JP2002033023A - 透明電極 - Google Patents

透明電極

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JP2002033023A
JP2002033023A JP2000214011A JP2000214011A JP2002033023A JP 2002033023 A JP2002033023 A JP 2002033023A JP 2000214011 A JP2000214011 A JP 2000214011A JP 2000214011 A JP2000214011 A JP 2000214011A JP 2002033023 A JP2002033023 A JP 2002033023A
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transparent electrode
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silver
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JP2000214011A
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Katsuhiko Koike
小池  勝彦
Hiroaki Saigo
宏明 西郷
Shin Fukuda
福田  伸
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Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】積層体透明電極を用いて、パターニングされた
発光素子を提供する。 【解決手段】透明基板10(A)上に、透明高屈折率薄
膜層20(a)、銀又は銀合金からなる金属薄膜層30
(b)が透明導電性薄膜層として、A/a/b/aの構
成で積層されており、積層面内に積層されていない部分
も有するパターニングされた透明電極。前記(a)層は
インジウムとスズとの酸化物からなり、これらの薄膜層
は真空蒸着、イオンプレーティング法、スパッタリング
法等の手法による。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パターニングされ
た発光素子を提供することができる透明電極に関する。
【0002】
【従来の技術】透明電極は、透明であるにもかかわらず
導電性を有するものであり、その代表例としては、ガラ
ス基板上にインジウムとスズとの酸化物(ITO)から
なる薄膜が形成されているものが上げられる。主な用途
は、表示パネルの視認部の面電極であり、液晶ディスプ
レイ(LCD)、エレクトロルミネッセンス(EL)デ
ィスプレイ、プラズマディスプレイパネル(PDP)等
に現在、広く用いられている。最近では、有機エレクト
ロルミネッセンス(OEL)ディスプレイやフィールド
エミッションディスプレイ(FED)が、次世代ディス
プレイの一つとして注目されている。
【0003】最近、表示パネルの大型化及び小型携帯化
ニーズが非常に高まっている。これを実現するために
は、表示素子の低消費電力化が必要である。この目的の
ためには、可視光線透過率を維持しつつ、抵抗値が低い
透明電極の開発が有効である。特に最近開発されつつあ
る、有機エレクトロルミネッセンス素子に関しては、自
発光タイプであり、小型携帯端末向けに主に開発された
いるため、透明電極の低抵抗化への期待は大きい。ま
た、現在、市場に広まりつつあるプラズマディスプレイ
パネル(PDP)や次世代のディスプレイとして開発さ
れつつあるフィールドエミッションディスプレイ(FE
D)に関しても、それらが高消費電力な構造であるた
め、低抵抗透明電極開発に対する期待は大きい。
【0004】ITO等を用いた透明電極の場合、低抵抗
化を実現するため成膜後の熱処理が行われる。処理温度
は数100℃まで及ぶ。
【0005】小型携帯端末をターゲットとした場合、透
明電極自体の軽量化も必要である。透明電極の軽量化を
実現するためには、基体の軽量化が有効である。このた
め、従来、主にガラスが、用いられてきたが、最近では
高分子成形体が利用されるようになりつつある。
【0006】高分子成形体は、概して耐熱性に貧しい。
このため、ITO等の低抵抗化を実現するために薄膜形
成後に行われてきた熱処理を行うことができない。
【0007】熱処理を行わずに低抵抗透明電極を実現す
るための手段としては、透明導電性薄膜積層体の利用が
有効である。透明導電性薄膜積層体とは、導電性に優れ
る金属の薄膜を透明高屈折率薄膜で挟んだものである。
透明導電性薄膜積層体の導電性は、主に金属薄膜層の導
電性に左右され、従来の透明導電性薄膜では、実現し得
ない高い導電性を得ることができる。この透明導電性薄
膜積層体は、各薄膜層の材料や膜厚を選ぶことによっ
て、用途に応じて最適な光学特性及び電気特性を持つよ
うに設計することができるため、非常に有用である。
【0008】ディスプレイ面は、通常は、パターニング
された、細かな画素の集まりである。各画素を独立に発
光させ、様々な文字や画像を表示させる。用いられる透
明電極も目標とする画素サイズに応じて、パターニング
されている必要がある。
【0009】透明電極に求められるバターニング形状
は、ディプレイの駆動方式に左右される。例えば、単純
マトリックス方式で駆動される場合は、直線状にパター
ニングされている場合が多く、薄膜トランジスター(T
FT)方式で駆動される場合は、各画素毎に碁盤目状に
形成されている場合が多い。
【0010】従来、透明電極として用いられているIT
O等も上記の様にパターニングを施して通常用いられて
いる。
【0011】パターニング手法としては、大きく分け
て、湿式法と乾燥法がある。一般的には湿式法が用いら
れている。湿式法では、例えば、ITOが、全面に成膜
されたものを用意し、不要な部分を塩酸を用いて、溶解
することによってパターニングが行なわれる。
【0012】銀又は銀合金薄膜層を構成層に持つ、透明
導電性薄膜積層体は、従来用いられてきた手法を用いて
パターニングを施すことができない。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】従来の透明導電性薄膜
積層体透明電極は、パターニング処理が施されていなか
った。そのため、パターニングが必要なディスプレイ用
の透明電極として用いることができなかった。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の問
題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、以下のよう
な解決手段に至り、本発明に至った。すなわち本発明
は、 (1)透明基体(A)上に、透明高屈折率薄膜層
(a)、銀又は銀合金からなる金属薄膜層(b)が透明
導電性薄膜層として、A/a/b/aの構成で積層され
ており、積層面内に積層されていない部分が存在するこ
とを特徴とする透明電極。
【0015】(2)積層面内の透明導電性薄膜層が、形
成されている部分の形状が、透明基体(A)の端部から
別の端部へ至る、直線状で幅を持つものであり、それが
平行かつ等間隔で2箇所以上存在することを特徴とする
(1)に記載の透明電極。
【0016】(3)積層面内の透明導電性薄膜層の幅
が、20〜2000μmであることを特徴とする(2)
に記載の透明電極。
【0017】(4)積層面内の透明導電性薄膜層が、形
成されていない部分の幅が1〜3000μmであること
を特徴とする(2)または(3)に記載の透明電極。
【0018】(5)透明導電性高屈折率薄膜層(a)
が、インジウムとスズとの酸化物からなる(1)乃至
(4)に記載の透明電極。
【0019】(6)金属薄膜層(b)が、銀と金の合金
又は銀と銅とパラジウムの合金のいずれかであることを
特徴とする(1)乃至(5)に記載の透明電極。
【0020】(7)透明基体(A)が、透明高分子成形
基体であることを特徴とする(1)乃至(6)に記載の
透明電極。
【0021】(8)硝酸を用いて不要部分を溶解するこ
とにより得られることを特徴とする(1)乃至(7)に
記載の透明電極。
【0022】(9)濃度が10〜30重量パーセントで
ある硝酸を用いることを特徴とする(8)に記載の透明
電極。(10)(1)乃至(9)に記載の透明電極を用
いた有機エレクトロルミネッセンス素子に関するもので
ある。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明における透明電極は、透明
基体(A)上に、透明高屈折率薄膜層(a)、銀又は銀
合金薄膜層(b)が透明導電性薄膜層として、A/a/
b/aの構成で積層されており、積層面内に積層されて
いない部分が存在することを特徴とするものであり、用
途に応じたパターニング形状にすることによって、パタ
ーニングされたディスプレイ用の透明電極として用いる
ことができる。
【0024】本発明を添付図面でもって説明する。図1
は、本発明における透明電極の一例を示す断面図であ
る。図1においては、透明基体(A)10上に透明高屈
折率薄膜層(a)20、銀又は銀合金薄膜層(b)30
を積層構造A/a/b/aとした透明電極が挙げられて
いる。図2は、本発明における透明電極の一例を示す平
面図である。図2においては、透明導電性薄膜層形成部
分(B)40と透明導電性薄膜層未形成部分(C)50
が、直線状に交互に存在する。
【0025】本発明に用いられる透明基体としては、透
明高分子成形基体及び透明ガラス基体が挙げられる。透
明高分子成形基体は、透明ガラス基体に比較して軽い、
割れにくい、曲がりやすい等の理由で好適に用いられ
る。
【0026】透明基体としては、主にフィルム状態及び
板の状態のものが使用され、透明性に優れ、用途に応じ
た十分な機械的強度を持つものであることが好ましい。
ここで、透明性に優れるとは、使用される状態での厚さ
において、視感透過率が、40%以上であることを指
す。また、透明高分子成形基体の主面と反対面には、反
射防止層や防眩層が形成されていても構わない。
【0027】フィルム状態の透明基体は、主に透明高分
子成形基体である。透明高分子成形基体を具体的に例示
すると、ポリイミド、ポリスルフォン(PSF)、ポリ
エーテルスルフォン(PES)、ポリエチレンテレフタ
レート(PET)、ポリメチレンメタクリレート(PM
MA)、ポリカーボネート(PC)、ポリエーテルエー
テルケトン(PEEK)、ポリプロピレン(PP)、ト
リアセチルセルロース(TAC)等が挙げられる。中で
もポリエチレンテレフタレート(PET)及びトリアセ
チルセルロース(TAC)は、特に好適に用いられる。
【0028】透明高分子成形基体フィルムの厚さに特に
制限はない。通常は、20〜500μm程度である。
【0029】板状の透明基体は、主に透明高分子成形基
体及び透明ガラス基体である。板状の透明高分子成形基
体に好ましい材料を例示すれば、ポリメタクリル酸メチ
ル(PMMA)を始めとするアクリル樹脂、ポリカーボ
ネイト樹脂等が挙げられるが、これらの樹脂に特定され
るわけではない。中でもPMMAは、その広い波長領域
での高透明性と機械的強度の高さから好適に使用するこ
とができる。
【0030】また、透明高分子成形体には、表面の硬度
または密着性を増す等の理由でハードコート層が設けら
れることが多い。
【0031】透明ガラス基体の材料に特に指定はなく、
一般的に用いられているガラスを用いれば良い。
【0032】板状透明基体の厚さに特に制限はなく、十
分な機械的強度と、たわまずに平面性を維持する剛性が
得られれば良い。通常は、0.5〜10mm程度であ
る。
【0033】本発明における透明電極は、透明高屈折率
薄膜層(a)、金属薄膜層(b)とを十分な透過率及び
表面抵抗値が得られる膜厚組み合わせで透明基体上に積
層して得られる。
【0034】透明電極の透過率は、可視光領域におい
て、高ければ高い程良い。本発明におけるような、銀ま
たは銀合金を高屈折率薄膜層で挟み込んだ透明導電性薄
膜積層体を透明基体上に積層してなる透明電極の場合、
通常は、光の波長450nmから650nmの間に透過
率の極大波長が存在し、それよりも短波長の領域及び長
波長の領域においては、透過率が極大値に比較して小さ
くなるのが通常であるが、その部分の透過率ができるだ
け高いことが好ましい。すなわち光の波長600nm以
上、700nm以下の各波長における透過率が70%以
上、99%以下であることが好ましく、さらには75%
以上、99%以下であることがより好ましい。
【0035】また、表面抵抗値は、低ければ低い程好ま
しいが、表面抵抗値を低下させると透過率が実用上必要
な値を維持できなくなる。実用上十分な透過率を維持で
き、さらに実用上問題のない積層体の面抵抗値は、7Ω
/□以上、12Ω/□以下である。
【0036】透明高屈折率薄膜層(a)に用いられる材
料としては、できるだけ透明性に優れたものであること
が好ましい。ここで透明性に優れるとは、膜厚100n
m程度の薄膜を形成したときに、その薄膜の視感透過率
が60%以上であることを指す。また、高屈折率材料と
は、550nmの光に対する屈折率が、1.4以上の材
料である。これらには、用途に応じて不純物を混入させ
ても良い。
【0037】透明高屈折率薄膜層用に好適に用いること
ができる材料を例示すると、インジウムとスズとの酸化
物(ITO)、カドミウムとスズとの酸化物(CT
O)、酸化アルミニウム(Al2O3)、酸化亜鉛(Z
nO3)、亜鉛とアルミニウムとの酸化物(AZO)、
酸化マグネシウム(MgO)、酸化トリウム(ThO
2)、酸化スズ(SnO2)、酸化ランタン(LaO
2)、酸化シリコン(SiO2)、酸化インジウム(I
n2O3)、酸化ニオブ(Nb2O3)、酸化アンチモ
ン(Sb2O3)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、酸
化セシウム(CeO2)、酸化チタン(TiO2)、酸
化ビスマス(Bi2O3)等である。
【0038】また、透明高屈折率硫化物を用いても良
い。具体的に例示すると、硫化亜鉛(ZnS)、硫化カ
ドミウム(CdS)、硫化アンチモン(Sb2S3)等
があげられる。
【0039】透明高屈折率薄膜材料としては、中でも、
ITO、TiO2、AZOが特に好ましい。ITO及び
AZOは、導電性を持つ上に、可視領域における屈折率
が、2.0程度と高く、さらに可視領域にほとんど吸収
を持たない。TiO2は、絶縁物であり、可視領域にわ
ずかな吸収を持つが、可視光に対する屈折率が2.3程
度と大きい。
【0040】本発明における透明電極には、二つの透明
高屈折率薄膜層(a)が存在するが、最表面に位置する
透明高屈折率薄膜層(a)は、素子を作製した時、例え
ば有機エレクトロルミネッセンス素子を作製した時は、
直接有機層と接しているため、電気抵抗の大きさが、発
光輝度を左右する。このため、最表面に位置する透明高
屈折率薄膜層(a)に用いられる材料は、比抵抗が低い
ものが好ましく、通常は、ITOやAZOが好適に用い
られる。
【0041】透明高屈折率薄膜層の厚さに関しては、透
明電極全体の透過性及び電気伝導性を考慮して決定され
る。通常は、0.5〜100nm程度である。
【0042】本発明において用いられる、金属薄膜層
(b)の材料としては、できるだけ電気伝導性の良い材
料が好ましく、銀または銀の合金が用いられる。銀は、
比抵抗が、1.59×10−6(Ω・cm)であり、あ
らゆる材料の中で最も電気伝導性に優れる上に、薄膜の
可視光線透過率が優れるため、最も好適に用いられる。
但し、銀は、薄膜とした時に安定性を欠き、硫化や塩素
化を受け易いという問題を持っている。この為、安定性
を増すために、銀の替わりに銀と金の合金、銀と銅の合
金、銀とパラジウムの合金、銀と銅とパラジウムの合
金、銀と白金の合金等を用いてもよい。
【0043】金属薄膜層の厚さに関しては、透明電極全
体の透過性及び電気伝導性を考慮して決定される。通常
は、0.5〜100nm程度である。
【0044】透明高屈折率薄膜層、金属薄膜層の形成に
は、真空蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリ
ング法等の従来公知の手法によればよい。
【0045】透明高屈折率薄膜層の形成には、イオンプ
レーディング法またはスパッタリング法が好適に用いら
れる。イオンプレーティング法では、反応ガスプラズマ
中で所望の金属または焼結体を抵抗加熱したり、電子ビ
ームにより加熱したりすることにより真空蒸着を行う。
スパッタリング法では、ターゲットに所望の金属または
焼結体を使用し、スパッタリングガスにアルゴン、ネオ
ン等の不活性ガスを用い、反応に必要なガスを加えて、
スパッタリングを行う。例えば、ITO薄膜を形成する
場合には、スパッタリングターゲットにインジウムとス
ズとの酸化物を用いて、酸素ガス中で直流マグネトロン
スパッタリングを行う。
【0046】金属薄膜層には、真空蒸着法またはスパッ
タリング法が、好適に用いられる。真空蒸着法では、所
望の金属を蒸着源として使用し、抵抗加熱、電子ビーム
加熱等により、加熱蒸着させることで、簡便に金属薄膜
を形成することができる。また、スパッタリング法を用
いる場合は、ターゲットに所望の金属材料を用いて、ス
パッタリングガスにアルゴン、ネオン等の不活性ガスを
使用し、直流スパッタリング法や高周波スパッタリング
法を用いて金属薄膜を形成することができる。成膜速度
を上昇させるために、直流マグネトロンスパッタリング
法や高周波マグネトロンスパッタリング法が用いられる
ことも多い。
【0047】上記の方法により作製した、透明導電性薄
膜積層体及び酸化珪素薄膜層の薄膜層表面の原子組成
は、オージェ電子分光法(AES)、蛍光X線法(XR
F)、X線マイクロアナライシス法(XMA)、荷電粒
子励起X線分析法(RBS)、X線光電子分光法(XP
S)、真空紫外光電子分光法(UPS)、赤外吸収分光
法(IR)、ラマン分光法、2次イオン質量分析法(S
IMS)、低エネルギーイオン散乱分光法(ISS)等
により測定できる。また、膜中の原子組成及び膜厚は、
オージェ電子分光法(AES)や2次イオン質量分析
(SIMS)を深さ方向に実施することによって調べる
ことができる。
【0048】透明導電性薄膜積層体及び酸化珪素薄膜の
構成及び各層の状態は、断面の光学顕微鏡測定、走査型
電子顕微鏡(SEM)測定、透過型電子顕微鏡測定(T
EM)を用いて調べることができる。
【0049】本発明における透明電極の電極形成面での
透明導電性薄膜層形成部分の形状に特に指定はないが、
その透明電極を用いて作製するディスプレイの表示形状
及び駆動方式による制約を受ける。
【0050】単純マトリックス方式で駆動する場合、通
常は、陽極としての透明電極が、幅を持つ直線状のもの
として、複数本、平行にある間隔を持って形成されてい
る。透明導電性薄膜形成部分の幅に特に指定はないが、
通常は、20〜2000μmである。また、透明導電性
薄膜未形成部分の幅にも特に指定はない。通常は、1〜
3000μmである。透明導電性薄膜が形成された直線
に交差する状態で陰極が幅を持つ直線状ものとして、複
数本、平行にある間隔を持って形成されており、ある一
本の陽極と陰極を指定すると、その交点に通電するよう
になる。
【0051】透明電極の面内形状の作製手法に特に制限
はないが、大きく分けると二通りである。一つは、予め
全面に成膜を施し、後から不必要な部分を取り除く方法
である。不必要部分の取り除き方には大きく分けて二通
りある。一つは、湿式法であり、もう一つは乾燥法であ
る。
【0052】湿式法は、透明電極材料を溶解する溶液を
用いて、不用部分を溶解させて取り除く手法である。通
常は、マスクを用いて必要部分を覆い、不用部分を取り
除く。マスクとしては、レジストを用いたり、又簡易に
行なう場合にはテープを用いたりする。レジストを用い
る場合は、まず全面にレジストを塗布し、マスク形成部
分以外に紫外線を照射する。その後、紫外線照射部分を
現像によって取り除く。マスクを処理終了後は、レジス
トはアルカリ溶液を用いて取り除かれる。又、テープを
用いた場合は、剥がせば良い。
【0053】不用部分を溶解させために用いる溶液に特
に指定はないが、従来のITOの溶解には塩酸が用いら
れている。本発明における透明導電性薄膜積層体透明電
極は、銀を含むため従来用いられている塩酸では溶解さ
せることができず、硝酸を用いる。硝酸の濃度に特に指
定はないが、通常は1〜60重量パーセントである。あ
まり濃度が低いと溶解時間が長くかかったり、温度を上
昇させたりする必要があるので好ましくない。また、あ
まり濃度が高いと溶解する深さの制御が難しくなるので
好ましくない。好適に持ち入れられる硝酸の濃度は、1
0〜30重量パーセントである。この濃度では、20℃
程度の室温条件下で1〜3分程度の間に溶解が終了すの
で、効率及び管理上好ましい。
【0054】乾燥法は、透明電極材料と反応して蒸発す
るガスを用いて、プラズマ放電処理を施し、不用部分を
蒸発させて取り除く手法である。乾燥法の場合も湿式法
の場合と同様にマスクを用いて必要部分を覆い、不用部
分を取り除く。
【0055】透明電極の面内形状を形成するための手法
の二つ目は、成膜時にマスクを用いて不必要部分を覆っ
てしまい、必要部分にのみ成膜を行なう手法である。用
いるマスクに特に指定はないが、通常は、レジスト、金
属板、テープ等が用いられる。
【0056】本発明における透明電極が有用であり、パ
ターニングされた発光素子を作製することができるかど
うかを調べるためには、実際にその透明電極を用いて発
光素子を作成し、調べればよい。
【0057】パターニングされた有機エレクトロルミネ
ッセンス素子を作製することができるかどうかを調べる
ためには、評価したい透明電極を用いて有機エレクトロ
ルミネッセンス素子を作成し、評価を行えばよい。
【0058】有機エレクトロルミネッセンス素子の作成
手法は、透明電極の透明導電性薄膜上に正孔輸送層、発
光層、陰極を透明電極/正孔輸送層/発光層/陰極の構
成で積層して得られる。また、発光効率をさらに向上さ
せるために発光層と陰極との間に適当な電子輸送層を挿
入してもよい。
【0059】正孔輸送層に用いられる材料は、例えば、
ジアミン系の有機化合物が正孔輸送能に優れるため好適
に用いられる。中でも特にN,N‘−ジフェニル−N,
N’−(3−メチルフェニル)−1,1‘−ビフェニル
−4,4’−ジアミン(略称TPD)正孔輸送能に優
れ、広く正孔輸送材として使われている。
【0060】発光層に用いられる材料は、例えば、4―
(ジシアノメチレン)―2―メチル−6―(4―ジメチ
ルアミノスチリル)―4H―ピラン(略称:DCM1)
のような赤色発光色素を含有した、N―ビニルカルバゾ
ール(略称:PVK)、アルミニウムキノリノール錯体
(8ハイドロキシキノリン アルミニウム)(略称Al
q3)、1,2,3,4,5−ペンタフェニル−1,3
−シクロペンタジエン(略称:PPCP)、2−(4−
ビフェニィリル−)−5−(4−t−ブチルフェニイ
ル)−1,3,4−オキサジアゾール(略称PBD)、
N−N‘−ビス(2,5−t−ブチルフェニル)−3,
4,9,10−ペリレンジカルボキシイミド(略称BP
PC)等である。
【0061】これら正孔輸送層、発光層の形成には、従
来公知の真空蒸着法やイオン化蒸着法等の物理気相成長
法や、適当な溶媒に所望の材料を分散させ、スピンコー
ト等の手法で塗布した後、乾燥させる湿式法等によれば
よい。
【0062】正孔輸送層及び発光層の厚さは、それぞれ
通常30〜200nmである。
【0063】正孔輸送層及び発光層等の有機薄膜層のパ
ターン形成は、通常、成膜時にマスクを用いて成膜不要
部分に成膜されることを防止することによって行なわれ
る。
【0064】陰極に用いられる材料は、マグネシウムと
銀の合金、マグネシウムとアルミニウムの合金等であ
る。
【0065】これら陰極の形成には、従来公知の真空蒸
着法やスパッタリング法等の物理成膜法を用いればよ
い。
【0066】陰極のパターン形成手法は、成膜時にマス
クを用いて成膜不要部分に成膜されることを防止するこ
とによって行なわれる。
【0067】陰極の厚さは、通常5〜500nm程度で
ある。
【0068】
【実施例】次に、本発明を実施例により具体的に説明す
る。 (実施例)透明高分子成形基体(A)としてポリエチレ
ンテレフタレートフィルム[帝人社製、型番HSL、大
きさ50mm×50mm、厚さ188μm、]を用意し
た。
【0069】まず、透明導電性薄膜積層体を形成した。
直流マグネトロンスパッタリング法を用いて、透明高分
子成形基体(A)上に、インジウムとスズとの酸化物か
らなる薄膜層(a)、銀と金の合金薄膜層(b)をA/
a[厚さ40nm]/b[厚さ9nm]/a[厚さ40
nm]なる順に積層し、透明電極を形成した。インジウ
ムとスズとの酸化物からなる薄膜層は、透明高屈折率薄
膜層を、銀と金の合金薄膜層は、金属薄膜層を構成す
る。インジウムとスズとの酸化物からなる薄膜層の形成
には、ターゲットとして、酸化インジウムー酸化スズ焼
結体[In23:SnO2=90:10(重量比)]、
スパッタリングガスとしてアルゴン・酸素混合ガス(全
圧266mPa、酸素分圧8mPa)を用いた。また、
銀と金の合金薄膜層の形成には、ターゲットとして銀と
金の合金[Ag:Au=95:5(重量比)]を用い、
スパッタガスにはアルゴンガス(全圧266mPa)を
用いた。
【0070】続いて、透明導電性薄膜積層体にパターン
形成を行なった。スピンコート法を用いて、フォトレジ
スト[東京応化工業製、品番TSMR−8900]を全
面に塗布した。塗布厚みは約2μmとなるようにした。
そのうえに露光用マスク[大きさ50mm×50mm、
厚さ1.1mmtのガラス板に、図2に示したような形
状で500μm幅の直線状のクロム薄膜 が、50μm
間隔で形成されている]を重ね、水銀紫外線ランプ[出
力:300W]に0.5秒間照射した。続いて、有機ア
ルカリ現像液[東京応化工業製、品番NMD−W]に浸
し、紫外線照射部分を取り除いた。取り除かれた部分
は、透明導電性薄膜積層体が、積層される必要のない部
分である。続いて、20重量パーセント濃度の硝酸溶液
2分間浸し、形成される必要のない部分の透明導電性薄
膜積層体を取り除いた。最後に剥離液[東京応化工業製
剥離液―104]に浸し、全てのフォトレジストを取
り除いた。以上によりパターン形成された透明電極を作
製した。透明電極に関して、透明導電性薄膜積層体が、
直線状に形成されている方向をX方向、それと垂直な方
向をY方向と位置付けた。
【0071】続いて、得られた透明電極を用いて、有機
エレクトロルミネッセンス素子を作製した。
【0072】まず透明電極表面に金属マスク[50mm
×50mm、厚さ0.1mmt、1000μm×400
μmの空間部分が、図3に記載のように形成されてい
る、X方向の空間同士の間隔は1100μm、Y方向の
間隔は500μm。なお、図3には空間部分の一部分が
記載されている。]を取りつけた。この時、Y方向の空
間の幅部分が、透明電極の幅部分と全ての箇所において
一致するようにする。
【0073】真空加熱蒸着法を用いて、正孔輸送層とし
てN,N‘−ジフェニル−N,N’−(3−メチルフェ
ニル)−1,1‘−ビフェニル−4,4’−ジアミン
(略称:TPD)層[50nm]を形成した。続いてそ
の上に真空加熱蒸着法を用いて発光層として8−ハイド
ロキシキノリンアルミニウム(略称:Alq3)層[5
0nm]を形成した。
【0074】続いて、マスクをY方向に450μmずら
し上記と同様に有機薄膜層を形成した。
【0075】次に金属マスク[大きさ50mm×50m
m、厚さ0.1mmt、1000μm幅の直線状の空間
が、100μm間隔で形成されている]を直線方向がY
方向となるように有機薄膜層上に取りつけた。
【0076】真空加熱蒸着法を用いて、陰極としてマグ
ネシウム層[2nm]を形成した。
【0077】最後に陽極である透明電極及び陰極の各線
に電流を流すための配線を取りつけた。以上により、有
機エレクトロルミネセンス素子を作製した。
【0078】有機エレクトロルミネッセンス素子の発光
試験を行なった。電流を流す陽極及び陰極の位置を順次
変えながらそれぞれ10Vの電圧を印加したところ、選
択した陽極と陰極の線が交差する位置で発光した。表示
したいパターン形状に合わせて、使用する陽極と陰極を
複数選択することによって、パターンを持った発光をさ
せることができた。
【0079】
【発明の効果】本発明は、透明導電性薄膜積層体を用い
た透明電極にパターンを形成したものであり、パターニ
ングを施された有機エレクトロルミネッセンス素子に代
表される発光素子を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の透明電極の一例を示す断面図
【符号の説明】
10 透明基体(A) 20 透明高屈折率薄膜層(a) 30 銀または銀の合金薄膜層(b)
【図2】本発明の透明電極の一例を示す平面図
【符号の説明】
40 透明導電性薄膜層形成部分 50 透明導電性薄膜層未形成部分
【図3】本発明に用いられる金属マスクの平面図

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】透明基体(A)上に、透明高屈折率薄膜層
    (a)、銀又は銀合金からなる金属薄膜層(b)が透明
    導電性薄膜層として、A/a/b/aの構成で積層され
    ており、積層面内に積層されていない部分が存在するこ
    とを特徴とする透明電極。
  2. 【請求項2】積層面内の透明導電性薄膜層が、形成され
    ている部分の形状が、透明基体(A)の端部から別の端
    部へ至る、直線状で幅を持つものであり、それが平行か
    つ等間隔で2箇所以上存在することを特徴とする請求項
    1に記載の透明電極。
  3. 【請求項3】積層面内の透明導電性薄膜層の幅が、20
    〜2000μmであることを特徴とする請求項2に記載
    の透明電極。
  4. 【請求項4】積層面内の透明導電性薄膜層が、形成され
    ていない部分の幅が1〜3000μmであることを特徴
    とする請求項2または3に記載の透明電極。
  5. 【請求項5】透明導電性高屈折率薄膜層(a)が、イン
    ジウムとスズとの酸化物からなる請求項1乃至4に記載
    の透明電極。
  6. 【請求項6】金属薄膜層(b)が、銀と金の合金又は銀
    と銅とパラジウムの合金のいずれかであることを特徴と
    する請求項1乃至5に記載の透明電極。
  7. 【請求項7】透明基体(A)が、透明高分子成形基体で
    あることを特徴とする請求項1乃至6に記載の透明電
    極。
  8. 【請求項8】硝酸を用いて不要部分を溶解することによ
    り得られることを特徴とする請求項1乃至7に記載の透
    明電極。
  9. 【請求項9】濃度が10〜30重量パーセントである硝
    酸を用いることを特徴とする請求項8に記載の透明電
    極。
  10. 【請求項10】請求項1乃至9に記載の透明電極を用い
    た有機エレクトロルミネッセンス素子。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006216266A (ja) * 2005-02-01 2006-08-17 Kitagawa Ind Co Ltd 透明導電フィルム
WO2013100453A1 (ko) * 2011-12-28 2013-07-04 (주)엘지하우시스 전기적 특성이 우수한 투명 도전성 필름 및 이를 이용한 터치 패널

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