JP2002034361A - 水田の用排水管理システム及び給水装置 - Google Patents

水田の用排水管理システム及び給水装置

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JP2002034361A
JP2002034361A JP2000218040A JP2000218040A JP2002034361A JP 2002034361 A JP2002034361 A JP 2002034361A JP 2000218040 A JP2000218040 A JP 2000218040A JP 2000218040 A JP2000218040 A JP 2000218040A JP 2002034361 A JP2002034361 A JP 2002034361A
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裕英 中川
Masato Ogawa
真人 小川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水田全体にわたって安定した状態で用水を供
給でき、田面水位を自動的に一定に維持できる用排水管
理システムを提供するとともに、このような用排水管理
システムに用いるのに適した給水装置を提供する。 【解決手段】 水田の側縁部分に埋設した給水パイプか
ら給水装置を介して水田の耕作区に用水を供給し、耕作
区の余剰の用水は水位調節装置から排水パイプに排出す
る。給水装置は給水枡に立ち上がったパイプの上端開口
部に設けた弁座をパイプの軸線方向に移動する弁体で開
閉する。この弁座の高さは耕作区給排水口より下方に配
置する。水位調節装置は耕作区排水口を有する排水枡内
に高さ調節可能な水位調節堰を備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水田の用排水管理
システム及び給水装置に関し、詳しくは、水田における
各耕作区の田面水位を少ない用水量で所望の高さに調節
できる水田の用排水管理システムと、該システムに用い
るのに適した給水装置とに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来の
水田では、河川を流れる水を幹線給水路に導き、さら
に、幹線給水路を流れる水を水田の側縁に沿って設けら
れた開放型の給水路に導いて水田の各耕作区に供給する
ようにしている。給水路と耕作区との間には給水口が設
けられており、給水路を流れる用水は、各給水口から各
耕作区にそれぞれ供給される。
【0003】また、前記給水路の反対側には開放型の排
水路が設けられており、各耕作区に面した排水路の排水
口には水位設定器が設けられている。この水位設定器
は、堰板等の高さを調整することにより、それぞれの耕
作区の田面水位を一定の高さに維持するように形成され
ている。また、排水路の下流側は、幹線排水路と接続し
ており、耕作区から排水路に排出された余剰の用水や雨
水は、幹線排水路を経て河川に還流される。
【0004】このような水田の場合には、給水路を流れ
る用水は、給水路の上流側に位置する給水口から各耕作
区に流入する。そして、耕作区に供給された用水は、水
位設定器によって一定の水位に維持されるとともに、余
剰の用水が排水路に排出される。このようにして、上流
側から下流側の耕作区に向かって用水が順次供給されて
いくため、下流側の耕作区ほど用水の供給が不足がちと
なる。特に、日照りが続く旱魃期には、下流側の耕作区
にほとんど用水が供給されなくなり、稲の成育不良によ
って収穫量が減少するということがあった。
【0005】さらに、傾斜地に階段状に水田が設けられ
たいわゆる棚田では、上位の水田と下位の水田とを区分
する畦畔に両者の連絡通路となる溝を設け、この溝を介
して上位の水田から下位の水田に用水を順次供給する田
越し灌漑を採用しているが、この田越し灌漑の場合に
は、それぞれの畦畔に連絡通路となる畦畔を形成する作
業が厄介であり、また、この溝の周辺部では稲の成育が
悪くなることがあった。すなわち、連絡通路となる溝を
低温用水が絶え間なく流れると、この溝の周辺部では、
低温用水の影響を受けて稲の成育が悪くなるという問題
があった。さらに、給水口から各耕作区に流入する水勢
が強いと、給水口周辺の土が流されたり、稲の生育に悪
影響を及ぼすことになる。
【0006】一方、農村の都市化に伴って農家の兼業化
が進行するとともに、就業時間の短縮及び制限から農作
業等の自動化及び省力化の要請が強まっており、水田の
給水管理や施肥管理等の省力化が望まれている。
【0007】そこで本発明は、水田全体にわたって安定
した状態で用水を供給でき、田面水位を自動的に一定に
維持できる用排水管理システムを提供するとともに、こ
のような用排水管理システムに用いるのに適した給水装
置を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の水田の用排水管理システムは、畦畔によっ
て複数の耕作区に区分された水田の各耕作区にわたって
給水経路と排水経路とを配設し、給水経路から供給され
る用水を耕作区に供給し、耕作区の余剰の用水を排水経
路に排出する水田の用排水管理システムであって、水田
の各耕作区に、前記給水経路に接続した給水装置と前記
排水経路に接続した水位調節装置とを設置し、前記給水
装置は、前記耕作区に連通する耕作区給排水口を備えた
給水枡内に収納した給水バルブの開度を調整することに
よって耕作区への用水供給量を調整可能に形成されてお
り、前記水位調節装置は、前記排水経路に接続する排水
部を有する排水枡と、前記排水部に設けられた高さ調節
可能な水位調節堰とを備えており、耕作区に供給された
余剰の用水や雨水が前記排水枡に流入し、田面水位に高
さ調節された水位調節堰を越えて排水部から排水経路に
排出されるように形成されていることを特徴としてい
る。前記給水経路及び排水経路は、地中に埋設したパイ
プによって形成することが好ましい。
【0009】また、本発明の給水装置は、水田の耕作区
に用水を供給するための給水装置であって、側壁に耕作
区に連通する耕作区給排水口を設けた給水枡と、該給水
枡内に鉛直方向に立ち上がったパイプの上端開口部に設
けられた弁座と、前記パイプの軸線方向に移動して前記
弁座を開閉する弁体と、該弁体の開閉を行う操作部とを
備えるとともに、前記弁座の高さを前記耕作区給排水口
の下縁より下方に配置したことを特徴としている。
【0010】さらに、上記給水装置において、前記弁体
は、その全開時における弁座からの距離が、弁座内径の
50%以上であることを特徴とし、また、耕作区給排水
口は、上下位置を調節可能な土砂流入防止堰を備えてい
ることを特徴としている。
【0011】
【発明の実施の形態】図1は本発明の用排水管理システ
ムを適用した水田の一形態例を示す概略平面図、図2は
本発明の給水装置の一形態例を示す縦断面図、図3は給
水装置の他の形態例を示す縦断面図、図4は水位調節装
置の一形状例を示す縦断面図、図5は水位調節装置の他
の形状例を示す縦断面図である。
【0012】水田10の内部は、短手方向に延びる畦畔
11によって複数の耕作区12に区分されている。各耕
作区12は、例えば、長辺が100〜200m、短辺が
30〜100m程度の長方形状に区分され、全体的に見
れば緩やかに傾斜しているにしても、略平坦に整地され
ている。
【0013】水田10の側縁には、その長手方向に沿っ
て農道13が設けられており、各農道13には、その傾
斜面の下方に、用水を通すための通水パイプである給水
パイプ21と排水パイプ22とが埋設されている。前記
給水パイプ21及び排水パイプ22は、上流側が用水ラ
インに接続しており、下流側が排水ラインに接続してい
る。この用水ライン及び排水ラインは、状況に応じて開
放型の水路で形成してもよく、パイプラインで形成する
こともできる。なお、用水ラインには、河川から水を引
き込むための水路が接続しており、排水ラインには、放
出された用水や雨水を河川に還流させるための水路が接
続している。さらに、給水経路及び排水経路となる給水
パイプ21や排水パイプ22は、必ずしも農道13に沿
って設ける必要はなく、必要に応じて畦畔11に沿って
設けたり、その他の箇所に設けるようにしてもよい。ま
た、これらを開放型の水路で形成することもできる。
【0014】また、各耕作区12の側縁には、前記給水
パイプ21に接続した給水装置30と、排水パイプ22
に接続した水位調節装置40とがそれぞれ設置されてい
る。なお、給水パイプ21及び排水パイプ22の設置場
所によっては、給水装置30と水位調節装置40とを耕
作区12の一辺に隣接させて、あるいは一体的に形成し
て設置することもできる。
【0015】前記給水装置30は、図2の断面図に示す
ように、農道13の一側の傾斜面部分に設けた給水枡3
1の内部に給水バルブ32を収納したものであって、こ
の給水バルブ32は、給水パイプ21から鉛直方向に立
ち上がって給水枡31の底板を貫通したパイプ33Pの
上端開口部に弁座33を設け、この弁座33をパイプ3
3Pの軸線方向に移動する弁体34によって開閉するよ
うに形成されている。弁体34は、支持部材34Sの上
端に回動可能に支持されたハンドル34Hに螺合する弁
軸34Aの下端に取付けられており、開閉操作部である
ハンドル34Hを回すことにより弁軸34Aを介して弁
体34を上下動させるように形成されている。
【0016】この給水装置30は、ハンドル34Hを操
作して弁体34の開度を適当に調整することにより、給
水パイプ21からパイプ33Pを上昇して給水枡31内
に流入する用水量を調整することができる。給水枡31
内に流入した用水は、耕作区12に連通するように給水
枡31の一側に開口した耕作区給排水口31Wから耕作
区12内に供給される。
【0017】このような給水装置30を用いることによ
り、水田設置部の傾斜によって給水パイプ21の上下で
水圧が大きく異なっていても、各給水装置30における
弁体34の開度を適切に調整することにより、必要十分
な量の用水を各耕作区12に満遍なく供給することがで
きる。また、パイプ33Pを給水パイプ21に対して鉛
直方向に設置することにより、給水パイプ21内の空気
を給水装置30から排出することができる。これによ
り、給水パイプ21内に発生した空気溜りを解消して通
水不足を未然に防止でき、さらに、給水パイプ21内が
瞬間的に負圧となることによる給水パイプ21の破損を
防止できる。
【0018】また、この給水装置30は、給水バルブ3
2の弁座33の高さを前記耕作区給排水口31Wの下縁
より下方に配置しているので、パイプ33Pからの用水
は、給水枡31内に溜まっている用水中に噴出すること
になり、パイプ33Pから噴出した用水が耕作区12に
勢いよく直接流入することがない。さらに、弁体34が
パイプ33Pの軸線方向に移動してパイプ33Pの開口
端に設けた弁座33を開閉するようにしているので、パ
イプ33Pから噴出する用水を弁体34で受け止めて水
勢を弱めることができ、耕作区給排水口31Wから耕作
区12に流入する用水の水勢を更に弱めることができ
る。
【0019】また、このような給水装置30において、
弁体34の全開時における弁座33からの距離を、弁座
内径の50%以上にしておくことにより、代掻き時等に
大量の用水が必要なときには、給水バルブ32を全開状
態にすることによって大量の用水を耕作区12に供給す
ることが可能となる。
【0020】さらに、前記耕作区給排水口31Wには、
土砂流入防止堰35が設けられている。この土砂流入防
止堰35は、耕作区給排水口31Wの両側に設けられた
ガイド溝35aに、上下位置調節可能かつ着脱可能に挿
入されており、土砂流入防止堰35の上下位置を調節し
たり、取り外したりすることにより、給水枡31内への
土砂の流入を防止することができる。なお、土砂流入防
止堰35は、上下位置調節可能にすることなく、最上位
位置に固定された状態のものであってもよい。
【0021】さらに、図3に示す給水装置のように、給
水パイプ21に接続して排水枡31内で鉛直方向に立ち
上がる前記パイプ33Pに、給水バルブ32の周囲を覆
う逆流防止枡36を設けておくこともできる。この逆流
防止枡36は、給水バルブ32の外径より大きな内径を
有する筒体36Tの下部に、パイプ33Pの周壁にゴム
リング36Rを介して上下動可能に摺接する摺動部36
Eを設けたものである。この逆流防止枡36は、給水バ
ルブ32の周囲を覆うような状態に引き上げることによ
り、耕作区給排水口31Wから給水枡31内に土砂が流
入しても、土砂による給水バルブ32の汚染やパイプ3
3P内への土砂の逆流を防止できる。
【0022】なお、図3に示す給水装置は、図2に示し
た給水装置30と基本的に同じように形成することがで
きるので、同一の構成要素には同一の符号を付してこれ
らの詳細な説明は省略する。また、給水枡31の底部に
は、該給水枡31から排水する場合を考慮して、排水用
のパイプを接続するためのパイプ接続部37を設けてお
いてもよい。
【0023】一方、前記水位調節装置40は、図4に示
すように、耕作区12に連通する開口41aを備えた有
底筒状の排水枡41に、排水パイプ22に接続する排水
部42を収納したものを用いることができ、排水部42
には、排水枡41の上部に開口する高さ調節可能な水位
調節堰43と、排水枡41の底部近傍で開口可能な排水
弁44とが設けられている。
【0024】前記水位調節堰43は、排水部42の水平
方向のパイプ42Pから垂直方向に立上がったパイプ4
3Pの上端の上向きの開口に、水密性と摺動抵抗を得る
ためのゴム製のシールパッキン43Sを介して上下動可
能に嵌装した筒体43Tにより形成されている。この筒
体43Tには、該筒体43Tを上下動させるための操作
ロッド43Hが排水枡41の上方に延びるように設けら
れている。
【0025】また、排水弁44は、排水部42のパイプ
42Pに対応した貫通口を有する2枚の板状部材の間に
板状の弁体を上下動可能に設けたスライド弁を、パイプ
42Pの先端に装着したものであって、弁体の上方に連
結した操作ロッド44Hにより開閉操作が行えるように
形成されている。
【0026】なお、前記各操作ロッド43H,44Hに
は、弁の開閉状態や堰の高さを表示するための目盛りを
設けておくことができる。また、排水枡41の上部には
蓋体を装着しておくこともできる。さらに、水位調節堰
43の上下位置調整構造も任意に選択することができ、
例えば蛇腹構造等を採用することができる。
【0027】上述のような構成からなる水位調節装置4
0は、各耕作区12に面した農道13の側縁部等に鉛直
方向に埋設され、各耕作区12における田面水位は、各
耕作区12に設けた水位調節装置40における水位調節
堰43の高さ位置を、筒体43Tに設けた操作ロッド4
3Hを上下に移動させることにより、各耕作区12毎に
設定される。
【0028】このように、水位調節堰43の上縁を田面
水位に対応した高さにそれぞれ設定し、排水弁44を全
閉にした状態で、前記給水装置30の逆流防止枡36の
上縁を田面水位よりも若干高くして給水バルブ32の弁
体34を適当な開度に設定することにより、給水パイプ
21からの用水が給水装置30の給水枡31内に流入し
た後、耕作区給排水口31Wを通って各耕作区12へ給
水される。このとき、逆流防止枡36が田面水位よりも
若干高く設定しておくことにより、耕作区12内の用水
や土砂が給水枡31内に流入することを防止できる。
【0029】一方、排水パイプ22側の水位調節装置4
0では、水位調節堰43の筒体44Tの上縁が田面水位
に対応した高さに調節されているので、耕作区12に供
給された余剰の用水や雨水は、開口41aから排水枡4
1内に流入した後、筒体43Tの上縁を越えてパイプ4
3P内を流下し、排水部42から排水パイプ22に排出
される。
【0030】したがって、各耕作区12内の田面水位
は、水位調節装置40に設けた水位調節堰43の筒体4
3Tを所定高さに調節することによって自動的に調節す
ることができる。そして、給水パイプ21に設置した給
水装置30の給水バルブ32の開度を適当に調整するこ
とにより、耕作区12への流入用水量を調整でき、必要
最小限の用水量で田面水位を一定に維持することが可能
となる。
【0031】このような用排水管理を行うことにより、
各耕作区12への用水の供給量を少なくできるため、水
田を設置した部分の傾斜角度にかかわらず各耕作区12
に満遍なく用水を供給できるようになり、下流側の耕作
区12で水不足が発生することもなくなる。また、耕作
区12への用水の流入量を少なくできるため、耕作区1
2に施用された農薬や肥料等が外部に流出することも少
なくなり、環境破壊の問題を招来するおそれもない。
【0032】このように形成したことにより、給水パイ
プ21を流れる用水を少量にすることができるため、小
径のパイプを用いることができ、給水パイプ21に大き
な勾配を付けなくてもある程度の流速を確保できる。ま
た、各耕作区12に給水装置30や水位調節装置40を
設置する作業も容易に行うことができる。しかも、水位
調節装置40は、合成樹脂製の筒材等を適宜に組合わせ
て製作することができ、排水枡41内に一体に組込まれ
ているので、排水部42と排水パイプ22とを直接ある
いは適当な継手を介して接続するだけでよいことから、
工事費等を大幅に削減することができる。しかも、従来
の平坦地灌漑では、用水を圧送するためのポンプが必要
であったが、全く不要とすることができ、用水を超低圧
で送水することができる。
【0033】また、耕作区12から用水を排出する場合
には、給水パイプ21側の給水装置30の給水バルブ3
2を閉じ状態とし、水位調節装置40における水位調節
堰43の筒体43Tを押し下げるか、排水弁44を開く
ことにより、耕作区12に貯留されている用水を水位調
節装置40から排水パイプ22に排出することができ
る。
【0034】一方、一度に大量の用水を必要とする水田
の代掻き時には、水位調節装置40の筒体43Tを引上
げることにより、給水パイプ21から給水装置30を通
って耕作区12内に流入した用水が水位調節装置40か
ら排水パイプ22に排出されることがなくなり、その全
量が耕作区12内に貯留される状態になるので、速やか
に所定の水位にすることができる。
【0035】また、減反等でいくつかの耕作区12への
給水が不要な場合は、その耕作区12に対応した給水装
置30の給水バルブ32を閉じ、水位調節装置40の排
水弁45を全開状態にしておくことにより、耕作区12
内の雨水等は、耕作区12から水位調節装置40の排水
部43を通って排水パイプ22に排出される。
【0036】さらに、耕作区12等から排水枡41内に
に侵入した土砂等は、枡底部の排水弁44を開くことに
より、パイプ42Pから用水と共に排水パイプ22に排
出することができる。
【0037】また、水位調節装置として、図5に縦断面
図で示す構造のものを使用することもできる。この水位
調節装置50は、耕作区12側の側面が開口した排水枡
51と、該排水枡51の底板51Bに設けた排水口52
に接続される鉛直方向の排水縦管52Pと、排水口52
に上下方向に摺動可能に装着された筒体からなる水位調
節堰53とにより形成されている。
【0038】水位調節堰53は、水密性と適度な摺動抵
抗とを得るためのゴム製のシールパッキン53Sを介し
て排水口52に上下動可能に取付けられており、底板5
1Bに対して任意の高さに保持できるように形成されて
いる。また、水位調節堰53の上部には把手53Hが設
けられており、排水枡51の前面開口両側には、土砂の
流入を防止する堰板54を取付けるための堰板取付部が
設けられている。
【0039】このように形成された水位設定器50は、
排水枡51に接続した排水縦管52Pの下端に、排水パ
イプ22に至る水平乃至下り勾配を有する排水横管55
Pをエルボ55Eを介して接続した状態で設置される。
【0040】さらに、前記排水縦管52Pの外周には、
止水シート56が設けられている。この止水シート56
は、その中心部に設けた配管挿通孔56aが排水縦管5
2Pの外周に密着するように形成されており、排水縦管
52Pと周囲の土砂との間に隙間が発生した場合でも、
この隙間を伝わって水が流下することを防止し、耕作区
12内の用水が外部に流出することを防止している。
【0041】このような水位調節装置50においても、
水位調節堰53の上下位置を調節したり、堰板54を着
脱したりすることにより、図4に示した水位調節装置4
0と同様の作用が得られる。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の用排水管
理システムによれば、耕作区への用水の供給や田面水位
の維持、耕作区からの用水の排出等を簡単な操作で確実
に行うことができ、各耕作区毎の田面水位の維持等の用
排水管理を効率よく行うことができる。
【0043】また、各耕作区に供給された用水が余剰水
として排出されるのを最小限に抑える用排水管理を行え
るので、各耕作区に施用された農薬や肥料等が用水と共
に外部に流出する量を低減でき、環境破壊の問題を招来
することもない。また、給水パイプ及び排水パイプを農
道や畦畔の部分に埋設することにより、水田の耕作区や
農道等のスペースを大幅に拡大でき、農地を有効に利用
することができる。さらに、一部の耕作区の減反等にも
対応することができる。
【0044】そして、本発明の給水装置は、耕作区に流
入する用水の水勢を弱めることができるので、給水口周
辺の土が流されることがなく、稲の生育に悪影響を及ぼ
すことがなくなる。また、大量の用水の供給にも対応で
き、耕作区からの用水の逆流や土砂の流入も防止可能で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の用排水管理システムを適用した水田
の一形態例を示す概略平面図である。
【図2】 本発明の給水装置の一形態例を示す断面図で
ある。
【図3】 給水装置の他の形態例を示す縦断面図であ
る。
【図4】 水位調節装置の一形状例を示す縦断面図であ
る。
【図5】 水位調節装置の他の形状例を示す縦断面図で
ある。
【符号の説明】 10…水田、11…畦畔、12…耕作区、13…農道、
21…給水パイプ、22…排水パイプ、30…給水装
置、31…給水枡、31W…耕作区給排水口、32…給
水バルブ、33…弁座、33P…パイプ、34…弁体、
34A…弁軸、34H…ハンドル、34S…支持部材、
35…土砂流入防止堰、35a…ガイド溝、36…逆流
防止枡、36E…摺動部、36R…ゴムリング、36T
…筒体、37…パイプ接続部、40…水位調節装置、4
1…排水枡、41a…開口、42…排水部、42P…パ
イプ、43…水位調節堰、43H…操作ロッド、43P
…パイプ、43S…シールパッキン、43T…筒体、4
4…排水弁、44H…操作ロッド、50…水位調節装
置、51…排水枡、51B…底板、52…排水口、52
P…排水縦管、53…水位調節堰、53H…把手、53
S…シールパッキン、54…堰板、55E…エルボ、5
5P…排水横管、56…止水シート、56a…配管挿通
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中川 裕英 京都府京都市南区上鳥羽上調子町2番地の 2 積水化学工業株式会社内 (72)発明者 小川 真人 滋賀県長浜市三ツ矢町5番8号 三菱樹脂 株式会社長浜工場内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 畦畔によって複数の耕作区に区分された
    水田の各耕作区にわたって給水経路と排水経路とを配設
    し、給水経路から供給される用水を耕作区に供給し、耕
    作区の余剰の用水を排水経路に排出する水田の用排水管
    理システムであって、水田の各耕作区に、前記給水経路
    に接続した給水装置と前記排水経路に接続した水位調節
    装置とを設置し、前記給水装置は、前記耕作区に連通す
    る耕作区給排水口を備えた給水枡内に収納した給水バル
    ブの開度を調整することによって耕作区への用水供給量
    を調整可能に形成されており、前記水位調節装置は、前
    記排水経路に接続する排水部を有する排水枡と、前記排
    水部に設けられた高さ調節可能な水位調節堰とを備えて
    おり、耕作区に供給された余剰の用水や雨水が前記排水
    枡に流入し、田面水位に高さ調節された水位調節堰を越
    えて排水部から排水経路に排出されるように形成されて
    いることを特徴とする水田の用排水管理システム。
  2. 【請求項2】 水田の耕作区に用水を供給するための給
    水装置であって、側壁に耕作区に連通する耕作区給排水
    口を設けた給水枡と、該給水枡内に鉛直方向に立ち上が
    ったパイプの上端開口部に設けられた弁座と、前記パイ
    プの軸線方向に移動して前記弁座を開閉する弁体と、該
    弁体の開閉を行う操作部とを備えるとともに、前記弁座
    の高さを前記耕作区給排水口の下縁より下方に配置した
    ことを特徴とする給水装置。
  3. 【請求項3】 前記弁体は、その全開時における弁座か
    らの距離が、弁座内径の50%以上であることを特徴と
    する請求項2記載の給水装置。
  4. 【請求項4】 前記耕作区給排水口は、上下位置を調節
    可能な土砂流入防止堰を備えていることを特徴とする請
    求項2記載の給水装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008149248A (ja) * 2006-12-15 2008-07-03 National Agriculture & Food Research Organization 水質浄化装置
CN102165910A (zh) * 2010-12-24 2011-08-31 郭仲秋 农田水利自助循环排灌系统
JP2014014351A (ja) * 2012-01-12 2014-01-30 Nippo Valve Co Ltd 農業用分水弁及び該分水弁を使用した分水給水システム

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