JPH1118598A - 水田の水位調節装置 - Google Patents

水田の水位調節装置

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JPH1118598A
JPH1118598A JP17938697A JP17938697A JPH1118598A JP H1118598 A JPH1118598 A JP H1118598A JP 17938697 A JP17938697 A JP 17938697A JP 17938697 A JP17938697 A JP 17938697A JP H1118598 A JPH1118598 A JP H1118598A
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JP
Japan
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water
water level
pipe
water supply
drainage
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Application number
JP17938697A
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English (en)
Inventor
Kimitoku Takao
公徳 高尾
Tsuneo Onodera
恒雄 小野寺
Taisuke Hashimoto
泰典 橋本
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Mitsubishi Plastics Inc
Sekisui Chemical Co Ltd
Paddy Research Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Plastics Inc
Sekisui Chemical Co Ltd
Paddy Research Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水田全体にわたって安定した状態で用水を供
給でき、田面水位を自動的に一定に維持できるととも
に、一部の耕作区の転作にも容易に対応でき、しかも、
施工性に優れ、安価に提供することができる水田の水位
調節装置を提供する。 【解決手段】 水位調節装置6は、耕作区42に連通す
る耕作区給排水口61、給水パイプ51に接続する用水
流入部62、排水パイプ53に接続する用水排出部6
3、耕作区42の下方の地中に開口する排水管67を備
えた給排水枡60aと、上流及び下流それぞれの水位調
整パイプ52に接続する調整水流入部64及び調整水流
出部65を備えた水位調節枡60bと、給排水枡60a
と水位調節枡60bとを遮断弁70を介して連通する調
整水流通部71とを有している。用水流入部62には給
水弁65及び逆流防止堰66がを用水排出部63には排
水弁84及び排水調節堰85を、調整水流出部65には
水位調節堰86を、それぞれ設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水田の水位調節装
置に関し、詳しくは、水田における各耕作区の田面水位
を必要最小限の用水量で所望の高さに容易に調節できる
とともに、用水の供給や排出も容易に行うことができ、
一部の耕作区の転作にも容易に対応できる水田の水位調
節装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図8は、従来の水田構造を示す概略平面
図であって、河川1を流れる水は、水路2から上流側の
幹線給水路3に導かれて水田4に供給されるようになっ
ている。水田4は、畦畔41によって複数の耕作区42
に区分されており、長手方向に延びる農道40の側縁に
は、それぞれの耕作区42に沿って開放型の給水路31
が設けられている。この給水路31の上流側は、前記幹
線給水路3と接続しており、各耕作区42に面した給水
路31の側壁には、給水口32が設けられている。図9
に斜視図で示すように、給水路31を流れる用水は、各
給水口32から各耕作区42に供給されるようになって
いる。
【0003】また、前記給水路31の反対側に位置する
水田4,4の間には、開放型の排水路33が設けられて
いる。各耕作区42に面した排水路33の排水口には、
水位設定器34が設けられており、この水位設定器34
の高さを調整することにより、それぞれの耕作区42の
田面水位を一定の高さに維持できるように形成されてい
る。排水路33の下流側は、幹線排水路35と接続して
おり、この排水路35に放出された余剰の用水や雨水
は、水路36から河川に還流されるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この水田の場合には、
給水路31を流れる用水は、給水路31の上流側に位置
する給水口32から各耕作区42に流入する。そして、
耕作区42に供給された用水は、水位設定器34によっ
て一定の水位に維持されるとともに、余剰の用水が排水
路33に排出される。このようにして、上流側から下流
側の耕作区42に向かって用水が順次供給されていくた
め、下流側の耕作区42ほど用水の供給が不足がちとな
る。特に、日照りが続く旱魃期には、下流側の耕作区4
2にほとんど用水が供給されなくなり、稲の成育不良に
よって収穫量が減少するということがあった。
【0005】また、各水路が開放型で形成されている従
来の水田では、給水路31や排水路33の占有幅だけ耕
作区42や農道40のスペースが狭くなるため、農地を
有効利用できないという問題もあった。さらには、上方
が開放した各水路には、土砂等が落下して堆積し易いた
め、土砂等の排出作業を頻繁に行わなければならず、水
路管理が煩わしいという問題もあった。
【0006】一方、農村の都市化に伴って農家の兼業化
が進行するとともに、就業時間の短縮及び制限から農作
業等の自動化及び省力化の要請が強まっており、水田の
給水管理や施肥管理等の省力化が望まれている。
【0007】そこで本発明は、水田全体にわたって安定
した状態で用水を供給でき、田面水位を自動的に一定に
維持できるとともに、一部の耕作区の転作にも容易に対
応でき、しかも、施工性に優れ、安価に提供することが
できる水田の水位調節装置を提供することを目的として
いる。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の水田の水位調節装置は、農道に沿って給水
パイプと水位調整パイプと排水パイプとが埋設され、給
水パイプ及び上流側の水位調整パイプから供給される用
水を耕作区に供給し、耕作区の余剰の用水を下流側の水
位調整パイプに流出させ、さらに、耕作区の用水を排水
パイプに排出可能とした水田の水位調節装置であって、
該水位調節装置は、前記給水パイプに接続する用水流入
部及び水田の耕作区に連通する耕作区給排水口並びに前
記排水パイプに接続する用水排出部とを備えた給排水枡
と、前記上流側の水位調整パイプに接続する調整水流入
部及び下流側の水位調整パイプに接続する調整水流出部
を備えた水位調節枡と、前記給排水枡と水位調節枡とを
調整水遮断手段を介して連通する調整水流通部とを有
し、前記用水流入部には用水の供給を調節する給水弁を
設け、前記用水排出部には、給排水枡の底部近傍で開口
可能な排水弁と給排水枡の上部に開口する高さ調節可能
な排水調節堰とを設けるとともに、前記調整水流出部に
は、水位調節枡の上部に開口する高さ調節可能な水位調
節堰を設けたことを特徴としている。
【0009】また、本発明の水田の水位調節装置は、前
記給排水枡が、開閉可能な遮断手段を介して耕作区下方
の地中に開口する排水管を備えていること、前記耕作区
給排水口が、高さ調節可能な越流ゲートを介して前記耕
作区に連通していること、前記水位調節堰が、前記調整
水流出部に接続されて上向きに開口したパイプに上下方
向に摺動可能に装着した筒体により形成されているこ
と、さらに、前記用水流入部が、前記給排水枡の上部に
開口する高さ調節可能な逆流防止堰を備えており、この
逆流防止堰が、前記用水流入部に接続されて上向きに開
口したパイプに上下方向に摺動可能に装着した筒体によ
り形成されていることを特徴とし、また、前記給排水枡
と水位調節枡とを、前記調整水遮断手段を備えた仕切り
壁を介して一体的に連設したことを特徴としている。
【0010】
【発明の実施の形態】図1は本発明の水位調節装置を使
用した用水管理システムの一例を示す概略平面図であ
る。水田4の内部は、短手方向に延びる畦畔41によっ
て複数の耕作区42に区分されている。各耕作区42
は、例えば、長辺が100〜200m、短辺が30〜1
00m程度の長方形状に区分され、全体的に見れば緩や
かに傾斜しているにしても、略平坦に整地されている。
【0011】また、水田4の側縁には、その長手方向に
沿って農道43が設けられている。この農道43の上面
は、その中央部が従来の農道と略同じ幅寸法の平坦面に
形成されており、この平坦面の片側又は両側に、水田4
側に向かって下り勾配となった傾斜面が形成されてい
る。この傾斜面は、従来農道に沿って設けられていた用
水路や排水路を撤去して埋め戻しを行った部分である。
このため、農道43は、従来の農道よりもかなり広幅に
なっており、トラクター等を旋回させて方向転換した
り、農道43の片方を駐車スペースとして利用できるよ
うになっている。
【0012】各農道43には、その傾斜面の下方に、用
水を通すための通水パイプである給水パイプ51と水位
調整パイプ52と排水パイプ53とが埋設されている。
前記各パイプ51,52,53は、上流側及び下流側
が、それぞれ弁37a,38aを介して用水ライン37
及び排水ライン38に接続している。この用水ライン3
7及び排水ライン38は、状況に応じて開放型の水路で
形成してもよく、パイプラインで形成することもでき
る。また、水位調整パイプ52及び排水パイプ53の下
流側の弁38aは省略することもできる。なお、図示は
省略するが、用水ライン37には、河川等から水を引き
込むための水路が接続しており、排水ライン38には、
放出された用水や雨水を河川に還流させるための水路が
接続している。
【0013】また、各耕作区42の側縁には、各耕作区
42に耕作区給排水口61を介して連通した水位調節装
置6が設置されており、前記給水パイプ51,水位調整
パイプ52及び排水パイプ53に、それぞれ用水流入部
62,用水排出部63,調整水流入部64及び調整水流
出部65を介して接続されている。
【0014】図2は、一耕作区42の用水管理に用いら
れる水位調節装置6の一例を示す配管概略図である。こ
の水位調節装置6は、遮断弁70を備えた調整水流通部
71により接続される給排水枡60aと水位調節枡60
bとを有するもので、給排水枡60aには、耕作区42
に連通する耕作区給排水口61と、給水パイプ51に接
続する用水流入部62と、排水パイプ53に接続する用
水排出部63とが設けられ、水位調節枡60bには、上
流側の水位調整パイプ52に接続する調整水流入部64
と下流側の水位調整パイプ52に接続する調整水流出部
65とが設けられている。また、給排水枡60aには、
開閉可能な遮断手段66を介して耕作区下方の地中に開
口する排水管67も設けられている。
【0015】前記耕作区給排水口61には、高さ調節可
能な越流ゲート81が設けられ、用水流入部62には、
給水弁82と、給排水枡60aの上部に開口する高さ調
節可能な逆流防止堰83とが設けられ、さらに、用水排
出部63には、給排水枡60aの底部近傍で開口可能な
排水弁84と、給排水枡60aの上部に開口する高さ調
節可能な排水調節堰85とが設けられている。また、調
整水流出部65には、水位調節枡60bの上部に開口す
る高さ調節可能な水位調節堰86が設けられている。
【0016】図3乃至図5は、水位調節装置6の具体的
な形状例を示すもので、図3は断面平面図、図4は断面
正面図、図5は耕作区給排水口61部分を示す断面側面
図である。
【0017】この水位調節装置6は、有底角筒形の給排
水枡60aと水位調節枡60bとを遮断弁70を有する
調整水流通部71で接続して一体的に形成したものであ
る。給排水枡60aには、前述のように、耕作区42に
連通する耕作区給排水口61と、給水パイプ51に接続
する用水流入部62と、排水パイプ53に接続する用水
排出部63と、耕作区下方の地中に開口する排水管67
とが設けられている。また、水位調節枡60bには、上
流側の水位調整パイプ52に接続する調整水流入部64
と、下流側の水位調整パイプ52に接続する調整水流出
部65とが設けられている。
【0018】給排水枡60aの耕作区42側の一側壁に
設けられた耕作区給排水口61には、高さ調節可能な越
流ゲート81が設けられ、用水流入部62には、給水弁
82と、給排水枡60aの上部に開口する高さ調節可能
な逆流防止堰83とが設けられ、用水排出部63には、
給排水枡60aの底部近傍で開口可能な排水弁84と、
給排水枡60aの上部に開口する高さ調節可能な排水調
節堰85とが設けられている。また、調整水流出部65
には、水位調節枡60bの上部に開口する高さ調節可能
な水位調節堰86が設けられている。
【0019】耕作区給排水口61は、田面Gより低い位
置まで開口しており、この耕作区給排水口61に設けら
れた越流ゲート81は、耕作区給排水口61の両側のガ
イド溝81Dに上下動可能に嵌め込まれている。通常、
越流ゲート81は、その上縁の位置が田面Gと面一ある
いは僅かに高くなるように設定され、給排水枡60a内
への土砂の流入を防止している。また、耕作区給排水口
61の前方の地面を掘り下げるとともに、越流ゲート8
1を押し下げることにより、耕作区42からの排水を速
やかに行うことができる。
【0020】前記給水弁82は、用水流入部62の流路
を開閉するゲート弁からなるもので、この給水弁82に
は、給排水枡60aの上方に延びる弁体開閉用の操作ハ
ンドル82Hが設けられている。また、逆流防止堰83
は、用水流入部62のパイプ62Pに接続した垂直方向
のパイプ83P内に、水密性と適度な摺動抵抗とを得る
ためのゴム製のシールパッキン83Rを介して上下動可
能に嵌装された筒体83Tからなるもので、この筒体8
3Tは、シールパッキン83Rの摺動抵抗で任意の高さ
で保持できるように形成されており、この筒体83Tに
も、給排水枡60aの上方に延びる操作ロッド83Hが
設けられている。
【0021】排水弁84は、ゲート弁あるいは分水栓の
ような管端開口を開閉する形式の弁が用いられ、用水排
出部63の水平方向のパイプ63Pの開口端に設けられ
た弁体を前記同様の操作ロッド84Hで開閉するように
形成されている。用水排出部63に設けられる排水調節
堰85は、前記パイプ63Pから垂直方向に立上がった
パイプ85Pの上端の上向きの開口に、前記同様にゴム
製のシールパッキン85Rを介して上下動可能に嵌装さ
れた筒体85Tにより形成されており、この筒体85T
にも、給排水枡60aの上方に延びる操作ロッド85H
が設けられている。また、排水管67には、開閉可能な
遮断手段66としてのキャップ66Cが被着されてい
る。
【0022】遮断弁70は、前記排水弁84と同様の構
造を有するものであって、調整水流通部71を形成する
パイプ71Pの水位調節枡60b側開口を開閉できるよ
うに形成されており、前記同様に、弁体を作動させるた
めの操作ロッド70Hが設けられている。
【0023】水位調節枡60b内の水位調節堰86は、
調整水流出部65の水平方向のパイプ65Pから垂直方
向に立上がったパイプ86Pの上端の上向きの開口に、
前記同様にゴム製のシールパッキン86Rを介して上下
動可能に嵌装された筒体86Tにより形成されており、
この筒体86Tにも、前記同様の操作ロッド86Hが設
けられている。
【0024】なお、前記各筒体83T,85T,86T
の上縁をラッパ状に拡開しておくことにより、用水の排
出を効率よく行うことができる。また、各操作ロッド7
0H,82H〜86Hには、弁の開閉状態や筒体の上下
位置等を表示するための目盛りを設けておくことができ
る。また、給排水枡60aや水位調節枡60bの上部に
は、図4,図5に想像線で示すように蓋体60Cを装着
しておくこともでき、蓋体60Cを装着する場合は、こ
れを透明材料で形成することにより、枡内の状況を容易
に確認することができる。
【0025】以上のような構成からなる水位調節装置6
は、各耕作区42に面した農道43の傾斜面に垂直状態
で埋設され、田面水位は、各耕作区42毎に設定され
る。すなわち、各耕作区42に設置した水位調節装置6
における水位調節堰86の高さ位置を、筒体86Tに設
けた操作ロッド86Hを上下に移動させることにより、
各耕作区42毎に設定する。
【0026】通常、各耕作区42に設置されている水位
調節装置6において、用水流入部62の逆流防止堰83
及び用水排出部63の排水調節堰85は、筒体83T,
85Tの上縁を田面水位Lよりも若干高い位置に設定
し、調整水流出部65の水位調節堰86は、筒体86T
の上縁を田面水位Lに対応した高さに設定する。また、
給水弁82は閉じ状態あるいは適当に開いた状態、排水
弁84は全閉状態、遮断弁70は全開状態とする。さら
に、越流ゲート81の高さは、田面水位Lよりも低く、
地表面(田面G)と同じかそれよりも高い位置に設定す
る。
【0027】上述の設定状態において、上流側の水位調
整パイプ52から調整水流入部64を通って水位調節枡
60b内に流入した調整水は、水位調節枡60bから調
整水流通部71を通って給排水枡60aに流入した後、
耕作区給排水口61を通って耕作区42に供給される。
この耕作区42への用水の供給は、耕作区42内の水位
が上昇して調整水流出部65の筒体86Tの上縁と同じ
高さに達するまで継続して行われる。
【0028】このとき、水位調整パイプ52から水位調
節装置6に流入する用水の量が少ない場合や、大量の用
水を耕作区42に供給する必要がある場合は、用水流入
部62の給水弁82を開いて給水パイプ51から用水流
入部62を介して水位調節装置6に用水を補給すること
ができる。
【0029】田面水位が調整水流出部65の筒体86T
の上縁と同じ高さになると、水位調節枡60bに流入し
た余剰の調整水は、耕作区42に供給されずに、筒体8
6Tの上縁を越えてパイプ86P内を流下し、調整水流
出部65から下流側の水位調整パイプ52に送水され
る。この状態では、用水排出部63の筒体85Tの上縁
が水位より高い位置にあるため、用水(調整水)が用水
排出部63から排水パイプ53に排出されることはな
い。また、用水流入部62の筒体83Tの上縁も水位よ
りも高い位置に設定されているので、給水パイプ51へ
の用水の供給を止めても、用水が用水流入部62から給
水パイプ51に逆流することもない。また、越流ゲート
81の位置を適当に設定することにより、耕作区42内
の土砂が給排水枡60a内に流入することを防止でき
る。
【0030】このようにして上流側の耕作区42の水位
が一定に維持されると、余剰の調整水が下流の水位調節
装置6を介して各耕作区42に供給され、同様にして各
耕作区42の田面水位が一定に維持される。このような
用水管理を行うと、各耕作区42への用水の供給量を少
なくできるため、上流側の耕作区42から下流側の耕作
区42にわたって満遍なく用水を供給できるようにな
り、下流側の耕作区42で水不足が発生することもなく
なる。また、耕作区42の田面水位が一定に維持されて
いる状態では、耕作区42内の用水は外部にほとんど排
出されないため、耕作区42に施用された農薬や肥料等
が用水や雨水と共に外部に流出することも少なく、環境
破壊の問題を招来するおそれもない。
【0031】雨水等によって耕作区42の水位が上昇す
ると、耕作区42内の余剰の用水は、耕作区給排水口6
1から給排水枡60a、調整水流通部71を経て水位調
節枡60bに流入し、前述のように調整水流出部64か
ら流出する。また、集中豪雨等で水位が急上昇すると、
給排水枡60a内に流入した余剰の用水は、用水排出部
63の筒体85Tの上縁を越えて用水排出部63から排
水パイプ53に排出される。これにより、各耕作区42
の水位は、常に一定に維持されることになる。
【0032】また、耕作区42から用水を排出する場合
には、用水流入部62の給水弁82と調整水流通部71
の遮断弁70とを閉じ状態とし、用水排出部63の筒体
85Tを押し下げるか、排水弁84を開く。これによ
り、耕作区42に貯留されている用水は、耕作区給排水
口61から給排水枡60a内に流入し、用水排出部63
から排水パイプ53に排出される。
【0033】さらに、耕作区42等から耕作区給排水口
61を通って給排水枡60a内に侵入した土砂等は、給
排水枡60aの底部の排水弁84を開くことにより、排
水弁84から用水と共に排水パイプ53に排出すること
ができる。また、給排水枡60aと水位調節枡60bと
を接続する調整水流通部71を、底部からある程度の高
さ位置に設けておくことにより、耕作区42から給排水
枡60a内に侵入した土砂等が水位調節枡60bに侵入
することを防止できる。
【0034】一方、一度に大量の用水を必要とする水田
の代掻き時には、給水弁82を全開状態にして逆流防止
堰83の筒体83Tを押し下げ、用水排出部63の筒体
85Tを引上げるとともに、調整水流出部86の筒体8
6Tを引上げるか、遮断弁70を閉じる。これにより、
給水パイプ51から送水された用水は、用水流入部62
から耕作区42内に流入し、用水排出部63や調整水流
出部65から排出されることなく、その全量が耕作区4
2内に供給されて貯留される状態になり、速やかに所定
の水位に達する。この操作を各耕作区42について繰り
返すことにより、上流側の耕作区42から下流側の耕作
区42にわたって順次用水を供給することができる。
【0035】さらに、減反等でいくつかの耕作区42へ
の給水が不要な場合は、その耕作区42に対応した水位
調節装置6の給水弁82を閉じ、排水弁84を全開状態
にするとともに、越流ゲート81を下方に押し下げる。
これにより、耕作区42内の用水は、耕作区42から水
位調節装置6を通って排水パイプ53に排出される。こ
のとき、遮断弁70を閉じておくことにより、調整水流
入部64から水位調節枡60b内に流入した調整水が給
排水枡60a内に流入することがなくなるので、水位調
節堰86の筒体86Tを押し下げておくことにより、こ
の水位調節装置6を設置した耕作区42のみへの給水を
停止しながら他の耕作区42への給排水を通常通り行う
ことができる。
【0036】耕作区42の一部を畑に転作する場合は、
排水管67部分の地面を掘り下げて排水管67のキャッ
プ66Cを取り外し、遮断弁70及び給水弁82を閉じ
るとともに、排水弁84を開いた状態としておく。これ
により、転作した耕作区42から雨水等を速やかに排出
することができるので、水が溜まることがなくなり、畑
として有効利用することができる。
【0037】このように構成した水位調節装置6によれ
ば、給水パイプ51や水位調整パイプ52を流れる用水
を少量にすることができるため、小径のパイプを用いる
ことができる。また、各パイプ51,52,53に大き
な勾配を設けなくてもある程度の流速が確保されるた
め、各耕作区42に水位調節装置6を設置する作業も容
易に行うことができる。しかも、この水位調節装置6
は、合成樹脂製の筒材等を適宜に組合わせて製作するこ
とができるので、用水流入部62,用水排出部63,調
整水流入部64及び調整水流出部65を直接あるいは適
当な継手を介して給水パイプ51や水位調整パイプ5
2,排水パイプ53にそれぞれ接続するだけでよいこと
から、工事費等を大幅に削減することができる。
【0038】さらに、前記越流ゲート81を設けたこと
により、代掻き時に土砂等が給排水枡60a内に侵入す
ることを防止でき、また、中干し時や転作時の水抜きが
効果的に行える。すなわち、越流ゲート81を上方に引
き上げておけば、代掻き時に土砂等が給排水枡60a内
に侵入することを未然に防止できる。また、水田を中干
しするときには、越流ゲート81を押し下げ、付近の地
面を掘り下げておくことによって水抜きができ、減反や
転作の際にも、水田の用水をスムーズに落とすことがで
きるという利点がある。
【0039】図6及び図7は、本発明の水位調節装置の
他の形状例を示すもので、図6は縦断面図、図7は平面
図である。本形態例に示す水位調節装置6Aは、給水パ
イプ51から供給される用水の圧力が比較的高い場合に
適した構造に形成されている。この水位調節装置6A
は、用水流入部62における前記形態例の給水弁82と
逆流防止堰83とに代えて、用水流入部62に浮子式バ
ルブを使用した給水弁90を設けたものである。
【0040】上記給水弁90は、用水流入部62のパイ
プ62Pに接続した垂直方向のパイプ90Pの上端に設
けられており、球形のフロート弁91をハンドル92に
より操作する弁軸93で押し下げることによって開弁
し、ハンドル92を回転させて弁軸93を上昇させる
と、パイプ90P内を上昇する用水によりフロート弁9
1が弁座94に押し付けられて閉弁する構造を有してい
る。したがって、弁軸93の上昇量を調節することによ
り、用水の流入量を制御することができる。
【0041】この給水弁90を用いた水位調節装置6A
は、給水パイプ51内に発生した空気溜りを解消して通
水不足を未然に防止でき、また、パイプ内が瞬間的に負
圧となることによる給水パイプ51の破損を防止できる
という利点がある。
【0042】本形態例における水位調節装置6Aの他の
構成要素については、前記第1形態例に示した水位調節
装置6おける構成要素と同一の構成要素の主要部分に同
一符号を付して詳細な説明は省略する。また、水位調節
や排水における操作も同一であるから、水位調節装置6
Aの作用の説明も省略する。
【0043】なお、逆流防止堰や水位調節堰の構造は、
上記形態例に示す筒体に限らず、蛇腹状に形成したり、
堰板式にしたりすることもでき、弁の構造も任意に選択
できる。さらに、各操作ロッドを、例えばねじ込み構造
等により着脱可能に形成しておくことにより、必要時以
外に水位調節堰等が操作されることを防止できる。
【0044】また、上記形態例では、各耕作区に各1個
の水位調節装置を設置した例を示したが、本発明はこれ
に限定されるものではない。すなわち、耕作区の両側に
水位調節装置を設置すれば、耕作区の全体にわたってき
め細かな用水管理を行うことができ、耕作区の面積や形
状等に応じて任意の数の水位調節装置を設置することが
できる。また、複数の水位調節装置を設ける場合は、用
水供給用と排水用とに使い分けてもよい。
【0045】さらに、各バルブの開閉や堰の上下位置調
節を、操作ロッドに代えてモーター等により遠隔操作可
能に形成することもでき、コンピューター等を使用して
自動的に制御することも可能である。また、一つの枡内
を、遮断弁を有する仕切り壁によって区画し、一方を給
排水枡、他方を水位調節枡とすることもできる。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の水田の水
位調節装置によれば、水田の側縁に沿って設けられた農
道に給水パイプ、水位調整パイプ及び排水パイプを埋設
するので、水田の耕作区や農道等のスペースを大幅に拡
大でき、農地を有効に利用することができる。
【0047】また、水位調節装置により、耕作区への用
水の供給や田面水位の維持、耕作区からの用水の排出等
を簡単な操作で確実に行うことができ、各耕作区毎の田
面水位の維持等の用水管理を効率よく行うことができ
る。さらに、一部の耕作区の減反等にも対応することが
できる。しかも、これらの機能を一つの給排水枡に集約
させることができるので、水位調節装置をコンパクトに
形成することができ、施工性に優れるとともに、安価に
供給することができる。
【0048】さらに、本発明では、各耕作区に供給され
た用水が余剰水として排出されるのを最小限に抑える用
水管理を行えるので、各耕作区に施用された農薬や肥料
等が用水と共に外部に流出する量を低減でき、環境破壊
の問題を招来することもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の水位調節装置を使用した用水管理シ
ステムの一例を示す概略平面図である。
【図2】 水位調節装置の一形態例を示す配管概略図で
ある。
【図3】 水位調節装置の具体的な形状例を示す平面図
である。
【図4】 水位調節装置の縦断面図である。
【図5】 水位調節装置における調整水流出部及び耕作
区給排水口部分を示す縦断面図である。
【図6】 水位調節装置の他の形状例を示す縦断面図で
ある。
【図7】 同じく他の形状例を示す水位調節装置の平面
図である。
【図8】 従来の水田構造を示す概略平面図図である。
【図9】 従来の給水路の斜視図である。
【符号の説明】
37…用水ライン、38…排水ライン、4…水田、41
…畦畔、42…耕作区、43…農道、51…給水パイ
プ、52…水位調整パイプ、53…排水パイプ、6,6
A…水位調節装置、60a…給排水枡、60b…水位調
節枡、61…耕作区給排水口、62…用水流入部、63
…用水排出部、64…調整水流入部、65…調整水流出
部、66…遮断手段、67…排水管、70…遮断弁、7
0H…操作ロッド、71…調整水流通部、81…越流ゲ
ート、82…給水弁、82H…操作ハンドル、83…逆
流防止堰、83H…操作ロッド、83T…筒体、84…
排水弁、84H…操作ロッド、85…排水調節堰、85
H…操作ロッド、85T…筒体、86…水位調節堰、8
6H…操作ロッド、86T…筒体、90…給水弁、91
…フロート弁、92…ハンドル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小野寺 恒雄 宮城県登米郡南方町畑岡9番地 (72)発明者 橋本 泰典 滋賀県長浜市三ツ矢町5番8号 三菱樹脂 株式会社長浜工場内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 農道に沿って給水パイプと水位調整パイ
    プと排水パイプとが埋設され、給水パイプ及び上流側の
    水位調整パイプから供給される用水を耕作区に供給し、
    耕作区の余剰の用水を下流側の水位調整パイプに流出さ
    せ、さらに、耕作区の用水を排水パイプに排出可能とし
    た水田の水位調節装置であって、該水位調節装置は、前
    記給水パイプに接続する用水流入部及び水田の耕作区に
    連通する耕作区給排水口並びに前記排水パイプに接続す
    る用水排出部とを備えた給排水枡と、前記上流側の水位
    調整パイプに接続する調整水流入部及び下流側の水位調
    整パイプに接続する調整水流出部を備えた水位調節枡
    と、前記給排水枡と水位調節枡とを調整水遮断手段を介
    して連通する調整水流通部とを有し、前記用水流入部に
    は用水の供給を調節する給水弁を設け、前記用水排出部
    には、給排水枡の底部近傍で開口可能な排水弁と給排水
    枡の上部に開口する高さ調節可能な排水調節堰とを設け
    るとともに、前記調整水流出部には、水位調節枡の上部
    に開口する高さ調節可能な水位調節堰を設けたことを特
    徴とする水田の水位調節装置。
  2. 【請求項2】 前記給排水枡は、開閉可能な遮断手段を
    介して耕作区下方の地中に開口する排水管を備えている
    ことを特徴とする請求項1記載の水田の水位調節装置。
  3. 【請求項3】 前記耕作区給排水口は、高さ調節可能な
    越流ゲートを介して前記耕作区に連通していることを特
    徴とする請求項1記載の水田の水位調節装置。
  4. 【請求項4】 前記水位調節堰は、前記調整水流出部に
    接続されて上向きに開口したパイプに上下方向に摺動可
    能に装着した筒体により形成されていることを特徴とす
    る請求項1記載の水田の水位調節装置。
  5. 【請求項5】 前記用水流入部は、前記給排水枡の上部
    に開口する高さ調節可能な逆流防止堰を備えていること
    を特徴とする請求項1記載の水田の水位調節装置。
  6. 【請求項6】 前記逆流防止堰は、前記用水流入部に接
    続されて上向きに開口したパイプに上下方向に摺動可能
    に装着した筒体により形成されていることを特徴とする
    請求項5記載の水田の水位調節装置。
  7. 【請求項7】 前記給排水枡と水位調節枡とを、前記調
    整水遮断手段を備えた仕切り壁を介して一体的に連設し
    たことを特徴とする請求項1記載の水田の水位調節装
    置。
JP17938697A 1997-03-03 1997-07-04 水田の水位調節装置 Pending JPH1118598A (ja)

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JP17938697A JPH1118598A (ja) 1997-07-04 1997-07-04 水田の水位調節装置
CN988005492A CN1131664C (zh) 1997-03-03 1998-03-03 水田水位调节装置
US09/147,200 US6132139A (en) 1997-03-03 1998-03-03 Water level regulating device for paddy field
CNB021432252A CN1239071C (zh) 1997-03-03 1998-03-03 水田水位调节装置
PCT/JP1998/000863 WO1998038850A1 (fr) 1997-03-03 1998-03-03 Dispositif de regulation de niveau d'eau destine a des rizieres
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005278440A (ja) * 2004-03-29 2005-10-13 Mitsubishi Plastics Ind Ltd 給水栓

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005278440A (ja) * 2004-03-29 2005-10-13 Mitsubishi Plastics Ind Ltd 給水栓
JP4551681B2 (ja) * 2004-03-29 2010-09-29 三菱樹脂株式会社 給水栓

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