶存するため、活性炭等の後処理
が必要となる。また、オゾン酸化分解法あるいは紫外線
分解法を行うためには、初期の設備投資が膨大である
上、水道用原水にこれらの方法を用いるとなると、かな
りの巨大設備となるため、相当のスペースも必要となっ
てくる。さらに、運転中の消費電力や設備の維持管理な
どのコストも相当な額に上ることになり、公共料金のひ
とつである水道料金を大幅に値上げすることができない
以上、このようなコスト高な方法を水道用原水の色度除
去法として規模の小さな浄水場等へ導入することは現実
的には不可能である。
【0006】一方、活性炭除去法は、水処理の初期段階
においてかなりの効果が認められている。しかし、フミ
ン類は高分子で比較的分子サイズが大きいために、活性
炭の細孔に吸着されず、活性炭の表面のみで吸着が行わ
れるため、吸着性能がすぐに低下してしまいフミン類の
ブレイクスルーが起こるようになる。このため、頻繁に
活性炭の入れ替えが必要であり、除去効率がかなり悪
く、結果的にコスト高に繋がるため、大規模浄水場を中
心とした処理量が多く、一件当たりの負担が小さい限ら
れた方法でしか採用されていないのが実状である。
【0007】特開平10−297912号には、吸着効
率を高めた活性炭除去法として、フミン質の分子サイズ
に細孔径分布の極大値を調整して製造した活性炭によっ
てフミン質を吸着除去できることが記載されている。し
かし、活性炭の細孔径分布を調整するためには製造過程
において遷移金属を使用する必要があるため濾材はコス
トの高いものとなり、また、このような細孔分布を有す
る活性炭を大規模に製造することは現実的には困難であ
る。
【0008】従って、フミン類の除去技術は実用性を考
えると、未だ確立していないのが現状である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事情に鑑
みなされたものであり、臭気、色度の主体であるフミン
類を簡単かつ効率よく除去することができ、しかも水道
用原水の濾材として経済的かつ容易に製造することが可
能な複合濾材を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の色度除去用複合
濾材は、焼成されたサンゴ砂と該サンゴ砂の表面に添着
させた活性炭とを備えてなることを特徴とするものであ
る。
【0011】サンゴ砂の表面とは、サンゴ砂のすべての
表面を意味し、表面にある細孔の内部をも含むサンゴ砂
の表面を意味する。前記活性炭の粒子径は、0.05μ
m以上であることが好ましい。
【0012】前記サンゴ砂に対し前記活性炭を10重量
%〜50重量%添着させたものであることが好ましく、
15重量%〜25重量%添着させたものであることがよ
り好ましい。
【0013】前記焼成は、前記サンゴ砂がカルサイト化
する温度で行われたものであることが好ましい。カルサ
イトとは、サンゴ砂の主成分である炭酸カルシウムの結
晶形態であって、カルサイト化する温度とは、サンゴ砂
の結晶形態が焼成前のアラゴナイトからカルサイトに変
化する温度を意味する。この焼成温度は200℃〜80
0℃であることが好ましく、300℃〜700℃である
ことがより好ましく、さらには400℃〜600℃であ
ることが好ましい。
【0014】サンゴ砂の焼成は非酸化性雰囲気下で行わ
れたものであることが好ましい。非酸化性雰囲気下と
は、サンゴ砂を酸化するような酸素などを含まない雰囲
気下であることを意味する。
【0015】前記活性炭は、バガス活性炭であることが
好ましい。バガス活性炭とは、植物系のバガスを原料と
した活性炭である。
【0016】前記活性炭は、有機溶剤に含ませたバイン
ダーにより添着させたものであることが好ましい。
【0017】
【発明の効果】フミン類は、微生物により分解された植
物等の雑多な有機化合物からなる高分子化合物であり、
フルボ酸、ヒマトメラミン酸、フミン酸等が含まれ、フ
ルボ酸は数百程度の分子量、ヒマトメラミン酸は700
〜1000程度の分子量を有し、フミン酸はこれ以上大
きい分子量を有しており、フミン類としての分子量分布
は数百から数十万の範囲となる。活性炭の細孔は、一般
に20Å〜30Åの細孔が50%以上を占めているた
め、分子量の小さなフルボ酸の吸着除去にはある程度有
効であるが、分子量の大きなフミン酸の吸着除去は、活
性炭の表面のみで吸着が行われるために吸着性能が容易
に低下し効果が低い。一方、サンゴ砂は細孔径が0.0
5μm以上のマクロ孔が60%以上を占めているため、
分子量の大きなフミン酸の吸着除去には有効であるが、
分子量の小さなフルボ酸の吸着除去には効果が低い。
【0018】本発明の色度除去用複合濾材は、焼成され
たサンゴ砂とこのサンゴ砂の表面に添着させた活性炭と
を備えてなるため、色度成分の主体であるフミン類を効
果的に吸着除去することができ、また、サンゴ砂および
活性炭はともに原料価格が安いため、安価な濾材を提供
することが可能となる。
【0019】すなわち、サンゴ砂とこのサンゴ砂の表面
に添着させた活性炭により、本発明の色度除去用複合濾
材は、サンゴ砂が有するマクロ孔(500Å以上)、サ
ンゴ砂の孔内に入り込んだ活性炭によって形成されるマ
クロ孔やメソ孔(20Å〜500Å)、活性炭同士が作
るメソ孔、活性炭が有するミクロ孔(20Å未満)とい
ったさまざまな大きさの細孔を有することになり、分子
量分布の広いフミン類を効果的に吸着することができ
る。なお、サンゴ砂に対し活性炭を10重量%〜50重
量%添着させることにより、フミン類をより効果的に除
去することが可能な細孔分布とすることができる。
【0020】また、サンゴ砂のみの濾材では原水の臭気
除去に対する効果はないが、活性炭は臭気成分の除去効
果も有するため、本発明の色度除去用複合濾材は、色度
除去とともに臭気除去にも効果を有する。
【0021】さらに、本発明の色度除去用複合濾材は、
焼成したサンゴ砂を用いているため、サンゴ砂の細孔内
に付着している有機物が除去されて細孔が拡張、浄化さ
れるため、焼成していないサンゴ砂(生サンゴ砂)に比
較して格段に色度除去効率を高くすることができる。
【0022】また、サンゴ砂はその成分の主体が炭酸カ
ルシウムであり、焼成前の結晶形態は水に可溶性のアラ
ゴナイトである。このアラゴナイトの状態のサンゴ砂を
濾材として用いると、カルシウムが水に溶解して処理水
に不純物が混じり、また処理水がアルカリとなるため、
これを中和する必要も生じてくる。しかし、本発明のサ
ンゴ砂は焼成された状態のものを使用するため、カルシ
ウムが水に溶解することがほとんどないため、中和等の
後処理を行う必要がない。なお、サンゴ砂の焼成温度を
200℃〜800℃とすることにより、サンゴ砂の結晶
状態をより完全にカルサイトの状態とすることができ
る。さらに、その焼成を非酸化性雰囲気下で行うことに
より、サンゴ砂の細孔を崩すことなくサンゴ砂をカルサ
イト化することができる。
【0023】また、活性炭の粒子径を0.05μm以上
とすることにより、500Å未満のサンゴ砂の細孔には
活性炭を添着させず、サンゴ砂にマクロ孔を残すことが
できるので、色度除去用複合濾材の細孔分布をフミン類
を効果的に除去できるものとすることができる。
【0024】また、バガス活性炭は通常の活性炭に比べ
て細孔構造において数Å〜20Åのミクロ孔と50Å〜
100Åのメソ孔が明確に分離できる二元細孔活性炭で
あるため、活性炭にこのバガス活性炭を用いることによ
り、さらにフミン類を効果的に吸着除去することができ
る。
【0025】なお、サンゴ砂に活性炭を添着させる際
に、活性炭を有機溶剤に含ませたバインダーにより添着
させれば、より簡単かつ安価にサンゴ砂に活性炭を添着
することができる。
【0026】さらに、本発明の色度除去用複合濾材によ
り水道用原水を処理することにより色度の主体であるフ
ミン類を効果的に吸着除去できるので、白物衣料の洗浄
の際の染色を防ぐことができ、クリーニング業界のPR
TR制度導入対策の一助とすることができる。
【0027】
【発明の実施の形態】本発明の色度除去用複合濾材につ
いて、図面を用いてさらに詳細に説明する。図1は本発
明の色度除去用複合濾材の拡大模式図である。本発明の
色度除去用複合濾材1は、焼成されたサンゴ砂2とサン
ゴ砂2の表面に添着させた0.05μm以上の粒子径を
有する活性炭3とを備えてなるものである。サンゴ砂の
表面には多数の細孔4,5が存在しており、活性炭3の
径よりも小さい細孔5には活性炭3は添着せず、活性炭
3の径よりも大きな細孔4には活性炭3が添着する。こ
の結果、本発明の色度除去用複合濾材1には、活性炭そ
のものの細孔、添着した活性炭同士により形成される細
孔、活性炭とサンゴ砂との間に形成される細孔、サンゴ
砂のマクロ孔に添着した活性炭が形成する細孔、活性炭
が添着していないサンゴ砂の細孔および細孔内にある障
壁等により仕切られたさらに小さな細孔など、多様な大
きさの細孔が存在することになり、結果的に複合濾材1
の細孔分布は数Å〜500Å程度の広い分布となる。
【0028】サンゴ砂と活性炭の複合割合を如何に調整
するかによって、色度除去用複合濾材の細孔分布は異な
り、色度除去能も微妙に変化するため、サンゴ砂と活性
炭をどのような複合割合とするかは重要である。しか
し、用いる活性炭の種類・粒径、サンゴ砂の産地、サン
ゴ砂そのものの粒径等によってサンゴ砂、活性炭それぞ
れが有する細孔は異なり、また濾過する原水の状態、た
とえばフミン類の分子量分布や鉄、マンガンといった無
機物質の含有量などによって色度除去用複合濾材として
必要な細孔分布は異なるため、サンゴ砂と活性炭の割合
は一概には言えないが、サンゴ砂に対して10重量%〜
50重量%であることが好ましく、15重量%〜25重
量%であることがより好ましい。
【0029】表1は、粉末活性炭のみ、フィリピン産の
サンゴ砂のみ、フィリピン産のサンゴ砂と粉末活性炭と
の複合濾材(サンゴ砂に対して活性炭25重量%)の3
種類の場合の細孔分布を示したものである。
【0030】
【表1】 表1から明らかなように、活性炭のみでは細孔の60%
がメソ孔であり、マクロ孔は10%である。一方、サン
ゴ砂のみでは74%がマクロ孔であり、メソ孔は25%
である。従って、活性炭のみでは、分子量の小さなフミ
ン類の吸着除去には有効であるが、分子量の大きなフミ
ン類の吸着除去には効果が低く、サンゴ砂のみでは、分
子量の大きなフミン類の吸着除去には有効であるが、分
子量の小さなフミン類の吸着除去には効果が低い。
【0031】しかし、本発明のサンゴ砂と活性炭の複合
濾材の場合は、マクロ孔が50%、メソ孔が35%、ミ
クロ孔が15%という細孔分布となり、フルボ酸、ヒマ
トメラミン酸、フミン酸等といった分子量の異なるフミ
ン類を効果的に除去することができる。なお、表1はサ
ンゴ砂に対して活性炭25重量%の複合濾材の細孔分布
を示したものであるが、サンゴ砂と活性炭の割合を適宜
変更するだけで細孔分布を調整することができる。従っ
て、例えば地域によって原水のフミン類の分子量分布が
異なる場合であってもこの複合割合を適宜変更すること
により、簡単に所望の細孔分布を有する色度除去用複合
濾材を得ることができる。
【0032】サンゴ砂の産地は特に限定されるものでは
ないが、上記のフィリピン産の他、パラオ産、北海産な
どを好ましく用いることができる。サンゴ砂の焼成前の
粒径は0.1mm〜5mmに調整することが好ましく、
0.5mm〜2mmに調整することがより好ましく、さ
らには1mm〜1.7mmに調整することが好ましい。
【0033】活性炭は、従来から広く知られているヤシ
殻、石炭、木材等を原料とする炭素材を水蒸気存在下あ
るいは、塩化亜鉛、水酸化カリウム等の存在下に賦活処
理することによって製造される一般的な活性炭を用いる
ことができるが、木材系活性炭、バガス活性炭などの植
物系原料から製造した活性炭を用いることが好ましく、
バガス活性炭を用いることがより好ましい。バガス活性
炭は、細孔構造が一般の活性炭と異なり、明確な二元細
孔、すなわち数Å〜20Åのミクロ孔と50Å〜100
Åのメソ孔が明確に分離できる二元細孔活性炭であるた
め、フミン類の吸着除去効率をより向上させることがで
きる。
【0034】図2はサンゴ砂10gをフミン酸色度溶液
100mlに入れた場合におけるサンゴ砂の焼成処理温
度と色度除去能力の関係を示したグラフであり、縦軸は
色度、横軸はサンゴ砂を原水に浸漬した時間である。な
お、ここではサンゴ砂の焼成温度と色度除去能力の関係
をより明確にするため活性炭を添着させていないサンゴ
砂を用いている。グラフから明らかなように、生サンゴ
砂の場合には色度除去効率が悪く、600℃〜800℃
で焼成されたサンゴ砂は極めて色度除去効果が高いこと
がわかる。生サンゴ砂の状態の場合には、細孔に有機物
等が付着した状態であるため吸着効果が低いと考えられ
る。なお、800℃よりも高い温度で焼成処理を行って
も色度除去効果はあまり変化しないため、焼成を800
℃よりも高い温度で行うことはあまり意味がないと考え
られる。焼成時間は、焼成温度によっても異なるが10
分〜180分程度であることが好ましい。
【0035】表2はフィリピン産のサンゴ砂を焼成した
際の焼成温度とサンゴ砂の結晶状態の関係を示したもの
である。
【0036】
【表2】 表2から明らかなように、焼成を行わない生サンゴ砂の
場合には、水に可溶性のアラゴナイトが83重量%、水
に難溶性のカルサイトが17重量%であるが、300℃
以上の温度で焼成を行った場合には、難溶性のカルサイ
トが100重量%となることがわかる。
【0037】従って、図2および表2よりサンゴ砂の焼
成温度は、サンゴ砂の産地や粒径にもよるが、200℃
〜800℃であることが好ましく、300℃〜700℃
であることがより好ましく、さらには400℃〜600
℃であることが好ましい。
【0038】なお、サンゴ砂の焼成は、サンゴ砂の細孔
が崩れないよう非酸化性雰囲気下で行われることが好ま
しい。上述したように非酸化性雰囲気下とは、サンゴ砂
を酸化するような酸素などを含まない雰囲気下であるこ
とを意味し、具体的には窒素、ヘリウム、アルゴン等の
不活性ガス雰囲気下であることが好ましく、特に窒素雰
囲気下であることがより好ましい。
【0039】サンゴ砂への活性炭の添着は、容易かつ効
果的に行えるため有機溶剤に含ませたバインダーにより
添着することが好ましい、有機溶剤としては、揮発性で
バインダーを分散または溶解できるものであり、特に限
定されるものではなく、たとえば、キシレン、トルエ
ン、ベンゼン、アセトン等を好ましく用いることができ
る。なお、極端に沸点が高いものでなければ、揮発性溶
剤に限られるものではない。
【0040】バインダーは活性炭をサンゴ砂に添着する
接着剤のような働きをするものであり、たとえばピッ
チ、タール、多糖類、デンプン等を好ましく用いること
ができる。
【0041】次に、本発明の色度除去用複合濾材の好ま
しい製造方法の一態様について簡単に説明する。粒径を
0.3mm〜1.4mmに調整したサンゴ砂を、窒素雰
囲気下において400℃から800℃の温度で30分〜
120分焼成し、空気を遮断した状態で室温まで冷却す
る。キシレンにバインダーとしてピッチまたはタールを
入れ(バインダーはキシレンに対して10重量%〜20
重量%の割合)、バインダーが完全に溶解するまで攪拌
する。バインダーが溶解したキシレンに、サンゴ砂に対
して10重量%〜50重量%の粉末活性炭を入れてさら
に攪拌する。ここに、サンゴ砂を入れてさらに均一に攪
拌する。
【0042】攪拌終了後、目開き0.2mm程度の金網
でサンゴ砂を濾過し、キシレンを蒸発させて、活性炭が
添着したサンゴ砂を得る。活性炭をサンゴ砂に完全に添
着させバインダーの溶出を防止するため、再び空気を遮
断した状態において600℃でサンゴ砂を焼成する。最
後にサンゴ砂および活性炭の細孔の形状を維持しつつ、
吸着性をあげるために水蒸気賦活または薬剤により賦活
を行う。
【0043】このような極めて簡単な方法により数Å〜
500Å程度の細孔分布を有する色度除去用複合濾材を
製造することができ、また大量製造することも容易であ
る。さらに、サンゴ砂、活性炭を始め、添着に用いるバ
インダーや溶剤は安価であるため、本発明の色度除去用
複合濾材は安価に製造することができる。
【0044】以上のように、本発明の色度除去用複合濾
材は、焼成されたサンゴ砂とこのサンゴ砂の表面に添着
させた活性炭とを備えてなるため、色度成分の主体であ
るフミン類を効果的に吸着除去することができる。
【0045】なお、活性炭と同様に本発明の色度除去用
複合濾材は、再度焼成賦活することによってリサイクル
使用することができるため、環境に優しく、また濾材に
かかる経済的負担をさらに小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の色度除去用複合濾材の拡大模式図
【図2】サンゴ砂の焼成処理温度と色度除去能力との関
係を示したグラフ
【符号の説明】
1 色度除去用複合濾材 2 サンゴ砂 3 活性炭 4 細孔 5 細孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4D024 AA02 AB04 AB05 BA01 BA02 BB01 BB06 BB08 DA07 4G066 AA05A AA05B AA10D AA14D AA17B AA43B AA66A AC01D AC06D AC07A BA09 BA20 BA23 BA31 CA01 CA02 CA10 DA07 FA03 FA12 FA18 FA22 FA28 FA34 FA37 FA40 GA01

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 焼成されたサンゴ砂と該サンゴ砂の表面
    に添着させた活性炭とを備えてなることを特徴とする色
    度除去用複合濾材。
  2. 【請求項2】 前記活性炭の粒子径が0.05μm以上
    であることを特徴とする請求項1記載の色度除去用複合
    濾材。
  3. 【請求項3】 前記サンゴ砂に対し前記活性炭を10重
    量%〜50重量%添着させたものであることを特徴とす
    る請求項1または2記載の色度除去用複合濾材。
  4. 【請求項4】 前記焼成が、前記サンゴ砂がカルサイト
    化する温度で行われたものであることを特徴とする請求
    項1、2または3項記載の色度除去用複合濾材。
  5. 【請求項5】 前記温度が200℃〜800℃であるこ
    とを特徴とする請求項4記載の色度除去用複合濾材。
  6. 【請求項6】 前記焼成が非酸化性雰囲気下で行われた
    ものであることを特徴とする請求項1から5いずれか1
    項記載の色度除去用複合濾材。
  7. 【請求項7】 前記活性炭がバガス活性炭であることを
    特徴とする請求項1から6いずれか1項記載の色度除去
    用複合濾材。
  8. 【請求項8】 前記活性炭が有機溶剤に含ませたバイン
    ダーにより添着させたものであることを特徴とする請求
    項1から7いずれか1項記載の色度除去用複合濾材。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006151705A (ja) * 2004-11-25 2006-06-15 Kanto Natural Gas Development Co Ltd フルボ酸含有物およびフルボ酸含有物の製造方法
WO2010109838A1 (ja) * 2009-03-24 2010-09-30 株式会社アサカ理研 水処理方法及び水処理システム
US11472719B2 (en) * 2019-08-07 2022-10-18 Derek FRENCH Coated granular water filtration media

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