JP2002027767A - 駆動装置 - Google Patents

駆動装置

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JP2002027767A
JP2002027767A JP2000201022A JP2000201022A JP2002027767A JP 2002027767 A JP2002027767 A JP 2002027767A JP 2000201022 A JP2000201022 A JP 2000201022A JP 2000201022 A JP2000201022 A JP 2000201022A JP 2002027767 A JP2002027767 A JP 2002027767A
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electromechanical transducer
drive
negative electrode
driving
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Haruyuki Nakano
治行 中野
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Minolta Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 過大な逆電圧が生じた場合でも電気機械変換
素子が破損することのない信頼性に優れたものとする。 【解決手段】 駆動電源PSと接地間に、第1の定電流
回路141と第1の短絡回路142との直列回路及び第
2の定電流回路143と第2の短絡回路144との直列
回路を接続すると共に、第1の定電流回路141及び第
1の短絡回路142の接続点cと、第2の定電流回路1
43及び第2の短絡回路144の接続点dとに電気機械
変換素子26を正極が接続点cに負極が接続点dにくる
ように接続し、接続点dと接地間にバイポーラトランジ
スタTr3を含むリミット回路からなる保護回路146
を接続する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、駆動装置に関し、
特にはXY移動ステージ、カメラの撮影レンズ、オーバ
ヘッドプロジェクタの投影レンズ、双眼鏡のレンズ、走
査型トンネル電子顕微鏡のプローブ等の駆動に適した駆
動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、撮影レンズ等が取りつけられた係
合部材を棒状の駆動部材に所定の摩擦力を有するように
して結合させ、その駆動部材の一方端に圧電素子からな
る電気機械変換素子を固着して構成したインパクト型圧
電アクチュエータからなる駆動装置が知られている。例
えば、図15は、カメラの撮影レンズ位置を調節するた
めの駆動装置の概略構成を示す図である。
【0003】この図15における駆動装置100は、圧
電素子からなる駆動用の電気機械変換素子101と、こ
の電気機械変換素子101により駆動される棒状の駆動
部材102と、この駆動部材102に所定の摩擦力で結
合された係合部材103と、正逆両方向の駆動電圧を印
加することにより電気機械変換素子101を駆動する駆
動回路104とを備えている。
【0004】電気機械変換素子101は、駆動回路10
4により印加される駆動電圧に応じて伸縮するものであ
り、その正極及び負極間方向である伸縮方向における一
方端が支持部材105に固着されると共に、その他方端
が駆動部材102の軸方向における一方端に固着された
ものである。係合部材103は、所定箇所に駆動対象物
である撮影レンズLが固着され、駆動部材102上を軸
方向に沿って移動可能とされている。
【0005】駆動回路104は、例えば、緩慢な立ち上
がり部と急峻な立ち下がり部とを有する図16(a)に
示す波形の駆動電圧を電気機械変換素子101に印加す
ると共に、緩慢な立ち下がり部と急峻な立ち上がり部と
を有する図16(b)に示す波形の駆動電圧を電気機械
変換素子101に印加するようにしたものである。
【0006】すなわち、図16(a)に示す駆動電圧の
緩慢な立ち上がり部では電気機械変換素子101が緩や
かに伸長することになるため、係合部材103は駆動部
材102と共に電気機械変換素子101から離反する方
向である繰出方向に移動する一方、急峻な立ち下がり部
では電気機械変換素子101が急激に縮小することにな
るため、駆動部材102が電気機械変換素子101に近
接する方向である戻り方向に移動しても係合部材103
は駆動部材102上をスリップして略同位置に留まるこ
とになる。このため、図16(a)に示す波形の駆動電
圧が電気機械変換素子101に印加されると、係合部材
103は矢印a1方向に間欠的に移動することになる。
【0007】また、図16(b)に示す駆動電圧の緩慢
な立ち下がり部では電気機械変換素子101が緩やかに
縮小することになるため、係合部材103は駆動部材1
02と共に戻り方向に移動する一方、急峻な立ち上がり
部では電気機械変換素子101が急激に伸長することに
なるため、駆動部材102が繰出方向に移動しても係合
部材103は駆動部材102上をスリップして略同位置
に留まることになる。このため、図16(b)に示す波
形の駆動電圧が圧電素子101に印加されると、係合部
材103は矢印a2方向に間欠的に移動することにな
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、電気機械変
換素子101は、正極及び負極間に印加される電圧とそ
の印加電圧による変位とは、図17に示すような関係を
有しており、順電圧(正極側が+電位となる電圧)が印
加される場合では比較的高い電圧が印加されても変位の
方向が変化することはないが、逆電圧(負極側が+電位
となる電圧)が印加される場合では比較的低い電圧で変
位の方向が変化することになる。すなわち、順電圧の場
合には、規定電圧+Vaまで電圧を印加することが可能
であるが、逆電圧の場合には、規定電圧−Vb(|Vb|
<|Va|)を超えると変位の方向が変化することにな
る。
【0009】このような電気機械変換素子101では、
通常の使用時には、符号Aで示す範囲内(使用範囲)で
正逆両方向の電圧が印加されるため、繰り返し使用して
も何ら問題は生じないが、外部機器に過大電流が流れて
接地電位が変動したときや、外部機器から大きなノイズ
が発生したとき等には過大なパルス電圧が駆動電圧に重
畳されることがある。
【0010】こうした場合、図18に示すように、順方
向(順電圧方向)では規定電圧までかなりの余裕がある
ため、過大なパルス電圧が重畳されても特に大きな問題
は生じないが、逆方向(逆電圧方向)では規定電圧まで
あまり余裕がないため、過大なパルス電圧(逆電圧)が
重畳されると、規定電圧を超えてしまうことになって駆
動装置が正常に動作しないばかりか、電気機械変換素子
101が破損してしまう虞がある。
【0011】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであり、過大な逆電圧が生じた場合でも電気機械
変換素子が破損することのない信頼性に優れた駆動装置
を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1の発明は、駆動用の電気機械変換素子と、
この電気機械変換素子の正極及び負極のいずれか一方に
固着された支持部材と、前記電気機械変換素子の正極及
び負極の残る他方に固着された駆動部材と、この駆動部
材に所定の摩擦力で係合された係合部材と、駆動電源と
接地との間に接続されると共に、前記電気機械変換素子
の正極及び負極間に正逆両方向の駆動電圧を印加するこ
とにより当該電気機械変換素子を伸縮させる駆動回路と
を備え、前記電気機械変換素子を伸長方向と縮小方向と
で異なる速度で伸縮させることにより前記支持部材と前
記係合部材とを相対移動させる駆動装置であって、前記
電気機械変換素子の負極と接地との間に当該負極に過大
な逆電圧が印加されるのを阻止する保護回路を設けたこ
とを特徴としている。
【0013】この構成によれば、電気機械変換素子の正
極及び負極間に正逆両方向の駆動電圧が印加され、この
電気機械変換素子が伸長方向と縮小方向とで異なる速度
で伸縮することにより、支持部材と係合部材とが一方向
及び他方向に相対移動する一方、電気機械変換素子の負
極側に過大な逆電圧が生じたときには、保護回路により
過大な逆電圧が接地側に吸収されて電気機械変換素子に
印加されないようになる。このため、電気機械変換素子
が過大な逆電圧により破損することのない信頼性に優れ
た駆動装置が実現される。
【0014】また、請求項2の発明は、請求項1に係る
ものにおいて、前記駆動回路は、一方端が電源に接続さ
れ、他方端が前記電気機械変換素子の正極に接続された
スイッチ素子と定電流源とが直列接続されてなる第1の
定電流回路と、一方端が前記電気機械変換素子の正極に
接続され、他方端が接地された第1の短絡回路と、一方
端が電源に接続され、他方端が前記電気機械変換素子の
負極に接続されたスイッチ素子と定電流源とが直列接続
されてなる第2の定電流回路と、一方端が前記電気機械
変換素子の負極に接続され、他方端が接地された第2の
短絡回路とを備えたことを特徴としている。
【0015】この構成によれば、第2の短絡回路が導通
した状態で、第1の定電流回路のスイッチ素子と第1の
短絡回路とが交互に導通されることにより電気機械変換
素子への順方向の緩慢な充電と急激な放電とが繰り返さ
れることで支持部材と係合部材とが一方向に相対移動す
る一方、第1の短絡回路が導通した状態で、第2の定電
流回路のスイッチ素子と第2の短絡回路とが交互に導通
されることにより電気機械変換素子への逆方向の緩慢な
充電と急激な放電とが繰り返されることで支持部材と係
合部材とが逆方向に相対移動する。この場合でも、電気
機械変換素子の負極側に過大な逆電圧が生じたとき、保
護回路により過大な逆電圧が電気機械変換素子に印加さ
れないようになり、信頼性に優れた駆動装置が実現され
る。
【0016】また、請求項3の発明は、請求項1に係る
ものにおいて、前記駆動回路は、一方端が電源に接続さ
れ、他方端が前記電気機械変換素子の正極に接続された
第1の短絡回路と、一方端が前記電気機械変換素子の正
極に接続され、他方端が接地された第2の短絡回路と、
一方端が電源に接続され、他方端が前記電気機械変換素
子の負極に接続された第3の短絡回路と、一方端が前記
電気機械変換素子の負極に接続され、他方端が接地され
た第4の短絡回路とを備えたことを特徴としている。
【0017】この構成によれば、第1の短絡回路及び第
4の短絡回路が導通状態にされることによる電気機械変
換素子に対する順方向への充電と、第2の短絡回路及び
第3の短絡回路が導通状態にされることによる電気機械
変換素子に対する逆方向への充電とを交互に行わせる一
方、例えば、駆動電圧の駆動周波数を支持部材及び駆動
部材が固着された状態での電気機械変換素子の共振周波
数の0.3倍乃至1.5倍の範囲内に設定すると共に、
デューティ比Dを0.05乃至0.45及び0.55乃
至0.95の範囲内に設定することで支持部材と係合部
材とが一方向及び他方向に相対移動する。この場合で
も、電気機械変換素子の負極側に過大な逆電圧が生じた
とき、保護回路により過大な逆電圧が電気機械変換素子
に印加されないようになる。このため、電気機械変換素
子が過大な逆電圧により破損することのない信頼性に優
れた駆動装置が実現される。
【0018】また、請求項4の発明は、請求項1乃至3
のいずれかに係るものにおいて、前記保護回路は、過大
な逆電圧が生じたときに導通されるバイポーラトランジ
スタを含むリミット回路からなることを特徴としてい
る。
【0019】この構成によれば、電気機械変換素子の負
極側に過大な逆電圧が生じたとき、バイポーラトランジ
スタが導通状態になることで過大な逆電圧が接地側に吸
収され、電気機械変換素子に過大な逆電圧が印加される
ことが効果的に阻止される。このため、電気機械変換素
子が過大な逆電圧により破損することのない信頼性に優
れた駆動装置が実現される。
【0020】また、請求項5の発明は、請求項1乃至3
のいずれかに係るものにおいて、前記保護回路は、過大
な逆電圧が生じたときに導通される電界効果トランジス
タを含むリミット回路からなることを特徴としている。
【0021】この構成によれば、電気機械変換素子の負
極側に過大な逆電圧が生じたとき、電界効果トランジス
タが導通状態になることで過大な逆電圧が接地側に吸収
され、電気機械変換素子に過大な逆電圧が印加されるこ
とが効果的に阻止され、信頼性に優れた駆動装置が実現
される。
【0022】また、請求項6の発明は、請求項1乃至3
のいずれかに係るものにおいて、前記保護回路は、過大
な逆電圧が生じたときにブレークダウンするツェナーダ
イオードで構成されたリミット回路からなることを特徴
としている。
【0023】この構成によれば、電気機械変換素子の負
極側に過大な逆電圧が生じたとき、ツェナーダイオード
がブレークダウンして導通状態になることで過大な逆電
圧が接地側に吸収され、電気機械変換素子に過大な逆電
圧が印加されることが効果的に阻止され、信頼性に優れ
た駆動装置が実現される。
【0024】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の一実施形態に係
るインパクト型圧電アクチュエータからなる駆動装置の
基本構成を概略的に示すブロック図である。この図にお
いて、駆動装置10は、駆動部12と、駆動部12を駆
動する駆動回路14と、駆動部12に取り付けられてい
る係合部材の位置を検出する部材センサ16と、駆動部
12の基端に配設された基端センサ18と、駆動部12
の先端に配設された先端センサ20と、全体の動作を制
御する制御部22とを備えている。
【0025】図2は、駆動部12の構成例を示す斜視図
である。この図において、駆動部12は、素子固定式構
造のものであり、支持部材24、電気機械変換素子2
6、駆動部材28及び係合部材30から構成されてい
る。
【0026】支持部材24は、電気機械変換素子26及
び駆動部材28を保持するものであり、円柱体の軸方向
両端部241,242及び略中央の仕切壁243を残し
て内部を刳り貫くことにより形成された第1の収容空間
244及び第2の収容空間245を有している。この第
1の収容空間244には、電気機械変換素子26がその
分極方向である伸縮方向を支持部材24の軸方向と一致
させて収容されている。また、第2の収容空間245に
は、駆動部材28と係合部材30の一部とが収容されて
いる。
【0027】電気機械変換素子26は、例えば、所定の
厚みを有する複数枚の圧電基板を各圧電基板間に図略の
電極を介して積層することにより構成したものであり、
その正極及び負極間方向である伸縮方向の一方端面(正
極側又は負極側)が第1の収容空間244の一方端部2
41側端面に固着されている。支持部材24の他方端部
242及び仕切壁243には中心位置に丸孔が穿設され
ると共に、この両丸孔を貫通して断面丸形状の棒状の駆
動部材28が第2収容空間245に軸方向に沿って移動
可能に収容されている。
【0028】駆動部材28の第1の収容空間244内に
突出した端部は電気機械変換素子26の他方端面(負極
側又は正極側)に固着され、駆動部材28の第2の収容
空間245の外部に突出した端部は板ばね32により所
定のばね圧で電気機械変換素子26側に付勢されてい
る。この板ばね32による駆動部材28への付勢は、電
気機械変換素子26の伸縮動作に基づく駆動部材28の
軸方向変位を安定化させるためである。
【0029】係合部材30は、駆動部材28の軸方向両
側に取付部301を有する基部302と、両取付部30
1の間に装着される挟み込み部材303とを備えてお
り、基部302が駆動部材28に遊嵌されると共に、挟
み込み部材303が板ばね304により押圧されること
により駆動部材28に接触することで係合部材30が所
定の摩擦力で駆動部材28に結合され、これにより係合
部材30に対してその摩擦力よりも大きな駆動力が作用
したときに駆動部材28の軸方向に沿って移動可能とさ
れている。なお、係合部材30には駆動対象物であるレ
ンズL(図1)が取り付けられるようになっている。
【0030】図3は、駆動回路14の構成例を示す図で
ある。この図において、駆動回路14は,一端が接地さ
れた駆動電源PSから駆動電圧+Vpが供給される接続
点aと、接地された接続点bとの間に、第1の定電流回
路141と第1の短絡回路142とが直列接続されると
共に、第2の定電流回路143と第2の短絡回路144
とが直列接続されて構成されている。
【0031】第1の定電流回路141は、スイッチ素子
141aと定電流源141bとが互いに直列接続されて
構成され、第1の短絡回路142は、スイッチ素子14
2aから構成されている。また、第2の定電流回路14
3は、スイッチ素子143aと定電流源143bとが互
いに直列接続されて構成され、第2の短絡回路144
は、スイッチ素子144aから構成されている。
【0032】第1,第2の定電流回路141,143
は、例えば図4に示すように、npn型トランジスタT
r1と、バイアス抵抗R1,R2と、ベース抵抗R3
と、バイアス抵抗R2に並列接続されたツェナーダイオ
ードZD1とで構成されている。ここで、トランジスタ
Tr1は、スイッチ素子141a,143aを構成す
る。この回路構成によれば、ベース回路に所定の制御信
号が入力されることでトランジスタTr1が導通され、
ツェナーダイオードZD1によりトランジスタTr1の
ベース電圧が一定値に保持されることでバイアス抵抗R
1の電圧降下が所定値に安定化され、これによりコレク
タ電流が所定値に抑制されることになる。
【0033】また、第1,第2の短絡回路142,14
4は、例えば図5に示すように、npn型トランジスタ
Tr2と、エミッタ抵抗R4と、ベース抵抗R5とで構
成されている。この回路構成によれば、ベース回路に所
定の制御信号が入力されることでトランジスタTr2が
導通され、これによりトランジスタTr2はスイッチ素
子142a,144aとして機能することになる。
【0034】電気機械変換素子26は、第1の定電流回
路141と第1の短絡回路142との接続点cに正極側
が接続され、第2の定電流回路143と第2の短絡回路
144との接続点dに負極側が接続され、これにより正
極に順電圧+Vpが印加され、負極に逆電圧−Vpが印
加されるようになっている。
【0035】また、各スイッチ素子141a,142
a,143a,144aには、制御信号Sc1,Sc
2,Sc3,Sc4を供給する制御信号供給手段として
の制御回路145が接続されている。すなわち、スイッ
チ素子141a(図4に示すトランジスタTr1のベー
ス回路)に制御信号Sc1が、スイッチ素子143a
(図4に示すトランジスタTr1のベース回路)には制
御信号Sc2が、スイッチ素子142a(図5に示すト
ランジスタTr2のベース回路)には制御信号Sc3
が、スイッチ素子144a(図5に示すトランジスタT
r2のベース回路)には制御信号Sc4がそれぞれ供給
されるようになっている。
【0036】また、電気機械変換素子26の負極側が接
続される接続点dと接地と間には、逆電圧に対する保護
回路146が接続されている。この保護回路146は、
npn型トランジスタTr3と、コレクタ抵抗R6と、
ベース抵抗R7,R8とで構成されている。すなわち、
トランジスタTr3のコレクタCがコレクタ抵抗R6を
介して接続点d側に接続されると共に、エミッタEが接
地され、ベースBが接続点dと接地間に直列接続されて
なるベース抵抗R7,R8に接続されて構成されてい
る。これにより、接続点dと接地間に所定値を超える過
大な逆電圧が生じたとき、ベース抵抗R7,R8で分圧
された電圧によりトランジスタTr3が導通状態となる
ため、過大な逆電圧は接地側に吸収されて電気機械変換
素子26には印加されないことになる。
【0037】図1に戻り、部材センサ16は、係合部材
30の移動可能範囲内に配設されており、MRE(Magn
eto Resistive Effect)素子やPSD(Position Sensi
tiveDevice)素子等のセンサにより構成されている。ま
た、基端センサ18及び先端センサ20は、フォトイン
タラプタ等のセンサにより構成されている。これによ
り、係合部材30の位置が部材センサ16により検出さ
れることで係合部材30の所定位置への移動制御が可能
となる一方、係合部材30の位置が基端センサ18及び
先端センサ20で検出されることで係合部材30のそれ
以上の移動が禁止される。
【0038】制御部22は、演算処理を行うCPU(Ce
ntral Processing Unit)、処理プログラムとデータと
が記憶されたROM(Read-Only Memory)、及び、デー
タを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)
から構成されており、各センサ16,18,20や図略
の操作部等から入力される信号に基づいて制御回路14
5から所定の制御信号(駆動パルス)を出力させる。す
なわち、制御部22は、駆動回路14と共に、第1,第
2の定電流回路141,143及び第1,第2の短絡回
路142,144を駆動する駆動制御手段を構成する。
【0039】図6は、図3に示す駆動回路14の動作説
明を行うための図で、駆動回路14を制御する制御回路
145から出力されて各スイッチ素子141a〜144
aに印加される制御信号(駆動パルス)Sc1〜Sc4
と、電気機械変換素子26に印加される駆動電圧の波形
とを示す図である。
【0040】この図6に示すように、制御回路145か
らハイレベルの制御信号Sc4がスイッチ素子144a
に入力された状態で、ハイレベルの制御信号Sc1が第
1の定電流回路141のスイッチ素子141a(図4に
示すトランジスタTr1のベース回路)に所定の時間間
隔で繰り返し入力される一方、制御信号Sc1がハイレ
ベルからローレベルに切り替わって一定時間が経過した
後にハイレベルの制御信号Sc3が第1の短絡回路14
2(図5に示すトランジスタTr2のベース回路)に入
力されるようになっている。これにより、電気機械変換
素子26には緩慢な立ち上がり部と急峻な立ち下がり部
とを有する鋸歯形状の駆動電圧が印加されることにな
り、係合部材30は繰出方向(電気機械変換素子26か
ら離反する方向)である矢印a1方向に移動することに
なる。
【0041】すなわち、制御回路145から制御信号S
c4が出力されると、第2の短絡回路144がオンにさ
れる。この状態で、制御回路145から制御信号Sc1
が出力されて第1の定電流回路141のスイッチ素子1
41aがオンにされると、電気機械変換素子26は順方
向の電圧+Vpが印加(電流は所定値に抑制)されて緩
やかに充電(緩速充電)される。そして、一定時間が経
過した後に制御信号Sc1の出力が停止されてスイッチ
素子141aがオフにされても、電気機械変換素子26
は充電電荷により+Vpに保持された状態となる。この
状態で、制御回路145から制御信号Sc3が出力され
て第1の短絡回路142がオンにされると、電気機械変
換素子26の充電電荷が急激に放電(急速放電)され
る。
【0042】この緩速充電と急速放電とが繰り返し実行
されることにより、緩慢な立ち上がり部と急峻な立ち下
がり部とを有する図16(a)に示すものと同様な波形
の駆動電圧が電気機械変換素子26に繰り返し印加さ
れ、電気機械変換素子26の伸長方向と縮小方向とで速
度が異なる伸縮動作の繰り返しにより係合部材103は
繰出方向である矢印a1方向に間欠的に移動する。
【0043】一方、制御回路145からハイレベルの制
御信号Sc3がスイッチ素子142aに入力された状態
で、ハイレベルの制御信号Sc2が第2の定電流回路1
43のスイッチ素子143a(図4に示すトランジスタ
Tr1のベース回路)に所定の時間間隔で繰り返し入力
される一方、制御信号Sc2がハイレベルからローレベ
ルに切り替わって一定時間が経過した後にハイレベルの
制御信号Sc4が第2の短絡回路144(図5に示すト
ランジスタTr2のベース回路)に入力されるようにな
っている。これにより、電気機械変換素子26には緩慢
な立ち下がり部と急峻な立ち上がり部とを有する鋸歯形
状の駆動電圧が印加されることになり、係合部材30は
戻り方向(電気機械変換素子26に近接する方向)であ
る矢印a2方向に移動することになる。
【0044】すなわち、制御回路145から制御信号S
c3が出力されると、第1の短絡回路142がオンにさ
れる。この状態で、制御回路145から制御信号Sc2
が出力されて第2の定電流回路143のスイッチ素子1
43aがオンにされると、電気機械変換素子26は逆方
向の電圧−Vpが印加(電流は所定値に抑制)されて緩
やかに充電(緩速充電)される。そして、一定時間が経
過した後に制御信号Sc2の出力が停止されてスイッチ
素子143aがオフにされても、電気機械変換素子26
は充電電荷により−Vpに保持された状態となる。この
状態で、制御回路145から制御信号Sc4が出力され
て第2の短絡回路144がオンにされると、電気機械変
換素子26の充電電荷が急激に放電(急速放電)され
る。
【0045】この緩速充電と急速放電とが繰り返し実行
されることにより、緩慢な立ち下がり部と急峻な立ち上
がり部とを有する図16(b)に示すものと同様な波形
の駆動電圧が電気機械変換素子26に繰り返し印加さ
れ、電気機械変換素子26の伸長方向と縮小方向とで速
度が異なる伸縮動作の繰り返しにより係合部材103は
戻り方向である矢印a2方向に間欠的に移動する。な
お、この戻り方向への動作時に過大な逆電圧が発生した
としても、保護回路146が動作してその過大な逆電圧
が接地側に吸収され、電気機械変換素子26に印加され
るのが効果的に阻止される。
【0046】図7は、駆動回路14の別の構成例を示す
図である。この図において、駆動回路14’は、一端が
接地された駆動電源PSから駆動電圧+Vpが供給され
る接続点aと、接地された接続点bとの間に、第1の短
絡回路141’と第2の短絡回路142’とが直列接続
されると共に、第3の短絡回路143’と第4の短絡回
路144’とが直列接続されて構成されている。
【0047】第1の短絡回路141は、スイッチ素子1
41a’から構成され、第2の短絡回路142は、スイ
ッチ素子142a’から構成されている。また、第2の
短絡回路143は、スイッチ素子143a’から構成さ
れ、第4の短絡回路144は、スイッチ素子144a’
から構成されている。
【0048】第1,第3の短絡回路141’,143’
は、例えば図8に示すように、PチャネルのMOS型F
ETQ1で構成される。この回路構成によれば、ゲート
Gに入力される制御信号がローレベルのときにオンとな
ってソースS−ドレインD間が導通状態となり、FET
Q1がスイッチ素子141a’,143a’として機能
することになる。
【0049】また、第2,第4の短絡回路142’,1
44’は、例えば図9に示すように、NチャネルのMO
S型FETQ2で構成される。この回路構成によれば、
ゲートGに入力される制御信号がハイレベルのときにオ
ンとなってドレインD−ソースS間が導通状態となり、
FETQ2がスイッチ素子142a’,144a’とし
て機能することになる。
【0050】電気機械変換素子26は、第1の短絡回路
141’と第2の短絡回路142’との接続点cに正極
側が接続され、第3の短絡回路143’と第4の短絡回
路144’との接続点dに負極側が接続され、これによ
り正極に順電圧+Vpが印加され、負極に逆電圧−Vp
が印加されるようになっている。
【0051】また、各スイッチ素子141a’,142
a’,143a’,144a’には、制御信号Sc1,
Sc2,Sc3,Sc4を供給する制御信号供給手段と
しての制御回路145’が接続されている。すなわち、
スイッチ素子141a’(図8に示すFETQ1のゲー
ト回路)に制御信号Sc1が、スイッチ素子142a’
(図9に示すFETQ2のゲート回路)に制御信号Sc
2が、スイッチ素子143a’(図8に示すFETQ1
のゲート回路)には制御信号Sc3が、スイッチ素子1
44a’(図9に示すFETQ2のゲート回路)には制
御信号Sc4がそれぞれ供給されるようになっている。
【0052】また、電気機械変換素子26の負極側が接
続される接続点dと接地と間には、逆電圧に対する保護
回路146が接続されている。この保護回路146は、
図3に示すものと同一の回路構成を有するもので、接続
点dと接地間に所定値を超える過大な逆電圧が生じたと
き、図3に示すベース抵抗R7,R8で分圧された電圧
によりトランジスタTr3が導通状態となるため、過大
な逆電圧は接地側に吸収されて電気機械変換素子26に
は印加されないことになる。
【0053】図10は、図7に示す駆動回路14’の動
作説明を行うための図で、駆動回路14’を制御する制
御回路145’から出力されて各スイッチ素子141
a’〜144a’に印加される制御信号(駆動パルス)
Sc1〜Sc4と、電気機械変換素子26に印加される
駆動電圧の波形とを示す図である。
【0054】この図10に示すように、制御回路14
5’からハイレベルの制御信号Sc1,Sc2がスイッ
チ素子141a’,142a’に入力されるときには、
ローレベルの制御信号Sc3,Sc4がスイッチ素子1
43a’,144a’に入力され、ローレベルの制御信
号Sc1,Sc2がスイッチ素子141a’,142
a’に入力されるときには、ハイレベルの制御信号Sc
3,Sc4がスイッチ素子143a’,144a’に入
力されるようになっている。
【0055】制御回路145’から上記のような制御信
号が繰り返し出力されることにより、スイッチ素子14
1a’,142a’及びスイッチ素子143a’,14
4a’が所定の周期で交互にオン、オフを繰り返すこと
になる。すなわち、スイッチ素子141a’,144
a’がオンのときにはスイッチ素子142a’,143
a’がオフとなって電気機械変換素子26は+Vpに急
速充電され、スイッチ素子142a’,143a’がオ
ンのときにはスイッチ素子141a’,144a’がオ
フとなって電気機械変換素子26は−Vpに急速充電さ
れることになる。このため、電気機械変換素子26には
図示のような矩形波の駆動電圧が印加されることにな
る。
【0056】ここで、この駆動電圧の駆動周波数fdが
図2に示す支持部材24及び駆動部材28の固着された
状態での電気機械変換素子26の共振周波数frに対
し、0.7倍(fd=0.7×fr)に設定されると共
に、波形のデューティ比D(D=B/A)が略0.3と
略0.7とに設定されるようになっている。このデュー
ティ比Dが略0.3に設定されたときは係合部材30が
繰出方向に移動し、略0.7に設定されたときは係合部
材30が戻り方向に移動することになる。
【0057】なお、ここでは、駆動電圧の駆動周波数f
dを支持部材24及び駆動部材28の固着された状態で
の電気機械変換素子26の共振周波数frに対し0.7
倍(fd/fr=0.7)に設定しているが、このfd
/frの値を0.3乃至1.5の範囲内に設定するよう
にすれば係合部材30が移動可能となる。また、繰出方
向についてデューティ比Dを略0.3に設定し、戻り方
向についてデューティ比Dを略0.7に設定しているい
るが、デューティ比Dを0.05乃至0.45の範囲内
に設定するようにすれば係合部材30は繰出方向に移動
可能となり、0.55乃至0.95の範囲内に設定する
ようにすれば係合部材30は戻り方向に移動可能とな
る。
【0058】このように、fd/frの値を0.3乃至
1.5の範囲内に設定し、デューティ比Dを0.05乃
至0.45及び0.55乃至0.95の範囲内に設定す
るようにした場合、電気機械変換素子26に印加される
駆動電圧が矩形波からなるものであっても係合部材30
が移動するのは次のような理由による。
【0059】すなわち、矩形波は基本波である正弦波と
複数次の高調波とからなるものであるが、駆動電圧の駆
動周波数fdが電気機械変換素子26の共振周波数fr
に対して0.3倍よりも大きく1.5倍よりも小さいと
き、共振系における電気機械変換素子26の共振周波数
の影響を受けて矩形波を形成している高調波成分のうち
3次以上の高次の高調波のゲインが大きく減衰し、電気
機械変換素子26に印加された駆動電圧が実質的に基本
波と2次高調波とからなる波形(すなわち、略鋸歯形状
の波形)を有するものとなるからである。
【0060】また、駆動電圧のデューティ比Dがある値
を境にして係合部材30の移動方向が繰出方向と戻り方
向間で反転するのは、そのデューティ比に対応して基本
波に対する2次高調波の位相がずれ、基本波と2次高調
波とからなる鋸歯波形における立ち上がり部と立ち下が
り部の各傾斜が変化することになるからである。すなわ
ち、デューティ比Dが0.05乃至0.45の範囲内に
あるときには、2次高調波の位相のずれが大きくなって
緩慢な立ち上がり部と急峻な立ち下がり部を有する鋸歯
波形となることから係合部材30は繰出方向に移動し、
デューティ比Dが0.55乃至0.95の範囲内にある
ときには、2次高調波の位相のずれが小さくなって急峻
な立ち上がり部と緩慢な立ち下がり部を有する鋸歯波形
となることから係合部材30は繰出方向に移動すること
になる。
【0061】なお、支持部材24及び駆動部材28の固
着された状態での電気機械変換素子26の共振周波数f
rは、数1の式に基づいて算出したものである。
【0062】
【数1】 この数1の式におけるfroは電気機械変換素子26の
両電極間におけるフリー共振周波数(電気機械変換素子
26自体の電極間方向における共振周波数)、mpは電
気機械変換素子26の質量、mfは駆動部材28の質量
をそれぞれ表わしている。なお、支持部材24の質量
は、共振系における電気機械変換素子26の共振周波数
frに関係するが、支持部材24の質量は電気機械変換
素子26及び駆動部材28の各質量を加算したものに比
べて十分大きな値を有しており、共振周波数frに与え
る影響は小さいので演算パラメータとして考慮する必要
はない。また、係合部材30は、電気機械変換素子26
の共振時には駆動部材28に対して滑りを生じて実質的
に共振系の要素として考慮する必要はないので、数1の
演算パラメータとしては含まれていない。
【0063】図11は、駆動部12の別の構造例を示す
図である。この図11に示す駆動部12’は、自走式構
造のものであり、(a)は分解斜視図、(b)は正面図
である。このように、図1に示す素子固定式構造の駆動
部12に代えて図11に示す自走式構造とした場合でも
上記の駆動回路14,14’により駆動可能である。
【0064】すなわち、この図11に示す駆動部12’
は、位置固定される係合部材(ベース部材)40と移動
部材42とから構成されている。係合部材40は、基板
44と、基板44の略中央位置に所定の間隔をおいて対
向配置され、板ばね等の弾性部材46,48により取り
付けられた一対の狭持部材50,52と、基板44の左
右両端部に取り付けられた一対のガイド部材54,56
とを備えている。各ガイド部材54,56の外側面に
は、回転自在の複数のボール部材58,60が取り付け
られている。
【0065】移動部材42は、駆動体63と、この駆動
体63に一体に取り付けられた移動体65とから構成さ
れている。駆動体63は、支持部材67、電気機械変換
素子69及び駆動部材71から構成されている。支持部
材67は、電気機械変換素子69及び駆動部材71を保
持するものであり、直方体の軸方向両端部671,67
2及び略中央の仕切壁673を残して刳り貫くことによ
り形成された第1の収容空間674及び第2の収容空間
675を有している。この第1の収容空間674には、
電気機械変換素子69がその正極及び負極の電極間方向
(伸縮方向)を支持部材67の軸方向と一致させて収容
されている。また、第2の収容空間675には、駆動部
材71が軸方向に移動可能に収容されている。
【0066】電気機械変換素子69は、図2に示す電気
機械変換素子26と同様に構成されたものであり、その
正極及び負極間方向である伸縮方向の一方端面(正極側
又は負極側)が第1の収容空間674の一方端部671
側端面に固着されている。駆動部材71は、支持部材6
7の左右両側に膨出する膨出部711が中央部に一体形
成され、この膨出部711が第2の収容空間675に位
置すると共に、仕切壁673に形成された貫通孔を介し
て第1の収容空間674内に突出した端部は電気機械変
換素子69の他方端面(負極側又は正極側)に固着さ
れ、支持部材67の他方端部672に形成された貫通孔
を介して第2の収容空間675の外部に突出した端部は
自由端とされている。
【0067】移動体65は、平板部651と、平板部6
51の左右両側に下方に伸びる側壁部652,653が
形成されると共に、各側壁部652,653の内側に摺
動部材654,655が形成されたもので、移動部材4
2における支持部材67の上面にねじ部材656により
固定されている。
【0068】このように構成された移動部材42は、駆
動部材71の膨出部711が係合部材40の一対の挟持
部材50,52間に移動可能に挟持されることで係合部
材40に組み付けられることになる。すなわち、係合部
材40が図2の係合部材30に対応するものであり、こ
の係合部材40が駆動部材71に対して所定の摩擦力で
結合され、駆動部12’が構成されることになる。
【0069】この駆動部12’では、駆動回路14,1
4’から順電圧である所定の駆動電圧+Vpが印加され
て電気機械変換素子69が緩速充電により緩やかに伸長
すると、駆動部材71が静止した状態で支持部材67が
係合部材40の一方側に移動し、その後に電気機械変換
素子69が急速放電により急激に縮小すると、支持部材
67が静止した状態で駆動部材71が狭持部材50,5
2による摩擦力に打ち勝って係合部材40の一方側に移
動する。この繰り返し動作により支持部材67が移動体
65と共に、係合部材40の一方側に間欠的に移動する
ことになる。
【0070】また、駆動回路14,14’から逆電圧で
ある所定の駆動電圧−Vpが印加されて電気機械変換素
子69が緩速充電により緩やかに縮小すると、駆動部材
71が静止した状態で支持部材67が係合部材40の他
方側に移動し、その後に電気機械変換素子69が急速放
電により急激に伸長すると、支持部材67が静止した状
態で駆動部材71が狭持部材50,52による摩擦力に
打ち勝って係合部材40の他方側に移動する。この繰り
返し動作により支持部材67が移動体65と共に、係合
部材40の他方側に間欠的に移動することになる。
【0071】本発明の実施形態に係る駆動装置10は、
上記のように駆動用の電気機械変換素子26,69の正
極及び負極間に正逆両方向の駆動電圧Vpを印加するこ
とにより電気機械変換素子26,69を伸長方向と縮小
方向とで異なる速度で伸縮させることにより支持部材2
4,67と係合部材30,40とを相対移動させるよう
にしたものであって、電気機械変換素子26,69の負
極と接地との間に当該負極に過大な逆電圧が印加される
のを阻止する保護回路146を設けるようにしたもので
ある。このため、駆動回路14,14’に所定値を超え
る過大な逆電圧が発生したとしても、保護回路146が
動作してその過大な逆電圧が接地側に吸収され、電気機
械変換素子26,69に印加されるのが効果的に阻止さ
れることになる結果、信頼性に優れた駆動装置を実現す
ることができる。
【0072】なお、本発明は、上記実施形態のものに限
定されるものではなく、以下に述べるような種々の変形
態様を採用することが可能である。
【0073】(1)上記実施形態では、電気機械変換素
子26の負極と接地との間に接続される保護回路146
はバイポーラトランジスタを含むリミット回路により構
成したものであるが、電界効果トランジスタ(FET)
を含むリミット回路により構成することもできる。例え
ば、図12に示すように、Nチャネルの電界効果トラン
ジスタQ3と、ドレイン抵抗R9と、ゲート抵抗R1
0,R11とで構成するようにすればよい。すなわち、
電界効果トランジスタQ3のドレインDをドレイン抵抗
R9を介して接続点dに接続すると共に、ソースSを接
地し、接続点dと接地間に直列接続されたゲート抵抗R
10,R11の中間点をゲートGに接続するようにすれ
ばよい。
【0074】この回路構成によれば、電気機械変換素子
26の負極側に所定値を超える過大な逆電圧が生じた場
合、ゲート抵抗R10,R11で分圧された電圧がゲー
トGに印加されることでドレインD−ソースS間が導通
状態となり過大な逆電圧は接地側に吸収されて電気機械
変換素子26に印加されないようになる。このように構
成された保護回路146は、図11に示すように構成さ
れた駆動部12’の場合にも適用可能である。
【0075】(2)また、保護回路146をツェナーダ
イオードで構成されたリミット回路により構成すること
もできる。例えば、図13に示すように、所定のブレー
クダウン電圧を有するツェナーダイオードZD2を用
い、そのアノードAを電気機械変換素子26の接続点d
に接続し、カソードCを接地するようにすればよい。
【0076】この回路構成によれば、電気機械変換素子
26の負極側に所定値を超える過大な逆電圧が生じた場
合、ツェナーダイオードZD2がブレークダウンするこ
とで過大な逆電圧は接地側に吸収されて電気機械変換素
子26に印加されないようになる。このように構成され
た保護回路146は、図11に示すように構成された駆
動部12’の場合にも適用可能である。
【0077】(3)さらに、保護回路146を上記のよ
うなバイポーラトランジスタ、電界効果トランジスタ、
ツェナーダイオード等のスイッチ素子以外の他のスイッ
チ素子、例えば、サイリスタ、ダイアック、トライアッ
ク等を用いて構成することも可能である。要は、電気機
械変換素子26の負極側と接地間にスイッチ素子を介在
させておき、所定値を超える過大な逆電圧が生じたとき
にそのスイッチ素子が導通状態となるような回路構成と
しておけばよい。
【0078】(4)上記実施形態では、図3に示す駆動
回路14における第1,第2の定電流回路141,14
3として図4に示す構成のものを採用しているが、この
回路構成のものに限定されるものではない。例えば、図
14に示す構成のものを採用することも可能である。こ
の図14に示すものは、図4に示す抵抗R2とツェナー
ダイオードZD1との並列回路をpnp型トランジスタ
Tr3に置き換えて構成したものである。
【0079】この回路構成によれば、トランジスタTr
3によってトランジスタTr1のベース電圧が一定値に
保持されることで抵抗R1の電圧降下が所定の値に安定
化され、これによりコレクタ電流が所定値に抑制され
る。さらには、図4や図14に示すもの以外の他の回路
構成からなるものを採用することも可能である。勿論、
バイポーラトランジスタに限るものではなく、電界効果
トランジスタ等を用いて構成することもできる。
【0080】(5)上記実施形態では、図3に示す駆動
回路14における第1,第2の短絡回路142,144
として図5に示す構成のものを採用しているが、この回
路構成のものに限定されるものではなく、他の回路構成
からなるものを採用することも可能である。勿論、バイ
ポーラトランジスタに限らず、電界効果トランジスタ等
を用いて構成することもできる。。
【0081】(6)上記実施形態では、図3に示す駆動
回路14において、電気機械変換素子26,69に対す
る順方向への充電動作及び放電動作を繰り返し行わせる
ときには第2の短絡回路144を導通状態に保持したま
まにし、電気機械変換素子26,69に対する逆方向へ
の充電動作及び放電動作を繰り返し行わせるときには第
1の短絡回路142を導通状態に保持したままにしてい
るが、順方向への充電動作時及び放電動作時にのみ第2
の短絡回路144を導通状態にし、逆方向への充電動作
時及び放電動作時にのみ第1の短絡回路144を導通状
態にするようにしてもよい。
【0082】(7)上記実施形態では、図7に示す駆動
回路14’は各短絡回路141’〜144’を電界効果
トランジスタ(MOSFET)からなるスイッチ素子の
みで構成しているが、短絡回路142’,144’を構
成するMOSFETと接地との間に所定の抵抗値を有す
る抵抗素子を接続するようにしたり、例えば短絡回路1
42’,144’について抵抗とMOSFETとの直列
回路を付加する等した変形回路を採用することも可能で
ある。このような場合でも、電気機械変換素子26に印
加する駆動電圧が矩形波であっても、fd/frの値を
0.3乃至1.5の範囲内に設定し、デューティ比Dを
0.05乃至0.45及び0.55乃至0.95の範囲
内に設定することで駆動可能となる。
【0083】(8)上記実施形態では、図7に示す駆動
回路14’において、電気機械変換素子26,69に印
加する駆動電圧を矩形波とし、その駆動電圧のfd/f
rの値を0.3乃至1.5の範囲内に設定し、デューテ
ィ比Dを0.05乃至0.45及び0.55乃至0.9
5の範囲内に設定するようにしているが、必ずしも上記
条件を満足させることで駆動させるものに限定されるも
のではなく、電気機械変換素子26,69に印加する駆
動電圧が矩形波であっても他の条件を満足させることで
駆動させるようにすることも可能である。
【0084】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1乃至3の
発明によれば、電気機械変換素子の負極と接地との間に
当該負極に過大な逆電圧が印加されるのを阻止する保護
回路を設けるようにしたので、電気機械変換素子の負極
側に過大な逆電圧が生じたときでも保護回路により過大
な逆電圧が電気機械変換素子に印加されないようにな
り、電気機械変換素子が過大な逆電圧により破損するこ
とのない信頼性に優れた駆動装置を実現することができ
る。
【0085】また、請求項4の発明によれば、保護回路
が過大な逆電圧が生じたときに導通されるバイポーラト
ランジスタを含むリミット回路から構成されているの
で、電気機械変換素子に過大な逆電圧が印加されること
が効果的に阻止され、電気機械変換素子が過大な逆電圧
により破損することのない信頼性に優れた駆動装置を実
現することができる。
【0086】また、請求項5の発明によれば、保護回路
が過大な逆電圧が生じたときに導通される電界効果トラ
ンジスタを含むリミット回路から構成されているので、
電気機械変換素子に過大な逆電圧が印加されることが効
果的に阻止され、電気機械変換素子が過大な逆電圧によ
り破損することのない信頼性に優れた駆動装置を実現す
ることができる。
【0087】また、請求項6の発明は、保護回路が過大
な逆電圧が生じたときにブレークダウンするツェナーダ
イオードで構成されたリミット回路から構成されている
ので、電気機械変換素子に過大な逆電圧が印加されるこ
とが効果的に阻止され、電気機械変換素子が過大な逆電
圧により破損することのない信頼性に優れた駆動装置を
実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る駆動装置の構成を概
略的に示す図である。
【図2】図1に示す駆動装置の駆動部の構成例を示す斜
視図である。
【図3】図1に示す駆動装置における駆動回路の構成例
を示す図である。
【図4】図3に示す駆動回路に適用される定電流回路の
構成例を示す図である。
【図5】図3に示す駆動回路に適用される短絡回路の構
成例を示す図である。
【図6】図3に示す駆動回路を制御する制御回路から出
力されて各スイッチ素子に印加される制御信号と、電気
機械変換素子に印加される駆動電圧の波形とを示す図で
ある。
【図7】図1に示す駆動装置における駆動回路の別の構
成例を示す図である。
【図8】図7に示す駆動回路に適用される短絡回路の構
成例を示す図である。
【図9】図7に示す駆動回路に適用される短絡回路の構
成例を示す図である。
【図10】図7に示す駆動回路を制御する制御回路から
出力されて各スイッチ素子に印加される制御信号と、電
気機械変換素子に印加する駆動電圧の波形とを示す図で
ある。
【図11】図1に示す駆動部の別の構成例を示す図で、
(a)はその分解斜視図、(b)はその正面図である。
【図12】図3に示す駆動回路における保護回路の別の
構成例を示す図である。
【図13】図3に示す駆動回路における保護回路の別の
構成例を示す図である。
【図14】図3に示す駆動回路における定電流回路の別
の構成例を示す図である。
【図15】従来例の駆動装置の構成を概略的に示す図で
ある。
【図16】図15に示す駆動装置の電気機械変換素子に
印加される駆動電圧の波形を示す図で、(a)は繰出波
形、(b)は戻り波形である。
【図17】電気機械変換素子に印加される電圧と変位と
の関係を示す図である。
【図18】過大な逆電圧が生じた場合の駆動電圧の状態
を説明する図である。
【符号の説明】
10 駆動装置 12,12’ 駆動部 14,14’ 駆動回路 22 制御部 24,67 支持部材 26,69 電気機械変換素子 28,71 駆動部材 30,40 係合部材 141 第1の定電流回路 142 第1の短絡回路 143 第2の定電流回路 144 第2の短絡回路 146 保護回路 141a〜144a,141a’〜144a’ スイッ
チ素子 141’ 第1の短絡回路 142’ 第2の短絡回路 143’ 第3の定電流回路 144’ 第4の短絡回路 146 保護回路 PS 駆動電源

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 駆動用の電気機械変換素子と、この電気
    機械変換素子の正極及び負極のいずれか一方に固着され
    た支持部材と、前記電気機械変換素子の正極及び負極の
    残る他方に固着された駆動部材と、この駆動部材に所定
    の摩擦力で係合された係合部材と、駆動電源と接地との
    間に接続されると共に、前記電気機械変換素子の正極及
    び負極間に正逆両方向の駆動電圧を印加することにより
    当該電気機械変換素子を伸縮させる駆動回路とを備え、
    前記電気機械変換素子を伸長方向と縮小方向とで異なる
    速度で伸縮させることにより前記支持部材と前記係合部
    材とを相対移動させる駆動装置であって、前記電気機械
    変換素子の負極と接地との間に当該負極に過大な逆電圧
    が印加されるのを阻止する保護回路を設けたことを特徴
    とする駆動装置。
  2. 【請求項2】 前記駆動回路は、一方端が電源に接続さ
    れ、他方端が前記電気機械変換素子の正極に接続された
    スイッチ素子と定電流源とが直列接続されてなる第1の
    定電流回路と、一方端が前記電気機械変換素子の正極に
    接続され、他方端が接地された第1の短絡回路と、一方
    端が電源に接続され、他方端が前記電気機械変換素子の
    負極に接続されたスイッチ素子と定電流源とが直列接続
    されてなる第2の定電流回路と、一方端が前記電気機械
    変換素子の負極に接続され、他方端が接地された第2の
    短絡回路とを備えたことを特徴とする請求項1記載の駆
    動装置。
  3. 【請求項3】 前記駆動回路は、一方端が電源に接続さ
    れ、他方端が前記電気機械変換素子の正極に接続された
    第1の短絡回路と、一方端が前記電気機械変換素子の正
    極に接続され、他方端が接地された第2の短絡回路と、
    一方端が電源に接続され、他方端が前記電気機械変換素
    子の負極に接続された第3の短絡回路と、一方端が前記
    電気機械変換素子の負極に接続され、他方端が接地され
    た第4の短絡回路とを備えたことを特徴とする請求項1
    記載の駆動装置。
  4. 【請求項4】 前記保護回路は、過大な逆電圧が生じた
    ときに導通されるバイポーラトランジスタを含むリミッ
    ト回路からなることを特徴とする請求項1乃至3のいず
    れかに記載の駆動装置。
  5. 【請求項5】 前記保護回路は、過大な逆電圧が生じた
    ときに導通される電界効果トランジスタを含むリミット
    回路からなることを特徴とする請求項1乃至3のいずれ
    かに記載の駆動装置。
  6. 【請求項6】 前記保護回路は、過大な逆電圧が生じた
    ときにブレークダウンするツェナーダイオードで構成さ
    れたリミット回路からなることを特徴とする請求項1乃
    至3のいずれかに記載の駆動装置。
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JP2018202713A (ja) * 2017-06-02 2018-12-27 セイコーエプソン株式会社 大判プリンター

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