JP2002034255A - 電源装置 - Google Patents

電源装置

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JP2002034255A
JP2002034255A JP2001176095A JP2001176095A JP2002034255A JP 2002034255 A JP2002034255 A JP 2002034255A JP 2001176095 A JP2001176095 A JP 2001176095A JP 2001176095 A JP2001176095 A JP 2001176095A JP 2002034255 A JP2002034255 A JP 2002034255A
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power supply
switching
rectifier circuit
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JP2001176095A
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Shin Nakagawa
伸 中川
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FIDERIKKUSU KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スイッチング電源の力率を確保しながら効率
を上げ、併せて保持時間の確保とリップルの改善も図
る。 【解決手段】 脈流をスイッチングする第1のコンバー
タと直流スイッチングする第2のコンバータの出力を合
成することで、効率、力率、保持時間、リップルを改善
し装置の小型化も行う。また、コストダウンにも寄与す
る。フライバックコンバータの出力回路とフォワードコ
ンバータの出力回路を並列使用することで効率の高いト
ランスが使用でき、制御も容易となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はスイッチング式のA
C−DCコンバータやインバータ方式の照明器具の電源
などにおいて、効率を低下させること無く、高調波電流
を下げる技術すなわち力率を改善する技術に関する。こ
のことにより小型化と信頼性の向上やコストの削減を図
る。また、必要がある場合には停電時における保持時間
の確保やリップル電圧の削減も図る電源装置に関する。
さらに、制御が易しいフライバックコンバータの性質を
生かしながらフォワードコンバータの効率の良さを併せ
持たせる技術に関する。
【0002】
【従来の技術】電源装置の高調波電流を下げる方法、す
なわち力率を改善する方法には、いわゆるアクティブフ
ィルターや入力側の平滑コンデンサを持たないCレスコ
ンバータと呼ばれるものがある。これらは整流後に平滑
コンデンサを設けることなく、脈流をそのままスイッチ
ングをするものであって、非常に簡単でありながらも必
要にして充分な力率が得られる。ただし、リップルが多
くなったり、0.02秒程度の瞬間の停電に対する保持
時間が取りにくいといった欠点が存在する。そのため、
アクティブフィルターの後にもう一度DC−DCコンバ
ータを設ける、いわゆる2コンバータ方式と呼ばれる構
成をとっている場合がある。この2コンバータ方式の装
置では電流は2つのコンバータを通ることになりスイッ
チングロスを2度生じてしまい効率が悪くなる。
【0003】一方、1石式のコンバータで、力率を改善
しながらもCレスコンバーター方式の欠点を改善すべく
保持時間を稼ぎ、リップルも少なくする回路が幾つか提
案されてはいる。しかし、これらの回路の殆どが回生方
式や共振方式のため1次側で電流が転回し、しかもダイ
オードやインダクタを通ることによるロスが加わるので
効率は悪くなってしまう。また、フォワード方式で1石
式のCレスコンバータを構成する場合はリセット電流の
取扱いが難しいので組み合わせは簡単でなく、更なる複
雑な工夫が必要となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、まず第一に
2コンバータ方式が2段階のスイッチングで制御するこ
とに起因するロスを下げ、効率を改善しようとするもの
である。また、第二の目的として、シングルコンバータ
で効率を低下させること無しに力率を改善し、しかも保
持時間の確保やリップル特性を改善しようとするもので
ある。シングルコンバータは、前述した理由で力率を改
善しながら保持時間の確保やリップルの改善を図ると、
どうしてもロスが多くなってしまう。また、シングルコ
ンバータ式のスイッチング電源には、フライバック方式
とフォワード方式があるが、前者は制御が易しいが効率
がやや悪いのとトランスが大きくなる欠点が存在する。
一方、後者は効率良く、トランスも小さく出来るもの
の、コアの飽和を防ぐためのリセット電流を流さなくて
はならず、この取扱いの制約のため制御は容易ではな
い。このためCレスコンバータの殆どがフライバック方
式で実現されている。また、Cレスコンバータは1次側
でエネルギーを蓄えることが出来ないため停電時の保持
時間が十分取れなかったり、リップルが多くなる欠点が
存在する。そこで、本願は以下に説明する手段により、
これらの課題を解決した。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の電源装置は、A
C−DCコンバータおよびインバータ方式の照明器具の
少なくとも一方を構成可能なシングルコンバータ方式の
電源装置において、AC電源を整流した平滑作用の少な
い第1の電源を第1のスイッチングトランスおよび第1
のチョークコイルのいずれか一方を通じて第1のスイッ
チング手段によってスイッチングし、スイッチングによ
って発生する出力と、平滑作用の多い第2の電源に基づ
く出力とを合成することを特徴とする。本発明は、出力
電圧が、2ルート2倍、すなわち2.82倍といった場
合で、しかもラインレギュレーションを要求されない用
途において、合成する直流電源をスイッチング回路を用
いずに回路を簡略化することもできる。
【0006】本発明の電源装置は、第2のスイッチング
トランスおよび第2のチョークコイルのいずれか一方を
通じて第2の電源をスイッチングすることにより第2の
電源に基づく出力を生成する第2のスイッチング手段を
備えていることを特徴とする。
【0007】この発明は、脈流をスイッチングするコン
バータから直接に負荷に電力を供給し、それによるリッ
プルや保持時間の欠点を、別ルートに並列的に設けた直
流電源をスイッチングするDC−DCコンバータで補正
をするものである。このため電流は並列的に通過するの
でどちらも1回だけのスイッチングロスとなり、このた
め効率が上がる。
【0008】本発明の電源装置は、第1のスイッチング
手段と、第2のスイッチング手段とが同一のスイッチン
グ手段であることを特徴とする。
【0009】この発明は、平滑作用を有さない、即ち脈
流電源用のスイッチングのトランスまたはチョークコイ
ルと、平滑作用のある、即ち直流電源用のスイッチング
のトランスまたはチョークコイルを並列的に設けこれら
を一つのスイッチング素子にてスイッチングし双方の出
力を合成するという手法で力率、保持時間、リップルを
確保しながら効率の向上をしている。つまり電流は並列
的に通過するのでどちらも1回だけのスイッチングロス
となり、このため効率が上がる。当然ながら並列に通過
した後の合成方法は直列でも並列でも回路に合ったもの
を選べる。
【0010】本発明の電源装置は、AC電源を倍電圧以
上で整流して第2の電源を生成することを特徴とする。
【0011】本発明の電源装置は、第1のスイッチング
手段のスイッチングを制御するPWM用制御信号の一部
としてAC電源に含まれているリップル信号成分を用い
ることを特徴とする。この発明は、商用リップル成分を
制御信号に適切に加えることで出力リップルの低減と力
率の向上をさせる構成としたものである。
【0012】本発明の電源装置は、第1のスイッチング
手段のスイッチングで発生した出力と、第2の電源に基
づく出力の双方の平均電流の割合を決める制御手段を有
することを特徴とする。
【0013】本発明の電源装置は、第1のスイッチング
手段のスイッチングで発生した出力の平均電流と、第2
の電源に基づく出力の平均電流との両者のいずれか一方
に、いずれか他方を連動して増減させる制御手段を有す
ることを特徴とする。
【0014】本発明の発明は、脈流側と直流側の電流バ
ランスを適切にするための制御の方法であり、分配器で
適切な割合をあらかじめ決めておくか、一方にもう一方
が連動する方法で適切な割合を保つ手段をとる構成とし
たものである。
【0015】本発明の電源装置は、第1のスイッチング
トランスは、第1のスイッチング手段のオン期間にエネ
ルギーを出力する巻線、および第1のスイッチング手段
のオフ期間にエネルギーを出力する巻線を有し、第1の
スイッチングトランスの両巻線のエネルギーを合成して
出力とすることを特徴とする。
【0016】純粋なフライバックコンバータはスイッチ
ング素子がオンの時にコアにエネルギーを蓄え、これを
オフ時に2次側へ排出する。このためそれなりの大きさ
のコアが必要となる。また、コアには磁気飽和を防ぐた
めのギャップも必要となり、これらがロスを増大させる
原因となる。一方フォワードコンバータはオン時に2次
側へエネルギーを放出するのでコアは小さくても良く、
しかもギャップを設ける必要が無い。しかし、リセット
電流を流さなくてはならず、この制約のためデューティ
ーサイクルを大きくできないので、自由な制御が難し
い。そこで本発明では、フライバックコンバータの制御
の易しさを確保しながらフォワードコンバータの効率の
高さに近づくよう、フライバックコンバータにおいて、
フォワードコンバータの出力回路を補助的に設け、これ
を並列的に使用するものである。このように構成するこ
とにより、オン時にコアに蓄えながら、同時に負荷へも
供給するので、コアはその分だけ小さくすることができ
る。また、ギャップも狭く出来るので、効率を良くする
ことができる。この発明は保持時間の短さとリップルの
多さが許される場合、Cレスコンバータと好適に組み合
わせられる点に着目して構成したものである。
【0017】本発明の電源装置は、第1のスイッチング
手段は、並列接続された共振用コンデンサの両端の電圧
が下がり始めて共振周期の1/2時間が経過した時点で
オン信号が供給されることを特徴とする。この発明は、
部分共振技術を使用する場合にも、やはりフライバック
とフォワードの並列動作が好適に組み合わせることが出
来る点に着目してこれらの出力を合成して用いるように
構成している。
【0018】本発明の電源装置は、第2の電源は、第1
のスイッチング手段のスイッチングで発生するエネルギ
ーの一部、およびAC電源を整流した平滑作用の多い直
流出力の少なくとも一方であることを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施の形態に沿っ
て説明する。図1において、AC入力は高周波阻止用の
フィルター101を通り整流回路102、103で整流
される。102側は脈流となり、トランス104を通じ
て105でスイッチングされ、2次側の整流回路106
で整流され電流i1が得られる。一方、整流回路103
側は、107の平滑コンデンサで平滑され直流となっ
て、第2のトランス108を通して109でスイッチン
グされ、整流回路110で整流され電流i2が得られ
る。ここで、i1とi2の合計の電流がコンデンサ11
1にチャージされ出力電流i3となる。コンデンサ11
1の両端の電圧は分配器112で適切な割合に分配さ
れ、低速サーボ回路113と高速サーボ回路114に供
給するフィードバックループが形成されている。このた
めスイッチング素子105側は、リップルには追従でき
ないスローな制御のため、電流i1にはリップルが出て
しまう。勿論、このことが力率の改善に役立つ。一方の
スイッチング素子109側はi1とi2の平均電流の割
合を適切に保ちながらリップルを無くすよう瞬間的なi
1+i2が一定となるよう高速のフィードバックループ
が働いている。これら、i1,i2,i3の波形は、図
6の(a)ないし(c)に示す。この結果、どちらのル
ートの電流も1度のスイッチングロスのみとなるので、
2度のスイッチングロスを受ける2コンバータ方式より
効率が向上する。しかも、i1とi2の合成したものが
所定の電力を賄えば良いので2コンバータよりもはるか
に小型化ができる。この例の場合は電流の合成で説明し
ているが、トランス104もトランス108もフォワー
ドで動作している場合は、2次側の整流回路を直列に接
続し、出力電圧の合成にした方が好ましい。図8の
(a)は、この出力回路部分を例示したものである。入
力の電流波形は、脈流側のサイン波(図6(e))と直
流側のコンデンサインプットによるパルス状の波形(図
6(d))の合成(図6(f))となるので、力率は2
コンバータ方式には及ばないが、規制の範囲には十分に
入れることができる。
【0020】図2は絶縁の必要が無い場合の例で、図1
と共通する部分には同じ符号を使用しているので共通す
る動作の説明は省略する。この例では、第1のトランス
及び第2のトランス104、108に代えて、インダク
タ201、202を用いている。こういった並列動作を
させる場合問題になるのがその電流量のバランスであ
る。むろん本実施例とは別の方法つまり一方のコンバー
タの平均電流に、もう一方のコンバータの平均電流が連
動する制御方法をとってもよい。この場合リップルをキ
ャンセルするために高速動作が必要な補正用の方を基準
にしてリップルがあるメインの電源側を低速で連動させ
る方が制御が易しい。この実施例の場合、より簡易な回
路構成を目指すなら、スイッチング素子105、109
と、整流回路106、110とを共用させる回路構成と
してもよい。この場合もやはり2つの異なる形式のコン
バータを並列使用することになるので、所期の効果が得
られる。
【0021】図2の例では、第1、第2の双方の電源共
スイッチングを行っているが、図10の(a)は、この
直流出力側を簡略化してスイッチング回路を省略し、倍
電圧整流とした例を示している。倍電圧部分は、後述す
る図11の(a)、図12の(a)のように半波倍電圧
整流回路に簡略化できる。これは、要求される出力電圧
が交流入力の2ルート2倍である2.82倍といった場
合で、しかも、ラインレギュレーションを要求されない
用途に好適な事例である。ここで重要なことは、交流入
力電圧のルート2倍の1.41倍となる両波整流回路
は、チョークコイルとの組み合わせでは不適切な動作領
域が存在することにある。そこで、チョークコイルやオ
ートトランスを用いる場合は、特に倍電圧以上となる整
流回路と組み合わせることで無理のない最適な動作をさ
せることができる。むろん、倍電圧整流の場合のチョー
クコイルはオートトランスやトランスに置き換えること
もできる。なお、この例では倍電圧整流回路1001で
得られた直流出力側の平均電流値を電流検出器1003
で検出し、スイッチング回路を持つ脈流側の出力電流量
を追従させる制御方法をとっているが、負荷電流か一定
の場合は制御ループを特に必要としない。なお、この例
での負荷も特に制限されるものでなく、DCモータを用
いる各種の電気機器の電源などに適用できる。
【0022】以下の図10(b)、図11、図12の例
も、図中の破線で囲われた回路を追加することで、追加
のないものに比べて力率は低下するものの、効率を上げ
回路中のリアクトルを小型軽量にできる効果がある。従
って、高調波の規格に余裕がある場合に本発明を効果的
に適用できる。なお、本発明は、各例の破線部分の追加
であるので、各図の他の部分の回路の動作説明は省略す
る。
【0023】図10の(b)の回路例は、両波整流回路
1002と組み合わせることができるよう、チョークコ
イルやオートトランスではなく、トランス1004と組
み合わせた例である。この例では両波整流回路の出力電
流に応じたパルス幅を制御することで図10の(a)と
同様な働きをさせている。この図10(b)の例は、制
御回路1003を高速の1003fと低速の1003s
に分けている。高速側がない場合は、図13の左側(a
1)〜(a3)と同様に動作するが、高速の1003f
を追加し、しかも逆方向、つまり直流側の電流が多い時
にデューティーサイクルを下げる変調をすることで、同
図右中段の(b2)のようにピークの部分にへこみを作
ることができる。この結果、合成電流の高調波が削減さ
れる。図10の(a)、(b)共、電流バランスが取れ
るように工夫した制御方法も本発明の特徴である。
【0024】図11の(a)の回路は、ハーフブリッジ
の倍電圧整流回路1101のスイッチング電源に本発明
を適用させた例で、下側のダイオード1104はコンデ
ンサに変更してもよい。またこの例のように、FETを
使用した場合は、ボデーダイオードがあるので下側のダ
イオード1104がショートし、上側のダイオード11
03はオープンになるので省略できる。この例は、スイ
ッチング電源に限らず照明器具の電源にも適用できる。
【0025】図11の(b)の回路は、ハーフブリッジ
1102のスイッチング電源に本発明を適用させた例
で、両波整流回路と組み合わせることができるようにト
ランス1105と組み合わせた例である。なお、下側コ
ンデンサ1106はダイオードに変更してもよい。この
場合も同図(a)の例と同様にスイッチング電源に限ら
ず照明器具の電源にも適用できる。
【0026】図12の(a)の回路は、倍電圧回路12
01を用いた照明器具の電源に本発明を適用した例で、
ダイオード1204はコンデンサに変更できる。なお、
1205は照明装置の点灯管である。この例は、逆に照
明器具に限らず、スイッチング電源としても適用でき
る。
【0027】図12の(b)の回路は、両波整流回路1
202と好適に組み合わせるためにトランス1206を
用いた照明器具用の回路例である。この場合もコンデン
サ1207はダイオードに変更可能である。また前述の
例と同様スイッチング電源にも応用できる。この例も図
10の(b)と同様に両波整流の出力電流を検出し、こ
の信号で脈流のピークにへこみを作る制御を加える構成
となっている。出力電流の検出方法は低抵抗を入れ両端
の電圧で検出することもできる。
【0028】図3は、図1の実施例をスイッチング素子
105、109を1個の素子301で共用させたシング
ルコンバータの例である。高速サーボ回路114による
フィードバックのリップル低減作用でもってi2が逆の
リップル波形となり、第1図のものと同様の動作をす
る。脈流成分、直流成分のどちらも1回のスイッチング
ロスで出力されるので効率が向上する。むろんこの場合
もフォワードで動作させるなら2次側の巻き線を直列に
接続できるし、こうして合成した方が好ましいのは勿論
である。図8の(b)は、巻き線を直列にした出力回路
例を示している。
【0029】
【実施例】図4、5は、より具体的な実施例である。図
4において、破線で囲んだA部分、B部分、及びC部分
が存在しない回路について、まず説明する。これらの部
分が存在しない状態は従来のコンバータを示しており、
交流の入力高周波阻止用のπ型フィルター101と整流
回路102を通り、この脈流をスイッチングトランス4
01に供給する。スイッチング素子105がオンになる
とスイッチングトランス401の巻き線402に電流が
流れる。このエネルギーは401のコアに蓄えられる。
次にスイッチング素子105がオフになるとコアに蓄え
られたエネルギーは巻き線403からダイオード404
を通りコンデンサ111に移行する。移行が終了し電流
が0となった時点で、巻き線402の1次インダクタン
スと共振用のコンデンサ405とで共振が始まり405
の両端の電圧、つまりスイッチング素子105の両端の
電圧も下がり始める。このタイミングは巻き線406で
も同時に検出して、制御回路407に送られる。そし
て、共振周期の1/2時間が経過した時点で共振用コン
デンサ405の両端の電圧は山から谷に移行して最小と
なる。このタイミングを待って制御回路407は、次の
オン信号をスイッチング素子105に供給する。
【0030】こうすることで共振用コンデンサ405の
ディスチャージ電流を最小にできるので、この電流によ
るロスを減少させることができる。この制御回路407
内には、スタート時や瞬間の停電で巻き線406からの
信号が来ない場合でも発振が停止しないよう、バックア
ップ用の発振器が含まれている。なお、408は、制御
回路407を動作させるための電源である。一方、コン
デンサ111の両端の電圧は、基準電圧409とフォト
カプラー410を通じて制御回路407に伝えられる。
この信号により、スイッチング素子105のオン時間を
調整するフィードバックループが形成されコンデンサ1
11の両端の電圧を安定化させている。この例は、フラ
イバックのCレスコンバータにソフトスイッチング技術
の一種である1/2周期だけを共振させる部分共振技術
を組み入れたものである。この動作は、破線A部分の回
路のダイオード411、412の電流を0としたものに
相当する(図7の動作波形(d)および(e)を0とし
た動作)。
【0031】更に本発明は、破線A部分、つまりフォワ
ードコンバータの出力回路を追加することによりダイオ
ード411、412の電流も追加される点にある。スイ
ッチング素子105がオンの時ダイオード411にも電
流が流れ、インダクタ413を通ってコンデンサ111
にチャージされる。スイッチング素子105がオフの時
は、ダイオード412とインダクタ413を流れて、こ
れがダイオード404の電流と合成されコンデンサ11
1にチャージされる。フライバックコンバータは、スイ
ッチング素子105がオンの時にコアに全て蓄えるのに
対し、本発明は、ダイオード411に流れる電流分だけ
トランスに蓄えるエネルギーが減少するので、この分コ
アを小さくすることができる。また、フォワードコンバ
ータの性質が混ざるため、トランス401のギャップを
狭くすることができ、この部分で発生する渦電流損も減
少し、効率を上げることができる。この場合、フォワー
ド電流が多くなり過ぎないように巻き線比のバランスを
決める必要はある。このように構成することで、スイッ
チング素子の電圧や電流の動作はフライバックコンバー
タと殆ど変わること無く、つまり制御は易しいままトラ
ンスの効率を上げることになり、力率改善や、共振動作
との組み合わせは、容易となる。なお、本実施例のまま
では保持時間とリップルの問題が残るが、電源を使用す
る本体側でこの対策が行われている場合はこのままでも
よい。
【0032】次に、保持時間の確保やリップルの低減を
図る実施例を同じ図4を用いて説明する。この対策のた
めに、図4において破線B部分を追加した回路を考え
る。AC電源は別な整流回路414を通ってコンデンサ
415を充電する。これがスイッチング素子105のオ
ン時に第2のトランス416の巻き線417を通じて流
れ、第2のトランス416のコアにもエネルギーが蓄え
られる。これが、スイチッング素子105のオフ時に巻
き線418とダイオード419を通してコンデンサ11
1に流れる。このB部分を追加したことによってコンデ
ンサ415に大きなエネルギーを蓄えることができるの
で、停電の場合の保持時間を長くすることができる。ま
た、第2のトランス416側は脈流でなく直流をスイッ
チングするので、これがリップルを減少させる効果をも
たらす。結局、必要な力率を確保しながら、効率を低下
させることなく、保持時間を長くし、リップルを小さく
することがこの構成によって達成できる。
【0033】次に図4において、破線C部分が追加され
た場合の説明をする。スイッチング素子105のオフ時
に発生するフライバックのサージエネルギーは、第1の
トランス401に追加した巻き線420から取り出し、
追加したダイオード421を通してコンデンサ415に
蓄えられる。これはロスの無いスナバ回路なので、再利
用され無駄にはならない。トランス416を通過するエ
ネルギーがこれでも十分な場合は整流回路414を省略
することができる。この場合、第1のトランス401の
フライバックエネルギーは、ダイオード421とダイオ
ード404を通じて放出される。この実施例では、主ト
ランスである第1のトランス401のエネルギーを全て
排出させてから、スイッチング素子105をオンさせる
動作、つまり、電流不連続モードで動作させている。こ
のため力率改善動作や部分共振動作との組み合わせが極
めて容易となる。もちろん、第2のトランス416側に
もフォワードの出力回路をつけ加えたり、逆に第1のト
ランス401側をフライバックのみとするなどの変更が
できる。これら出力回路の組み合わせや、並列合成か直
列合成かは出力回路に応じて適切に選択できる。これら
のトランスに複数の2次巻き線を設ける変更ができるこ
とはいうまでもない。
【0034】このように脈流の電源と直流の電源を2つ
用意しこれらを並列動作させることで、必要な力率を確
保しながら効率を上げることができる。なお、このB部
分のスイッチング回路は、コンデンサインプット形式で
あるため、一般的に行われている力率改善のための、イ
ンダクタあるいは、インダクタとコンデンサを並列させ
た共振回路をコンデンサ415の前に挿入しても良い。
この場合全回路がコンデンサインプットのみの回路に比
べてインダクタが小さいもので済む利点もある。
【0035】図5は、別の実施例を示したもので、図4
と図5の違いはトランス401のフライバックサージエ
ネルギーの再利用をする場合に、巻き線402から取り
出しダイオード421を通してコンデンサ415への充
電する点と、第2のトランス416の巻き線417専用
のスイッチング素子501を設けた点が異なっている。
このため、第1のトランス401側の脈流エネルギーを
補う様に第2のトランス416側で逆のリップルを発生
させ、両者を合成したものが、よりきれいな直流となる
ように制御することができる。むろんトランス416を
通過するエネルギーがトランス401のフライバックの
サージエネルギーだけで十分な場合はダイオード414
を省略できる。この場合はダイオード421とコンデン
サー415はロスの無いスナバ回路と見なすことができ
るので無駄は生じない。
【0036】この制御例では整流回路414が無い場合
も想定しコンデンサ415の電圧は分圧抵抗502、5
03(図5の回路)で分圧して検出し、この電圧を安定
化させるようにスイッチング素子105にサーボをか
け、スイッチング素子501側はコンデンサ111の電
圧を安定化させるように別ループのサーボをかける構成
をとっていて、こういう制御方法もできるとの例であ
る。
【0037】第6図は、これら実施例の電流の様子を図
示したものである。同図(a)がi1、(b)がi2、
(c)がi1+i2であるi3の電流の様子を示してい
る。図7は、図4の実施例におけるスイッチング素子1
05の電圧波形(同図(a))、電流波形(同図
(b))、フライバックコンバータとして働くダイオー
ド404の電流(同図(c))、フォワードコンバータ
として働くダイオード411の電流(同図(d))およ
びダイオード412を流れる電流(同図(e))の状態
を示したタイミングチャートである。スイッチング素子
105へのサーボはリップルに追従しないよう大きい時
定数を通してフィードバックを掛ければ、脈流をスイッ
チングすることになり、力率が向上して好ましい。むろ
んスイッチング素子501側のサーボは早い方がリップ
ルを効果的にキャンセルするのは当然である。
【0038】以上の実施例では全てリップルの削減にフ
ィードバックによる方法で行っているが、第9図は第3
図の実施例をもとに制御方法を高度にしたものでその制
御部分のみを示している。正確なリップルキャンセル用
の比較信号として脈流電圧と消費電流とを乗算したもの
を加え、平滑コンデンサと直列に電流検出用の抵抗を挿
入した信号の双方を制御信号に加えることで、さらに力
率も改善している。つまり、リップルの様に予め分かっ
ているものは予測による制御の方が、フィードバック制
御よりもコストアップにはなるものの正確であり、かつ
容易でもある。まずは、加算器907のbとcの入力は
無いものとする。これは第3図の実施例に使われている
一般的なPWMである。発振器901から出た三角波
は、コンパレータ902の+側に接続され、−側は加算
器907のoに接続されて、この出力パルスでスイッチ
ング素子301を駆動している。もし、2次側の出力電
圧が高くなると、フォトカプラー905は明るくなり抵
抗906の電位は上がり、加算器907を通ってコンパ
レータ902の−側の電位を上げる。これにより、スイ
ッチング素子301のディユーティーサイクルが下がっ
て出力電圧を下げるサーボループが形成されている。脈
流電圧は、抵抗912と913で分圧され乗算器908
に入る。もう一方の入力は電流検出抵抗904で消費電
流分を取りだし、抵抗910とコンデンサ911のロー
パスフィルターで直流成分のみを検出し、増幅器909
で増幅され、乗算器908に入り、双方が乗算される。
この積が、加算器907のbに入るので、消費電流に見
合ったリップルキャンセル用の信号となる。なお、この
時消費電流の検出は、抵抗904で検出しているが、検
出はここに限定されるものではなく、他の方法、例えば
カレントトランスによってよい。
【0039】従来の2コンバーター方式はアクティブフ
ィルター部もDC−DCコンバータ部もほぼ同じ電力量
を扱っている。本発明はアクティブフィルター部は従来
より少ない電力量を扱い、DC−DCコンバーター部は
リップルの補正分のみを扱うため、半分以下でこと足り
る。このように合成して出力を取り出すため、効率の向
上のみならず装置の小型化、しいてはコストダウンにも
なる。この方式は従来の2コンバータに比べ、力率や高
調波電流は及ばないものの規制値は十分に満足させるこ
とができる。なお、異なった電源の並列動作は、もしも
2つの電圧が異なった場合にショートするかのように心
理的に不安をもたらすため、これまで使われなかった。
しかし、スイッチング電源の場合はダイオードが必ずあ
るのでこの心配は全く無い。直列動作についても安全に
合成することができる。
【0040】
【発明の効果】本発明によれば必要な力率を確保しなが
ら、保持時間とリップル性能も上げながら効率を高める
ことと、装置の小型化やコストダウンもできる。またフ
ライバック方式とフォワード方式の出力回路を合わせ持
ち、これらを並列に接続することで、トランスの効率を
向上させながら、制御の易しさを確保するので、Cレス
コンバーターや部分共振技術との組み合わせが容易であ
り、高効率で発熱の少ないしかも信頼性の高い電源装置
を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の基本構成の実施形態を示す回路図で
ある。
【図2】 本発明の非絶縁の場合の実施形態を示す回路
図である。
【図3】 本発明のスイッチング素子を1個にした実施
形態を示す回路図である。
【図4】 本発明のスイッチング素子が1個の場合の詳
細な実施例を示す回路図である。
【図5】 本発明のスイッチング素子が2個の場合の詳
細な実施例を示す回路図である。
【図6】 本発明の動作波形およびそのタイミングを示
す図である。
【図7】 本発明の動作波形およびそのタイミングを示
す図である。
【図8】 本発明の出力を直列合成する場合の実施形態
を示す回路図である。
【図9】本発明のリップルと力率に改良を加えた制御部
分の実施形態を示す回路図である。
【図10】 本発明の図2に示す実施形態の直流出力側
を簡略化したものを示す回路図で、(a)は、両波倍電
圧整流回路を用いたもの、(b)は、両波整流回路を用
いたものである。
【図11】 本発明の図10に示す実施例をハーフブリ
ッジのAC−DCコンバータに応用した例を示す回路図
で、(a)は、倍電圧整流回路を用いたもの、(b)
は、通常のハーフブリッジ整流回路を用いたものであ
る。
【図12】 本発明の図10に示す実施例を照明器具に
応用した回路図で、(a)は、倍電圧整流回路を用いた
もの、(b)は、両波整流回路を用いたものである。
【図13】 本発明の図10等に示す実施例の波形を示
す図である。
【符号の説明】
101 π型高周波フィルター 102、103、414 整流回路 104、108、401、418 スイッチングトラ
ンス 201、202 チョークコイル 105、109、301 スイッチング素子 107、111、415、911 コンデンサ 112 分配器 113 低速サーボ回路 114 高速サーボ回路 407 制御回路 410、905 フォトカプラー 404、411、412、421 ダイオード 502、503、904、906、910、912、9
13、914 抵抗 901 発振器 902 コンパレータ 907 加算器 908 乗算器 909 増幅器 1003 電流検出器 1205 点灯管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5H006 AA02 AA06 AA07 CA02 CA07 CA12 CB01 CC04 DA02 DA04 DB02 DC05 GA04 5H730 AA14 AA16 AA18 AS01 BB23 BB43 BB57 BB75 BB83 BB84 BB88 CC01 DD04 DD12 EE03 EE72 EE76 FD01 FD11 FD24 FF19 FG05

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シングルコンバータ方式のAC−DCコ
    ンバータにおいて、 AC電源と、 前記AC電源から供給される電流を整流する半導体素子
    からなる第1の整流回路と、当該第1の整流回路の脈流
    出力を変圧する第1のトランスと、前記第1の整流回路
    の出力を前記第1のトランスの1次巻線を通じてスイッ
    チングする第1のスイッチング手段と、前記第1のトラ
    ンスの2次巻線出力を整流する第1の出力側整流回路
    と、を具える第1の電源部と、 前記第1の半導体素子からなる整流回路の出力を前記第
    1のトランスを通じて変圧する第2のトランスと、前記
    第1の半導体素子からなる整流回路の出力を前記第1の
    トランスの1次巻線出力を通じて平滑化する平滑コンデ
    ンサと、前記平滑コンデンサの出力を前記第2のトラン
    スの1次巻線を通じてスイッチングする第2のスイッチ
    ング手段と、前記第2のトランスの2次巻線出力を整流
    する第2の出力側整流回路と、を具える第2の電源部
    と、 前記第1及び第2の電源部の出力を合成する手段とを具
    えることを特徴とする電源装置。
  2. 【請求項2】 シングルコンバータ方式のAC−DCコ
    ンバータにおいて、 AC電源と、 前記AC電源から供給される電流を整流する半導体素子
    からなる第1の整流回路と、当該第1の整流回路の脈流
    出力を変圧する第1のトランスと、前記第1の整流回路
    の出力を前記第1のトランスの1次巻線を通じてスイッ
    チングする第1のスイッチング手段と、前記第1のトラ
    ンスの2次巻線出力を整流する第1の出力側整流回路
    と、を具える第1の電源部と、 前記第1の半導体素子からなる整流回路の出力を前記第
    1のトランスを通じて変圧する第2のトランスと、前記
    第1の半導体素子からなる整流回路の出力を前記第1の
    トランスに設けた3次巻線出力を通じて平滑化する平滑
    コンデンサと、前記第2のトランスの2次巻線出力を整
    流する第2の出力側整流回路と、を具え、前記第1のス
    イッチング手段にて前記平滑コンデンサの出力を前記第
    2のトランスの1次巻線を通じてスイッチングする第2
    の電源部と、 前記第1及び第2の電源部の出力を合成する手段とを具
    えることを特徴とする電源装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の電源装置におい
    て、前記第1のスイッチング手段のスイッチングを制御
    する制御信号の一部として前記AC電源に含まれている
    リップル信号成分を用いることを特徴とする電源装置。
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WO2020070864A1 (ja) * 2018-10-04 2020-04-09 三菱電機株式会社 電源装置および磁気共鳴イメージング装置

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