JP2002029482A - 自動二輪車の前輪操向装置 - Google Patents

自動二輪車の前輪操向装置

Info

Publication number
JP2002029482A
JP2002029482A JP2001169186A JP2001169186A JP2002029482A JP 2002029482 A JP2002029482 A JP 2002029482A JP 2001169186 A JP2001169186 A JP 2001169186A JP 2001169186 A JP2001169186 A JP 2001169186A JP 2002029482 A JP2002029482 A JP 2002029482A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
swing arm
front wheel
wheel
axle
motorcycle
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2001169186A
Other languages
English (en)
Inventor
眞二 ▲高▼柳
Shinji Takayanagi
Hiroetsu Kobayashi
裕悦 小林
Tadanori Horiuchi
忠徳 堀内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Honda Motor Co Ltd filed Critical Honda Motor Co Ltd
Priority to JP2001169186A priority Critical patent/JP2002029482A/ja
Publication of JP2002029482A publication Critical patent/JP2002029482A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Axle Suspensions And Sidecars For Cycles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 スイングアーム式フロントサスペンション系
とステアリング系とを備えた自動二輪車において、車体
フレームを変更しても、スイングアームやリンク機構を
共用可能にする。 【解決手段】 キングピン(53)の中心線(P2)とステアリ
ング軸(73)の中心線(P1)とがオフセットし、リンク機構
(80)を構成する第1リンク(82)と第2リンク(84)との連
結部分である関節部(85)を自在継手とした自動二輪車の
前輪操向装置が提供される。上記自在継手は、車体フレ
ーム(11A)の形状及び寸法を変更した際に生ずる上記ス
テアリング軸の位置ズレを吸収するため、該車体フレー
ムの形状及び寸法を変更しても、スイングアーム(52)及
び上記リンク機構を変更する必要がなく、共用すること
ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は自動二輪車の前輪操
向装置、特にそれのフロントサスペンション並びにステ
アリングの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】前輪を懸架するスイングアーム式フロン
トサスペンション系と、前輪を操舵するステアリング系
とを備えた自動二輪車に関する技術としては、例えば、
特開平5−105158号公報「自動二輪車の車輪回転
数検出装置」(以下、「従来の技術」と言う)が知られ
ている。
【0003】上記従来の技術は、同公報の図1及び図3
によれば、ロアフレーム6(番号は公報に記載されたも
のを引用した。以下同じ。)の前部に前スイングアーム
39の基端部を上下スイング可能に取付け、前スイング
アーム39の先端にボールジョイント44にて操向ナッ
クル16を左右旋回可能に取付け、操向ナックル16に
車軸33を介して前輪15を回転可能に取付けたという
ものである。ヘッドパイプ3に操向軸20を回転可能に
取付け、操向軸20に操向ナックル16の上部を操向可
能に連結することにより、操向軸20にて前輪15の操
向を行うことができる。
【0004】さらに上記従来の技術は、同公報の図2に
よれば、前スイングアーム39を、ロアフレームに上下
スイング可能に取付けるピボット部40a,41aと、
ピボット部40a,41aからから前方へ延びるアーム
部(符号40〜42の組合せ構造)と、アーム部の先端
のボス部40cとからなる、スイング部材としたもので
ある。さらにまた上記従来の技術は、同公報の図1によ
れば、車軸33の一端にフランジ状のボス部33aを形
成し、ボス部33aに前輪15におけるホイール36の
ハブをボルト止めするというものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、一般に前ス
イングアーム39は、ピボット部40a,41aとアー
ム部とボス部40cとを、一体成形又は互いに溶接する
ことで製造したものである。前スイングアーム39の剛
性を高めるために、前スイングアーム39全体を比重が
大きい鋼製品とした場合には、前スイングアーム39が
重くなる傾向にある。重い前スイングアーム39を採用
したのでは、フロントサスペンションのばね下荷重が大
きくなる。大きいばね下荷重が作用した場合であっても
自動二輪車の乗り心地性能を確保するための、配慮が必
要になる。
【0006】これに対して、前スイングアーム39全体
を軽量なアルミニウム合金製品とすれば、フロントサス
ペンションのばね下荷重を小さくすることができる。し
かし、アルミニウム合金製の前スイングアーム39で所
定の剛性を確保すると、鋼製品に比べて大型になる。大
型の前スイングアーム39を単に採用したのでは、前ス
イングアーム39が車体フレーム等の他の部材に干渉し
たり、乗員の足元のスペースが狭くなる虞れがある。従
って、大型の前スイングアーム39と他の部材との干渉
を避けたり、乗員の足元のスペースを確保すると、自動
二輪車が大型になり、設計上の制約を受ける。
【0007】さらに上記従来の技術は、同公報の図1に
示すように、前輪15のホイール36におけるハブを車
輪幅中心よりも図左へ寄せ、このハブに車軸33のボス
部33aをボルト止めするものである。このため、ホイ
ール36に対する車軸33の取付位置は、車輪幅中心か
ら離れた位置にある。このようなことから、前輪15の
重心は車輪幅中心からずれる。自動二輪車の直進安定性
を確保するためには、操向軸20を中心として左右の重
量バランスをとる必要がある。前輪15の重心がずれて
いる場合には、左右の重量バランスをとるために、例え
ば操向ナックル16の重量を、前輪15の重心のずれ量
に応じて大きくする必要があり、改良の余地がある。さ
らにまた、ホイール36に車軸33をボルト止めする構
成であるから、組付け工数が嵩むとともに、保守・点検
作業が面倒である。
【0008】本発明の目的は、スイングアーム式フロン
トサスペンション系とステアリング系とを備えた自動二
輪車の前輪操向装置において、前輪を支えるスイングア
ームの軽量化並びに小型化を図ること、及び前輪に車軸
を組付けた状態での前輪の重心のずれを抑制するととも
に、前輪への車軸の組付け工数を削減することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1は、メインフレームと、該メインフレームに
対して上下にスイング可能に取付けられたスイングアー
ムと、該スイングアームにキングピンを介して左右旋回
可能に取付けられた車軸ホルダブロックと、該車軸ホル
ダブロックに回転可能に取付けられた前輪と、前記車軸
ホルダブロックから延びるナックルと、該ナックルに一
端が連結され、他端が前記メインフレームに一体的に設
けられたヘッドパイプに対して回転可能に取付けられた
ステアリング軸に連結されたリンク機構とを備えて、前
記前輪の操向を行うようにした自動二輪車の前輪操向装
置において、前記キングピンの中心線は、前記ステアリ
ング軸の中心線に対してオフセットしており、前記リン
ク機構は、前輪の上下移動に対応させるためにくの字状
に折曲げ自在なリンクであり、該くの字リンクを構成す
る第1リンクと第2リンクとを連結する関節部が自在軸
継手で構成されている自動二輪車の前輪操向装置とし
た。
【0010】このようにくの字リンクを構成する第・第
2リンク間の関節部(連結部)を自在継手にした。ステ
アリング軸を操向することにより、第1リンク、自在継
手、第2リンク、ナックル及び車軸ホルダブロックを介
して、前輪を転舵することができる。
【0011】更に、ステアリングの中心線に対してキン
グピンの中心線をオフセットするよう構成しているた
め、前記自在継手にてオフセットほ許容する。
【0012】請求項2においては、上記自在継手はボー
ルジョイントであることを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を添付図面に
基づいて以下に説明する。なお、「前」、「後」、
「左」、「右」、「上」、「下」は運転者から見た方向
に従い、Frは前側、Rrは後側、Lは左側、Rは右側
を示す。また、図面は符号の向きに見るものとする。
【0014】図1は本発明に係るスクータ型自動二輪車
の右側面図である。第1実施例のスクータ型自動二輪車
10(以下、単に「自動二輪車10」と言う。)は、中
央下部に枠体からなるメインフレーム11を配置し、メ
インフレーム11の後部にフレームピボット12を設
け、フレームピボット12にピボット軸13でパワーユ
ニット14を上下スイング可能に取付け、パワーユニッ
ト14に後輪15を取付けるとともに、パワーユニット
14をリヤクッション16でメインフレーム11の後部
上部に懸架し、メインフレーム11の後部上部にシート
17を取付け、さらにメインフレーム11の前部に、前
輪18を懸架するフロントサスペンション系50並びに
このフロントサスペンション系50とは別のステアリン
グ系70を取付けたものである。
【0015】さらに自動二輪車10は、車体を前から後
に、フロントフェンダ21、フロントカバー22、ハン
ドルカバー23、運転者の脚部を覆うレッグシールド2
4、運転者の足を載せるステップフロア25、前後2個
のリヤフェンダ26F,26Rで囲ったものである。図
中、31はミラー、32はハンドルバー、33はブレー
キ操作レバー、34はスピードメータ、35はヘッドラ
ンプ、36はウインカ、37はメインスタンド、38は
サイドスタンド、39は収納ボックス兼サイドカバー、
41はキャリア、42はテールランプ、43はエアクリ
ーナ、44はキャブレタ、45は排気管、46はマフラ
である。
【0016】図2は本発明に係るスクータ型自動二輪車
の前部の斜視図であり、フロントサスペンション系50
並びにステアリング系70を示す。フロントサスペンシ
ョン系50は、メインフレーム11の前部下部にピボッ
ト軸51にて、側面視略逆U字状のスイングアーム52
の基端を上下スイング可能に取付け、スイングアーム5
2の前端にキングピン53にて、車軸ホルダブロック5
4を左右旋回可能に取付け、車軸ホルダブロック54に
車軸55を介して、前輪18を回転可能に取付けたもの
である。すなわち、メインフレーム11の前部から車体
前方へ、前輪18を迂回するように右上に湾曲しつつス
イングアーム52を延し、このスイングアーム52で前
輪18を片持ち支持した、スイングアーム形式のサスペ
ンションである。
【0017】ところで、スイングアーム52は、メイン
フレーム11の前部にピボット軸51にて上下スイング
可能に取付けるスイングアーム基端部52Aと、このス
イングアーム基端部52Aから前方へ延した側面視略逆
U字状のアーム部52Bと、このアーム部52Bの先端
に設けたキングピン連結部52Cとからなる。キングピ
ン連結部52Cは、キングピン53にて車軸ホルダブロ
ック54を左右旋回可能に取付けるものである。
【0018】ステアリング系70は、メインフレーム1
1の前部から上部前方へヘッドパイプポスト71を延ば
し、ヘッドパイプポスト71の前端にヘッドパイプ72
を一体に設け、ヘッドパイプ72にステアリング軸73
を回転可能に取付け、ステアリング軸73の下端部73
aにリンク機構80を介してナックル57を連結したも
のである。具体的には、車軸ホルダブロック54にナッ
クル57を一体的に形成し、ナックル57にリンク機構
80の一端を連結し、リンク機構80の他端をステアリ
ング軸73に連結することで、前輪18の操向を行うよ
うにしたステアリングである。なお、メインフレーム1
1とヘッドパイプポスト71との組合せ構造は、車体フ
レーム11Aをなす。
【0019】図3は本発明に係るフロントサスペンショ
ン系並びにステアリング系の右側面図である。車軸ホル
ダブロック54は、後部下部にキングピン53を取付け
るための被支承部(キングピン取付部)56を形成し、
中心に車軸55を取付け、車軸55から前部上方へ延び
る線Oに沿うようにしてナックル57を若干延したもの
である。キングピン53は、被支承部56を介して車軸
ホルダブロック54に一体に形成したものであってもよ
い。
【0020】さらにフロントサスペンション系50は、
スイングアーム52のスイング方向の衝撃(路面からの
衝撃)を緩和する緩衝部材61と、スイングアーム52
のスイング方向の振動の振幅を軽減するフロントダンパ
62とを、分離して設けたものである。緩衝部材61
は、ばね作用をなすべく弾性変形可能な樹脂製ブロック
であり、メインフレーム11とスイングアーム52との
間に介在して、スプリングの役割を果たす。フロントダ
ンパ62は、メインフレーム11の前部側部とスイング
アーム52のスイングアーム基端部52Aとの間に取付
けたものである。
【0021】リンク機構80は、前輪18(図2参照)
の上下移動に対応させるために折曲げ自在な、「く」の
字リンクであり、このくの字リンクをなす第1・第2リ
ンク82,84間の連結部85を前方へ向けたものであ
る。
【0022】詳しくは、リンク機構80は、(1)ステ
アリング軸73の下端部73aに第1連結ピン81に
て、一端を上下スイング可能に連結した第1リンク82
と、(2)ナックル57の先端に第2連結ピン83に
て、一端を上下スイング可能に連結した第2リンク84
と、(3)第1・第2リンク82,84の他端同士、す
なわち、第1・第2リンク82,84間の連結部(関
節)85を上下スイング可能に連結した自在軸継手86
とからなる。自在軸継手86は、例えばボールジョイン
トである。この図は、ステアリング軸73の中心線P1
に対して、キングピン53の中心線P2を前方へ寸法S
1だけオフセットしたことを示す。
【0023】図4は本発明に係るスクータ型自動二輪車
の前部の側面図であり、次の(1)〜(5)について示
す。 (1)ステアリング軸73にハンドルバー32を連結
し、ハンドルバー32にブレーキ操作レバー33及びス
ピードメータ34を取付けたこと。 (2)車軸ホルダブロック54にブレーキ作動アーム9
3及びスピード検知用ギヤボックス95を取付けたこ
と。 (3)ブレーキ操作レバー33にブレーキ作動アーム9
3をブレーキケーブル94で接続したこと。 (4)スピードメータ34にギヤボックス95をスピー
ドメータケーブル96で接続したこと。 (5)リンク機構80の右側面をカバー105で覆った
こと。
【0024】図5は本発明に係るフロントサスペンショ
ン系及びステアリング系の正面断面図であり、リンク機
構80を便宜的に展開して示したものである。なお、ブ
レーキケーブル並びにスピードメータケーブルについて
は省略する。この図は、前輪18のホイール18aにお
けるハブ18cを車体中心CLよりも左右一方へ寄せる
ことで、車軸ホルダブロック54を車体中心CLの両側
に延ばしたことを示す。前輪18のホイール18a内に
車軸ホルダブロック54を配置することができる。
【0025】車軸ホルダブロック54は、左右2個の軸
受58,58を介して車軸55を回転可能に支持したも
のである。この車軸ホルダブロック54は、前輪18の
ハブ18cとの間に空間部Sを設け、この空間部Sにフ
ロントドラムブレーキ91を組付けたものである。フロ
ントドラムブレーキ91は、車軸ホルダブロック54に
ブレーキ作動軸92を回転可能に取付け、ブレーキ作動
軸92にブレーキ作動アーム93を取付けたものであ
る。59はナットである。
【0026】さらにこの図は、第1リンク82が、車体
中心CLにあるステアリング軸73の下端部73aか
ら、前輪18を迂回するように右(図の左側)へ湾曲し
つつ前方へ延びたことを示す。
【0027】なお、フロントフェンダ21は、その上部
後部にステー21aを一体に形成し、このステー21a
を第1リンク82にボルト101にて取付け、さらに、
長手中間部の側面を第1リンク82のステー102にボ
ルト103にて取付けることで、第1リンク82に固定
したものである。カバー105は、その下部前部の側面
を第1リンク82の取付ボス106にボルト107にて
取付け、さらに、長手中間部の側面を第1リンク82の
ステー102にボルト108にて取付けることで、第1
リンク82に固定したものである。
【0028】図6(a),(b)は本発明に係るスイン
グアームの構成図であり、(a)はスイングアーム52
を一部断面した平面図、(b)は(a)のb−b線断面
図である。なお、理解を容易にするためにスイングアー
ム52を若干傾けて表した。(a)に示すようにスイン
グアーム52は、スイングアーム基端部52Aをアルミ
ニウム合金鋳物とし、アーム部52Bを鋼製品とし、キ
ングピン連結部52Cをアルミニウム合金鋳物とし、こ
れらのスイングアーム基端部52Aとアーム部52Bと
キングピン連結部52Cとを一体化したことを特徴とす
る。
【0029】スイングアーム基端部52Aは、ピボット
軸51(図3参照)にて図示せぬベアリングを介して支
承される管状の被支承管部52Aaと、被支承管部52
Aaに連なるアーム装着部52Abとからなる。P3は
ピボット軸51の中心線である。
【0030】アーム部52Bは全体が湾曲した部材であ
り、この部材は(b)に示すように断面矩形状のパイプ
である。アーム部52Bの両端は蓋52Ba,52Ba
で閉塞したものである。これらの蓋52Ba,52Ba
はアーム部52Bの両端に、例えば溶接又は圧入にて固
定することができる。このようにすることで、アーム部
52Bの両端をスイングアーム基端部52A並びにキン
グピン連結部52Cに鋳込むときに、アルミニウム合金
の湯がアーム部52B内に入り込むことを防止すること
ができる。さらにアーム部52Bは、空気抜き用ピンホ
ール(小孔)52Bbを開けたものである。スイングア
ーム基端部52A並びにキングピン連結部52Cに鋳込
むときや外気温が変動したときに、密閉されたアーム部
52B内に空気がピンホール52Bbから出入りするこ
とで、アーム部52B内の空気圧変動を抑制することが
できる。
【0031】キングピン連結部52Cは、キングピン5
3(図3参照)を図示せぬベアリングを介して連結する
管状の連結管部52Caと、連結管部52Caに連なる
アーム装着部52Cbとからなる。P2は上述のように
キングピン53の中心線である。
【0032】図7は本発明に係る車軸並びに前輪の正面
断面図である。前輪18は、ホイール18aとホイール
18aに装着したタイヤ18bとからなる。ホイール1
8aは、中心部分のハブ18cとタイヤ18bを装着す
るリム18dとハブ18c・リム18d間を繋ぐディス
ク部18eとを一体に成形してなるアルミニウム合金鋳
物、すなわち軽合金鋳物製品である。このようなホイー
ル18aは、ハブ18cを車輪幅中心WL(タイヤ18
bの幅中心)よりも左右一方へ寄せたものである。輪幅
中心WLは上記図5に示す車体中心CL上に配置したも
のである。
【0033】車軸55は鋼製品であり、ハブ18cに一
体化したことを特徴とする。具体的には、車軸55は、
大径部分をハブ18cに一体化するとともに、先端の小
径部分に雄ねじ55aを形成したものである。雄ねじ5
5aには、上記図5に示すナット59をねじ込むことに
なる。
【0034】図8(a),(b)は本発明に係る車軸並
びにホイールの製造手順説明図である。車軸55並びに
ホイール18a(図7参照)を製造するには、次の〜
の手順による。 先ず、(a)のように鋼製品の車軸55を製造する。 次に、鋳型111としての下型112、左右の中型1
13,113及び上型114を準備する。 車軸55を鋳型111における下型112内にセット
し、下型112の上に左右の中型113,113をセッ
トし、さらにその上に上型114をセットする。この結
果、(b)のように鋳型111内にホイール製品部(空
間部)115を形成することができる。 鋳型111の湯口116からホイール製品部115に
アルミニウム合金を注湯、すなわち、アルミニウム合金
の溶湯を注入する。このようにして、アルミニウム合金
鋳物製ホイール18a(図7参照)を製造するととも
に、アルミニウム合金鋳物製ホイール18aと鋼製の車
軸55とを一体化することができる。 下型112から左右の中型113,113及び上型1
14を外し、一体化したホイール18a並びに車軸55
を取り出して、製造作業を完了する。
【0035】以上の説明のように、車軸55を鋼製品と
し、この鋼製品を鋳型111内にセットした上で、鋳型
111にアルミニウム合金を注湯することにより、アル
ミニウム合金鋳物製ホイール18aと鋼製の車軸55と
を容易に一体化することができる。ホイール18aに車
軸55をボルト止めする必要がないので、前輪18aへ
の車軸55の組付け工数を削減することができる。
【0036】図9は本発明に係るスイングアームの製造
手順説明図である。スイングアーム52(図6参照)を
製造するには、次の〜の手順による。 先ず、鋼製品のアーム部52Bを製造する。 次に、アームセット台121、第1鋳型122として
の第1左型123、第1右型124及び第1中子125
を準備するとともに、第2鋳型126としての第2左型
127、第2右型128及び第2中子129を準備す
る。 アーム部52Bをアームセット台121にセットす
る。
【0037】アーム部52Bの左端を第1左型123
内にセットし、第1左型123に第1右型124をセッ
トするとともに、第1中子125をセットする。この結
果、第1鋳型122内に第1製品部(空間部)131を
形成することができる。 アーム部52Bの右端を第2左型127内にセット
し、第2左型127に第2右型128をセットするとと
もに、第2中子129をセットする。この結果、第2鋳
型126内に第2製品部(空間部)132を形成するこ
とができる。
【0038】第1・第2鋳型122,126の各湯口
133,134から第1・第2製品部131,132に
アルミニウム合金を注湯、すなわち、アルミニウム合金
の溶湯を注入する。このようにして、図6に示すスイン
グアーム基端部52A及びキングピン連結部52Cを鋳
込みにて製造するとともに、アルミニウム合金鋳物から
なるスイングアーム基端部52Aと鋼製のアーム部52
Bとアルミニウム合金鋳物からなるキングピン連結部5
2Cとを一体化して、スイングアーム52を製造するこ
とができる。 第1鋳型122及び第2鋳型126を分解するととも
に、アームセット台121を外すことで、スイングアー
ム52を取り出して、製造作業を完了する。
【0039】以上の説明をまとめると、アーム部52B
を鋼製品とし、この鋼製品を第1・第2鋳型122,1
26内にセットした上で、第1・第2鋳型122,12
6にアルミニウム合金を注湯することにより、アルミニ
ウム合金鋳物からなるスイングアーム基端部52Aと鋼
製のアーム部52Bとアルミニウム合金鋳物からなるキ
ングピン連結部52Cとを一体化することで、容易にス
イングアーム52を製造することができる。
【0040】次に、上記構成のホイール18a並びに車
軸55の作用を図5に基づき説明する。車軸55は鋼製
品であるから剛性が大きく、十分に荷重を支えることが
できる。車軸55を鋳型内にセットした上で、鋳型にア
ルミニウム合金を注湯することにより、アルミニウム合
金鋳物製ホイール18aと鋼製の車軸55とを一体化し
た。
【0041】従来のように、ホイール18aに車軸55
をボルト止めする場合には、取付フランジやボルトが必
要となる。しかし本実施の形態では、アルミニウム合金
を鋳込むことで、車軸55にホイール18aを一体化し
たので、取付フランジやボルトといった重量が嵩む部材
が不要である。従って、前輪18の左又は右への重心の
ずれを狭めることができる。しかも、ホイール18aを
アルミニウム合金鋳物としたので、ホイール18a並び
にハブ18cの軽量化を図ることができる。仮に、軽量
なハブ18cが車輪幅中心から左右一方へずれていて
も、前輪18の全重量に対するハブ18cの重量の割合
が小さいので、前輪18の重心が車輪幅中心、すなわち
車体中心CLから左又は右へずれる、ずれ量は僅かであ
る。すなわち、前輪18に車軸55を組付けた状態で
の、前輪18の左又は右への重心のずれを抑制すること
ができる。
【0042】前輪18の重心のずれを抑制したので、自
動二輪車10の直進安定性を確保することができる。従
って、ステアリング軸73を中心として左右の重量バラ
ンスをとるために、例えばリンク機構80の重量を前輪
18の重心のずれ量に応じて大きくする必要はない。こ
のため、小型のリンク機構80ですむ。このようなこと
から、自動二輪車10全体の軽量化、小型化を図ること
ができる。
【0043】次に、上記構成のスイングアーム52の作
用を図6に基づき説明する。スイングアーム52のうち
中央のアーム部52Bを鋼製品とした。鋼製品であるか
ら、アルミニウム合金製品に比べて剛性が大きい。この
ため、アーム部52Bをアルミニウム合金製品とした場
合と同等の剛性を確保するのに、小径の断面ですむ。こ
のため、アーム部52Bを細長い部材にすることができ
る。さらには、スイングアーム52のうち両側のスイン
グアーム基端部52A並びにキングピン連結部52Cを
アルミニウム合金鋳物とした。アルミニウム合金鋳物で
あるから、鋼製品に比べて軽量なので、重量を抑制する
ことができる。すなわち、アルミニウム合金鋳物からな
るスイングアーム基端部52Aと鋼製のアーム部52B
とアルミニウム合金鋳物からなるキングピン連結部52
Cとを一体化したので、スイングアーム基端部52A並
びにキングピン連結部52Cの軽量化が図れるととも
に、アーム部52Bの剛性を確保することができる。
【0044】このように、軽量なスイングアーム基端部
52A並びにキングピン連結部52Cと高剛性のアーム
部52Bとを組合せて一体化することにより、スイング
アーム52を、必要な剛性を確保しつつ軽量にするとと
もに小型にすることができる。比較的軽量なスイングア
ーム52を採用することにより、フロントサスペンショ
ンのばね下荷重を抑制して、自動二輪車の乗り心地性能
を確保することができる。さらには、スイングアーム5
2のうちアーム部52Bを小型にしたので、車体フレー
ムやカバー等の他の部材との干渉を避けたり、乗員の足
元のスペースを容易に確保することができる。
【0045】なお、上記本発明の実施の形態において、
図1に示す自動二輪車10はスクータ型自動二輪車に限
定するものではない。また、図9に示す第1鋳型122
と第2鋳型126とを、1組の鋳型に集約した構成にし
てもよい。
【0046】
【発明の効果】本発明は上記構成により次の効果を発揮
する。請求項1は、くの字リンクを構成する第1リンク
と第2リンク間の連結部を自在継手とした。ステアリン
グ軸を操向することにより、第1リンク、自在継手、第
2リンク、ナックル及び車軸ホルダブロックを介して、
前輪を転舵する。
【0047】更に、ステアリング軸の中心線に対して、
キングピンの中心線をオフセットするようにしているた
め、上記自在継手にてオフセットを許容する。
【0048】請求項2においては、上記自在継手はボー
ルジョイントで構成するようにしている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るスクータ型自動二輪車の右側面図
【図2】本発明に係るスクータ型自動二輪車の前部の斜
視図
【図3】本発明に係るフロントサスペンション系並びに
ステアリング系の右側面図
【図4】本発明に係るスクータ型自動二輪車の前部の側
面図
【図5】本発明に係るフロントサスペンション系及びス
テアリング系の正面断面図
【図6】本発明に係るスイングアームの構成図
【図7】本発明に係る車軸並びに前輪の正面断面図
【図8】本発明に係る車軸並びにホイールの製造手順説
明図
【図9】本発明に係るスイングアームの製造手順説明図
【符号の説明】
10…自動二輪車、11A…車体フレーム、11…メイ
ンフレーム、18…前輪、18a…ホイール、18c…
ハブ、51…ピボット軸、52…スイングアーム、52
A…スイングアーム基端部、52B…アーム部、52C
…キングピン連結部、53…キングピン、54…車軸ホ
ルダブロック、55…車軸、72…ヘッドパイプ、73
…ステアリング軸、111…鋳型、122…第1鋳型、
126…第2鋳型。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 堀内 忠徳 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 Fターム(参考) 3D014 DD05 DD06 DD08 DD09 DE06 DE34

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メインフレームと、該メインフレームに
    対して上下にスイング可能に取付けられたスイングアー
    ムと、該スイングアームにキングピンを介して左右旋回
    可能に取付けられた車軸ホルダブロックと、該車軸ホル
    ダブロックに回転可能に取付けられた前輪と、前記車軸
    ホルダブロックから延びるナックルと、該ナックルに一
    端が連結され、他端が前記メインフレームに一体的に設
    けられたヘッドパイプに対して回転可能に取付けられた
    ステアリング軸に連結されたリンク機構とを備えて、前
    記前輪の操向を行うようにした自動二輪車の前輪操向装
    置において、 前記キングピンの中心線は、前記ステアリング軸の中心
    線に対してオフセットしており、 前記リンク機構は、前輪の上下移動に対応させるために
    くの字状に折曲げ自在なリンクであり、該くの字リンク
    を構成する第1リンクと第2リンクとを連結する関節部
    が自在軸継手で構成されている、ことを特徴とする自動
    二輪車の前輪操向装置。
  2. 【請求項2】 前記自在軸継手は、ボールジョイントで
    あることを特徴とする請求項1に記載の自動二輪車の前
    輪操向装置。
JP2001169186A 2001-06-05 2001-06-05 自動二輪車の前輪操向装置 Withdrawn JP2002029482A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001169186A JP2002029482A (ja) 2001-06-05 2001-06-05 自動二輪車の前輪操向装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001169186A JP2002029482A (ja) 2001-06-05 2001-06-05 自動二輪車の前輪操向装置

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000214362A Division JP2002029481A (ja) 2000-07-14 2000-07-14 自動二輪車の前輪操向装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002029482A true JP2002029482A (ja) 2002-01-29

Family

ID=19011288

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001169186A Withdrawn JP2002029482A (ja) 2001-06-05 2001-06-05 自動二輪車の前輪操向装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002029482A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107757282A (zh) * 2017-10-26 2018-03-06 浙江飞碟汽车制造有限公司 三轮汽车独立式转向和悬架系统
CN107839824A (zh) * 2017-10-26 2018-03-27 浙江飞碟汽车制造有限公司 三轮汽车前悬架系统
CN107757282B (zh) * 2017-10-26 2024-07-16 浙江飞碟汽车制造有限公司 三轮汽车独立式转向和悬架系统

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107757282A (zh) * 2017-10-26 2018-03-06 浙江飞碟汽车制造有限公司 三轮汽车独立式转向和悬架系统
CN107839824A (zh) * 2017-10-26 2018-03-27 浙江飞碟汽车制造有限公司 三轮汽车前悬架系统
CN107757282B (zh) * 2017-10-26 2024-07-16 浙江飞碟汽车制造有限公司 三轮汽车独立式转向和悬架系统

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7913793B2 (en) Shaft-driven motorcycle with pivotally mounted swing arm and related support structure
AU2005203159B2 (en) Swing arm part structure
JP2002096788A (ja) 車 両
US7708107B2 (en) Suspension structure for a vehicle
JP6708687B2 (ja) 自動二輪車のシートフレーム
JP4607745B2 (ja) 自動二輪車のエンジン支持構造
US7204333B2 (en) Suspension arrangement structure for vehicle
JP4271641B2 (ja) 車体フレームのリア部交換方法
JPH04169386A (ja) 自動二輪車の前輪懸架装置
JP5118575B2 (ja) 自動二輪車
JP6944915B2 (ja) 鞍乗り型車両の転舵構造
US20070142162A1 (en) Power transmission structure
JP2002029481A (ja) 自動二輪車の前輪操向装置
JP2000168667A (ja) 自動二輪車
JP5174578B2 (ja) 自動二輪車
JP2002029482A (ja) 自動二輪車の前輪操向装置
JPH0115436B2 (ja)
JP6933721B2 (ja) 鞍乗り型車両
JP3510851B2 (ja) サイドカー型自動三輪車
JP4731926B2 (ja) 自動二輪車のフレーム
JP4144219B2 (ja) 鞍乗型車両の後輪懸架装置
JP2006021625A (ja) 自動二輪車
JP3815753B2 (ja) 自動二輪車のリヤクッション取付構造
JP2006021626A (ja) 自動二輪車
JP7317065B2 (ja) 車両

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061129

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20080131