JP2002030066A - N−(メルカプトアシル)アミノ酸と、その製造方法と、その治療での使用と、それを含む医薬組成物 - Google Patents

N−(メルカプトアシル)アミノ酸と、その製造方法と、その治療での使用と、それを含む医薬組成物

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JP2002030066A
JP2002030066A JP2001155490A JP2001155490A JP2002030066A JP 2002030066 A JP2002030066 A JP 2002030066A JP 2001155490 A JP2001155490 A JP 2001155490A JP 2001155490 A JP2001155490 A JP 2001155490A JP 2002030066 A JP2002030066 A JP 2002030066A
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alkyl
acetylthiomethyl
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Marie-Claude Fournie-Zaluski
フールニ−ザルスキィ,マリー−クロード
Bernard Pierre Roques
ベルナール,ピエール ロック,
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Institut National de la Sante et de la Recherche Medicale INSERM
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】極めて低濃度でNEPとACEとを同時に阻害
する特性を有する極めて強力な抗高血圧剤化合物を提供
する。 【解決手段】一般式I の化合物とその薬学的に許容され
る塩:(Rは一般式Iaを表し、R1はC1−8アルキル基
を表し、R2は未置換または置換フェニル基を表すか、
1がR2のフェニル基のオルト位置のCと一緒にC2−
8アルキレン鎖を形成し、R3は水素またはヒドロキシ
フェニルまたはベンジルオキシ基で置換されてもよいC
1−8アルキル基を表し、R’は水素、C1−8アルキ
ル基またはC7−18フェニルアルキル基を表す)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の分野】本発明は抗高血圧剤として極めて有用で
且つ中性エンドペプチターゼとペプチジルジペプチター
ゼAとを同時に抑制する作用を有する化合物に関するも
のである。本発明はさらにこの化合物およびその組成物
の製造方法と、その医薬としての使用方法とに関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】欧州特許第 0,038,758号には中性エンド
ペプチターゼ(NEP)(EC3.4-24.11)の阻害剤である化
合物が記載されている。この酵素 (NEP) はモルヒネ
受容体の内生アヘン剤ペプチドであるエンケファリンを
劣化させるのでエンケファリナーゼとも呼ばれるので、
上記阻害剤は鎮痛薬として有効である。しかし、この文
献にはこのNEP阻害剤がペプチジルジペプチターゼA
(ACE)(EC3.4-15.1)の阻害剤が示す抗高血圧活性を
有することは記載されていない。
【0003】"Nature"(1980, 288, 286〜288)において
ロック(Roques)達は、(R,S)-(2- メルカプトメチル-3-
フェニルプロピオニル)グリシン (チオルファン) はナ
ノモル濃度で阻害力を有し、エンケファリンの活動を高
める鎮痛薬の役目をするということが記載されている。
しかし、この文献にはこのチオルファンが例えばACE
の阻害剤が示す抗高血圧作用を示すということは記載さ
れていない。フランス国特許出願第83-20024 (特許2,55
6,721)および欧州特許第0,136,883には鎮痛特性を備え
たエンケファリナーゼの他の阻害剤が記載されている。
しかし、これらの文献にもNEP阻害剤が例えばACE
阻害剤が示す抗高血圧作用を有することは記載されてい
ない。
【0004】米国特許第 4,879,309号には式HS−CH
2−CH(R2)−CONH−CH(R1)−COOR3および
HS−(CH2)m−CH(R2)−CONH−CH(R1)−
CO−A−COOR3の化合物がナトリウム排泄を増加
させ、利尿を促進するのに有効であり、従って、血圧を
低下させるのを助けることが記載されている。しかし、
この特許にはこの阻害剤がナトリウム排泄増加作用およ
び利尿作用とは別に抗高血圧作用を有するということは
記載されていない。
【0005】コーエン(Koehn) 達(J. Biol.Chem., 198
7, 262, 11623−11627)およびステフェンソン(S.L.Step
henson)とレニー(A.J.Renny)(Biochem.J., 1987,243, 1
83−187)は心房ナトリウム排泄増加ペプチド、特に心不
全の場合に心臓から放出されてナトリウムの排泄を増加
させ、利尿作用と血管拡張作用を大きくするペプチド
は、周辺酵素EP 24.11. によって不活性化されることを
報告している。すなわち、NEPの阻害剤、チオルファ
ンおよびその誘導体の幾つかは、ラットにおいて、循環
する心房ナトリウム排泄増加ペプチドの半減期を大きく
して、血圧を降下させる〔オリンズ(G.Olins) 達, Mol
l., Cell., Endocrinol.1989, 61, 201-208、セイムー
ア(A.A.Seymour) 達, Hyper-tension, 1987,14, 87-97
〕。しかし、これらの文献にはNEP阻害剤がACE
活性の阻害剤が示す抗高血圧特性を有していることは記
載されていない。
【0006】しかも、臨床実験では、チオルファン等の
中性エンドペプチターゼの阻害剤は、心不全また腎不全
を示す患者を除いて、ナトリウムの排泄を増加させ、利
尿作用を生じさせるが、低血圧作用は全くなくない。米
国特許第 4,053,651号と第 4,684,660号には抗高血圧剤
として有効なペプチジルジペプチターゼA(ACE)(EC
3.4-15.1)の阻害剤が記載されている。しかし、これら
の特許にもACE阻害剤がNEP阻害作用を有すること
は記載されていない。ロック (B.P.Roques) 達は、Tren
ds in PharmacologicalSciences, vol. 11 (6) 1989
において、(1) 心房のナトリウム排泄増加ペプチドのナ
トリウム排泄増加、利尿・血管緊張低下作用を強化する
ためのNEPの阻害特性と、(2) アンギオテンシンIIの
形成によって誘導される高血圧作用をブロックするため
のACEの阻害特性とを1つの分子中に組込むことを提
案している。しかし、これらの文献にも低濃度でこれら
の2つの酵素の両方に作用する分子は記載されていな
い。
【0007】
【発明が解決しよとする課題】本発明の目的は、極めて
低い濃度でNEPとACEとを同時に阻害する特性を有
する極めて強力な抗高血圧剤化合物を提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は下記式(I)の化
合物およびその薬学的に許容される塩に関するものであ
る:
【化5】 (ここで、Rは水素原子、アシル、アロイル、シクロア
ルキルカルボニル基または下記式(Ia)の残基を表し、
【化6】 1はアルキル基を表し、R2はアリールまたはヘテロア
リール基を表し、あるいは、R1がプロパノイル部分と
結合したR2アリールまたはヘテロアリール基の炭素に
対してR2アリールまたはヘテロアリール基のオルト位
置の炭素原子と一緒になってアルキレン鎖を形成し、R
3は水素原子、アルキル、アリール、アルコキシまたは
アリーロキシ基を表し、R’は水素原子、アルキル、ア
ラルキル、アシルまたはアロイル基を表す)
【0009】定義 上記および本願明細書では、下記用語は他に指摘がない
限り下記の意味を有するものとして理解しなければなら
ない:「患者」にはヒトおよびその他の哺乳動物が含ま
れる。本発明化合物で炭素に「***」の印を付けたもの
はその炭素がキラルであることを示す。「アルキル」は
チェーン中に約1から約17の炭素原子を有する直鎖また
は分岐した脂肪族炭化水素基を意味し、このアルキルは
必要に応じて1つまたは複数のアルキル基置換基 (この
置換基は同じでも異なっていてもよい)で置換されてい
てもよい。この「アルキル基置換基」にはハロ、アリー
ル、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、アルキ
ルオキシ、アルキルチオ、アリールチオ、アラルキオキ
シ、アラルキルチオおよびシクロアルキルが含まれる。
分岐した脂肪族炭化水素とは、メチル、エチルまたはプ
ロピル等の低級アルキル基が直鎖アルキルに付いている
ことを意味する。好ましいアルキル基は約1〜8個の炭
素を有する「低級アルキル」基である。アルキル基の例
はメチル、エチル、i−プロピル、t−ブチル、ヘプチ
ル、デシルまたはシクロヘキシルメチルである。
【0010】「シクロアルキル」とは約4〜10個の炭素
原子で作られる非芳香族リングを意味し、環状アルキル
の一部分は不飽和でもよい。好ましい環状アルキルリン
グにはシクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチ
ル、アダマンチル、オクタヒドロナフチルおよびペルヒ
ドロナフチルが含まれる。このシクロアルキルは必要に
応じてアリール基置換基で置換されていてもよい。「ア
ルケニル」は炭素−炭素二重結合を含むアルキル基を意
味し、例はアリル基およびビニル基である。「アルキニ
ル」は炭素−炭素三重結合を含むアルキル基を意味し、
例はエチニル基およびプロパルジル基である。「アリー
ル」は約6〜約10個の炭素原子を含む芳香族炭素環式基
を意味し、例はフェニルまたはナフチルあるいは1つま
たは複数のアリール基置換基 (互いに同じでも異なって
もいてもよい) で置換されたフェニルまたはナフチルで
ある。このアリール基置換基にはアルキル、アルケニ
ル、アルキニル、アリール、アラルキル、ヒドロキシ、
アルコキシ、アリールオキシ、アラルキルオキシ、カル
ボキシ、アロイル、ハロ、ニトロ、トリハロメチル、シ
アノ、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニ
ル、アラルキルオキシカルボニル、アシルアミノ、アロ
イルアミノ、カルバモイル、アルキルカルバモイル、ジ
アルキルカルバモイル、アリールチオ、アルキルチオ、
アルキレンまたは−NZZ’( ここで、Z、Z’は独立
して水素、アルキル、アリールまたはアラルキルであ
る)が含まれる。
【0011】「ヘテロサイクリック」はリングの1つま
たは複数の原子が炭素以外の元素、例えば窒素、酸素ま
たは硫黄である約5〜約10員の単環式または多環式リン
グ系を意味する。「置換されたヘテロサイクリック」と
は1つまたは複数のアリール基置換基で置換されたヘテ
ロサイクリック基を意味する。好ましいヘテロサイクリ
ック基はフラニル、チエチル、ピリジル、ピロリル、N
−メチルピロリル、キノリニルおよびイソキノリニルで
ある。 「アシル」はアルキル−CO−基(アルキル基
は上記のもの)を意味する。好ましいアシルはアルキル
基中に約1〜約3個の炭素原子を含むアルキルで、例え
ばアセチル、プロパノイル、2−メチルプロパノイル、
ブタノイルまたはパルミトイルである。「アロイル」は
アリール−CO−基(アリール基は上記のもの)を意味
し、例えばベンゾイル基、1−および2−ナフトイルで
ある。「アルコキシ」はアルキル−O−基(アルキル基
は上記のもの)を意味し、例えばメトキシ基、エトキシ
基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキ
シ基およびヘプトキシ基である。
【0012】「アリールオキシ」はアリール−O−基
(アリール基は上記のもの)を意味し、例えばフェノキ
シおよびナフトキシである。「アルキルチオ」はアルキ
ル−S−基(アルキル基は上記のもの)を意味し、例え
ばメチルチオ、エチルチオ、i−プロピルチオおよびヘ
プチルチオである。「アリールチオ」はアリール−S−
基(アリール基は上記のもの)を意味し、例えばフェン
チオおよびナフチオである。「アラルキルオキシ」はア
ラルキル−O−基(アラルキル基は上記のもの)を意味
し、例えばベンジロキシである。「アラルキルチオ」は
アラルキル−S−基(アラルキル基は上記のもの)を意
味し、例えばベンジチオである。「ジアルキルアミノ」
は−NZZ’基(ZとZ’は上記のアルキル基である)
を意味し、例えばエチルメチルアミノ、ジメチルアミノ
およびジエチルアミノである。
【0013】「アルコキシカルボニル」はアルキル−O
−CO−基を意味し、例えばメトキシカルボニルおよび
エトキシカルボニルである。「アリールオキシカルボニ
ル」はアリール−O−CO−基を意味し、例えばフェノ
キシカルボニルおよびナフトキシカルボニルである。
「アラルコキシカルボニル」はアラルキル−O−CO−
基を意味し、例えばベンジロキシカルボニルである。
「カルバモイル」はH2N−CO−基である。「アルキ
ルカルバモイル」は、Z' ZN−CO−基(Z及びZ’
の1つは水素であり、他方は上記アルキルである)であ
る。「ジアルキルカルバモイル」はZ' ZN−CO−基
(Z及びZ’の両方が上記アルキルである)である。
【0014】「アシルアミノ」はアシル−NH−基(ア
シルは上記のもの)である。「アロイルアミノ」はアロ
イル−NH−基(アロイルは上記のもの)である。「ア
ルキレン」は約2〜約8個の炭素原子を有する直鎖また
は分岐した2価の炭化水素鎖基であり、このアルキレン
基は1つまたは複数の置換された窒素原子(この置換基
はアルキルまたは酸素または硫黄原子である)で中断さ
れていてもよい。本発明では約2〜3個の炭素分子を有
するアルキレン基が好ましい。アルキレン基の例として
はエチレン(−CH2CH2−)、プロピレン(−C
2)3、−CH2−HMe−CH2−、−O−CH2−O−
または−O−(CH2)2−O−がある。「ハロ」はフル
オロ、クロロまたはブロモを意味する。
【0015】
【実施の形態】本発明の好ましい化合物は上記の式(I)
において以下の場合である:Rが水素原子、または1〜
18個の炭素原子を含む直鎖または分岐したアシル基、6
〜10個の炭素原子を含むアロイル基、シクロアルキル部
分が4〜10個の炭素原子を含むシクロアルキルカルボニ
ル基または上記式(Ia)の残基を表し、R1が必要に応じ
て置換されていてもよい1〜8個の炭素原子を含む直鎖
または分岐したアルキル基を表し、
【0016】R2が5〜10個の炭素原子を有するアリー
ルまたはヘテロアリール基を表し、場合によっては、プ
ロパノイル鎖に結合した炭素に対してオルト位置以外の
位置が置換され、プロパノイル鎖に結合した炭素に対し
てオルト位置の炭素原子がR 1と一緒になって2〜8個
の炭素原子を有する直鎖または分岐したアルキレン鎖
(1つまたは複数の置換された窒素、酸素または硫黄原
子で中断されていてもよい) を形成してもよく、R3
水素原子、必要に応じて置換されていてもよい直鎖また
は分岐した1〜8個の炭素原子を含むアルキル基、必要
に応じて置換されていてもよい5〜10個の炭素原子を含
むアリールまたはヘテロアリール基、必要に応じて置換
されていてもよい1〜8個の炭素原子を含むアルコキシ
基または必要に応じて置換されていてもよい6〜10個の
炭素原子を含むアリーロキシ基を表し、
【0017】R’が水素原子、直鎖または分岐した1〜
8個の炭素原子を含むアルキル基、アリール部分が6〜
10個の炭素原子を含み、直鎖または分岐したアルキル部
分が1〜8個の炭素原子を含むアラルキル基、2〜18個
の炭素原子を含むアシル基または必要に応じて置換され
ていてもよいアリール部分が6〜10個の炭素原子を含む
アロイル基を表す場合。より好ましい上記式(I) の化合
物は以下の場合である:Rが水素原子、2〜4個の炭素
原子を含むアシル基、必要に応じてフェニル環がハロゲ
ン(塩素、臭素、弗素)原子またはヒドロキシル基、1
〜4個の炭素原子を含むアルコキシ基、アミノ基、各ア
ルキル部分が1〜4個の炭素原子を含むジアルキルアミ
ノ基またはトリフルオロメチル基で置換されていてもよ
いベンゾイル基、アダマントイル基、パルミトイル基ま
たはパルモイル基あるいは上記式(Ia)の残基を表し、
【0018】R1がメチルまたはトリフルオロメチル基
を表し、R2が下記のいずれかを表し: (1) フェニル、2−、3−または4−ピリジル、N−メ
チル−2−または−3−ピロリル、2−または3−フリ
ルまたは2−または3−チエニル基〔このプロパノイル
鎖に結合した炭素に対してオルト位置以外の位置は、必
要に応じてハロゲン(塩素、臭素、弗素)原子、ヒドロ
キシ基、直鎖または分岐した1〜4個の炭素原子を含む
アシルオキシ基、直鎖または分岐した1〜4個の炭素原
子を含むアルコキシ基、フェノキシ基、フェニルチオ
基、アミノ基、各アルキル部分が1〜4個の炭素原子を
含むジアルキルアミノ基、メチレンジオキシまたはエチ
レンジオキシ基の中から選択される1つまたは複数の元
素(互いに同じでも異なっていもよい)で置換されてい
てもよい〕、または
【0019】(2) フェニル、2−、3−または4−ピリ
ジル、N−メチル−2−または3−ピロリル、2−また
は3−フリルまたは2−または3−チエニル基〔このプ
ロパノイル鎖に結合した炭素原子に対してオルト位置の
炭素原子はR1と一緒になって2または3個の炭素原子
を有するアルキレン基を形成していてもよい。このアル
キレン基は、必要に応じて、メチル基または−CH2
Y−または−Y−CH2−基(但し、Yはメチル基で置
換された酸素または硫黄原子または窒素原子を表す)で
置換されていてもよい〕 R3が水素原子またはトリフルオロメチル基または下記
のいずれかを表し:
【0020】(1) 必要に応じてフェニル基、ヒドロキシ
ル基、1〜4個の炭素原子を含むアルコキシ基、フェノ
キシ基または1〜4個の炭素原子を含むアルキルチオ基
またはフェニルチオ基またはベンジロキシまたはベンジ
ルチオ基で置換されていてもよい1〜8個の炭素原子を
含む直鎖または分岐した鎖アルキル基、(2) 1〜8個の
炭素原子を含むアルコキシ基、(3) フェノキシ基、また
は(4) フェニルまたはチエニル基等のアリール基、
【0021】〔但し、フェニル基またはアリール基およ
びフェノキシ、フェニルチオ、ベンジロキシまたはベン
ジルチオ基のフェニル部分は、必要に応じて、ハロゲン
(塩素、臭素、弗素)原子およびヒドロキシル基、1〜
4個の炭素原子を含むアルコキシ基、アミノ基、各アル
キル部分が1〜4個の炭素原子を含むジアルキルアミノ
基およびメチレインジオキシまたはエチレンジオキシの
中から選択される一つまたは複数のもので置換されてい
るものとする〕 R’が水素原子またはメチル、エチル、ベンジル、シク
ロヘキシルメチル、パルミトイルまたはパモイル基であ
る。
【0022】本発明化合物は遊離塩基または遊離酸また
はその薬学上許容される塩の形で有用であり、全ての形
が本発明の範囲に含まれる。本発明化合物が酸成分を置
換した時には塩基付加塩が形成される。これは最も便利
な使用形態でなり、この塩は使用時に遊離酸の形にな
る。この塩基付加塩を調製するために使用できる塩基と
して好ましいものは遊離酸と結合した時薬学的に許容さ
れる塩を生成するもの、すなわち、薬学的投与量で塩の
陽イオンが動物の生体組織に無害で、NEPとACEと
を同時に阻害するという本発明化合物に固有な利点が陽
イオンに起因する副作用によって損なわれることがない
ような塩である。この酸性化合物の薬学的に許容される
塩が好ましいが、全ての塩基付加塩は遊離酸形の原料と
して有用であり、中間生成物としても有用である。例え
ば、塩が精製や同定の目的のみにだけ形成される場合や
イオン交換方法によって薬学的に許容される塩を調製す
る際の中間生成物として望まれる場合に有用である。本
発明の範囲に含まれる薬学的に許容される塩は下記塩基
から誘導することができる:水酸化ナトリウム、水酸化
カリウム、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウム、水
酸化リチウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛、アン
モニア、エチレンジアミン、N−メチルグルカミン、リ
ジン、アルギニン、オルニシン、コリン、N,N’−ジ
ベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、ジエタ
ノールアミン、プロカイン、N−ベンジルフェネチルア
ミン、ジエチルアミン、ピペラジン、トリ(ヒドロキシ
メチル)アミノメタン、水酸化テトラメチルアンモニウ
ム等。
【0023】本発明化合物の金属塩は水性溶剤中で選択
した金属の水酸化物、炭酸化物または類似の反応性化合
物を遊離酸の形の上記化合物と接触させることによって
得られる。使用可能な水性溶剤は水または水と有機溶
剤、好ましくはメタノールまたはエタノール等のアルコ
ール、アセトン等のケトン、テトラヒドロフラン等の脂
肪族エーテルまたは酢酸エチル等のエステルとの混合物
である。この反応は通常周囲温度で行われるが、必要に
応じて加熱しながら行うこともできる。
【0024】本発明化合物のアミン塩は水性溶剤中でア
ミンと遊離酸の形態の上記化合物とを接触させることに
よって得られる。適した水性溶剤は水および水とメタノ
ールまたはエタノール等のアルコール、テトラヒドロフ
ラン等のエーテル、アセトニトリル等のニトリルまたは
アセトン等のケトンとの混合物である。アミノ酸塩は同
様にして調製される。好ましい塩基付加塩はアンモニウ
ム、ナトリウム、プロトン化N−メチル−D−グルカミ
ン、プロトン化リジン、プロトン化アルギニンおよびプ
ロトン化ジシクロヘキシルアミンからなる群の中から選
択される陽イオンを有する。
【0025】本発明化合物の塩基成分を置換すると酸付
加塩が形成される。この酸付加塩はそのまま使用するこ
とができ、使用時に遊離塩基の形になる。酸付加塩を調
製するために使用できる酸は遊離塩基と結合した時に薬
学的に許容される塩を生成するもの、すなわち、薬学的
投与量で塩の陰イオンが動物の生体組織に無害である塩
であって、NEP及びACEを同時に阻害するという本
発明化合物に固有な利点が陽イオンに起因する副作用に
よって損なわれないものが好ましい。下記の酸から誘導
される薬学的に許容できる塩は本発明の範囲に含まれ
る:塩酸、硫酸、燐酸およびスルファミン酸等の無機
酸、酢酸、クエン酸、乳酸、酒石酸、マロン酸、メタン
スルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、
p−トルエンスルホン酸、シクロヘキシルスルファミン
酸、キナ酸等。これらに対応する酸付加塩は塩酸塩、硫
酸塩、燐酸塩、スルファミン酸塩、酢酸塩、クエン酸
塩、乳酸塩、酒石酸塩、マロン酸塩、メタンスルホネー
ト、エタンスルホネート、ベンゼンスルホネート、p−
トルエンスルホネート、シクロヘキシルスルファメート
およびキナ酸塩である。
【0026】本発明化合物の酸付加塩は水性溶剤または
水性アルコール溶剤または適切な酸を含むその他の適当
な溶剤中に遊離塩基を溶解させ、その溶液を蒸発させる
ことによって塩を単離するか、有機溶剤中で遊離塩基と
酸とを反応させて得られる。後者の場合、塩は直接分離
するか、溶液を濃縮して得られる。本発明化合物は複数
の非対称中心を含み、純粋な立体異性体の形または立体
異性体混合物の形で存在することができる。星印(*)
を付けた炭素原子が非対称中心である。本発明化合物で
は、特に注記しない限り、星印を付けた炭素原子の立体
化学構造に関する表示は置換基R1とR2とを有する炭素
分子と、プロパノイル鎖の中央炭素原子と、置換基R3
を有する炭素原子に付けてある。本発明の好ましい化合
物は星印(*)を付けた炭素原子のいずれかがS配置を
有するものである。本発明の好ましい他の化合物は
(R、R、S),(S、R、S),(S、S、S)および
(R、S、S)からなる群から選択される立体化学構造
を有するもの、さらに好ましくは立体化学構造(S、
S、S)または(R、S、S)を有するものである。本
発明の一般式(I) のN-(メルカプトアシル)アミノ酸は
下記式 (II) のアミノ酸:
【0027】
【化7】 (ここで、RとR’は上記定義のもの)を下記式 (II
I) の酸:
【0028】
【化8】 (ここで、R、R、Rは上記定義のもの)でアシ
ル化することによって得られる。このアシル化はペプチ
ド化学で用いられる通常の条件、例えばボダンスキィ(B
odansky)達の「ペプチド合成 (Peptide Synthesis)」
(J.Wiley and Sons)に記載の条件下で行うことができ
る。特に、このアシル化はジシクロヘキシルカルボジイ
ミド等の縮合剤の存在下で行われ、必要に応じて1−ヒ
ドロキシベンゾトリアゾールの存在下で行われる。一般
式 (III) の化合物は式 (IV) の硫黄誘導体:
【0029】
【化9】 (ここで、Rは前記定義のもの)を式(V)のアクリル
酸:
【化10】
【0030】(ここで、RおよびRは上記定義
のもの)にミカエル (Michael)付加することによって得
られる。式 (IV) の硫黄誘導体としてはチオ酢酸または
チオ安息香酸を使用するのが好ましい。式(V)のアク
リル酸は塩基性媒体中で対応するエステルを鹸化して得
られる。メチルまたはエチルエステルを用いるのが好ま
しい。
【0031】下記式(VI)のアクリルエステル:
【化11】
【0032】(ここで、R、Rは上記定義のも
の、好ましくは1〜4個の炭素原子を含むアルキル基を
示す)は下記式 (VI) のモノエステル:
【化12】
【0033】(ここで、R、RおよびR
上記定義のもの)からマンニッヒ (Mannich)反応で得ら
れる。一般に、マンニッヒ反応は約20°の温度でジエチ
ルアミン等の第2アミンの存在下でホルムアルデヒドを
用いて行われる。 式 (VII) のモノエステルは塩基性
媒体中で下記式 (VIII) のマロン酸エステル:
【化13】
【0034】(ここで、R、RおよびR
上記定義のもの)をモノ鹸化することによって得られ
る。式 (VIII) のマロン酸エステルは、予めアニオン化
したアルキルマロン酸塩 (例えば、その場で調製したア
ルカリ金属アルコラートでアニオン化する) を下記式(I
X)のハライド:
【化14】
【0035】(ここで、RおよびRは上記定義
のものを表し、Haloはハライド原子、好ましくはブロミ
ド原子を表す)を作用させることによって得られる。式
(VIII) のマロン酸エステルは下記式(X) のケトン:
【化15】
【0036】(ここで、RおよびRは上記定義
のものを表す)を上記にように予めアニオン化したアル
キルマロン酸塩と縮合させて下記式(XI) の化合物:
【化16】
【0037】(ここで、R、RおよびR
上記定義のもの)を作り、これを例えば木炭上に付けた
パラジウムの存在下で水素で触媒還元して式 (VIII) の
化合物にすることによって得られる。式(VI)の化合物は
下記式(XII) のホスフォネートにホルムアルデヒドをウ
ィッチヒ(Wittig)反応させても得られる:
【化17】
【0038】(ここで、R、RおよびR
上記定義のもの)式 (XII)の化合物は式(XIII)のアルキ
ルホスフォノアセテート:
【化18】
【0039】(ここで、Rは上記定義のもの)に式
(IX)の化合物を作用させて得られる。この反応は一般に
水素化ナトリウム等の強塩基の存在下で行なわれる。R
とR’が水素である一般式(I) の化合物は、RとR’が
水素原子以外のものである一般式(I) の化合物から得ら
れる。すなわち、例えばRがアシル基で、R’がアルキ
ルまたはフェニルアルキル基の場合、一般には不活性媒
体中で (メルカプト基の酸化を防ぐため) 、アルカリ媒
耐中で加水分解することによって水素原子に置換するこ
とができる。
【0040】本発明化合物の分割は分別結晶やカラムク
ロマトグラフィ等の当業者に公知の標準的な方法で行う
ことができる。例えば、アシルチオアルカン酸のような
式 (III) の化合物はメチルベンジルアミンまたは 1-(1
-ナフチル) エチルアミン等の光学活性塩基を用いて分
別結晶することで分割することができる。こうして分割
した式 (III) の化合物を上記のアシル化反応で光学活
性なアミノ酸と反応させることによって式(I) の化合物
が得られる。以下、本発明の実施例を説明するが、本発
明が下記実施例に限定されるものでなはい。
【0041】
【実施例】1. 中間生成物の調製 例A 2−アセチルチオメチル−3−フェニルブタン酸 ナトリウム金属 (0.75g)とエタノール(40 ml) から調
製されたナトリウムエトオキサイド溶液にマロン酸エチ
ル(4.1ml)を添加する。1−ブロモ−1−フェニルエタ
ン(6g)を0℃で添加した後、混合物を30℃で20時間攪
拌する。濃縮乾燥させた後、残滓を水 (100 ml) で回収
し、酢酸エチル(75 ml) で3回抽出する。有機相を水、
次に飽和ナトリウム溶液で洗浄し、最後に、硫酸マグネ
シウムで乾燥させる。濾過し、濃縮乾燥すると、淡黄色
の油の状のエチル(1−フェニルエチル) マロネート
(6g)を収率84%で得る。その特性を下記の通り: Rf=0.67〔ヘキサン/酢酸エチル(65:35 容積比)
【0042】エチル(1−フェニルエチル) マロネート
をアセトン/水混合物(3:1容積比)中で水酸化ナト
リウムと共に一晩攪拌する。濃縮乾燥させた後 残滓を
水(40 ml) で回収し、酢酸エチル(25 ml) で3回抽出す
る。有機相を洗浄、乾燥、濾過、濃縮乾燥させると、油
状の2−エトキシカルボニル−3−フェニルブタン酸3.
5gが回収される、収率は65%である。その特性は下記
の通り: Rf=0.50〔塩化メチレン/メタノール(9:1容積
比) 2−エトキシカルボニル−3−フェニルブタン酸(3.5
g)に0℃でジエチルアミン (1.53ml、1eq)と30%ホル
ムアルデヒド(1.78 ml) とを添加する。混合物を約20℃
で一晩攪拌した後、ジエチルエーテル(100ml) で回収す
る。沈降分離で有機相を分離し、10%クエン酸水溶液
(40ml) 、水 (40ml) および飽和塩化ナトリウム溶液 (4
0ml) で洗浄し、その後、硫酸ナトリウム上で乾燥させ
る。濾過し、濃縮乾燥させると、黄色の油状エチル (2
−フェニルエチル)アクリレート 2.2gが収率71%で得
られ、その特性は以下の通り: Rf=0.86〔塩化メチレン/メタノール(9:1容積
比)〕
【0043】得られた化合物(2.2g)を、約20℃の温度で
一晩アセトン/水(2:1容積比)中で水酸化ナトリウ
ム(1.5eq) で処理する。混合物を濃縮乾燥させた後、残
滓を水(30 ml) で回収する。塩酸を添加することによっ
て水性相をpH2に酸性化する。次に、生成物を酢酸エ
チル(20 ml) で3回抽出する。有機相を水(15ml)、次に
飽和塩化ナトリウム溶液(15ml)で洗浄し、硫酸ナトリウ
ム上で乾燥させる。濾過し、濃縮乾燥させると白色固体
状の 2-(1-フェニルエチル) アクリル酸が得られ、その
収率は95%である。その特性は下記の通り: 融点(m.p.);115℃ Rf=0.61〔塩化メチレン/メタノール(9:1容積
比)] 得られた酸 1.5gをチオ酢酸(6ml) と一緒に80℃まで加
熱する。濃縮乾燥させると黄色の油状2−アセチルチオ
メチル−3−フェニルブタン酸 0.21 gが収率98%で得
られる。その特性は下記の通り: Rf=0.73〔塩化メチレン/メタノール(9:1容積
比)〕
【0044】例B 2−アセチルチオメチル−3−フェニルブタン酸 トリエチルホスフォノアセテート(25 ml) を無水ジメチ
ルホルムアミド (36ml) に溶かした溶液中に、油に懸濁
させた水素化ナトリウム(4.15 g)の80%懸濁液を添加
する。0℃で15分間放置した後、1−ブロモ−1−フェ
ニルエタン (18ml、1.05当量) を添加する。窒素雰囲気
下で約20℃の温度で混合物を一晩攪拌する。ジメチルホ
ルムアミドを蒸発させた後、残滓を酢酸エチル(200ml)
で回収する。有機相を水(60ml)で3回洗浄し、次に飽和
塩化ナトリウム溶液(60ml)で洗浄し、硫酸ナトリウム上
で乾燥させる。濾過し、濃縮乾燥させると、油状のジエ
チル-2-(1-フェニルエチル) ホスフォノアセテート40.3
gが収率97%で得られる。その特性は下記の通り: Rf=0.57〔シクロヘキサン/酢酸エチル/酢酸(5:
5:5容積比)〕 上記のジエチル-2-(1-フェニルエチル) ホスフォノアセ
テート(40.3g) を37%ホルムアルデヒド(65 ml) に溶解
させた後、炭酸カリウム (51g)を添加する。混合物を
3時間30分間加熱還流させる。冷却後、ヘキサン(400m
l) で混合物を回収する。有機相を水(100ml) で2回洗
浄した後、飽和塩化ナトリウム溶液(100ml) で洗浄し、
硫酸ナトリウム上で乾燥させる。濾過し、濃縮乾燥させ
ると、油状のエチル-2-(1-フェニルエチル) アクリレー
ト24.2gが収率96%で得られる。その特性は例Aで得ら
れたものと同じである。
【0045】例C 3−アセチルチオ−2−(1−インダニル)プロパン酸 1−ブロモインダンとトリエチルホスフォノアセテート
とを出発原料として例Bに記載の方法でエチル−2−
(1−インダニル)アクリレートを得る。この化合物に
例Aに記載の条件下でチオ酢酸を作用させて淡黄色の油
状3−アセチルチオ−(2−1−インダニル)プロパン
酸を回収する。その特性を下記の通り: Rf=0.60〔ヘキサン/酢酸エチル/酢酸(5:5:0.5
容積比)〕
【0046】例D 2−アセチルチオメチル−3−(4−ヒドロキシフェニ
ル)ブタン酸 1−ブロモ−1−(4−ヒドロキシフェニル)エタンを
出発原料として例Aに記載の方法を用いて2−アセチル
チオメチル−3−(4−ヒドロキシフェニル)ブタン酸
を得る。その特性を下記の通り: m.p.=48℃ Rf=0.58〔塩化メチレン/メタノール(9:1容積
比)〕
【0047】例E 2−アセチルチオメチル−3−〔(4−フルオロ)フェ
ニル〕ブタン酸 1−ブロモ−1−〔(4−フルオロ)フェニル〕エタン
を出発原料として例Aに記載の方法を用いて濃い油状の
2−アセチルチオメチル−3−〔(4−フルオロ)フェ
ニル〕ブタン酸を収率98%で得る。その特性を下記の通
り: Rf=0.38〔n−ヘキサン/酢酸エチル/酢酸(7:
3:0.5 容積比)〕
【0048】例F 2−アセチルチオメチル−3−〔(3,4 −ジフルオロ)
フェニル〕ブタン酸 1−ブロモ−1−〔(3,4-ジフルオロ)フェニル〕エタ
ンを出発原料として例Aに記載の方法を用いて濃い油状
の2−アセチルチオメチル−3−〔(3,4 −ジフルオ
ロ)フェニル〕ブタン酸を収率95%で得る。その特性は
下記の通り: Rf=0.33〔ヘキサン/酢酸エチル(1:1容積比)〕
【0049】2. 本発明化合物の調製 実施例1 N−(2−アセチルチオメチル−1−オキソ−3−フェ
ニルブチル)チロシンベンジルエステル 2−アセチルチオメチル−3−フェニルブタン酸(5
g)を乾燥テトラヒドロフラン(25ml) に溶解する。ク
ロロホルム(25 ml) 中の(S)−チロシンベンジルエス
テル−p−トシレート(1当量)とトリエチルアミン
(1当量)の溶液、テトラヒドロフラン (30ml) 中の1
−ヒドロキシベンゾトリアゾール(1当量)の溶液およ
びクロロホルム(25 ml) 中のジシクロヘキシルカルボジ
イミド(1.2当量) の溶液を0℃で順次添加する。混合物
を0℃で1時間、次に、約20℃の温度で一晩攪拌する。
濾過後、混合物を濃縮乾燥させ、次に、酢酸エチル(80
ml) で残滓を回収する。有機相を10%クエン酸溶液 (20
ml) 、水(20ml) 、飽和重炭酸ナトリウム溶液 (20ml)
、水(20 ml)および飽和塩化ナトリウム溶液(20 ml) で
順次洗浄する。硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、
濃縮乾燥させると、白色固体状のN−(2−アセチルチ
オメチル−1−オキソ−3−フェニルブチル)チロシン
ベンジエステル8gが収率80%で得られ、その特性を下
記の通り: Rf=0.65〔クロロホルム/メタノール(9.5:0.5 容積
比)] 生成物はシリカクロマトグラフィで精製した。
【0050】実施例2 N−(2−メルカプトメチル−1−オキソ−3−フェニ
ルブチル)チロシン 実施例1で得られた生成物1gを脱気したアセトン/水
混合物(2:1容積比)に溶解させる。1M水酸化ナト
リウム(4当量) を0℃で窒素雰囲気下で添加する。混
合物を5時間約20℃の温度で攪拌する。濾過し、pH1に
酸性化した後、生成物を脱気したクロロホルム(15 ml)
で3回抽出する。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ
る。濾過し、濃縮乾燥させるとN−(2−メルカプトメ
チル−1−オキソ−3−フェニルブチル)チロシン0.73
gが収率81%で得られる。その特性を下記の通り: m.p.=80℃、 Rf=0.43〔塩化メチレン/メタノール/酢酸(9:
1:0.5 容積比)〕
【0051】実施例3 N−(アセチルチオメチル−1−オキソ−3−フェニル
ブチル)グリシンベンジルエステル 2−アセチルチオメチル−3−フェニルブタン酸とグリ
シンベンジルエステルを出発原料として実施例1に記載
の方法を用いて合成した後、クロマトグラフィで精製
し、シクロヘキサン/酢酸エチル(6:4(容積比))
で溶離すると、収率61%でN−(アセチルチオメチル−
1−オキソ−3−フェニルブチル)グリシンベンジルエ
ステルが得られる。生成物の特性は下記の通り: Rf=0.39〔シクロヘキサン/酢酸エチル(6:4容積
比)〕
【0052】実施例4 N−(2−メルカプトメチル−1−オキソ−3−フェニ
ルブチル)グリシン 実施例3で得られた生成物を出発原料として、実施例2
に記載の方法を用いてN−(2−メルカプトメチル−1
−オキソ−3−フェニルブチル)グリシンが収率89%で
得られる。その生成物の特性は下記の通り: m.p.=129 ℃ Rf=0.62〔塩化メチレン/メタノール/酢酸(9:
1:0.5、容積比)
【0053】実施例5 N−(2−アセチルチオメチル−1−オキソ−3−フェ
ニルブチル)−O−ベンジルセリン ベンジルエステル 2−アセチルチオメチル−3−フェニルブタン酸とO−
ベンジルセーリンベンジルエステルを出発原料として、
実施例1に記載の方法を用いて合成した後、クロマトグ
ラフィで精製し、ヘキサン/酢酸エチル(8:2容積
比)混合物で溶離すると、N−(2−アセチルチオメチ
ル−1−オキソ−3−フェニルブチル)−O−ベンジル
セリンベンジルエステルが収率62%で得られる。その生
成物の特性を下記の通り: Rf=0.16〔ヘキサン/酢酸エチル(8:2容積比)〕
【0054】実施例6 N−(2−メルカプトメチル−1−オキソ−3−フェニ
ルブチル)−O−ベンジルセリン 実施例5で得られた生成物を出発原料として実施例2に
記載の方法を用いて、油状のN−(2−メルカプトメチ
ル−1−オキソ−3−フェニルブチル)−O−ベンジル
セリンが収率72%で得られる。その生成物の特性を下記
の通り: Rf=0.29〔塩化メチレン/メタノール(9:1容積
比)〕
【0055】実施例7 N−(2−アセチルチオメチル−1−オキソ−3−フェ
ニルブチル)アラニンベンジルエステル 2−アセチルチオメチル−3−フェニルブタン酸とアラ
ニンベンジルエステルを出発原料として実施例1に記載
の方法を用いて合成した後、クロマトグラフィで精製
し、シクロヘキサン/酢酸エチル(75:25容積比)混合
物で溶離すると、N−(2−アセチルチオメチル−1−
オキソ−3−フェニルブチル)アラニンベンジルエステ
ルが収率68%で得られる。生成物の特性を下記の通り: Rf=0.31〔ヘキサン/酢酸エチル(75:25容積比)〕
【0056】実施例8 N−(2−メルカプトメチル−1−オキソ−3−フェニ
ルブチル)アラニン 実施例7で得られた生成物を出発原料として実施例2に
記載の方法を用いて、無色の油状N−(2−メルカプト
メチル−1−オキソ−3−フェニルブチル)アラニンを
収率75%で得る。生成物の特性を下記の通り: Rf=0.27〔塩化メチレン/メタノール(9:1容積
比)〕
【0057】実施例9 N−(2−アセチルチオメチル−1−オキソ−3−フェ
ニルブチル)ノルロイシンベンジルエステル 2−アセチルチオメチル−3−フェニルブタン酸とノル
ロイシンベンジルエステルとを出発原料として実施例1
に記載の方法を用いて合成した後、クロマトグラフィで
精製し、シクロヘキサン/酢酸エチル(75:25容積比)
混合物で溶離すると、油状のN−(2−アセチルチオメ
チル−1−オキソ−3−フェニルブチル)ノルロイシン
ベンジルエステルが収率75%で得られる。生成物の特性
は下記の通り: Rf=0.46〔ヘキサン/酢酸エチル(6.5:3.5 容積比)〕
【0058】実施例10 N−(2−メルカプトメチル−1−オキソ−3−フェニ
ルブチル)ノルロイシン 実施例9で得られた生成物を出発原料として実施例2に
記載の方法を用いて、N−(2−メルカプトメチル−1
−オキソ−3−フェニルブチル)ノルロイシンを収率90
%で得る。生成物の特性を下記の通り: m.p.=55℃ Rf=0.47〔塩化メチレン/メタノール(9:1、容積
比)〕
【0059】実施例11 N−〔3−アセチルチオメチル−2−(1−インダニ
ル)−1−オキソプロピル〕アラニンベンジルエステル 3−アセチルチオメチル−2−(1−インダニル)プロ
パン酸とアラニンベンジルエステルを出発原料として実
施例1に記載の方法を用いて白色固体状のN−〔3−ア
セチルチオメチル−2−(1−インダニル)−1−オキ
ソプロピル〕アラニンベンジルエステルを収率72%で得
る。生成物の特性は下記の通り: m.p.=95℃ Rf=0.17〔シクロヘキサン/酢酸エチル (4:1容積
比)〕
【0060】実施例12 N−〔3−メルカプトメチル−2−(1−インダニル)
−1−オキソプロピル〕アラニン 実施例11で得られた生成物を出発原料として実施例2に
記載の方法を用いてN−〔3−メルカプト−2−(1−
インダニル)−1−オキソプロピル〕アラニンを収率96
%でる。生成物の特性を下記の通り: m.p.=121 ℃ Rf=0.22〔塩化メチレン/メタノール(9:1容積
比)〕
【0061】実施例13 N−〔2−アセチルチオメチル−3−(4−ヒドロキシ
フェニル)−1−オキソフェニル〕−1−オキソキブチ
ル〕アラニンベンジルエステル 2−アセチルチオメチル−3−(4−ヒドロキシフェニ
ル)ブタン酸とアラニンベンジルエステルとを出発原料
として実施例1に記載の方法を用いて、N−〔2−アセ
チルチオメチル−3−(4−ヒドロキシフェニル)−1
−オキソブチル〕アラニンベンジルエステルを収率69%
で得る。生成物の特性を下記の通り: Rf=0.22〔ヘキサン/酢酸エチル (65:35容積比)〕
【0062】実施例14 N−〔2−メルカプトメチル−3−(4−ヒドロキシフ
ェニル)−1−オキソブチル〕アラニン 実施例13で得られた生成物を出発原料として実施例2に
記載の方法を用いて白色固体状のN−〔2−メルカプト
−3−(4−ヒドロキシフェニル)−1−オキソブチ
ル〕アラニンを収率85%でる。生成物の特性と下記の通
り: m.p.=72℃、 Rf=0.18〔塩化メチレン/メタノール(9:1容積
比)〕
【0063】実施例15 N−〔2−アセチルチオメチル−3−(4−ヒドロキシ
フェニル)−1−オキソブチル〕チロシンベンジルエス
テル 2−アセチルチオメチル−3−(4−ヒドロキシフェニ
ル)ブタン酸とチロシンベンジルエステルとを出発原料
として実施例1に記載の方法を用いて白色固体状のN−
〔2−アセチルチオメチル−3−(4−ヒドロキシフェ
ニル) −1−オキソブチル〕チロシンベンジルエステル
を収率78%で得る。生成物の特性を下記の通り: Rf=0.16〔ヘキサン/酢酸エチル (65:35容積比)〕
【0064】実施例16 N−〔2−メルカプトメチル−3−(4−ヒドロキシフ
ェニル)−1−オキソブチル〕チロシン 実施例15で得られた生成物を出発原料として実施例2に
記載の方法を用いて白色固体状のN−〔2−メルカプト
−3−(4−ヒドロキシフェニル)−1−オキソブチ
ル〕チロシンを収率70%で得る。生成物の特性は下記の
通り: m.p.=115 ℃ Rf=0.27〔塩化メチレン/メタノール(8:2容積
比)〕
【0065】実施例17 N−〔2−アダマントイルチオメチル−1−オキソ−3
−フェニルブチル〕アラニン 実施例8の生成物(1.7g)を脱気した水 (18ml)に溶解
する。この溶液中に0℃且つ窒素雰囲気下で 1.3×10-2
M水酸化ナトリウム溶液(2.2当量) と塩化アダマントイ
ル (1.33g、1.1 当量) とを添加する。混合物を室温で
4時間攪拌した後、1M塩酸で混合物をpH3に酸性化
し、酢酸エチルで抽出する。有機相を水、次に飽和NaCl
溶液で洗浄する。有機相を無水Na2SO4上で乾燥させ、濾
過し、蒸発乾燥させると所望の白色固体(2g)が収率7
4%で得られる。その特性は下記の通り: m.p.=80℃ Rf=0.45〔クロロホルム/メタノール/酢酸(7:
3:0.3(容積比))〕
【0066】実施例18 N−〔2−アセチルチオメチル−3−(4−フルオロフ
ェニル)−1−オキソブチル〕アラニンベンジルエステ
2−アセチルチオメチル−3−(4−フルオロフェニ
ル)ブタン酸とアラニンベンジルエステルとを出発原料
として実施例1と同様に操作して、所望の油状の化合物
を収率73%で得る。その特性を下記の通り: Rf=0.23〔シクロヘキサン/酢酸エチル(7:3容積
比)〕
【0067】実施例19 N−〔2−アセチルチオメチル−3−(4−フルオロフ
ェニル)−1−オキソブチル〕アラニン 実施例18の生成物を出発原料として実施例2と同じ操作
で白色固体状の上記化合物を収率78%で得る。その特性
は下記の通り: m.p.=93℃ Rf=0.5 〔塩化メチレン/メタノール/酢酸(9:
1:0.5 容積比)〕
【0068】実施例20 N−〔2−アセチルチオメチル−3−(4−フルオロフ
ェニル)−1−オキソブチル〕チロシンベンジルエステ
2−アセチルチオメチル−3−(4−フルオロフェニ
ル)ブタン酸とリシンベンジルエステルとを出発原料と
して実施例1と同じ操作によって淡黄色の油状の上記化
合物を収率89%で得る。その特性を下記の通り: Rf=0.14〔シクロヘキサン/酢酸エチル(2:3容積
比)〕
【0069】実施例21 N−〔2−アセチルチオメチル−3−(4−フルオロフ
ェニル)−1−オキソブチル〕チロシン 実施例20の生成物を出発原料として実施例2と同じ操作
で油状の上記化合物を収率74%で得る。その特性は下記
の通り: Rf=0.45〔塩化メチレン/メタノール/酢酸(9:
1:0.5 容積比)〕
【0070】実施例22 N−〔2−アセチルチオメチル−3−(3,4−ジフルオロ
フェニル)−1−オキソブチル〕アラニンベンジルエス
テル 2−アセチルチオメチル−3−(3,4−ジフルオロ) フェ
ニルブタン酸とアラニンベンジルエステルとを出発原料
として実施例1と同じ操作で、油状の上記化合物を得
る。その特性は下記の通り: Rf=0.2 〔ヘキサン/酢酸エチル(3:1容積比)〕
【0071】実施例23 N−〔2−メルカプトメチル−3−(3,4−ジフルオロフ
ェニル)−1−オキソブチル〕アラニン 実施例22の生成物を用いて実施例2と同じ操作をして白
色固体状の上記化合物を収率72%で得る。生成物の特性
は下記の通り: m.p.=61℃ Rf=0.17〔塩化メチレン/メタノール(9:1容積
比)〕
【0072】実施例24 N−〔2−メルカプトメチル−3−(3, 4-ジフルオロフ
ェニル)−1−オキソブチル〕チロシンベンジルエステ
チロシンベンジルエステルと2−アセチルチオメチル−
3−(3, 4-ジフルオロ) フェニルブタン酸とを出発原料
として実施例1と同じ操作で油状の上記の化合物が収率
78%で得る。その特性を下記の通り: Rf=0.26〔シクロヘキサン/酢酸エチル(6:4容積
比)〕
【0073】実施例25 N−〔2−メルカプトメチル−3−(3, 4-ジフルオロフ
ェニル)−1−オキソブチル〕チロシン 実施例24の生成物を用いて実施例2と同じ操作で淡黄色
の油状の上記化合物を収率80%で得る。生成物の特性は
下記の通り: Rf=0.10〔塩化メチレン/メタノール(9:1容積
比)〕
【0074】実施例26 2-アセチルチオメチル-3−フェニルブタン酸(ATBAの4
つのジアステレオマー(I〜IV) への分割 (a) (R)-(+)-1-(1-ナフチル)エチルアミンを用いた分
割でATBA−1を得る 2−アセチルチオメチル−3−フェニルブタン酸(5
g)をエタノール (50ml) に溶解し、このエタノール溶
液に(R)-(+)-1-(1-ナフチル) エチルアミン(3.4g) を
添加する。次に、エチルエーテル (50ml) を添加する。
混合物を氷浴で冷却し、反応容器を引掻いて白色沈澱物
を形成させる。溶液を約18時間約0℃に保存する。沈澱
物を濾過し、エチルエーテルで洗浄する。白色沈澱物1.
47gが得られる。絶対エタノールから沈澱物を再結晶さ
せると黄味がかった白色のジアスレオマー結晶(R)-(+)-
1-(1-ナフチル)エチルアンモニウム−2−アセチルチ
オメチル−3−フェニルブタノエート塩(ATBA−I
塩)0.42gが得られる。このATBA−I塩 (50mg) を
水性酸(10%塩酸)に接触させ、塩化メチレンで抽出す
ると、遊離酸ATBA−Iが再生成する。塩化メチレン
を蒸発させると油状のATBA−Iが32.1mg得られる。
その特性を下記の通り: 〔α〕RTD=+78.25 〔メタノール(1ml)中に28.5m
g〕
【0075】(b) (S)-(-)-1-(1- ナフチル)エチルアミ
ンを用いた分割でATBA−IIを得る アミンとして(S)-(-)-1-(1- ナフチル)エチルアミンを
用いる以外は実施例26(a)と同じ操作をした。白色の沈
澱物(ATBA−II塩) 1.2gが得られ、再結晶後、0.3
1gが得られる。 この塩(50mg)から油状の遊離酸(A
TBA−II) が収率28.7mgで再生成する。その特性を下
記の通り: 〔α〕RTD==−79.38 〔メタノール(1ml)中に29.
1mg〕
【0076】(c) (S)−メチルベンジルアミンを用いた
分割でATBA−III を得る 2−アセチルチオメチル−3−ブタン酸(5g)をエタ
ノール (35ml) に溶解し、さらに、メタノール (10ml)
に溶かした(S)−メチルベンジルアミン(2.4g)溶液
を添加する。混合物をエチルエーテルで 200mlに希釈す
る。沈澱物が生成する。溶液を約0℃で約18時間冷却す
る。無色の結晶生成物を濾過し、エチルエーテルで洗浄
し、乾燥するとATBA−III 塩2gが得られる。生成
物を酢酸エチル/エタノール(2:1)の混合物 (25m
l) から2回再結晶させるとATBA−III 塩1gが得
られる。ATBA−III 塩を水性酸(10%塩酸)に接触
させ、塩化メチレンで抽出すると遊離酸ATBA−III
が再生成する。メチレンを蒸発させると無色の結晶固体
のATBA−III が0.67g得られる。
【0077】(d) (R)−メチルベンジルアミンを用い
た分割でATBA−IVを得る (R)−メチルベンジルアミンを用いる以外は実施例26
(c)の方法を用いて無色の結晶固体ATBA−IV 1.1g
を得る。このATBA−I塩 (50mg) を水性酸(10%塩
酸)に接触させ、塩化メチレンで抽出すると遊離酸AT
BA−Iが再生成する。塩化メチレンを蒸発させると油
状のATBA−Iが32.1mg得られる。その特性を下記の
通り: 〔α〕RTD=+78.25 〔メタノール(1ml)中に28.5m
g〕
【0078】(b) (S)−(−)−1−(1−ナフチ
ル)エチルアミンを用いた分割でATBA−IIを得る アミンとして(S)−(−)−1−(1−ナフチル)エ
チルアミンを用いること以外は実施例26(a) と同じ操作
を行う。白色の沈澱物(ATBA−II塩) 1.2gが得ら
れる。再結晶後、0.31gが得られる。この塩(50mg)から
油状の遊離酸(ATBA−II) が収率28.7mgでが再生成
する。その特性を下記の通り: 〔α〕RTD=−79.38 〔メタノール(1ml)中に29.1m
g〕
【0079】(c) (S)−メチルベンジルアミンを用い
た分割でATBA− IIIを得る 2−アセチルチオメチル−3−ブタン酸(5g)をエタ
ノール (35ml) に溶解し、この溶液にメタノール (10m
l) に溶かした(S)−メチルベンジルアミン(2.4g)
溶液を添加する。混合物をエチルエーテルで 200mlに希
釈する。沈澱物が生成する。溶液を約0℃で約18時間冷
却する。無色の結晶生成物を濾過し、エチルエーテルで
洗浄し、乾燥させるとATBA−III 塩2gが得られ
る。生成物を酢酸エチル/エタノール(2:1)の混合
物(25ml) から2回再結晶させると、ATBA−III 塩
1gが得られる。このATBA−III 塩を水性酸(10%
塩酸)と接触させ、塩化メチレンで抽出すると遊離酸A
TBA−III が再生成する。メチレンを蒸発させると無
色の結晶固体としてATBA−IIIが0.67g得られる。
【0080】(d) (R)−メチルベンジルアミンを用い
た分割でATBA−IVを得る (R)−メチルベンジルアミンを用すること以外は実施
例26(c) の方法を用いて無色の結晶固体ATBA−IV
1.1g が得られる。
【0081】実施例27 分割した反応体の合成カップリングによるN−(2−ア
セチルチオメチル−1−オキソ−3−フェニルブチル)
チロシンベンジルエステルの4つのジアステレオマー
(ATBAT−(I〜IV))の調製 (a) N−(2−アセチルチオメチル−1−オキソ−3−
フェニルブチル)チロシンベンジルエステル(ATBA
T−IV) 実施例26(b) の生成物(ATBA−IV) を塩化メチレン
(5ml)中に溶解する。この溶液に(S)−チロシン−
ベンジル−エステル−p−トシレート (0.35g)、1−
(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジ
イミド(0.15g)、ヒドロキシベンゾトリアゾール (0.
11g)およびN−メチルモルフォリン(0.19 g)を添加
し、混合物を20℃で18時間攪拌する。 溶剤を真空除去
し、残滓を水性酸 (10%塩酸)と接触させ、酢酸エチル
で抽出する。有機相を分離した後、水 (20ml) 、飽和重
炭酸ナトリウム溶液 (20ml) および水 (20ml) で順次洗
浄する。有機相を乾燥させ、蒸発させると明るい黄色の
ゴム状物を得る。このゴム状物をシリカゲルクロマトグ
ラフィにかけ、ヘキサン/酢酸エチル(1:1)の混合
物で溶離させると無色のゴム状物(ATBAT−IV)(0.
26g、65%)を得る。その特性を下記の通り: 〔α〕RTD==+98.90
【0082】(b) N−(2−アセチルチオメチル−1−
オキソ−3−フェニ ルブチル)チロシンベンジルエ
ステル(ATBAT−III) 実施例26(a) の生成物(ATBA−III)を出発原料とし
て実施例27(a) の方法を用いる。結晶化後に生成物(A
TBAT−III)が得られる。その特性を下記の通り: m.p.= 151〜153 ℃ 〔α〕RTD=−89.7℃
【0083】(c) N−(2−アセチルチオメチル−1−
オキソ−3−フェニルブチル)チロシンベンジルエステ
ル(ATBAT−II) 実施例26(b) の生成物(ATBA−II) を出発原料とし
て実施例27(a) の方法を用いて、生成物(ATBAT−
II) を得る。 (d) N−(2−アセチルチオメチル−1−オキソ−3−
フェニルブチル)チロシンベンジルエステル(ATBA
T−I) 実施例26(a) の生成物(ATBA−I) を出発原料とし
て実施例27(a) の方法を用いる。結晶化後、生成物(A
TBAT−I) を得る。その特性を下記の通り: m.p.= 135〜137 ℃
【0084】実施例28 カラムクロマトグラフィを用いたN−(2−アセチルチ
オメチル−1−オキソ−3−フェニルブチル)チロシン
ベンジルエステルのジアステレオマー(ATBAT−
(1〜4))の調製 N−〔2−(アセチルメチル−1−オキソ−3−フェニ
ルブチル)チロシンベンジルエステルのジアステレオマ
ーをヒューレットパッカード社のODSハイパーシルカ
ラム(5μ、200×4.6mm 内径)を用いたカラムクロマ
トグラフィで得た。実施例1の生成物をメタノールに溶
解してカラムに入れる。0.2 %のトリフルオロ酢酸を含
むメタノール/水 (62:38容積比)の可動相を用いて分
離する。流量は 1.0ml/分である。生成物は215nm の紫
外線で検出する。4つのジアステレオマーの保持時間は
各々22.7、 24.75、28.5および30分である。
【0085】実施例29 N−(2−メルカプトメチルメチル−1−オキソ−3−
フェニルブチル)チロシンの2つのジアステレオマー
(MTBT−(I〜II)) (a) N−(2−メルカプトメチル−1−オキソ−3−フ
ェニルブチル)チロシン(MTBT−(I〜II) 水酸化リチウム水和物(18mg)をテトラヒドロフラン/メ
タノール/水(1:1:8容積比)を含む溶剤に溶解さ
せる。この溶剤を窒素ガスでパージした後、実施例27
(a) の生成物(ATBAT−IV)(21mg) を添加し、20℃
で75分間攪拌する。次に、溶液を水(5ml)で希釈し、
クロロホルム(3ml)で2回洗浄し、10%塩酸(2ml)
で酸性化し、クロロホルム(4ml)で5回抽出する。合
せた有機相を硫酸マグネシム上で乾燥させ、蒸発させる
と、純度が98%以上の無色のゴム(MTBT−1)16mg
が残る。
【0086】(b) N−(2−メルカプトメチル−1−オ
キソ−3−フェニルブチル)チロシン(MTBT−(I
〜II) 実施例27(b) の生成物(ATBAT−II) を出発原料に
して実施例28(a) の方法を用いる。結晶化後、純度が98
%以上の生成物(MTBT−II) 9.7mg が得られる。
【0087】一般式(I) の化合物は中性エンドペプチタ
ーゼとペプチジルジペプチターゼAに対して二重の阻害
作用を示すので、この化合物を哺乳類に投与すると、極
めて強い抗高血圧作用を示す。 ペプチジルジペプチタ
ーゼA阻害剤はある症状の高血圧の治療に公知の化合物
であり、それらはアンギオテンシンIからアンギオテン
シンIIを形成することによって血管抵抗および血液の体
積が増加することを原因とする血圧の上昇を阻止する。
動脈の血圧調整に関係する他の重要なペプチドは心臓に
よって放出される心房ナトリウム排泄増加ペプチドであ
る。これは血管拡張特性を備え、利尿作用およびナトリ
ウム排泄増加作用を制御する。心房ナトリウム排泄増加
ペプチドは周辺組織内の中性エンドペプチターゼによっ
て劣化される。チオルファン等の中性エンドペプチター
ゼ阻害剤はヒトにおいてレニンおよびアルドステロンレ
ベルを増大させずに大きな利尿作用およびナトリウム排
泄増加を誘導する。このことはACE阻害剤と組み合わ
せて一般に用いられる利尿剤で通常観察される。しか
し、単独で使用した中性エンドペプチターゼ阻害剤の血
圧に対する作用は小さい。
【0088】中性エンドペプチターゼとペプチジルジペ
プチターゼAとの混合阻害剤は種々の原因からくるヒト
の高血圧症を治療することができ、しかも、利尿剤を一
緒に投与せずに使用できるということが分かった。すな
わち、本発明の新規化合物はうっ血性(congestive)心不
全および各種の高血圧、特に、血液体積の増加と関係し
た高血圧の治療に極めて有効である。本発明化合物は中
性エンドペプチターゼとペプチジルジペプチターゼAと
の両方を阻害する二重の特性を備えている。従って、こ
の混合阻害剤の奏する血圧低下作用は中性エンドペプチ
ターゼおよびペプチジルジペプチターゼAを単独または
混合して使用して得られる作用より大きい。
【0089】本発明化合物の阻害力は、中性エンドペプ
チターゼの場合は前記のロレンス(Llorens) 達の Bioch
em. Biophys. Res.Common., 1980, 96, 1710に記載のよ
うに[3H] −D−Ala2−Leu−enkephalinを用いて測定
され、ペプチジルジペプチターゼAの場合は Biochem.
Biophys. Acta., 1970, 206, 136〜142 に記載の方法
で、基質としてZ−Phe−His−Leu を用して測定され
る。
【0090】各化合物の抗高血圧作用は、DOCA/塩
の投与によって高血圧症を誘導したラットと天然高血圧
症の雄のラット(SHR)についてトラパニ(Trapani)
達の方法 (J. Cardiovasc. Pharmacol., 1989,14, 419
〜424)で測定される。得られた結果は第1表に示した。
この表には中性エンドペプチターゼ(NEP)に対する
作用のみを示す極めて類似した構造のN−(2−メルカ
プトメチル−3−フェニル−1−オキソプロピル)グリ
シン(チオルファン)を使用した場合の結果も示してあ
る。
【0091】
【表1】
【0092】本発明化合物は高血圧症患者の治療に一般
に経口または非経口で投与できる。塩基または塩の形の
本発明化合物は最適経路で投与できる形態にすることが
できる。本発明はさらに、ヒトの治療また獣医学で使用
するのに適した少なくとも1種の本発明化合物を含む医
薬組成物に関するものである。この組成物は従来法で1
種または複数の薬学上許容される補助薬または賦形剤を
用いて製造できる。補助薬としては特に希釈剤、殺菌水
性媒体、各種非毒性有機溶媒が含まれる。この組成物は
錠剤、丸薬、顆粒、粉末、水溶液、懸濁液、注射用液、
甘味内服薬またはシロップの形態にすることできる。薬
学上許容される調製物を得るために、甘味料、香辛料、
着色料または安定剤からなる群の中から選択される1つ
または複数の試薬を含むことができる。
【0093】ビヒークルの選択およびその中の有効物質
の含有量は、一般に、製品の可溶性、化学特性、投与法
および医薬使用で遵守すべき投与量に応じて決定され
る。例えばラクトース、クエン酸ナトリウム、炭酸カル
シウム、燐酸ジカルシウム等の賦形剤および澱粉、アル
ギニン酸、ある種のシリケート錯体等の崩壊剤をステア
リン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウムおよびタ
ルク等の滑剤と組み合わせて用いて錠剤を製造すること
ができる。カプセルを製造する場合にはラクトースおよ
び高分子量ポリエチレングリコールを用いるのが好まし
い。水性懸濁液を用いた場合には、乳化剤または懸濁を
容易にする試薬を含むことができる。エタノール、プロ
ピレングリコール、グリセロールおよびクロホルムまた
はこれらの混合物等の希釈剤を用いることもできる。
【0094】非経口投与の場合には、ゴマ油、豆油また
はオリーブ油またはプロピレングリコールに本発明化合
物を懸濁した懸濁液または溶解した溶液および薬学上許
容される塩の無菌水溶液で使用することができる。本発
明化合物の塩の溶液は筋肉内または皮下注射の投与に特
に有効である。また、純粋な蒸留水中の塩の溶液はpH
を適当に調整し、十分な量のグルコースまたは塩化ナト
リウムで正しく緩衝・等張にし、加熱またはミクロ濾過
で殺菌した後に、静脈注射として使用することができ
る。本発明方法で使用される量は改善が認められる最大
治療効果が得られる量である。一般に、高血圧の治療時
に血圧を低下させるのに有効な量を使用する。経口投与
量は通常 0.1〜100 mg/Kgであり、好ましくは1〜10mg
/Kgであり、静脈注射の投与量は0.01〜10mg/Kg、好ま
しくは 0.1〜5mg/Kgである。しかし、投与量は、年
齢、体重、健康状態および医薬の有効性に影響を与える
その他の特性等の各患者の要因に応じて各々に決定され
るということは理解できよう。
【0095】本発明化合物は所望の治療効果を得のに必
要な頻繁で投与することができる。患者によっては或る
投与量に急速に応答するので、それより弱い保持投与量
を見付けることができる。別の患者では、その患者の生
理学的要件に応じて1日に1〜4回の投与で長期間の治
療を行うことが必要になる。一般には有効化合物を経口
で1日に1〜4回投与する。患者によっては1日に1〜
2回以上処方しないことが必要になる場合もあることは
言うまでもない。急性高血圧の緊急の場合には本発明化
合物を注射の形で使用することができる。そのような治
療の後には、有効化合物を静脈灌流して、所望の治療効
果を維持することができる。本発明は本発明の精神およ
びその本質を逸脱しない限り、上記以外の形態で実施す
ることができる。本発明の範囲は発明の詳細な説明では
なく請求の範囲によって決められるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C07B 57/00 380 C07B 57/00 380 C07M 7:00 C07M 7:00 (72)発明者 ロック, ベルナール,ピエール フランス国 94410 サン−モーリス ル ュ ウージェヌ ドラクロワ 12 Fターム(参考) 4C206 AA01 AA02 AA03 AA04 JA57 JA66 KA01 KA17 MA01 MA04 NA14 ZA42 ZC20 ZC80 4H006 AA01 AA02 AB20 AB23 AC53 AC83 TN30 TN60

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式(I)の化合物: 【化1】 (ここで、Rは下記(1a)を表し: 【化2】 1はC1−8アルキル基を表し、 R2は未置換または置換されたフェニル基を表すか、R1
    がR2のフェニル基のオルト位置の炭素原子と一緒にな
    ってC2−8アルキレン鎖を形成し、 R3は水素原子またはヒドロキシフェニルまたはベンジ
    ルオキシ基で置換されていてもよいC1−8アルキル基
    を表し、 R’は水素原子、C1−8アルキル基またはC7−18
    フェニルアルキル基を表す)
  2. 【請求項2】 Rが水素原子、アシル基、アダマントイ
    ル基、パルミトイル基またはパルモイル基を表し、 R1がメチルまたはトリフルオロメチル基を表し、 R2が下記: (1) 必要に応じてプロパノイル鎖に結合した炭素に対
    してオルト位置以外でハロゲン原子およびヒドロキシル
    基から選択される1つまたは複数の同一または異なる原
    子または基によって置換されていてもよいフェニル基、
    または(2) プロパノイル鎖と結合した炭素原子に対し
    てオルト位置の炭素原子がR1と一緒になってアルキレ
    ン基を形成したフェニル基、のいずれかを表しR3が水
    素原子か、ヒドロキシフェニル基またはベンジルオキシ
    基で置換されていてもよいC1−8アルキル基を表し、 R’が水素原子またはメチル基、エチル基またはベンジ
    ル基である請求項1に記載の化合物。
  3. 【請求項3】 (R,R,S)、(S,R,S)、
    (S,S,S)および(R,S,S)からなる群の中か
    ら選択される立体化学構造を有する請求項1に記載の化
    合物。
  4. 【請求項4】 (S,S,S)または(R,S,S)の
    立体化学構造を有する請求項3に記載の化合物。
  5. 【請求項5】 下記式(II): 【化3】 のアミノ酸を下記式(III): 【化4】 の酸でアシル化することを特徴とする請求項1に記載の
    化合物の製造方法。
  6. 【請求項6】 ACE(ペプチジルジペプチターゼA)
    およびNEP(中性エンドペプチターゼ)の同時阻害剤
    として使用される請求項1〜4のいずれか一項に記載の
    化合物。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の化合物と、薬学上許容
    される無毒な不活性担体とを含む高血圧用医薬組成物。
JP2001155490A 1991-10-25 2001-05-24 N−(メルカプトアシル)アミノ酸と、その製造方法と、その治療での使用と、それを含む医薬組成物 Abandoned JP2002030066A (ja)

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