JP2002031622A - 埋設管の塗覆欠陥の検査方法及び検査装置 - Google Patents

埋設管の塗覆欠陥の検査方法及び検査装置

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JP2002031622A
JP2002031622A JP2000214884A JP2000214884A JP2002031622A JP 2002031622 A JP2002031622 A JP 2002031622A JP 2000214884 A JP2000214884 A JP 2000214884A JP 2000214884 A JP2000214884 A JP 2000214884A JP 2002031622 A JP2002031622 A JP 2002031622A
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Japan
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wave
waveform
coating
electric signal
incident
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JP2000214884A
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English (en)
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Kiyoteru Hirabayashi
清照 平林
Yosuke Amano
洋介 天野
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Nippon Kokan Koji KK
Original Assignee
Nippon Kokan Koji KK
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    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N2291/00Indexing codes associated with group G01N29/00
    • G01N2291/02Indexing codes associated with the analysed material
    • G01N2291/028Material parameters
    • G01N2291/02827Elastic parameters, strength or force

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  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Ultrasonic Waves (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 埋設管外周面と熱収縮性塗覆装との間に形成
された空気たまりを容易に検出できる埋設管の塗覆欠陥
の検査方法及び検査装置を提供する。 【解決手段】 電気信号を振動子に与えて可聴音域の音
波を発生せしめ、この音波を前記塗覆装13の外周面か
ら前記埋設管10に弾性波として入射させ、前記塗覆装
13外周面の前記音波の入射位置とは別の位置で前記埋
設管10の検査部分を伝達した前記弾性波を検出し、検
出された前記弾性波を電気信号に変換せしめ、当該電気
信号を入射信号のトリガ信号と同期させてその波形をモ
ニタ5に表示させ、この表示された波形により密着不良
を判断する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塗覆装で塗覆され
た水道管やガス管等の埋設管の塗覆装の密着不良を非破
壊で検査する方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、地中に埋設される水道管やガス
管等の埋設管は、所定長さの単管をその軸方向に順次繋
ぎ合わせて形成される。これら単管には、地中で腐食す
るのを防止するために、ポリエチレンあるいは瀝青質の
塗覆装で塗覆することが予め工場で行われている。しか
し、単管同士の接続は軸方向の端面同士を溶接して行う
ため、各単管の軸方向両端部には塗覆されておらず、溶
接終了後に現場にて一箇所ずつ塗覆作業が行われてい
る。
【0003】従来、現場でなされる熱収縮性ポリエチレ
ンの塗覆装の塗覆具合を検査する場合、目視検査あるい
はピンホールディテクター検査が行われていた。目視検
査では、現地施工の監視がなされ、施工後の塗覆装の施
工位置、外観寸法が目視でチェックされている。また、
ピンホールディテクター検査では、埋設管外周面と現地
で塗覆した塗覆装との間に12000〜20000Vの
電圧を印加して、その放電の有無により、目視検査では
判定できない塗覆装の小さなピンホールの検出が行われ
ている。
【0004】一方、長期間埋設された埋設管の工場塗覆
装及び現地塗覆装の埋設管外周面への密着程度を検査す
る場合には、地面を掘削して検査しようとする部分を露
出させて、目視検査や破壊検査が行われている。この場
合、目視検査では塗覆装部分の凹みや石のくい込み等を
検査し、破壊検査では金槌やヘラ等で塗覆装埋設管の外
表面から剥がして密着程度を検査していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来から行わ
れていた目視検査やピンホールディテクター検査では、
現地で施工した際に埋設管外周面に対する熱収縮性塗覆
装の密着不良により形成された空気たまり部を検出する
ことはできない。また、長期間埋設さた埋設管におい
て、経時変化により熱収縮性塗覆装または工場塗覆装が
剥離して生じた空気たまりについても従来の検査方法で
は検出することができない。一方、破壊検査では、検査
のために剥がした塗覆装を修復しなければならず、極め
て効率の悪い検査方法である。
【0006】そこで、本発明では塗覆装を破壊すること
なく、確実に埋設管外周面と熱収縮性塗覆装との間に形
成された空気たまりを容易に検出できる埋設管の塗覆欠
陥の検査方法及び検査装置を提供する。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明では、上記課題を
解決するため、塗覆装で外周面塗覆された埋設管の前記
塗覆装の密着不良を検査する検査方法であって、電気信
号を振動子に与えて可聴音域の音波を発生せしめ、この
音波を前記塗覆装の外周面から前記埋設管に弾性波とし
て入射させ、前記塗覆装外周面の前記音波の入射位置と
は別の位置で前記埋設管の検査部分を伝達した前記弾性
波を検出し、検出された前記弾性波を電気信号に変換せ
しめ、当該電気信号を所定のトリガパルスと同期させて
その波形をモニタに表示させ、この表示された波形によ
り密着不良を判断する埋設管の塗覆欠陥の検査方法によ
り密着不良を検査する。
【0008】本発明では、可聴音域の音波による弾性波
を入射することで、塗覆装の滑り弾性率に応じた変化量
が生ずる。これを検出手段で検出し、この検出手段が、
検出された弾性波に応じた電気信号に変換しているの
で、これをモニタに表示させることができ、欠陥の有無
を視覚的、定量的に表すことができる。
【0009】また、上記弾性波としてパルス波を入射さ
せ、検出される前記パルス波を電気信号に変化せしめ、
この信号の大きさが予め設定された値に達したときに前
記モニタに表示される波形を矩形波に変換し、この矩形
波を観測して密着不良を判断することにより、視覚的、
定量的に欠陥の有無を判断でき、しかも、経験の少ない
者にでも極めて容易に検査できる。
【0010】また、上記弾性波として複数の周波数成分
を含んだ連続波を入射させ、検査部分を伝達して検出さ
れた連続波の周波数の成分のみを電気信号に変換せし
め、この電気信号に対応した波形を前記モニタに表示さ
せ、この表示された波形を観測して密着不良を判断する
ことによっても、視覚的、定量的に欠陥の有無を判断で
き、経験の少ない者にでも極めて容易に検査できる。こ
の場合、正常部分の波形を予め測定しておき、これを基
準波形として前記モニタに表示させ、検査部分の波形を
この基準波と比較するとよい。
【0011】更に、上記弾性波として打音波を入射さ
せ、検査部分を伝達して検出された前記打音波を電気信
号に変換せしめ、この電気信号に応じた波形を前記モニ
タに表示させ、このモニタに検出された打音波に対応し
た波形が現れるか否かを観測して密着不良を判断するこ
とで、視覚的、定量的に欠陥の有無を判断でき、経験の
少ない者にでも極めて容易に検査できる。
【0012】また、本発明では、塗覆装で外周が塗覆さ
れた埋設管の前記塗覆装の密着不良を検査する検査装置
であって、与えられた電気信号により音波を発生せしめ
る振動子を有し、前記埋設管に前記音波を弾性波として
入射せしめる入射手段と、この入射手段により入射され
て検査部分を伝達した前記弾性波を検出する検出手段
と、前記検出手段により検出される弾性波を電気信号に
変換せしめ信号変換手段と、変換された前記電気信号を
所定のトリガパルスと同期せしめる同期回路と、この同
期回路で処理された前記弾性波に対応した前記電気信号
の波形を表示させるモニタとを備え、前記振動子から発
生される音波が可聴音域の音波を含む塗覆欠陥の検査装
置により、上記課題を解決する。
【0013】本発明によれば、入射される弾性波が可聴
音域の音波による弾性波であるので、塗覆装の滑り弾性
率に応じた変化量が生ずる。これを検出手段で検出し、
この検出手段が、検出された弾性波に応じた電気信号に
変換しているので、これをモニタに表示させることがで
き、欠陥の有無を視覚的、定量的に表すことができる。
【0014】
【発明の実施の形態】図1は、埋設管10を構成する単
管11,11同士の接合部を示している。
【0015】一般に埋設管10は埋設後に埋設管本体1
0aが腐食するのを防止するために、埋設管10を構成
する単管11,11には、これらを現地に搬入する前に
予め工場で、その軸方向の中間部分の外表面に塗覆装1
2,12を形成させている。しかし、各単管11,11
の軸方向の両端部は溶接して接続できるように端面から
所定長さLだけ塗覆装を形成させず、現地で接合を行っ
た後に本図に示すように熱収縮性ポリエチレンチューブ
13で塗覆する。
【0016】この際、熱収縮性ポリエチレンチューブ1
3の埋設管外周面への密着性が悪いとチューブ13と埋
設管10外周面との境目に空気たまりが形成されてしま
う。この空気たまりはチューブ内へ泥水を浸入させる通
路形成の原因となり、これにより形成された通路を伝っ
て内部に水が浸入すると結合部が腐食してしまう。その
ため、チューブ13を塗覆した後に空気たまりの無いこ
とを確認しなければならない。本発明にかかる検査装置
及び検査方法はこの空気たまりの有無を検査するもので
ある。
【0017】図2は、埋設管本体10aの外周に塗覆さ
れた工場塗覆装12に重ねて熱収縮性ポリエチレンチュ
ーブ13が塗覆された部分を本発明にかかる検査装置で
検査している状況を示すものである。
【0018】この検査装置は、埋設管本体10aを塗覆
する熱収縮性ポリエチレンチューブ13の外表面に接触
させて、弾性波を埋設管10に入射するための入射端子
1と、この入射端子1を接触させた位置から若干離れた
位置に接触させて、入射端子1により入射されて埋設管
内を伝達する弾性波を検出する検出センサ2と、入射端
子1及び検出センサ2と配線3,3で接続されたコント
ローラ4と、このコントローラ4に配線で接続されて検
出センサ2が検出した弾性波に対応した波形を表示する
モニタ5とを備えている。
【0019】コントローラ4には、入射端子1に内蔵さ
れた図示しない振動子に所定の電気信号を発信する発信
回路が設けられており、入射端子1に内蔵された振動子
はこの電気信号を音波に変換せしめている。入射端子1
に設けられた振動子が発生する音波は可聴域内の低周波
であり、この検査に用いる音波としては、20kHz以
下の周波数のものを使用する。
【0020】また、コントローラ4には同期回路が内蔵
されている。この同期回路は入力端子1で入射される弾
性波に対応する電気信号の一部を取り込んで、トリガ信
号を作り出して、このトリガ信号と、検出センサ2が発
信する検出された弾性波に対応する電気信号との同期を
図っている。モニタ5に映し出される波形は同期化され
た波形である。
【0021】かかる構成を備えた装置によれば、熱収縮
性ポリエチレンチューブ13と埋設管本体10aの外周
面との境界、あるいは熱収縮性ポリエチレンチューブ1
3と工場塗覆装12との境界に形成される空気たまり等
の欠陥を次のように検出して欠陥を検査する。
【0022】まず、コントローラ4に内蔵された発信回
路により電気信号を入射端子1が備える振動子に発信
し、電気信号を振動子で音波に変換する。変換された音
波は、入射端子1により熱収縮性ポリエチレンチューブ
13の外周面から弾性波として埋設管10に入射され
る。
【0023】熱収縮性ポリエチレンチューブ13の外周
面から弾性波を外力として加えると、変形ひずみが変化
量として生じる。この外力と変化量との間には次式の関
係が成立する。
【0024】
【数1】
【0025】滑り弾性率μは、物資振動によって異なる
比例定数であり、弾性波との関係は次のようになる。
【0026】
【数2】
【0027】この(1),(2)式が成立する弾性波
を、熱収縮性ポリエチレンチューブ13の外周面から入
射すると、滑り弾性率に応じた変化量が生じる。なお、
コントローラ4の信号をこの弾性波に変換せしめる振動
子としては、熱収縮性ポリエチレンチューブ13を湾曲
変形させるたわみ振動子を用いるとよい。
【0028】入射された弾性波は、熱収縮性ポリエチレ
ンチューブ13、工場塗覆装12及び埋設管本体10a
を伝達し、入射端子1と所定距離隔ててチューブ13の
外面に接触された検出センサ2により検出され、検出波
は検出センサにより対応する電気信号に変化されて、コ
ントローラ4に入力される。
【0029】コントローラ4に入力された信号の一部
は、このコントローラに内蔵された比較回路に取り込ま
れ、予め設定しておいた、しきい電圧値に増加するたび
に矩形波が一回作り出される。コントローラ4に入力さ
れた弾性波に対応する電気信号は、この矩形波に変換さ
れてモニタ5に出力され、モニタ5には変換された矩形
波形が表示される。そして、この表示された波形の形状
等を観測して、熱収縮性ポリエチレンチューブ13の密
着不良あるいは工場塗覆装12の剥離などの欠陥を判断
することができる。
【0030】図3は、本発明の別の実施形態にかかる検
査装置を示している。この装置では、検査する埋設管1
0の外周に取付けられる埋設管10の周方向に沿って延
びるリング状の案内レール9と、この案内レール9に沿
って埋設管10の外周面を走行する検査用台車8とを備
えている。検査用台車8には埋設管10に弾性波を入射
させる発信子1Aと、この発信子1Aと多少の間隔を隔
てて伝達した弾性波を受信する受信子2Aと、当該検査
用台車8の位置を検出する位置検出用のエンコーダ7と
が設けられている。この検査用台車8とコントローラ4
Aとは配線3Aで接続されており、検査用台車8はコン
トローラ4Aによりその走行が制御されている。なお、
配線3Aは、検査用台車8が埋設管10の外周を無理な
く走行できるように長めの配線が使用されている。
【0031】また、コントローラ4Aには、受信子2A
から送信された弾性波の波形を表示させるモニタ5Aが
接続されている。このコントローラ4Aには、前述のコ
ントローラ4と同様に、弾性波を発生させる発信子1A
に内蔵された振動子に電気信号を発信する発信回路と、
受信子2Aから送信される弾性波に対応する信号と入射
信号との同期を図る同期回路と、受信子2Aから送信さ
れる電気信号を取り込んで矩形波に変換するための変換
回路とが内蔵されている。
【0032】かかる構成を備えた検査装置によれば、検
査用台車8の走行をコントローラ4Aで制御でき、人が
発信子1A及び受信子2Aを移動させることなく埋設管
10の全周に亘り検査を行うことができる。なお、本装
置を使用して検査する場合の原理は図2に示した装置と
その根本は同様であるのでその説明は省略する。
【0033】本発明において入射する弾性波としては、
パルス波、複数の周波数成分を含む連続波、または打音
波を採用することができる。以下にこれら各弾性波を入
射させた実施例にについて説明する。
【0034】パルス波を入射した実施例図4〜7は弾性
波としてパルス波を入射して欠陥の有無を検査した場合
を示している。この検査では空気たまり14を意図的に
形成させ、入射端子1を一定の位置で熱収縮性ポリエチ
レンチューブ13の外面に接触させると共に、検出セン
サ2を空気たまりを間に挟まない位置2a、空気たまり
の真上の位置2b及び空気たまりを挟む位置2cに移動
させて、検出センサ2の位置でモニタに表示される波形
にどのような違いがあるかを観測した。
【0035】その結果、空気たまり14を間に挟まない
位置2aに検出センサを接触させたときは図5のよう
に、空気たまり14の真上の位置2bに接触させたとき
は図6に示すように、空気たまり14を挟む位置2cに
接触させたときは図7に示すように波形がそれぞれ観測
された。なお、図5〜7において、(a)図はモニタに
入力されたそのままの波形を示し、(b)図は矩形波に
変換した波形をそれぞれ示している。本発明において、
(a)図に示す生の波形をモニタに表示させ、この波形
から欠陥を判断するにはある程度の熟練が必要で、欠陥
を見落とす恐れがある。そこで、(b)図に示すように
矩形波に変化した波形をモニタに表示させると、以下に
説明するように究めて容易に欠陥の有無を判断できる。
【0036】まず、検出センサ2を2aの位置に接触さ
せ、欠陥の無い正常な状態を想定した場合では、図5
(a)に示すように、映し出される波形21aはその振
幅が大きく、波形にうねりなども生じていない。この波
形を図5(b)のように矩形波に変換した場合について
も、はっきりとした波形21bが現れ、波形の跳びもな
い。
【0037】これに対し、検出センサ2を空気たまり1
4の真上の位置2bで接触させた場合には、図6(a)
に示すように、正常な場合(図5(a)の波形)に比
し、波形22aの振幅が極めて小さく、不鮮明なものと
なっている。そして、図6(b)に示すように、矩形波
に変換した波形22bをモニタに表示させると、矩形波
はほとんど立ち上がらず、立ち上がる矩形波22bの数
も極めて少なく、矩形波同士の間隔が広く変化してい
る。また、空気たまり14が入射端子1と検出センサ2
とで挟まれるように検出センサ2を接触させた場合(図
4の2cの位置)には、図7(a)に示すように、モニ
タに表示される波形に、高い振幅の波形23a,23b
の途中部分に極めて振幅の低い波形のうねり部23cが
観測される。そして、矩形波に変換した波形23dをモ
ニタに映し出すと、図7(b)に示すように、映し出さ
れる波形のうねり部に相当する部分には、波形が立ち上
がらずに、波跳び部分23eが発生している。
【0038】このように、正常な部分を検査した場合と
欠陥を有する部分を検査した場合とでは、表示される波
形に相違が有り、特に矩形波に変換し場合にはその相違
が顕著に現れている。そのため、誰にでも容易に空気た
まりなどの欠陥の有無及びその位置を判断することがで
きる。
【0039】ここで、表示される波形に相違が生じる原
理について説明する。一般に個体を伝わる弾性波の速度
は次の式で表される。
【0040】
【数3】
【0041】また、固体は分子集団が集結して形成され
ており、各々の分子が弾性の性質を持って固まってい
る。ここに外力が働いて静止均衡が破られると、分子は
各々特有の変動し、たくさんの固有振動が刺激されて発
生する。この変動自体は単純な形なので基準変動と呼ば
れる。この基準変動が集合して合成された変位量γは、
次の式で表せる。
【0042】
【数4】
【0043】γは固体の固有振動と呼ばれる。
【0044】2つの異なる材質の固体が集合している所
に変形外力が加わると、各々の固体には異なったフーリ
エ成分の波動が伝わる。このため複雑な振動が時間と共
に形を変えて生じることになる。材質が異なれば、各材
質に応じた異なるフーリエ成分が発生し、伝わる波動の
間に干渉が現れる。これが最も烈しくなるとある瞬間振
幅が零となり、うなり現象が生じる。
【0045】このように異なる材質の固体が密着されて
いる所に形状変勤の滑り外力が働いたとき、水平方向に
滑りが生じるが、厚さが波長に比べて薄ければ、変動が
同一方向で波打ちする。密着が良好であれば、二つの固
体の平均固有振動数が生じて単振動による波動が連続す
る。しかし、密着不良で上面と下面が個別に振動する場
合は、異なるフーリエ成分の波動が生じる。これらが合
成されて検出されると、うなり現象を持った複雑な波形
となり、干渉波形となる(図7(a)参照)。塗覆装が
良好に密着している状態では、単純に減哀する波形であ
るが、入射端子又は検出センサを空気だまりまたは塗覆
装の密着不良の上に置くと信号が弱くなる(図6(a)
参照)。このように塗覆装の密着状態を明瞭に識別でき
る。
【0046】さらに、検出センサから発信される弾性波
に対応した電気信号が所定の信号レベルに達したときに
矩形波を出力させ、信号をパターン化して判定を簡便に
した(図5〜7の(b)図参照)。
【0047】連続波を入射した実施例図8〜10は、弾
性波として連続波を入射して欠陥の有無を検査した場合
を示している。この検査についても、図4に示すよう
に、空気たまり14を意図的に形成させ、入射端子1を
一定の位置で熱収縮性ポリエチレンチューブ13の外面
に接触させると共に、検出センサ2を空気たまりを間に
挟まない位置2a、空気たまりの真上の位置2b及び空
気たまりを挟む位置2cに移動させて、検出センサ2の
位置でモニタに映し出される波形にどのような違いがあ
るかを観測した。
【0048】その結果、入射端子1と検出センサ2とが
空気たまり14を間に挟まない位置2aに検出センサを
接触させたときは図8のように、空気たまり14の真上
の位置2bに検出センサ2を接触させたときは図9に示
すように、空気たまり14を挟む位置2cに検出センサ
を接触させたときは図10に示すように波形がそれぞれ
観測された。
【0049】これらの図に示された波形のうち下側の波
形は、予め、空気たまりの無い正常な部分についてその
波形を測定しておいた基準波形24a,25a,26a
を表示させたもので、検査で検出された波形をこの基準
波形24a,25a,26aと比較して、空気たまりの
有無の判断を容易に行うことができるようにしたもので
ある。基準波形はこれらの図から明らかなように、比較
的大きな周期T1で振幅する波形に小さな周期T2‥T
2で振幅する複数の波形が合成されて現れている。
【0050】図8の上側に表示された波形24bは、空
気たまりの無い正常な部分を検査した際に検出された波
形である。この波形24bは、大きな周期T3の波形と
小さな周期T4の波形とが合成されており、基準波形2
4aと同様な形状をしていることが判る。図9の上側に
表示された波形25bは、検出センサを空気たまりの真
上に接触させた際に検出された波形である。この波形2
5bには、大きな周期T5で振幅する波形は顕著に現れ
ているが、小さな周期T6の波形はほとんど含まれてお
らず、その形状が基準波形25aと比較して極めて単純
である。
【0051】そして、図10の上側に表示された波形2
6bは、空気たまりを入射端子と検出センサで挟むよう
にして検査を行った際に検出された波形である。この波
形26bは、正常部を検査したときの基準波形26aと
同様に、大きな周期T7を持つ波形と小さな周期T8を
持つ複数の波形とが合成されて複雑な形状をしている。
【0052】このように、検出される波形に相違が現れ
るのは、次の理由による。
【0053】複数の周波数成分を含んだパルス波を連続
して塗覆装に入射すると、塗覆装が良好に密着している
状態では、硬い材質である埋設管本体の影響を受ける
が、塗覆装に空気だまりや密着不良があると入射したパ
ルス波は柔らかい材質である塗覆装の影響を強く受け
る。そのため、正常部では検出される波形の中に高い周
波数成分が認められ、映し出される波形は複雑な形とな
る。一方、入射端子あるいは検出センサを空気たまりの
真上に置くと、高周波成分が抜け低周波成分のみとな
る。またボイドを挟むと高周波成分が回り込むため高周
波成分が再び検出される。
【0054】以上、複数の周波数成分を有する連続波を
入射した場合、検出センサを外表面に沿って移動させる
と、検出センサが空気たまりの真上をきたときにモニタ
に映し出される波形が小さな周期の波形を含まない単純
な形状になる。このことから、欠陥の位置を容易に特定
し得る。
【0055】打音波を入射した実施例 図11〜13は、弾性波として打音波を入射して欠陥の
有無を検査した場合のモニタに表示された波形を示して
いる。この検査についても、図4に示すように、空気た
まり14を意図的に形成させ、入射端子1を一定の位置
で熱収縮性ポリエチレンチューブ13の外面に接触させ
ると共に、検出センサ2を空気たまりを間に挟まない位
置2a、空気たまりの真上の位置2b及び空気たまりを
挟む位置2cに移動させて、検出センサ2の位置でモニ
タに映し出される波形にどのような違いがあるかを観測
した。本実施例では、空気たまり付近で、打音波が熱収
縮性ポリエチレンチューブ外表面の接線に対して45度
の傾斜角度で入射されるように入射端子を傾けて空気た
まりに向かって打音波を入射させた。
【0056】その結果、入射端子1と検出センサ2とが
空気たまり14を間に挟まない位置2aに検出センサを
接触させたときは図11のように、空気たまり14の真
上の位置2bに検出センサ2を接触させたときは図12
に示すように、空気たまり14を挟む位置2cに検出セ
ンサを接触させたときは図13に示すように波形がそれ
ぞれ観測された。
【0057】図11から明らかなように、空気たまりの
無い正常部を検査した場合には、入射した打音波を検出
センサが検出し、この打音波に対応する大きな振幅を有
する波形27がモニタに表示されている。これに対し、
検出センサを空気たまりの真上(図4の2bの位置)に
移動させたときは、図12に示すように、モニタには打
音波に対応する波形が現れず、振幅のほとんど無い波形
28のみが表示されている。そして、検出センサ2を更
に移動させ、空気たまりが入射端子1と検出センサ2と
で挟まれる状態で検査すると、再びモニタには大きな振
幅を有する波形29が表示される。
【0058】このように表示される波形に顕著な差がで
きるのは、入射された打音波の伝達に相違が有ることに
よる。即ち、塗覆装が良好に密着している部分では入射
された打音波が検出センサまで到達し、検出センサが入
射された打音波を検出する。しかし、検出センサを空気
たまりの真上に置くと空気たまりが打音波の伝達を阻害
し、検出センサまで打音波は到達しない。空気たまりを
挟むと打音波が回り込むため、再び検出される。この原
理を利用して塗覆装に生じた空気だまりや塗覆装等の密
着不良の位置を究めて簡便に特定できる。
【0059】
【発明の効果】以上、本発明によれば、ガス管や水道管
等の埋設管を埋設する際に、埋設管を構成する単管の接
合部を保護する塗覆装の密着不良を非破壊検査により極
めて容易に検査できる。また、長期に亘り埋設されたガ
ス管や水道管等の埋設管に施された工場塗覆装等の塗覆
装が剥離しているか否かをも非破壊検査により極めて容
易に検査できる。そのため、埋設管をこれら欠陥のない
ものにでき、泥水浸入による腐食を防止できる。また、
欠陥位置を正確に特定できるため、補修作業を簡便に行
うことができ、コストを抑えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】検査の対象となる埋設管を構成する単管の接合
部の縦断面図。
【図2】本発明の1実施形態にかかる検査装置の構成
図。
【図3】図2に示す装置とは別の実施形態ににかかる検
査装置の構成図。
【図4】図2に示した検査装置を使用して塗覆装同士の
境界部に形成された空気たまりを検する際の入射端子及
び検出センサの位置関係を示す図。
【図5】パルス波を入射して検査した際に検出された弾
性波の波形の図。
【図6】パルス波を入射して検査した際に検出された図
5の波形とは別の弾性波の波形の図。
【図7】パルス波を入射して検査した際に検出されたさ
らに別の弾性波の波形の図。
【図8】連続波を入射して検査した際に検出された弾性
波の波形の図。
【図9】連続波を入射して検査した際に検出された図8
の波形とは別の弾性波の波形の図。
【図10】連続波を入射して検査した際に検出されたさ
らに別の弾性波の波形の図。
【図11】打音波を入射して検査した際に検出された弾
性波の波形の図。
【図12】打音波を入射して検査した際に検出された図
11の波形とは別の弾性波の波形の図。
【図13】打音波を入射して検査した際に検出されたさ
らに別の弾性波の波形の図。
【符号の説明】
1 入射手段(入射端子) 1A 入射手段(発信子) 2 検出手段(検出センサ) 2A 検出手段(受信子) 4,4A コントローラ 5,5A モニタ 7 エンコーダ 8 検査用台車 9 案内レール 10 埋設管 10a 埋設管本体 12 工場塗覆装 13 熱収縮性ポリエチレンチューブ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塗覆装で外周面塗覆された埋設管の前記
    塗覆装の密着不良を検査する検査方法であって、 電気信号を振動子に与えて可聴音域の音波を発生せし
    め、この音波を前記塗覆装の外周面から前記埋設管に弾
    性波として入射させ、前記塗覆装外周面の前記音波の入
    射位置とは別の位置で前記埋設管の検査部分を伝達した
    前記弾性波を検出し、検出された前記弾性波を電気信号
    に変換せしめ、当該電気信号を所定のトリガパルスと同
    期させてその波形をモニタに表示させ、この表示された
    波形により密着不良を判断することを特徴とする埋設管
    の塗覆欠陥の検査方法。
  2. 【請求項2】 入射する前記弾性波はパルス波であり、
    検査部分を伝達して検出される前記パルス波を電気信号
    に変化せしめ、この信号の大きさが予め設定された値に
    達したときに前記モニタに表示される波形を矩形波に変
    換し、この矩形波を観測して密着不良を判断することを
    特徴とする請求項1記載の埋設管の塗覆欠陥の検査方
    法。
  3. 【請求項3】 入射する前記弾性波は複数の周波数成分
    を含んだ連続波であり、検査部分を伝達して検出された
    連続波の周波数の成分のみを電気信号に変換せしめ、こ
    の電気信号に対応した波形を前記モニタに表示させ、こ
    の表示された波形を観測して密着不良を判断する請求項
    1記載の埋設管の塗覆欠陥の検査方法。
  4. 【請求項4】 入射する前記弾性波は打音波であり、検
    査部分を伝達して検出された前記打音波を電気信号に変
    換せしめ、この電気信号に応じた波形を前記モニタに表
    示させ、このモニタに検出された打音波に対応した波形
    が現れるか否かを観測して密着不良を判断することを特
    徴とする請求項1記載の埋設管の塗覆欠陥の検査方法。
  5. 【請求項5】 塗覆装で外周が塗覆された埋設管の前記
    塗覆装の密着不良を検査する検査装置であって、 与えられた電気信号により音波を発生せしめる振動子を
    有し、前記埋設管に前記音波を弾性波として入射せしめ
    る入射手段と、ここの入射手段により入射されて検査部
    分を伝達した前記弾性波を検出する検出手段と、前記検
    出手段により検出される弾性波を電気信号に変換せしめ
    信号変換手段と、変換された前記電気信号を所定のトリ
    ガパルスと同期せしめる同期回路と、この同期回路で処
    理された前記弾性波に対応した前記電気信号の波形を表
    示させるモニタとを備え、前記振動子から発生される音
    波が可聴音域の音波含むことを特徴とする埋設管の塗覆
    欠陥の検査装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20180025985A (ko) * 2016-04-25 2018-03-09 히하카이켄사 가부시키가이샤 적층체의 박리 검사 방법 및 박리 검사 장치
CN112946428A (zh) * 2019-11-26 2021-06-11 杭州通产机械有限公司 一种检测方法

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KR20180025985A (ko) * 2016-04-25 2018-03-09 히하카이켄사 가부시키가이샤 적층체의 박리 검사 방법 및 박리 검사 장치
KR101882838B1 (ko) 2016-04-25 2018-07-27 히하카이켄사 가부시키가이샤 적층체의 박리 검사 방법 및 박리 검사 장치
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