JP2002031359A - 床暖房パネル及び床暖房部周辺の非床暖房部に敷設される周辺パネル - Google Patents

床暖房パネル及び床暖房部周辺の非床暖房部に敷設される周辺パネル

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JP2002031359A
JP2002031359A JP2000216084A JP2000216084A JP2002031359A JP 2002031359 A JP2002031359 A JP 2002031359A JP 2000216084 A JP2000216084 A JP 2000216084A JP 2000216084 A JP2000216084 A JP 2000216084A JP 2002031359 A JP2002031359 A JP 2002031359A
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floor
panel
floor heating
resin foam
hard resin
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JP2000216084A
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Satoru Yamamoto
哲 山本
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 床暖房パネルの施工性を良好なものとしつ
つ、製造コストの増大を抑制し、敷設する部屋に応じた
加熱手段接続部を複数設けることが出来ると共に、防音
性能の良好な床暖房パネル及び床暖房部周辺の非床暖房
部に敷設される周辺パネルを提供する。 【解決手段】 床部5に敷設される床下地板6の上に、
床暖房部7を構成する複数の床暖房パネル8…が、直
接、敷設されている。この床暖房部7の周囲の非暖房部
には、床暖房パネル8と略同一材料で構成されることに
より床暖房パネル8と厚みをあわせる周辺パネル9…
が、複数敷設されている。このうち、不陸吸収層に対向
する面12bには、凹凸形状14が形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、床暖房部分に敷
設される暖房パネル本体と、厚みをあわせる為に、この
床暖房部分の周辺の非床暖房部に敷設される周辺パネル
本体とを有してなる床暖房パネル及び床暖房部周辺の非
床暖房部に敷設される周辺パネルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の床暖房パネルとしては、図11に
示す特開平7−18897号公報に記載されているよう
なものが知られている。
【0003】このようなものでは、床暖房パネルが、一
方の面1aに複数本の溝1b,1bが形成されている第
1の床部材1と、一方の面2aに弧状の溝2bが形成さ
れている第2の床部材2とを複数個組み合わせて構成さ
れている。
【0004】これらの床部材1,2には、加熱手段とし
ての冷温水パイプ3が、入り口3aと出口3bとを近接
させて敷設されている。
【0005】次に、この従来例の床暖房パネルの作用に
ついて説明する。
【0006】このように構成された従来の床暖房パネル
では、前記冷温水パイプ3の入り口3aから供給された
湯水は、徐々に冷却されて前記出口3bから排水され
る。
【0007】前記入り口3a側では、往路の最も温度の
高い湯水と、前記出口3b側に流れる最も低い温度の湯
水とによって、暖房されるので、折り返し部4と略均等
に暖房等が行われる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来のものでは、前記第1の床部材1と、第2の床
部材2との平面視での大きさ及び形状が全く異なり、全
く別体として製造する必要があった。
【0009】また、現在の多様化する住宅事情を鑑みる
と、床暖房を敷設する部屋の形状、大きさによっては、
加熱手段としての冷温水パイプ3と、この冷温水パイプ
3に暖められた湯水を供給するための装置(温水器、電
力線等)とを接続する場所が限定されたり、また、加熱
手段の系統を増やす必要が有る場合がある。
【0010】このように加熱手段と熱供給装置との接続
場所を複数具備する必要があり、従来の各床部材1,2
を組み合わせて構成することは困難であった。
【0011】更に、従来の床暖房周辺の非床暖房部に敷
設される周辺パネルは、床暖房パネルと同一厚みを有す
る合板、若しくは発泡スチロールなどの硬質樹脂発泡体
を用いていた。
【0012】合板の場合は、厚みを約12mm前,後と
するのが一般的であるが、この場合、重量が重くなるた
め、取り扱い性が良好であるとは言い難かった。
【0013】更に、出入り角等の処理の為に、鋸等を用
いる必要が有るため、施工性も良好であるとは言い難か
った。
【0014】また、硬質樹脂発泡体を周辺パネルに用い
る場合には、厚みを調整したものを製造しなければなら
ず、周辺パネルそのものの製造コストを低減させること
が困難であった。
【0015】そこで、本発明の目的は、前記の問題点を
解消し、床暖房パネルの施工性を良好なものとしつつ、
製造コストの増大を抑制し、敷設する部屋に応じた加熱
手段接続部を複数設けることが出来ると共に、防音性能
の良好な床暖房パネル及び床暖房部周辺の非床暖房部に
敷設される周辺パネルを提供することを目的としてい
る。
【0016】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、請求項1に記載された発明では、床暖房部分に複数
枚敷設されて床暖房部を構成する床暖房パネルであっ
て、前記床暖房パネルには、表面側から金属製薄膜層、
加熱手段、硬質樹脂発泡体、不陸吸収層が、積層されて
いて、該硬質樹脂発泡体の金属製薄膜層に対向する面に
加熱手段を埋設するための溝が形成されていると共に、
他方の面には、凹凸形状が形成されている床暖房パネル
を特徴としている。
【0017】このように構成された請求項1記載のもの
では、前記他方の面には、凹凸形状が形成されているの
で、直接、床下地上に敷設されても、振動を下階に伝え
にくい。このため、防音性能が良好である。
【0018】更に、断熱作用により、熱損失を最小限に
抑えることができる。
【0019】また、請求項2記載のものでは、前記床暖
房パネルと厚みをあわせる為に、床暖房部分の周辺の非
床暖房部に敷設される周辺パネルであって、該周辺パネ
ルには、表面側から、硬質樹脂発泡体、不陸吸収層が、
積層されていて、前記硬質樹脂発泡体の不陸吸収層積層
に対向する面に、凹凸形状が形成されていると共に、前
記硬質樹脂発泡体及び不陸吸収層の厚み、形状、寸法
が、前記請求項1に記載の硬質樹脂発泡体及び不陸吸収
層と略同一である床暖房部分の周辺の非床暖房部に敷設
される周辺パネルを特徴としている。
【0020】このように構成された請求項2記載のもの
では、前記床暖房パネルと、同様に周辺パネルを構成出
来るので、同一製造ラインで、略同じ材料を使用して製
造できる。
【0021】このため、製造コストの増大を抑制出来
る。
【0022】そして、請求項3に記載されたものでは、
前記暖房パネルは、平面視略長方形状であり、長辺と平
行方向に複数の加熱手段埋設用の溝が形成されている第
一のパネルと、該溝を連結するために、複数の円弧状又
は直線状の溝を前記第一のパネルに更に形成した第二の
パネルとを有する請求項1記載の床暖房パネルを特徴と
している。
【0023】このように構成された請求項3記載のもの
では、第一のパネルと第二のパネルとを組み合わせるこ
とにより、湯水を供給する装置を接続する場所を変更す
ることが出来て、床暖房を敷設する部屋の形状、大きさ
に適用出来る。
【0024】また、請求項4に記載されたものでは、前
記加熱手段の系統数が、2系統以上であり、且つ加熱手
段と、熱供給装置とを連結するための出入り口が、相隣
りあっている請求項1又は3記載の床暖房パネルを特徴
としている。
【0025】このように構成された請求項4記載のもの
では、出入り口が、相隣りあっているので、施工が容易
である。
【0026】更に、請求項5に記載されたものでは、前
記暖房パネルでは、各系統の繋がれている加熱手段の長
さが、略同一である請求項4記載の床暖房パネルを特徴
としている。
【0027】このように構成された請求項5記載のもの
では、前記各系統の繋がれている加熱手段の長さが、略
同一であるので、略均等に床暖房が行われる。
【0028】
【発明の実施の形態1】以下、本発明の具体的な実施の
形態1について、図示例と共に説明する。
【0029】図1乃至図5は、この発明の実施の形態1
を説明するものである。なお、前記従来例と同一乃至均
等な部分については同一符号を付して説明する。
【0030】まず、構成を説明すると、この実施の形態
1の床暖房パネルでは、床下地5に敷設される床下地板
6の上に、床暖房部7を構成する複数の床暖房パネル8
…が、直接、敷設されている。
【0031】この床暖房パネル8では、表面側から金属
製薄膜層10、加熱手段としての温水パイプ11、硬質
樹脂発泡体12、不陸吸収層13が、積層されている。
【0032】そして、このうち硬質樹脂発泡体12の金
属製薄膜層10に対向する面12aには、前記温水パイ
プ11を埋設するための溝12cが形成されている。
【0033】また、他方の面である裏面側12bには、
凹凸形状14が形成されている。
【0034】更に、この床暖房部7の周囲の非暖房部に
は、硬質樹脂発泡体12と不陸吸収層13よりなり、前
記床暖房パネル8と略同一材料で構成されることにより
前記床暖房パネル8と厚みをあわせる周辺パネル9…
が、複数敷設されている。
【0035】更に、前記金属製薄膜層10及び非暖房部
のの硬質樹脂発泡対体12の上には、床仕上げ材15が
貼設されて構成されている。
【0036】次に、これらの床暖房パネル8及び床暖房
部周辺の非床暖房部に敷設される周辺パネル9の具体的
な構成について説明する。 [金属製薄膜]実施の形態1の床暖房パネル8の金属製
薄膜10の材質は、特に限定されるものではないが、硬
いと防音性能に悪影響を及ぼす恐れがある。また、熱伝
導性の優れる金属が、金属製薄膜層10を設置する目的
である均熱性に優れる。
【0037】以上の理由により、その材質はアルミ箔が
好適に用いられる。また、その厚みは、厚すぎると防音
性能に悪影響を及ぼす恐れがあり、また、薄すぎると均
熱性が悪化する恐れがある。
【0038】従って、その厚みは0.05〜0.5mm
が好適に用いられ、さらに好適には0.1〜0.3mm
である。 [金属製薄膜と硬質樹脂発泡体の積層]硬質樹脂発泡体
12に、前記金属薄膜層10を積層させる際には、各種
接着剤、粘着材、両面テープなどが好適に用いられが、
接着性が確保されるならば、アルミテープに代表される
金属テープを用いる方が、作業環境や簡便性からも好ま
しい。
【0039】また、金属製薄膜層10は、前記温水パイ
プ11の上面付近だけに積層させても構わないが、十分
な均熱性が確保されない可能性があるため、硬質樹脂発
泡体12の全上面に接着するのが好ましい。
【0040】[加熱手段]実施の形態1に於いて用いら
れる温水パイプ11の他に、線状の電気式発熱体等を加
熱手段として用いても好適である。それらの外径が大き
くなると、溝12cの径を大きくする必要があるため、
その結果、硬質樹脂発泡体12の厚みを厚くしなければ
ならない。硬質樹脂発泡体12を厚くすると、防音性能
に悪影響を及ぼす恐れがあるため好ましくない。 ま
た、外径が小さくなりすぎると、電気式発熱体の発熱量
が減少し、また温水パイプ11の径も小さくなるため、
熱の流入量が減少するので好ましくない。従って、加熱
手段の外径は4mm以上18mm以下が好ましく更に好
ましくは6mm以上12mm以下である。
【0041】[硬質樹脂発泡体]実施の形態1の硬質樹
脂発泡体12としては、裏面に凹凸形状14が施された
硬質樹脂発泡体であれば特に限定されるものでなく、発
泡倍率が5〜25倍の硬質ポリウレタン発泡体、発泡倍
率が10〜30倍のポリスチレン発泡体などがあげられ
るが、本出願人が先に提出した特願平10−26999
6号記載の硬質樹脂発泡体が好適に用いられる。これ
は、 1)裏面側に設ける凹凸形状が連続にかつ容易に作成で
きる、 2)曲げ弾性率と比較して圧縮弾性率が大きいため、床
歩行時の違和感が少ない、 3)後述する溝加工が容易に且つ精度良く行うことが出
来る、以上の理由により、特願平10−269996号
記載の硬質樹脂発泡体12が好適に用いられる。
【0042】前記硬質樹脂発泡体12の厚みとしては、
厚すぎると床暖房パネル8の厚みそのものが厚くなるば
かりでなく、防音性能にも悪影響を与えかねない。
【0043】また、薄すぎると、後に施す溝加工が出来
なくなる可能性があるばかりでなく、埋設する加熱手段
の径より溝の径が小さくなる可能性があり、床仕上げ材
15を施工した際に見栄えが悪くなるばかりでなく、最
悪の場合、施工できない可能性がある。従って、その厚
みとしては、8mm以上20mm以下、より好ましく
は、8mm以上14mm以下である。
【0044】[硬質樹脂発泡体に施される凹凸形状]前
記硬質樹脂発泡体12に施される凹凸形状14の高さh
としては、低すぎると高い防音性能が得られない。従っ
て、凹凸形状の先端接合部14aまでの高さhは、1m
m以上が好ましく、より好ましいのは3mm以上であ
る。
【0045】また、凸部を平板上に設置した場合、先端
接合部の平板である不陸吸収層13に対する接触面積の
割合は、大きすぎると防音性能が低下する恐れがあり、
また小さすぎると不陸吸収層との接触面積も自ずと小さ
くなるため、不陸吸収層が剥がれやすくなる。従って、
接触面積は、10〜70%であるのが好ましい。
【0046】[硬質樹脂発泡体に施される溝形状]前記
硬質樹脂発泡体に施される溝12cの形状は、用いる温
水パイプ11が埋設されれば特に限定はされないが、温
水パイプ11の外径より大きすぎると、温水パイプ11
の上面に積層される金属製薄膜層10と接触しなくなる
可能性がある。
【0047】そうなると、温水パイプ11の放熱が抑制
され、床暖房の機能を果たさなくなる。また小さすぎる
と、施工時に温水パイプ11が入らなくなる。従って、
その大きさとしては使用する温水パイプ11の外径より
も0.1mm以上0.5mm以下の範囲内で大きい方が
好ましい。
【0048】その際には、溝12c下部の硬質樹脂発泡
体12の厚さが最低でも2mm以上になるようにするの
が好ましい。2mm以下となると、硬質樹脂発泡体12
の断熱性能が低下し、床下地へと逃げていく熱量が増加
するばかりでなく、溝12cを屈曲部として、床暖房パ
ネル8が折れてしまう可能性がある。
【0049】硬質樹脂発泡体12に施される溝12cの
間隔(溝ピッチ)は大きすぎると均熱性が低下する恐れ
があり、小さすぎると温水パイプ11埋設時に手間がか
かったり、最悪の場合温水パイプ11を損傷させる恐れ
がある。従って、溝ピッチは200mm以下、さらに好
適には150mm以下が好ましく、実質的に50mm以
上である。
【0050】[硬質樹脂発泡体の溝パターン]実施の形
態1の床暖房パネルの溝パターンの一例を図2及び図3
に示す。図2は実施の形態1の第一のパネルとしての床
暖房パネル8であり、略長方形状の床暖房パネル本体8
aに、長辺と平行に複数の溝12cが形成されている。
【0051】これらの溝12cを連結するように、図3
に示す第二のパネルとしての床暖房パネル8では、略長
方形状の床暖房パネル本体8bに、複数の半円弧状の溝
12dおよび直線状の溝12eが形成されている。本例
では、円弧状の溝12fおよび直線上の溝12eのいず
れも形成されているが、これらのいずれか一方だけで連
結されていても構わない。また、図3中の四半円弧状の
溝12fは、図4に示す床暖房パネル8の短辺方向に、
更に第二のパネルである床暖房パネル8を施工する際に
長辺と平行である複数の溝12g及び12hを連結する
際に用いられたり、熱供給装置への出人り口として用い
られる。直線状の溝12eの終端部も、同様の役割とし
て用いられる。 [硬質樹脂発泡体への溝加工方法]硬質樹脂発泡体12
に溝加工を施す方法としては、主に、 1)目的の溝形状、パターン、凹凸形状に加工された金
型内に、発泡性熱可塑性樹脂を封入し、金型を発泡剤分
解温度以上に加熱して発泡剤を分解することにより、発
泡性熱可塑性樹脂を発泡させた後、金型を冷却させて樹
脂発泡体を冷却固化させる方法(型内発泡)、 2)凹凸形状が付与された硬質樹脂発泡体をルータなど
の切削工具で溝加工する方法、 3)凹凸形状が付与された硬質樹脂発泡体に目的の溝形
状、パターンに加工され、加熱された金型をプレスし、
その後金型を冷却することにより溝加工する方法等、以
上の方法がある。
【0052】前記1)の方法では、大がかりな装置が必
要となるため、製造時のコストが非常に嵩むので好まし
くない。特にパネルの寸法が大きくなると、金型も大型
化するため、金型を加熱冷却する際に時間を要するばか
りでなく、加熱冷却に要するエネルギー量が大きくな
り、パネル製造時のランニングコストも非常に嵩む。
【0053】前記2)の方法では、切削の条件によって
は切削面が荒れたり、クラックが発生する。特に凹凸形
状が付与された材料の場合、切削時に応力の集中が起こ
りやすいため、切削面にクラックや欠けが生じやすく、
床暖房パネルが損傷したり、折れたりする可能性があ
る。 また、加工時に切りくずが生じるため、作業環境
が悪化するばかりでなく、切りくずの処理も必要にな
る。
【0054】前記3)の方法は、1)の方法のように大
がかりな装置を必要とせず、また2)の方法のように切
りくずやクラックの発生も無い。また、熱プレスされた
箇所、すなわち、溝下部の硬質樹脂発泡体が熱により溶
融しプレスされるため、その部分の発泡体密度が増加
し、そのまま冷却固化されることになる。その結果、溝
12c下部の発泡体が強化されるため、床暖房パネル8
が、溝部12cから折れるという危険性が低減される。
さらに、この方法を用いることにより、床暖房パネル8
を構成することが好ましい。
【0055】従って、床暖房パネル用硬質樹脂発泡体と
周辺パネル用硬質樹脂発泡体を別々に製造する必要が無
いため、床暖房パネルの製造コストが低減できる。
【0056】前記理由から、硬質樹脂発泡体の溝付け方
法としては、前記3)の方法が好適に用いられる。
【0057】しかし、硬質樹脂発泡体が、例えば、硬質
ポリウレタン発泡体の場合は、樹脂そのものが熱硬化性
樹脂であるため、3)の方法を用いることが出来ない。
また硬質樹脂発泡体が、例えば発泡スチロールの場合
は、熱可塑性樹脂であるが、3)方法を用いると、溝加
工面に荒れが生じ、目的の精度が出ない。しかし、本出
願人が先に提出した特願平10−269996号記載の
硬質樹脂発泡体は、3)の方法により溝加工面に荒れが
生じず、また目的の寸法に溝加工することが出来る。従
って、溝加工の面からも、硬質樹脂発泡体は特願平10
−269996号記載の硬質樹脂発泡体が好適に用いら
れる。
【0058】[不陸吸収層]実施の形態1の不陸吸収層
13は、l)床下地との不陸を調整する、2)防音性能
を付与させる、3)床下地への熱の逃げを抑制する、以
上の効果を有する材料であれば特に限定されないが、
l)および2)の効果を発現させるものとしては、圧縮
弾性率の小さい材料が好ましい。具体的には、発泡倍率
が10〜30倍の架橋ポリエチレン発泡体、発泡倍率が
20〜40倍の軟質ポリウレタン発泡体などの軟質樹脂
発泡体、ガラス繊維、炭素繊維等の無機繊維やポリプロ
ピレン繊維、ポリエステル繊維等の有機繊維からなる不
織布などがあげられる。
【0059】前記不陸吸収層12の圧縮弾性率は特に限
定されないが、小さすぎると床歩行時に床材が大きく沈
み、いわゆる「船酔い現象」と称される違和感を生じる
可能性があり、大きすぎると不陸吸収性や防音性能が低
下するので0.2〜3kgf/cm2が好ましい。
【0060】前記不陸吸収層12の厚さは、大きすぎる
と上述したような床歩行時の違和感を生じる可能性があ
り、薄すぎると不陸吸収性や防音性能が低下する。従っ
て、その厚みは、2mm以上9mm以下、好ましくは
2.5mm以上5mm以下が好ましい。
【0061】防音性能をさらに向上させるため、前記不
陸吸収層12に凹凸形状を付与しても構わない。
【0062】凹凸形状を付与させる面としては、硬質樹
脂発泡層12に対向する面13a及び床下地5と対向す
る面13bの両方に付与しても構わないが、硬質樹脂発
泡体12に対向する面13aに凹凸形状を付与させる
と、硬質樹脂発泡層12にも凹凸形状が付与されている
ため、それぞれの接着面積が減少するため好ましくな
い。従って、不陸吸収層13に凹凸形状を付与させる際
は、床下地5と対向して接触する面13bが好ましい。
【0063】[硬質樹脂発泡体と不陸層の積層]前記不
陸吸収層13と硬質樹脂発泡層12とを積層させる際に
は、特に限定されず、各種接着剤、粘着材および両面テ
ープなどがあげられる。この中でもコストや接着強度の
点から、接着剤が好適に用いられる。しかし、軟質の樹
脂発抱層で、通気性のないもの(例えば架橋ポリエチレ
ン発泡体など)を用いる場合には、エマルジョン系接着
剤を用いると、水分の発散に時間を要するので好ましく
ない。したがって、通気性のあるもの(例えば軟質ポリ
ウレタン発泡体、不織布など)を積層させる場合には、
接着剤塗布装置や作業環境面などからエマルジョン系接
着剤が好適に用いられる。
【0064】前記不陸吸収層13は、歩行する場所によ
って歩行感が異なることを防止するために、硬質樹脂発
泡体の全面に積層させる方が好ましい。
【0065】前記不陸吸収層13は、床暖房パネル8及
び周辺パネル9施工前に予め工場などで、前記硬質樹脂
発泡層12に積層させることにより、床暖房パネル施工
時の手間を省くことが出来る。 [床暖房パネルおよび周辺パネルの施工]前記のように
して得られた床暖房パネル8および周辺パネル9は、床
下地5上に直接施工される。施工される床下地として
は、他に、 1)マンションやアパートに代表されるコンクリートな
どの床スラブ 2)軽量コンクリート(ALC) 3)根太又は支柱上に敷設された合板やパーティクルボ
ード などがあげられる。
【0066】これらの床下地上に、不陸吸収層13が積
層された硬質樹脂発泡層12を、接着剤や粘着剤、両面
テープなどで直接施工される。その際、床暖房部分には
溝加工が施された硬質樹脂発泡層12を、非床暖房部に
は溝加工が施されていない硬質樹脂発泡層12が施工さ
れる。
【0067】通常、床暖房部7は、施工される部屋の面
積に対し60〜70%の割合で施工される。
【0068】その後、床暖房部7に施工された溝付き硬
質樹脂発泡層12の溝12cに、温水パイプ11を挿入
した後、床暖房部7に上述した金属製薄膜層10を積層
することにより、床暖房パネル8および周辺パネル9の
施工が終了する。
【0069】[パネル保護部材]実施の形態1の床暖房
パネル8および周辺パネル9を床下地5上に施工後、金
属薄膜の上面に各パネル8,9や温水パイプ11を保護
するための部材が床暖房パネル8および周辺パネル9全
面に積層される。温水パイプ11を保護する部材として
は、板状のものが好ましく、さらに好ましいのは、硬質
の板状体である。このような板状体として、例えば 1)木単板、合板、パティクルボード、中密度繊維板
(MDF)、高密度繊維板(HDF)、ハードボード、
平行合板(LVL)などの木質材料 2)ポリエチレン、ボリプロピレン、ポリ塩化ビニル等
の熱可塑性樹脂、ポリエステル、エポキシ樹脂、フェノ
ール樹脂等の熱硬化性樹脂などよりなる樹脂材料 3)繊維強化熱可塑牲樹脂、繊維強化熱硬化性樹脂など
の複合材料(FRP)などがあげられる。実施の形態1
の場合、前記材料のいずれも使用できるが、熱などによ
り変質や変形、ソリなどが生じないものを選定する。
【0070】前記硬質板状体の厚みは薄すぎると、保護
部材としての効果が無くなり、厚すぎると防音性能が低
下するため、2〜12mmが好ましく、さらに好ましく
は3〜9mmである。 前記硬質板状体には、硬質樹脂
発泡体との積層面に、任意方向に延長する凹溝が形成さ
れても構わない。これにより、板状体の曲げ剛性を低下
させることが、防音性能を向上させることが出来る。凹
溝の溝巾としては1〜5mm、溝深さは1〜5mm程度
である。
【0071】前記板状体には、その周縁の全部又は一部
に、実矧ぎ、相欠きなど従来公知の接合法の為の加工が
施されても良い。 [パネル保護部材と金属製薄膜との積層]前記パネル保
護部材と前記金属製薄膜層10及び周辺パネル9の硬質
樹脂発泡体12との積層は、各種接着剤や粘着材、両面
テープなどが好適に用いられる。これらの内、十分な接
着強度が確保されるのであれば、両面テープを用いるが
好ましい。
【0072】両面テープを用いる際には、パネル全面に
テープを貼る必要はなく、パネル保護部材同士が接合さ
れる部分にテープを貼っても構わない。これにより、パ
ネル保護部材の施工が簡素化される。
【0073】しかし、両面テープで十分な接着力が確保
できない場合は、接着剤を用いるのが好ましく、接着剤
の中でも耐熱性に優れる変性シリコン系接着剤が好適に
用いられる。
【0074】[床仕上げ材]前記硬質板状体には、必要
に応じて以下の床仕上げ材15材が積層されていても良
い。
【0075】l)突板、合成樹脂又は含成樹脂発泡シー
ト、化粧紙、合成樹脂含浸シートなど、 2)長尺塩化ビニルシート、クッションフロアー、コル
ク、タイル、カーペットなど、 前記1)の床仕上げ材15は、前記のパネル保護部材に
予め接着、積層されている方が、施工性を向上させる目
的から好ましい。また、意匠性や木質感、耐傷性を高め
るために、印刷、塗装、着色、コーティングなどを行っ
ても良い。
【0076】前記2)の床仕上げ材15は、前記パネル
保護部材に予め接着、積層させるよりも、表面保護材の
積層後に接着剤や粘着材、両面テープなどにより積層さ
せる方が、施工性が良い。
【0077】次に、この実施の形態1の作用について説
明する。
【0078】従来、防音性能を付与した床暖房は、床暖
房パネルの表面に防音性能が付与された床仕上げ材15
を施工していた。その場合、床暖房パネルの上面に防音
性能を付与するための材料、すなわち不織布や軟質樹脂
発泡体などが積層される。これらの材料は、熱抵抗が大
きく、床表面が加熱されるまでに時間を要するばかりで
なく、熱効率も非常に悪いものであった。
【0079】前記問題を解決するため、床暖房パネル8
の裏面に、防音材が貼付された床暖房パネル(例えば実
公平7−18897)が提案されている。しかし、これ
らの床暖房パネルは床暖房パネル8が平板状であるた
め、高い防音性能を発現させるのは非常に困難である。
【0080】実施の形態1の床暖房パネル8は、硬質樹
脂発泡層12の裏面に凹凸形状14が付与されているた
め、高い防音性能を発現させることが出来る。
【0081】また、周辺パネル9と略同一の材料を用い
て床暖房パネル8を製造することが出来るため、周辺パ
ネル9と床暖房パネル8の硬質樹脂発泡体を別々に製造
する必要が無く、部品の共用化により、それぞれのパネ
ルの製造コストが削減される。
【0082】また、不要な溝加工が無くなると同時に、
一連の溝加工の中で二種類の床暖房パネル8の製造が可
能となるため、床暖房パネル8の製造コストが低減され
る。
【0083】更に、温水パイプ11と熱供給装置の接続
が、それぞれの住宅に応じた場所で可能なため、床暖房
を敷設する際の自由度が広がる。
【0084】そして、特に温水パイプ11を用いた床暖
房の際に生じる、系統によって床表面の温度が異なると
いう現象をなくすことが出来る。
【0085】
【実施例】1)硬質樹脂発泡体の製造 凹凸形状が付与された硬質樹脂発泡体の製造方法 高密度ポリエチレン(日本ポリケム社製、商品名:HY
340)50重量部、ポリプロピレン(日本ポリケム社
製、商品名:MA3)30重量部、架橋性シラン変性ポ
リプロピレン(三菱化学社製、商品名:XPM800H
M)20重量部、発泡剤としてアゾジカルボンアミド
(大塚化学製、商品名:SO−20、分解温度210
℃)3重量部、架橋触媒ジブチル錫ジラウレート0.1
重量部を二軸混練押出機(径44mm)に供給して、1
80℃にて溶融混練し、面長1200mmのTダイによ
り軟化状態のシート状発泡性熱可塑性樹脂を押し出し
た。
【0086】一方のロールに深さ5mm、直径4.0m
mの凹部が10mm間隔で千鳥状に配置された、直径5
00mm、面長1500mmの2本の賦形ロール間で前
記シート状発泡性熱可塑性樹脂を賦形しつつ冷却し、そ
の後115℃、圧力1.0kgf/cm2蒸気中で4時
間架橋し、乾燥して発泡性熱可塑性樹脂シート状体を得
た。
【0087】前記のようにして得られた発泡性熱可塑性
樹脂シート状体は、前記賦形ロールの凹部に対応する部
分に発泡性熱可塑性樹脂粒状体が構成されており、その
粒状体は発泡性熱可塑性樹脂薄膜上に連結されていた。
このときの粒状体の高さは3.9mm、直径は3.9m
m、薄膜の厚さは300μmであった。
【0088】前記の発泡性熱可塑性樹脂シート状体を、
一対の無端搬送ベルト(フッ化エチレン樹脂、厚み0.
5mm)の間に連続的に挿入し、発泡性熱可塑性樹脂シ
ート状体を搬送ベルトを介して230℃に加熱して発泡
剤を分解させ、発泡させた。その後、薄膜側が固定され
た10対の冷却ロールを解放させることにより、薄膜側
を10本の冷却ロールで搬送ベルトを介して冷却し、さ
らに冷却炉の中で搬送ベルトを介して冷却固化させ、凹
凸形状が付与された硬質樹脂発泡体を得た。
【0089】このようにして得られた硬質樹脂発泡体
は、薄膜側がほぼ平坦であるのに対し、粒状体側が凹凸
形状を有していた。
【0090】その後、プレーナによりその厚みを8mm
に調整した後、両面にコロナ放電加工処理を施し、凹凸
面にロールコータにて酢酸ビニル系エマルジョン接着剤
を塗布した。その接着剤塗布面に、不陸層として、発泡
倍率50倍の軟質ポリウレタン発泡体を積層後、長さ9
00mm、巾600mmに裁断し、80℃の雰囲気中で
4時間放置することにより、酢酸ビニル系エマルジョン
接着剤を硬化させた。
【0091】以上により、溝加工が施された不陸吸収層
付の硬質樹脂発泡体を得た。
【0092】平板状硬質樹脂発泡体の製造方法 上述の製造方法で、発泡後のロールでの冷却の際、ロー
ルのクリアランスを9.8mmに設定した以外は、上述
と同様に行った。
【0093】このようにして得られた硬質樹脂発泡体
は、ロールにより凸部がつぶされることにより充填さ
れ、ハニカム状の平板状硬質樹脂発泡体であった。また
ロールによって厚み調整されているため、その厚みは8
mmであった。
【0094】2)溝加工方法 前記により得られた2種類の発泡体は、図9に示す金型
を用いて下記のようにして溝加工を行った。
【0095】すなわち、図9の金型60は、べ一ス材6
1上に、U字型に折り曲げられた鉄パイプ62(外径:
6mm)が固定されている。この金型60を用いて、鉄
パイプ62を210℃に昇温した後、前記周辺パネル9
の硬質樹脂発泡体12上に押し付ける。
【0096】その後、鉄パイプ62を80℃まで冷却し
た後、金型60を解放させることにより、溝12cの加
工が行われる。前記操作を複数回繰り返すことにより、
床暖房パネル8の溝12cが形成された硬質樹脂発泡層
12が得られる。
【0097】3)床暖房パネルの施工 硬質樹脂発泡体の床下地への敷設 得られた二種類の硬質樹脂発泡体いずれも、後述する評
価の測定方法に応じて、下記のように施工した。
【0098】l.防音性能評価:スラブ厚150mmの
コンクリート床に両面テープを介して、不陸吸収層とコ
ンクリートが接触するように施工した。
【0099】2.暖房性能評価:12mmの合板が積層
された発泡スチロール板(層厚み:42mm)に、両面
テープを介して不陸吸収層と含板が接触する様に施工し
た。
【0100】加熱手段の敷設 敷設された硬質樹脂発泡層12の溝12c内に、架橋ポ
リエチレン管(内径4mm、外径6mm)で構成される
温水パイプ11を図9及び図10に示したように、埋設
した。
【0101】金属製薄膜の積層 金属製薄膜10として、アルミテープ(厚さ200μ
m)を、前記温水パイプ11が埋設された硬質樹脂発泡
層12に接着した。
【0102】表面保護材の積層 表面保護材として、両面に突板が貼付され、短辺方向と
平行に溝加工が施された高密度繊維複含板(HDF、長
さ×巾×厚さ=900×145×4mm、溝の形状:コ
の字型、溝の巾:lmm、溝の深さ:2mm、溝の間
隔:10mm)を用いた。該HDFを、両面テープを介
して溝加工が施された面が、金属製薄膜層10と接触す
るように表面保護材を積層した。
【0103】表面化粧材 上述したように、表面保護材として突板が積層されたH
DFを用いているため、表面化粧材は別に積層しなかっ
た。
【0104】4)周辺パネルの施工 周辺パネルに関しては、上述した床暖房パネルの施工の
内、下記の部分を削除する事により施工した。
【0105】硬質樹脂発泡層への溝12cの形成 温水パイプ11の敷設 金属製薄膜の積層 5)各種評価 防音性能評価 加熱手段を敷設した床暖房パネル二種(凹凸形状のも
の、平板状のもの)および周辺パネル二種(凹凸形状の
もの、平板状のもの)は、JIS A 1418に準拠
して軽量床衝撃音を測定し、JIS A 1419に準
拠した防音等級で評価した。
【0106】暖房性能評価 温水パイプ11を敷設した床暖房パネル8に、45℃の
温水を流量1.6L/minで通水させ、表面保護材上
にアルミテープにて貼付された熱電対(測定点22点)
により最低温度と最高温度を測定した。結果を表1に示
す。
【0107】
【表1】
【0108】(実施例1)凹凸形状が硬質樹脂発泡体に
付与された床暖房パネル (比較例1)凹凸形状が付与されていない(平板状硬質
樹脂発泡体)床暖房パネル (実施例2)凹凸形状が硬質樹脂発泡体に付与された周
辺パネル (比較例2)凹凸形状が付与されていない(平板状硬質
樹脂発泡体)周辺パネル 実施例1および比較例1を比較すると、両者とも床表面
の温度が29℃以上32℃以下で床暖房としての機能を
十分に果たしている。また、その温度差も3℃と十分に
均熱性が確保されたものとなっている。しかし、防音性
能は比較例1がLL−55であるのに対し、実施例1は
LL一45と優れた防音性能を発現している。また、実
施例2と比較例2に関しても同様のことがいえる。
【0109】従って、本発明の床曖房パネル8は、優れ
た防音性能を具備した床暖房パネルである。
【0110】
【変形例1】実施の形態1の床暖房パネル及び床暖房部
周辺の非床暖房部に敷設される周辺パネルを用いて、実
際に床暖房パネルを施工した場合を図5乃至図7に示す
概略図に基づいて説明する。
【0111】図5は、変形例1の床暖房パネル及び床暖
房部周辺の非床暖房部に敷設される周辺パネルを示すも
ので、加熱手段が1系統の場合である。
【0112】図5のように、加熱手段としての温水パイ
プ11を湾曲させたり、短辺側に設置された床暖房パネ
ルに温水パイプ11を渡す必要のある部位(図中58)
には、第二のパネル51が設置され、長辺方向に設置さ
れたパネルに加熱手段を渡す必要のある部位(図中5
9)だけであり、且つ温水パイプ11を湾曲させる必要
の無いパネルには、第一のパネル50が設置される。
【0113】短辺側に設置された床暖房パネル51に加
熱手段を渡す必要のある部位58では、図3中の四半円
弧状の溝12fおよび直線状の溝12eの終端部によ
り、短辺側に設置された他の床暖房パル51へ温水パイ
プ11が渡される。
【0114】図5の場合、加熱手段と熱供給装置との接
合部分は、直線状の溝52を用いることによりB部、四
半円弧状の溝55と直線状の溝54の終端部を用いるこ
とによりA部、というように、接合可能箇所が2カ所存
在する。
【0115】しかし、この場合、部屋の大きさ如何によ
っては、温水パイプ11の長さが非常に大きくなる。特
に、温水パイプ11が、長くなると温水パイプ11で生
じる圧力損失が大きくなり、温水パイプ11中を流れる
温水量が極端に低下し、床暖房そのものの機能を果たさ
なくなる可能性がある。
【0116】また、温水パイプ11の長さが長くなくて
も、部屋の都合上C部でしか熱供給装置との接合が出来
ない場含には不適である。
【0117】
【変形例2】図5で生じた問題、すなわち、 l)温水パイプ11の長さが長い、 2)C部で熱供給装置との接合が出来ない、以上の問題
を解決したものが、図6に示す変形例2の床暖房パネル
及び床暖房部周辺の非床暖房部に敷設される周辺パネル
である。
【0118】図6の場合、温水パイプ11,11の系統
数は2系統で、C部での接合はClおよびC2で行われ
る。この場合は、温水パイプ11の長さも短くなり、ま
たC部での接合も可能となる。
【0119】しかし、温水パイプ11の長さが、C1の
系統に対してC2の系統が長い。温水パイプ11が、電
気線状ヒータの場合は、特に問題とならないが、温水パ
イプ11の場合、圧力損失がClに対してC2が大きく
なる。
【0120】従って、温水の流量がClに対してC2が
少なくなる恐れがあり、その結果、C1の系統とC2の
系統で暖房温度が異なってくる可能性がある。従って、
暖房手段が温水パイプ11で2系統以上の場合は、温水
パイプ11の長さを極力同じにする必要がある。
【0121】
【変形例3】図6で生じた不具合、すなわちClとC2
の温水パイプ11の長さの違いを解消させたものが、図
7の場合である。
【0122】この場合、C1およびC2の温水パイプ1
1の長さがほぼ同じで、また、熱供給装置接合部もC部
で接合されている。
【0123】
【変形例4】また同じく2系統で、接合部がBの場合で
も、図8のようにそれぞれの系統の長さをほぼ同じにす
ることが出来る。
【0124】以上のように、床暖房パネル8は、床暖房
パネル8を利用して周辺パネル9を製造することが出来
る。従って、床暖房パネル8及び周辺パネル9の製造コ
ストを大幅に削減することが出来る。
【0125】また、床暖房パネル8は、例えば、前記各
変形例1〜4に示されるように床暖房の均熱性を保ちな
がら、任意の部位から熱供給装置への接合が出来る。
【0126】
【発明の効果】以上説明してきたように、請求項1の発
明によれば、前記他方の面には、凹凸形状が形成されて
いるので、直接、床下地上に敷設されても、振動を下階
に伝えにくい。このため、防音性能が良好である。
【0127】更に、断熱作用により、熱損失を最小限に
抑えることができる。
【0128】また、請求項2記載のものでは、前記床暖
房パネルと、同様に周辺パネルを構成出来るので、同一
製造ラインで、略同じ材料を使用して製造できる。
【0129】このため、製造コストの増大を抑制出来
る。
【0130】そして、請求項3に記載されたものでは、
第一のパネルと第二のパネルとを組み合わせることによ
り、湯水を供給する装置を接続する場所を変更すること
が出来て、床暖房を敷設する部屋の形状、大きさに適用
出来る。
【0131】また、請求項4に記載されたものでは、出
入り口が、相隣りあっているので、施工が容易である。
【0132】更に、請求項5に記載されたものでは、前
記各系統の繋がれている加熱手段の長さが、略同一であ
るので、略均等に床暖房が行われる、という実用上有益
な効果を発揮し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1の床暖房パネル及び床暖
房部周辺の非床暖房部に敷設される周辺パネルで、図中
(a)は、図5中A−A線に沿った位置での断面図であ
る。また、図中(b)は、床暖房部周辺の非床暖房部に
敷設される周辺パネルの断面図である。
【図2】実施の形態1の床暖房パネル及び床暖房部周辺
の非床暖房部に敷設される周辺パネルで、床暖房パネル
本体の平面図である。
【図3】実施の形態1の床暖房パネル及び床暖房部周辺
の非床暖房部に敷設される周辺パネルで、周辺パネル本
体の平面図である。
【図4】実施の形態1の床暖房パネル及び床暖房部周辺
の非床暖房部に敷設される周辺パネルで、周辺パネル本
体を連結させた様子を示す平面図である。
【図5】実施の形態1の変形例1の床暖房パネル及び床
暖房部周辺の非床暖房部に敷設される周辺パネルを示
し、一室の床部平面図である。
【図6】実施の形態1の変形例2の床暖房パネル及び床
暖房部周辺の非床暖房部に敷設される周辺パネルを示
し、一室の床部平面図である。
【図7】実施の形態1の変形例3の床暖房パネル及び床
暖房部周辺の非床暖房部に敷設される周辺パネルを示
し、一室の床部平面図である。
【図8】実施の形態1の変形例4の床暖房パネル及び床
暖房部周辺の非床暖房部に敷設される周辺パネルを示
し、一室の床部平面図である。
【図9】実施の形態1の床暖房パネルに用いられる硬質
樹脂発泡体の平面図である。
【図10】実施の形態1の床暖房パネルに用いられる硬
質樹脂発泡体で、図9中B−B線に沿った位置での断面
図である。
【図11】従来例の床暖房パネル及び床暖房部周辺の非
床暖房部に敷設される周辺パネルの構成を説明する床部
の平面図である。
【符号の説明】
5 床下地 7 床暖房部 8 床暖房パネル 9 周辺パネル 10 金属製薄膜層 11 温水パイプ(加熱手段) 12 硬質樹脂発泡層 12a (金属製薄膜層に対向する)面 12b (不陸吸収層に対向する)面 13 不陸吸収層 14 凹凸形状 15 床仕上げ材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F24D 19/06 F24D 19/06 C

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】床暖房部分に複数枚敷設されて床暖房部を
    構成する床暖房パネルであって、 前記床暖房パネルには、表面側から金属製薄膜層、加熱
    手段、硬質樹脂発泡体、不陸吸収層が、積層されてい
    て、該硬質樹脂発泡体の金属製薄膜層に対向する面に加
    熱手段を埋設するための溝が形成されていると共に、他
    方の面には、凹凸形状が形成されていることを特徴とす
    る床暖房パネル。
  2. 【請求項2】前記床暖房パネルと厚みをあわせる為に、
    床暖房部分の周辺の非床暖房部に敷設される周辺パネル
    であって、 該周辺パネルには、表面側から硬質樹脂発泡体、不陸吸
    収層が、積層されていて、前記硬質樹脂発泡体の不陸吸
    収層積層に対向する面に、凹凸形状が形成されていると
    共に、前記硬質樹脂発泡体及び不陸吸収層の厚み、形
    状、寸法が、前記請求項1に記載の硬質樹脂発泡体及び
    不陸吸収層と略同一であることを特徴とする床暖房部周
    辺の非床暖房部に敷設される周辺パネル。
  3. 【請求項3】前記暖房パネルは、平面視略長方形状であ
    り、長辺と平行方向に複数の加熱手段埋設用の溝が形成
    されている第一のパネルと、該溝を連結するために、複
    数の円弧状又は直線状の溝を前記第一のパネルに更に形
    成した第二のパネルとを有することを特徴とする請求項
    1記載の床暖房パネル。
  4. 【請求項4】前記加熱手段の系統数が、2系統以上であ
    り、且つ加熱手段と、熱供給装置とを連結するための出
    入り口が、相隣りあっていることを特徴とする請求項1
    又は3記載の床暖房パネル。
  5. 【請求項5】前記暖房パネルでは、各系統の繋がれてい
    る加熱手段の長さが、略同一であることを特徴とする請
    求項4記載の床暖房パネル。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007063877A (ja) * 2005-08-31 2007-03-15 Daiken Trade & Ind Co Ltd 冷暖房床
CN102864901A (zh) * 2012-09-07 2013-01-09 赵志龙 一种蓄热板和应用其的地暖基板以及上部导热板的制备方法
JP2014012947A (ja) * 2012-07-04 2014-01-23 Fukuvi Chem Ind Co Ltd 遮音性を有する床材及びそれを用いた床構造
JP2016216928A (ja) * 2015-05-15 2016-12-22 株式会社クラレ 衝撃緩和床材

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