JP2002035245A - 遊技機 - Google Patents

遊技機

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JP2002035245A
JP2002035245A JP2000229903A JP2000229903A JP2002035245A JP 2002035245 A JP2002035245 A JP 2002035245A JP 2000229903 A JP2000229903 A JP 2000229903A JP 2000229903 A JP2000229903 A JP 2000229903A JP 2002035245 A JP2002035245 A JP 2002035245A
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Japan
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power supply
signal
game
control
gaming machine
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JP2000229903A
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English (en)
Inventor
Shohachi Ugawa
詔八 鵜川
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Sankyo Co Ltd
Original Assignee
Sankyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電源断が発生による遊技者の不利益を防止す
るとともに、遊技店での遊技機運用上の利便性を向上さ
せる。 【解決手段】 クリアスイッチからのクリアスイッチ信
号の入力に応じてリレースイッチ972がオフしてクリ
ア信号がCPU56に入力される。このような構成にお
いて、電源の供給が再開されたときにクリア信号の入力
状態を確認する。そして、クリア信号が入力されていれ
ばバックアップRAMに記憶されている変動データにも
とづく遊技状態の復旧を行わない。従って、クリアスイ
ッチの操作によって遊技状態を復旧するか否かを選択す
ることができるため、遊技者の不利益を防止し、遊技店
での遊技機運用上の利便性を向上させることができる。
このような構成を複数の遊技機に備えるようにすれば、
クリアスイッチの操作により各遊技機の遊技状態を復旧
するか否かをまとめて選択することが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、遊技者の操作に応
じて遊技が行われるパチンコ遊技機やコイン遊技機等の
遊技機に関し、特に、遊技盤における遊技領域において
遊技者の操作に応じて遊技が行われる遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】遊技機として、遊技球などの遊技媒体を
発射装置によって遊技領域に発射し、遊技領域に設けら
れている入賞口などの入賞領域に遊技媒体が入賞する
と、所定個の賞球が遊技者に払い出されるものがある。
さらに、表示状態が変化可能な可変表示部が設けられ、
可変表示部の表示結果があらかじめ定められた特定の表
示態様となった場合に所定の遊技価値を遊技者に与える
ように構成されたものがある。
【0003】特別図柄を表示する可変表示部の表示結果
があらかじめ定められた特定の表示態様の組合せとなる
ことを、通常、「大当り」という。なお、遊技価値と
は、遊技機の遊技領域に設けられた可変入賞球装置の状
態が打球が入賞しやすい遊技者にとって有利な状態にな
ることや、遊技者にとって有利な状態となるための権利
を発生させたりすることである。
【0004】大当りが発生すると、例えば、大入賞口が
所定回数開放して打球が入賞しやすい大当り遊技状態に
移行する。そして、各開放期間において、所定個(例え
ば10個)の大入賞口への入賞があると大入賞口は閉成
する。そして、大入賞口の開放回数は、所定回数(例え
ば16ラウンド)に固定されている。なお、各開放につ
いて開放時間(例えば29.5秒)が決められ、入賞数
が所定個に達しなくても開放時間が経過すると大入賞口
は閉成する。また、大入賞口が閉成した時点で所定の条
件(例えば、大入賞口内に設けられているVゾーンへの
入賞)が成立していない場合には、大当り遊技状態は終
了する。
【0005】また、「大当り」の組合せ以外の表示態様
の組合せのうち、複数の可変表示部の表示結果のうちの
一部が未だに導出表示されていない段階において、既に
表示結果が導出表示されている可変表示部の表示態様が
特定の表示態様の組合せとなる表示条件を満たしている
状態を「リーチ」という。そして、可変表示部に可変表
示される識別情報の表示結果が「リーチ」となる条件を
満たさない場合には「はずれ」となり、可変表示状態は
終了する。遊技者は、大当りをいかにして発生させるか
を楽しみつつ遊技を行う。
【0006】そして、遊技球が遊技盤に設けられている
入賞口に遊技球が入賞すると、あらかじめ決められてい
る個数の賞球払出が行われる。遊技の進行は主基板に搭
載された遊技制御手段によって制御されるので、入賞に
もとづく賞球個数は、遊技制御手段によって決定され、
賞球制御基板に送信される。なお、以下、遊技制御手段
およびその他の制御手段を、それぞれ電気部品制御手段
と呼ぶことがある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、遊技機
には、遊技制御手段を初めとする種々の電気部品制御手
段が搭載されている。一般に、各電気部品制御手段はマ
イクロコンピュータで構成される。すなわち、ROM等
にプログラムが格納され、制御上一時的に発生するデー
タや制御進行に伴って変化するデータがRAMに格納さ
れる。すると、遊技機に停電等による電源断状態が発生
すると、RAM内のデータは失われてしまう。よって、
停電等からの復旧時には、最初の状態(例えば、遊技店
においてその日最初に遊技機に電源投入されたときの状
態)に戻さざるを得ないので、遊技者に不利益がもたら
される可能性がある。例えば、大当たり遊技中において
電源断が発生し遊技機が最初の状態に戻ってしまうので
は、遊技者は大当たりの発生にもとづく利益を享受する
ことができなくなってしまう。
【0008】そのような事態を回避するには、停電等の
不測の電源断が生じたときや遊技店員等の操作によって
電源が断たれたときに、必要なデータを電源バックアッ
プRAMに保存し、電源が復旧したときに保存されてい
たデータを復元して遊技を再開させればよい。しかし、
そのような制御を行うと、遊技機が設置されている遊技
店の利便性が損なわれる場合がある。例えば、遊技店の
営業が終了した後の次の営業開始時における最初の遊技
者が、前回の営業終了時における遊技途中の状態から遊
技を開始できることになる。従って、営業開始時には遊
技状態を前回の営業終了時の状態に復旧させることは好
ましくない。
【0009】そこで、本発明は、電源断が発生しても、
遊技者に不利益がもたらされることを防止することがで
きるとともに、遊技店での遊技機運用上の利便性を向上
させることもできる遊技機を提供することを目的とす
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明による遊技機は、
所定の遊技を行うことが可能な遊技機であって、遊技機
に設けられた電気部品を制御するための電気部品制御マ
イクロコンピュータ(例えば、CPU56)を搭載した
電気部品制御基板と、電気部品制御マイクロコンピュー
タが制御を行う際に発生する変動データを記憶する変動
データ記憶手段(例えば、RAM)と、電源供給停止時
から少なくとも所定期間は電源供給停止直前の変動デー
タ記憶手段の最終記憶内容の保持が可能な記憶内容保持
手段と、外部装置(例えば、クリアスイッチ921)か
らの信号が入力可能な信号入力部とを備え、電気部品制
御マイクロコンピュータは、電源供給が開始されたとき
に記憶内容保持手段により変動データ記憶手段に最終記
憶内容が保持されていた場合に最終記憶内容にもとづい
て電気部品の制御を復旧させることが可能な制御復旧手
段と、信号入力部への信号入力があった場合に、制御復
旧手段による制御の復旧が実行されないようにする制御
復旧禁止手段とを含むことを特徴とするものである。
【0011】遊技機で使用される所定電源の状態が電源
供給停止を示す所定の状態となったか否かを監視し、所
定の状態となった場合に検知信号(例えば、電圧低下信
号)を出力する電源監視手段を備え、制御復旧手段は、
検知信号が入力されると、電源の供給停止を示す符号
(例えば、バックアップフラグ)を設定する電源供給停
止時処理を実行するとともに、電源供給が開始されたと
きに符号が設定されていることを条件に最終記憶内容に
もとづいて電気部品の制御を復旧させる構成としてもよ
い。
【0012】制御復旧禁止手段が、外部装置からの信号
入力があった場合に、変動データ記憶手段の記憶内容を
初期化する初期化処理を行い、最終記憶内容にもとづく
制御の復旧を禁止するようにしてもよい。
【0013】また、制御復旧禁止手段が、電源供給が開
始されたときに外部装置からの信号入力があった場合
に、初期化処理を行い、最終記憶内容にもとづく制御の
復旧を禁止するようにしてもよい。
【0014】外部装置からの信号入力にもとづく初期化
処理と、変動データ記憶手段に最終記憶内容が保持され
ていない通常時の初期化処理とを兼用するのが好まし
い。
【0015】制御復旧禁止手段が、電源の供給停止を示
す符号が設定されていない場合に変動データ記憶手段の
記憶内容を初期化する初期化処理を行う構成としてもよ
い。
【0016】制御復旧禁止手段が、外部装置からの信号
入力があった場合に、電源供給停止時処理における電源
の供給停止を示す符号の設定を行わないことで、最終記
憶内容にもとづく制御の復旧を禁止するようにしてもよ
い。
【0017】制御復旧禁止手段が、外部装置からの信号
入力があったことにより、電源監視手段が出力する検知
信号が入力されることを禁止するようにしてもよい。
【0018】各々異なった電気部品の制御を行う複数の
電気部品制御マイクロコンピュータを備え、一つの信号
入力部への信号入力があった場合に、複数の電気部品制
御マイクロコンピュータにおいて、最終記憶内容にもと
づく制御の復旧を禁止するようにしてもよい。
【0019】変動データには、遊技により遊技者に付与
される価値の数量(例えば、遊技球の払出数量や、画像
式遊技機の場合の得点が意味する数量を示す概念であ
る)に関わるデータを含まれていてもよい。
【0020】変動データには、遊技の進行により変化す
る遊技状態に関わるデータ(例えば、確変か否か、特別
図柄や普通図柄の変動時間の短縮、可変入賞球装置15
の開放時間の延長や開放時間の増加等、通常の遊技状態
よりも次回の大当りを発生させるまでの遊技媒体の使用
量を抑制可能な状態、大当り状態か否かなどを示す例え
ばフラグなどのデータ)が含まれていてもよい。
【0021】信号入力部は、リレー(例えば、トランジ
スタを用いたリレー、フォトカプラを用いたリレーな
ど)によって構成されることが好ましい。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図面
を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチン
コ遊技機の全体の構成について説明する。図1はパチン
コ遊技機1を正面からみた正面図である。なお、ここで
は、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発
明はパチンコ遊技機に限られず、例えばコイン遊技機等
であってもよい。また、画像式の遊技機やスロット機に
適用することもできる。
【0023】図1に示すように、パチンコ遊技機1は、
額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。ガラス扉枠
2の下部表面には打球供給皿3がある。打球供給皿3の
下部には、打球供給皿3からあふれた景品球を貯留する
余剰球受皿4と打球を発射する打球操作ハンドル(操作
ノブ)5が設けられている。ガラス扉枠2の後方には、
遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。また、遊技
盤6の前面には遊技領域7が設けられている。
【0024】遊技領域7の中央付近には、複数種類の図
柄を可変表示するための可変表示部9と7セグメントL
EDによる可変表示器10とを含む可変表示装置8が設
けられている。この実施の形態では、可変表示部9に
は、「左」、「中」、「右」の3つの図柄表示エリアが
ある。可変表示装置8の側部には、打球を導く通過ゲー
ト11が設けられている。通過ゲート11を通過した打
球は、球出口13を経て始動入賞口14の方に導かれ
る。通過ゲート11と球出口13との間の通路には、通
過ゲート11を通過した打球を検出するゲートスイッチ
12がある。また、始動入賞口14に入った入賞球は、
遊技盤6の背面に導かれ、始動口スイッチ17によって
検出される。また、始動入賞口14の下部には開閉動作
を行う可変入賞球装置15が設けられている。可変入賞
球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされ
る。
【0025】可変入賞球装置15の下部には、特定遊技
状態(大当り状態)においてソレノイド21によって開
状態とされる開閉板20が設けられている。この実施の
形態では、開閉板20が大入賞口を開閉する手段とな
る。開閉板20から遊技盤6の背面に導かれた入賞球の
うち一方(Vゾーン)に入った入賞球はV入賞スイッチ
22で検出される。また、開閉板20からの入賞球はカ
ウントスイッチ23で検出される。可変表示装置8の下
部には、始動入賞口14に入った入賞球数を表示する4
個の表示部を有する始動入賞記憶表示器18が設けられ
ている。この例では、4個を上限として、始動入賞があ
る毎に、始動入賞記憶表示器18は点灯している表示部
を1つずつ増やす。そして、可変表示部9の可変表示が
開始される毎に、点灯している表示部を1つ減らす。
【0026】遊技盤6には、複数の入賞口19,24が
設けられ、遊技球の入賞口19,24への入賞は入賞口
スイッチ19a,24aによって検出される。遊技領域
7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾ランプ
25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球を吸収
するアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左
右上部には、効果音を発する2つのスピーカ27が設け
られている。遊技領域7の外周には、遊技効果LED2
8aおよび遊技効果ランプ28b,28cが設けられて
いる。
【0027】そして、この例では、一方のスピーカ27
の近傍に、景品球払出時に点灯する賞球ランプ51が設
けられ、他方のスピーカ27の近傍に、補給球が切れた
ときに点灯する球切れランプ52が設けられている。さ
らに、図1には、パチンコ遊技台1に隣接して設置さ
れ、プリペイドカードが挿入されることによって球貸し
を可能にするカードユニット50も示されている。
【0028】カードユニット50には、使用可能状態で
あるか否かを示す使用可表示ランプ151、カード内に
記録された残額情報に端数(100円未満の数)が存在
する場合にその端数を打球供給皿3の近傍に設けられる
度数表示LEDに表示させるための端数表示スイッチ1
52、カードユニット50がいずれの側のパチンコ遊技
機1に対応しているのかを示す連結台方向表示器15
3、カードユニット50内にカードが投入されているこ
とを示すカード投入表示ランプ154、記録媒体として
のカードが挿入されるカード挿入口155、およびカー
ド挿入口155の裏面に設けられているカードリーダラ
イタの機構を点検する場合にカードユニット50を解放
するためのカードユニット錠156が設けられている。
【0029】打球発射装置から発射された打球は、打球
レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7
を下りてくる。打球が通過ゲート11を通ってゲートス
イッチ12で検出されると、可変表示器10の表示数字
が連続的に変化する状態になる。また、打球が始動入賞
口14に入り始動口スイッチ17で検出されると、図柄
の変動を開始できる状態であれば、可変表示部9内の図
柄が回転を始める。図柄の変動を開始できる状態でなけ
れば、始動入賞記憶を1増やす。
【0030】可変表示部9内の画像の回転は、一定時間
が経過したときに停止する。停止時の画像の組み合わせ
が大当り図柄の組み合わせであると、大当り遊技状態に
移行する。すなわち、開閉板20が、一定時間経過する
まで、または、所定個数(例えば10個)の打球が入賞
するまで開放する。そして、開閉板20の開放中に打球
が特定入賞領域に入賞しV入賞スイッチ22で検出され
ると、継続権が発生し開閉板20の開放が再度行われ
る。継続権の発生は、所定回数(例えば15ラウンド)
許容される。
【0031】停止時の可変表示部9内の画像の組み合わ
せが確率変動を伴う大当り図柄の組み合わせである場合
には、次に大当りとなる確率が高くなる。すなわち、高
確率状態という遊技者にとってさらに有利な状態とな
る。また、可変表示器10における停止図柄が所定の図
柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所
定時間だけ開状態になる。さらに、高確率状態では、可
変表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が
高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間と
開放回数が高められる。
【0032】次に、パチンコ遊技機1の裏面に配置され
ている各基板について説明する。図2に示すように、パ
チンコ遊技機1の裏面では、枠体2A内の機構板の上部
に球貯留タンク38が設けられ、パチンコ遊技機1が遊
技機設置島に設置された状態でその上方から遊技球が球
貯留タンク38に供給される。球貯留タンク38内の遊
技球は、誘導樋39を通って球払出機構(図示せず)に
至る。
【0033】遊技機裏面側では、可変表示部9を制御す
る可変表示制御ユニット29、遊技制御用マイクロコン
ピュータ等が搭載された遊技制御基板(主基板)31が
設置されている。また、球払出制御を行う払出制御用マ
イクロコンピュータ等が搭載された払出制御基板37、
およびモータの回転力を利用して打球を遊技領域7に発
射する打球発射装置が設置されている。さらに、装飾ラ
ンプ25、遊技効果LED28a、遊技効果ランプ28
b,28c、賞球ランプ51および球切れランプ52に
信号を送るためのランプ制御基板35、スピーカ27か
らの音声発生を制御するための音声制御基板70および
打球発射装置を制御するための発射制御基板91も設け
られている。なお、払出制御基板37には、エラー表示
用LED374も搭載されている。
【0034】また、DC30V、DC21V、DC12
VおよびDC5Vを作成する電源回路が搭載された電源
基板910が設けられ、上方には、各種情報を遊技機外
部に出力するための各端子を備えたターミナル基板16
0が設置されている。ターミナル基板160には、少な
くとも、後述する球切れ検出スイッチ167の出力を導
入して外部出力するための球切れ用端子、賞球個数信号
を外部出力するための賞球用端子および球貸し個数信号
を外部出力するための球貸し用端子が設けられている。
また、中央付近には、主基板31からの各種情報を遊技
機外部に出力するための各端子を備えた情報端子盤(外
部情報出力装置)34が設置されている。
【0035】また、図2には、ランプ制御基板35およ
び音声制御基板70からの信号を、枠側に設けられてい
る遊技効果LED28a、遊技効果ランプ28b,28
c、賞球ランプ51および球切れランプ52に供給する
ための電飾中継基板A77および度数表示LED等を搭
載した残高表示基板74が示されている。なお、図示は
しないが、信号中継の必要に応じて他の中継基板も設け
られる。
【0036】また、図3はパチンコ遊技機1の機構板を
背面からみた背面図である。球貯留タンク38に貯留さ
れた遊技球は誘導樋39を通り、図3に示されるよう
に、球切れ検出器(球切れスイッチ)187a,187
bを通過して球供給樋186a,186bを経て球払出
装置97に至る。球払出装置97から払い出された遊技
球は、連絡口45を通ってパチンコ遊技機1の前面に設
けられている打球供給皿3に供給される。連絡口45の
側方には、パチンコ遊技機1の前面に設けられている余
剰玉受皿4に連通する余剰玉通路46が形成されてい
る。入賞にもとづく景品球が多数払い出されて打球供給
皿3が満杯になり、ついには遊技球が連絡口45に到達
した後さらに遊技球が払い出されると遊技球は、余剰玉
通路46を経て余剰玉受皿4に導かれる。さらに遊技球
が払い出されると、感知レバー47が満タンスイッチ4
8を押圧して満タンスイッチ48がオンする。その状態
では、球払出装置97内のステッピングモータの回転が
停止して球払出装置97の動作が停止するとともに打球
発射装置34の駆動も停止する。
【0037】賞球払出制御を行うために、入賞口スイッ
チ(図示せず)、始動口スイッチ17およびV入賞スイ
ッチ22からの信号が、主基板31に送られる。主基板
31のCPU56は、始動口スイッチ17がオンすると
6個の賞球払出に対応した入賞が発生したことを知る。
また、カウントスイッチ23がオンすると15個の賞球
払出に対応した入賞が発生したことを知る。そして、入
賞口スイッチがオンすると10個の賞球払出に対応した
入賞が発生したことを知る。なお、この実施の形態で
は、例えば、入賞口24に入賞した遊技球は、入賞口2
4からの入賞球流路に設けられている入賞口スイッチ2
4aで検出され、入賞口19に入賞した遊技球は、入賞
口19からの入賞球流路に設けられている入賞口スイッ
チ19aで検出される。
【0038】図4はパチンコ遊技機1を含む複数の遊技
機で構成される遊技機設置島の状態の一例を示す説明図
である。図4に示すように、この実施の形態では、遊技
機設置島(あるいは遊技機設置島の近傍)に、各基板
(例えば、主基板31、払出制御基板37)に含まれる
変動データ記憶手段(例えば、バックアップRAM)に
記憶されたバックアップデータをクリアするためのクリ
アスイッチ921が設けられている。クリアスイッチ9
21の出力信号は、遊技機設置島に属する各遊技機それ
ぞれに入力される。クリアスイッチ921は、各遊技機
設置島毎それぞれに設けられる。なお、クリアスイッチ
921の出力信号が、遊技機設置島に属する遊技機のう
ちの一部に入力されるような構成としてもよい。図4に
は、遊技機設置島に属する複数の遊技機に電源を供給す
るための集中電源スイッチ923が示されている。
【0039】図5は、遊技機設置島に設けられたクリア
スイッチ921の構成の一例を示す外観構成図である。
クリアスイッチ921は、本例では、「OFF」および
「クリア」の選択切り換えがされる切換操作スイッチ9
21aを有する。クリアスイッチ921は、「OFF」
が選択されているときは何らの信号も発生せずに動作停
止中となっている。また、クリアスイッチ921は、
「クリア」が選択されているときは、遊技機設置島に属
する各遊技機のバックアップRAM領域にそれぞれ記憶
されている所定のデータをクリアするためのクリアスイ
ッチ信号を出力する。
【0040】図6は、主基板31における回路構成の一
例を示すブロック図である。なお、図6には、払出制御
基板37、ランプ制御基板35、音制御基板70、発射
制御基板91および表示制御基板80も示されている。
主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1
を制御する基本回路53と、ゲートスイッチ12、始動
口スイッチ17、V入賞スイッチ22、カウントスイッ
チ23、球切れスイッチ187、入賞口スイッチ19
a,24aおよび賞球カウントスイッチ301Aからの
信号を基本回路53に与えるスイッチ回路58と、可変
入賞球装置15を開閉するソレノイド16および開閉板
20を開閉するソレノイド21等を基本回路53からの
指令に従って駆動するソレノイド回路59とが搭載され
ている。なお、この実施の形態では、スイッチ回路58
は、外部に設置されているクリアスイッチ921からの
クリアスイッチ信号も基本回路53に与える。
【0041】また、基本回路53から与えられるデータ
に従って、大当りの発生を示す大当り情報、可変表示部
9の画像表示開始に利用された始動入賞球の個数を示す
有効始動情報、確率変動が生じたことを示す確変情報等
をホール管理コンピュータ等のホストコンピュータに対
して出力する情報出力回路64を含む。
【0042】基本回路53は、ゲーム制御用のプログラ
ム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用さ
れる記憶手段の一例であるRAM55、プログラムに従
って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部5
7を含む。この実施の形態では、ROM54,RAM5
5はCPU56に内蔵されている。すなわち、CPU5
6は、1チップマイクロコンピュータである。なお、1
チップマイクロコンピュータは、少なくともRAM55
が内蔵されていればよく、ROM54およびI/Oポー
ト部57は外付けであっても内蔵されていてもよい。ま
た、I/Oポート部57は、マイクロコンピュータにお
ける情報入出力可能な端子である。
【0043】さらに、主基板31には、電源投入時に基
本回路53をリセットするためのシステムリセット回路
65と、基本回路53から与えられるアドレス信号をデ
コードしてI/Oポート部57のうちのいずれかのI/
Oポートを選択するための信号を出力するアドレスデコ
ード回路67とが設けられている。なお、球払出装置9
7から主基板31に入力されるスイッチ情報もあるが、
図6ではそれらは省略されている。
【0044】遊技球を打撃して発射する打球発射装置は
発射制御基板91上の回路によって制御される駆動モー
タ94で駆動される。そして、駆動モータ94の駆動力
は、操作ノブ5の操作量に従って調整される。すなわ
ち、発射制御基板91上の回路によって、操作ノブ5の
操作量に応じた速度で打球が発射されるように制御され
る。
【0045】なお、この実施の形態では、ランプ制御基
板35に搭載されているランプ制御手段が、遊技盤に設
けられている始動記憶表示器18、ゲート通過記憶表示
器41および装飾ランプ25の表示制御を行うととも
に、枠側に設けられている遊技効果ランプ・LED28
a,28b,28c、賞球ランプ51および球切れラン
プ52の表示制御を行う。また、特別図柄を可変表示す
る可変表示部9および普通図柄を可変表示する可変表示
器10の表示制御は、表示制御基板80に搭載されてい
る表示制御手段によって行われる。
【0046】図7は、CPU56周りの一構成例を示す
ブロック図である。図7に示すように、第1の電源監視
回路(第1の電源監視手段、あるいは電源監視手段)か
らの電圧低下信号が、CPU56のマスク不能割込端子
(XNMI端子)に接続されている。第1の電源監視回
路は、遊技機が使用する各種直流電源のうちのいずれか
の電源の電圧を監視して電源電圧低下を検出する回路で
ある。この実施の形態では、VSLの電源電圧を監視して
電圧値が所定値以下になるとローレベルの電圧低下信号
を発生する。VSLは、遊技機で使用される直流電圧のう
ちで最大のものであり、この例では+30Vである。従
って、CPU56は、割込処理によって電源断の発生を
確認することができる。なお、この実施の形態では、第
1の電源監視回路は、後述する電源基板に搭載されてお
り、割込処理によって電源断の発生が確認される。
【0047】図7には、システムリセット回路65も示
されているが、この実施の形態では、システムリセット
回路65は、第2の電源監視回路(第2の電源監視手
段)も兼ねている。すなわち、リセットIC651は、
電源投入時に、外付けのコンデンサの容量で決まる所定
時間だけ出力をローレベルとし、所定時間が経過すると
出力をハイレベルにする。すなわち、リセット信号をハ
イレベルに立ち上げてCPU56を動作可能状態にす
る。また、リセットIC651は、第1の電源監視回路
が監視する電源電圧と等しい電源電圧であるVSLの電源
電圧を監視して電圧値が所定値(第1の電源監視回路が
電圧低下信号を出力する電源電圧値よりも低い値)以下
になるとローレベルの電圧低下信号を発生する。従っ
て、CPU56は、第1の電源監視回路からの電圧低下
信号に応じて所定の電力供給停止時処理を行った後、シ
ステムリセットされる。なお、この実施の形態では、リ
セット信号と第2の電源監視回路からの電圧低下信号と
は同一の信号である。
【0048】図7に示すように、リセットIC651か
らのリセット信号は、NAND回路947に入力される
とともに、反転回路(NOT回路)944を介してカウ
ンタIC941のクリア端子に入力される。カウンタI
C941は、クリア端子への入力がローレベルになる
と、発振器943からのクロック信号をカウントする。
そして、カウンタIC941のQ5出力がNOT回路9
45,946を介してNAND回路947に入力され
る。また、カウンタIC941のQ6出力は、フリップ
フロップ(FF)942のクロック端子に入力される。
フリップフロップ942のD入力はハイレベルに固定さ
れ、Q出力は論理和回路(OR回路)949に入力され
る。OR回路949の他方の入力には、NAND回路9
47の出力がNOT回路948を介して導入される。そ
して、OR回路949の出力が、CPU56のリセット
端子に接続されている。このような構成によれば、電源
投入時に、CPU56のリセット端子に2回のリセット
信号(ローレベル信号)が与えられるので、CPU56
は、確実に動作を開始する。
【0049】そして、例えば、第1の電源監視回路の検
出電圧(電圧低下信号を出力することになる電圧)を+
22Vとし、第2の電源監視回路の検出電圧を+9Vと
する。そのように構成した場合には、第1の電源監視回
路と第2の電源監視回路とは、同一の電源VSLの電圧を
監視するので、第1の電圧監視回路が電圧低下信号を出
力するタイミングと第2の電圧監視回路が電圧低下信号
を出力するタイミングの差を所望の所定期間に確実に設
定することができる。所望の所定期間とは、第1の電源
監視回路からの電圧低下信号に応じて電力供給停止時処
理を開始してから電力供給停止時処理が確実に完了する
までの期間である。
【0050】この例では、第1の電源監視手段が検出信
号を出力することになる第1検出条件は+30V電源電
圧が+22Vにまで低下したことであり、第2の電源監
視手段が検出信号を出力することになる第2検出条件は
+30V電源電圧が+9Vにまで低下したことになる。
ただし、ここで用いられている電圧値は一例であって、
他の値を用いてもよい。
【0051】ただし、監視範囲が狭まるが、第1の電圧
監視回路および第2の電圧監視回路の監視電圧として+
5V電源電圧を用いることも可能である。その場合に
も、第1の電圧監視回路の検出電圧は、第2の電圧監視
回路の検出電圧よりも高く設定される。
【0052】CPU56等の駆動電源である+5V電源
から電力が供給されていない間、RAMの少なくとも一
部は、電源基板から供給されるバックアップ電源によっ
てバックアップされ、遊技機に対する電源が断しても内
容は保存される。そして、+5V電源が復旧すると、シ
ステムリセット回路65からリセット信号が発せられる
ので、CPU56は、通常の動作状態に復帰する。その
とき、必要なデータがバックアップRAMに保存されて
いるので、停電等からの復旧時に停電発生時の遊技状態
に復帰することができる。
【0053】なお、図7では、電源投入時にCPU56
のリセット端子に2回のリセット信号(ローレベル信
号)が与えられる構成が示されたが、リセット信号の立
ち上がりタイミングが1回しかなくても確実にリセット
解除されるCPUを使用する場合には、符号941〜9
49で示された回路素子は不要である。その場合、リセ
ットIC651の出力がそのままリセット端子に接続さ
れる。
【0054】この実施の形態で用いられるCPU56
は、I/Oポート(PIO)およびタイマ/カウンタ回
路(CTC)も内蔵している。PIOは、PB0〜PB
3の4ビットおよびPA0〜PA7の1バイトのポート
を有する。PB0〜PB3およびPA0〜PA7のポー
トは、入力/出力いずれにも設定できる。ただし、この
実施の形態では内蔵PIOを使用しない。その場合に
は、例えば、全ポートを入力モードとして、全ポートを
グラウンドレベルに接続する。なお、電源投入時に、P
IOは自動的に入力モードに設定される。
【0055】また、図7に示すように、クリアスイッチ
921からのクリアスイッチ信号の入力に応じて、入力
ポート570を介してクリア信号を入力するために、コ
イル971とリレースイッチ972とで構成されるリレ
ー970が設けられている。なお、入力ポート570に
は、V入賞スイッチ22などの他の各スイッチの出力信
号も入力されている。このような構成によれば、クリア
スイッチ921の切換によりクリアスイッチ信号が入力
すると、コイル971に定格電圧がかかり、リレースイ
ッチ972がオフとなって、CPU56にクリア信号が
与えられるので、CPU56により変動データ記憶手段
の記憶内容が初期データとされる処理が行われるが、そ
の詳細は後述する。
【0056】図8は、遊技機の電源基板910の一構成
例を示すブロック図である。電源基板910は、主基板
31、表示制御基板80、音声制御基板70、ランプ制
御基板35および払出制御基板37等の電気部品制御基
板と独立して設置され、遊技機内の各電気部品制御基板
および機構部品が使用する電圧を生成する。この例で
は、AC24V、VLP(DC+30V)、VSL(DC+
30V)、DC+21V、DC+12VおよびDC+5
Vを生成する。また、バックアップ電源となるコンデン
サ916は、DC+5Vすなわち各基板上のIC等を駆
動する電源のラインから充電される。
【0057】トランス911は、交流電源からの交流電
圧を24Vに変換する。AC24V電圧は、コネクタ9
15に出力される。また、整流回路912は、AC24
Vから2種類の+30Vの直流電圧を生成し、DC−D
Cコンバータ913およびコネクタ915に出力する。
DC−DCコンバータ913は、+22V、+12Vお
よび+5Vを生成してコネクタ915に出力する。コネ
クタ915は例えば中継基板に接続され、中継基板から
各電気部品制御基板および機構部品に必要な電圧の電力
が供給される。
【0058】DC−DCコンバータ913からの+5V
ラインは分岐してバックアップ+5Vラインを形成す
る。バックアップ+5Vラインとグラウンドレベルとの
間には大容量のコンデンサ916が接続されている。コ
ンデンサ916は、遊技機に対する電力供給が遮断され
たときの電気部品制御基板のバックアップRAM(電源
バックアップされているRAMすなわち記憶内容保持状
態となりうる記憶手段)に対して記憶状態を保持できる
ように電力を供給するバックアップ電源となる。また、
+5Vラインとバックアップ+5Vラインとの間に、逆
流防止用のダイオード917が挿入される。
【0059】なお、バックアップ電源として、+5V電
源から充電可能な電池を用いてもよい。電池を用いる場
合には、+5V電源から電力供給されない状態が所定時
間継続すると容量がなくなるような充電池が用いられ
る。
【0060】また、電源基板910には、上述した第1
の電源監視回路を構成する電源監視用IC902が搭載
されている。電源監視用IC902は、VSL電源電圧を
導入し、VSL電源電圧を監視することによって電源断の
発生を検出する。具体的には、VSL電源電圧が所定値
(この例では+22V)以下になったら、電源断が生ず
るとして電圧低下信号を出力する。なお、監視対象の電
源電圧は、各電気部品制御基板に搭載されている回路素
子の電源電圧(この例では+5V)よりも高い電圧であ
ることが好ましい。この例では、交流から直流に変換さ
れた直後の電圧であるVSLが用いられている。電源監視
用IC902からの電圧低下信号は、主基板31や払出
制御基板37等に供給される。
【0061】電源監視用IC902が電源断を検知する
ための所定値は、通常時の電圧より低いが、各電気部品
制御基板上のCPUが暫くの間動作しうる程度の電圧で
ある。また、電源監視用IC902が、CPU等の回路
素子を駆動するための電圧(この例では+5V)よりも
高く、また、交流から直流に変換された直後の電圧を監
視するように構成されているので、CPUが必要とする
電圧に対して監視範囲を広げることができる。従って、
より精密な監視を行うことができる。さらに、監視電圧
としてVSL(+30V)を用いる場合には、遊技機の各
種スイッチに供給される電圧が+12Vであることか
ら、電源瞬断時のスイッチオン誤検出の防止も期待でき
る。すなわち、+30V電源の電圧を監視すると、+3
0V作成の以降に作られる+12Vが落ち始める以前の
段階でそれの低下を検出できる。よって、+12V電源
の電圧が低下するとスイッチ出力がオン状態を呈するよ
うになるが、+12Vより早く低下する+30V電源電
圧を監視して電源断を認識すれば、スイッチ出力がオン
状態を呈する前に電源復旧待ちの状態に入ってスイッチ
出力を検出しない状態となることができる。
【0062】また、電源監視用IC902は、電気部品
制御基板とは別個の電源基板910に搭載されているの
で、第1の電源監視回路から複数の電気部品制御基板に
電圧低下信号を供給することができる。電圧低下信号を
必要とする電気部品制御基板が幾つあっても第1の電源
監視手段は1つ設けられていればよいので、各電気部品
制御基板における各電気部品制御手段が後述する復帰制
御を行っても、遊技機のコストはさほど上昇しない。
【0063】なお、図8に示された構成では、電源監視
用IC902の検出出力(電圧低下信号)は、バッファ
回路918,919を介してそれぞれの電気部品制御基
板(例えば主基板31と払出制御基板37)に伝達され
るが、例えば、1つの検出出力を中継基板に伝達し、中
継基板から各電気部品制御基板に同じ信号を分配する構
成でもよい。また、電圧低下信号を必要とする基板数に
応じたバッファ回路を設けてもよい。
【0064】次に遊技機の動作について説明する。図9
は、主基板31におけるCPU56が実行するメイン処
理を示すフローチャートである。遊技機に対する電源が
投入されると、メイン処理において、CPU56は、ま
ず、必要な初期設定を行う(ステップS1)。
【0065】次いで、CPU56は、入力ポート570
を介して入力されるクリア信号の状態(クリア信号が入
力しているか否か)を、本例では1回だけ確認する(ス
テップS2)。クリアスイッチ921がオン(図5の
「クリア」が選択されている状態)である場合には、コ
イル971に定格電圧がかかり、リレースイッチ972
がオフして入力ポート570にクリア信号(ローアクテ
ィブ)が与えられる。従って、CPU56は、クリアス
イッチ921がオンとされていれば、通常の初期化処理
を実行する(ステップS4)。
【0066】クリアスイッチ921は、この実施の形態
では、集中電源スイッチ923がオンした後の判断によ
り例えば直ちにオンとされる。また、クリアスイッチ9
21は、集中電源スイッチ923押下後の例えば所定期
間内にオンとされてもよい。なお、集中電源スイッチ9
23がオンする前にオンとされていてもよい。集中電源
スイッチ923押下後にオン状態とされることを考慮し
て、ステップS2の判定前にディレイ時間をおいてもよ
い。また、CPU56がクリア信号入力の状態を確認す
る時期は、電源が投入されたあとの所定期間内であれば
何時であってもよい。また、CPU56がクリア信号入
力の状態を2回以上確認する構成としてもよい。
【0067】ステップS2にてクリア信号入力がなけれ
ば、CPU56は、電源断時にバックアップRAM領域
のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の停
電発生NMI処理)が行われたか否か確認する(ステッ
プS3)。この実施の形態では、不測の電源断が生じた
場合には、バックアップRAM領域のデータを保護する
ための処理が行われている。そのような保護処理が行わ
れていた場合をバックアップありとする。バックアップ
なしを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する
(ステップS3,S4)。なお、この実施の形態では、
バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか
否かは、電源断時にバックアップRAM領域に設定され
るバックアップフラグの状態によって確認される。例え
ば、バックアップフラグ領域に「55H」が設定されて
いればバックアップあり(オン状態)を意味し、「55
H」以外の値が設定されていればバックアップなし(オ
フ状態)を意味する。バックアップフラグ領域に設定さ
れている「55H」は、停電発生NMI処理においてバ
ックアップRAM領域のデータ保護処理が完了したとき
に設定されたデータであり、バックアップRAM領域の
データにもとづくパリティコードである。
【0068】バックアップRAM領域にバックアップデ
ータがある場合には、CPU56は、バックアップRA
M領域のデータチェック(例えばパリティチェック)を
行う(ステップS5)。不測の電源断が生じた後に復旧
した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存
されていたはずであるから、チェック結果は正常にな
る。チェック結果が正常でない場合には、内部状態を電
源断時の状態に戻すことができないので、停電復旧時で
ない電源投入時に実行される初期化処理を実行する(ス
テップS6,S4)。
【0069】チェック結果が正常であれば、CPU56
は、内部状態を電源断時の状態に戻すための遊技状態復
旧処理を行う(ステップS7)。図10に示すように、
バックアップフラグの値が「55H」に設定され、か
つ、チェック結果が正常である場合に、ステップS7の
遊技状態復旧処理が実行される。そして、バックアップ
RAM領域に保存されていたPC(プログラムカウン
タ)の退避値がPCに設定され、そのアドレスに復帰す
る(ステップS8)。
【0070】通常の初期化処理の実行(ステップS4)
が完了すると、メイン処理で、タイマ割込フラグの監視
(ステップS10)の確認が行われるループ処理に移行
する。なお、ループ内では、表示用乱数更新処理(ステ
ップS9)も実行される。
【0071】なお、この実施の形態では、ステップS2
でクリア信号入力がない場合に、バックアップデータの
有無が確認されていたが、逆に、バックアップデータの
有無を確認した後、バックアップデータが存在する場合
(さらに、バックアップ領域のチェックを行い、バック
アップ領域のチェック結果が正常であったことが確認さ
れた場合であってもよい)にクリア信号入力の状態を確
認するようにしてもよい。
【0072】また、この実施の形態では、ステップS3
でバックアップデータの有無が確認された後、バックア
ップデータが存在する場合にステップS5でバックアッ
プ領域のチェックが行われたが、逆に、バックアップ領
域のチェック結果が正常であったことが確認された後、
バックアップデータの有無の確認を行うようにしてもよ
い。また、バックアップデータの有無の確認、またはバ
ックアップ領域のチェックの何れか一方の確認を行うこ
とによって、停電復旧処理を実行するか否かを判定して
もよい。
【0073】また、例えば停電復旧処理を実行するか否
か判断する場合のパリティチェック(ステップS5)の
際に、すなわち、遊技状態を復旧するか否か判断する際
に、保存されていたRAMデータにおける特別プロセス
フラグ等や始動入賞記憶数データによって、遊技機が遊
技待機状態(図柄変動中でなく、大当り遊技中でなく、
確変中でなく、また、始動入賞記憶がない状態)である
ことが確認されたら、遊技状態復旧処理を行わずに初期
化処理を実行するようにしてもよい。
【0074】図11は、ステップS1の初期設定処理を
示すフローチャートである。初期設定処理において、C
PU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1
a)。割込禁止に設定すると、CPU56は、割込モー
ドを割込モード2に設定し(ステップS1b)、スタッ
クポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する
(ステップS1c)。そして、CPU56は、内蔵デバ
イスレジスタの初期化を行う(ステップS1d)。ま
た、内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウ
ンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)
の初期化(ステップS1e)を行った後、RAMをアク
セス可能状態に設定する(ステップS1f)。
【0075】この実施の形態で用いられているCPU5
6には、マスク可能な割込(INT)のモードとして以
下の3種類のモードが用意されている。なお、マスク可
能な割込が発生すると、CPU56は、自動的に割込禁
止状態に設定するとともに、プログラムカウンタの内容
をスタックにセーブする。
【0076】割込モード0:割込要求を行った内蔵デバ
イスがRST命令(1バイト)またはCALL命令(3
バイト)をCPUの内部データバス上に送出する。よっ
て、CPU56は、RST命令に対応したアドレスまた
はCALL命令で指定されるアドレスの命令を実行す
る。リセット時に、CPU56は自動的に割込モード0
になる。よって、割込モード1または割込モード2に設
定したい場合には、初期設定処理において、割込モード
1または割込モード2に設定するための処理を行う必要
がある。
【0077】割込モード1:割込が受け付けられると、
常に0038(h)番地に飛ぶモードである。
【0078】割込モード2:CPU56の特定レジスタ
(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力
する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)から合成
されるアドレスが、割込番地を示すモードである。すな
わち、割込番地は、上位アドレスが特定レジスタの値と
され下位アドレスが割込ベクタとされた2バイトで示さ
れるアドレスである。従って、任意の(飛び飛びではあ
るが)偶数番地に割込処理を設置することができる。各
内蔵デバイスは割込要求を行うときに割込ベクタを送出
する機能を有している。
【0079】よって、割込モード2に設定されると、各
内蔵デバイスからの割込要求を容易に処理することが可
能になり、また、プログラムにおける任意の位置に割込
処理を設置することが可能になる。さらに、割込モード
1とは異なり、割込発生要因毎のそれぞれの割込処理を
用意しておくことも容易である。上述したように、この
実施の形態では、初期設定処理のステップS1bにおい
て、CPU56は割込モード2に設定される。
【0080】図12は、通常の初期化処理(ステップS
4)の処理を示すフローチャートである。図12に示す
ように、初期化処理では、RAMのクリア処理が行われ
る(ステップS4a)。次いで、作業領域初期設定テー
ブルのアドレス値にもとづいて、所定の作業領域(例え
ば、普通図柄判定用乱数カウンタ、普通図柄判定用バッ
ファ、特別図柄左中右図柄バッファ、払出コマンド格納
ポインタなど)に初期値(初期データ)を設定する初期
値設定処理(ステップS4b)が行われる。そして、2
ms毎に定期的にタイマ割込がかかるようにCPU56
に設けられているCTCのレジスタの設定が行われる
(ステップS4c)。すなわち、初期値(初期データ)
として2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数
レジスタ)に設定される。そして、初期設定処理(ステ
ップS1)において割込禁止(図10参照)とされてい
るので、初期化処理を終える前に割込が許可される(ス
テップS4d)。
【0081】従って、この実施の形態では、CPU56
の内蔵CTCが繰り返しタイマ割込を発生するように設
定される。この実施の形態では、繰り返し周期は2ms
に設定される。そして、図13に示すように、タイマ割
込が発生すると、CPU56は、タイマ割込フラグをセ
ットする(ステップS13)。
【0082】CPU56は、ステップS10において、
タイマ割込フラグがセットされたことを検出すると、タ
イマ割込フラグをリセットするとともに(ステップS1
1)、遊技制御処理を実行する(ステップS12)。以
上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理
は2ms毎に起動されることになる。なお、この実施の
形態では、タイマ割込処理ではフラグセットのみがなさ
れ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるが、
タイマ割込処理で遊技制御処理を実行してもよい。
【0083】以上のように、この実施の形態では、遊技
機設置島に属する遊技機ついて、クリア信号入力の有無
に応じて電源断時の状態に復旧するか否かの判断が行わ
れる。従って、例えば停電後の電源復旧時や遊技機の再
稼動時などにおいて電源投入される際に、状況に応じた
判断により、遊技機設置島に配置されている全ての遊技
機を、各遊技機のバックアップデータ記憶領域の内容に
もとづいてまとめて電源断時の状態に復旧させ、あるい
は初期データにもとづいてまとめて稼動を開始させるこ
とを選択することができる。従って、電源断が発生して
も、遊技者に不利益がもたらされることを防止すること
ができるとともに、遊技店での遊技機運用上の利便性を
向上させることもできる。
【0084】図14は、ステップS12の遊技制御処理
を示すフローチャートである。遊技制御処理において、
CPU56は、まず、スイッチ回路58を介して、ゲー
トセンサ12、始動口センサ17、カウントセンサ23
および入賞口スイッチ19a,24aの状態を入力し、
各入賞口や入賞装置に対する入賞があったか否か判定す
る(スイッチ処理:ステップS21)。
【0085】次いで、パチンコ遊技機1の内部に備えら
れている自己診断機能によって種々の異常診断処理が行
われ、その結果に応じて必要ならば警報が発せられる
(エラー処理:ステップS22)。
【0086】次に、遊技制御に用いられる大当り判定用
の乱数等の各判定用乱数を示す各カウンタを更新する処
理を行う(ステップS23)。CPU56は、さらに、
停止図柄の種類を決定する乱数等の表示用乱数を更新す
る処理を行う(ステップS24)。
【0087】さらに、CPU56は、特別図柄プロセス
処理を行う(ステップS25)。特別図柄プロセス制御
では、遊技状態に応じてパチンコ遊技機1を所定の順序
で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当
する処理が選び出されて実行される。そして、特別図柄
プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更
新される。また、普通図柄プロセス処理を行う(ステッ
プS26)。普通図柄プロセス処理では、7セグメント
LEDによる可変表示器10を所定の順序で制御するた
めの普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選
び出されて実行される。そして、普通図柄プロセスフラ
グの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
【0088】また、CPU56は、払出制御基板37等
に送出される制御コマンドをRAM55の所定の領域に
設定して制御コマンドを送出する処理を行う(コマンド
制御処理:ステップS27)。
【0089】次いで、CPU56は、例えばホール管理
用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確
率変動情報などのデータを出力するデータ出力処理を行
う(ステップS29)。
【0090】また、CPU56は、所定の条件が成立し
たときにソレノイド回路59に駆動指令を行う(ステッ
プS30)。ソレノイド回路59は、駆動指令に応じて
ソレノイド16,21を駆動し、可変入賞球装置15ま
たは開閉板20を開状態または閉状態とする。
【0091】また、CPU56は、各入賞口への入賞を
検出するためのスイッチ17,23,19a,24aの
検出出力にもとづく賞球数の設定などを行う(ステップ
S31)。具体的には、入賞検出に応じて払出制御基板
37に払出制御コマンドを出力する。払出制御基板37
に搭載されている払出制御用CPU371は、払出制御
コマンドに応じて賞球払出装置97Aを駆動する。
【0092】このように、メイン処理には遊技制御処理
に移行すべきか否かを判定する処理が含まれ、CPU5
6の内部タイマが定期的に発生するタイマ割込にもとづ
くタイマ割込処理で遊技制御処理に移行すべきか否かを
判定するためのフラグがセットされるので、遊技制御処
理の全てが確実に実行される。つまり、遊技制御処理の
全てが実行されるまでは、次回の遊技制御処理に移行す
べきか否かの判定が行われないので、遊技制御処理中の
全ての各処理が実行完了することは保証されている。
【0093】なお、ここでは、主基板31のCPU56
が実行する遊技制御処理は、CPU56の内部タイマが
定期的に発生するタイマ割込にもとづくタイマ割込処理
でセットされるフラグに応じて実行されたが、定期的に
(例えば2ms毎)信号を発生するハードウェア回路を
設け、その回路からの信号をCPU56の外部割込端子
に導入し、割込信号によって遊技制御処理に移行すべき
か否かを判定するためのフラグをセットするようにして
もよい。
【0094】そのように構成した場合にも、遊技制御処
理の全てが実行されるまでは、フラグの判定が行われな
いので、遊技制御処理中の全ての各処理が実行完了する
ことが保証される。
【0095】図15は、電源基板910の電源監視回路
からの電圧変化信号にもとづくNMIに応じて実行され
る停電発生NMI処理の一例を示すフローチャートであ
る。停電発生NMI処理において、CPU56は、ま
ず、クリアスイッチ921の操作にもとづくクリア信号
の入力があるか否か確認する(ステップS40)。クリ
ア信号の入力があれば、CPU56は、RAMアクセス
禁止状態にして(ステップS49)、全ての出力ポート
をオフ状態にしたあと(ステップS50)、ループ処理
にはいる。すなわち、バックアップフラグをセットする
ことなく、何らの処理もしない状態になる。何の処理も
しない状態となるため、図7に示されたリセットIC6
51からのシステムリセット信号によって外部から動作
禁止状態にされる前に、内部的に動作停止状態になる。
よって、電源断時に確実にCPU56は動作停止する。
その結果、上述したRAMアクセス禁止の制御および動
作停止制御によって、電源電圧が低下していくことに伴
って生ずる可能性がある異常動作に起因するRAMの内
容破壊等を確実に防止することができる。
【0096】上記のように、クリア信号の入力があった
場合にはバックアップフラグをセットしないようにして
いるので、電源を切るときにクリアスイッチ921を操
作することによって、その後電源の供給が開始されたと
きに、遊技機設置島に属する各遊技機が電源断前の状態
に復旧しない(ステップS3にてNとなる)ようにする
ことができる。なお、このような処理を停電が発生した
場合に行う場合には、停電の発生は予期できるものでは
ないため、クリアスイッチ921を図5の「クリア」の
位置に常時セットしておくようにすればよい。
【0097】ステップS40にてクリア信号の入力がな
ければ、CPU56は、停電時などの電源断時直前の割
込許可/禁止状態をバックアップするために、割込禁止
フラグの内容をパリティフラグに格納する(ステップS
41)。次いで、割込禁止に設定する(ステップS4
2)。停電発生NMI処理ではRAM内容の保存を確実
にするためにチェックサムの生成処理を行う。その処理
中に他の割込処理が行われたのではチェックサムの生成
処理が完了しないうちにCPUが動作し得ない電圧にま
で低下してしまうことが考えられるので、まず、他の割
込が生じないような設定がなされる。なお、停電発生N
MI処理におけるステップS44〜S50は、電力供給
停止時処理の一例である。なお、割込処理中では他の割
込がかからないような仕様のCPUを用いている場合に
は、ステップS42の処理は不要である。
【0098】次いで、CPU56は、バックアップフラ
グが既にセットされているか否か確認する(ステップS
42)。バックアップフラグが既にセットされていれ
ば、以後の処理を行わない。バックアップフラグがセッ
トされていなければ、以下の電力供給停止時処理を実行
する。すなわち、ステップS44からステップS50の
処理を実行する。
【0099】まず、各レジスタの内容をバックアップR
AM領域に格納する(ステップS44)。その後、バッ
クアップフラグをセットする(ステップS45)。そし
て、バックアップRAM領域のバックアップチェックデ
ータ領域に適当な初期値を設定し(ステップS46)、
初期値およびバックアップRAM領域のデータについて
順次排他的論理和をとったあと反転し(ステップS4
7)、最終的な演算値をバックアップパリティデータ領
域に設定する(ステップS48)。また、RAMアクセ
ス禁止状態にする(ステップS49)。さらに、全ての
出力ポートをオフ状態にする(ステップS50)。電源
電圧が低下していくときには、各種信号線のレベルが不
安定になってRAM内容が化ける可能性があるが、この
ようにRAMアクセス禁止状態にしておけば、バックア
ップRAM内のデータが化けることはない。
【0100】次いで、CPU56は、ループ処理にはい
る。すなわち、何らの処理もしない状態になる。従っ
て、図7に示されたリセットIC651からのシステム
リセット信号によって外部から動作禁止状態にされる前
に、内部的に動作停止状態になる。よって、電源断時に
確実にCPU56は動作停止する。その結果、上述した
RAMアクセス禁止の制御および動作停止制御によっ
て、電源電圧が低下していくことに伴って生ずる可能性
がある異常動作に起因するRAMの内容破壊等を確実に
防止することができる。
【0101】なお、この実施の形態において、停電発生
NMI処理では、ステップS40でクリア信号の入力が
あった場合や処理の最終部でプログラムをループ状態に
したが、ホールト(HALT)命令を発行するように構
成してもよい。
【0102】また、レジスタの内容をRAM領域に格納
した後にセットされるバックアップフラグは、上述した
ように、電源投入時において復旧すべきバックアップデ
ータがあるか否か(停電からの復旧か否か)を判断する
際に使用される。また、ステップS41からS50の処
理は、CPU56がシステムリセット回路65からのシ
ステムリセット信号を受ける前に完了する。換言すれ
ば、システムリセット回路65からのシステムリセット
信号を受ける前に完了するように、電圧監視回路の検出
電圧の設定が行われている。
【0103】この実施の形態では、電力供給停止時処理
開始時に、バックアップフラグの確認が行われる。そし
て、バックアップフラグが既にセットされている場合に
は電力供給停止時処理を実行しない。上述したように、
バックアップフラグは、必要なデータのバックアップが
完了し、その後電力供給停止時処理が完了したことを示
すフラグである。従って、例えば、リセット待ちのルー
プ状態で何らかの原因で再度NMIが発生したとして
も、電力供給停止時処理が重複して実行されてしまうよ
うなことはない。
【0104】ただし、割込処理中では他の割込がかから
ないような仕様のCPUを用いている場合には、ステッ
プS43の判断は不要である。
【0105】図16は、バックアップパリティデータ作
成方法の一例を説明するための説明図である。ただし、
図16に示す例では、簡単のために、バックアップデー
タRAM領域のデータのサイズを3バイトとする。電源
電圧低下にもとづく停電発生処理において、図16に示
すように、バックアップチェックデータ領域に、初期デ
ータ(この例では00H)が設定される。次に、「00
H」と「F0H」の排他的論理和がとられ、その結果と
「16H」の排他的論理和がとられる。さらに、その結
果と「DFH」の排他的論理和がとられる。そして、そ
の結果(この例では「39H」)を反転して得られた値
(この例では「C6H」)がバックアップパリティデー
タ領域に設定される。
【0106】電源が再投入されたときには、停電復旧処
理においてパリティ診断が行われる。バックアップ領域
の全データがそのまま保存されていれば、電源再投入時
に、図16に示すようなデータがバックアップ領域に設
定されている。
【0107】ステップS5の処理において、CPU56
は、電源発生MNI処理にて実行された処理と同様の処
理を行う。すなわち、バックアップチェックデータ領域
に、初期データ(この例では00H)が設定され、「0
0H」と「F0H」の排他的論理和がとられ、その結果
と「16H」の排他的論理和がとられる。さらに、その
結果と「DFH」の排他的論理和がとられる。そして、
その結果(この例では「39H」)を反転した最終演算
結果を得る。バックアップ領域の全データがそのまま保
存されていれば、最終的な演算結果は、「C6H」、す
なわちバックアップチェックデータ領域に設定されてい
るデータと一致する。バックアップRAM領域内のデー
タにビット誤りが生じていた場合には、最終的な演算結
果は「C6H」にならない。
【0108】よって、CPU56は、最終的な演算結果
とバックアップチェックデータ領域に設定されているデ
ータとを比較して、一致すればパリティ診断正常とす
る。一致しなければ、パリティ診断異常とする。
【0109】以上のように、この実施の形態では、遊技
制御手段には、遊技機の電源が断しても、所定期間電源
バックアップされる変動データ記憶手段(この例ではバ
ックアップRAM)が設けられ、電源投入時に、CPU
56(具体的にはCPU56が実行するプログラム)
は、変動データ記憶手段がバックアップ状態にあればバ
ックアップデータにもとづいて遊技状態を回復させる遊
技状態復旧処理(ステップS7)を行うように構成され
る。
【0110】その際、クリアスイッチ921がオン状態
であり、CPU56にクリア信号の入力があれば、遊技
状態復旧処理は実行されず、通常の初期化処理(ステッ
プS4)が実行される。また、電源が断したときにクリ
アスイッチ921がオン状態であった場合も、遊技状態
復旧処理は実行されず、通常の初期化処理(ステップS
4)が実行される。従って、遊技店員等は、遊技機の電
源投入時に、クリアスイッチ921を操作することによ
って、あるいは電源断時におけるクリアスイッチ921
の状態を調整しておくことで、変動データ記憶手段に記
憶されているバックアップデータにもとづく遊技状態復
旧処理を実行するか否かを選択することができる。従っ
て、電源断が発生しても遊技者に不利益がもたらされる
ことを防止することができるとともに、遊技店での遊技
機運用上の利便性を向上させることもできる遊技機が提
供される。
【0111】なお、電源投入時に、変動データ記憶手段
にバックアップデータが記憶されていない場合に実行さ
れる初期化処理と、変動データ記憶手段にバックアップ
データが記憶されていてもクリアスイッチ921がオフ
状態である場合に実行される初期化処理とは、プログラ
ム上兼用されている(図9のステップS4参照)。従っ
て、遊技店での運用上の利便性を向上させる制御を付加
しても、プログラム容量はさほど増えない。
【0112】この実施の形態では、図8に示されたよう
に電源基板910に電源監視回路が搭載され、図7に示
されたように主基板31にシステムリセット回路65が
搭載されている。そして、電源電圧が低下していくとき
に、システムリセット回路65がローレベルのシステム
リセット信号を発生する時期は、電源監視回路(この例
では電源監視用IC902)がローレベルのNMI割込
信号を発生する時期よりも遅くなるように設定されてい
る。さらに、システムリセット回路65からのローレベ
ルのシステムリセット信号は、CPU56のリセット端
子に入力されている。
【0113】すると、CPU56は、電源監視手段(電
源監視用IC902)からの電圧低下信号にもとづい
て、クリア信号の入力があることを確認した後、または
停電発生処理(電力供給停止時処理)を実行した後にル
ープ状態に入るのであるが、ループ状態において、リセ
ット状態に入ることになる。すなわち、CPU56の動
作が完全に停止する。+5V電源電圧値以下において
は、CPU56の正常な動作が担保できない(即ち、動
作の管理ができない状態が発生する)が、CPU56は
正常に動作できる電源が供給されている状態でリセット
状態になるので、不定データにもとづいて異常動作して
しまうことは防止される。
【0114】このように、この実施の形態では、CPU
56が、電源監視回路からの検出出力の入力に応じてル
ープ状態に入るとともに、システムリセット回路65か
らの検出出力の入力に応じてシステムリセットされるよ
うに構成されている。従って、クリア信号の入力がない
場合には、電源断時に確実なデータ保存が行われ、遊技
者に不利益がもたらされることが防止される。
【0115】なお、この実施の形態では、電源監視用I
C902と、システムリセット回路65は、同一の電源
電圧を監視しているが、異なる電源電圧を監視してもよ
い。例えば、電源基板910の電源監視回路が+30V
電源電圧を監視し、システムリセット回路65が+5V
電源電圧を監視してもよい。そして、システムリセット
回路65がローレベルのシステムリセット信号を発生す
るタイミングは電源監視回路がNMI割込信号を発生す
るタイミングに対して遅くなるように、システムリセッ
ト回路65のしきい値レベル(システムリセット信号を
発生する電圧レベル)が設定される。例えば、しきい値
は4.25Vである。4.25Vは、通常時の電圧より
低いが、CPU56が暫くの間動作しうる程度の電圧で
ある。なお、システムリセット回路65に設けられた遅
延手段の遅延時間(例えばコンデンサの容量)を調整し
て、システムリセット回路65がローレベルのシステム
リセット信号を発生するタイミングを電源監視回路がN
MI割込信号を発生するタイミングに対して遅らせるよ
うにしてもよい。
【0116】また、上記の実施の形態では、CPU56
は、マスク不能割込端子(NMI端子)を介して電源基
板からのNMI割込信号(電源監視手段からのNMI割
込信号)を検知したが、NMI割込信号をマスク可能割
込端子(IRQ端子)に導入してもよい。その場合に
は、割込処理(IRQ処理)で電力供給停止時処理が実
行される。また、入力ポートを介して電源基板からのN
MI割込信号を検知してもよい。その場合には、メイン
処理において入力ポートの監視が行われる。
【0117】また、NMI割込信号に変えて、IRQ端
子を介して電源基板からの割込信号を検知する場合に、
メイン処理のステップS12における遊技制御処理の開
始時にIRQ割込マスクをセットし、遊技制御処理の終
了時にIRQ割込マスクを解除するようにしてもよい。
そのようにすれば、遊技制御処理の開始前および終了後
に割込がかかることになって、遊技制御処理が中途で中
断されることはない。従って、払出制御コマンドを払出
制御基板37に送出しているときなどにコマンド送出が
中断されてしまうようなことはない。よって、停電が発
生するようなときでも、払出制御コマンド等は確実に送
出完了する。
【0118】また、この実施の形態では、停電発生処理
(電力供給停止時処理)において、既にデータがバック
アップされ電力供給停止時処理が既に実行されたことを
示すバックアップフラグがセットされている場合には電
力供給停止時処理を実行しないように構成されている。
電源が断する過程では、再度NMIが発生する可能性が
ある。すると、停電発生処理においてバックアップフラ
グの確認を行わない場合には、再度発生したNMIによ
って再度電力供給停止時処理が実行される。
【0119】最初に実行された正規の電力供給停止時処
理では、レジスタの内容をバックアップRAMに格納す
る処理が行われる(図15におけるステップS44参
照)。最初に実行された正規の電力供給停止時処理後の
リセット待ちの状態では電源電圧が徐々に低下していく
ので、レジスタの内容が破壊される可能性もある。すな
わち、レジスタ値は、電源断が検出されたときの状態
(最初にNMIが発生したとき)から変化している可能
性がある。そのような状態で再度電力供給停止時処理が
実行されると、電源断が検出されたときの状態のレジス
タ値とは異なる値がバックアップRAMに格納されてし
まう。すると、電源復旧時に実行される停電復旧処理に
おいて、電源断が検出されたときの状態のレジスタ値と
は異なる値がレジスタに復旧されてしまう。その結果、
電源断時の遊技状態とは異なる遊技状態が再現されてし
まう可能性が生ずる。
【0120】以下、遊技状態復旧処理について説明す
る。図17は、図9のステップS7に示された遊技状態
復旧処理の一例を示すフローチャートである。この例で
は、CPU56は、バックアップRAMに保存されてい
た値を各レジスタに復元する(ステップS61)。そし
て、バックアップRAMに保存されていたデータにもと
づいて停電時の遊技状態を確認して復帰させる(ステッ
プS62)。例えば、バックアップRAMに保存されて
いたデータにもとづいて、ソレノイド回路59を介して
ソレノイド16やソレノイド21を駆動し、始動入賞口
14や開閉板20の開閉状態の復旧を行う。また、電源
断中でも保存されていた特別図柄プロセスフラグおよび
普通図柄プロセスフラグの値に応じて、電源断時の特別
図柄プロセス処理の進行状況および普通図柄プロセス処
理の進行状況に対応した制御コマンドを、表示制御基板
80、ランプ制御基板35および音声制御基板70に送
出する(ステップS64)。
【0121】以上のように、遊技状態復旧処理では、復
元された内部状態に応じて、各種電気部品の状態復元が
行われるとともに、表示制御基板80、ランプ制御基板
35および音声制御基板70に対して、制御状態を電源
断時の状態に戻すための制御コマンド(電源断時の制御
状態を生じさせるための制御コマンド)が送出される。
そのような制御コマンドは、一般に、電源断前に最後に
送出された1つまたは複数の制御コマンドである。
【0122】その結果、この実施の形態では、遊技状態
復旧処理によって、以下のような状態復旧が可能であ
る。
【0123】始動入賞口14および大入賞口(開閉板2
0)の状態が復元される。表示制御手段によって制御さ
れる普通図柄の表示状態(可変表示器10の表示状態)
は、電源断時に変動中であった場合を除いて復元され
る。表示制御手段によって制御される特別図柄の表示状
態(可変表示部9の表示状態)は、電源断時に変動中で
あった場合を除いて復元される。さらに、可変表示部9
に表示される背景やキャラクタは、特別図柄変動中およ
び大当り遊技中であった場合を除いて復元される。
【0124】特別図柄の変動中に電源断となった場合に
は、可変表示パターンの変動時間(例えば10秒)およ
び既に実行した時間(例えば4秒)の情報がバックアッ
プされる。そして、主基板31は、復旧時に、表示パタ
ーンを示す表示制御コマンドおよび停止図柄を示す表示
制御コマンドを表示制御基板80に出力し、残り時間
(上述の例では6秒)経過後に、図柄を停止させるため
表示制御コマンドを出力する。従って、特別図柄の表示
状態は、電源断時に特別図柄の変動中であった場合に
は、復旧時に、表示されていない残りの時間(上述の例
では6秒)につき可変表示が実行される。なお、復旧時
に表示制御基板80に対して出力される表示パターンを
示す表示制御コマンドは、電源断前に出力された表示パ
ターンを示す表示制御コマンドと同じものであってもよ
いが、「停電復旧中です」のような画像を表示させるた
めのコマンドとしてもよい。この場合、「停電復旧中で
す」の表示は、残りの時間(上述の例では6秒)表示さ
れる。なお、特別図柄の変動中に電源断となった場合
の、普通図柄の表示状態にについても、上述と同様の制
御が行われる。
【0125】なお、大当り遊技中に電源断となった場合
にも、上述した特別図柄の変動中に電源断となった場合
と同様に、ラウンド中あるいはラウンド間のインターバ
ルの残り時間について、復旧時に、表示、音、ランプ、
ソレノイド21などを制御するが、主基板31は、表示
制御基板80に対して電源断前に出力した確定時の図柄
(停止図柄)を指定する表示制御コマンドを出力する。
これにより、ラウンド中あるいはラウンド間の大当り図
柄による演出が可能となり(大当り図柄で大当り演出す
る機種について)、また、大当り終了後の変動開始時に
表示する図柄も表示制御基板80が認識することができ
る。
【0126】ランプ制御手段が制御する装飾ランプ2
5、始動記憶表示器18、ゲート通過記憶表示器41、
賞球ランプ51および球切れランプ52の表示状態が復
元される。遊技効果ランプ・LED28a,28b,2
8cの表示状態は、特別図柄変動中および大当り遊技中
であった場合を除いて復元される。ただし、電源断時に
大当り遊技中であった場合には、各制御区間の最初の状
態に復元可能である。各制御区間とは、例えば、大当り
開始報知状態、大入賞口開放前状態、大入賞口開放中状
態、大当り終了報知状態である。なお、特別図柄変動中
に電源断となったあと復旧した場合には、上述した可変
表示部9や可変表示装置10の表示制御と同様に、残り
時間分だけ遊技効果ランプ・LED28a,28b,2
8cの表示状態を制御するようにしてもよいが、消灯ま
たは停電復旧時特有のパターンで点灯/点滅させるよう
にしてもよい。
【0127】音声制御手段が制御する音発生状態は、特
別図柄変動中および大当り遊技中であった場合を除いて
復元される。ただし、電源断時に大当り遊技中であった
場合には、各制御区間の最初の状態に復元可能である。
なお、特別図柄変動中に電源断となったあと復旧した場
合には、上述した可変表示部9や可変表示装置10の表
示制御と同様に、残り時間分だけ音発生状態を制御する
ようにしてもよいが、無音または停電復旧時特有の音声
パターン(例えば「停電復旧中です」との音声)を出力
するようにしてもよい。
【0128】なお、この実施の形態では、電源断からの
復旧時に、主基板31の遊技制御手段から表示制御手
段、ランプ制御手段および音声制御手段に対して状態復
元のための制御コマンドが送出されるが、表示制御手
段、ランプ制御手段および音声制御手段が電源バックア
ップされる場合には、主基板31からの制御コマンドを
用いることなく、表示制御手段、ランプ制御手段および
音声制御手段が独自に制御状態を復元するように構成し
てもよい。
【0129】また、後述するように、払出制御基板37
に搭載されている払出制御手段は、電源バックアップさ
れているので、電源断からの復旧時に、賞球払出状態お
よび球貸し制御状態は、電源断時の状態に復旧する。こ
の実施の形態では、発射制御基板は払出制御手段に接続
されているので、発射制御基板91における制御状態も
同様に復元される。
【0130】遊技状態を電源断時の状態に復帰させる
と、この実施の形態では、CPU56は、前回の電源断
時の割込許可/禁止状態を復帰させるため、バックアッ
プRAMに保存されていたパリティフラグの値を確認す
る(ステップS65)。パリティフラグがクリアであれ
ば、割込許可設定を行う(ステップS66)。一方、パ
リティフラグがオンであれば、そのまま(ステップS1
aで設定された割込禁止状態のまま)遊技状態復旧処理
を終える。
【0131】なお、ここでは、遊技状態復旧処理が終了
するとメイン処理にリターンするように遊技状態復旧処
理プログラムが構成されているが、電力供給停止時処理
において保存されているスタックポインタが指すスタッ
クエリア(バックアップRAM領域にある)に記憶され
ているアドレス(電源断時のNMI割込発生時に実行さ
れていたアドレス)に戻るようにしてもよい。
【0132】上述したように、初期設定処理を開始した
あと、復旧処理を終える前まで、または初期化処理を終
える前までの間は、割込禁止状態とする構成としたこと
で、割込みにより処理が中断されることを防止すること
ができるため、初期設定、クリアスイッチ921の操作
状態やバックアップデータ記憶領域の内容に応じて行わ
れる電源断時の状態に復旧させるか否かの判断、および
復旧処理(または初期化処理)を確実に完了させること
ができる。なお、上記のように復旧処理を終える前まで
割込禁止状態とする構成とした場合であっても、電源断
時の割込禁止/許可状態をパリティフラグによりバック
アップしているため、復旧処理において電源断時の割込
禁止/許可状態を確実に復旧させることができる。
【0133】なお、上記の実施の形態では、遊技制御手
段において、データ保存処理および復旧処理が行われる
場合について説明したが、払出制御手段、音声制御手
段、ランプ制御手段および表示制御手段におけるRAM
の一部も電源バックアップされ、払出制御手段、表示制
御手段、音制御手段およびランプ制御手段も、上述した
ような処理を行ってもよい。ただし、払出制御手段、表
示制御手段、音制御手段およびランプ制御手段は、復旧
時にコマンド送出処理を行う必要はない。
【0134】図18は、主基板31から他の電気部品制
御基板に送出される制御コマンド(払出制御コマンド、
音声制御コマンドなどの各制御コマンド)のコマンド形
態の一例を示す説明図である。この実施の形態では、制
御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMOD
E(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コ
マンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット
(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭
ビット(ビット7)は必ず「0」とされる。なお、図1
8に示されたコマンド形態は一例であって他のコマンド
形態を用いてもよい。また、制御コマンドは、1バイト
構成としてもよい。
【0135】図19は、遊技制御基板から他の各電気部
品制御基板に対する制御コマンドを構成する8ビットの
制御信号とINT信号(ストローブ信号)との関係を示
すタイミング図である。図19に示すように、MODE
またはEXTのデータが出力ポートに出力されてから、
所定期間が経過すると、CPU56は、データ出力を示
す信号であるINT信号をオン状態にする。また、そこ
から所定期間が経過するとINT信号をオフ状態にす
る。
【0136】図20は、払出制御コマンドの内容の一例
を示す説明図である。図20に示された例において、コ
マンドFF00(H)は、払出可能状態を指定する払出
制御コマンドである。コマンドFF01(H)は、払出
停止状態を指定する払出制御コマンドである。また、コ
マンドF0XX(H)は、賞球個数を指定する払出制御
コマンドである。2バイト目の「XX」が払出個数を示
す。
【0137】払出制御手段は、主基板31の遊技制御手
段からFF01(H)の払出制御コマンドを受信すると
賞球払出および球貸しを停止する状態となり、FF00
(H)の払出制御コマンドを受信すると賞球払出および
球貸しができる状態になる。また、賞球個数を指定する
払出制御コマンドを受信すると、受信したコマンドで指
定された個数に応じた賞球払出制御を行う。
【0138】なお、払出制御コマンドは、払出制御手段
が認識可能に1回だけ送出される。認識可能とは、この
例では、INT信号がオン状態になることであり、認識
可能に1回だけ送出されるとは、この例では、払出制御
信号の1バイト目および2バイト目のそれぞれに応じて
INT信号が1回だけオン状態になることである。
【0139】次に、遊技制御手段以外の電気部品制御手
段において各処理が行われる場合の例として、払出制御
手段においてデータ保存や復旧などが行われる場合につ
いて説明する。
【0140】図21は、払出制御用CPU371周りの
一構成例を示すブロック図である。図21に示すよう
に、第1の電源監視回路(第1の電源監視手段)からの
電圧低下信号が、バッファ回路960を介して払出制御
用CPU371のマスク不能割込端子(XNMI端子)
に接続されている。第1の電源監視回路は、遊技機が使
用する各種直流電源のうちのいずれかの電源の電圧を監
視して電源電圧低下を検出する回路である。この実施の
形態では、VSLの電源電圧を監視して電圧値が所定値以
下になるとローレベルの電圧低下信号を発生する。VSL
は、遊技機で使用される直流電圧のうちで最大のもので
あり、この例では+30Vである。従って、払出制御用
CPU371は、割込処理によって電源断の発生を確認
することができる
【0141】払出制御用CPU371のCLK/TRG
2端子には、主基板31からのINT信号が接続されて
いる。CLK/TRG2端子にクロック信号が入力され
ると、払出制御用CPU371に内蔵されているタイマ
カウンタレジスタCLK/TRG2の値がダウンカウン
トされる。そして、レジスタ値が0になると割込が発生
する。従って、タイマカウンタレジスタCLK/TRG
2の初期値を「1」に設定しておけば、INT信号の入
力に応じて割込が発生することになる。
【0142】払出制御基板37には、システムリセット
回路975も搭載されているが、この実施の形態では、
システムリセット回路975は、第2の電源監視回路
(第2の電源監視手段)も兼ねている。すなわち、リセ
ットIC976は、電源投入時に、外付けのコンデンサ
に容量で決まる所定時間だけ出力をローレベルとし、所
定時間が経過すると出力をハイレベルにする。また、リ
セットIC976は、電源基板910に搭載されている
第1の電源監視回路が監視する電源電圧と等しい電源電
圧であるVSLの電源電圧を監視して電圧値が所定値(例
えば+9V)以下になるとローレベルの電圧低下信号を
発生する。従って、電源断時には、リセットIC976
からの電圧低下信号がローレベルになることによって払
出制御用CPU371がシステムリセットされる。な
お、図21に示すように、電圧低下信号はリセット信号
と同じ出力信号である。
【0143】リセットIC976が電源断を検知するた
めの所定値は、通常時の電圧より低いが、払出制御用C
PU371が暫くの間動作しうる程度の電圧である。ま
た、リセットIC976が、払出制御用CPU371が
必要とする電圧(この例では+5V)よりも高い電圧を
監視するように構成されているので、払出制御用CPU
371が必要とする電圧に対して監視範囲を広げること
ができる。従って、より精密な監視を行うことができ
る。
【0144】+5V電源から電力が供給されていない
間、払出制御用CPU371の内蔵RAMの少なくとも
一部は、電源基板から供給されるバックアップ電源がバ
ックアップ端子に接続されることによってバックアップ
され、遊技機に対する電源が断しても内容は保存され
る。そして、+5V電源が復旧すると、システムリセッ
ト回路975からリセット信号が発せられるので、払出
制御用CPU371は、通常の動作状態に復帰する。そ
のとき、必要なデータがバックアップされているので、
停電等からの復旧時には停電発生時の遊技状態に復帰す
ることができる。
【0145】以上のように、この実施の形態では、電源
基板910に搭載されている第1の電源監視回路が、遊
技機で使用される直流電圧のうちで最も高い電源VSLの
電圧を監視して、その電源の電圧が所定値を下回ったら
電圧低下信号(電源断検出信号)を発生する。電源断検
出信号が出力されるタイミングでは、IC駆動電圧は、
まだ各種回路素子を十分駆動できる電圧値になってい
る。従って、IC駆動電圧で動作する払出制御基板37
の払出制御用CPU371が所定の電力供給停止時処理
を行うための動作時間が確保されている。
【0146】なお、ここでも、第1の電源監視回路は、
遊技機で使用される直流電圧のうちで最も高い電源VSL
の電圧を監視することになるが、電源断検出信号を発生
するタイミングが、IC駆動電圧で動作する電気部品制
御手段が所定の電力供給停止時処理を行うための動作時
間が確保されるようなタイミングであれば、監視対象電
圧は、最も高い電源VSLの電圧でなくてもよい。すなわ
ち、少なくともIC駆動電圧よりも高い電圧を監視すれ
ば、電気部品制御手段が所定の電力供給停止時処理を行
うための動作時間が確保されるようなタイミングで電源
断検出信号を発生することができる。
【0147】その場合、上述したように、監視対象電圧
は、賞球カウントスイッチ301A等の遊技機の各種ス
イッチに供給される電圧が+12Vであることから、電
源断時のスイッチオン誤検出の防止も期待できる電圧で
あることが好ましい。すなわち、スイッチに供給される
電圧(スイッチ電圧)である+12V電源電圧が落ち始
める以前の段階で、電圧低下を検出できることが好まし
い。よって、少なくともスイッチ電圧よりも高い電圧を
監視することが好ましい。
【0148】なお、図21に示すように、クリアスイッ
チ921の操作状態にもとづいて出力されるクリアスイ
ッチ信号に応じて入力ポート372を介してクリア信号
を入力するために、コイル981とリレースイッチ98
2とで構成されるリレー980が設けられている。な
お、入力ポート372には、本例では、賞球カウントス
イッチ301Aおよび球貸しカウントスイッチ301B
の各スイッチの出力信号も入力されている。このような
構成によれば、クリアスイッチ921の切換によりクリ
アスイッチ信号が出力されると、コイル981に定格電
圧がかかる。すると、リレースイッチ982がオフとな
って、払出制御用CPU371にクリア信号が与えられ
るので、払出制御用CPU371により変動データ記憶
手段の記憶内容が初期データとされる処理が行われる
が、その詳細は後述する。
【0149】なお、図21に示された構成では、システ
ムリセット回路975は、電源投入時に、コンデンサの
容量で決まる期間のローレベルを出力し、その後ハイレ
ベルを出力する。すなわち、リセット解除タイミングは
1回だけである。しかし、図6に示された主基板31の
場合と同様に、複数回のリセット解除タイミングが発生
するような回路構成を用いてもよい。
【0150】図22は、払出制御用CPU371のメイ
ン処理を示すフローチャートである。メイン処理では、
払出制御用CPU371は、まず、必要な初期設定を行
う(ステップS701)。
【0151】図23は、ステップS701の初期設定処
理を示すフローチャートである。初期設定処理におい
て、払出制御用CPU371は、まず、割込禁止に設定
する(ステップS701a)。次に、払出制御用CPU
371は、割込モードを割込モード2に設定し(ステッ
プS701b)、スタックポインタにスタックポインタ
指定アドレスを設定する(ステップS701c)。ま
た、払出制御用CPU371は、内蔵デバイスレジスタ
の初期化(ステップS701d)、CTC(カウンタ/
タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期
化(ステップS701e)を行ったあと、RAMをアク
セス可能状態に設定する(ステップS701f)。
【0152】この実施の形態では、タイマ/カウンタ割
込としてCH2,CH3のカウントアップにもとづく割
込を使用する。CH2のカウントアップにもとづく割込
は、上述したタイマカウンタレジスタCLK/TRG2
の値が「0」になったときに発生する割込である。従っ
て、ステップS701eにおいて、タイマカウンタレジ
スタCLK/TRG2に初期値「1」が設定される。ま
た、CH3のカウントアップにもとづく割込は、CPU
の内部クロックをカウントダウンしてレジスタ値が
「0」になったら発生する割込であり、後述する2ms
タイマ割込として用いられる。具体的には、CH3のレ
ジスタ値はシステムクロックの1/256周期で減算さ
れる。ステップS701eにおいて、CH3のレジスタ
には、初期値として2msに相当する値が設定される。
なお、CH2に関する割込番地は0074Hであり、C
H3に関する割込番地は0076Hである。
【0153】次いで、払出制御用CPU371は、入力
ポート372を介して入力されるクリア信号の入力状態
を、本例では1回だけ確認する(ステップS702)。
クリアスイッチ921がオン(図5の「クリア」とされ
ている状態)である場合には、クリアスイッチ信号が出
力され、コイル981に定格電圧がかかっている。従っ
て、払出制御用CPU371は、クリアスイッチ921
がオンであれば、通常の初期化処理を実行する(ステッ
プS704)。なお、クリアスイッチ921は、電源が
オンする前にオンとされていてもよく、電源と同時にオ
ンとされてもよい。さらに、電源入力後の例えば所定期
間内にオンとされてもよい。電源入力後にオン状態とさ
れることを考慮して、ステップS2の判定前にディレイ
時間をおいてもよい。
【0154】クリア信号の入力がなければ(クリアスイ
ッチ921が図5の「OFF」とされ、リレースイッチ
982がオンとなっている状態)、払出制御用CPU3
71は、払出制御用のバックアップRAM領域にバック
アップデータが存在しているか否かの確認を行う(ステ
ップS703)。すなわち、例えばバックアップRAM
領域に形成されている後述する総合個数記憶または貸し
球個数記憶(図26参照)などの記憶情報の有無を確認
して、例えば未払出の賞球個数および貸し球個数に関す
るバックアップデータがないかどうか確認する。不測の
電源断が生じた場合には、多くの場合何らかのデータが
バックアップRAM領域に保存されており、バックアッ
プRAM領域のデータは保存されていたはずであるか
ら、後に復旧した場合の確認結果の多くはバックアップ
データありとなる。バックアップデータなしという確認
結果であれば、前回の電源オフ時に未払出の遊技球がな
かったことになり、内部状態を電源断時の状態に戻す必
要がないので、停電復旧時でない電源投入時に実行され
る初期化処理を実行する(ステップS703,S70
4)。なお、本例では、バックアップRAM領域にバッ
クアップデータが存在しているか否かは、電源断時にバ
ックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグ
によって確認する。
【0155】バックアップRAM領域にバックアップデ
ータが存在している場合には、この実施の形態では、払
出制御用CPU371は、バックアップRAM領域のデ
ータチェック(この例ではパリティチェック)を行う
(ステップS705)。不測の電源断が生じた後に復旧
した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存
されていたはずであるから、チェック結果は正常にな
る。チェック結果が正常でない場合には、内部状態を電
源断時の状態に戻すことができないので、停電復旧時で
ない電源投入時に実行される初期化処理を実行する(ス
テップS706,S704)。
【0156】チェック結果が正常であれば、払出制御用
CPU371は、内部状態を電源断時の状態に戻すため
の払出状態復旧処理を行う(ステップS707)。そし
て、バックアップRAM領域に保存されていたPC(プ
ログラムカウンタ)の指すアドレスに復帰する(ステッ
プS708)。
【0157】通常の初期化処理の実行(ステップS70
4)を終えると、払出制御用CPU371により実行さ
れるメイン処理は、タイマ割込フラグの監視(ステップ
S709)の確認が行われるループ処理に移行する。
【0158】なお、この実施の形態では、ステップS7
02でクリア信号の入力がない場合に、バックアップデ
ータの有無が確認されていたが、逆に、バックアップデ
ータの有無を確認した後、バックアップデータが存在す
る場合(さらに、バックアップ領域のチェックを行い、
バックアップ領域のチェック結果が正常であったことが
確認された場合であってもよい)にクリア信号の入力の
有無を確認するようにしてもよい。
【0159】また、この実施の形態では、ステップS7
03でバックアップデータの有無が確認された後、バッ
クアップデータが存在する場合にステップS705でバ
ックアップ領域のチェックが行われたが、逆に、バック
アップ領域のチェック結果が正常であったことが確認さ
れた後、バックアップデータの有無の確認を行うように
してもよい。また、バックアップデータの有無の確認、
またはバックアップ領域のチェックの何れか一方の確認
を行うことによって、停電復旧処理を実行するか否かを
判定してもよい。
【0160】また、例えば停電復旧処理を実行するか否
か判断する場合のパリティチェック(ステップS70
5)の際などに、すなわち、遊技状態を復旧するか否か
判断する際に、保存されていたRAMデータにおける払
出遊技球数データ等によって、遊技機が払出待機状態
(払出途中でない状態)であることが確認されたら、払
出状態復旧処理を行わずに初期化処理を実行するように
してもよい。
【0161】通常の初期化処理では、図24に示すよう
に、レジスタおよびRAMのクリア処理(ステップS9
01)が行われる(ステップS902)。そして、初期
設定処理(ステップS701a)において割込禁止とさ
れているので、初期化処理を終える前に割込が許可され
る(ステップS903)。
【0162】この実施の形態では、払出制御用CPU3
71の内部タイマ(CH3)が繰り返しタイマ割込を発
生するように設定される。また、繰り返し周期は2ms
に設定される。そして、図25に示すように、タイマ割
込が発生すると、払出制御用CPU371は、タイマ割
込フラグをセットする(ステップS712)。なお、2
msタイマ割込処理において、必要ならば、CH3のレ
ジスタに対して初期値再設定が行われる。
【0163】払出制御用CPU371は、ステップS7
09において、タイマ割込フラグがセットされたことを
検出すると、タイマ割込フラグをリセットするとともに
(ステップS710)、払出制御処理を実行する(ステ
ップS711)。以上の制御によって、この実施の形態
では、払出制御処理は2ms毎に起動されることにな
る。なお、この実施の形態では、タイマ割込処理ではフ
ラグセットのみがなされ、払出制御処理はメイン処理に
おいて実行されるが、タイマ割込処理で払出制御処理を
実行してもよい。
【0164】払出制御用CPU371は、電源投入時
に、クリア信号が入力されているか否かを確認するだけ
で、通常の初期化処理を行うか否か決定できる。すなわ
ち、簡単な判断によって、遊技機設置島に属する各遊技
機について、未払出の遊技球の払出処理再開などを行う
ことなく通常の運用を開始することができる。また、ク
リア信号が入力されていなければ、遊技機設置島に属す
る各遊技機の払出制御用CPU(例えば払出制御用CP
U371)は、それぞれのバックアップRAMの保存デ
ータを確認することで、払出中の状態を復元するか否か
それぞれ決定できる。すなわち、簡単な判断によって、
遊技機設置島に属する各遊技機について、未払出の遊技
球について払出処理再開を行うことができる。
【0165】また、本例では、払出制御用CPU371
も、主基板31のCPU56と同様に、パリティチェッ
クコードによって記憶内容保存の確実化を図っている。
【0166】以上のように、バックアップデータの有無
により電源断時の払出状態に復旧するか否かの判断を行
うようにしたことで、停電後の電源復旧時などにおいて
電源投入された時に、バックアップデータ記憶領域の内
容に応じて電源断時の状態に復旧させるか否かの判断を
行うことができる。従って、バックアップデータにもと
づく制御を実現することができるとともに、不必要な復
旧処理の実行を防止することができる。
【0167】その際、クリアスイッチ921がオン状態
であれば、遊技状態復旧処理(ステップS707)は実
行されず、通常の初期化処理(ステップS704)が実
行される。従って、遊技店員等は、遊技機の電源投入時
に、クリアスイッチ921を操作することによって、遊
技機設置島に属する各遊技機について、バックアップデ
ータ記憶領域(変動データ記憶手段)に記憶されている
バックアップデータにもとづく遊技状態復旧処理を実行
するか否かを選択することができる。従って、電源断が
発生しても遊技者に不利益がもたらされることを防止す
ることができるとともに、遊技店での遊技機運用上の利
便性を向上させることもできる遊技機が提供され、しか
もこれらの効果を遊技機設置島に属する全ての遊技機に
ついてまとめて得ることができる。
【0168】なお、電源投入時に、変動データ記憶手段
にバックアップデータが記憶されていない場合に実行さ
れる初期化処理と、変動データ記憶手段にバックアップ
データが記憶されていてもクリアスイッチ921がオフ
状態である場合に実行される初期化処理とは、プログラ
ム上兼用されている(図22のステップS704参
照)。従って、遊技店での運用上の利便性を向上させる
制御を付加しても、プログラム容量はさほど増えない。
【0169】また、上述したように、バックアップデー
タの状態により電源断時の払出状態に復旧するか否かの
判断を行うようにしたことで、停電後の電源復旧時など
において電源投入された時に、バックアップデータ記憶
領域の内容の状態に応じて電源断時の状態に復旧させる
か否かの判断を行うことができる。従って、遊技店員等
がクリアスイッチ921を操作することによってバック
アップデータにもとづく遊技状態復旧処理の実行を選択
した場合に、遊技機設置島に属する各遊技機について、
正常なバックアップデータにもとづく制御を実現するこ
とができるとともに、異常が発生したバックアップデー
タにもとづく復旧処理の実行を防止することができる。
【0170】図26は、払出制御用CPU371が内蔵
するRAMの使用例を示す説明図である。この例では、
バックアップRAM領域に総合個数記憶(例えば2バイ
ト)および貸し球個数記憶が形成されている。総合個数
記憶は、主基板31の側から指示された払出個数の総数
を記憶するものである。貸し球個数記憶は、未払出の球
貸し個数を記憶するものである。
【0171】図27は、割込処理による払出制御コマン
ド受信処理を示すフローチャートである。主基板31か
らの払出制御用のINT信号は払出制御用CPU371
のCLK/TRG2端子に入力されている。よって、主
基板31からのINT信号がオン状態になると、払出制
御用CPU371に割込がかかり、図27に示す払出制
御コマンドの受信処理が開始される。この実施の形態で
は、受信した払出制御コマンドを格納するための12バ
イトの確定コマンドバッファ領域が設けられている。そ
して、受信した払出制御コマンドの格納位置を示すため
にコマンド受信個数カウンタが用いられる。なお、払出
制御コマンドは、2バイト構成であるから、実質的には
6個の払出制御コマンドを確定コマンドバッファ領域に
格納可能である。
【0172】払出制御コマンドの受信処理において、払
出制御用CPU371は、まず、払出制御コマンドデー
タの入力に割り当てられている入力ポートからデータを
読み込む(ステップS851)。そして、2バイト構成
の払出制御コマンドのうちの1バイト目であるか否か確
認する(ステップS852)。1バイト目であるか否か
は、受信したコマンドの先頭ビットが「1」であるか否
かで確認できる。先頭ビットが「1」であるのは、2バ
イト構成の払出制御コマンドのうちのMODEバイト
(1バイト目)のはずである(図18参照)。先頭ビッ
トが「1」であれば、有効な1バイト目を受信したとし
て、受信したコマンドを確定コマンドバッファ領域にお
けるコマンド受信個数カウンタが示す確定コマンドバッ
ファに格納する(ステップS853)。
【0173】払出制御コマンドのうちの1バイト目でな
ければ、1バイト目を既に受信したか否か確認する(ス
テップS854)。既に受信したか否かは、受信バッフ
ァ(ステップS853における確定コマンドバッファ)
に有効なデータが設定されているか否かで確認できる。
【0174】1バイト目を既に受信している場合には、
受信した1バイトのうちの先頭ビットが「0」であるか
否か確認する。そして、先頭ビットが「0」であれば、
有効な2バイト目を受信したとして、受信したコマンド
を、確定コマンドバッファ領域におけるコマンド受信個
数カウンタ+1が示す確定コマンドバッファに格納する
(ステップS855)。先頭ビットが「0」であるの
は、2バイト構成の払出制御コマンドのうちのEXTバ
イト(2バイト目)のはずである(図18参照)。な
お、ステップ845のYのあとの確認で、受信した1バ
イトのうちの先頭ビットが「0」でなければ、処理を終
了する。
【0175】ステップS855において、2バイト目の
コマンドデータを格納すると、コマンド受信個数カウン
タに2を加算する(ステップS856)。そして、コマ
ンド受信カウンタが12以上であるか否か確認し(ステ
ップS857)、12以上であればコマンド受信個数カ
ウンタをクリアする(ステップS858)。
【0176】図28は、ステップS710の払出制御処
理を示すフローチャートである。払出制御処理におい
て、払出制御用CPU371は、まず、中継基板72を
介して入力ポート372bに入力される賞球カウントス
イッチ301A、球貸しカウントスイッチ301Bがオ
ンしたか否かを判定する(スイッチ処理:ステップS7
51)。
【0177】次に、払出制御用CPU371は、センサ
(例えば、払出モータ289の回転数を検出するモータ
位置センサ)からの信号入力状態を確認してセンサの状
態判定などを行う(入力判定処理:ステップS75
2)。払出制御用CPU371は、さらに、受信した払
出制御コマンドを解析し、解析結果に応じた処理を実行
する(コマンド解析実行処理:ステップS753)。
【0178】次いで、払出制御用CPU371は、主基
板31より受信した払出停止指示コマンドに応じて払出
停止状態に設定し、あるいは受信した払出開始指示コマ
ンドに応じて払出停止状態の解除を行う(ステップS7
54)。また、プリペイドカードユニット制御処理を行
う(ステップS755)。
【0179】また、払出制御用CPU371は、球貸し
要求に応じて貸し球を払い出す制御を行う(ステップS
756)。さらに、払出制御用CPU371は、総合個
数記憶に格納された個数の賞球を払い出す賞球制御処理
を行う(ステップS757)。そして、払出制御用CP
U371は、出力ポート372cおよび中継基板72を
介して球払出装置97の払出機構部分における払出モー
タ289に向けて駆動信号を出力し、ステップS756
の球貸し制御処理またはステップS757の賞球制御処
理で設定された回転数分払出モータ289を回転させる
払出モータ制御処理を行う(ステップS758)。
【0180】なお、この実施の形態では、払出モータ2
89としてステッピングモータが用いられ、払出モータ
289を制御するために1−2相励磁方式が用いられ
る。従って、具体的には、払出モータ制御処理におい
て、8種類の励磁パターンデータが繰り返し払出モータ
289に出力される。また、この実施の形態では、各励
磁パターンデータが4msずつ出力される。
【0181】次いで、エラー検出処理が行われ、その結
果に応じてエラー表示LED374に所定の表示を行う
(エラー処理:ステップS759)。検出されるエラー
として、例えば、次の8種類がある。
【0182】賞球経路エラー:賞球払出動作終了したと
き、または払出モータ289が1回転したときに賞球カ
ウントスイッチ301Aが1個も遊技球の通過を検出し
なかったとき。エラー表示LED374に「0」が表示
される。
【0183】球貸し経路エラー:球貸しの払出動作終了
したとき、または払出モータ289が1回転したときに
球貸しカウントスイッチ301Bが1個も遊技球の通過
を検出しなかったとき。エラー表示LED374に
「1」が表示される。
【0184】賞球カウントスイッチ球詰まりエラー:賞
球カウントスイッチ301Aが0.5秒以上オンを検出
したとき。エラー表示LED374に「2」が表示され
る。
【0185】球貸しカウントスイッチ球詰まりエラー:
球貸しカウントスイッチ301Bが0.5秒以上オンを
検出したとき。エラー表示LED374に「3」が表示
される。
【0186】払出モータ球噛みエラー:払出モータ28
9が正常に回転しないとき。具体的には、払出モータ位
置センサのオンが所定期間以上継続したり、オフが所定
期間以上継続した場合。エラー表示LED374に
「4」が表示される。なお、払出モータ球噛みエラーが
生じた場合には、払出制御用CPU371は、50ms
の基準励磁相の出力を行った後、1−2相励磁の励磁パ
ターンデータのうちの4種類の励磁パターンデータを8
ms毎に出力することによる払出モータ289の逆回転
と正回転を繰り返す。
【0187】プリペイドカードユニット未接続エラー:
VL信号のオフが検出されたとき。エラー表示LED3
74に「5」が表示される。
【0188】プリペイドカードユニット通信エラー:規
定のタイミング以外でプリペイドカードユニット50か
ら信号出力されたことを検出したとき。エラー表示LE
D374に「6」が表示される。
【0189】払出停止状態:主基板31から払出停止を
示す払出制御コマンドを受信したとき。エラー表示LE
D374に「7」が表示される。なお、主基板31から
払出開始を示す払出制御コマンドを受信したときには、
その時点から2002ms後に、払出停止状態から払出
可能状態に復帰する。
【0190】さらに、外部接続端子(図示せず)から出
力する情報信号を制御する処理を行う(出力処理:ステ
ップS760)。なお、情報信号は、貸し球の払出一単
位(例えば25個)ごとに所定時間オンとなり、続いて
所定時間オフを出力する信号である。
【0191】図29は、電源基板910の電源監視回路
からの電圧変化信号にもとづくNMIに応じて実行され
る停電発生NMI処理の一例を示すフローチャートであ
る。なお、この実施の形態では、NMI割込番地は00
66Hである。停電発生NMI処理において、払出制御
用CPU371は、まず、クリア信号の入力があるか否
か確認する(ステップS800)。クリア信号の入力が
あれば、払出制御用CPU371は、RAMアクセス禁
止状態にして(ステップS809)、全ての出力ポート
をオフ状態にしたあと(ステップS810)、ループ処
理にはいる。すなわち、バックアップフラグをセットす
ることなく、何らの処理もしない状態になる。従って、
図21に示されたリセットIC976からのシステムリ
セット信号によって外部から動作禁止状態にされる前
に、内部的に動作停止状態になる。よって、電源断時に
確実に払出制御用CPU371は動作停止する。その結
果、上述したRAMアクセス禁止の制御および動作停止
制御によって、電源電圧が低下していくことに伴って生
ずる可能性がある異常動作に起因するRAMの内容破壊
等を確実に防止することができる。
【0192】なお、クリア信号の入力がある場合にはバ
ックアップフラグをセットしないようにしているため、
その後に電源の供給が再開された場合であってもステッ
プS703の処理にてバックアップなしと判断され、バ
ックアップデータに基づく復旧がされることはない。従
って、クリアスイッチ921をオン状態(図5の「クリ
ア」が選択された状態)にしておけば、その後に電源供
給が再開したときにバックアップデータに基づく復旧処
理が実行されないような状態(バックアップフラグがセ
ットされていない状態)で電源断状態にしておくことが
できる。従って、例えば遊技店における一日の営業が終
了したあとに電源を切るときにクリアスイッチ921を
オン状態にしておくだけで、次の日の営業開始前の電源
投入によって前の日の営業終了時の状態に復旧してしま
うことを、遊技機設置島に属している全ての遊技機につ
いて防止することができる。
【0193】ステップS800にてクリア信号の入力が
あれば、払出制御用CPU371は、割込禁止フラグの
内容をパリティフラグに格納する(ステップS80
1)。次いで、割込禁止に設定する(ステップS80
2)。停電発生NMI処理では、本例では主基板31に
おいて実行された処理と同様に、RAM内容の保存を確
実にするためのチェックサムの生成処理を行う。その処
理中に他の割込処理が行われたのではチェックサムの生
成処理が完了しないうちに払出制御用CPU371が動
作し得ない電圧にまで低下してしまうことがことも考え
られるので、まず、他の割込が生じないような設定がな
される。なお、停電発生NMI処理におけるステップS
804〜S810は、電力供給停止時処理の一例であ
る。
【0194】なお、割込処理中では他の割込がかからな
いような仕様のCPUを用いている場合には、ステップ
S802の処理は不要である。
【0195】次いで、払出制御用CPU371は、バッ
クアップフラグが既にセットされているか否か確認する
(ステップS803)。バックアップフラグが既にセッ
トされていれば、以後の処理を行わない。バックアップ
フラグがセットされていなければ、以下の電力供給停止
時処理を実行する。すなわち、ステップS804からス
テップS810の処理を実行する。
【0196】まず、各レジスタの内容をバックアップR
AM領域に格納する(ステップS804)。その後、バ
ックアップフラグをセットする(ステップS805)。
そして、バックアップRAM領域のバックアップチェッ
クデータ領域に適当な初期値を設定し(ステップS80
6)、初期値およびバックアップRAM領域のデータに
ついて順次排他的論理和をとったあと反転し(ステップ
S807)、最終的な演算値をバックアップパリティデ
ータ領域に設定する(ステップS808)。また、RA
Mアクセス禁止状態にする(ステップS809)。さら
に、全ての出力ポートをオフ状態にする(ステップS8
10)。電源電圧が低下していくときには、各種信号線
のレベルが不安定になってRAM内容が化ける可能性が
あるが、このようにRAMアクセス禁止状態にしておけ
ば、バックアップRAM内のデータが化けることはな
い。
【0197】次いで、払出制御用CPU371は、ルー
プ処理にはいる。すなわち、何らの処理もしない状態に
なる。従って、上述したように、図21に示されたリセ
ットIC976からのシステムリセット信号によって外
部から動作禁止状態にされる前に、内部的に動作停止状
態になる。よって、電源断時に確実に払出制御用CPU
371は動作停止する。その結果、上述したRAMアク
セス禁止の制御および動作停止制御によって、電源電圧
が低下していくことに伴って生ずる可能性がある異常動
作に起因するRAMの内容破壊等を確実に防止すること
ができる。なお、この実施の形態では、停電発生NMI
処理において、ステップS800にてクリア信号の入力
があった場合や処理の最終部でプログラムをループ状態
にしたが、ホールト(HALT)命令を発行するように
構成してもよい。
【0198】また、レジスタの内容をRAM領域に格納
した後にセットされるバックアップフラグは、上述した
ように、電源投入時において復旧すべきバックアップデ
ータがあるか否か(停電からの復旧か否か)を判断する
際に使用される。また、ステップS800からS810
の処理(ステップS800でクリア信号の入力がない場
合)は、払出制御用CPU371がシステムリセット回
路975からのシステムリセット信号を受ける前に完了
する。換言すれば、システムリセット回路975からの
システムリセット信号を受ける前に完了するように、電
圧監視回路の検出電圧の設定が行われている。
【0199】この実施の形態では、電力供給停止時処理
開始時に、バックアップフラグの確認が行われる。そし
て、バックアップフラグが既にセットされている場合に
は電力供給停止時処理を実行しない。上述したように、
バックアップフラグは、必要なデータのバックアップが
完了し、その後電力供給停止時処理が完了したことを示
すフラグである。従って、例えば、リセット待ちのルー
プ状態で何らかの原因で再度NMIが発生したとして
も、電力供給停止時処理が重複して実行されてしまうよ
うなことはない。
【0200】ただし、割込処理中では他の割込がかから
ないような仕様のCPUを用いている場合には、ステッ
プS803の判断は不要である。
【0201】また、この実施の形態では、払出制御用C
PU371は、マスク不能外部割込端子(NMI端子)
を介して電源基板からのNMI割込信号(電源監視手段
からのNMI割込信号)を検知したが、NMI割込信号
をマスク可能割込割込端子(IRQ端子)に導入しても
よい。その場合には、IRQ処理によって図29に示さ
れた停電発生NMI処理が実行される。また、入力ポー
トを介してNMI割込信号を検知してもよい。その場合
には、払出制御用CPU371が実行するメイン処理に
おいて、入力ポートの監視が行われる。
【0202】図30は、バックアップパリティデータ作
成方法の一例を説明するための説明図である。ただし、
図30に示す例では、簡単のために、バックアップデー
タRAM領域のデータのサイズを3バイトとする。電源
電圧低下にもとづく停電発生処理において、図30に示
すように、バックアップチェックデータ領域に、初期デ
ータ(この例では00H)が設定される。次に、「00
H」と「F0H」の排他的論理和がとられ、その結果と
「16H」の排他的論理和がとられる。さらに、その結
果と「DFH」の排他的論理和がとられる。そして、そ
の結果(この例では「39H」)を反転して得られた値
(この例では「C6H」)がバックアップパリティデー
タ領域に設定される。
【0203】電源が再投入されたときには、停電復旧処
理においてパリティ診断が行われる。バックアップ領域
の全データがそのまま保存されていれば、電源再投入時
に、図30に示すようなデータがバックアップ領域に設
定されている。
【0204】ステップS705の処理において、払出制
御用CPU371は、図29のステップS806および
ステップS807にて実行された処理と同様の処理を行
う。すなわち、バックアップチェックデータ領域に、初
期データ(この例では00H)が設定され、「00H」
と「F0H」の排他的論理和がとられ、その結果と「1
6H」の排他的論理和がとられる。さらに、その結果と
「DFH」の排他的論理和がとられる。そして、その結
果(この例では「39H」)を反転した最終演算結果を
得る。バックアップ領域の全データがそのまま保存され
ていれば、最終的な演算結果は、「C6H」、すなわち
バックアップチェックデータ領域に設定されているデー
タと一致する。バックアップRAM領域内のデータにビ
ット誤りが生じていた場合には、最終的な演算結果は
「C6H」にならない。
【0205】よって、払出制御用CPU371は、最終
的な演算結果とバックアップチェックデータ領域に設定
されているデータとを比較して、一致すればパリティ診
断正常とする。一致しなければ、パリティ診断異常とす
る。
【0206】以上のように、この実施の形態では、払出
制御手段には、遊技機の電源が断しても、所定期間電源
バックアップされる記憶手段(この例ではバックアップ
RAM)が設けられ、電源投入時に、払出制御用CPU
371(具体的には払出制御用CPU371が実行する
プログラム)は、記憶手段がバックアップ状態にあれば
バックアップデータにもとづいて払出状態を回復させる
払出状態復旧処理(ステップS707)を行うように構
成される。
【0207】以下、払出状態復旧処理について説明す
る。図31は、図22のステップS707に示された払
出状態復旧処理の一例を示すフローチャートである。こ
の例では、払出制御用CPU371は、バックアップR
AMに保存されていた値をレジスタに復元する(ステッ
プS861)。そして、バックアップRAMに保存され
ていたデータにもとづいて停電時の払出状態を復旧する
ための処理を行う。例えば、賞球中処理中フラグのセッ
ト等を行う。
【0208】払出状態を復帰させると、この実施の形態
では、払出制御用CPU371は、前回の電源断時の割
込許可/禁止状態を復帰させるため、バックアップRA
Mに保存されていたパリティフラグの値を確認する(ス
テップS862)。パリティフラグがクリアであれば、
割込許可設定を行う(ステップS863)。一方、パリ
ティフラグがオンであれば、そのまま(ステップS70
1aで設定された割込禁止状態のまま)払出状態復旧処
理を終える。
【0209】なお、ここでは、払出状態復旧処理が終了
すると払出制御メイン処理にリターンするように払出状
態復旧処理プログラムが構成されているが、電力供給停
止時処理において保存されているスタックポインタが指
すスタックエリア(バックアップRAM領域にある)に
記憶されているアドレス(電源断時のNMI割込発生時
に実行されていたアドレス)に戻るようにしてもよい。
【0210】上述したように、初期設定処理を開始した
あと、払出状態復旧処理を終える前まで、または初期化
処理を終える前までは、割込禁止状態とする構成とした
ことで、割込みにより処理が中断されることを防止する
ことができるため、初期設定、バックアップデータ記憶
領域の内容に応じて行われる電源断時の払出状態に復旧
させるか否かの判断、および復旧処理(または初期化処
理)を確実に完了させることができる。なお、上記のよ
うに復旧処理を終える前まで割込禁止状態とする構成と
した場合であっても、電源断時の割込禁止/許可状態を
パリティフラグによりバックアップしているため、復旧
処理において電源断時の割込禁止/許可状態を確実に復
旧させることができる。
【0211】図32は、遊技機の電源断時の電源低下や
NMI割込信号(ここでは、電源断信号)の様子を示す
タイミング図である。遊技機に対する電力供給が断たれ
ると、最も高い直流電源電圧であるVSLの電圧値は徐々
に低下する。そして、この例では、+22Vにまで低下
すると、電源基板910に搭載されている電源監視用I
C902から電源断信号(電圧低下信号)が出力される
(ローレベルになる)。
【0212】電源断信号は、電気部品制御基板(図32
に示す例では主基板31および払出制御基板37)に導
入され、CPU56および払出制御用CPU371のN
MI端子に入力される。CPU56および払出制御用C
PU371は、上述したNMI処理によって、所定の電
力供給停止時処理を実行する。
【0213】VSLの電圧値がさらに低下して所定値(こ
の例では+9V)にまで低下すると、主基板31や払出
制御基板37に搭載されているリセットIC651の出
力がローレベルになり、CPU56および払出制御用C
PU371がシステムリセット状態になる。なお、CP
U56および払出制御用CPU371は、システムリセ
ット状態とされる前に、電力供給停止時処理を完了して
いる。
【0214】VSLの電圧値がさらに低下してVcc(各種
回路を駆動するための+5V)を生成することが可能な
電圧を下回ると、各基板において各回路が動作できない
状態となる。しかし、少なくとも主基板31や払出制御
基板37では、電力供給停止時処理が実行され、CPU
56および払出制御用CPU371がシステムリセット
状態とされている。
【0215】リセットIC976が電源断を検知するた
めの所定値は、通常時の電圧より低いが、払出制御用C
PU371が暫くの間動作し得る程度の電圧である。ま
た、リセットIC976が、払出制御用CPU371が
必要とする電圧(この例では+5V)よりも高い電圧を
監視するように構成されているので、払出制御用CPU
371が必要とする電圧に対して監視範囲を広げること
ができる。従って、より精密な監視を行うことができ
る。
【0216】また、この実施の形態では、電源基板91
0に搭載されている電源監視回路が、遊技機で使用され
る直流電圧のうちで最も高い電源VSLの電圧を監視し
て、その電源の電圧が所定値を下回ったら電圧低下信号
(電源断検出信号)を発生する。図32に示すように、
電源断検出信号が出力されるタイミングでは、IC駆動
電圧は、まだ各種回路素子を十分駆動できる電圧値にな
っている。従って、IC駆動電圧で動作する払出制御基
板37の払出制御用CPU371が所定の電力供給停止
時処理を行うための動作時間が確保されている。
【0217】なお、ここでも、電源監視回路は、遊技機
で使用される直流電圧のうちで最も高い電源VSLの電圧
を監視することになるが、電源断検出信号を発生するタ
イミングが、IC駆動電圧で動作する電気部品制御手段
が所定の電力供給停止時処理を行うための動作時間が確
保されるようなタイミングであれば、監視対象電圧は、
最も高い電源VSLの電圧でなくてもよい。すなわち、少
なくともIC駆動電圧よりも高い電圧を監視すれば、電
気部品制御手段が所定の電力供給停止時処理を行うため
の動作時間が確保されるようなタイミングで電源断検出
信号を発生することができる。
【0218】この場合、上述したように、監視対象電圧
は、賞球カウントスイッチ301A等の遊技機の各種ス
イッチに供給される電圧が+12Vであることから、電
源断時のスイッチオン誤検出の防止も期待できる電圧で
あることが好ましい。すなわち、スイッチに供給される
電圧(スイッチ電圧)である+12V電源電圧が落ち始
める以前の段階で、電圧低下を検出できることが好まし
い。よって、少なくともスイッチ電圧よりも高い電圧を
監視することが好ましい。
【0219】ただし、監視範囲が狭まるが、電圧監視回
路および他の電圧監視回路の監視電圧として+5V電源
電圧を用いることも可能である。その場合にも、電圧監
視回路の検出電位は、他の電圧監視回路の検出電位より
も高く設定される。
【0220】以上説明したようにクリアスイッチ921
の操作状態にもとづいて遊技機設置島に属する複数の遊
技機それぞれが電源断時の状態に復旧するか否かの判断
を行うようにしたことで、遊技状態をバックアップする
とともに電源供給再開時に復旧することが可能な複数の
遊技機に対して、まとめてバックアップ再開の無効化を
行うことができる。従って、遊技機設置島に属する複数
の遊技機について、バックアップデータにもとづく制御
を実行することをまとめて実現することができるととも
に、不必要な復旧処理の実行をまとめて防止することが
できる。
【0221】また、上述したように電源供給を停止する
ときの処理(この例では停電発生NMI処理)において
クリアスイッチ921の操作状態にもとづいて、遊技機
設置島に属する各遊技機がバックアップフラグをセット
することなくループ状態に入るようにしたことで、その
後の電源供給が開始されたときに、遊技状態をバックア
ップするとともに電源供給再開時に復旧することが可能
な複数の遊技機に対して、まとめてバックアップ再開の
無効化を行うことができる。
【0222】また、上述した各実施の形態では、電源投
入後の所定期間内にクリアスイッチ921の所定の操作
状態が確認されたときにバックアップRAMをクリアす
る構成とし、あるいは電源供給停止処理時にクリアスイ
ッチ921の所定の操作状態が確認されたときにバック
アップフラグをセットしないような構成としていたが、
遊技機1の稼働中にRAMをクリアする構成としてもよ
い。
【0223】この場合、例えばタイマ/カウンタ割込と
してCH1(2msタイマ割込の設定がされるチャネル
(例えば、CH0)とは別のチャネル)のカウントアッ
プにもとづく割込を使用する。CH1のカウントアップ
にもとづく割込は、タイマカウンタレジスタCLK/T
RG1の値が「0」になったときに発生する割込であ
る。例えば図33に示すように、クリアスイッチ921
の出力信号が、CPU56に内蔵されたCTCのCH1
に対応した入力端子に入力されるように構成する。ま
た、例えば初期設定処理(図11)のCTCの設定(ス
テップS1e)において、クリア信号の入力にもとづく
割込がかかるように、CPU56に設けられているCT
CのCH1に対応するレジスタCLK/TRG1の設定
をしておく。すなわち、レジスタCLK/TRG1に、
初期値(初期データ)として例えば「1」が設定され
る。そして、クリア信号の入力にもとづく割込処理(以
下、CTC1割込処理という)により初期化処理が実行
されるように設定しておく。
【0224】なお、この例では、図33に示すように、
OR回路949の出力が、AND回路(論理積回路)9
55に入力されている。また、クリアスイッチ921か
らののクリアスイッチ信号に応じて出力されるクリア信
号がタイマ956に入力されている。AND回路955
の他方の入力端子には、タイマ956の出力信号が入力
される。そして、AND回路955の出力が、CPU5
6のリセット端子に接続されている。
【0225】図34は、この例における払出制御用CP
U371周りの構成の一例を示す図である。この例で
は、タイマ/カウンタ割込としてCH1のカウントアッ
プにもとづく割込を使用する。CH1のカウントアップ
にもとづく割込は、タイマカウンタレジスタCLK/T
RG1の値が「0」になったときに発生する割込であ
る。図34に示すように、クリアスイッチ921のクリ
アスイッチ信号出力にもとづいて出力されるクリア信号
が、払出制御用CPU371に内蔵されたCTCのCH
1に対応した入力端子に入力されるように構成する。ま
た、例えば初期設定処理(図23)のCTCの設定(ス
テップS701e)において、クリア信号の入力にもと
づく割込がかかるように、払出制御用CPU371に設
けられているCTCのCH1に対応するレジスタCLK
/TRG1の設定をしておく。すなわち、レジスタCL
K/TRG1に、初期値(初期データ)として例えば
「1」が設定される。そして、クリア信号の入力にもと
づく割込処理により、主基板31における処理と同様
に、初期化処理が実行されるように設定しておく。
【0226】なお、この例では、図34に示すように、
システムリセット回路975の出力が、AND回路95
5aに入力されている。また、クリア信号出力がタイマ
956aに入力されている。AND回路955aの他方
の入力端子には、タイマ956aの出力信号が入力され
る。そして、AND回路955aの出力が、払出制御用
CPU371のリセット端子に接続されている。
【0227】このような構成において、クリアスイッチ
921がオンされてクリアスイッチ信号が出力される
と、リレースイッチ972がオフとなってクリア信号が
CPU56および払出制御用CPU371の入力端子に
入力される。クリア信号が入力され、CTCのダウンカ
ウント処理によりレジスタCLK/TRG1の設定値が
0になると、CPU56は、CTC1割込処理を開始
し、例えば図36に示すように本例ではステップS4と
同様の初期化処理を実行して(ステップS14)、RA
Mに記憶されている変動データのクリアなどの処理を実
行する。なお、払出制御用CPU371についても、上
述したCPU56と同様に、CTC1割込処理において
例えば図37に示すようにステップS704と同様の初
期化処理を実行して(ステップS713)、RAMに記
憶されている変動データのクリアなどの処理を実行す
る。
【0228】図35は、クリアスイッチ921、タイマ
956,956aなどの出力信号やクリア信号、遊技機
における動作状態の一例を示すタイミング図である。な
お、図35では、払出制御基板37における動作状態の
様子も示されている。また、クリアスイッチ921がオ
ンすると、本例ではクリア信号がタイマ956,956
aにも入力される。クリア信号が入力すると、タイマ9
56,956aは、所定時間(例えば、RAMのクリア
処理を終えるまでの時間)を計時して、その時間の経過
後にローレベルのシステムリセット信号を出力する。す
ると、CPU56および払出制御用CPU371は、リ
セット状態(動作不能状態)となる。そして、クリアス
イッチ921が「OFF」に切り替えられると、クリア
スイッチ921はクリアスイッチ信号の出力を停止す
る。従って、リレースイッチ972,982がオンとな
り、クリア信号がタイマ956,956aに入力されな
くなる。すると、タイマ956,956aは、出力信号
をハイレベルに立ち上げてCPU56および払出制御用
CPU371の動作を開始させる。このように、本例で
は、遊技機の稼動中にRAMがクリアされると、システ
ムリセットがかけられるように構成されている。
【0229】このように構成することで、遊技機の稼働
中であっても、クリアスイッチ921をオンするだけで
遊技機設置島に属する各遊技機のRAMに記憶されてい
る変動データを初期データとすることができる。従っ
て、電源投入後の所定期間を経過したあとであっても、
遊技機設置島に属する各遊技機のRAMの内容を即時に
クリアすることができ、RAMクリアの選択の自由度を
向上させることができる。
【0230】なお、図33〜図37を参照して説明した
他の例では、CTC1割込処理により初期化処理(ステ
ップS14、ステップS713)を実行する構成として
いたが、例えばCTC1割込処理においてステップS4
またはステップS704にジャンプするように設定して
おくようにしてもよい。
【0231】この場合、上述したようにクリアスイッチ
921がオンされたことにもとづいてクリア信号が出力
され、レジスタCLK/TRG1の設定値が0になる
と、例えば図38に示すように、CPU56は、CTC
1割込処理を実行する。CTC1割込処理において、C
PU56は、CTC1割込フラグ(本例では、クリアス
イッチ921が操作されたことにもとづいて、RAMの
クリア要求がされたことを示すフラグ)をセットする
(ステップS15)。また、同様に、払出制御用CPU
371は、例えば図39に示すように、CTC1割込処
理において、払出制御用CPU371は、CTC1割込
フラグをセットする(ステップS714)。
【0232】図40は、この例においてCPU56が実
行するメイン処理の例を示すフローチャートである。図
40に示すように、この例ではループ処理の中にCTC
1割込フラグを確認する処理(ステップS16)が含ま
れている。すなわち、CPU56は、ステップS16に
おいて、CTC1割込フラグがセットされたことを検出
すると、初期化処理を実行する(ステップS4)。な
お、CTC1割込フラグのリセットは、例えばステップ
S4の初期化処理において行われる。また、この例にお
いて、ステップS2の判断を行わない構成としてもよ
い。
【0233】図41は、この例において払出制御用CP
U371が実行するメイン処理の例を示すフローチャー
トである。図41に示すように、この例ではループ処理
の中にCTC1割込フラグを確認する処理(ステップS
715)が含まれている。すなわち、払出制御用CPU
371は、ステップS715において、CTC1割込フ
ラグがセットされたことを検出すると、初期化処理を実
行する(ステップS704)。なお、CTC1割込フラ
グのリセットは、例えばステップS704の初期化処理
において行われる。また、この例において、ステップS
702の判断を行わない構成としてもよい。
【0234】このようにCTC1割込処理において初期
化処理(ステップS4またはステップS704)にジャ
ンプするように設定しておく構成とした場合であって
も、遊技機の稼働中に、クリアスイッチ921をオンす
るだけで遊技機設置島に属する各遊技機のRAMに記憶
されている変動データを初期データとすることができ
る。従って、電源投入後の所定期間を経過したあとであ
っても、遊技機設置島に属する各遊技機のRAMの内容
をまとめて即時にクリアすることができ、RAMクリア
の選択の自由度を向上させることができる。
【0235】また、上述した各実施の形態では、初期化
処理においてRAMに記憶されている変動データを全て
クリアする構成(ステップS4a参照)としていたが、
RAMに記憶されている変動データのうちの一部をクリ
アするようにしてもよい。この場合、例えば価値付与の
数量にかかわる変動データ(例えば、入賞にもとづき払
い出される遊技球の数量などを示すデータ)をRAMに
記憶されている変動データの一部としてクリアしたり、
遊技状態にかかわる変動データ(例えば、大当りか否
か、確変か否か、時短中か否かなどを示すデータ)をR
AMに記憶されている変動データの一部としてクリアす
るようにすればよい。すなわち、クリアスイッチ921
の操作にもとづくRAMのクリアにおいて、変動データ
のうちの一部のデータとして、例えば確変フラグや時短
フラグのみがクリアされるようにしてもよい。なお、R
AMの一部が初期化されたあとは、クリアされなかった
変動データにもとづく遊技状態復旧処理(図17参照)
が実行されるように構成される。
【0236】このように、変動データの一部をクリアす
ることができる構成としたことで、復旧させる必要のな
いデータを除く変動データにもとづいて遊技状態を復旧
させることができる。なお、変動データの一部として価
値付与の数量にかかわる変動データをクリアする構成と
すれば、電源断前に得られていた遊技球を、電源投入後
に不当に得ることを防止することができる。また、変動
データの一部として遊技状態にかかわる変動データをク
リアする構成とすれば、電源断前に得られていた例えば
確変などの有利な遊技状態を、電源投入後に不当に得る
ことを防止することができ、あるいは不利な遊技状態を
不当に与えてしまうことを防止することができる。
【0237】また、上述した各実施の形態では、2点に
切替可能なクリアスイッチの例について説明したが、ク
リアスイッチが押しボタン構造とされていてもよい。図
42は、クリアスイッチを押しボタン構造とした場合の
回路構成の例を示す回路図である。この場合、遊技機の
電源がオンされている状態において、クリアスイッチ9
21が押下されていれば、クリアスイッチ信号がコネク
タ(遊技機設置島に属する各遊技機にそれぞれ設けられ
る)922を介して例えば主基板31などの各基板に対
して送信され、各遊技機の各基板に設けられているリレ
ーのコイルに定格電圧がかかり、各基板のCPUにクリ
ア信号が与えられる。
【0238】また、上述した各実施の形態では、クリア
スイッチ921の操作状態に応じて電源断処理を行うと
きに(図15参照)にバックアップフラグをセットしな
い構成としていたが、クリアスイッチ921の操作状態
に応じて電圧低下信号を遮断する構成としてもよい。
【0239】図43は、クリアスイッチ921の操作状
態に応じて電圧低下信号を遮断する構成とする場合にお
ける遊技機の電源基板910の構成例を示すブロック図
である。図43に示すように、2つのリレー990a,
990bが設けられている。各リレー990a,990
bは、それぞれコイル991a,991bとリレースイ
ッチ992a,992bとで構成される。このような構
成によれば、クリアスイッチ921の切換によりクリア
スイッチ信号が入力すると、コネクタ993を介してコ
イル991a,991bにそれぞれ定格電圧がかかり、
リレースイッチ972がオフとなって、電源監視用IC
902の出力側が遮断される。従って、電源監視用IC
902が監視しているVSL電源電圧が所定値(この例で
は+22V)以下になった場合であっても、電圧低下信
号が主基板31などの各基板に入力されない。
【0240】上記のように電源基板910を構成すれ
ば、電源の供給が断たれた場合に、電源断処理(図15
等参照)が各基板で実行されないようにすることがで
き、変動データをバックアップすることなく遊技機を電
源供給停止状態とすることができる。従って、その後電
源の供給が再開したときの遊技機設置島に属する各遊技
機のバックアップ再開をまとめて無効とすることができ
る。
【0241】また、上述した各実施の形態では、遊技機
設置島に属する一部または全部の遊技機をまとめて復旧
処理の無効化を行うようにしていたが、複数の遊技機設
置島に属する一部または全部の遊技機をまとめて復旧処
理の無効化を行うようにしてもよい。
【0242】図44はパチンコ遊技機1が属する複数の
遊技機で構成される遊技機設置島を含む複数の遊技機設
置島の状態の一例を示す説明図である。図44に示すよ
うに、この例では、複数の遊技機設置島に属する各遊技
機を管理するホールコンピュータに、各基板(例えば、
主基板31、払出制御基板37)に含まれる変動データ
記憶手段(例えば、バックアップRAM)に記憶された
バックアップデータをクリアするためのクリアスイッチ
921が設けられている。クリアスイッチ921の出力
信号は、複数の遊技機設置島に属する各遊技機それぞれ
に入力される。なお、クリアスイッチ921の出力信号
が、複数の遊技機設置島に属する遊技機のうちの一部に
入力されるような構成としてもよい。図44には、複数
の遊技機設置島に属する複数の遊技機に電源を供給する
ための集中電源スイッチ923が示されている。
【0243】このように構成すれば、クリアスイッチ9
21を操作するだけで、複数の遊技機設置島に属する各
遊技機のバックアップ再開をまとめて無効とすることが
できる。
【0244】また、上述した各実施の形態では、各基板
に信号入力部(この例ではリレー)を設け、クリアスイ
ッチ921からのクリアスイッチ信号が各基板に入力す
るような構成としたが、各遊技機の一つの基板(この例
では主基板31)に信号入力部を設け、信号入力部を備
える基板から他の基板(この例では払出制御基板37な
ど)にクリア信号を送出するような構成としてもよい。
【0245】図45は、この例におけるCPU56周り
の構成例を示すブロック図である。図46は、この例に
おける払出制御用CPU371周りの構成例を示すブロ
ック図である。このような構成によると、リレー982
からのクリア信号出力が、入力ポート570を介してC
PU56に入力されるとともにバッファ回路977を介
して各基板に向けて出力される。すると、入力ポート3
72を介して払出制御用CPU371にクリア信号が入
力される。また、他の各基板の制御用CPUにも同様に
クリア信号が入力される。従って、例えばステップS2
やステップS702などの判断にもとづいて、主基板3
1や払出制御基板37などの各基板でバックアップRA
M領域に格納されている変動データをクリアするなどの
処理が実行される。
【0246】上記のように信号入力部を一つ設けるだけ
で各基板で変動データのクリア処理などを実行すること
が可能となるので、遊技機を構成する部品の節約とな
り、遊技機を安価に構成することが可能となる。なお、
信号入力部を設ける基板は、例えば払出制御基板37や
電源基板910などの他の基板であってもよい。
【0247】また、上述した各実施の形態では、電磁石
(コイル)と機械接点(スイッチ)とで構成されるリレ
ーを用いるようにしていたが、リレーの構成は一例であ
り、例えばトランジスタを用いるものやフォトカプラな
どを用いるものなど、どのような構成であってもよい。
【0248】図47は、トランジスタを用いたリレー9
70aの一例を示すブロック図である。このような構成
によれば、クリアスイッチ921の操作によってクリア
スイッチ信号が入力すると、リレー970aであるスイ
ッチング回路がオフとなり、入力ポート570にクリア
信号が入力される。また、クリアスイッチ921が「O
FF」の状態では、クリアスイッチ信号が入力されない
ため、リレー970aであるスイッチング回路がオンと
なり、クリア信号は入力ポート570に入力されない。
【0249】また、クリアスイッチ921は集中電源ス
イッチ923と連動させた構成としてもよい。さらに、
クリアスイッチ921を「クリア」の位置で静止するこ
とが可能な構成としてもよい。このように構成すると、
電源が断たれた状態において常時「クリア」の状態を維
持しておけば電源断時の状態に復旧する処理を常に行わ
ない(図8のステップS2において常にYとなる)よう
にすることができるため、電源投入時に常に初期状態か
ら実行させるように設定しておくことができる。
【0250】また、上述した各実施の形態では、電源監
視手段は、電源基板および電気部品制御基板のいずれか
に設置されたが、どこに設置されていてもよく、遊技機
の構造上の都合等に応じて任意の位置に設置することが
できる。
【0251】そして、上記の各実施の形態では、記憶手
段としてRAMを用いた場合を示したが、記憶手段とし
て、電気的に書き換えが可能な記憶手段であればRAM
以外のものを用いてもよい。
【0252】また、上述した各実施の形態では、遊技制
御手段以外の他の電気部品制御手段として払出制御手段
を例示したが、表示制御手段、音制御手段およびランプ
制御手段についても、上述した制御を行うように構成し
てもよい。
【0253】また、上記の実施の形態では、電源監視回
路は電源基板910に設けられたが、電源監視回路は主
基板31や払出制御基板37などの電気部品制御基板に
設けられていてもよい。なお、電源回路が搭載された電
気部品制御基板が構成される場合には、電源基板には、
電源監視回路は搭載されない。
【0254】上記の各実施の形態のパチンコ遊技機1
は、始動入賞にもとづいて可変表示部9に可変表示され
る特別図柄の停止図柄が所定の図柄の組み合わせになる
と所定の遊技価値が遊技者に付与可能になる第1種パチ
ンコ遊技機であったが、始動入賞にもとづいて開放する
電動役物の所定領域への入賞があると所定の遊技価値が
遊技者に付与可能になる第2種パチンコ遊技機や、始動
入賞にもとづいて可変表示される図柄の停止図柄が所定
の図柄の組み合わせになると開放する所定の電動役物へ
の入賞があると所定の権利が発生または継続する第3種
パチンコ遊技機であっても、複数の機器をまとめて制御
することが可能な状態で設置されるものについては本発
明を適用できる。
【0255】さらに、パチンコ遊技機に限られず、スロ
ット機等においても、複数の機器をまとめて制御するこ
とが可能な状態で設置され、停電等による電源断時に、
電源断直前のデータをバックアップRAM等に保存し、
電源復旧時に保存データにもとづく制御再開処理を行う
ように構成されている場合などには本発明を適用するこ
とができる。例えば、スロット機に適用した場合には、
例えばスロット機設置島に設置されている一部または全
部のスロット機について、内部フラグ(ビック、レギュ
ラー、小役などのフラグ)やビック中などの状態の復旧
の有無を選択することができる。
【0256】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、遊技機
を、所定の遊技を行うことが可能な遊技機であって、遊
技機に設けられた電気部品を制御するための電気部品制
御マイクロコンピュータを搭載した電気部品制御基板
と、電気部品制御マイクロコンピュータが制御を行う際
に発生する変動データを記憶する変動データ記憶手段
と、電源供給停止時から少なくとも所定期間は電源供給
停止直前の変動データ記憶手段の最終記憶内容の保持が
可能な記憶内容保持手段と、外部装置からの信号が入力
可能な信号入力部とを備え、電気部品制御マイクロコン
ピュータは、電源供給が開始されたときに記憶内容保持
手段により変動データ記憶手段に最終記憶内容が保持さ
れていた場合に最終記憶内容にもとづいて電気部品の制
御を復旧させることが可能な制御復旧手段と、信号入力
部への信号入力があった場合に、制御復旧手段による制
御の復旧が実行されないようにする制御復旧禁止手段と
を含むことを特徴とする構成としたので、外部からの信
号入力に応じてバックアップされていた変動データをク
リアすることができるという効果がある。従って、遊技
店での遊技機運用上の利便性を向上させることもでき
る。また、同様の構成とされた複数の遊技機に同時に外
部から信号を入力すれば、それらの遊技機にバックアッ
プされていた変動データをまとめてクリアすることがで
きる。
【0257】遊技機で使用される所定電源の状態が電源
供給停止を示す所定の状態となったか否かを監視し、所
定の状態となった場合に検知信号を出力する電源監視手
段を備え、制御復旧手段が、検知信号が入力されると電
源の供給停止を示す符号を設定する電源供給停止時処理
を実行するとともに、電源供給が開始されたときに符号
が設定されていることを条件に最終記憶内容にもとづい
て電気部品の制御を復旧させるようにした場合には、電
源の供給が再開されたときに、符号の状態によって前回
の電源供給が停止されるときに変動データがバックアッ
プされているか否かを確認することが可能なので、確実
に電源断前の状態への復旧処理を実行することができ
る。
【0258】制御復旧禁止手段が、外部装置からの信号
入力があった場合に、変動データ記憶手段の記憶内容を
初期化する初期化処理を行って、最終記憶内容にもとづ
く制御の復旧を禁止するとした場合には、外部からの信
号入力に応じてバックアップされていた変動データを即
時に初期化することができ、初期データにもとづく遊技
を実行させることができるという効果がある。従って、
必要に応じて(例えば、変動データを維持したまま遊技
を続行することが好ましくない場合など)遊技状態を初
期状態とすることができる。
【0259】制御復旧禁止手段が、電源供給が開始され
たときに外部装置からの信号入力があった場合に、初期
化処理を行って、最終記憶内容にもとづく制御の復旧を
禁止するとした場合には、遊技機の起動時に必要に応じ
てバックアップされていた変動データを初期化すること
ができ、初期データにもとづく遊技を実行させることが
できる。従って、遊技店での遊技機運用上の利便性を向
上させることができる。
【0260】外部装置からの信号入力にもとづく初期化
処理は、変動データ記憶手段に最終記憶内容が保持され
ていない通常時の初期化処理と兼用されることを特徴と
する場合には、初期化処理を実行するためのプログラム
を複数用意する必要がないため、プログラムを格納する
メモリの容量を増加させることなく、外部装置からの信
号入力にもとづく初期化処理を実行することができる。
【0261】制御復旧禁止手段が、電源の供給停止を示
す符号が設定されていない場合に変動データ記憶手段の
記憶内容を初期化する初期化処理を行う構成とした場合
には、電源供給再開時にバックアップされていた変動デ
ータのバックアップの無効化を行うことが可能となる。
【0262】制御復旧禁止手段が、外部装置からの信号
入力があった場合に、電源供給停止時処理における電源
の供給停止を示す符号の設定を行わないことで、最終記
憶内容にもとづく制御の復旧を禁止することを特徴とす
る場合には、バックアップ再開を行う起因となる符号が
設定されないことから、電源の供給が再開されたときに
バックアップ再開されることをソフトウェア的に防止す
ることができる。
【0263】制御復旧禁止手段が、外部装置からの信号
入力があったことにより、電源監視手段が出力する検知
信号が入力されることを禁止するようにした場合には、
バックアップ処理を行う起因となる信号を遮断すること
ができるため、電源の供給が再開されたときにバックア
ップ再開されることをハードウェア的に防止することが
できる。
【0264】各々異なった電気部品の制御を行う複数の
電気部品制御マイクロコンピュータを備え、一つの信号
入力部への信号入力があった場合に、複数の電気部品制
御マイクロコンピュータにおいて、最終記憶内容にもと
づく制御の復旧を禁止する構成とした場合には、信号入
力部を複数設ける必要がないため、部品の節約となり、
遊技機を安価に構成することが可能となる。
【0265】変動データは遊技により遊技者に付与され
る価値の数量に関わるデータを含むことを特徴とすると
した場合には、払出に関わる情報をバックアップするこ
とが可能となる。
【0266】変動データは遊技の進行により変化する遊
技状態に関わるデータを含むことを特徴とする場合に
は、遊技の状態に関わる情報をバックアップすることが
可能となる。
【0267】信号入力部にリレーを用いたことを特徴と
する場合には、遊技機の電気部品に電気的負荷がかかる
おそれがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 パチンコ遊技機を正面からみた例を示す正面
図である。
【図2】 パチンコ遊技機の遊技盤を正面からみた例を
示す正面図である。
【図3】 パチンコ遊技機の機構板を背面からみた例を
示す背面図である。
【図4】 遊技機設置島の状態の例を示す説明図であ
る。
【図5】 クリアスイッチの外観構成の例を示す説明図
である。
【図6】 遊技制御基板(主基板)の回路構成例を示す
ブロック図である。
【図7】 電源監視および電源バックアップのためのC
PU周りの一構成例を示すブロック図である。
【図8】 電源基板の一構成例を示すブロック図であ
る。
【図9】 主基板におけるCPUが実行するメイン処理
の例を示すフローチャートである。
【図10】 遊技状態復旧処理を実行するか否かの決定
方法の例を示す説明図である。
【図11】 初期設定処理の例を示すフローチャートで
ある。
【図12】 初期化処理の例を示すフローチャートであ
る。
【図13】 2msタイマ割込処理の例を示すフローチ
ャートである。
【図14】 遊技制御処理の例を示すフローチャートで
ある。
【図15】 停電発生NMI処理の例を示すフローチャ
ートである。
【図16】 バックアップパリティデータ作成方法の例
を説明するための説明図である。
【図17】 遊技状態復旧処理の例を示すフローチャー
トである。
【図18】 払出制御コマンドの一構成例を示す説明図
である。
【図19】 制御信号とINT信号との関係の例を示す
タイミング図である。
【図20】 払出制御コマンドの内容の一例を示す説明
図である。
【図21】 電源監視および電源バックアップのための
払出制御用CPU周りの一構成例を示すブロック図であ
る。
【図22】 払出制御用CPUが実行するメイン処理の
例を示すフローチャートである。
【図23】 払出制御用CPUの初期設定処理の一例を
示すフローチャートである。
【図24】 払出制御用CPUの初期化処理の一例を示
すフローチャートである。
【図25】 払出制御用CPUのタイマ割込処理の例を
示すフローチャートである。
【図26】 払出制御手段におけるRAMの一構成例を
示す説明図である。
【図27】 払出制御用CPUのコマンド受信処理の例
を示すフローチャートである。
【図28】 払出制御用CPUが実行する払出制御処理
の例を示すフローチャートである。
【図29】 払出制御用CPUが実行する停電発生NM
I処理の例を示すフローチャートである。
【図30】 バックアップパリティデータ作成方法の例
を説明するための説明図である。
【図31】 払出制御用CPUが実行する払出状態復旧
処理の例を示すフローチャートである。
【図32】 遊技機の電源断時の電源低下やNMI信号
の様子の例を示すタイミング図である。
【図33】 クリア信号の入力端子の他の例を示すため
のCPU周りの一構成例を示すブロック図である。
【図34】 クリア信号の入力端子の他の例を示すため
の払出制御用CPU周りの一構成例を示すブロック図で
ある。
【図35】 遊技機のクリアスイッチやタイマの出力信
号やクリア信号の様子の例を示すタイミング図である。
【図36】 CPUが実行するCTC1割込処理の例を
示すフローチャートである。
【図37】 払出制御用CPUが実行するCTC1割込
処理の例を示すフローチャートである。
【図38】 CPUが実行するCTC1割込処理の他の
例を示すフローチャートである。
【図39】 払出制御用CPUが実行するCTC1割込
処理の他の例を示すフローチャートである。
【図40】 主基板におけるCPUが実行するメイン処
理の他の例を示すフローチャートである。
【図41】 払出制御用CPUが実行するメイン処理の
他の例を示すフローチャートである。
【図42】 クリアスイッチの構成の例を示す回路図で
ある。
【図43】 電源基板の他の構成例を示すブロック図で
ある。
【図44】 複数の遊技機設置島の状態の例を示す説明
図である。
【図45】 主基板のみに信号入力部を設けるとした場
合の例を示すためのCPU周りの一構成例を示すブロッ
ク図である。
【図46】 主基板のみに信号入力部を設けるとした場
合の例を示すための払出制御用CPU周りの一構成例を
示すブロック図である。
【図47】 リレーの他の構成例を示すブロック図であ
る。
【符号の説明】
1 パチンコ遊技機 31 主基板 37 払出制御基板 53 基本回路 56 CPU 371 払出制御用CPU 372,570 入力ポート 910 電源基板 921 クリアスイッチ 923 集中電源スイッチ 970,970a,980,990a,990b リレ

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の遊技を行うことが可能な遊技機で
    あって、 遊技機に設けられた電気部品を制御するための電気部品
    制御マイクロコンピュータを搭載した電気部品制御基板
    と、前記電気部品制御マイクロコンピュータが制御を行
    う際に発生する変動データを記憶する変動データ記憶手
    段と、電源供給停止時から少なくとも所定期間は電源供
    給停止直前の変動データ記憶手段の最終記憶内容の保持
    が可能な記憶内容保持手段と、外部装置からの信号が入
    力可能な信号入力部とを備え、 前記電気部品制御マイクロコンピュータは、電源供給が
    開始されたときに前記記憶内容保持手段により前記変動
    データ記憶手段に前記最終記憶内容が保持されていた場
    合に前記最終記憶内容にもとづいて電気部品の制御を復
    旧させることが可能な制御復旧手段と、前記信号入力部
    への信号入力があった場合に、前記制御復旧手段による
    制御の復旧が実行されないようにする制御復旧禁止手段
    とを含むことを特徴とする遊技機。
  2. 【請求項2】 遊技機で使用される所定電源の状態が電
    源供給停止を示す所定の状態となったか否かを監視し、
    所定の状態となった場合に検知信号を出力する電源監視
    手段を備え、 制御復旧手段は、前記検知信号が入力されると、電源の
    供給停止を示す符号を設定する電源供給停止時処理を実
    行するとともに、電源供給が開始されたときに前記符号
    が設定されていることを条件に最終記憶内容にもとづい
    て電気部品の制御を復旧させる請求項1記載の遊技機。
  3. 【請求項3】 制御復旧禁止手段は、外部装置からの信
    号入力があった場合に、変動データ記憶手段の記憶内容
    を初期化する初期化処理を行い、最終記憶内容にもとづ
    く制御の復旧を禁止する請求項1または請求項2記載の
    遊技機。
  4. 【請求項4】 制御復旧禁止手段は、電源供給が開始さ
    れたときに外部装置からの信号入力があった場合に、初
    期化処理を行い、最終記憶内容にもとづく制御の復旧を
    禁止する請求項3記載の遊技機。
  5. 【請求項5】 外部装置からの信号入力にもとづく初期
    化処理は、変動データ記憶手段に最終記憶内容が保持さ
    れていない通常時の初期化処理と兼用されることを特徴
    とする請求項4記載の遊技機。
  6. 【請求項6】 制御復旧禁止手段は、電源の供給停止を
    示す符号が設定されていない場合に変動データ記憶手段
    の記憶内容を初期化する初期化処理を行う請求項2ない
    し請求項5記載の遊技機。
  7. 【請求項7】 制御復旧禁止手段は、外部装置からの信
    号入力があった場合に、電源供給停止時処理における電
    源の供給停止を示す符号の設定を行わないことで、最終
    記憶内容にもとづく制御の復旧を禁止することを特徴と
    する請求項2記載の遊技機。
  8. 【請求項8】 制御復旧禁止手段は、外部装置からの信
    号入力があったことにより、電源監視手段が出力する検
    知信号が入力されることを禁止する請求項2記載の遊技
    機。
  9. 【請求項9】 各々異なった電気部品の制御を行う複数
    の電気部品制御マイクロコンピュータを備え、 一つの信号入力部への信号入力があった場合に、複数の
    電気部品制御マイクロコンピュータにおいて、最終記憶
    内容にもとづく制御の復旧を禁止する請求項1ないし請
    求項8記載の遊技機。
  10. 【請求項10】 変動データは遊技により遊技者に付与
    される価値の数量に関わるデータを含むことを特徴とす
    る請求項1ないし請求項9記載の遊技機。
  11. 【請求項11】 変動データは遊技の進行により変化す
    る遊技状態に関わるデータを含むことを特徴とする請求
    項1ないし請求項10記載の遊技機。
  12. 【請求項12】 信号入力部にリレーを用いたことを特
    徴とする請求項1ないし請求項11記載の遊技機。
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