JP2002030767A - 平板瓦裏面の防水処理方法 - Google Patents

平板瓦裏面の防水処理方法

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JP2002030767A
JP2002030767A JP2000219163A JP2000219163A JP2002030767A JP 2002030767 A JP2002030767 A JP 2002030767A JP 2000219163 A JP2000219163 A JP 2000219163A JP 2000219163 A JP2000219163 A JP 2000219163A JP 2002030767 A JP2002030767 A JP 2002030767A
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JP2000219163A
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English (en)
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Yasuhiro Sakamoto
康宏 阪本
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Panasonic Electric Works Co Ltd
Original Assignee
Matsushita Electric Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 梱包時や施工前のブロッキングを生じさせ
ることなく、平板瓦の裏面に高い防水性を付与できる平
板瓦裏面の防水処理方法を提供する。 【解決手段】 平板瓦の裏面に、耐水性樹脂の塗膜か
らなる第一層を形成し、その上に2〜15重量%の撥水
剤を含有する塗膜からなる第二層を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この出願の発明は、平板瓦の
裏面の防水処理方法に関するものである。さらに詳しく
は、この出願の発明は、平板瓦の製造において、表面だ
けでなく、裏面にも防水性を付与して、平板瓦の反りの
発生を抑えるとともに、平板瓦の梱包時に平板瓦表−裏
面のブロッキングを生じさせない平板瓦裏面の防水処理
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】平板瓦は、住宅等の屋根材として一般的
に広く用いられている。従来、平板瓦は意匠性や耐候性
を向上させる目的で塗装が施されているが、表面のみに
施される場合が多く、防水性を付与する目的で、希に裏
面に塗装が施されても塗料が多孔質の平板瓦に含浸され
やすいため、塗膜厚さが薄く、平板瓦裏面に防水性を付
与するようなものではなかった。そのため、施工前に平
板瓦が現場で野積みされ、風雨に曝された場合には、し
ばしば平板瓦裏面からの吸水によって平板瓦の反りが発
生し、施工に支障を来たしていたのであった。
【0003】そこで、平板瓦裏面に十分な防水性を付与
するために、平板瓦の裏面に耐水性樹脂の塗膜を形成さ
せる方法が検討された。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、その後
の検討により、上記提案技術にも改善の余地が残されて
いることが明らかになった。つまり、上述のとおりに、
裏面に十分な防水性を有する耐水性樹脂塗膜を施した場
合に、製品となった平板瓦を5〜10枚を1束として積
み重ね、梱包した際、平板瓦表−裏面の塗膜が互いに高
い密着性を有するためにブロッキングするという新たな
問題が生じたのである。
【0005】そして、前記の平板瓦の反りやブロッキン
グの問題は、現場における作業性を低下させていたのが
実情である。したがって、平板瓦の裏面を防水処理する
方法であって、梱包時にブロッキングを生じさせること
なく、平板瓦の裏面に高い防水性を付与できる有効な防
水処理方法が望まれていたのである。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで、この出願の発明
は、上記の課題を解決するものとして、第1には、平板
瓦の裏面に、耐水性樹脂の塗膜からなる第一層を形成
し、その上に2〜15重量%の撥水剤を含有する塗膜か
らなる第二層を形成することを特徴とする平板瓦裏面の
防水処理方法を提供する。
【0007】第2には、この出願の発明は、上記平板瓦
裏面の防水処理方法において、第一層が撥水剤を含有す
る平板瓦の裏面防水処理方法を提供する。
【0008】
【発明の実施の形態】この出願の発明は、前記のとおり
の特徴を有するものであるが、以下、実施例を示しつ
つ、発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。
【0009】この出願の発明の平板瓦裏面の防水処理方
法では、平板瓦の裏面に、第一層として、耐水性樹脂の
塗膜からなる耐水性樹脂層を形成し、第二層として、2
〜15重量%の撥水剤を含有する塗膜からなる撥水層を
形成することにより、平板瓦裏面からの吸水を防ぎ、か
つ梱包時に平板瓦表−裏面の密着によるブロッキングの
発生を防止することができる。
【0010】この出願の発明の平板瓦裏面の防水処理方
法において、第一層(耐水性樹脂層)としては、アクリ
ル系、メタクリル系、塩化ビニル系、ウレタン系、フッ
素系等の種々の耐水性塗料の塗膜が適用される。好まし
くは、アクリル系、又は塩化ビニル系の塗料とする。こ
れらの塗料としては、様々なタイプのものが考慮され、
どのようなものであってもよい。例えば、樹脂がエマル
ジョンのように溶剤中に均一に分散されている分散液系
のものであっても、樹脂が溶剤に均一に溶解されている
溶液系のものであってもよく、さらには、水系であって
も、有機溶剤系であってもよい。
【0011】また、第一層におけるこれらの塗料の塗布
量や塗膜の厚さはとくに限定されないが、好ましくは、
固形分で2〜20g/m2を塗布し、それを乾燥して塗
膜とする。固形分があまり少ない場合には、塗料が平板
瓦裏面に浸透してしまい、塗膜が得られず、防水効果が
発揮されないことがある。反対に、固形分があまり多い
場合には、厚い塗膜となり、乾燥に時間を要したり、第
二層との密着性が低下したりしやすくなるため好ましく
ない。
【0012】一方、この出願の発明の平板瓦裏面の防水
処理方法において、第二層(撥水層)は、種々の塗料に
撥水剤を添加して得られる塗膜とする。使用される塗料
はとくに限定されないが、好ましくは、耐水性の高いア
クリル系、メタクリル系、塩化ビニル系、ウレタン系、
フッ素系等の塗料である。これらの塗料に添加する撥水
剤は、どのようなものであってもよく、例えば、油性ワ
ックス、水性ワックス、フッ素系撥水剤などが考慮され
る。これらの種々の撥水剤から、使用する塗料に均一に
溶解あるいは分散できるものを選択する。
【0013】第二層において、撥水剤の添加量は2〜1
5重量%とする。2重量%未満では、撥水性が十分に得
られず、梱包時に平板瓦表−裏面が密着しやすくなり、
ブロッキングが生じる。一方、撥水剤の添加量が15重
量%より多い場合には、撥水剤が塗料中に均一に混合さ
れにくくなり、安定な塗膜が形成されなくなるため好ま
しくない。
【0014】また、第二層の塗布量や塗膜の厚さは、と
くに限定されないが、固形分で2〜6mg/m2を第一
層の上に塗布し、乾燥させて塗膜を形成することができ
る。第二層は、少量でも第一層があるために、平板瓦裏
面に浸透することはなく、また、撥水剤を含有している
ために、薄い膜でも十分な防水性を付与することができ
る。
【0015】以上のとおりの第一層、および第二層から
なる塗膜を平板瓦裏面に形成することにより、施工前や
施工中、あるいは施工後の平板瓦への裏面からの雨水等
の浸透が効果的に防止できる。また、第二層に撥水剤を
含有させることにより、梱包時に平板瓦が積み重ねられ
ても、平板瓦表−裏面の密着によるブロッキングが防止
できるのである。
【0016】この出願の発明の平板瓦裏面の防水処理方
法は、以上のとおりの第一層(耐水性樹脂層)と第二層
(撥水層)をそれぞれ平板瓦裏面に形成するものである
が、第一層の耐水性樹脂層に、撥水剤を添加し、撥水性
を付与してもよい。このとき、耐水性樹脂層には前記の
とおりに、耐水性の高いアクリル系、メタクリル系、塩
化ビニル系、ウレタン系、フッ素系等の種々の塗料が適
用できる。また、撥水剤としては、油性ワックス、水性
ワックス、フッ素系撥水剤などから、使用する塗料に均
一に混合されるものを選択できる。撥水剤の添加量とし
ては、2〜15重量%とすることが好ましい。これは、
前述の通り、2重量%未満では十分な撥水性が発揮され
ず、15重量%よりも多い場合には、撥水剤が塗料に均
一に混合されにくくなり、安定な塗膜が形成されないた
めである。
【0017】さらに、第一層に撥水剤を添加し、撥水・
耐水性樹脂層とする場合には、塗膜の厚さは、固形分で
2〜6g/m2塗布し、乾燥して塗膜を得ることが好ま
しい。前記のとおり、撥水剤を添加した塗膜は、高い防
水性を有するため、第一層に撥水剤を添加しない場合よ
りも薄い塗膜とすることができるのである。
【0018】つまり、この出願の発明の平板瓦裏面の防
水処理方法では、第一層と第二層の両方が撥水剤を含有
する場合には、防水性が向上され、塗膜のブロッキング
が防止できるだけでなく、より薄い塗膜で高い防水効果
を得ることが可能となるため、好ましい。
【0019】以下、実施例を示し、この発明の実施の形
態についてさらに詳しく説明する。もちろん、この発明
は以下の例に限定されるものではなく、細部については
様々な態様が可能であることは言うまでもない。
【0020】
【実施例】実施例1〜3 平板瓦裏面の防水処理効果 (実施例1) 松下電工社製平板瓦(F−20)の裏面
に、原液濃度約50重量%の水系アクリル塗料(BAS
F社製 YJ6180)を固形分塗布量2g/m 2とな
るように水で希釈し、ロールコーターで塗布して第一層
とした。
【0021】乾燥後、得られた塗膜上に、第一層と同じ
水系アクリル塗料(BASF社製YJ6180)に撥水
剤(日本特殊塗料社製ワックス ND2)を2重量%添
加した後、固形分塗布量2g/m2となるように水で希
釈してロールコーターで塗布し、第二層とした。
【0022】得られた裏面防水処理済みの平板瓦を15
0mm角に切断し、切断木口及び表面をシールして、水
深10mmで裏面吸水率を測定した。また、切断しない
製品サイズの平板瓦を裏面を上向きにして置き、その上
から1.5L/分の水をシャワー散水して、経時的に反
り量を測定した際の最大値を求めた。 (実施例2、3) 実施例1と同様の方法で表1に示し
た条件にしたがって、第一層、第二層を形成し、平板瓦
裏面の防水処理を行なった。
【0023】さらに、実施例1と同様の方法で裏面吸水
率と反り量を測定した。比較例1〜3 平板瓦裏面の防水処理効果 (比較例1) 実施例1〜3と同じ平板瓦の裏面に、防
水処理を施さずに実施例1と同様の方法で裏面吸水率と
反り量を測定した。 (比較例2〜3) 実施例1〜3と同じ平板瓦の裏面
に、表1に示した条件にしたがって第一層、第二層を形
成した。
【0024】得られた平板瓦の裏面について、裏面吸水
率と反り量を測定した。
【0025】
【表1】 表1より、第二層に2〜15重量%の撥水剤を含有する
平板瓦(実施例1、2)において、裏面からの吸水が防
止され、吸水による平板瓦の反り量も小さく抑えられる
ことが確認された。
【0026】また、第一層と第二層の両方に撥水剤を有
する平板瓦(実施例3)では、とくに裏面吸水率や反り
量が小さかった。一方、裏面に防水処理を施さない平板
瓦(比較例1)や、第二層に撥水剤を有さない平板瓦
(比較例2)では裏面からの吸水率は、3.5%以上と
大きく、瓦の反りも10mm以上と大きかった。
【0027】さらに、第二層の撥水剤の添加量が15重
量%より多い場合(比較例3)には、第二層の塗膜が安
定に形成されず、部分的に剥離が見られた。したがっ
て、十分な防水効果が得られないことが確認された。
【0028】また、上記平板瓦を10枚積み重ねてブロ
ッキングの発生状況を調べたところ、実施例1〜3およ
び比較例1の平板瓦においては、ブロッキングの発生が
全く認められなかったが、比較例2の平板瓦において
は、平板瓦表−裏面が全面にわたって密着してブロッキ
ングの発生が認められ、比較例3の平板瓦においては、
部分的にブロッキングの発生が認められた。
【0029】
【発明の効果】以上詳しく説明した通り、この出願の発
明の平板瓦裏面の防水処理方法によって、平板瓦裏面か
らの吸水が防止され、それにより平板瓦の反りの発生が
抑えられる。さらに、梱包時に平板瓦を積み重ねた場合
にも平板瓦表−裏面の密着が起こらないため、ブロッキ
ングも防止される。
【0030】したがってこの出願の発明の平板瓦裏面の
防水処理方法を用いることにより、現場施工時に降雨に
よる平板瓦の反りやブロッキングが生じなくなり、作業
性が向上される。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平板瓦の裏面に、耐水性樹脂の塗膜から
    なる第一層を形成し、その上に2〜15重量%の撥水剤
    を含有する塗膜からなる第二層を形成することを特徴と
    する平板瓦裏面の防水処理方法。
  2. 【請求項2】 第一層が2〜15重量%の撥水剤を含有
    する請求項1の平板瓦裏面の防水処理方法。
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