JP2002034732A - 幼児用ベッド - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ベッド回動の蝶番の構成が簡単で、回動が安
定円滑で、ベッドに柵を設けて幼児の転落防止を確実に
し、設けた柵が起立したときには収縮して前方に突出し
ない幼児用ベッドを提供する。 【解決手段】 ベッド１０の基板１１に軸止して上下に
回動可能なベッドの本体１３の両側面先端部に、一端を
軸止した回動支持枠１９の先端と、基板１１に取付けた
アングル１７に、一端を軸止した側方枠１５ａの先端と
を軸止し、両側の回動支持枠１９間に前方枠５ｂを取り
付けてなり、本体１３を下方へ回動して水平にしたとき
には、回動支持枠１９が立ち上がり、側方枠１５ａおよ
び前方枠１５ｂが柵１５となり、本体１３を上方へ回動
して起立したときには、回動支持枠１９が本体１３と平
行になり、柵１５が収縮して低くなる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、化粧室等の壁面
に基板を固定し、ベッド部分を基板に対して起伏可能に
取付けた幼児用ベッドに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来の幼児用ベッドとして特許第２６１
１１４３号で開示されたものがある。この幼児用ベッド
は、図６および図７に示すように、基枠１にベッド２を
起伏可能に枢止したもので、ベッド２を起伏可能とする
構成は、前端を円弧状にした複数の起伏調整用カム３を
基枠１に前方向に突設させ、ベッド２に固定した枠板４
内にスライド可能に嵌挿したスライダー５をバネ６で起
伏調整用カム３に押しつけてなるものである。

【０００３】図７の（Ａ）に示すベッド２は起立した状
態を示すものである。この場合バネ６に押されたスライ
ダー５は起伏調整用カム３の上面に当接している。

【０００４】図７の（Ｂ）は、ベッド２を下方へ回動さ
せて水平にした状態を示すものである。ベッド２を下方
へ回動させると、スライダー５はバネ６に押されながら
カム３の先端の弧状面を滑り、ベッド２が水平になった
時には、スライダー５はカム３の先端を前方から押す。
ベッド２は、その後端上面が基枠１の下端に当接し、水
平状態を維持する。

【０００５】ベッド２の本体７の上面には、ウレタンホ
ーム等の緩衝材を充填発泡させたクッション８を取り付
けており、クッション８の中央には、クッション８を横
切るように、ベルト９を伸縮自在に取り付けている。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】従来の上記装置は、ベ
ッド本体回動の蝶番機構が複雑でコストがかかる。ま
た、その蝶番機構がベッド本体７に取付けたスライダー
５がバネ６に押されて基枠１のカム３を押しつけている
構成で、ベッド本体７の下方への回動によりスライダー
５の先端面がカム３の面を摺動するが、スライダー５の
先端面がカム３の先端の弧状面に来たときに、ベッド２
をしっかりと支えていないと、ベッド２の重力でベッド
２が急激に下降し、ベッド２の後端が基枠１の下面を強
く叩くので、装置を破損するおそれがある。

【０００７】更に、ベッド２はベッド本体７にクッショ
ン８とベルト９を取付けているが、クッション８は中央
よりも前後の側縁が高くなるように湾曲させているだけ
で、幼児の転落防止が不充分である。

【０００８】この発明は、ベッドの回動の蝶番機構の構
成が簡単でコストがかからず、また、ベッドの回動が安
定円滑で、装置が破損することなく、ベッドに柵を設け
て幼児の転落防止をより確実にする幼児用ベッド、更に
設けた柵がベッドを起立した時に収縮して前方に突出し
ない幼児用ベッド提供することを目的とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】化粧室等の壁面に固定す
るための基板にベッドの本体の後端を枢止し、該ベッド
を回動して水平状態と起立状態を選択しうる幼児用ベッ
ドにおいて、ベッド本体の両側面の両端に支柱と、前記
それぞれの側面両端の前記支柱の先端間に側方柵と、前
記両側面の前方の前記支柱間に前方柵を取付けて柵付幼
児用ベッドを構成する。

【００１０】化粧室等の壁面に固定するための基板にベ
ッドの本体の後端を枢止し、該ベッドを回動して水平状
態と起立状態を選択しうる幼児用ベッドにおいて、前記
ベッドの本体の両側面先端部に一端を軸止した回動支持
材の先端と、前記基板に直接、または、それに取付けた
部材に一端を軸止した側方枠の先端とを軸止し、前記両
側の回動支持材間または前記両側方枠の先端部間に前方
枠を取り付け、前記ベッドの本体を下方へ回動した時に
は、前記回動支持材が起立して、前記基板または部材、
側方枠、回動支持枠および別途本体の側縁とで矩形を形
成してベッド本体の前縁および両側縁に柵を形成し、前
記ベッド本体を上方へ回動して起立させた時には、前記
回動支持材および側方柵が伏せて（収縮して）起立した
ベッド本体の側方とほぼ平行になるようにする。

【００１１】上記柵付幼児用ベッドにおいて、基板とベ
ッド本体間にバネを取付け、ベッド本体を基板方向に付
勢するのが好ましい。

【００１２】

【発明の実施の形態】この発明の実施の形態を図面によ
り説明する。この発明に係る幼児用ベッド１０は、横方
向の基板１１と、その中央下方に縦方向に取付けた支承
脚１２と、基板１１に枢止し、上下に９０度回動するベ
ッド本体１３と、ベッド本体１３の表面に取付けたマッ
ト１４と、ベッド本体１３の両側縁部および前縁部に設
けた柵１５と、ベッド本体１３に取付けたベルト１６と
よりなる。支承脚１２は省略することができるが、設け
た方が幼児用ベッド１０が安定して好ましい。

【００１３】ベッド本体１３は、基板１１の両側に取付
けたアングル等部材１７、１７に軸止し、バネ１８、１
８を部材１７、１７とベッド本体１３の両側部との間に
取付けて、ベッド本体１３を上方へ起立するように付勢
されている。部材１７の代わりに基板１１に屈折部を設
け、それにベッド本体１３を枢止してもよい。

【００１４】柵１５は、側方枠１５ａ、１５ａの一端を
基板１１に取付けた部材１７に軸止し、基板１１に直角
に前方向として、他端を、ベッド本体１３の側面先端部
に軸止した回動支持材１９の先端部に軸止し、更に、両
回動支持材１９の先端間または両側方枠１５ａ間に前方
枠１５ｂを取付けて形成する。部材１７の代わりに基板
１１に屈折部を設け、それに側方枠１５ａの一端を軸止
してもよい。回動支持材１９はベッド本体１３の側面先
端部に直接軸止してもよく、またはベッド本体１３の側
面先端部に取付けた補強板に軸止してもよい。

【００１５】なお、側方柵１５ａ、１５ａは、部材１７
および回動支持材１９にスペーサー２０を挟んで軸止す
れば、ベッド本体１３の回動による柵１５の回動変形の
際に指を詰めて傷つくのを防止できるので好ましい。

【００１６】なお、従来の幼児用ベッドに、上記構成の
柵を設けて幼児の転落防止を図ってもよい。

【００１７】化粧室等への幼児用ベッド１０の設置は、
基板１１をボルト等の係止具で化粧室等の壁面に固定す
る。なお、支承脚１２を基板１１に取付け、支承脚１２
を係止具で壁面または床面に固定し安定を図るのが好ま
しい。

【００１８】図１および図３は、ベッド本体１３を下方
へ回動させて水平にした状態を示すものである。ベッド
本体１３を下方へ回動させると、回動支持材１９はベッ
ド本体１３に引かれ、回動支持材１９と側方枠１５ａと
の軸止点が起き上がり、アングル１７、側方枠１５ａ、
回動支持材１９とベッド本体１３の側縁とで矩形を形成
し、側方枠１５ａ、１５ａと前方枠１５ｂとで柵１５を
形成し、幼児の転落を防止する。

【００１９】幼児用ベッド１０を使用しない時には、ベ
ッド本体１３を上方へ回動させると、ベッド本体１３が
回動支持材１９の下方軸を押し、回動支持材１９の上方
軸が側方枠１５ａの先端軸を押すので、側方枠１５ａは
上方へ回動して化粧室等の壁面と平行になるが、アング
ル１７は固定されており、側方枠１５ａの両端および回
動支持材１９の両端はいずれも軸止されているので、回
動支持材１９はベッド本体１３の側縁の前方方向へ回動
して倒れ、ベッド本体１３の側縁と殆ど平行となるの
で、ベッド本体１３の側縁と側方柵１５ａとは近接して
ほぼ平行となる。従ってベッド本体１３も化粧室等の壁
面に近接して平行になった時に柵１５の各部材がベッド
本体１３よりも前面に飛び出すことがなく、化粧室等を
狭くすることがない。

【００２０】柵１５はベッド本体１３の回動により変形
するが、ベッド本体が回動しない固定した柵を、従来の
幼児用ベッドのベッド本体、または、この発明に係る上
記幼児用ベッドのベッド本体１３に設けてもよい。図４
はその説明のための図であって、ベッド本体１３の両側
縁部の両端部に支柱20を立設し、各側縁部の両端部の支
柱２０の先端間に横枠２１を固定し、両側縁部の前方の
支柱２１の先端間に前枠２２を固定して柵を形成する。

【００２１】この固定の柵は、変形しないので、ベッド
本体１３を上方へ回動させて起立させたときに、支柱２
０、横枠２１、前枠２２が壁面に当たらない用にする必
要がある。そのためには、ベッド本体１３を枢止する基
板１１を厚くして、その前面を壁面よりも前に出るよう
にするか、または、基板１１の両側にアングル等を取付
けて突出し、そのアングルにベッド本体を枢止すればよ
い。

【００２２】なお、ベッド本体１３の上面には、従来の
幼児用ベッドと同様にマット１４とベルト１６を取付け
る。マット１４は、従来例のように、前方および後方を
盛り上げると共に、両側縁に堤２４を設けるのが好まし
い。

【００２３】マット１４の代わりに、図５に示すマット
２５を用いるのが好ましい。マット２５は、ウレタン発
泡樹脂やイーヴイエー（ＥＶＡ）等軟質弾性体で形成
し、表面に幼児が仰向けに寝ることのできる凹部２６を
設ける。

【００２４】凹部２６は、肩部２７、足部２８、２８、
手部２９、２９の部分が突出した変形五角形とするのが
好ましく、肩部２７、足部２８、２８、手部２９、２９
のいずれかまたは全てをマット側面に開口させてもよ
い。図５に置いては、手部２９を開口させている。図５
においては、肩部２７は開口せず、幼児の頭は肩部２７
の縁部に載せることになる。凹部２６の周縁にはアール
を設けるのが好ましい。

【００２５】このマット２５の裏面にフック等の係止具
を取付け、ベッド本体の上面に係止する。このマット２
５を使用すれば、幼児が凹部２６内で安定し、転落する
おそれがない。

【００２６】

【発明の効果】この発明に係る幼児用ベッドは、柵が設
けられているので、従来のベッドより幼児の転落防止の
効果が大きい。

【００２７】また、この発明に係る幼児用ベッドの回動
時に変形する柵は、ベッド本体を水平にして幼児を寝か
せるときには、程よい高さとなり、ベッド本体を起立さ
せた時には、低くなってベッド本体の側方に位置するの
で、起立したベッド本体の背面より突出することなく、
従って柵が化粧室等を狭くすることがない。

【００２８】ベッド本体の後端部と基体との間にバネを
取付けているので、ベッド本体を下方へ回動させる時
に、途中で手を離しても、ベッド本体はゆっくりと下方
へ回動するので、ベッドが破損するおそれがない。ま
た、ベッドを上方へ回動させて起立させる時には、途中
で手を離してもバネの力で自動的に起立状態になるまで
回動する。

【図面の簡単な説明】

【図１】ベッドを水平にした状態の幼児用ベッドの前方
からの斜視図である。

【図２】ベッドを起立させた状態の幼児用ベッドの背面
図である。

【図３】ベッドを水平にした状態の幼児用ベッドの後方
からの斜視図である。

【図４】他の実施の形態の幼児用ベッドのベッドを水平
にした状態の前方からの斜視図である。

【図５】マットの斜視図である。

【図６】従来の幼児用ベッドの斜視図である。

【図７】従来の幼児用ベッドの蝶番機構の断面図説明図
である。

【符号の説明】

１ 基枠 ２ ベッド ３ カム ４ 枠板 ５ スライダー ６ バネ ７ ベッド本体 ８ クッション ９ ベルト １０ 幼児用ベッド １１ 基板 １２ 支承脚 １３ ベッド本体 １４ マット １５ 柵 １５ａ 側方枠 １５ｂ 前方枠 １６ ベルト １７ アングル １８ バネ １９ 回動支持材 ２０ 支柱 ２１ 横枠 ２２ 前枠 ２３ 基板 ２４ 堤 ２５ マット ２６ 凹部 ２７ 肩部 ２８ 足部 ２９ 手部

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 化粧室等の壁面に固定するための基板に
   ベッドの本体の後端を枢止し、該ベッドを回動して水平
   状態と起立状態を選択しうる幼児用ベッドにおいて、 ベッド本体の両側面の両端に支柱と、前記それぞれの側
   面両端の前記支柱の先端間に側方柵と、前記両側面の前
   方の前記支柱間に前方柵を取付けてなる柵付幼児用ベッ
   ド。
2. 【請求項２】 化粧室等の壁面に固定するための基板に
   ベッドの本体の後端を枢止し、該ベッドを回動して水平
   状態と起立状態を選択しうる幼児用ベッドにおいて、 前記ベッドの本体の両側面先端部に一端を軸止した回動
   支持材の先端と、前記基板に直接、または、それに取付
   けた部材に、一端を軸止した側方枠の先端とを軸止し、
   前記両側の回動支持材間または前記両側方枠の先端部間
   に前方枠を取り付けてなり、 前記ベッドの本体を下方へ回動した時には、前記回動支
   持材が起立して、前記基板または部材、側方枠、回動支
   持枠およびベッド本体の側縁とで矩形を形成してベッド
   本体の前縁および両側縁に柵を形成し、前記ベッド本体
   を上方へ回動して起立させた時には、前記回動支持材お
   よび側方柵が伏せて起立したベッド本体の側方とほぼ平
   行になることを特徴とする柵付幼児用ベッド。
3. 【請求項３】 基板とベッド本体間にバネを取付け、ベ
   ッド本体を基板方向に付勢してなることを特徴とする請
   求項１または２のいずれかの柵付幼児用ベッド。