JP2002035532A - 中空糸膜式エアドライヤのパージエア制御機構 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 乾燥エアが出力されるときだけ、パージエア
が大気に放出されるようにすることにより、エアの消費
量を低減してエネルギー効率を向上させる。 【解決手段】 中空糸膜構造のエアドライヤをハウジン
グ内に配置して、エアドライヤの外周とハウジングとの
間にパージチャンバを形成し、エアドライヤの中空部を
通ってパージチャンバ内へ逆流してきたパージエアを大
気放出することにより、エアドライヤの糸膜への水分浸
透を行う中空糸膜式エアドライヤにおいて、エアドライ
ヤとハウジング３の乾燥エア出口２との間に、エアドラ
イヤの中空部を通ってきたエアの圧力により開放して一
部のエアをパージチャンバ５内へ逆流させるパージエア
制御弁１０を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、中空糸膜式エアド
ライヤに関する。詳しくは、エアドライヤの糸膜への水
分浸透を行うためのパージエア、つまりエアドライヤの
中空部を通ってエアドライヤの周囲のパージチャンバ内
へ逆流するパージエアの流れを制御するパージエア制御
機構に関する。

【０００２】

【従来の技術】図１に、従来のこの種の中空糸膜式エア
ドライヤの概要構成を示す。従来の中空糸膜式エアドラ
イヤは、湿気エア入口１と乾燥エア出口２を有するハウ
ジング３内の中央に、中空糸膜構造のエアドライヤ４を
配置して、エアドライヤ４の外周とハウジング３との間
にパージチャンバ５を形成する。そして、エアドライヤ
４の中空部４ａを通ってきた一部のエアを、ハウジング
３内の逆流孔６を通じてパージチャンバ５内に逆流さ
せ、このパージエアをハウジング３の大気開放孔７から
大気放出することにより、エアドライヤ４の糸膜への水
分浸透を行うだけの構造であった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、このような構
造では、パージエアが常時大気に放出されるため、エア
消費が多く、エネルギー効率が悪かった。

【０００４】特開平７−２３２０２４号公報に記載され
たエアドライヤでは、エアドライヤの中空部を通ってき
たエアをパージチャンバ内に逆流させるにあたり、絞り
弁で流量調整しているが、これでも、パージエアが常時
大気に放出されることには変わりはない。

【０００５】本発明の目的は、乾燥エアが出力されると
きだけ、パージエアが大気に放出されるようにすること
により、エアの消費量を低減してエネルギー効率を向上
させることにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は、中空糸膜構造
のエアドライヤをハウジング内に配置して、エアドライ
ヤの外周とハウジングとの間にパージチャンバを形成
し、エアドライヤの中空部を通ってパージチャンバ内へ
逆流してきたパージエアを大気放出することにより、エ
アドライヤの糸膜への水分浸透を行う中空糸膜式エアド
ライヤにおいて、エアドライヤとハウジングの乾燥エア
出口との間に、エアドライヤの中空部を通ってきたエア
の圧力により開放して一部のエアをパージチャンバ内へ
逆流させるパージエア制御弁を設けたことを特徴とす
る。

【０００７】パージエア制御弁に、パージチャンバへ逆
流するエアの流量を調整する絞り弁部を備えれば、パー
ジエア制御弁が開いたときにパージエアの流量を調整す
ることができる。

【０００８】

【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。

【０００９】本発明は、図１に示したような構成を中空
糸膜式エアドライヤの基本構造とすると、このような基
本構造の中空糸膜式エアドライヤにおいて、図２によう
な構造を付加したものである。

【００１０】すなわち、ハウジング３の乾燥エア出口２
へ通ずる通路８の途中に、弁室９を形成し、ここにパー
ジエア制御弁１０を設けたもので、図１においてエアド
ライヤ４の中空部４ａを通ってきたエアは、更にこの弁
室９を矢印Ａ方向に流れて乾燥エアとして乾燥エア出口
２から排出される。このパージエア制御弁１０は、ポペ
ット弁体１１を、スプリング１２にて矢印Ａ方向とは逆
方向に付勢して、ポペット弁体１１の環状突部１１ａが
弁座１３に圧接すると同時に、図１におけるパージチャ
ンバ５へ通ずるパージエア通路１４の弁座１５に、ポペ
ット弁体１１の中央部が圧接するようになっている。

【００１１】従って、エアドライヤ４の中空部４ａを通
って乾燥エア出口２へ向かうエアが、スプリング１２に
抗してポペット弁体１１を押動するに充分でないとき
は、つまり弁座１３が開いて乾燥エア出口２からエアが
排出されないときは、パージエア通路１４の弁座１５も
閉じたままであるため、パージチャンバ５へエアは流れ
ず、パージエアの大気放出は生じない。

【００１２】ところが、エアドライヤ４の中空部４ａを
通って乾燥エア出口２へ向かうエアが、スプリング１２
に抗してポペット弁体１１を押動して弁座１３を開き、
乾燥エアが乾燥エア出口２から排出されると、パージエ
ア通路１４の弁座１５も開くため、エアドライヤ４の中
空部４ａを通ってきた一部のエアが、パージエア通路１
４からパージチャンバ５へ流入し、大気開放孔７から大
気に放出される。

【００１３】よって、乾燥エアが乾燥エア出口２から排
出されるときのみ、パージエアが大気へ放出されるた
め、不要なパージエアの放出を防止できる。

【００１４】図３は本発明の変形例で、ポペット弁体１
１の中央部に円錐形の絞り弁部１６を突設し、パージエ
ア通路１４の弁座１５を通ってパージチャンバ５へ流れ
るパージエアの流量を絞り弁部１６で調整できるように
したものである。

【００１５】

【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、乾燥
エアが乾燥エア出口から排出されるときのみ、パージエ
アが大気へ放出されるため、不要なパージエアの放出を
防止でき、エアの消費量を低減してエネルギー効率の向
上が図れる。

【００１６】請求項２に係る発明によれば、パージエア
の流量を調整することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】中空糸膜式エアドライヤの基本構成を示す断面
図である。

【図２】本発明の要部を示す断面図である。

【図３】同じく変形例の断面図である。

【符号の説明】

１ 湿気エア入口 ２ 乾燥エア出口 ３ ハウジング ４ エアドライヤ ４ａ 中空部 ５ パージチャンバ ６ 逆流孔 ７ 大気開放孔 ８ 通路 ９ 弁室 １０ パージエア制御弁 １１ ポペット弁体 １１ａ 環状突部 １２ スプリング １３ 弁座 １４ パージエア通路 １５ 弁座 １６ 絞り弁部

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】中空糸膜構造のエアドライヤをハウジング
   内に配置して、エアドライヤの外周とハウジングとの間
   にパージチャンバを形成し、エアドライヤの中空部を通
   ってパージチャンバ内へ逆流してきたパージエアを大気
   放出することにより、エアドライヤの糸膜への水分浸透
   を行う中空糸膜式エアドライヤにおいて、前記エアドラ
   イヤと前記ハウジングの乾燥エア出口との間に、エアド
   ライヤの中空部を通ってきたエアの圧力により開放して
   一部のエアを前記パージチャンバ内へ逆流させるパージ
   エア制御弁を設けたことを特徴とする、中空糸膜式エア
   ドライヤのパージエア制御機構。
2. 【請求項２】パージエア制御弁に、パージチャンバへ逆
   流するエアの流量を調整する絞り弁部を備えたことを特
   徴とする請求項１に記載の、中空糸膜式エアドライヤの
   パージエア制御機構。