JP2002030905A - 内燃機関の動弁装置 - Google Patents
内燃機関の動弁装置Info
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Abstract
衝突を弱めることにより、燃料ポンプの作動音を抑制す
ることが可能な内燃機関の動弁装置。 【解決手段】機関低負荷時にて高圧燃料ポンプ側からの
衝撃力が生じる2つの位相の内の1つの位相では、排気
用バルブカム32により排気バルブのバルブリフタ20
cを最大リフト量とする位相であるため、バルブリフタ
20cから受ける反力Fvが最大のものとなっている。
もう1つの位相についてはダミーカム33によりダミー
リフタ6bを最大リフト量とする位相であるため、ダミ
ーリフタ6bから受ける抗力Fdが最大のものとなって
いる。したがって、いずれの位相においても高圧燃料ポ
ンプのリフタ50b側から受ける大きな衝撃力Fpによ
るジャーナル28a,28bと軸受6dとの衝突を十分
に弱めることができる。このため高圧燃料ポンプの作動
音を効果的に抑制することができる。
Description
カムに加えて、内燃機関に加圧燃料を供給するための燃
料ポンプを駆動するポンプカムが設けられたカムシャフ
トを備える内燃機関の動弁装置に関する。
機関として筒内噴射式内燃機関が知られている。この筒
内噴射式内燃機関は、圧縮行程末期に燃料を燃焼室内に
噴射することにより、層状の可燃性混合気を発生させて
燃焼させる成層燃焼を実行することができるものであ
る。このように成層燃焼を実現するためには高圧の燃焼
室内に燃料を噴射しなくてはならないため、高圧燃料ポ
ンプにより高圧燃料を発生させる必要がある。
加圧室から燃料を溢流させるためのスピル弁を備え、ス
ピル弁の閉弁タイミングを調整することにより、高圧燃
料通路に吐出する高圧燃料を調量する、いわゆるスピル
方式の調量型高圧燃料ポンプが知られている(特開平1
0−176508号公報)。
する吸入行程と、加圧室内の容積を圧縮して燃料を加圧
する加圧行程とを実現するために、加圧室に対して往復
運動するプランジャを設けている。このプランジャは、
内燃機関の吸気バルブまたは排気バルブを開閉駆動する
バルブカムを有するカムシャフトに、ポンプカムを設
け、カムシャフトの回転に応じて、加圧室内にて往復動
させている。そして、スピル弁は、加圧行程にて閉じる
ことにより、加圧室内の燃料を高圧化し、この高圧燃料
にてチェック弁を押し開かせ、高圧燃料通路に高圧燃料
を吐出している。
圧燃料通路側へ吐出するためにスピル弁を閉じた場合
に、加圧室内の燃料の急激な昇圧により、プランジャ端
面に発生する衝撃力がポンプカムを介してカムシャフト
に伝達される。このことにより、カムシャフトは燃料ポ
ンプとは反対方向の衝撃力を受けることになる。したが
って、カムシャフトが軸受と衝突して打音が発生し、燃
料ポンプの駆動に伴う作動音が大きなものとなる。
いては、内燃機関自体の作動音が小さいので、燃料ポン
プの作動音が相対的に大きくなるおそれがある。本発明
は、燃料ポンプを駆動するカムシャフトと軸受との衝突
を弱めることにより、燃料ポンプの作動音を抑制するこ
とが可能な内燃機関の動弁装置の提供を目的とするもの
である。
るための手段およびその作用効果について記載する。請
求項1記載の内燃機関の動弁装置は、内燃機関の動弁系
カムに加えて、内燃機関に加圧燃料を供給するための燃
料ポンプを駆動するポンプカムが設けられたカムシャフ
トを備える内燃機関の動弁装置であって、機関低負荷時
で燃料ポンプの燃料加圧開始がなされるカムシャフト回
転位相において、ポンプカムを介してカムシャフトが燃
料ポンプ側から受ける衝撃力に抗する方向の抗力を、カ
ムシャフトの回転に連動してカムシャフト側から押圧さ
れることによりカムシャフトに対して発生または強めて
いる抗力機構を備えたことを特徴とする。
てカムシャフト側から押圧されることにより、カムシャ
フトに対する抗力を発生または強めるものである。そし
て、この抗力は、ポンプカムを介してカムシャフトが燃
料ポンプ側から受ける衝撃力に抗する方向の抗力であ
る。更に、この抗力を発生または強めている期間には、
機関低負荷時で燃料ポンプの燃料加圧開始がなされるカ
ムシャフト回転位相が含まれている。
内の燃料の急激な昇圧によりカムシャフトは燃料ポンプ
とは反対方向の衝撃力を受けることになるが、機関低負
荷時で燃料ポンプの燃料加圧開始がなされるカムシャフ
ト回転位相においては、上記抗力が発生あるいは強まっ
ている状態にあることにより燃料ポンプを駆動するカム
シャフトと軸受との衝突を弱めることができる。このた
め、カムシャフトと軸受との衝突による打音が弱まり、
あるいは無くなり、燃料ポンプの作動音を抑制すること
ができる。
求項1記載の構成において、機関低負荷時で燃料ポンプ
の燃料加圧開始がなされるカムシャフト回転位相で、前
記抗力機構の抗力は最大または最大近傍の力となること
を特徴とする。
料加圧開始がなされるカムシャフト回転位相で、抗力機
構の抗力が最大または最大近傍の力となることにより、
機関低負荷時において、カムシャフトと軸受との衝突を
効果的に弱めることができる。このため、燃料ポンプの
作動音を一層抑制することができる。
求項1記載の構成において、前記抗力機構は、カムシャ
フトに形成されたダミーカムと、機関低負荷時で燃料ポ
ンプの燃料加圧開始がなされるカムシャフト回転位相に
おいて前記ダミーカムを介してカムシャフト側からの押
圧が発生あるいは強められているダミーリフタとを備え
たことを特徴とする。
フタとを備えた構成とすることができる。ダミーカム
は、カムシャフトに形成され、ダミーリフタをカムシャ
フトの回転に応じて押圧を発生あるいは押圧を強めるも
のである。この押圧の発生あるいは強めている期間に
は、機関低負荷時で燃料ポンプの燃料加圧開始がなされ
るカムシャフト回転位相が含まれている。
よる簡易な構成で、容易に上記抗力を実現し、この抗力
により燃料ポンプを駆動するカムシャフトと軸受との衝
突を弱めることができ、燃料ポンプの作動音を抑制する
ことができる。
求項1記載の構成において、前記抗力機構は、機関低負
荷時で燃料ポンプの燃料加圧開始がなされるカムシャフ
ト回転位相において前記ポンプカムを介してカムシャフ
ト側からの押圧が発生あるいは強められているダミーリ
フタを備えたことを特徴とする。
ンプカムとダミーリフタとの組み合わせにより実現して
も良い。この場合、ポンプカムがダミーリフタに対して
押圧の発生あるいは押圧を強めている期間は、機関低負
荷時で燃料ポンプの燃料加圧開始がなされるカムシャフ
ト回転位相を含んでいる。
よる簡易な構成で、容易に上記抗力を実現し、この抗力
により燃料ポンプを駆動するカムシャフトと軸受との衝
突を弱めることができ、燃料ポンプの作動音を抑制する
ことができる。
求項3または4記載の構成において、機関低負荷時で燃
料ポンプの燃料加圧開始がなされるカムシャフト回転位
相で、前記ダミーリフタが最大または最大近傍のリフト
量となることを特徴とする。
料加圧開始がなされるカムシャフト回転位相にて、ダミ
ーリフタが最大または最大近傍のリフト量となること
で、抗力機構の抗力が最大または最大近傍の力となる。
このことにより、機関低負荷時において、カムシャフト
と軸受との衝突を効果的に弱めることができ、燃料ポン
プの作動音を一層抑制することができる。
求項1〜5のいずれか記載の構成において、燃料ポンプ
の燃料加圧開始がなされるカムシャフト回転位相が1回
転につき複数存在し、一部の前記カムシャフト回転位相
については前記抗力機構の抗力を発生または強めさせ、
他の前記カムシャフト回転位相については前記動弁系カ
ムを介して吸気バルブまたは排気バルブをリフトする際
の反力を発生または強めさせていることを特徴とする。
の燃料加圧開始がなされるカムシャフト回転位相が複数
存在する場合がある。このような場合は、一部のカムシ
ャフト回転位相については前述したごとく抗力機構の抗
力に担当させ、他のカムシャフト回転位相については動
弁系カムを介して吸気バルブまたは排気バルブをリフト
する際の反力に担当させる構成としても良い。
制することができるとともに、抗力機構の耐久性を高め
ることができる。請求項7記載の内燃機関の動弁装置
は、請求項1〜5のいずれか記載の構成において、前記
抗力機構の抗力と前記動弁系カムを介して吸気バルブま
たは排気バルブをリフトする際の反力との合力を、機関
低負荷時で燃料ポンプの燃料加圧開始がなされるカムシ
ャフト回転位相において、ポンプカムを介してカムシャ
フトが燃料ポンプ側から受ける衝撃力に抗する方向の抗
力としていることを特徴とする。
ポンプカムを介してカムシャフトが燃料ポンプ側から受
ける衝撃力に抗する方向の抗力として用いるのではな
く、抗力機構の抗力と動弁系カムを介して吸気バルブま
たは排気バルブをリフトする際の反力との合力を用いて
も良い。
制することができるとともに、抗力機構の耐久性を高め
ることができる。請求項8記載の内燃機関の動弁装置
は、請求項1〜7のいずれか記載の構成において、前記
燃料ポンプは、前記ポンプカムの回転に応じて加圧行程
と吸入行程とを繰り返す加圧室と、加圧室内の燃料を低
圧側に溢流させるスピル弁とを備え、加圧行程時でのス
ピル弁の閉弁タイミング調整により高圧燃料通路への吐
出燃料を調量することを特徴とする。
り燃料を吐出するタイプの燃料ポンプにおいては、燃料
加圧開始がなされる際にカムシャフトが燃料ポンプ側か
ら受ける衝撃力が大きい。このため、カムシャフトと軸
受との衝突による打音の低減がより効果的となり、燃料
ポンプの作動音を一層効果的に抑制することができる。
適用される実施の形態1としての筒内噴射式ガソリンエ
ンジンの要部を示す概略構成図である。
下、エンジンと略す)2は、シリンダブロック4、この
シリンダブロック4の上側に固定されたシリンダヘッド
6、およびシリンダヘッド6の上部を覆うヘッドカバー
8を有している。エンジン2は、シリンダブロック4内
に直列に配置された6つのシリンダ9を備えており、こ
のシリンダ9の内部にはピストン10が往復動可能に設
けられている。ピストン10はコンロッド12を介して
クランクシャフト14に連結されている。なお、本実施
の形態1では、6つのシリンダ9を備えた直列6気筒エ
ンジン2を例示しているが、図1では便宜上、その内の
1つのシリンダ9のみを示し、他は図示を略している。
トン10およびシリンダヘッド6により囲まれた空間に
より形成されている。図2の水平断面図に示すごとく、
シリンダヘッド6には、各シリンダ9に対応して、点火
プラグ17が設けられている。各点火プラグ17は、各
シリンダ9に設けられたイグナイタ内蔵イグニッション
コイル(図示略)に接続されており、このイグニッショ
ンコイルから点火タイミングに応じて直接二次電流を供
給されている。
で、シリンダヘッド6には各シリンダ9に対応して一対
の吸気バルブ18と一対の排気バルブ20とが設けられ
ている。これら各バルブ18,20によって燃焼室16
に通じる一対の吸気ポート18a,18bおよび一対の
排気ポート20a,20bが開閉される。
22(図1)が取り付けられている。この燃料分配管2
2には6つのシリンダ9に対応して6つの燃料噴射弁2
4(図2)が接続されている。これら燃料噴射弁24は
各燃焼室16内に直接燃料を噴射できるようにシリンダ
ヘッド6に取り付けられている。そして、これら各燃料
噴射弁24により燃料分配管22内の燃料が、エンジン
2の運転状態に応じた噴射タイミングおよび噴射量にて
各燃焼室16内に直接噴射される。
6および排気カムシャフト28が平行に配置されて、そ
れぞれ回転可能に支持されている。これら各カムシャフ
ト26,28には、その軸方向に間隔を置いて一対のバ
ルブカム30,32が複数組(本実施の形態1では6
組)形成されている。各バルブカム30,32には吸気
バルブ18および排気バルブ20のバルブリフタ18
c,20cが当接されている。このことにより、吸気カ
ムシャフト26および排気カムシャフト28の回転に応
じて吸気バルブ18および排気バルブ20が駆動して、
吸気ポートおよび排気ポートを開閉動作する。なお、排
気カムシャフト28の後端側には、排気バルブ20のバ
ルブリフタ20cを駆動する排気用バルブカム32のみ
でなく、ダミーカム33と後述するポンプカム52が設
けられている。
シリンダヘッド6上に設けられた摺動孔6a内にダミー
カム33方向に対して摺動可能に配置されているダミー
リフタ6bをリフトするために設けられている。ダミー
リフタ6bは摺動孔6aとの間に圧縮状のスプリング6
cを備えることで、ダミーカム33に向けて付勢されて
いる。したがって、排気カムシャフト28が回転すると
ダミーカム33のノーズ33aの位相により、図3
(A)に示すごとくダミーリフタ6bが摺動孔6a内に
最も押し込まれた最大リフト量状態と、図3(B)に示
すごとくダミーリフタ6bが摺動孔6aから最も外部に
押し出された最小リフト量状態との間の状態を繰り返
す。なお、摺動孔6aは空気孔6fにより外部と連通さ
れている。
ムプーリ34,36が一体に取り付けられ、クランクシ
ャフト14の先端側にはクランクプーリ38がそれぞれ
一体に取り付けられている。これらカムプーリ34,3
6およびクランクプーリ38間にはタイミングベルト4
0が掛け渡されている。したがって、クランクシャフト
14の回転力はクランクプーリ38、タイミングベルト
40およびカムプーリ34,36を介して各カムシャフ
ト26,28に伝達される。なお、エンジン2の一連の
行程(吸入、圧縮、燃焼・爆発、排気行程)において、
クランクシャフト14は2回転(720°CA)し、各
カムシャフト26,28はそれぞれ1回転する。
に取り付けられている高圧燃料ポンプ50は燃料を高圧
に加圧するためのものであり、内部のプランジャに接続
しているリフタ50bは、スプリング等の付勢力により
エンジン2の排気カムシャフト28に設けられた楕円状
のポンプカム52に圧接されている。このため、排気カ
ムシャフト28の回転に伴ってポンプカム52が回転す
ることで、燃料タンク54から低圧フィードポンプ54
aにより汲み出された燃料が高圧燃料ポンプ50から燃
料分配管22へ圧送される。この時、燃料分配管22に
設けられた燃圧センサ22aの出力に基づいて電子制御
ユニット(以下、「ECU」と称する)56により電磁
スピル弁50aの閉弁タイミングが制御される。このこ
とにより、必要な燃料量が高圧燃料として燃料分配管2
2へ圧送される。そして、このような処理が繰り返され
ることにより、高圧燃料ポンプ50から燃料分配管22
へ適切な燃料圧送が行われて燃料分配管22内の燃料の
圧力が規定圧力に維持される。そして、ECU56は燃
料分配管22内に蓄積された規定圧力の高圧燃料を用い
て、エンジン2の運転状態に応じた適切なタイミングお
よび期間にて燃料噴射弁24を開弁させることで、各燃
焼室16内の燃焼状態を好適に制御している。
部分の平面図、図5は図2におけるX−X断面図、図6
は図2におけるY−Y断面図である。図示されるごと
く、ピストン10の頂面上には燃料噴射弁24の下方か
ら点火プラグ17の下方まで延びるドーム形の輪郭形状
を有する凹部10aが形成されている。
吸気ポート18aおよび第2吸気ポート18bの内、第
2吸気ポート18bに対してはサージタンク58との間
に旋回流制御弁60がそれぞれ配置されている。これら
の旋回流制御弁60は共通のシャフト60aを介して旋
回流制御弁用アクチュエータ62に連結されている。こ
の旋回流制御弁用アクチュエータ62はECU56の出
力信号に基づいて制御される。例えば、均質燃焼の場合
には旋回流制御弁60を閉じて燃焼室16内に旋回流を
生じさせるように制御され、成層燃焼の場合には旋回流
制御弁60を開けて燃焼室16内に旋回流を生じさせな
いように制御される。
64を介してエアクリーナ(図示略)側から外気を導入
している。吸気管64内にはモータ(DCモータまたは
ステップモータ)66によって駆動されるスロットル弁
68が配置され、アクセル開度およびエンジン2の運転
状態に応じてスロットル開度が調整される。
を中心として構成され、エンジン2の運転状態を各種セ
ンサ類の検出信号に基づいて検出し、各種アクチュエー
タを駆動する制御を行う。
料供給系統の構成を図7に示す。図示するごとく、シリ
ンダヘッド6に設けられた燃料分配管22は、各燃料噴
射弁24に接続している。混合気を燃焼室16内に形成
する際には、燃料分配管22から供給された燃料を燃料
噴射弁24から直接各燃焼室16内に噴射する。例え
ば、均質燃焼を実行する場合には、エンジン2の吸気行
程時に燃焼室16内に燃料を噴射し、成層燃焼を実行す
る場合には、エンジン2の圧縮行程末期に燃焼室16内
に燃料を噴射する。
分配管22は高圧燃料通路70を介して高圧燃料ポンプ
50に接続されている。なお高圧燃料通路70には、燃
料分配管22から高圧燃料ポンプ50側に燃料が逆流す
ることを規制するチェック弁72が設けられている。高
圧燃料ポンプ50には、低圧燃料通路74を介して燃料
タンク54内に設けられた低圧フィードポンプ54aが
接続されている。
54内の燃料を吸引し、フィルタ54b、プレッシャレ
ギュレータ54cおよび低圧燃料通路74を介して高圧
燃料ポンプ50のギャラリ50cに燃料を送出する。
ャ50dは、排気カムシャフト28に設けられたポンプ
カム52の回転により、シリンダ50e内で往復動され
る。このプランジャ50dの往復動により、高圧ポンプ
室50fの容積が増大する吸入行程では、高圧ポンプ室
50f内に低圧燃料通路74側からギャラリ50cおよ
び電磁スピル弁50aを介して燃料を吸入する。そし
て、高圧ポンプ室50fの容積が減少する加圧行程で
は、高圧ポンプ室50fにて加圧した燃料を後述するご
とく必要なタイミングでチェック弁72および高圧燃料
通路70を介して燃料分配管22へ圧送している。
弁50aが設けられている。この電磁スピル弁50a
は、ギャラリ50cと高圧ポンプ室50fとの間の連通
遮断を行う開閉弁である。電磁スピル弁50aが開弁し
ている場合には、ギャラリ50cと高圧ポンプ室50f
とは連通している。このため、高圧ポンプ室50f内に
吸入された燃料は、加圧行程となってもギャラリ50c
へ溢流してしまう。したがって、燃料はチェック弁72
および高圧燃料通路70を介して燃料分配管22側に圧
送されることはなく、ギャラリ50cを介して低圧燃料
通路74側に戻される。
50aが閉弁した場合には、ギャラリ50cと高圧ポン
プ室50fとは遮断される。この時、高圧ポンプ室50
f内の燃料はギャラリ50c側へ溢流することはなく、
急激に高圧化されてチェック弁72を押し開き、高圧燃
料通路70を介して燃料分配管22側へ圧送される。
られた燃圧センサ22aにて検出された燃料圧力とEC
U56により別途制御される燃料噴射量とを参照して、
前述した電磁スピル弁50aの開閉弁タイミングを制御
する。すなわち、図8に示すごとく、電磁スピル弁50
aに対して、0〜100%のデューティ信号を出力する
ことにより、その吐出量を調整する。例えば、エンジン
2が高負荷である場合には、図示デューティDhのごと
くに高デューティを設定し、アイドル時などの低負荷で
ある場合には、デューティDlのごとくに低デューティ
を設定する。
ポンプ50から燃料分配管22に加圧圧送される燃料量
を調節し、燃料分配管22内の燃料圧力を必要な圧力に
調節することができる。
を備えた排出経路78が接続されている。燃料分配管2
2に過剰な燃料が供給されることで燃料分配管22内の
燃料圧力が必要な圧力より高くなると、リリーフ弁76
が開弁して排出経路78側へ燃料を排出して、燃料分配
管22内の燃料圧力を維持する。排出経路78側へ排出
された燃料はギャラリ50c側へ戻される。このように
本燃料供給系統は、燃料分配管22での過剰な燃料が燃
料タンク54に戻されることがないリターンレスの燃料
供給システムとして形成されている。このリターンレス
の燃料供給システムにおいては、排出経路78から低圧
燃料通路74にかけての燃料圧力がプレッシャレギュレ
ータ54cにより調圧されており、燃料分配管22から
排出経路78へ燃料が戻される場合には、低圧燃料通路
74内に存在する燃料の内で、プレッシャレギュレータ
54c近傍に存在する燃料、すなわち低圧フィードポン
プ54aから汲み上げられたばかりの燃料が、プレッシ
ャレギュレータ54cから燃料タンク54内に戻され
る。こうして、排出経路78から低圧燃料通路74にか
けての低圧系の燃料圧力上昇が防止されるとともに、燃
料タンク54内に戻される燃料は、燃料タンク54から
汲み上げられたばかりの燃料であるので、燃料タンク5
4内の温度上昇を防止することができる。
排気カムシャフト28に隣接して配置されている排気用
バルブカム32と、ダミーカム33との取り付け状態を
図9に示す。
を成し、排気カムシャフト28の回転角に対して180
°異なる位置に2つのノーズ52a,52bを形成して
いる。2つの排気用バルブカム32は同じ位相にそれぞ
れ1つのノーズ32aを有している。また、ダミーカム
33は1つのノーズ33aを有している。これらノーズ
32a,33a,52a,52bはそれぞれ最大のリフ
ト量を実現する位相となっている。なお、ポンプカム5
2の両側の排気カムシャフト28部分はジャーナル28
a,28bとして形成されている。ジャーナル28a,
28bは、シリンダヘッド6から突出する軸受6dとカ
ムシャフトベアリングキャップ6eとにより回転可能に
支持されている。
相は、ポンプカム52の一方のノーズ52aの位相とは
排気カムシャフト28を中心としてほぼ反対側に配置さ
れている。また、ダミーカム33のノーズ33aの位相
は、ポンプカム52の他方のノーズ52bの位相とは排
気カムシャフト28を中心としてほぼ反対側に配置され
ている。詳細には、排気用バルブカム32のノーズ32
aの位相は、図8に示したごとく、アイドル時などのよ
うに機関低負荷時に設定されるデューティDlによる電
磁スピル弁50aの一方の閉弁位相θ1にて、最大リフ
ト量となるように設定してある。また、ダミーカム33
のノーズ33aの位相は、同じくデューティDlによる
電磁スピル弁50aの他方の閉弁位相θ2にて、最大リ
フト量となるように設定してある。
摺動孔6a、ダミーリフタ6bおよびスプリング6cが
抗力機構に相当する。以上説明した本実施の形態1によ
れば、以下の効果が得られる。
にて高圧燃料ポンプ50の電磁スピル弁50aが閉じる
位相θ1,θ2では、機関低負荷時においては高圧ポン
プ室50f内の燃料圧力が急速に上昇する。この内、一
方の位相θ1では、ポンプカム52のノーズ52aによ
りリフト量が増加しつつあるプランジャ50dの移動抵
抗が急峻に大きくなり、ポンプカム52は高圧燃料ポン
プ50のリフタ50b側から大きな衝撃力(図9:F
p)を受けることになる。この衝撃力はジャーナル28
a,28bを軸受6dへ打ち付ける方向の力である。
ム32による排気バルブ20のバルブリフタ20cを最
大のリフト量とする位相である。このため、位相θ1で
は、排気カムシャフト28が2つの排気バルブ20のバ
ルブスプリングから受ける反力(図9:Fv)が最大の
ものとなっている。したがって、位相θ1において高圧
燃料ポンプ50のリフタ50b側から受ける大きな衝撃
力Fpによるジャーナル28a,28bと軸受6dとの
衝突を十分に弱めることができる。
3によるダミーリフタ6bを最大のリフト量とする位相
である。このことにより、ダミーリフタ6bを付勢する
スプリング6cから受ける反力として得られる抗力(図
9:Fd)が最大のものとなっている。したがって、位
相θ2においても高圧燃料ポンプ50のリフタ50b側
から受ける大きな衝撃力Fpによるジャーナル28a,
28bと軸受6dとの衝突を十分に弱めることができ
る。
撃が生じる2つの位相θ1,θ2において、衝撃力に抗
する力を、バルブリフタ20c側とダミーリフタ6b側
とから得られる。このため、全体としてもジャーナル2
8a,28bと軸受6dとの衝突による打音が弱まり、
あるいは無くなり、高圧燃料ポンプ50の作動音を効果
的に抑制することができる。
負荷にて高圧燃料ポンプ50からの衝撃を減少させてい
ることから、他のエンジン騒音に比較して相対的に高圧
燃料ポンプ50の騒音が大きくなる機関低負荷時におい
て効果的に高圧燃料ポンプ50の作動音を抑制すること
ができる。
動孔6a、ダミーリフタ6bおよびスプリング6cによ
り構成している。ダミーカム33は排気カムシャフト2
8に設けられ、ダミーリフタ6bおよびスプリング6c
はシリンダヘッド6に形成された摺動孔6a内にダミー
カム33に対向する位置に配置されている。このことに
より、ダミーカム33は、ダミーリフタ6bを排気カム
シャフト28の回転に応じて押圧力を弱めたり強めたり
して押圧している。すなわち、図3(A)の状態では、
最大リフトとなり最も押圧力が強くなり排気カムシャフ
ト28が受ける抗力も最大となる。また、図3(B)の
状態では、最小リフトとなり最も押圧力が弱くなり排気
カムシャフト28が受ける抗力も最小となる。
圧燃料ポンプ50側から排気カムシャフト28が受ける
衝撃力に対する抗力を、図3(A)の状態にして容易に
強めるようにすることができ、高圧燃料ポンプ50の作
動音を抑制することができる。
ャフト28の1回転について、高圧燃料ポンプ50の燃
料加圧開始がなされるカムシャフト回転位相が2つ存在
する。そして一方の位相θ1では、高圧燃料ポンプ50
側から排気カムシャフト28が受ける衝撃力には排気用
バルブカム32による排気バルブ20のバルブリフタ2
0cのリフトにより生じる反力にて対向している。他方
の位相θ2では、高圧燃料ポンプ50側から排気カムシ
ャフト28が受ける衝撃力にはダミーカム33によるダ
ミーリフタ6bのリフト量の増加により強まる抗力にて
対向している。
に生じる2回の高圧燃料ポンプ50からの衝撃力に対し
て、排気用バルブカム32とダミーカム33とが分担し
て対抗しているので、燃料ポンプの作動音を抑制するこ
とができるとともに、抗力機構の耐久性を高めることが
できる。
11の配置図に示すごとく、本実施の形態2が前記実施
の形態1と異なるのは、ダミーカムが用いられていない
点である。そして、ダミーリフタ106bはポンプカム
152に対して、高圧燃料ポンプ50のリフタ50bと
は反対側から当接している。また、排気用バルブカム1
32のノーズ132aの位相は、ポンプカム152のノ
ーズ152a,152bとは関連づけられていない。他
の構成は、特に説明しない限り前記実施の形態1と同じ
である。
く、機関低負荷時において電磁スピル弁50aが閉じる
2つの位相θ11,θ12で、それぞれダミーリフタ1
06bのリフト量は最大近傍にあり、高圧燃料ポンプ5
0のリフタ50bからの衝撃力Fpに十分に対抗できる
抗力Fdとなる。
06に形成した摺動孔106a、ダミーリフタ106b
およびスプリング106cが抗力機構に相当する。以上
説明した本実施の形態2によれば、以下の効果が得られ
る。
1,θ12では、機関低負荷時に高圧燃料ポンプの電磁
スピル弁50aが閉じられて排気カムシャフト128の
ジャーナル128a,128bがリフタ50bから衝撃
力を受ける。この位相θ11,θ12では、図11
(A)および図12に示したごとくダミーリフタ106
bを最大近傍のリフト量となることにより、高圧燃料ポ
ンプ50のリフタ50bからの衝撃力に対抗する大きな
抗力を得ることができる。
排気カムシャフト128のジャーナル128a,128
bと軸受106dとの衝突を十分に弱めることができ
る。したがって、ジャーナル128a,128bと軸受
106dとの衝突による打音が弱まり、あるいは無くな
り、高圧燃料ポンプ50の作動音を効果的に抑制するこ
とができる。特に、アイドル時のような機関低負荷にて
高圧燃料ポンプ50からの衝撃を減少させていることか
ら、他のエンジン騒音に比較して相対的に高圧燃料ポン
プ50の騒音が大きくなる機関低負荷時において効果的
に高圧燃料ポンプ50の作動音を抑制することができ
る。
ミーリフタ106bおよびスプリング106cにより構
成している。ダミーリフタ106bおよびスプリング1
06cは、シリンダヘッド106に形成された摺動孔1
06a内にポンプカム152に対向して、高圧燃料ポン
プ50のリフタ50bとは180°位相の異なる位置に
配置されている。このことにより、ポンプカム152
は、ダミーリフタ106bを排気カムシャフト128の
回転に応じて押圧力を弱めたり強めたりして押圧してい
る。すなわち、図11(A)の状態では、ダミーリフタ
106bは最大近傍のリフトとなって押圧力が最大近傍
となり、排気カムシャフト128が受ける抗力も最大近
傍となる。また、図11(B)の状態では、最小リフト
となり最も押圧力が弱くなり排気カムシャフト128が
受ける抗力も最小となる。しかも前記実施の形態1に比
較してもダミーカムを用いていない。
圧燃料ポンプ50側から排気カムシャフト128が受け
る衝撃力に対する抗力を、図11(A)の状態にして容
易に強めるようにすることができ、高圧燃料ポンプ50
の作動音を容易に抑制することができる。
実施の形態1と同様に、排気カムシャフト128の1回
転について、高圧燃料ポンプ50の燃料加圧開始がなさ
れるカムシャフト回転位相が2つ存在する。しかし、前
記実施の形態1とは異なり、2つの位相θ11,θ12
は共に、高圧燃料ポンプ50側から排気カムシャフト1
28が受ける衝撃力はダミーリフタ106bのリフトに
より強まる抗力により対向している。
ノーズ132aの位相により、ポンプカム152のノー
ズ152a,152bの位相が制約されることが無い。 [実施の形態3]本実施の形態3が前記実施の形態1と
異なるのは、図13の斜視図および図14の配置図に示
すごとく、ポンプカム252およびダミーカム233の
形状である。他の構成は、特に説明しない限り、前記実
施の形態1と同じである。
角度間隔に3つのノーズ252a,252b,252c
を有している。ダミーカム233には120°位相の異
なる2つのノーズ233a,233bが設けられてい
る。
の位相は、ポンプカム252の1番目のノーズ252a
の位相とは排気カムシャフト228を中心としてほぼ反
対側に配置されている。また、ダミーカム233の一方
のノーズ233aの位相は、ポンプカム252の2番目
のノーズ252bの位相とは排気カムシャフト228を
中心としてほぼ反対側に、ダミーカム233の他方のノ
ーズ233bの位相は、ポンプカム252の3番目のノ
ーズ252cの位相とは排気カムシャフト228を中心
としてほぼ反対側に配置されている。詳細には、排気用
バルブカム232のノーズ232aの位相およびダミー
カム233のノーズ233a,233bの位相は、図1
5に示すごとく、アイドル時などのように機関低負荷時
に設定されるデューティDlによる電磁スピル弁50a
の閉弁位相θ21,θ22,θ23に、最大リフト量を
実現するように設定してある。
3、摺動孔206a、ダミーリフタ206bおよびスプ
リング206cが抗力機構に相当する。以上説明した本
実施の形態3によれば、以下の効果が得られる。
時に高圧燃料ポンプ50の電磁スピル弁50aが閉じる
位相θ21,θ22,θ23では、高圧ポンプ室50f
内の燃料圧力が急速に上昇する。この内、一方の位相θ
21では、ポンプカム252のノーズ252a部分によ
りリフトされつつあるプランジャ50dの移動抵抗が急
峻に大きくなり、ポンプカム252はプランジャ50d
から大きな衝撃力(図13:Fp)を受けることにな
る。
20のバルブリフト量が最大となり排気用バルブカム2
32が排気バルブ20のバルブリフタ220cから受け
る反力(図13:Fv)が最大のものとなっている。こ
のため、高圧燃料ポンプ50を駆動する排気カムシャフ
ト228のジャーナル228a,228bと軸受206
dとの衝突を十分に弱めることができる。
ズ233aによってダミーリフタ206bが最大リフト
量とされることにより、ダミーリフタ206bを付勢す
るスプリング206cから受ける抗力(図13:Fd)
が最大のものとなっている。このため、排気カムシャフ
ト228のジャーナル228a,228bと軸受206
dとの衝突を十分に弱めることができる。
のノーズ233bによってダミーリフタ206bが最大
リフト量とされることにより、ダミーリフタ206bを
付勢するスプリング206cから受ける抗力(図13:
Fd)が最大のものとなっている。このため、排気カム
シャフト228のジャーナル228a,228bと軸受
206dとの衝突を十分に弱めることができる。
撃が生じる3つ位相θ21,θ22,θ23において衝
撃力に抗する力をバルブリフタ220cおよびダミーリ
フタ206bから分担して得られるため、ジャーナル2
28a,228bと軸受206dとの衝突による打音が
弱まり、あるいは無くなり、高圧燃料ポンプ50の作動
音を効果的に抑制することができる。
負荷にて高圧燃料ポンプ50からの衝撃を減少させてい
ることから、他のエンジン騒音に比較して相対的に高圧
燃料ポンプ50の騒音が大きくなる機関低負荷時におい
て効果的に高圧燃料ポンプ50の作動音を抑制すること
ができる。
(ハ)と同じ効果を生じる。 (ハ).本実施の形態3では、排気カムシャフト228
の1回転について、高圧燃料ポンプ50の燃料加圧開始
がなされるカムシャフト回転位相が3つ存在する。そし
て1つの位相θ21では、高圧燃料ポンプ50側から排
気カムシャフト228が受ける衝撃力には排気用バルブ
カム232のノーズ232aによって排気バルブ20の
バルブリフタ220cのリフトにより生じる反力により
対向している。他の2つの位相θ22,θ23では、高
圧燃料ポンプ50側から排気カムシャフト228が受け
る衝撃力には、ダミーカム233の2つのノーズ233
a,233bによるダミーリフタ206bのリフトによ
り強まる抗力により対向している。
転に生じる3回の高圧燃料ポンプ50からの衝撃に対し
て、排気用バルブカム232とダミーカム233とが分
担して対抗しているので、燃料ポンプの作動音を抑制す
ることができるとともに、抗力機構の耐久性を高めるこ
とができる。
17の配置図に示すごとく、本実施の形態4が前記実施
の形態3と異なるのは、ダミーカム233の形状であ
る。他の構成は、特に説明しない限り、前記実施の形態
3と同じである。
等位相間隔に設けられた3つのノーズ333a,333
b,333cが存在し、ポンプカム352と相似の形状
を成している。
3cとポンプカム352のノーズ352a,352b,
352cとは、排気カムシャフト328を中心としてほ
ぼ反対側に配置されている。詳細には、ダミーカム33
3のノーズ333a〜333cの位相は、図18に示し
たごとく、アイドル時などのように機関低負荷時に設定
されるデューティDlによる電磁スピル弁50aの閉弁
位相θ31,θ32,θ33に、ダミーリフタ306b
が最大リフト量となるように設定してある。
32aの位相は、ダミーカム333のノーズ333a〜
333cおよびポンプカム352のノーズ352a〜3
52cの位相に対しては、特に規定されていない。
3、摺動孔306a、ダミーリフタ306bおよびスプ
リング306cが抗力機構に相当する。以上説明した本
実施の形態4によれば、以下の効果が得られる。
荷時に高圧燃料ポンプ50の電磁スピル弁50aが閉じ
る各位相θ31,θ32,θ33では、高圧ポンプ室5
0f内の燃料圧力が急速に上昇する。この結果、ポンプ
カム352は、高圧燃料ポンプ50のリフタ50bから
大きな衝撃力(図16:Fp)を受けることになる。
は、ダミーカム333の各ノーズ333a〜333cに
よってダミーリフタ306bが最大リフト量にリフトさ
れることにより、ダミーリフタ306bを付勢するスプ
リング306cから受ける抗力(図16:Fd)が最大
のものとなる。このため、高圧燃料ポンプ50を駆動す
る排気カムシャフト328のジャーナル328a,32
8bと軸受306dとの衝突を十分に弱めることができ
る。
撃力が生じる3つ位相θ31,θ32,θ33において
衝撃力に抗する力を、すべてダミーリフタ306bから
得られるため、ジャーナル328a,328bと軸受3
06dとの衝突による打音が弱まり、あるいは無くな
り、高圧燃料ポンプ50の作動音を効果的に抑制するこ
とができる。
負荷にて高圧燃料ポンプ50からの衝撃を減少させてい
ることから、他のエンジン騒音に比較して相対的に高圧
燃料ポンプ50の騒音が大きくなる機関低負荷時におい
て効果的に高圧燃料ポンプ50の作動音を抑制すること
ができる。
効果を生じる。 (ハ).本実施の形態4では、排気カムシャフト328
の1回転について、高圧燃料ポンプ50の燃料加圧開始
がなされるカムシャフト回転位相が3つ存在するが、前
記実施の形態3とは異なり、3つの位相θ31,θ3
2,θ33において、高圧燃料ポンプ50側から排気カ
ムシャフト328が受ける衝撃は、ダミーリフタ306
bのリフトにより生じる抗力により対向している。
ノーズ332aの位相により、ポンプカム352のノー
ズ352a〜352cの位相が制約されることが無い。 (ニ).図18に示したごとく、位相θ31では特に排
気用バルブカム332の最大リフト位相に近いので、特
に排気用バルブカム332から受ける反力とダミーカム
333からの抗力との合力により、高圧燃料ポンプ50
からの衝撃力に対抗している。したがって、位相θ31
では衝撃力を特に弱くすることができる。
33aについては、その高さを低くして抗力を弱めるこ
とで、排気用バルブカム332から受ける反力との合力
が他のノーズ333b,333cでの抗力と同じとなる
ようにして、バランスさせても良い。
施の形態4と異なるのは、図19の斜視図および図20
の配置図に示すごとく、ダミーカムを用いていない点で
ある。そして、2つのダミーリフタ406b,407b
がポンプカム452に当接している点である。他の構成
は、特に説明しない限り、前記実施の形態4と同じであ
る。
は、高圧燃料ポンプ50のリフタ50bに対して、排気
カムシャフト428を中心として、ほぼ等位相間隔に離
れて配置されている。ただし、図21のグラフに示すご
とく、高圧燃料ポンプ50のリフタ50bに比較して、
ダミーリフタ406b,407bの方がわずかに早くノ
ーズ452a,452b,452cに到達して最大のリ
フト量となるように設定されている。詳細には、ダミー
リフタ406b,407bの最大リフト位置は、アイド
ル時などのように機関低負荷時に設定されるデューティ
Dlによる電磁スピル弁50aの閉弁位相θ41,θ4
2,θ43となるように設定してある。
32aの位相は、ポンプカム452のノーズ452a〜
452cの位相に対しては、特に規定されていない。上
述した構成において、摺動孔406a,407a、ダミ
ーリフタ406b,407bおよびスプリング406
c,407cが抗力機構に相当する。
下の効果が得られる。 (イ).図21に示したごとく、機関低負荷時に高圧燃
料ポンプ50の電磁スピル弁50aが閉じる位相θ4
1,θ42,θ43では、高圧ポンプ室50f内の燃料
圧力が急速に上昇する。この各位相θ41,θ42,θ
43において、図20(A)に示すごとく、ポンプカム
452はプランジャ50dから大きな衝撃力Fpを受け
ることになる。
は、ポンプカム452のノーズ452a〜452cの内
の2つによってダミーリフタ406b,407bがそれ
ぞれ最大リフト量とされる。このことにより、ダミーリ
フタ406b,407bを付勢するスプリング406
c,407cから受ける抗力(図19:Fd1,Fd
2)が最大のものとなる。このため、高圧燃料ポンプ5
0を駆動する排気カムシャフト428のジャーナル42
8a,428bと軸受406dとの衝突を十分に弱める
ことができる。
撃が生じる3つ位相θ41,θ42,θ43において衝
撃力に抗する力を、すべてダミーリフタ406b,40
7bから得られるため、ジャーナル428a,428b
と軸受406dとの衝突による打音が弱まり、あるいは
無くなり、高圧燃料ポンプ50の作動音を効果的に抑制
することができる。
負荷にて高圧燃料ポンプ50からの衝撃を減少させてい
ることから、他のエンジン騒音に比較して相対的に高圧
燃料ポンプ50の騒音が大きくなる機関低負荷時におい
て効果的に高圧燃料ポンプ50の作動音を抑制すること
ができる。
効果を生じる。 (ハ).本実施の形態5では、排気カムシャフト428
の1回転について、高圧燃料ポンプ50の燃料加圧開始
がなされるカムシャフト回転位相が3つ存在するが、3
つの位相θ41,θ42,θ43にて高圧燃料ポンプ5
0側から排気カムシャフト428が受ける衝撃力は、2
つのダミーリフタ406b,407bのリフトにより強
まる抗力の合力により対向している。
気用バルブカム432のノーズ432aの位相により、
ポンプカム452のノーズ452a〜452cの位相が
制約されることが無い。
を、ポンプカム152に対して高圧燃料ポンプのリフタ
50bとは180°位相が異なる位置に配置したが、例
えば図22,図23に示すごとく、機関低負荷時に電磁
スピル弁が閉じる位相において最大のリフト量となるよ
うにダミーリフタ106bを配置しても良い。このよう
にすると、ダミーリフタ106bの抗力の内で、高圧燃
料ポンプのリフタ50bからの衝撃力Fpに対抗する成
分は、機関低負荷時に電磁スピル弁が閉じる位相におい
て最大となる。このことにより電磁スピル弁閉弁時の衝
撃力に十分に対抗させることができる。
ムを用いなかったが、図24,図25に示すごとく、排
気カムシャフト528に、2つのノーズ533a,53
3bを有するダミーカム533を設けても良い。このダ
ミーカム533の各ノーズ533a,533bは、機関
低負荷時に電磁スピル弁50aが閉じる位相θ51,θ
52において最大のリフト量となるように設定されてい
る。このようにすると、ダミーリフタ506bの抗力F
dのすべてが、高圧燃料ポンプ50のリフタ50bから
の衝撃力Fpに対抗する成分となり、電磁スピル弁50
aの閉弁時の衝撃力に、より効果的に対抗させることが
できる。
カムやダミーカムは排気カムシャフト側に設けたが、吸
気カムシャフト側に設けても良く、吸気カムシャフトに
生じる電磁スピル弁閉弁時の衝撃力を抑制して、燃料ポ
ンプの作動音を低減させることができる。
フタは、スプリングによりダミーカムあるいはポンプカ
ムに押圧されていたので、図3(B)、図11(B)、
図14(A),(C)、図17(A)に示すごとくの最
小リフト(リフトされていない状態)時も排気カムシャ
フトは最も弱い抗力をダミーリフタから受けている構成
であった。これ以外に、最小リフト時には、ダミーリフ
タがダミーカムあるいはポンプカムに押圧されないよう
にして抗力が全く作用しないようにしても良い。そし
て、最小リフト時以外の時にダミーリフタからの抗力を
発生させるようにしても良い。
ジャーナル部分の内、特に高圧燃料ポンプ50のリフタ
50bからの衝撃力Fpを受ける部分に、潤滑油を供給
する潤滑油路を形成しても良い。図26(A)の例は、
前記実施の形態3に適用した場合を示している。この構
成では、軸受206dに接触するジャーナル228a
(ジャーナル228b側も同様の構成である)の外周面
には、3つの潤滑油供給路227a,227b,227
cが開口し、排気カムシャフト228の中心部に形成さ
れている潤滑油路227dからの潤滑油を、ジャーナル
228aと軸受206dとの間に供給している。
b,227cは、それぞれ、位相的には、ポンプカム2
52が高圧燃料ポンプ50のリフタ50bからの衝撃力
Fpを受ける3つの位相範囲θcとは、180°異なる
3つの領域θoに重なるように開口している。
θoにおいては、ジャーナル228aと軸受206dと
の間に十分に厚い潤滑油膜が形成されるので、油膜によ
り衝撃力を弱めることが可能となる。このため、高圧燃
料ポンプ50の騒音を抑制すると共に、ジャーナル22
8a,228bおよび軸受206dの耐久性を高めるこ
とができる。なお、潤滑油供給路の数および径は必要に
応じて適宜設定することができる。
6dに接触するジャーナル228a(ジャーナル228
b側も同様の構成である)の外周面に向けて、軸受20
6d内に形成されている潤滑油供給路227eが開口
し、オイルポンプ227fにより圧送されてくる潤滑油
を、ジャーナル228aと軸受206dとの間に供給し
ている。この潤滑油供給路227eは、位相的には、高
圧燃料ポンプ50のリフタ50bとは、180°異なる
位相に開口している。
ーナル228aと軸受206dとの間に、十分に厚い潤
滑油膜が形成されるので、衝撃力を弱めることが可能と
なる。このため、高圧燃料ポンプ50の騒音を抑制する
と共に、ジャーナル228a,228bおよび軸受20
6dの耐久性を高めることができる。なお、潤滑油供給
路227eの開口位置は、ジャーナル228aが回転し
てくる方向に位相をずらして設けても良い。すなわち、
図26(B)の例であれば、少し左側にずらして設ける
ことにより、衝撃力Fpが加わるジャーナル228aと
軸受206dとの間に、潤滑油が一層円滑に供給され
る。なお、潤滑油供給路の数および径は必要に応じて適
宜設定することができる。
たが、本発明の実施の形態には、特許請求の範囲に記載
した技術的事項以外に次のような各種の技術的事項の実
施形態を有するものであることを付記しておく。
成において、前記抗力機構は、ポンプカムに隣接して設
けられていることを特徴とする内燃機関の動弁装置。こ
のように、抗力機構をポンプカムに隣接させることによ
り、カムシャフトと軸受との衝突による打音の低減がよ
り効果的となり、燃料ポンプの作動音を一層効果的に抑
制することができる。
いて、前記動弁系カムは、ポンプカムに隣接して設けら
れていることを特徴とする内燃機関の動弁装置。このよ
うに、吸気バルブや排気バルブをリフトする際の反力を
利用する動弁系カムとして、ポンプカムに隣接した動弁
系カムを用いることにより、カムシャフトと軸受との衝
突による打音の低減がより効果的となり、燃料ポンプの
作動音を一層効果的に抑制することができる。
ジンの要部の概略構成図。
示す部分断面図。
よびダミーリフタの関係を示す説明図。
部分の平面図。
図。
図。
図。
およびダミーリフタの関係を示す説明図。
フ。
図。
およびダミーリフタの関係を示す説明図。
フ。
図。
およびダミーリフタの関係を示す説明図。
フ。
図。
およびダミーリフタの関係を示す説明図。
フ。
よびダミーリフタの関係を示す説明図。
ラフ。
視図。
ラフ。
ッド、6a…摺動孔、6b…ダミーリフタ、6c…スプ
リング、6d…軸受、6e…カムシャフトベアリングキ
ャップ、6f…空気孔、8…ヘッドカバー、9…シリン
ダ、10…ピストン、10a…凹部、12…コンロッ
ド、14…クランクシャフト、16…燃焼室、17…点
火プラグ、18…吸気バルブ、18a…第1吸気ポー
ト、18b…第2吸気ポート、18c…バルブリフタ、
20…排気バルブ、20a,20b…排気ポート、20
c…バルブリフタ、22…燃料分配管、22a…燃圧セ
ンサ、24…燃料噴射弁、26… 吸気カムシャフト、
28…排気カムシャフト、28a,28b… ジャーナ
ル、30…吸気用バルブカム、32…排気用バルブカ
ム、32a…ノーズ、33…ダミーカム、33a…ノー
ズ、34,36…カムプーリ、38…クランクプーリ、
40…タイミングベルト、50…高圧燃料ポンプ、50
a…電磁スピル弁、50b…リフタ、50c…ギャラ
リ、50d…プランジャ、50e…シリンダ、50f…
高圧ポンプ室、52…ポンプカム、52a,52b…ノ
ーズ、54…燃料タンク、54a… 低圧フィードポン
プ、54b…フィルタ、54c…プレッシャレギュレー
タ、56…ECU、58…サージタンク、60…旋回流
制御弁、60a…シャフト、62…旋回流制御弁用アク
チュエータ、64…吸気管、66…モータ、68…スロ
ットル弁、70…高圧燃料通路、72…チェック弁、7
4…低圧燃料通路、76…リリーフ弁、78…排出経
路、106…シリンダヘッド、106a…摺動孔、10
6b…ダミーリフタ、106c… スプリング、106
d…軸受、128…排気カムシャフト、128a,12
8b…ジャーナル、132…排気用バルブカム、132
a… ノーズ、150b…高圧燃料ポンプのリフタ、1
52…ポンプカム、152a,152b…ノーズ、20
6a…摺動孔、206b…ダミーリフタ、206c…ス
プリング、206d…軸受、220c…バルブリフタ、
227a,227b,227c…潤滑油供給路、227
d…潤滑油路、227e…潤滑油供給路、227f…オ
イルポンプ、228…排気カムシャフト、228a,2
28b…ジャーナル、232…排気用バルブカム、23
2a…ノーズ、233…ダミーカム、233a,233
b…ノーズ、252…ポンプカム、252a,252
b,252c…ノーズ、306a…摺動孔、306b…
ダミーリフタ、306c…スプリング、306d…軸
受、328…排気カムシャフト、328a,328b…
ジャーナル、332…排気用バルブカム、332a…ノ
ーズ、333…ダミーカム、333a,333b,33
3c…ノーズ、352…ポンプカム、352a,352
b,352c…ノーズ、406a,407a…摺動孔、
406b,407b…ダミーリフタ、406c,407
c…スプリング、406d…軸受、428…排気カムシ
ャフト、428a,428b…ジャーナル、432…排
気用バルブカム、432a…ノーズ、452…ポンプカ
ム、452a,452b,452c…ノーズ、506b
…ダミーリフタ、528…排気カムシャフト、533…
ダミーカム、533a,533b…ノーズ。
Claims (8)
- 【請求項1】内燃機関の動弁系カムに加えて、内燃機関
に加圧燃料を供給するための燃料ポンプを駆動するポン
プカムが設けられたカムシャフトを備える内燃機関の動
弁装置であって、 機関低負荷時で燃料ポンプの燃料加圧開始がなされるカ
ムシャフト回転位相において、ポンプカムを介してカム
シャフトが燃料ポンプ側から受ける衝撃力に抗する方向
の抗力を、カムシャフトの回転に連動してカムシャフト
側から押圧されることによりカムシャフトに対して発生
または強めている抗力機構を備えたことを特徴とする内
燃機関の動弁装置。 - 【請求項2】請求項1記載の構成において、機関低負荷
時で燃料ポンプの燃料加圧開始がなされるカムシャフト
回転位相で、前記抗力機構の抗力は最大または最大近傍
の力となることを特徴とする内燃機関の動弁装置。 - 【請求項3】請求項1記載の構成において、前記抗力機
構は、カムシャフトに形成されたダミーカムと、機関低
負荷時で燃料ポンプの燃料加圧開始がなされるカムシャ
フト回転位相において前記ダミーカムを介してカムシャ
フト側からの押圧が発生あるいは強められているダミー
リフタとを備えたことを特徴とする内燃機関の動弁装
置。 - 【請求項4】請求項1記載の構成において、前記抗力機
構は、機関低負荷時で燃料ポンプの燃料加圧開始がなさ
れるカムシャフト回転位相において前記ポンプカムを介
してカムシャフト側からの押圧が発生あるいは強められ
ているダミーリフタを備えたことを特徴とする内燃機関
の動弁装置。 - 【請求項5】請求項3または4記載の構成において、機
関低負荷時で燃料ポンプの燃料加圧開始がなされるカム
シャフト回転位相で、前記ダミーリフタが最大または最
大近傍のリフト量となることを特徴とする内燃機関の動
弁装置。 - 【請求項6】請求項1〜5のいずれか記載の構成におい
て、燃料ポンプの燃料加圧開始がなされるカムシャフト
回転位相が1回転につき複数存在し、一部の前記カムシ
ャフト回転位相については前記抗力機構の抗力を発生ま
たは強めさせ、他の前記カムシャフト回転位相について
は前記動弁系カムを介して吸気バルブまたは排気バルブ
をリフトする際の反力を発生または強めさせていること
を特徴とする内燃機関の動弁装置。 - 【請求項7】請求項1〜5のいずれか記載の構成におい
て、前記抗力機構の抗力と前記動弁系カムを介して吸気
バルブまたは排気バルブをリフトする際の反力との合力
を、機関低負荷時で燃料ポンプの燃料加圧開始がなされ
るカムシャフト回転位相において、ポンプカムを介して
カムシャフトが燃料ポンプ側から受ける衝撃力に抗する
方向の抗力としていることを特徴とする内燃機関の動弁
装置。 - 【請求項8】請求項1〜7のいずれか記載の構成におい
て、前記燃料ポンプは、前記ポンプカムの回転に応じて
加圧行程と吸入行程とを繰り返す加圧室と、加圧室内の
燃料を低圧側に溢流させるスピル弁とを備え、加圧行程
時でのスピル弁の閉弁タイミング調整により高圧燃料通
路への吐出燃料を調量することを特徴とする内燃機関の
動弁装置。
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---|---|---|---|
JP2000214952A JP4161522B2 (ja) | 2000-07-14 | 2000-07-14 | 内燃機関の動弁装置 |
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JP (1) | JP4161522B2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010180867A (ja) * | 2009-02-09 | 2010-08-19 | Honda Motor Co Ltd | 内燃機関における高圧ポンプ取付け構造 |
JP2011185262A (ja) * | 2010-03-05 | 2011-09-22 | Hitachi Ltd | 燃料ポンプ |
KR101125388B1 (ko) | 2003-04-19 | 2012-03-28 | 만 디젤 앤 터보 에스이 | 내연기관의 가스 교환 밸브 및 연료 분사 장치의 유입 및유출 제어 시간을 제어하기 위한 장치 |
JP2013181521A (ja) * | 2012-03-05 | 2013-09-12 | Toyota Motor Corp | 高圧燃料ポンプの駆動装置 |
-
2000
- 2000-07-14 JP JP2000214952A patent/JP4161522B2/ja not_active Expired - Fee Related
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