JP2006144711A - 4サイクルガソリンエンジンの吸排気制御装置 - Google Patents

4サイクルガソリンエンジンの吸排気制御装置 Download PDF

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Hirokazu Matsuura
弘和 松浦
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正尚 山川
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竜也 藤川
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Abstract

【課題】 充填効率ηvの変化幅を拡大することにより、エンジンの運転状態の変化に応じて、ポンピングロスの低減を図りつつ、圧縮自己着火やトルクの確保のために適した必要な充填効率ηvと適正な内部EGR率mとを確保する。
【解決手段】 排気弁60の再開弁動作時に吸気行程途中で開弁させ、下死点付近から圧縮行程初期にかけての期間内に閉弁させる排気弁駆動手段62を設ける。少なくとも排気弁60の再開弁動作を行わせる運転領域で、吸気弁40を上死点付近で開弁して下死点よりも前に閉弁するようにしつつ、吸気弁40の開弁量を変更可能にする吸気弁駆動手段43を設ける。エンジン負荷に応じ、排気弁の再開弁動作を行わせる運転領域のうちの高負荷運転領域では低負荷運転領域に比べて吸気弁40の開弁量が大きくなるように吸気弁駆動手段43を制御する制御手段120、123を設ける。
【選択図】 図2

Description

本発明は4サイクルガソリンエンジンの吸排気制御装置に関し、特に、予混合圧縮自己着火燃焼(HCCI:Homogeneous−Charge Compression−Ignition combustion。この明細書で「圧縮自己着火」という)を行わせる運転モードを有する4サイクルガソリンエンジンの吸排気制御装置に関する。
一般に、内部EGRガスを用いて、混合気の着火性を向上し、排気性能を高めるに当たり、広い運転領域で必要なEGR率を確保する技術が知られている(例えば特許文献1、2)。先行技術に係る構成では、排気行程中に吸気バルブを開き、または吸気行程の中で排気バルブを開き、いわゆる内部EGRを実現するようにしている。
特開平9−25853号公報 特開2001−107759号公報
ところで、内部EGRを利用して圧縮自己着火を行うに際し、エンジンの性能をトータル的に向上する場合、機械的な圧縮比を可及的に高め、広範囲にわたる運転領域で内部EGRガスを確保し、ノッキングを防止することが必要になってくる。
しかしながら、特許文献1、2に開示された技術では、運転状態に応じて、必要な充填効率を確保してトルクの確保や圧縮自己着火性能を向上させたり、ノッキングを防止することができなかった。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、4サイクルガソリンエンジンで圧縮自己着火を実現するに当たり、機械的な圧縮比を可及的に高め、ブースト圧を可及的に高めながら充填効率の変化幅を拡大することにより、エンジンの運転状態の変化に応じて、ポンピングロスの低減を図りつつ、圧縮自己着火やトルクの確保のために適した必要な充填効率と適正な内部EGR率とを確保することのできる4サイクルガソリンエンジンの吸排気制御装置を提供することを課題としている。
本件発明者は、鋭意研究の結果、通常は、関連が薄いと思われていた内部EGR率とブースト圧(吸気圧力)との間に相関関係があることを見出し、本件発明を完成させるに至った。
すなわち、上記課題を解決するために本発明は、エンジンの所定運転領域において、排気弁を排気行程での開弁動作のほかに吸気行程で再度開弁させる再開弁動作により、内部EGRで筒内温度を高めて圧縮自己着火を行わせるようにした4サイクルガソリンエンジンにおいて、前記排気弁の再開弁動作時に吸気行程途中で開弁させ、下死点付近から圧縮行程初期にかけての期間内に閉弁させる排気弁駆動手段と、少なくとも前記排気弁の再開弁動作を行わせる運転領域で、吸気弁を上死点付近で開弁して下死点よりも前に閉弁するようにしつつ、吸気弁の開弁量を変更可能にする吸気弁駆動手段と、エンジン負荷に応じ、前記排気弁の再開弁動作を行わせる運転領域のうちの高負荷運転領域では低負荷運転領域に比べて吸気弁の開弁量が大きくなるように吸気弁駆動手段を制御する制御手段とを備えたことを特徴とする4サイクルガソリンエンジンの吸排気制御装置である。この態様では、排気弁を吸気行程で再開弁動作させるに当たり、排気弁駆動手段が吸気行程途中で開弁させ、下死点付近から圧縮行程初期にかけての期間内に閉弁させるので、新気が排気通路から排出されるのを抑制するとともに、吸気通路側へ既燃ガスが排出されるのを抑制しつつ、排気弁駆動手段によって、排気弁が吸気行程途中で再開弁動作し、下死点付近から圧縮行程初期にかけての期間内に閉弁するので、この開弁動作において、排気行程で排出された既燃ガスを内部EGRガスとして比較的大量に気筒内に導入することができる。これにより、これにより、ブースト圧(吸気圧力)ができるだけ高い状態(大気圧側に寄った状態)において、充填効率と内部EGR率が変化する範囲を拡げ、エンジンの運転状態の変化に応じてエンジン負荷に適した必要な充填効率と適正な内部EGR率を確保できる。その結果、ポンピングロスを低減しつつ、圧縮行程での圧縮自己着火性能を高めることができる。その結果、ポンピングロスを低減しつつ、圧縮行程での圧縮自己着火性能を向上することができる。また、吸気行程において排気弁を開く構成を採用しているので、排気弁がピストンと干渉しないタイミングで内部EGRを実現することができる。従って、幾何学的な圧縮比を可及的に高めることが可能になる。そして、本発明では、この吸気弁駆動手段を制御手段が制御することにより、エンジン負荷に応じ、前記排気弁の再開弁動作を行わせる運転領域のうちの高負荷運転領域では低負荷運転領域に比べて吸気弁の開弁量が大きくなるので、ノッキングが生じやすい高負荷側ほど、内部EGRガスの導入量を減らして、筒内温度の過剰上昇を抑制することが可能になる。この結果、圧縮自己着火が可能な領域を可及的に高負荷運転領域にまで拡げることが可能になる。
本発明の好ましい態様において、前記排気弁の再開弁動作を行わせる運転領域のうちの少なくとも高負荷運転領域では、吸気弁の開弁量を排気弁の再開弁動作による開弁量よりも大きくなるように設定している。この態様では、高負荷運転領域において、新気の充填量を確保することができるので、吸気通路への既燃ガスの吹き返しを抑制しつつ、充填効率を確保することができる。また、新気が大量に導入されるので、筒内温度の低減をも図ることができ、ノッキングの抑制にも寄与する。
上記態様においては、前記排気弁の再開弁動作を行わせる運転領域内で、吸気弁の開弁量を排気弁の再開弁動作による開弁量以上としつつ、両者の比率を運転状態に応じて変化させるようにすることが好ましい。その場合には、運転状態に応じてEGR率と充填効率との調整を図ることができるので、高負荷側では、EGR率を抑制しつつ、充填効率を高めることができるとともに、低負荷運転領域では、必要な充填効率を確保しつつEGR率を高めて筒内温度の上昇を図り、圧縮自己着火性能を向上することが可能になる。従って、個々の運転領域に応じて、ポンピングロスの低減を図りつつ、最適なEGR率、充填効率を維持することが可能になる。
本発明の別の態様において、外部EGR通路を介して冷却された排気ガスを吸気系に還流させる外部EGR手段を備えるとともに、前記排気弁の再開弁動作を行わせる運転領域のうちでノッキングが生じ易い運転領域では、前記外部EGR手段によるEGR量を増大させるようにしている。この態様では、外部EGR手段によって、比較的冷たい外部EGRガスを筒内に導入することにより、筒内温度を低減し、ノッキングを抑制することができる。
本発明のさらに別の態様において、前記制御手段は、前記排気弁の再開弁動作を行わせる運転領域のうちの低負荷側の運転領域では高負荷運転領域に対して吸気弁の開弁量を小さくし、両運転領域の境界となる運転領域から高負荷側の運転領域に移行するにつれて吸気弁の開弁量を次第に増大させるように吸気弁駆動手段および排気弁駆動手段を制御するものである。この態様では、低負荷運転領域および中負荷運転領域(低負荷運転領域と高負荷運転領域の境界部分となる運転領域)では、充填効率に対し、ブースト圧の変化割合が大きい特性になるものの、EGR率を高め、筒内温度の上昇による確実な圧縮自己着火の実現や、ポンピングロスの低減を図ることが可能になる。一方、中負荷運転領域から高負荷側の運転領域では、充填効率に対し、ブースト圧の変化割合が小さい特性にして、EGR率並びにそれに伴う温度上昇を抑制することにより、ノッキングを防止しつつ、充填効率を高めることが可能になる。ここで、本態様では、制御手段が、前記中負荷運転領域から高負荷運転領域に移行するにつれて吸気弁の開弁量を次第に増大させるように吸気弁駆動手段および排気弁駆動手段を制御するので、筒内温度と充填効率とのバランスをスムーズに切換えて、運転状態に応じて最適な制御状態を得ることが可能になる。
さらに別の態様においては、吸気弁および排気弁を1気筒当たり2弁ずつ設け、前記排気弁の再開弁動作を行わせる運転領域のうちの低負荷運転領域では、一方の吸気弁を閉弁手段で停止させるとともに、開弁動作を行う吸気弁に対して対角線上に位置する排気弁を再開弁動作させるように吸気弁駆動手段および排気弁駆動手段を構成している。この態様では、低負荷運転領域においては、一方の吸気弁を閉じるとともに、開弁動作を行う吸気弁に対して対角線上に位置する排気弁を再開弁動作させるので、吸気時にスワールが生じる。この結果、筒内の混合気の乱れが生じ、吸気通路から導入された新気と排気弁から導入された既燃ガスとの混合が促進される。このため、速やかな温度上昇を図ることができ、より確実に圧縮自己着火を行うことが可能になる。また、前記乱れにより、燃料との混合も促進されるので、燃費が改善する他、リーン燃焼限界の向上にも寄与することになる。
本発明の具体的な態様においては、前記排気弁駆動手段は、排気行程で排気弁を開く第1排気カムと、吸気行程で排気弁を開く第2排気カムと、第2排気カムから排気弁への駆動伝達を遮断可能とするロストモーション機構とを備え、前記吸気弁駆動手段は、吸気弁のバルブリフト量および開弁期間の少なくとも一方を無段階に変更可能とする開弁量可変機構を備えている。
以上説明したように、本発明によれば、4サイクルガソリンエンジンで圧縮自己着火を実現するに当たり、機械的な圧縮比を可及的に高め、広範囲にわたる運転領域で内部EGRガスを確保しつつ、ノッキングを防止することができるという顕著な効果を奏する。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好ましい形態について説明する。
図1は、本発明の実施の一形態に係る4サイクルガソリンエンジン10の概略構成を示す構成図であり、図2は図1に係るエンジン本体20の一つの気筒とそれに対して設けられた吸排気弁等の構造を示す断面略図である。
同図を参照して、図示の4サイクルガソリンエンジン10は、エンジン本体20を備えている。エンジン本体20は、クランクシャフト21を回転自在に支持するシリンダブロック22と、シリンダブロック22の上部に配置されたシリンダヘッド23とを一体的に有している。
シリンダブロック22およびシリンダヘッド23には、複数の気筒24が設けられている。本実施形態において、各気筒24の圧縮比は、12に設定されている。
各気筒24には、クランクシャフト21に連結されたピストン25と、ピストン25が気筒24内に形成する燃焼室26とが公知の構成と同様に設けられている。なお、シリンダブロック22には、クランクシャフト21の回転数を検出するクランク角センサ27が設けられている。
各燃焼室26の側部には、当該燃焼室26に直接燃料を噴射する燃料噴射弁28が設けられている。また、各燃焼室26の頂部には、点火プラグ29が装備され、そのプラグ先端が燃焼室26内に臨んでいる。点火プラグ29には、電子制御による点火タイミングのコントロールが可能な点火回路29aが接続されている。
エンジン本体20は、当該気筒24内に対して新気を供給する吸気システム30と、気筒24の燃焼室26で燃焼した既燃ガスを排気する排気システム50とを有している。
吸気システム30は、新気を気筒24内に供給するための吸気管31と、この吸気管31の下流側に連通するインテークマニホールド32と、このインテークマニホールド32から分岐してそれぞれ対応する気筒24に接続される分岐吸気管33とを備えている。図示の実施形態において、各気筒24には、2つ一組の吸気通路24aが形成されており(図1参照)、前記分岐吸気管33の下流端は、各気筒24の吸気通路に対応して二股に形成されている。
吸気システム30の吸気管31には、エアフローセンサ34が設けられている。また、各分岐吸気管33には、共通の軸35に一斉駆動される多連スロットル弁36が設けられている。多連スロットル弁36は、前記軸35を回転駆動するアクチュエータ37によって、開閉駆動されるように構成されている。
各気筒24に設けられた各吸気通路24aには、吸気弁40が設けられている。各吸気弁40は、動弁機構41によって駆動される構成になっている。動弁機構41は、吸気弁40の開弁タイミング(位相角度)を切換可能なVCT(Variable Camshaft Timing機構)42と、吸気弁40のリフト量(開弁量)を無段階で変更可能なVVE(Variable Valve Event)43とを備えている。
図3は、図1の実施形態に係る気筒に設けられた吸気弁40および排気弁60の模式的な平面略図である。
同図を参照して、各気筒24に設けられた2つ一組の各吸気弁40のうち、一方の吸気弁40のバルブステム40aには、直動式のタペット61が設けられているとともに、他方の吸気弁40のバルブステム40aには、VVL(Variable Valve Lift機構)70が設けられている。
図4は、図1の実施形態に係る動弁機構41の具体的な構成を示す斜視図である。
同図を参照して、動弁機構41は、各気筒24が並ぶ方向(図1参照)に沿って延びるカムシャフト41aを備えており、このカムシャフト41aにVCT42とVVE43とが組み込まれている。
VCT42は、カムシャフト41aの端部に固定されるロータ(入力部材)42aと、ロータ42aの外周に同心に配置されたケーシング(出力部材)42bと、このケーシング42bに固定され、前記カムシャフト41aの外周に相対的に回動自在に配置されたスプロケット42cとを有している。スプロケット42cには、クランクシャフト21(図2参照)から駆動力を伝達するチェーン42dが巻回されている。また、ロータ42aとケーシング42bとの間には、図略の作動油室が形成されており、電磁弁42eの油圧制御によって、ロータ42aとケーシング42bは、一体的な回転動作または相対的な回転動作に切換えられるようになっている。これにより、VCT42は、吸気弁40の開弁開始時期および閉弁時期を同時に変更可能な作動時期可変機構を構成している。後述するように、電磁弁42eは、制御装置としてのECU100のVCT制御手段122によって、駆動制御されるようになっており、この駆動制御により、ロータ42aとケーシング42bとが連結/非連結するようになっている。
次に、VVE43は、各吸気弁40に設けられた一対の吸気カム43a、43bを備えている。一方の吸気カム43aは、前記カムシャフト41aに固定されている。他方の吸気カム43bは、カムシャフト41aに対し、相対回転自在に取り付けられている。この他方のカム43bには、スリーブ状のカムジャーナル43cが同心に固定されている。
本実施形態においては、各気筒24に2つ一組で配置された吸気弁40のうち、一方には、直動式のタペット61が設けられているとともに、他方には、いわゆるロストモーション機能を有するVVL70が設けられている。これに対応して、VVE43に駆動される吸気カム43bがタペット61を駆動し、カムシャフト41aに固定された吸気カム43aがVVL70を駆動するように構成されている(図3参照)。
図5は、図4のVVEの要部を示す断面図であり、(A)は大リフト制御状態においてリフト量が0のときを示し、(B)は大リフト制御状態においてリフト量が最大のときを示し、(C)は小リフト制御状態においてリフト量が0のときを示し、(D)は小リフト制御状態においてリフト量が最大のときを示している。
図4並びに図5(A)〜(D)を参照して、カムシャフト41aに対して相対回転自在に取り付けられた吸気カム43bを一方の吸気カム43aと同期させるために、カムシャフト41aには、気筒24毎に設けられた偏心カム43dが固定されている。この偏心カム43dは、図5(A)〜(D)から明らかなように、カムシャフト41aに対して偏心している。偏心カム43dの外周には、オフセットリンク43eが回動自在に取り付けられている。オフセットリンク43eの外周部には、径方向に突出する突部43fが一体に設けられている。この突部43fには、カムシャフト41aと平行な連結ピン43gが貫通しており、この連結ピン43gによって、オフセットリンク43eの両側面には、それぞれリンクアーム43h、43iの一端部が回動自在に取り付けられている。一方のリンクアーム43hは、オフセットリンク43eと前記吸気カム43bとを連結するものであり、その他端部が、カムシャフト41aと平行なピン43jによって吸気カム43bの膨出部近傍部分に回動自在に連結されている。また、他方のリンクアーム43iは、オフセットリンク43eの位相を変更するエキセントリックシャフト43kにオフセットリンク43eを連結するためのものであり、このエキセントリックシャフト43kに固定されたコントロールアーム43mの端部に対し、他端部がカムシャフト41aと平行なピン43nで回動自在に連結されている。
図4に示すように、エキセントリックシャフト43kの途中部には、扇形のウォームホイール43pが固定されており、このウォームホイール43pに噛合するウォームギヤ43qが、ステッピングモータ43rによって回転駆動されるようになっている。後述するように、ステッピングモータ43rは、制御装置としてのECU100のVVE制御手段123によって、駆動制御されるようになっており、この駆動制御により、コントロールアーム43mの位相が決定され、それによって、オフセットリンク43eの位相が決定されるので、タペット61を駆動する吸気カム43bの回動軌跡が当該吸気弁40の軸方向において変化し、バルブリフト量が無段階で変更されるようになっている。
図5(B)を参照して、吸気弁40のバルブステム40aに設けられたタペット61は、吸気弁40のバルブステム40aの端部に固定されている。他方、吸気弁40のバルブステム40aは、周知のバルブガイド40bにガイドされている。このバルブガイド40bの外周には、スプリングシート部40cが一体に形成されており、このスプリングシート部40cには、当該タペット61の内奥部に形成されたスプリングシート部61aとの間に縮設されるバルブスプリング40dが着座している。
前記吸気カム43bは、このタペット61に接合し、バルブスプリング40dの付勢力を受けている。
この状態において、図5(A)(B)に示すように、ステッピングモータ43rによりエキセントリックシャフト43kおよびコントロールアーム43mを回動させて、図5(A)(B)に示すようにピン43nをエキセントリックシャフト43kの下方に位置付けると、吸気カム43bの揺動角が大きくなり、リフトピークにおけるバルブのリフト量が最も大きな大リフト制御状態になる。また、そこからコントロールアーム43mなどの回動によってピン43nを上方へ移動させると、これに応じて吸気カム43bの揺動角は小さくなり、図5(C)(D)に示すようにピン43nをカムシャフト41aの上方に位置付けると、バルブのリフト量が最も小さな小リフト制御状態になる。
図5(A)(B)に示す大リフト制御状態において、吸気カム43bは、同図(B)に示すようにカムノーズの先端側でタペット61を押圧し、該タペット61を介して吸気弁40を大きくリフトさせたリフトピークの状態(吸気カム43bがタペット61を介して吸気弁40を大きくリフトさせた状態)と、同図(D)に示すように吸気弁40(吸気弁40)のリフト量が0になる状態との間で揺動する。小リフト制御状態である図5(C)(D)の場合も同様にリフトピークの状態(カムノーズの基端側でタペット61を押圧)とリフト量0の状態との間で揺動する(同図(C)および(D)参照)。
図6は、図5(B)(D)の制御状態を模式的に表わすものであり、(A)は大リフト制御位置、(B)は小リフト制御位置に対応している。なお図6(A)(B)では、コントロールアーム43m、連結リンク43hおよびリンクアーム43iについては簡略に直線で表しており、また、偏心カム43dの中心(オフセットリンク43eの外輪の中心)の回転軌跡を符号T0として示している。
まず、図6(A)を参照して吸気カム43b自体のプロファイルを説明すると、この吸気カム43bの周面には、曲率半径が所定角度範囲一定の基円面(ベースサークル区間)θ1と、該θ1に続いて曲率半径が漸次大きくなっているカム面(リフト区間)θ2とが形成されている。
図6(A)に実線で示すのは吸気弁40がリフトピーク近傍にある図5(B)の状態であり、このときには、連結リンク43hによってピン43jが最も上方に引き上げられ、吸気カム43bは、カム面θ2のカムノーズ先端側がタペット61に当接した状態になっている。一方、仮想線で示すのはバルブリフト量Hが0の状態(図5(A))であり、このときには吸気カム43bの基円面θ1がタペット61に接していて、吸気弁40が閉じた状態になっている。
そして、カムシャフト41a(偏心カム43d)が図の時計回りに回転すると、これに伴いオフセットリンク43eの一端側(図の下端側)は、図に矢印で示すようにカムシャフト41aの軸心X周りを公転することになるが、このオフセットリンク43eの他端部の変位はそこに連結されたリンクアーム43iによって規制される。すなわち、リンクアーム43iは、エキセントリックシャフト43kの下方に位置付けられたピン43nを中心に図の実線の位置と仮想線の位置との間を揺動し、これに伴い、オフセットリンク43eの他端側(連結ピン43g)は、偏心カム43dが1回転する度に、ピン43nを中心として往復円弧運動をすることになる(この連結ピン43gの運動軌跡をT1として示す)。
前記連結ピン43gの往復円弧運動T1に伴い、この同じ連結ピン43gによって一端部がオフセットリンク43eに連結されている連結リンク43hの他端部(ピン43j)は、図にT2として示す軌跡で往復円弧運動し、そのピン43jによって連結リンク43hに連結されている吸気カム43bが図の実線の位置と仮想線の位置との間で揺動運動をする。すなわち、前記連結ピン43gが上方に移動するときには、連結リンク43hによってピン43jが上方に引き上げられて、吸気カム43bのカムノーズがタペット61を押し下げ、これによりバルブスプリング40d(図5(B)参照)を圧縮しながら、吸気弁40をリフトさせる。
一方、連結ピン43gが下方に移動するときには、連結リンク43hによってピン43jが下方に押し下げられて、吸気カム43bのカムノーズが上昇することになるので、前記の圧縮されたバルブスプリング40dの反力によってタペット61が押し上げられて、前記カムノーズの上昇に追従するように上方に移動し、吸気弁40が引き上げられて、吸気通路24aの吸気ポートが閉じられる。
つまり、大リフト制御状態では、吸気カム43bがその周面の基円面θ1およびカム面θ2の略全体によってタペット61を押圧するように大きく揺動し、このように大きな揺動角に対応してバルブのリフト量が大きくなるものである。
また、前記の大リフト制御状態から、コントロールアーム43mをエキセントリックシャフト43kの軸心回りに上方へ略水平になるまで回動させて、図5(D)や図6(B)に示すように、リンクアーム43iの回動軸であるピン43nを大リフト制御状態よりもカムシャフト41aの回転方向の手前側に位置付けると、小リフト制御状態になる。この図6(B)においても図6(A)と同様に吸気弁40がリフトピーク近傍にある状態を実線で示し、リフト量Hが0の状態を仮想線で示している。
図6(B)において、カムシャフト41a(偏心カム43d)が回転すると、前記大リフト制御状態と同様にオフセットリンク43eの連結ピン43gはリンクアーム43iによって変位が規制され、エキセントリックシャフト43kの側方に位置するピン43nを中心として、往復円弧運動T3をする(リンクアーム43iは図の実線位置と仮想線位置との間で往復回動する)。そして、その連結ピン43gの往復円弧運動T3に伴って連結リンク43hのピン43jが往復円弧運動T4をし、そのピン43jによって連結リンク43hに連結されている吸気カム43bが、図の実線の位置と仮想線の位置との間で揺動運動をして、吸気弁40を開閉するようになる。
つまり、小リフト制御状態では、前記大リフト制御状態と比べて吸気カム43bの揺動角が小さくなり、この吸気カム43bが、その周面の基円面θ1およびこれに連続するカム面θ2の一部分のみによってタペット61を押圧するようになって、バルブのリフト量が小さくなるものである。
上述したVCT42、VVE43により、吸気弁40は、その開閉タイミング並びにバルブリフト量Hを変更可能に構成されている(後述する図12、図13参照)。
次に、カムシャフト41aに直接駆動される吸気弁40に設けられたVVL70について説明する。
図7は、図1の実施形態に係るVVL70の分解斜視図であり、図8は同VVL70の正面断面図、図9は同VVL70の平面断面図である。
これらの図を参照して、VVL70は、所定のタイミングで吸気カム43aが吸気弁40のステム40aを押し下げる機能をON/OFFするいわゆるロストモーションを実現するためのものであり、図示の例では、タペット型のもので具体化されている。
VVL70は、矩形のハウジング71と、ハウジング71内に昇降可能に収容され、前記吸気弁40のステム40aの端部(ステムエンド)に固定されるサイドタペット72と、サイドタペット72に対し、当該サイドタペット72と相対変位可能に組み付けられ、吸気カム43aによって駆動されるセンタタペット73とを有している。
ハウジング71は、シリンダヘッド23と一体化され、両タペット72、73の上死点位置およびサイドタペット73の下死点位置を規制するとともに、センタタペット73を吸気カム43aに対して臨ませる構造体である。
サイドタペット72は、略円筒形に形成されており、平面でみて前記カムシャフト41aと直交する直径方向に収容凹部72aを形成している。各壁部72bには、前記カムシャフト41aと平行な挿通孔72cが形成されている。各挿通孔72cには、有底のスリーブ状ホルダ75a、75bが、それぞれ開口部を対向させた姿勢で固定されている。各ホルダ75a、75bは、後述するように、センタタペット73のピン孔73aに収容されるピンユニット78を駆動するためのものである。一方のスリーブ状ホルダ75aの外側(他方のスリーブ状ホルダ75bの反対側)には、軸受76が固定されており、その転動体76aが、ハウジング71の内壁に形成された縦溝71a(図8、図9参照)に転がり接触している。この結果、サイドタペット72は、周方向の回動が規制された状態で、軸方向(吸気弁40を開閉する方向)沿いに移動可能になっている。サイドタペット72の下部には、バルブスプリング40dを受けるスプリングシート72dが固定されている。
他方、センタタペット73は、平面でみて前記サイドタペット72の収容凹部72aの輪郭に沿う「I」字形の構造体であり、前記収容凹部72aと、ハウジング71に設けられた係止部に規定されたストロークSにおいて、サイドタペット72に対し相対的に昇降可能に組み付けられ、前記吸気カム43aに臨んでいる。
センタタペット73は、サイドタペット72の収容凹部72aの底部に配置された一対のコイルばね77によって、常時、吸気カム43aの方へ付勢されている。このコイルばね77の付勢力は、バルブスプリング40dの付勢力よりも充分小さくなるよう、コイルばね77のばね係数が設定されている。このため、自由状態において、サイドタペット72の壁部72bの上面と、センタタペット73の上面とは、図8に示すように面一になっている。この自由状態において、センタタペット73には、前記挿通孔72cと同心に連通するピン孔73aが穿設されている。このピン孔73aには、ピンユニット78が収容されている。ピンユニット78は、前記一方のスリーブ状ホルダ75aの内に出没可能に設けられたロックプランジャ78aと、このロックプランジャ78aとスリーブ状ホルダ75aの間に介装されるコイルばね78bと、ロックプランジャ78aのコイルばね78bと反対側に同心に配置されたロックピン78cと、ロックピン78cを前記ロックプランジャ78a側に駆動するために前記他方のスリーブ状ホルダ75b内に進退可能に収容されるロック解除プランジャ78dと、ロックピン78cを支持するためにピン孔73aの両開口端に固定される一対のブッシュ78e、78fと、ロックピン78cの略中央部に一体形成されたフランジ78gと軸受76の配置されている側のブッシュ78eとの間に介装されて、フランジ78gを介し、ロックピン78cをロック解除プランジャ78d側へ付勢するコイルばね78hとを有している。自由状態において、ロックプランジャ78a、ロックピン78cは、それぞれ壁部72bと、センタタペット73との間に介在している。従って、この状態では、ロックプランジャ78a、ロックピン78cがセンタタペット73をサイドタペット72にロックした状態になり、センタタペット73が吸気カム43aに駆動されると、サイドタペット72を介して、吸気弁40のステム40aを押し下げ、吸気弁40を開くことになる。
他方、ロックピン78cのロックを解除するために、他方の壁部(軸受76が設けられた壁部72bと反対側の壁部)72bと、この壁部72bに固定されたスリーブ状ホルダ75bとには、作動油路PHが形成されている。後述するECU100の制御によって、この作動油路PHに作動油回路79から作動油が供給されると、ロック解除プランジャ78dが、図8、図9の左側に駆動されて、ロックピン78cを壁部72bからセンタタペット73へ押込み、これと同時にロックプランジャ78aも対応する壁部72b内に押込まれ、これらの部材によるロックが解除される。このロック解除状態において、センタタペット73が吸気カム43aに駆動されると、センタタペット73は、サイドタペット72の収容凹部72a内で昇降し、その力は、コイルばね77に吸収されて吸気弁40のステム40aには伝達されなくなる。この結果、ピンユニット78によるロックを解除することによって、いわゆるロストモーション機能を持たせ、吸気カム43aによる吸気弁40の開弁を停止させることが可能になる。作動油回路79には、電磁弁79aが設けられており、この電磁弁79aは、制御装置としてのECU100によって制御されるようになっている。
次に、図1、図2を参照して、排気システム50は、各気筒24に2つ一組で形成された排気通路24bに接続する二股状の分岐排気管51と、各分岐排気管51の下流端が集合するエキゾーストマニホールド52と、このエキゾーストマニホールド52から既燃ガスを排出する排気管53とを有している。排気管53には、酸素濃度センサ54が設けられている。
排気システム50は、前記排気通路24b毎に設けられた排気弁60を備えている。排気弁60も、一つの気筒24に対し、2つ一組で装備されている。そして、図3に示すように、排気システム50においても、一方の排気弁60には、上述した直動式のタペット61が採用されているとともに、他方の排気弁60には、ロストモーション機能を有するVVL70が装備されている。図3に示すように、吸気システム30に採用されたVVL70と、排気システム50に採用されたVVL70は、互いに気筒24を中心に対称系に配置されている。このため、後述するように、吸気弁40のVVL70が作動して、当該吸気弁40を閉弁させた際、開弁動作を行う吸気弁40に対して対角線上に位置する排気弁60を再開弁動作させることができるようになっている。
図1および図2を参照して、排気システム50に採用された動弁機構62は、伝動機構64と、伝動機構64を介しクランクシャフト21の駆動力で駆動されるカムシャフト62aと、カムシャフト62aに一体化されて、所定の位相で排気弁60のステム60aを異なる位相で駆動する二組のカム62b、62cと、これらカム62b、62cとバルブステム60aとの間に介在するVVL70とを有しており、残余の構成は、前記動弁機構41と同様になっている。これらカム62b、62cは、一方(図示の例ではカム62b)が排気行程において、気筒24内の既燃ガスを排出するために排気弁60を開く第1排気カムであり、他方(図示の例ではカム62c)が、後述する吸気弁40の開弁タイミングにおいて排気弁60を再度開いて、筒内に排気ガスを還流させる第2排気カムである。図示の例において、第1排気カム62bは、2つ一組の対をなしており、第2排気カム62cは、カムシャフト62aの軸方向において、第1排気カム62b、62b間に配置されている。
図10は図1の実施形態に係る排気弁に採用されたVVL70の正面断面図である。
同図に示すように、第1排気カム62bは、VVL70のサイドタペット72に接合しており、常時、排気弁60を開閉動作させる構成になっている。他方、第2排気カム62cは、センタタペット73上に接合しており、後述する制御により、再開弁動作を停止することができるようになっている。なお図10において、62dは排気弁60のバルブスプリングである。バルブスプリング60dも吸気弁40のバルブスプリング40dと同様に、コイルばね77の付勢力に対し、充分大きな付勢力を得られるようなばね係数に設定されている。
次に、図1、図2を参照して、前記吸気システム30、排気システム50の間には、過給機としてのターボチャージャ80と、排気された既燃ガスを吸気システム30に還流させる外部EGRシステム90とが設けられている。
ターボチャージャ80は、インテークマニホールド32とエキゾーストマニホールド52との間に形成された還流通路65に介在し、排気圧によって駆動されるタービンセクション81と、タービンセクション81によって駆動され、還流通路65の吸気側に新気を導入するコンプッサセクション82と、コンプレッサセクション82から導入された新気を冷却するインタークーラ83とを有しており、基本的には、従来から用いられているものをそのまま適用することが可能である。
外部EGRシステム90は、前記還流通路65に前記ターボチャージャ80と並列に接続され、EGRクーラー91と、EGR弁92と、EGR弁92を駆動するアクチュエータ93とを備えた公知のシステムである。
4サイクルガソリンエンジン10には、運転制御装置としてのECU100が設けられている。
図1を参照して、ECU100は、CPU101、メモリ102、インターフェース103並びにこれらのユニット101〜103を接続するバス104を有している。
ECU100のメモリ102には、図11〜図15の特性に基づく制御マップやデータ並びにプログラムが記憶されており、CPU101がこれら制御マップやデータ並びにプログラムを実行することによって、図2に示すように、運転状態を判定する運転状態判定手段110と、判定された運転状態に応じて吸気弁40の動弁機構41、62を制御するバルブ制御手段120とを機能的に有している。なお、バルブ制御手段120は、電磁弁79a、179aを駆動制御することにより、吸気システム30および排気システム50にそれぞれ採用されているVVL70のロックを切換制御するVVL制御手段121と、吸気システム30の動弁機構41に設けられたVCT42の電磁弁42eを制御するVCT制御手段122と、吸気システム30に設けられたVVE43のステッピングモータ43rを制御するVVE制御手段123とを機能的に備えている。
ECU100のバス104には、入力要素として、クランク角センサ27、エアフローセンサ34、酸素濃度センサ54、並びにアクセル開度センサ66が接続されている。他方、制御要素として、スロットル弁36のアクチュエータ37、動弁機構41のVCT42に設けられた電磁弁42e、各VVL70を駆動する作動油回路79、179の電磁弁79a、179a、吸気システム30に設けたVVE43のステッピングモータ43r、並びに外部EGRシステム90のアクチュエータ93が接続されている。
次に、ECU100に記憶されている制御特性について、図11〜図15を参照しながら説明する。
図11は、図1の実施形態に係る運転状態に応じた制御を行うための運転領域設定の一例を示す特性図である。
同図を参照して、ECU100に設定されている運転領域としては、いわゆる圧縮自己着火運転(図中にHCCIと表記)を行う領域Aと、この領域A以外の領域Bとが設定されている。領域Aは、比較的回転数neが低い低中回転領域において、所定のエンジン負荷以下の場合が設定されている。
領域Aでは、さらに、エンジン負荷が低負荷側の低負荷運転領域A1と、高負荷側の高負荷運転領域A2とに分けられており、両者の境界部分が中負荷運転領域A3となっている。
ECU100の運転状態判定手段110は、クランク角センサ27やアクセル開度センサ66等から、エンジンの運転状態を検出し、何れの運転状態にあるかを判定する。
図12および図13は、図11において、排気弁60の再開弁動作を行わせる領域Aと判定された場合の開弁動作の特性を示す特性図である。
各図を参照して、本実施形態においては、運転状態が領域Aにあると判定された場合、バルブ制御手段120は、吸気弁40を上死点付近で開弁して下死点よりも前に閉弁するようにしつつ、吸気行程の途中で排気弁60に再開弁動作を開始させ、下死点付近から圧縮行程初期にかけての期間内に排気弁60を閉弁させるように設定されている。
この設定に対する制御は、バルブ制御手段120のVVL制御手段121が、各動弁機構41、62の電磁弁79a、179aを、VVE制御手段123が、吸気システム30のVVE43を制御することにより実現される。
具体的には、運転領域が領域Aである場合、VVL制御手段121は、吸気システム30に採用されているVVL70のロックを解除して、専ら吸気カム43bのみによって、開弁動作するように制御するとともに、排気システム50に採用されているVVL70のロックを保持して、排気弁60による再開弁動作を行われるように制御する。また、VVE制御手段123は、吸気システム30に採用されているVVE43を制御することにより、吸気カム43bによる開弁量を無段階で変更するように制御する。
ここで、運転状態が低負荷運転領域A1および中負荷運転領域A3であると判定された場合、図12に示すように、吸気弁40のバルブリフト量(開弁量)Hは、小リフト量に設定される。排気弁60の再開弁動作時のバルブリフト量(開弁量)Hは、排気カム62cのカム形状により、吸気弁40が小リフト量に設定されているときと概ね同量のバルブリフト量に設定されている。この態様では、動弁機構41のVCT制御手段122は、吸気弁40を上死点(クランク角度CA=0°)付近で開弁動作させ、吸気行程が2/3(クランク角度CA=120°)経過した付近で閉弁動作させるように構成されている。また、VVE制御手段123は、図5(C)(D)、図6(B)で説明したように、VVE43のステッピングモータ43rを駆動制御することにより、バルブリフト量Hを小リフトに設定する。
他方、運転状態が高負荷運転領域A2であると判定された場合、図13に示すように、吸気弁40のバルブリフト量(開弁量)Hが大リフト量に設定される。この態様では、動弁機構41のVCT制御手段122は、吸気弁40を上死点(クランク角度CA=0°)付近で開弁動作させ、吸気行程が3/4(クランク角度CA=135°)経過後の下死点(クランク角度CA=180°)前(例えばクランク角度CA=150°)付近で閉弁動作させるように構成されている。また、VVE制御手段123は、図5(A)(B)、図6(A)で説明したように、VVE43のステッピングモータ43rを駆動制御することにより、バルブリフト量Hを大リフトに設定する。
このように、本実施形態のバルブ制御手段120は、エンジン負荷に応じ、排気弁60の再開弁動作を行わせる運転領域のうちの高負荷運転領域A2では低負荷運転領域A1および中負荷運転領域A3に比べて吸気弁40のバルブリフト量Hが大きくなるように吸気弁駆動手段としての動弁機構41を制御する制御手段を構成している。
ここで、本実施形態においては、低負荷運転領域A1では、一方の吸気弁40を閉弁手段としてのVVL70およびコントロール弁79aで停止させ、吸気カム43aのみがタペット61を駆動することによって、吸気動作を行うようにするとともに、開弁動作を行う吸気弁40に対して対角線上に位置する排気弁60(図3において、VVL70が配置されている側の排気弁60)を再開弁動作させるように動弁機構41およびVVE43を構成している。従って本実施形態では、低負荷運転領域A1においては、一方の吸気弁40を閉じるとともに、開弁動作を行う吸気弁40に対して対角線上に位置する排気弁60を再開弁動作させるので、吸気時にスワールが生じる。この結果、気筒24内の混合気の乱れが生じ、吸気通路24aから導入された新気と排気弁60から導入された既燃ガスとの混合が促進される。このため、速やかな温度上昇を図ることができ、より確実に圧縮自己着火を行うことが可能になる。また、乱れにより、燃料との混合も促進されるので、燃費が改善する他、リーン燃焼限界の向上にも寄与することになる。
なお、運転領域が領域Bであると判定された場合、VVL制御手段121は、吸気システム30に採用されているVVL70のロックを保持し、両吸気カム43a、43bによって、開弁動作するように制御するとともに、排気システム50に採用されているVVL70のロックを解除して、排気弁60による再開弁動作を制止する。これにより、一般的な運転モードを得ることが可能になる。
図12、図13のような設定で開弁動作を制御した場合、圧縮上死点付近での筒内温度Tp、ブースト圧P、充填効率ηv、内部EGR率mは、それぞれ図14および図15で示す特性になる。
図14は、ブースト圧Pを横軸として、圧縮上死点付近での筒内温度Tp、充填効率ηv、内部EGR率mの関係を示したグラフであり、図15は、充填効率ηvを横軸として、圧縮上死点付近での筒内温度Tp、ブースト圧Pの関係を示したグラフである。なお各グラフにおいて、添え字Lは、図12の特性に基づく低負荷運転領域A1および中負荷運転領域A3での運転状態、添え字Hは、図13の特性に基づく高負荷運転領域A2での運転状態の特性であることをそれぞれ示している。
図14に示すように、ブースト圧Pの変化割合と筒内温度Tpとの関係では、図12、図13の何れの特性においても、ブースト圧Pが高圧になるにつれて、筒内温度Tpが減少する特性なっているとともに、図13の特性を採用した場合の方が、筒内温度Tpが低くなり、図12の特性を採用した場合には、筒内温度Tpが高くなるようになっている。これは、図12の特性では、排気弁60の再開弁動作時に既燃ガスが気筒24内に導入されやすくなることによって、内部EGR率mが高まるため(図14の内部EGR率mL参照)、吸気行程において、吸気弁40が小リフト量で開弁することと相俟って、新気の導入量が制限され、筒内温度が上がりやすい傾向にあるからである。これによって、本実施形態では、低負荷運転領域A1および中負荷運転領域A3での筒内温度Tpを比較的高温に維持し、ポンピングロスを低減しつつ、確実な圧縮自己着火を実現することが可能になる。
他方、図13の特性では、吸気行程において、吸気弁40が大バルブリフト量で開弁するので、新気が導入されやすくなり、EGR率が相対的に低減されるからである。ここで本実施形態におけるECU100は、高負荷運転領域A2においては、多連スロットル弁36を閉じ気味にして、新気量を低減し、外部EGR率を高めるように設定されている。これにより、外部EGR手段としての外部EGRシステム90によって、比較的冷たい外部EGRガスを筒内に大量に導入することと相俟り、筒内温度Tpを低減し、ノッキングを抑制することができる。
また、図15を参照して、充填効率ηvとブースト圧Pとの関係で見ると、図12の特性では、内部EGR率mが高くなるため、高いブースト圧Pでも、低めの充填効率ηv(エンジン負荷相当)とすることができる。ここで本実施形態におけるECU100は、低負荷運転領域A1および中負荷運転領域A3においては、多連スロットル弁36を開き気味にするように設定されている。これにより、ポンピングロスを低減し、燃費の向上を図ることができることになる。
他方、図13の特性では、内部EGR率mが抑制されて、同一ブースト圧Pに対する充填効率ηvは高くなっており、新気による充填効率ηvが優先されている。そのため、大気圧に近い高いブースト圧Pにおいて、高めの充填効率ηvを確保することができる。従って、高負荷運転領域A2においては、吸気通路24aへの既燃ガスの吹き返しが抑制され、新気による冷却効果と相俟って、ノッキング防止を図ることができる。さらに本実施形態では、吸気弁40のバルブリフト量を大バルブリフトに変更することにより、外部EGRシステム90による比較的低温の外部EGRガスを大量に導入することができる結果、一層、ノッキングの抑制に寄与することになる。
ここで、図15の仮想線Psで示すように、本実施形態においては、上述したVVE43のステッピングモータ43rを無段階で制御し、エンジン負荷が漸増するに連れて、滑らかに図12の特性から図13の特性にシフトするように前記バルブ制御手段120のVVE制御手段123が設定されている。これにより、個々の運転状態に対して、最適な特性でエンジンの吸排気制御を実行することが可能になる。
以上説明したように、本実施形態においては、排気弁60を吸気行程で再開弁動作させるに当たり、排気弁駆動手段としての動弁機構62が吸気行程途中で開弁させ、下死点付近から圧縮行程初期にかけての期間内に閉弁させるので、新気が排気通路24bから排出されるのを抑制するとともに、吸気通路24a側へ既燃ガスが排出されるのを抑制しつつ、排気弁駆動手段としての動弁機構62によって、排気弁60が吸気行程途中で再開弁動作し、下死点付近から圧縮行程初期にかけての期間内に閉弁するので、この開弁動作において、排気行程で排出された既燃ガスを内部EGRガスとして比較的大量に気筒24内に導入することができる。これにより、ブースト圧P(吸気圧力)ができるだけ高い状態(大気圧側に寄った状態)で、充填効率ηvと内部EGR率mが変化する範囲を拡げて、エンジンの運転状態の変化に応じ、エンジン負荷に適した必要な充填効率ηvと適正な内部EGR率mを確保できる。その結果、ポンピングロスを低減しつつ、圧縮行程での圧縮自己着火性能を向上することができる。また、吸気行程において排気弁60を開く構成を採用しているので、排気弁60がピストンと干渉しないタイミングで内部EGRを実現することができる。従って、幾何学的な圧縮比を可及的に高めることが可能になる(例えば圧縮比=12)。そして、本実施形態では、このVVE43を制御手段としてのバルブ制御手段120(より詳細には、VVE制御手段123)が制御することにより、エンジン負荷に応じ、排気弁60の再開弁動作を行わせる運転領域Aのうちの高負荷運転領域A2では低負荷運転領域A1および中負荷運転領域A3に比べて吸気弁40のバルブリフト量Hが大きくなるので、ノッキングが生じやすい高負側ほど、内部EGRガスの導入量を減らして、筒内温度Tpの過剰上昇を抑制することが可能になる。この結果、圧縮自己着火が可能な領域を可及的に高負荷運転領域A2にまで拡げることが可能になる。
特に本実施形態では、排気弁60の再開弁動作を行わせる運転領域のうちの少なくとも高負荷運転領域A2では、吸気弁40のバルブリフト量Hを排気弁60の再開弁動作によるバルブリフト量Hよりも大きくなるように設定している。従って、本実施形態では、高負荷運転領域A2において、新気の充填量を確保することができるので、吸気通路24aへの既燃ガスの吹き返しを抑制しつつ、充填効率ηvを確保することができる。また、新気が大量に導入されるので、筒内温度Tpの低減をも図ることができ、ノッキングの抑制にも寄与する。
さらに本実施形態においては、図12、図13で説明したように、排気弁60の再開弁動作を行わせる運転領域A内で、吸気弁40のバルブリフト量Hを排気弁60の再開弁動作によるバルブリフト量H以上としつつ、両者の比率を運転状態に応じて変化させるようにしている。そのため本実施形態では、運転状態に応じて内部EGR率mと充填効率ηvとの調整を図ることができるので、高負荷側では、内部EGR率mを低減しつつ、充填効率ηvを高めることができるとともに、低負荷運転領域A1では、内部EGR率mを高めて筒内温度Tpの上昇を図り、圧縮自己着火性能を向上することが可能になる。従って、個々の運転領域に応じて、最適な内部EGR率m、充填効率ηvを維持することが可能になる。
また本実施形態においては、還流通路(外部EGR通路)65を介して冷却された排気ガスを吸気システム30に還流させる外部EGR手段としての外部EGRシステム90を備えるとともに、排気弁60の再開弁動作を行わせる運転領域のうちでノッキングが生じ易い運転領域、すなわち、高負荷運転領域A2では、外部EGRシステム90による内部EGR率mを増大させるようにしている。従って、本実施形態では、外部EGRシステム90によって、比較的冷たい外部EGRガスを気筒24に導入することにより、筒内温度Tpを低減し、ノッキングを抑制することができる。
さらに本実施形態のバルブ制御手段120は、図15で説明したように、排気弁60の再開弁動作を行わせる運転領域Aのうちの低負荷運転領域A1および中負荷運転領域A3では、高負荷運転領域A2に対して吸気弁40のバルブリフト量Hを小さくし、中負荷運転領域A3から高負荷運転領域A2に移行するにつれて吸気弁40のバルブリフト量Hを次第に増大させるように動弁機構41、62を制御するものである。本実施形態では、低負荷運転領域A1および中負荷運転領域A3では、充填効率ηvに対し、ブースト圧の変化割合が大きい特性になるものの、内部EGR率mを高め、筒内温度Tpの上昇による確実な圧縮自己着火の実現や、ポンピングロスの低減を図ることが可能になる。一方、高負荷運転領域A2では、充填効率ηvに対し、ブースト圧の変化割合が小さい特性にして、内部EGR率m並びにそれに伴う温度上昇を抑制することにより、ノッキングを防止しつつ、充填効率ηvを高めることが可能になる。ここで、本実施形態では、バルブ制御手段120が、中負荷運転領域A3から高負荷運転領域A2に移行するにつれて吸気弁40のバルブリフト量Hを次第に増大させるように動弁機構41、62を制御するので、筒内温度Tpと充填効率ηvとのバランスをスムーズに切換えて、運転状態に応じて最適な制御状態を得ることが可能になる。
以上説明したように、本実施形態によれば、4サイクルガソリンエンジン10で圧縮自己着火を実現するに当たり、機械的な圧縮比を可及的に高め、ブースト圧Pを可及的に高めながら充填効率ηvの変化幅を拡大することにより、エンジンの運転状態の変化に応じて、ポンピングロスの低減を図りつつ、圧縮自己着火やトルクの確保のために適した必要な充填効率ηvと適正な内部EGR率mとを確保するという顕著な効果を奏する。
上述した実施形態は、本発明の好ましい具体例に過ぎず、本発明は上述した実施形態に限定されない。
図16は、本発明の別の実施形態に係る気筒の一つを概略的に示す平面略図であり、図17は、同実施形態に対応する吸気システムの動弁機構を概略的に示す斜視図である。
まず、図16を参照して、図示の実施形態では、吸気弁40および排気弁60を1気筒当たり2弁ずつ設けるに当たり、吸気システム30については、VVLを採用せず、何れの吸気弁40にも直動式のタペット61が装備されている。他方、図17に示すように、各吸気弁40のタペット61を駆動する吸気カム43a、43bは、カムジャーナル43cを介して一体化されている。
この構成におけるVVE制御手段123は、領域Aでの運転時には、バルブリフト量Hを最大リフト量に設定し、領域Aでの運転時には、エンジン負荷に応じてバルブリフト量Hを増減するように構成される。
この構成では、図1の実施形態のように、スワール効果を持たせるような開弁動作はできないものの、吸気システム30にVVLやVVLを制御する油圧機構が不要となるので、ハード面で構成を簡略化し、コストを低減することが可能になる。
その他、本発明の特許請求の範囲内で種々の変更が可能であることは、いうまでもない。
本発明の実施の一形態に係る4サイクルガソリンエンジンの概略構成を示す構成図である。 図1に係るエンジン本体の一つの気筒とそれに対して設けられた吸排気弁等の構造を示す断面略図である。 図1の実施形態に係る気筒に設けられた吸気弁および排気弁の模式的な平面略図である。 図1の実施形態に係る動弁機構の具体的な構成を示す斜視図である。 図4のVVEの要部を示す断面図であり、(A)は大リフト制御状態においてリフト量が0のときを示し、(B)は大リフト制御状態においてリフト量が最大のときを示し、(C)は小リフト制御状態においてリフト量が0のときを示し、(D)は小リフト制御状態においてリフト量が最大のときを示している。 図5(B)(D)の制御状態を模式的に表わすものであり、(A)は大リフト制御位置、(B)は小リフト制御位置に対応している。 図1の実施形態に係るVVLの分解斜視図である。 同VVLの正面断面図である。 同VVLの平面断面図である。 図1の実施形態に係る排気弁に採用されたVVLの正面断面図である。 図1の実施形態に係る運転状態に応じた制御を行うための運転領域設定の一例を示す特性図である。 図11において、排気弁の再開弁動作を行わせる領域と判定された場合の開弁動作の特性を示す特性図である。 図11において、排気弁の再開弁動作を行わせる領域と判定された場合の開弁動作の特性を示す特性図である。 ブースト圧を横軸として、圧縮上死点付近での筒内温度、充填効率、EGR率の関係を示したグラフである。 充填効率を横軸として、圧縮上死点付近での筒内温度、ブースト圧の関係を示したグラフである。 本発明の別の実施形態に係る気筒の一つを概略的に示す平面略図である。 同実施形態に対応する吸気システムの動弁機構を概略的に示す斜視図である。
符号の説明
10 サイクルガソリンエンジン
20 エンジン本体
21 クランクシャフト
22 シリンダブロック
23 シリンダヘッド
24 気筒
24a 吸気通路
24b 排気通路
25 ピストン
26 燃焼室
27 クランク角センサ
28 燃料噴射弁
29 点火プラグ
29a 点火回路
30 吸気システム
40 吸気弁
41 動弁機構
50 排気システム
60 排気弁
62 動弁機構
62b カム(第1排気カムの一例)
62c カム(第2排気カムの一例)
70 VVL
90 外部EGRシステム
100 ECU(運転制御装置の一例)
110 運転状態判定手段
120 バルブ制御手段(制御手段の一例)
121 VVL制御手段
122 VCT制御手段
123 VVE制御手段
A 領域(再開弁動作を行わせる領域の一例)
A1 低負荷運転領域
A2 高負荷運転領域
A3 中負荷運転領域(境界部分)
P ブースト圧
H バルブリフト量
m 内部EGR率
ηv 充填効率

Claims (7)

  1. エンジンの所定運転領域において、排気弁を排気行程での開弁動作のほかに吸気行程で再度開弁させる再開弁動作により、内部EGRで筒内温度を高めて圧縮自己着火を行わせるようにした4サイクルガソリンエンジンにおいて、
    前記排気弁の再開弁動作時に吸気行程途中で開弁させ、下死点付近から圧縮行程初期にかけての期間内に閉弁させる排気弁駆動手段と、
    少なくとも前記排気弁の再開弁動作を行わせる運転領域で、吸気弁を上死点付近で開弁して下死点よりも前に閉弁するようにしつつ、吸気弁の開弁量を変更可能にする吸気弁駆動手段と、
    エンジン負荷に応じ、前記排気弁の再開弁動作を行わせる運転領域のうちの高負荷運転領域では低負荷運転領域に比べて吸気弁の開弁量が大きくなるように吸気弁駆動手段を制御する制御手段とを備えたことを特徴とする4サイクルガソリンエンジンの吸排気制御装置。
  2. 請求項1記載の4サイクルガソリンエンジンの吸排気制御装置において、
    前記排気弁の再開弁動作を行わせる運転領域のうちの少なくとも高負荷運転領域では、吸気弁の開弁量を排気弁の再開弁動作による開弁量よりも大きくなるように設定したことを特徴とする4サイクルガソリンエンジンの吸排気制御装置。
  3. 請求項2記載の4サイクルガソリンエンジンの吸排気制御装置において、
    前記排気弁の再開弁動作を行わせる運転領域内で、吸気弁1弁の開弁量を排気弁1弁の再開弁動作による開弁量以上としつつ、両者の比率を運転状態に応じて変化させるようにしたことを特徴とする4サイクルガソリンエンジンの吸排気制御装置。
  4. 請求項1乃至3の何れか1項に記載の4サイクルガソリンエンジンの吸排気制御装置において、
    外部EGR通路を介して冷却された排気ガスを吸気系に還流させる外部EGR手段を備えるとともに、前記排気弁の再開弁動作を行わせる運転領域のうちでノッキングが生じ易い運転領域では、前記外部EGR手段によるEGR量を増大させるようにしたことを特徴とする4サイクルガソリンエンジンの吸排気制御装置。
  5. 請求項1乃至4の何れか1項に記載の4サイクルガソリンエンジンの吸排気制御装置において、
    前記制御手段は、前記排気弁の再開弁動作を行わせる運転領域のうちの低負荷側の運転領域では高負荷運転領域に対して吸気弁の開弁量を小さくし、両運転領域の境界となる運転領域から高負荷側の運転領域に移行するにつれて吸気弁の開弁量を次第に増大させるように吸気弁駆動手段および排気弁駆動手段を制御することを特徴とする4サイクルガソリンエンジンの吸排気制御装置。
  6. 請求項1乃至5の何れか1項に記載の4サイクルガソリンエンジンの吸排気制御装置において、
    吸気弁および排気弁を1気筒当たり2弁ずつ設け、前記排気弁の再開弁動作を行わせる運転領域のうちの低負荷運転領域では、一方の吸気弁を閉弁手段で停止させるとともに、開弁動作を行う吸気弁に対して対角線上に位置する排気弁を再開弁動作させるように吸気弁駆動手段および排気弁駆動手段を構成したことを特徴とする4サイクルガソリンエンジンの吸排気制御装置。
  7. 請求項1乃至6の何れか1項に記載の4サイクルガソリンエンジンの吸排気制御装置において、
    前記排気弁駆動手段は、排気行程で排気弁を開く第1排気カムと、吸気行程で排気弁を開く第2排気カムと、第2排気カムから排気弁への駆動伝達を遮断可能とするロストモーション機構とを備え、
    前記吸気弁駆動手段は、吸気弁のバルブリフト量および開弁期間の少なくとも一方を無段階に変更可能とする開弁量可変機構を備えたことを特徴とする4サイクルガソリンエンジンの吸排気制御装置。
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