JP2002034098A - 超音波プローブ及びその製造方法 - Google Patents

超音波プローブ及びその製造方法

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JP2002034098A
JP2002034098A JP2000216004A JP2000216004A JP2002034098A JP 2002034098 A JP2002034098 A JP 2002034098A JP 2000216004 A JP2000216004 A JP 2000216004A JP 2000216004 A JP2000216004 A JP 2000216004A JP 2002034098 A JP2002034098 A JP 2002034098A
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chipping
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Masaomi Nakahata
政臣 中畑
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Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 圧電振動子として圧電単結晶を用い、アレイ
加工時に圧電単結晶のチッピングを防止して、音響特性
劣化や信頼性低下を防止できる超音波プローブおよびそ
の製造方法を提供すること。 【解決手段】 圧電振動子1の下表面に微粒子を含有し
た接着剤により形成されたチッピング防止層4の厚さ
を、信号用FPC3a、3bの厚さ等により規制する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧電振動子として
単結晶を使用した医用超音波診断装置の超音波プローブ
およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来は、接着剤と微細粒子の混合物の粘
性、硬化する雰囲気の温度等から、接着時の加圧力を求
めていた。
【0003】医用超音波診断装置に用いられている超音
波プローブは、短冊形状の振動子を多数配列したアレイ
型を形成している。それにより、超音波ビームを電子的
に制御し、解像度の高い断層像をリアルタイムで取得す
ることができる。
【0004】図8は、一般的な超音波プローブの構造図
である。圧電振動子41の両面には図示しない電極が形
成されており、圧電振動子41の下面にはバッキング材
43が設けられている。圧電振動子41の上面には音響
整合層44が形成され、圧電振動子41および音響整合
層44はアレイ加工されている。アレイプローブの配列
ピッチは、狭いもので0.2mm程度である。音響整合
層44の上に音響レンズ45が形成されている。この音
響レンズ45を通して超音波の送受信が行われる。圧電
振動子41の両面に形成された電極は、フレキシブル印
刷配線板(FPC)およびケーブルを介して診断装置に
接続されている。
【0005】図8に示した構造の超音波プローブは、図
9(a)および(b)に示す方法で製造される。まず、
図9(a)に示すように、一体形状の圧電振動子41の
両面に図示しない電極を形成する。この圧電振動子41
をバッキング材43上に接着層により接着する。なお、
この接着層はチッピング防止層としての機能を兼ねてい
る。
【0006】この圧電振動子41をバッキング材43上
への接着によるチッピング防止層の形成は、接着剤と微
細粒子の混合物を用いて接着することにより形成してお
り、接着の際の加圧力は、接着剤と微細粒子の混合物の粘
性や硬化する雰囲気の温度等から求めている。
【0007】また、医用プローブでは、バッキング材4
3として、ネオプレン(登録商標)ゴムにフェライト粉
末を混合したバッキング材や、クロロプレンゴムとエポ
キシ樹脂とを混合したバッキング材などのようにゴム系
バッキング材が用いられている。
【0008】また、圧電振動子41の上面に音響整合層
44を形成する。次に、図9(b)に示すように、厚さ
50μm程度のダイヤモンドブレードを有するダイシン
グソーを用い、音響整合層44側から、圧電振動子41
を切断し、バッキング材43に深さ数百μmの溝を形成
するように一度にダイシングする。その後、音響整合層
4上に音響レンズ45を形成して、図8に示す構造を完
成する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】加工条件の定量化が困
難であり、チッピング防止層の厚みが、ばらついたり傾
いたりしていた。
【0010】従来、医用プローブでは、圧電振動子とし
て電気機械結合係数k33が70%程度のチタン酸ジル
コン酸鉛(PZT)系圧電セラミック材料が使用されて
おり、上記の製造方法によって特に問題を生じることは
なかった。
【0011】しかしながら、これに対して近年、たとえ
ば亜鉛ニオブ酸鉛の固溶体であるPb((Zn1/3
2/30.91Ti0.09)O圧電単結晶のよ
うに電気機械結合定数k33が90%以上と非常に効率
に優れた材料が開発ざれている。こうした圧電単結晶を
用いれば、超音波プローブの特性向上が期待できる。
【0012】ところが、圧電単結晶を用いて上記の製造
方法を採用し、ゴム系バッキング材にエポキシ接着剤で
圧電単結晶を接着し、圧電単結晶の上に音響整合層を形
成した後、ダイシングソーでアレイ加工すると、圧電単
結晶のゴム系バッキング材に接着された面のダイシング
エッジ部にチッピングが発生することがあるという問題
が生じた。
【0013】また、圧電振動子をバッキング材上への接
着の際の加圧力を、接着剤と微細粒子の混合物の粘性や
硬化する雰囲気の温度等から求めているので、チッピン
グ防止層の厚みが、ばらついたり傾いたりしていた。そ
のため、ダイシングソーでアレイ加工する際の加工条件
の定量化が困難であった。
【0014】このように圧電単結晶をアレイ加工する際
にチッピングが発生すると、短冊形状に加工された振動
子の電極面積が滅少し特性劣化を招き、アレイ素子間の
特性ばらつきが大きくなる。アレイ素子数は数十から数
百に及ぶため、アレイ素子間の特性のばらつきは診断装
置に表示される断層像の画質に影響する。また、圧電単
結晶に発生したチッピングはクラックへと発展する可能
性もあり、これは信頼性の低下につながる。
【0015】本発明はこれらの事情にもとづいてなされ
たもので、圧電振動子として圧電単結晶を用い、アレイ
加工時に圧電単結晶のチッピングを防止して、音響特性
劣化や信頼性低下を防止できる超音波プローブおよびそ
の製造方法を提供することを目的としている。
【0016】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明による手
段によれば、上表面に設けられた電極にアース用フレキ
シブル基板が、下表面に設けられた電極に信号用フレキ
シブル基板が接続されて、圧電単結晶を用いて形成され
た圧電振動子と、この圧電振動子の前記下表面に微粒子
を含有した接着剤により形成されたチッピング防止層
と、このチッピング防止層により前記圧電振動子に接合
されているバッキング材と、前記圧電振動子の上表面に
形成された音響整合層とを具備したことを特徴とする超
音波プローブであって、前記チッピング層の厚さが、前
記圧電素子のセンサ以外の位置に配置された前記フレキ
シブル基板の延在部の厚さにより規制されていることを
特徴とする超音波プローブである。
【0017】また請求項2の発明による手段によれば、
前記延在部は、前記接着剤の拡がりを規制すると共に前
記接着剤のはみ出し口が形成されていることを特徴とす
る超音波プローブである。
【0018】また請求項3の発明による手段によれば、
前記バッキング材は面状突起が形成され、この面状突起
により前記チッピング防止層の厚さが規制されているこ
とを特徴とする超音波プローブである。
【0019】また請求項4の発明による手段によれば、
圧電振動子とバッキング材の接合面のいずれかに接着剤
を塗布して所定の位置関係で位置合せする位置合せ工程
と、この位置合せされた前記圧電振動子と前記バッキン
グ材に接合方向から押圧力を印加して前記接着剤の厚さ
を規制してチッピング防止層を形成するチッピング防止
層形成工程とを有することを特徴とする超音波プローブ
の製造方法である。
【0020】また請求項5の発明による手段によれば、
前記圧電振動子に反りが生じている場合に、前記チッピ
ング防止層を形成する面の反対面に熱又は活性エネルギ
ー光線を照射することを特徴とする超音波プローブの製
造方法である。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の超音波プローブを
詳細に説明する。
【0022】図1は、本発明の超音波プローブの構造を
示す斜視図である。圧電振動子1の両面には図示しない
電極が形成されており、圧電振動子1の下面にはバッキ
ング材2が設けられている。この圧電振動子1の両面に
形成された電極(不図示)のうち、バッキング材2側の
電極には信号用のフレキシブル印刷配線板(信号用FP
C3)が、はんだ接合により固定されている。この信号
用FPC3は両端部が、圧電振動子1の外枠のセンサと
ならない余白部分に延在した、図2(a)および(b)
に平面図を示した延在部8a、8b、8cを形成してい
る。
【0023】この延在部8a、8b、8cは、信号用F
PC3(3a、3b)はバッキング材2を接着する接着
剤等が形成しているチッピング防止層4の厚さを規制す
る役割を果たしている。なお、チッピング防止層4は、
アレイ加工時の圧電振動子1のチッピングを防止するた
めのものである。
【0024】また、圧電振動子1のもう一方の面に形成
されている電極にはアース用FPC5がはんだ接合によ
り固定されている。なお、信号用FPC3は超音波診断
装置(不図示)に接続されている。
【0025】圧電振動子1の上面には音響整合層6が形
成され、圧電振動子1および音響整合層6はアレイ加工
されたアレイプローブ7を形成している。アレイプロー
ブ7の配列ピッチは、狭いもので0.2mm程度であ
る。音響整合層6の上に音響レンズ(不図示)が形成さ
れる。この音響レンズを通して超音波の送受信が行われ
る。
【0026】圧電振動子1としては圧電単結晶を用いて
おり、圧電単結晶は特に限定されず、Pb((Zn
1/3Nb2/30.91Ti0.09)Oに代表
される亜鉛ニオブ酸鉛とチタン酸鉛との固溶体からなる
単結晶、マグネシウムニオブ酸鉛とチタン酸鉛との固溶
体からなる単結晶、ニオブ酸リチウム単結晶等を適時用
いることができる。なお、圧電単結晶はキュリー点が1
80℃程度と低いため、半田付けやアレイ加工の熱で分
極劣化を生じやすい。このため、圧電単結晶はアレイ加
工後に再分極する必要がある。
【0027】音響整合層6は、アルミナ粉末をエポキシ
樹脂に分散させた複合材料から形成されている。
【0028】また、バッキング材2は、ゴム系バッキン
グ材料を用いている。
【0029】チッピング防止層4は、薄すぎるとチッピ
ングを防止する効果が得られない。一方、チッピング防
止層4が厚すぎると、チッピング防止層4とバッキング
材2との音響インピーダンスの差に基づいてプローブ特
性が変化する。特に、圧電単結晶とバッキング材2との
間にチッピング防止層4としてセラミックのようにバッ
キング材と比べて音響インピーダンスの大きい材料が挿
入された場合にはプローブ特性への影響等が生じやす
い。このため、チッピング防止層4は適当な厚さに形成
しなければならない。
【0030】一般に、チッピング防止層4の厚さは5μ
m以上、さらに10μm以上であることが好ましい。
【0031】一方、チッピング防止層4の厚さの上限値
Tは、チッピング防止層4の音響インピーダンスをZ、
バッキング材の音響インピーダンスをZb、超音波プロ
ープの中心周波数に対応する波長をλとするとき、 Z>Zbの場合にはT≦λ×2×Zb/Z Z<Zbの場合にはT≦λ×2×Z/Zb という条件を満たすように設定することが好ましい。チ
ッピング防止層4の厚さが上記の式から得られる上限値
Tより薄ければ、チッピング防止層4とバッキング材2
との音響インピーダンスの差に基づくプローブ特性の変
化を防止でき、感度低下を抑制できる。
【0032】次に、本発明のチッピング防止層4の厚さ
の制御について、第1の実施の形態を説明する。
【0033】図1に示すように、バッキング材2は圧電
振動子1との接合面側の両端側(圧電振動子1の外枠の
センサとならない余白部分の上)まで面状に形成されて
いる。また、信号用FPC3a、3bは、図2(a)お
よび(b)に平面図を示したように、圧電振動子1の電
極(不図示)との接合部の両端側が前方に延在して延在
部8a、8b、8cを形成している。図2(a)の信号
用FPC3aの延在部8a、8bの端部はそれぞれ開放
端になっているが、図2(b)の信号用FPC3bの延
在部8cはさらに延在して、相互に接続した閉ループで
先端が更にU字状に突出した突出部9を形成している。
なお、突出部9の形状はU字状に限らず、突出した形状
であれば、任意の形状を設定することができる。
【0034】これらの構成は、延在部8a、8b、8c
により囲まれ形成されたバッキング材2の表面に例え
ば、フィラーとして無水アルミナの微粒子を分散させた
エポキシ系の接着剤を塗布する。続いて、バッキング材
2の接合面に圧電振動子1にはんだ接続された信号用F
PC3a、3bの延在部8a、8b、8cを位置合せし
て重ね合わせる。圧電振動子1の上から所定の押圧力を
印加して押圧して接着する。この押圧により、接着剤は
信号用FPC3a、3bの厚さになって信号用FPC3
a、3bの延在部8a、8b、8cまで拡がり充填す
る。したがって、それにより形成されたチッピング防止
層4の厚さは、信号用FPC3a、3bの厚さと同等に
形成される。
【0035】なお、この接着の際に、余分の接着剤は、図
2(a)の信号用FPC3aの場合は、延在部8a、8
bの開放側から外部へはみ出す。また、図2(b)の信
号用FPC3bの場合は、延在部8cのU字状に突出し
た突出部9から外部へはみ出すので、はみ出した接着剤
をそれぞれ処理する。
【0036】その後、更に一定時間押圧力を印加して接
着剤を硬化させて、バッキング材2と圧電振動子1とを
固着する。
【0037】この固着により、チッピング防止層4は信
号用FPC3a、3bの厚さと等しくなり、チッピング
防止層4の厚さを所定の厚さに一定に形成することがで
きる。次に、本発明のチッピング防止層4の厚さの制御
について、第2の実施の形態を説明する。
【0038】図3に示すように、バッキング材2aは圧
電振動子1との接合面側の両端側(圧電振動子1の外枠
のセンサとならない余白部分の上)まで面状突起11
a、11bが形成されている。また、信号用FPC3
a、3bは、図2(a)および(b)に平面図を示した
ように、圧電振動子1の電極との接合部の両端側が前方
に延在して延在部8a、8b、8cを形成している。図
2(a)の信号用FPC3aの延在部8a、8bの端部
はそれぞれ自由端になっているが、図2(b)の信号用
FPC3bの延在部8cはさらに延在して、相互に接続
した閉ループで先端が更にU字状に突出した突出部9を
形成している。なお、突出部9の形状はU字状に限ら
ず、突出した形状であれば、任意の形状を設定することが
できる。
【0039】また、延在部8a、8b、8cの形成され
ている外側の間隔は、バッキング材2aの面状突起11
a、11bが形成されている間隔の内側より小さく形成
されている。したがって、図2(a)の延在部8a、8
bは面状突起11a、11bの内側に配置さるようにな
り、延在部8a、8bの間に形成されたバッキング材2
aの表面に、例えば、フィラーとして無水アルミナの微粒
子を分散させたエポキシ系の接着剤を塗布する。続い
て、バッキング材2aの面状突起11a、11bに圧電
振動子1にはんだ接続された信号用FPC3a、3bの
延在部8a、8b、8cを位置合せして内接させる。圧
電振動子1の上から所定の押圧力を印加して押圧して接
着する。
【0040】なお、この接着の際に、余分の接着剤は、図
2(a)の信号用FPC3aの場合は、延在部8a、8
bの開放側から外部へはみ出す。また、図2(b)の信
号用FPC3bの場合は、延在部8cのU字状に突出し
た突出部9から外部へはみ出すので、はみ出した接着剤
をそれぞれ処理する。
【0041】その後、更に一定時間押圧力を印加して接
着剤を硬化させて、バッキング材2aと圧電振動子1と
を固着する。
【0042】この固着により、チッピング防止層4はバ
ッキング材2aの面状突起11a、11bの高さにな
り、チッピング防止層4の厚さを所定の厚さに一定に形
成することができる。
【0043】なお、上述の各実施の形態で、圧電振動子
1に反りが存在していて、信号用FPC3a、3bやバ
ッキング材2、2aで、素子全体のチッピング防止層4
の厚みを均質にできない場合には、予め、圧電振動子1
のチッピング防止層4を形成しない側の面を十分に平ら
な面にするために、熱または、活性エネルギー光線の照
射により粘着力の無くなるシートを用いて貼り付け、圧
電振動子1の反りを矯正する。
【0044】次に、本発明のチッピング防止層4の厚さ
の制御について、第3の実施の形態を説明する。
【0045】上述の第1および第2の実施の形態では、
チッピング防止層4を無水アルミナの微粒子を分散させ
たエポキシ系の接着剤で形成したが、この場合は、所望す
るチッピング防止層4の厚さと等しいかやや大きい粒径
の粒子12も混入させる。
【0046】この場合、バッキング材2の圧電振動子1
との接合面は、図3に示した第2の実施の形態のよう
に、圧電振動子1の外枠のセンサとならない余白部分上
の接合面側に形成されている面状突起11a、11bは
存在せず、平坦面に形成されている。
【0047】図4に示すように、まず、バッキング材2
の圧電振動子1との接合面側に、または、圧電振動子1
の接合面側に、例えば、無水アルミナの微粒子13とチッ
ピング防止層4の厚さと等しいかやや大きい粒径の粒子
12を分散させたエポキシ系の接着剤14を塗布する。
続いて、圧電振動子1にはんだ接続された信号用FPC
3a、3bの延在部8a、8b、8cを位置合せして重
ね合わせる。圧電振動子1の上から所定の押圧力を印加
して押圧して接着する。
【0048】第1および第2の実施の形態と同様に、接
着の際に、余分の接着剤14は、図2(a)の場合の信号
用FPC3aは、信号用FPC3aの開放側から外部へ
はみ出す。また、図2(b)の信号用FPC3bの場合
は、信号用FPC3bのU字状に突出した突出部9から
外部へはみ出せて処理する。
【0049】その後、更に一定時間押圧力を印加して接
着剤14を硬化させて、バッキング材2と圧電振動子1
とを固着する。
【0050】この固着により、チッピング防止層4は、
接着剤14に分散したチッピング防止層4の厚さと等し
いかやや大きい粒子12の粒径の高さになり、チッピン
グ防止層4の厚さを所定の厚さに一定に形成することが
できる。 (実施例)以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。なお、超音波プローブの各部の構成は、図1乃至
2と同様であるので、それらの図面を援用して、その符
号を用いている。
【0051】圧電振動子1に0.35mm厚のPZTを
用い、信号用FPC3a、3bとして、図2(a)およ
び(b)に示したものを用意した。信号用FPC3a、
3bの厚さはポリイミドと銅箔を併せて43μmであ
る。
【0052】また、圧電振動子1のもう一方の面に形成
されている電極にはアース用FPC5がはんだ接合によ
り固定されている。なお、信号用FPC3a、3bは超
音波診断装置(不図示)に接続されている。
【0053】圧電振動子1の上面には音響整合層6が形
成され、圧電振動子1および音響整合層6はアレイ加工
されたアレイプローブ7を形成している。音響整合層6
の上に音響レンズ(不図示)が形成される。この音響レ
ンズを通して超音波の送受信が行われる。
【0054】チッピング防止層4は、エポキシ接着剤
(チバガイギ製「アラルダイト」(商品名)AYl0
3、硬化剤HY951)に無水アルミナを重量%で、0
〜75%混合したもので構成し、混合後、真空脱泡を行
なっている。また、接着剤の硬化時の押圧力を印加する
ための錘(不図示)を、質量l00g、300g、10
50g、1700g、2750gの5種類を用いて、そ
れぞれで2種類の信号用FPC3a、3bに対して押圧
した。
【0055】図5は、その結果を示したグラフで、信号用
FPCの種類、無水アルミナの重量%、錘の重量とバッ
クコーティングの厚さとの関係を示している。信号用F
PC3a、3bの種類に関わらず、接着剤に混合する無
水アルミナの重量%が増加すると、バックコーティング
の厚さが厚くなる傾向が示されることを確認した。
【0056】また、図6は、アルミナ混合比とチッピン
グ防止層の硬さを、アルミナ混合率(重量%)をパラメ
ータとして関係を示すグラフである。アルミナの混合率
(重量%)とデュロメータ硬さDが略比例している。実
験後、圧電単結晶PZNTを切断し、チッピング防止効
果を確認したところ、デュロメータ硬さDで、74以上
あればチッピングを防止できることを確認した。なお、
この場合も、接着剤14は同様に「アラルダイト」AY
103である。
【0057】次に、図1に示した超音波プローブをより
詳細に示し、製造方法とともに説明する。
【0058】図7は、本発明の超音波プローブの構成図
である。圧電振動子1の下面および上面にそれぞれ電極
16、17を形成する。この電極16、17から圧電振
動子1に電界を印加することにより分極する。圧電振動
子1の上面の電極17の端部にアース用FPC5の導電
層をはんだ付けする。圧電振動子1の下面の電極16の
端部に信号用FPC3の導電層をはんだ付けする。圧電
振動子1の下面に、無水アルミナの微粒子(不図示)が
分散されたエポキシ接着剤を埋めてチッピング防止層4
を形成し、バッキング材2上に接着する。
【0059】圧電振動子1の上面には、アルミナ粉末を
エポキシ樹脂に分散させた複合材料からなる所定厚さの
音響整合層6を形成する次に、両FPCをバッキング材
2の側面に沿うように下方に折り曲げる。この状態でダ
イシングソー(不図示)にセットし、所定のピッチで音
響整合層6、圧電振動子1およびチッピング防止層4を
切断してアレイ加工する。これらにより、圧電振動子1
はチッピングを生じさせずに加工することができる。
【0060】なお、圧電単結晶はアレイ加工後に分極劣
化を生じるため、両FPC3、5の導電層から直流電圧
を印加して再分極を行う。その後、切断溝にシリコーン
樹脂を充填し、音響整合層6上に音響レンズ15を接着
する。さらに、両FPC3、5の端部にケーブル17
a、17bを接続し、ケース(不図示)に収納して超音
波プローブを製造する。
【0061】上述に詳述したように、本発明によれば、
超音波プローブの製造工程で、フィラー入りの接着剤に
よりチッピング防止層に用いることで、アレイ加工でチ
ッピングを生じさせることがない。
【0062】
【発明の効果】本発明によれば、圧電単結晶を用いた超
音波プローブを、チッピングを起こすことなく製造で
き、それにより超音波プローブの製造における歩留まり
を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の超音波プローブの構造を示す斜視図。
【図2】(a)および(b)は本発明の信号用FPCの
平面図。
【図3】本発明のバッキング材の斜視図。
【図4】本発明のチッピング防止層の一例の断面図。
【図5】押圧荷重ごとの接着剤のバックコーティング厚
さのグラフ。
【図6】接着剤中のアルミナ混合率によるデュロメータ
硬さのグラフ。
【図7】本発明の超音波プローブの構成図。
【図8】従来の超音波プローブの斜視図。
【図9】(a)および(b)従来の超音波プローブの製
造工程を説明する斜視図。
【符号の説明】
1…圧電振動子、2、2a…バッキング材、3a、3b
…信号用FCP、4…チッピング防止層、5…アース用
FCP、6…音響整合層、7…アレイプローブ、8a、
8b、8c…延在部、9…突出部、10a、10b…面
状突起、12…粒子、13…微粒子、14…接着剤

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上表面に設けられた電極にアース用フレ
    キシブル基板が、下表面に設けられた電極に信号用フレ
    キシブル基板が接続されて、圧電単結晶を用いて形成さ
    れた圧電振動子と、この圧電振動子の前記下表面に微粒
    子を含有した接着剤により形成されたチッピング防止層
    と、このチッピング防止層により前記圧電振動子に接合
    されているバッキング材と、前記圧電振動子の上表面に
    形成された音響整合層とを具備したことを特徴とする超
    音波プローブであって、前記チッピング層の厚さが、前
    記圧電素子のセンサ以外の位置に配置された前記フレキ
    シブル基板の延在部の厚さにより規制されていることを
    特徴とする超音波プローブ。
  2. 【請求項2】 前記延在部は、前記接着剤の拡がりを規
    制すると共に前記接着剤のはみ出し口が形成されている
    ことを特徴とする請求項1記載の超音波プローブ。
  3. 【請求項3】 前記バッキング材は面状突起が形成さ
    れ、この面状突起により前記チッピング防止層の厚さが
    規制されていることを特徴とする請求項1記載の超音波
    プローブ。
  4. 【請求項4】 圧電振動子とバッキング材の接合面のい
    ずれかに接着剤を塗布して所定の位置関係で位置合せす
    る位置合せ工程と、この位置合せされた前記圧電振動子
    と前記バッキング材に接合方向から押圧力を印加して前
    記接着剤の厚さを規制してチッピング防止層を形成する
    チッピング防止層形成工程とを有することを特徴とする
    超音波プローブの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記圧電振動子に反りが生じている場合
    に、前記チッピング防止層を形成する面の反対面に熱又
    は活性エネルギー光線を照射することを特徴とする請求
    項4記載の超音波プローブの製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007013944A (ja) * 2005-05-30 2007-01-18 Toshiba Corp 超音波プローブ及び超音波プローブ製造方法
JP2012034159A (ja) * 2010-07-30 2012-02-16 Konica Minolta Medical & Graphic Inc 超音波探触子、その製造方法、及び超音波医用画像診断装置
JP2019114979A (ja) * 2017-12-25 2019-07-11 京セラ株式会社 超音波センサ
US10653390B2 (en) 2014-01-06 2020-05-19 Seiko Epson Corporation Ultrasonic device, ultrasonic probe, electronic apparatus, and method for manufacturing ultrasonic device

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