JP2002030422A - 成膜装置 - Google Patents

成膜装置

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JP2002030422A
JP2002030422A JP2000210189A JP2000210189A JP2002030422A JP 2002030422 A JP2002030422 A JP 2002030422A JP 2000210189 A JP2000210189 A JP 2000210189A JP 2000210189 A JP2000210189 A JP 2000210189A JP 2002030422 A JP2002030422 A JP 2002030422A
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Toshiyuki Sakami
俊之 酒見
Itsushi Iio
逸史 飯尾
Akira Miyoshi
陽 三好
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 材料タブレットとガイド部材の固着を防止す
ること等によって、安定した成膜を可能にする成膜装置
を提供すること。 【解決手段】 材料ロッド53を案内するガイド部材2
51の内側にステンレス鋼製の内側層251cを設けて
いるので、材料ロッド53が比較的均一かつ高温に維持
される。これにより、材料ロッド53が比較的均等に消
費され、材料ロッド53の上面53aが比較的平坦なも
のとなって均一で安定した成膜が可能になる。さらに、
ガイド部材251の先端近傍で磁力線がステンレス鋼製
の内側層251cに引き寄せられ、ガイド部材251の
先端の直上方でプラズマビームPBを広げるので、材料
ロッド53の上面53aが比較的均一に加熱され、安定
した成膜が可能になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術の分野】本発明は、プラズマビーム
を用いて基板上に透明導電膜等を形成するための成膜装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】プラズマビームを用いる成膜装置とし
て、例えば特開平9−194232号公報に開示のイオ
ンプレーティング装置がある。このイオンプレーティン
グ装置では、圧力勾配型のプラズマガンからのプラズマ
ビームをハースに導き、ハースに設けた中空コーン状の
ガイド部材に通したインジウム及び錫の酸化物(IT
O)からなる材料タブレットの上端を昇華させつつこれ
を徐々に押し上げる。材料タブレット上端から出射した
蒸発物質は、プラズマビーム中でイオン化され、イオン
化した材料粒子がハースと対向して搬送される基板の表
面に付着し、ここにITO膜が形成される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のような成膜装置
では、ハースとして、通常は導電性及び熱伝導率の高い
銅を用いるが、銅は比較的低温でもインジウムと反応し
やすい性質を有するため、材料タブレットがハースのガ
イド部材の内面に固着して材料タブレットを押し上げる
ことが困難になる場合がある。
【0004】一方、ガイド部材が過度に冷却されると、
材料タブレットの中央と周辺との間で温度差が生じるこ
とになり、材料タブレット中央部のみが深く掘れて安定
な成膜が困難になる場合がある。
【0005】さらに、プラズマビームがガイド部材に対
して偏って若しくは集中して入射する場合があり、この
ような場合、材料タブレットが偏心して窪む片掘れが生
じ、安定な成膜に支障が生じる場合がある。
【0006】そこで、本発明は、材料タブレットとガイ
ド部材の固着を防止し、また材料タブレットが不均一に
掘れることを防止して、安定した成膜を可能にする成膜
装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明の成膜装置は、プラズマビームを成膜室中に
供給するプラズマ源と、成膜室中に配置されプラズマビ
ームを導くハースと、ハースに材料蒸発源として膜材料
を連続的に供給する材料供給装置とを備える成膜装置で
あって、ハースが、上部に膜材料を通す貫通孔を有する
環状のガイド部材を備え、このガイド部材が、外側の本
体層と、この本体層よりも膜材料に対して相対的に反応
しにくい材料で形成された内側層とを有する。
【0008】この場合、ガイド部材が、外側の本体層
と、この本体層よりも膜材料に対して相対的に反応しに
くい材料で形成された内側層とを有するので、成膜中に
膜材料がガイド部材の内側に付着することを防止しつ
つ、ガイド部材全体としての冷却能力や導電性等を維持
することができる。
【0009】また、本発明の別の成膜装置は、プラズマ
ビームを成膜室中に供給するプラズマ源と、成膜室中に
配置されプラズマビームを導くハースと、ハースに材料
蒸発源として膜材料を連続的に供給する材料供給装置と
を備える成膜装置であって、ハースが、上部に膜材料を
通す貫通孔を有する環状のガイド部材を備え、このガイ
ド部材が、外側の本体層と、この本体層よりも相対的に
熱伝導率の低い材料で形成された内側層とを有する。
【0010】この場合、内側層が本体層よりも相対的に
熱伝導率の低い材料で形成されているので、膜材料から
ガイド部材への放熱を比較的緩やかなものとして膜材料
の温度を比較的均一な温度に維持することができる。よ
って、例えば棒状の膜材料が比較的均等な深さで掘れる
ようになり、均一で安定しかつ迅速な成膜が可能にな
る。
【0011】上記装置の好ましい態様では、前記内側層
が、前記本体層よりも相対的に耐熱温度の高い材料で形
成されている。
【0012】この場合、前記内側層が前記本体層よりも
相対的に耐熱温度の高い材料で形成されているので、膜
材料の温度が比較的高くなっても、ガイド部材が破損し
たり、膜材料とガイド部材とが反応することを防止でき
る。
【0013】また、上記装置の好ましい態様では、本体
層が銅からなり、内側層がステンレス鋼からなる。
【0014】この場合、膜材料がガイド部材の内側に付
着することを効果的に防止することができ、膜材料中の
温度分布の均一化が容易となる。また、内側層が磁性体
であるステンレス鋼で形成されることになるので、ガイ
ド部材の先端近傍で磁力線が膜材料を取り巻く磁性体に
引き寄せられ、ガイド部材の先端の直上方でプラズマビ
ームを比較的均一に広げることになる。この結果、膜材
料の上面が比較的均一に加熱され、膜材料が均一に消費
され、安定した成膜が可能になる。
【0015】また、本発明のさらに別の成膜装置は、プ
ラズマビームを成膜室中に供給するプラズマ源と、成膜
室中に配置されプラズマビームを導くハースと、ハース
に材料蒸発源として膜材料を連続的に供給する材料供給
装置とを備える成膜装置であって、ハースが、上部に膜
材料を通す貫通孔を有する環状のガイド部材と、このガ
イド部材の上部外周に設けた磁性材料からなる磁性部材
とを備える。
【0016】この場合、磁性材料からなる磁性部材をガ
イド部材の上部外周に設けているので、ガイド部材の先
端近傍で磁力線がガイド部材を取り巻く磁性部材に引き
寄せられ、ガイド部材の先端の直上方でプラズマビーム
を比較的均一に広げることになる。この結果、膜材料の
上面が比較的均一に加熱され、膜材料の上部が均一に消
耗し、安定した成膜が可能になる。
【0017】また、上記装置の好ましい態様では、ハー
スの周囲に環状に配置された磁石、又は磁石及びコイル
からなりハースの近接した上方の磁界を制御する磁場制
御部材をさらに備え、プラズマ源は、アーク放電を利用
した圧力勾配型のプラズマガンである。
【0018】この場合、磁場制御部材によってハースに
入射するプラズマビームをカスプ状磁場で修正してより
均一な厚みの膜を形成することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】〔第1実施形態〕図1は、第1実
施形態の成膜装置の全体構造を概略的に説明する図であ
る。この成膜装置は、成膜室である真空容器10と、真
空容器10中にプラズマビームPBを供給するプラズマ
源であるプラズマガン30と、真空容器10内の底部に
配置されてプラズマビームPBが入射する陽極部材50
と、成膜の対象である液晶ガラス板等の基板を保持する
基板保持部材WHを陽極部材50の上方で適宜移動させ
る搬送機構60とを備える。
【0020】プラズマガン30は、特開平9−1942
32号公報等に開示の圧力勾配型のプラズマガンであ
り、その本体部分は、真空容器10の側壁に設けられた
筒状部12に装着されている。この本体部分は、陰極3
1によって一端が閉塞されたガラス管32からなる。ガ
ラス管32内には、モリブデンMoで形成された円筒3
3が陰極31に固定されて同心に配置されており、この
円筒33内には、LaB 6で形成された円盤34とタン
タルTaで形成されたパイプ35とが内蔵されている。
ガラス管32の両端部のうち陰極31とは反対側の端部
と、真空容器10に設けた筒状部12の端部との間に
は、第1及び第2中間電極41、42が同心で直列に配
置されている。一方の第1中間電極41内には、プラズ
マビームPBを収束するための環状永久磁石44が内蔵
されている。第2中間電極42内にも、プラズマビーム
PBを収束するための電磁石コイル45が内蔵されてい
る。なお、筒状部12の周囲には、陰極31側で発生し
て第1及び第2中間電極41、42まで引き出されたプ
ラズマビームPBを真空容器10内に導くステアリング
コイル47が設けられている。
【0021】プラズマガン30の動作は、図示を省略す
るガン駆動装置によって制御されている。これにより、
陰極31への給電をオン・オフしたりこれへの供給電圧
等を調整することができ、さらに第1及び第2中間電極
41、42、電磁石コイル45、及びステアリングコイ
ル47への給電を調整することができる。つまり、真空
容器10中に供給されるプラズマビームPBの強度や分
布状態を制御することができるようになる。
【0022】なお、プラズマガン30の最も内心側に配
置されるパイプ35は、プラズマビームPBのもととな
るAr等のキャリアガスをプラズマガン30ひいては真
空容器10中に導入するためものであり、流量計93及
び流量調節弁94を介してキャリアガス源90に接続さ
れている。
【0023】真空容器10中の下部に配置された陽極部
材50は、プラズマビームPBを下方に導く主陽極であ
るハース51と、その周囲に配置された環状の補助陽極
52とからなる。
【0024】前者のハース51は、導電材料で形成され
るとともに、接地された真空容器10に図示を省略する
絶縁物を介して支持されている。このハース51は、適
当な正電位に制御されており、プラズマガン30から出
射したプラズマビームPBを下方に吸引する。なお、ハ
ース51は、プラズマガン30からのプラズマビームP
Bが入射する中央部に、材料蒸発源である棒状の材料ロ
ッド53が装填されている貫通孔51aを有している。
この材料ロッド53は、膜材料である酸化インジウムの
粉末と酸化錫との粉末とを焼結して固めたものであり、
プラズマビームPBからの電流によって加熱されて昇華
し、基板上にITO膜を形成するための材料蒸気を発生
する。真空容器10下部に設けた材料供給装置58は、
材料ロッド53を次々にハース51の貫通孔51aに装
填するとともに、装填した材料ロッド53を徐々に上昇
させる構造となっており、材料ロッド53の上端が蒸発
して消耗しても、この上端をハース51の凹部から常に
一定量だけ突出させることができる。
【0025】後者の補助陽極52は、ハース51の周囲
にこれと同心に配置された環状の容器により構成されて
いる。この環状容器内には、フェライト等で形成された
環状の永久磁石55と、これと同心に積層されたコイル
56とが収納されている。これら永久磁石55及びコイ
ル56は、磁場制御部材であり、ハース51の直上方に
カスプ状磁場を形成する。これにより、ハース51に入
射するプラズマビームPBの向き等を修正することがで
きる。
【0026】補助陽極52内のコイル56は電磁石を構
成し、図示を省略する陽極電源装置から給電されて、永
久磁石55により発生する中心側の磁界と同じ向きにな
るような付加的磁界を形成する。これにより、コイル5
6に供給する電流を変化させることができ、ハース51
に入射するプラズマビームPBの向きの微調整が可能に
なる。
【0027】補助陽極52の容器も、ハース51と同様
に導電性材料で形成される。この補助陽極52は、ハー
ス51に対して図示を省略する絶縁物を介して取り付け
られている。補助陽極52に印加する電圧変化させるこ
とによってハース51の上方の電界を補的に制御でき
る。すなわち、補助陽極52の電位をハース51と同じ
にすると、プラズマビームPBもこれに引き寄せられて
ハース51へのプラズマビームPBの供給が減少する。
一方、補助陽極52の電位を真空容器10と同じ程度に
下げると、プラズマビームPBがハース51に引き寄せ
られて材料ロッド53が加熱される。
【0028】搬送機構60は、搬送路61内に水平方向
に等間隔で配列されて基板保持部材WHの端部を支持す
る複数のコロ62と、これらのコロ62を適当な速度で
回転させて基板保持部材WHを一定速度で移動させる駆
動装置(図示を省略)とを備える。
【0029】酸素ガス供給装置71は、真空容器10に
適当なタイミングで適当な量の酸素ガスを供給するため
のものである。酸素ガスを収容する酸素ガス源71aか
らの供給ラインは、流量調節弁71b及び流量計71c
を介して真空容器10に接続されている。キャリアガス
供給装置72は、真空容器10に適当なタイミングで適
当な量のキャリアガスを供給するためのものである。キ
ャリアガス源90から分岐されたキャリアガスは、キャ
リアガス供給装置72の流量調節弁72b及び流量計7
2cを介して真空容器10に直接導入される。なお、排
気装置76は、排気ポンプ76bにより、真空ゲート7
6aを介して真空容器10内のガスを適宜排気する。
【0030】図2は、ハース51のより詳細な構造を説
明する側方断面図である。ハース51は、冷却用のキャ
ビティCを備えるベース部材151と、ベース部材15
1上に固定されるコーン状のガイド部材251とを備え
る。ベース部材151とガイド部材251とは、それぞ
れに設けた開口151a、251aの中心を一致させて
固定されている。これにより、ハース51の中心に材料
ロッド53を上方に繰り出すための円筒状の貫通孔51
aが形成される。
【0031】ベース部材151は、銅製で、高い熱伝導
度と導電性を有し、キャビティCに供給される冷却水に
よって冷却される。
【0032】ガイド部材251は、外側の本体層251
bと、開口251a側の内側層251cとからなる。前
者の本体層251bは、銅製で、高い熱伝導度と導電性
を有し、ベース部材151と電気的及び機械的に接続さ
れて適当な電位及び温度に維持される。一方、内側層2
51cは、例えばSUS430等のステンレス鋼製で、
高い耐熱性を有するが、銅製の本体層251bよりも熱
伝導度や導電性の点で多少劣る。このため、プラズマビ
ームPBによって材料ロッド53が加熱されると、内側
層251cがバリアとなって放熱をある程度制限するの
で、材料ロッド53が比較的均一かつ高温に維持され
る。このように、材料ロッド53が均一に加熱される
と、材料ロッド53が比較的均等に消費されることにな
り、材料ロッド53の上面53aが比較的平坦なものと
なるので、均一で安定した成膜が可能になる。しかも、
材料ロッド53を高温にすることで、成膜速度を増加さ
せることができる。また、内側層251cがステンレス
鋼で形成されているので、材料ロッド53が加熱されて
も内側層251cに付着しにくい。さらに、内側層25
1cがステンレス鋼で形成されているので、ガイド部材
251の先端近傍で磁力線が内側層251cに引き寄せ
られ、ガイド部材251の先端の直上方で磁束密度が減
少してプラズマビームPBが広げられる。この結果、材
料ロッド53の上面53aが比較的均一に加熱され、安
定した成膜が可能になる。
【0033】図3は、ガイド部材251の先端近傍にお
ける磁力線の分布を概念的に説明する図である。図から
も明らかなように、上方からガイド部材251に入射す
る磁力線は、磁性体である内側層251cに収束するの
で、ガイド部材251上方の磁束密度が均一に低下す
る。つまり、ガイド部材251上方でプラズマビームP
Bが広げられ、材料ロッド53上部が成膜に伴って偏っ
て窪む片掘れを防止することができる。
【0034】以下、図1に示す成膜装置の動作について
説明する。この成膜装置による成膜時には、プラズマガ
ン30の陰極31と真空容器10内のハース51との間
で放電を生じさせ、これによりプラズマビームPBを生
成する。このプラズマビームPBは、ステアリングコイ
ル47と補助陽極52内の永久磁石55等とにより決定
される磁界に案内されてハース51に到達する。ハース
51の材料ロッド53は、プラズマビームPBからの電
流により加熱され、材料ロッド53の先端が昇華してこ
こから膜材料の蒸気が安定して出射する。この蒸気は、
プラズマビームPBによりイオン化され、例えば負電圧
が印加された基板の表面に付着して被膜を形成する。
【0035】上記成膜装置では、材料ロッド53を案内
するガイド部材251の内側にステンレス鋼製の内側層
251cを設けているので、成膜に際してプラズマビー
ムPBによって材料ロッド53が加熱されると、内側層
251cが放熱をある程度制限する。この結果、材料ロ
ッド53が比較的均一かつ高温に維持されて、比較的均
等に消費され、材料ロッド53の上面53aが比較的平
坦なものとなって均一で安定した成膜が可能になる。こ
の際、ステンレス製の内側層251cには、材料ロッド
53が付着しにくいので、材料ロッド53の円滑な供給
が可能になる。さらに、ガイド部材251の先端近傍で
磁力線がステンレス鋼製の内側層251cに引き寄せら
れ、ガイド部材251の先端の直上方でプラズマビーム
PBを広げるので、材料ロッド53の上面53aが比較
的均一に加熱され、さらに安定した成膜が可能になる。
【0036】〔第2実施形態〕図4は、第2実施形態に
係る成膜装置の要部を説明する図である。なお、第2実
施形態の成膜装置は、第1実施形態の成膜装置の変形例
であり、同一部分には同一の符号を付して重複説明を省
略する。
【0037】この場合、ハース51は、ベース部材15
1上に固定されるガイド部材551の上部外周に、磁性
材料からなる環状の磁性部材651を備える。前者のガ
イド部材551は、銅製で、ベース部材151と電気的
及び機械的に接続されて適当な電位及び温度に維持され
る。後者の磁性部材651は、ステンレス鋼製で、ガイ
ド部材551の先端近傍の磁力線を引き寄せるので、ガ
イド部材251の先端の直上方で磁束密度が減少してプ
ラズマビームPBが広げられる。この結果、材料ロッド
53の上面53aが比較的均一に加熱され、安定した成
膜が可能になる。
【0038】以上、実施形態に即して本発明を説明した
が、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
例えば、他の膜材料として、SiO2、MgO等の酸化
物を用いて成膜を行う場合にも、ガイド部材251の内
側にステンレス鋼製の内側層251cを設けることによ
って、材料ロッド53の付着を防止しつつ材料ロッド5
3の上面53aを平坦なものとすることができ、均一で
安定した成膜が可能になる。
【0039】また、内側層251cの厚さや磁性部材6
51の形状や配置も、適宜設定を変更することができ
る。
【0040】また、内側層251cの材料は、必ずしも
SUS430等の磁性体に限るものではなく、他の磁性
を有しない材料(例えばSUS304)とすることがで
きる。さらに、磁性部材651の材料も、ステンレス鋼
に限るものではなく、鉄等の他の材料とすることができ
る。
【0041】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の成膜装置によれば、ガイド部材が外側の本体層とこの
本体層よりも膜材料に対して相対的に反応しにくい材料
で形成された内側層とを有するので、成膜中に膜材料が
ガイド部材の内側に付着することを防止しつつ、ガイド
部材全体としての冷却能力や導電性等を維持することが
できる。
【0042】また、本発明の別の成膜装置によれば、内
側層が本体層よりも相対的に熱伝導率の低い材料で形成
されているので、膜材料からガイド部材への放熱を比較
的緩やかなものとして膜材料の温度を比較的均一な温度
に維持することができる。よって、例えば棒状の膜材料
が比較的均等な深さで掘れるようになり、均一で安定し
かつ迅速な成膜が可能になる。
【0043】また、本発明のさらに別の成膜装置によれ
ば、磁性材料からなる磁性部材をガイド部材の上部外周
に設けているので、ガイド部材の先端近傍で磁力線がガ
イド部材を取り巻く磁性部材に引き寄せられ、ガイド部
材の先端の直上方でプラズマビームを比較的均一に広げ
ることになる。この結果、膜材料の上面が比較的均一に
加熱され、膜材料の上部が均一に消耗し、安定した成膜
が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の成膜装置の全体構造を説明する
図である。
【図2】図1の成膜装置に組み込まれるハースの構造を
説明する側方断面図である。
【図3】ガイド部材の先端近傍における磁力線の分布を
概念的に説明する図である。
【図4】第2実施形態の成膜装置に組み込まれるハース
の構造を説明する側方断面図である。
【符号の説明】
10 真空容器 30 プラズマガン 31 陰極 47 ステアリングコイル 50 陽極部材 51 ハース 52 補助陽極 53 材料ロッド 55 永久磁石 56 コイル 60 搬送機構 62 コロ 90 キャリアガス源 251 ガイド部材 251b 本体層 251c 内側層 651 磁性部材 WH 基板保持部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 飯尾 逸史 愛媛県新居浜市惣開町5番2号 住友重機 械工業株式会社新居浜製造所内 (72)発明者 三好 陽 愛媛県新居浜市惣開町5番2号 住友重機 械工業株式会社新居浜製造所内 Fターム(参考) 4K029 BA50 BC09 CA03 DB12 DB13 DB15 DD06 4M104 AA09 AA10 BB36 CC01 DD44 DD48 EE15 GG20 HH20

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラズマビームを成膜室中に供給するプ
    ラズマ源と、前記成膜室中に配置され前記プラズマビー
    ムを導くハースと、前記ハースに材料蒸発源として膜材
    料を連続的に供給する材料供給装置とを備える成膜装置
    であって、 前記ハースは、上部に前記膜材料を通す貫通孔を有する
    環状のガイド部材を備え、当該ガイド部材は、外側の本
    体層と、当該本体層よりも前記膜材料に対して相対的に
    反応しにくい材料で形成された内側層とを有することを
    特徴とする成膜装置。
  2. 【請求項2】 プラズマビームを成膜室中に供給するプ
    ラズマ源と、前記成膜室中に配置され前記プラズマビー
    ムを導くハースと、前記ハースに材料蒸発源として膜材
    料を連続的に供給する材料供給装置とを備える成膜装置
    であって、 前記ハースは、上部に前記膜材料を通す貫通孔を有する
    環状のガイド部材を備え、当該ガイド部材は、外側の本
    体層と、当該本体層よりも相対的に熱伝導率の低い材料
    で形成された内側層とを有することを特徴とする成膜装
    置。
  3. 【請求項3】 前記内側層は、前記本体層よりも相対的
    に耐熱温度の高い材料で形成されていることを特徴とす
    る請求項2記載の成膜装置。
  4. 【請求項4】 前記本体層は銅からなり、前記内側層は
    ステンレス鋼からなることを特徴とする請求項1乃至3
    のいずれか記載の成膜装置。
  5. 【請求項5】 プラズマビームを成膜室中に供給するプ
    ラズマ源と、前記成膜室中に配置され前記プラズマビー
    ムを導くハースと、前記ハースに材料蒸発源として膜材
    料を連続的に供給する材料供給装置とを備える成膜装置
    であって、 前記ハースは、上部に前記膜材料を通す貫通孔を有する
    環状のガイド部材と、当該ガイド部材の上部外周に設け
    た磁性材料からなる磁性部材とを備えることを特徴とす
    る成膜装置。
  6. 【請求項6】 前記ハースの周囲に環状に配置された磁
    石、又は磁石及びコイルからなり前記ハースの近接した
    上方の磁界を制御する磁場制御部材をさらに備え、前記
    プラズマ源は、アーク放電を利用した圧力勾配型のプラ
    ズマガンであることを特徴とする請求項1乃至5のいず
    れか記載の成膜装置。
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