JP2002026756A - 放送受信装置 - Google Patents
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Abstract
ル放送とが同時に行われている電波環境下においても、
選局開始後、速やかにディジタル放送受信装置における
RF増幅部の利得を適正値に制御する。 【解決手段】RF増幅部13で選局された受信信号の中
間周波信数信号eについて、その中心周波数近傍を含む
周波数帯と、含まない周波数帯とで、夫々振幅を測定し
て第1振幅値、第2振幅値を出力する振幅測定手段17
と、放送がアナログ放送であるかディジタル放送である
かを前記中間周波数信号を基に判別する放送方式判別装
置20と、振幅測定手段17の出力を基にAGC電圧を
生成するAGC電圧生成手段14とを備え、放送方式判
別装置20の出力に応じて、前記第1振幅値と第2振幅
値のいずれか一方の値を選択し、該選択した値を基にし
てAGC電圧を生成して、AGCをかける。
Description
数で同時に放送されるアナログ放送とディジタル放送が
ある場合にも、前記ディジタル放送を正常に受信できる
放送受信装置に関し、特にそのRF増幅部の利得制御に
関する。
を同一の放送個所から同時に放送する放送方式が提案さ
れている。例えば、米国のFCCに提案されているIB
OC(In Band On Channel)システムと呼ばれる放送方
式などがそれにあたる。前記IBOCシステムにおける
ディジタル放送ではマルチキャリア伝送方式が用いら
れ、このようなマルチキャリア伝送方式を用いたディジ
タル放送、及びアナログ放送を受信可能なアナログ放送
/ディジタル放送兼用受信装置、またはマルチキャリア
伝送方式を用いたディジタル放送の受信装置では、RF
増幅部で選局(同調)された周波数近傍に、アナログ放
送の信号が存在する場合には、ディジタル放送受信時に
おけるRF増幅部の自動利得制御(以下、自動利得制御
をAGCとも記す)が困難になるという問題がある。デ
ィジタル放送受信時におけるRF増幅部のAGCは本
来、受信したディジタル放送の信号の振幅を検出し、該
振幅が所定の振幅になるようにRF増幅部の利得を自動
制御するものであるが、アナログ放送の信号をも含む中
間周波数信号から放送信号の振幅を検出した場合には、
該検出した振幅を基にしてAGC回路を動作させると、
アナログ放送の信号の振幅に応じてAGC回路が動作す
ることとなり、受信対象のディジタル放送の信号の振幅
を所定値に維持することが出来なくなるのである。
ログ放送であるFMオーディオ放送が400kHz間隔
で配置され、該FMオーディオ放送のスペクトルの隙間
に、ディジタル放送のスペクトルが存在するようにして
放送が行われ、両者の中心周波数は略同一である。ディ
ジタル放送は、例えば欧州規格(Eureka 14
7)に準拠したDABシステム(規格はETS300401)に
よるディジタルオーディオ放送などの放送である。前記
DABシステムにおけるDAB信号は、直交周波数分割
多重変調方式即ちOFDM(Orthogonal Frequency Div
ision Multiplex)で変調されたOFDM信号として送
信される。
調信号とアナログ放送のFM変調信号とが混在している
或る周波数に、RF増幅部が同調した場合、受信された
RF信号から生成された中間周波数信号では、中心周波
数近傍の所定の周波数範囲に、振幅が大きなFMオーデ
ィオ放送の信号と、振幅が小さな多数のキャリアで構成
されるディジタル放送の信号とが混在している。アナロ
グ放送とディジタル放送とを受信可能とする従来の受信
装置では、RF増幅部をアナログ放送とディジタル放送
とで共通にするために、復調又は検波した受信信号を用
いて放送方式の判別し、また、放送方式ごとに設けた復
調回路又は検波回路における信号振幅を検出し、この検
出値が所定値になるようにRF増幅部のAGC回路を前
記判別した放送方式に応じて切り替えて、RF増幅部の
利得を自動制御していた。
信装置における方式判別装置とAGC回路の一例につい
て、図4を基に説明する。図4は従来のアナログ/ディ
ジタル兼用受信装置の一例を示すブロック図である。こ
こではアナログ放送もディジタル放送もテレビジョン放
送である場合を例に説明する。図4において、50はア
ナログ/ディジタル兼用のテレビジョン(TV)放送受
信装置である。アンテナ47から供給された信号からR
F増幅部49で特定の放送が選局され、その中間周波数
信号pが放送方式スイッチ51に供給される。RF増幅
部49の図示しない混合器から出力される中間周波数信
号は、図示しない中間周波フィルタで中間周波数信号以
外の不必要な信号が除去されて中間周波数信号pとして
放送方式スイッチ51に供給される。放送方式スイッチ
51はビデオ信号判別回路59から供給される放送方式
選択信号hに応じて、放送がアナログのテレビ放送の場
合は信号pを信号qとして映像検波回路53に与え、デ
ィジタル放送の場合は信号pを信号rとしてI/Q検波
回路56に与える。
は、映像検波回路53はAM検波された信号saをビデ
オ処理回路54へ出力する。ビデオ処理回路54はビデ
オ信号vaを次段に出力すると共に、ビデオ信号判別回
路59にも出力する。放送が多重PSK変調されたディ
ジタル放送の場合は、I/Q検波回路56はI/Q検波
された信号sdをディジタル復調回路57に出力する。
該ディジタル復調回路57は内蔵するディジタル/アナ
ログ変換器(DAC)を介して、アナログの復調ビデオ
信号vdを次段に出力すると共に、ビデオ処理回路59
にも出力する。
信用のAGC電圧を生成するためのものであり、映像検
波回路53から出力される検波出力の振幅に応じたAG
C電圧yを生成してAGC切り替えスイッチ63に印加
する。AGC電圧生成手段62はディジタル放送受信用
のAGC電圧を生成するためのものであり、I/Q検波
回路56から出力される検波出力の振幅に応じたAGC
電圧zを生成してAGC切り替えスイッチ63に印加す
る。AGC切り替えスイッチ63は前記AGC電圧y及
びzから一方の信号を、放送方式選択信号hに応じて選
択し、信号(AGC電圧)xとしてRF増幅部49に印
加する。
ず放送方式スイッチ51及びAGC切り替えスイッチ6
3をアナログ放送側に切り替えておく。そして、ビデオ
信号判別回路59は、例えばビデオ信号の同期パルスが
あるかどうか等により、ビデオ信号vaが正しいビデオ
信号かどうかを判別する。正しければアナログのテレビ
放送を受信しているものと見なし、正しくなければ、ア
ナログのテレビ放送を受信できなかったものと見なし、
放送方式スイッチ51及びAGC切り替えスイッチ63
をディジタル放送側に切り替える。
れた信号vdが正しいビデオ信号であるかどうか判別す
る。そして、正しければディジタル放送を受信している
ものと見なし、正しくなければディジタル放送を受信で
きなかったものと見なす。このようにして、RF増幅部
49で選局された放送がアナログ放送であるかディジタ
ル放送であるかを、ビデオ信号判別回路59で判別し、
放送方式選択信号hを介して、放送方式スイッチ51及
びAGC切り替えスイッチ63を正しいビデオ信号が得
られる方へ切り替えることが出来る。
は、或る周波数で受信が開始された場合において、受信
した周波数にアナログ放送信号とディジタル放送信号と
が混在している場合であっても、正常なAGC回路の動
作を行わせることが出来る。しかしながら、前記した従
来例装置では、ディジタル復調回路における同期処理を
行ってディジタル復調信号が得られるまでは、ディジタ
ル放送を受信できたかどうかの判断が出来ない。これ
は、ディジタル放送信号で長い期間に跨ってタイムイン
ターリーブが施されている場合には特に顕著である。即
ち、一般的にディジタル放送ではタイムインターリーブ
が行われるが、該タイムインターリーブが解除され、同
期処理が終了するまでに長時間を要し、このためにディ
ジタル復調回路から出力される復調出力を基にして放送
方式を判別する処理が短時間で終了できず、放送方式に
合致するAGC電圧に速やかに切り替えることが出来な
いという問題があった。本発明の放送方式判別装置は前
記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、略
同一の中心周波数でアナログ放送とマルチキャリア伝送
方式によるディジタル放送とが同時に行われている電波
環境下においても、選局開始後、速やかにディジタル放
送受信装置におけるRF増幅部の利得を適正値に制御す
る放送受信装置を提供することである。
するために次のような構成でなされたものである。第1
の発明は、RF信号の増幅と選局と中間周波数信号の生
成とを行うRF増幅部と、該RF増幅部で選局された受
信信号の中間周波信数信号について、アナログ放送信号
の振幅を示す第1振幅値とディジタル放送信号の振幅を
示す第2振幅値とを測定して出力する振幅測定手段と、
前記選局された放送がアナログ放送であるかディジタル
放送であるかを前記中間周波数信号を基に判別する放送
方式判別装置と、前記振幅測定手段の出力を基にして前
記RF増幅部の増幅度を制御するためのAGC電圧を生
成するAGC電圧生成手段とを備えた放送受信装置にお
いて、前記中間周波数信号の中心周波数近傍を含む周波
数帯で前記第1振幅値を測定し、前記中間周波数信号の
中心周波数から所定値以上離れた周波数帯で前記第2振
幅値を測定して、前記第1振幅値と第2振幅値のいずれ
か一方の値を前記放送方式判別装置の出力に応じて選択
し、該選択した値を基にしてAGC電圧を生成するよう
にした放送受信装置である。
置、又はディジタル放送/アナログ放送兼用受信装置で
ディジタル放送を受信する場合に、中心周波数が略同一
のアナログ放送とディジタル放送とが混在する電波環境
においても、受信した放送がアナログ放送であるか、デ
ィジタル放送であるかを判別する放送方式判別が、I/
Q検波やディジタル復調をする前の信号を用いて短時間
で行われる。また、受信したディジタル放送信号の振幅
測定は、アナログ放送信号の振幅測定とは、測定する周
波数帯を異なるものとすることにより、アナログ放送信
号の振幅と分離して測定することが出来る。そしてAG
C電圧を生成する際に、第1の振幅値と第2の振幅値の
いずれを用いるかが、前記放送方式の判別結果に応じて
切り替えられる。従って、中心周波数が略同一のアナロ
グ放送とディジタル放送とが混在し、アナログ放送信号
のスペクトルが分布する周波数帯とディジタル放送信号
のスペクトルが分布する周波数帯とが近接している電波
環境においても、ディジタル放送を受信開始後、RF増
幅部の利得を速やかに適正値に制御することが出来るよ
うになる。
において、前記振幅測定手段が前記中間周波数信号の中
心周波数から所定値以上離れた周波数帯で前記第2振幅
値を測定する際に、ハイパスフィルタ又はローパスフィ
ルタを介して測定するようにした放送受信装置である。
る周波数帯の両側に、ディジタル放送信号のスペクトラ
ムが分布する周波数帯があり、本発明によればそのうち
の一方の周波数帯の信号を簡単な回路構成で取り出すこ
とが出来、ディジタル放送信号の振幅を容易に測定する
ことが出来る。
受信装置において、前記放送方式判別装置は、前記第1
振幅値と第2振幅値とによって放送方式を判別するよう
にした放送受信装置である。
振幅測定では、アナログ放送信号又はディジタル放送信
号の振幅を示す値が得られ、第2の振幅値を得るための
振幅測定では、ディジタル放送信号の振幅を示す値が得
られる。また、アナログ放送信号の振幅はディジタル放
送信号のそれより大きいから、アナログ放送信号とディ
ジタル放送信号が混在する場合、又はアナログ放送信号
のみの場合には、第1の振幅値はアナログ放送信号の振
幅を示し、ディジタル放送信号のみの場合には、第1の
振幅値もディジタル放送信号の振幅値と同じになる。こ
のことから、第1の振幅値と第2の振幅値の値を調べる
ことにより、放送方式が判別できる。
のいずれかの放送受信装置において、前記放送方式判別
装置の出力に応じて、前記第1振幅値と第2振幅値とか
ら一方を選択して前記AGC電圧生成手段に与えるAG
C切替えスイッチを有するようにした放送受信装置であ
る。
値とディジタル放送信号の振幅値とのうちAGCに必要
な振幅値が、検出された放送方式に応じて自動的に選択
されるから、放送方式にかかわらず、正常なAGCをか
けることが出来る。
のいずれかの放送受信装置において、前記AGC電圧生
成手段は、前記振幅測定手段から出力された前記第1振
幅値に1より小さい係数を乗算して補正する補正器を有
し、前記選局された放送がアナログ放送である場合に
は、前記補正器で補正した値を基にAGC電圧を生成す
るようにした放送受信装置である。
はディジタル放送信号のそれより大きいから、アナログ
放送信号の振幅を所定の補正係数によって小さくするこ
とにより、アナログ放送とディジタル放送で夫々個別に
制御を行いながらも、アナログ放送とディジタル放送と
でAGC回路の多くの部分を兼用するこが出来る。
のいずれかの放送受信装置において、前記放送方式判別
装置で放送方式を判別する間は、放送方式にかかわらず
前記第1振幅値を用いて前記AGC電圧を生成するよう
にした放送受信装置である。
間周波数信号にアナログ放送信号が含まれている場合で
あっても、RF増幅回路が飽和するのを防止することが
出来るから、放送方式の判別を正確に行うことが出来
る。
タル放送受信装置、又は、アナログ放送/ディジタル放
送兼用受信装置に関し、前記ディジタル放送はマルチキ
ャリア伝送方式を用いたディジタル放送であって、受信
信号の中間周波信数信号について、その中心周波数近傍
の周波数を含む周波数帯でアナログ放送信号の振幅を計
測して第1振幅値とし、前記中心周波数近傍の周波数を
含まず、前記中心周波数から所定値以上離れた周波数帯
でディジタル放送信号の振幅を計測して第2振幅値とす
る。そして、選局された放送がアナログ放送であるかデ
ィジタル放送であるかを前記中間周波数信号を基に判別
し、該判別結果に応じて前記第1振幅値又は第2振幅値
のいずれかを選択して、該選択した値を基にAGC電圧
を生成して、アナログ放送とディジタル放送とが混在す
る環境においても、受信する放送の方式に応じて、速や
かにAGCをかけられるようにした放送受信装置であ
る。
グ放送とディジタル放送とが混在する場合には、中間周
波数信号において、その中心周波数近傍を含む周波数帯
にアナログ放送信号のスペクトラムが存在し、その周波
数帯の外側にディジタル放送信号のスペクトラムが存在
する。また、アンテナから入来するアナログ放送信号の
振幅がディジタル放送信号の振幅より大きく、アナログ
放送とディジタル放送の信号は略所定の振幅比で受信さ
れるから、ある増幅度を有するRF増幅回路から出力さ
れる中間周波数信号においても、同様にアナログ放送信
号の振幅がディジタル放送信号の振幅より大きく、アナ
ログ放送とディジタル放送の信号は略所定の振幅比を有
する。また、この原理を利用して放送方式の判別が行わ
れる。中間周波数信号による振幅測定では、アナログ放
送信号の振幅値である第1振幅値は、中心周波数近傍を
含む周波数帯で計測され、ディジタル放送信号の振幅値
である第2振幅値は、中心周波数近傍を含まない周波数
帯で計測される。そして、AGC電圧の生成や、AGC
切り替えスイッチの制御には、I/Q検波やディジタル
復調が行われる前の信号が用いられるから、RF増幅部
には、選局開始後短時間で、放送方式に適合したAGC
電圧を供給することができる。
び図2を参照して説明する。まず、アナログ放送とディ
ジタル放送とが、同一のアンテナから同時に放送される
例として、現在米国FCC (Federal Communications Com
mittee:アメリカの連邦通信委員会)に提案されている
IBOCシステムについて図3と共に説明する。図3は
IBOCシステム放送方式における送信時の電力スペク
トル分布を示す図である。図3において、横軸は周波数
であり、アナログ放送であるFMオーディオ放送の中心
周波数を0として該中心周波数からのずれを示す。縦軸
は放送波における電力スペクトラムの強度を示し、点線
はFMオーディオ放送のものであり、実線はFMオーデ
ィオ放送の隙間を利用して放送されるディジタルオーデ
ィオ放送のものである。該ディジタルオーディオ放送の
中心周波数はアナログ放送のそれと同じである。
隔で配置されている。即ち隣接するFMオーディオ放送
同士は、その中心周波数が400kHz離間して配置さ
れる。ディジタルオーディオ放送の中心周波数は前記F
Mオーディオ放送の中心周波数と同一であり、ディジタ
ルオーディオ放送波の電力スペクトラムはFMオーディ
オ放送波の電力スペクトラムの外側に分布する。例えば
点線で示すFMオーディオ放送波の電力スペクトラム強
度は0.35db/kHz程度の傾斜を持ち、電力スペ
クトラムは中心周波数に対し略±129kHzの範囲内
に分布する。
送波の電力スペクトラムは中心周波数に対し±(129
kHz〜199kHz)に分布する。IBOCシステム
放送方式のようにアナログ放送とディジタル放送が同時
になされる場合には、同一のアンテナから送信され、同
一のアンテナで受信される。従って図3に示すような電
力スペクトラム強度は、アナログ放送とディジタル放送
において所定の比率で放送され、受信時にも同じ比率を
有するものとなる。例えば、図3の例では、アナログ放
送の場合は−17dbで、ディジタル放送の場合は−4
2dbでその差は25dbである。
放送とディジタルオーディオ放送を同じ中心周波数で同
時に放送しても、両者の電力スペクトラムが重ならない
ようにして互いの干渉を防ぎ、同時の放送を可能にしよ
うとするものである。また、電波環境としては、前記し
たIBOCシステムのようにアナログ放送とディジタル
放送が同時になされる場合の他に、アナログ放送だけの
場合や、ディジタル放送だけの場合もある。このため、
受信時には、受信した放送がどの放送方式のものである
かを検知し、その結果に応じてAGC回路を切り替える
必要がある。また、アナログ放送とディジタル放送の兼
用受信装置の場合は、復調回路も放送方式選択信号に応
じて切り替える必要がある。
すブロック図であり、図2は本発明における振幅測定手
段及び放送方式判別装置の第1実施例を示すブロック図
である。本発明放送受信装置はアナログ放送を受信する
機能を併せ持つものでも良いが、ここではアナログ放送
の受信機能に関しては、記載を省略する。図1につい
て、アナログ放送がFMオーディオ放送であり、ディジ
タル放送がDABオーディオ放送である場合を例にして
説明する。また、このDABシステムでは、変調方式と
してOFDM(直交周波数分割多重方式:Orthogonal Fr
equency Division Multiplex)が採用されているものと
して説明する。図1において、ディジタル放送受信装置
10での受信開始の指示やサーチ開始の指示はユーザか
ら図示しない操作パネルを介してマイクロプロセッサ
(MPU)35に与えられる。受信するディジタルオー
ディオ放送の周波数情報は受信周波数設定信号Fとして
MPU35からRF増幅部13の図示しないPLL回路
に送られる。
テナ11から供給されたRF信号をAGC電圧に応じた
増幅度で増幅するRF増幅回路13Aと、図示しないP
LL回路を有して受信周波数設定信号Fに応じた周波数
で発振する局部発振器13Cと、RF増幅回路13Aか
ら送出されるRF信号と局部発振器13Cの出力とを混
合して所定の中間周波数信号を出力する混合器13B
と、該混合器13Bから出力される信号から中間周波数
信号以外の信号を除去する中間周波フィルタ13D等で
構成される。該中間周波フィルタ13Dは例えばSAW
フィルタで構成される。
ら供給されたRF信号が増幅され、そのうちの特定周波
数とその近傍周波数の搬送波が受信され、信号処理さ
れ、所定の中間周波数信号(IF信号)に変換され、中
間周波フィルタ13Dを通った中間周波数信号eがOF
DM復調器19と振幅測定手段17と放送方式判別装置
20とに与えられる。前記した特定周波数とその近傍周
波数の搬送波を受信することは、一般的に選局とも言わ
れる。
ないアナログ/ディジタル変換器(A/D変換器)、I
/Q検波器、FFT、DSPなどで構成される。RF増
幅部13で選局された放送がディジタルオーディオ放送
(DAB)のときは、OFDM復調器19では、アナロ
グ信号がディジタル信号に変換され、後段でOFDM信
号が処理できるように、I/Q検波器でI信号とQ信号
とに分割され、FFTに供給される。また、FFTとD
SP(ディジタル演算装置)によって高速フーリエ変換
が行われ、この演算結果はチャンネルデコーダ21に供
給される。チャンネルデコーダ21では、信号の順番を
元の順に戻す周波数デ・インターリーブ(de-interleav
ing)、QPSKシンボルデマッピング、FICとMS
Cの分離などが行われ、さらにタイム・デ・インターリ
ーブや、送信されなかったコードビットを挿入して元の
データに戻すデ・パンクチャリング(de-pancturing)
や、誤り符号の検出や訂正などが行われる。
ディオフレームが復号器23に与えられる。復号器23
に与えられるオーディオ情報は、MPEGオーディオ・
レイヤ2を用いて圧縮されたオーディオ情報であり、復
号器23では前記圧縮されたオーディオ情報が復号され
て圧縮が解除され、復号されたオーディオデータjが次
段のD/A変換器に供給される。
測定手段17、OFDM復調器19、放送方式判別装置
20に印加する。振幅測定手段17は供給された中間周
波数信号について、別々の周波数帯で振幅を所定時間測
定し、それぞれの平均値を比較&判別手段33に出力す
る。比較&判別手段33は前記信号mの値Mと信号nの
値Nとを比較して放送方式を算出し、この算出結果であ
る放送方式判別信号cをMPU35に供給する。
eを用いて、受信した放送がアナログ放送であるか、デ
ィジタル放送であるか、両者が混在する放送であるかが
判別され、その結果である放送方式判別信号cがMPU
35に供給される。図5は本発明における放送方式判別
信号cと放送方式選択信号sと復調制御信号uの一例を
示す図である。図5に示す例では、放送方式判別信号c
は2ビットの符号であり、放送方式がアナログ放送のみ
のときは01、ディジタル放送のみの時は10、アナロ
グ放送とディジタル放送が混在しているときは11であ
る。MPU35は放送方式判別信号cに応じて放送方式
選択信号sをAGC切り替えスイッチ15とAGC電圧
生成手段14とに印加し、復調制御信号uをOFDM復
調器19に印加する。
て、受信した放送がディジタル放送のみの場合、及びデ
ィジタル放送とアナログ放送が混在している場合は、放
送方式選択信号sとして0を出力し、受信した放送がア
ナログ放送のみの場合は前記放送方式選択信号sとして
1を出力し、AGC切り替えスイッチ15とAGC電圧
生成手段14とに印加する。復調制御信号uについて
は、受信した放送がアナログ放送のみの場合は0とし、
受信した放送がディジタル放送のみ、又はアナログ放送
とディジタル放送が混在している場合は1としてOFD
M復調器19に印加し、OFDM復調器19は復調制御
信号uが1の時にのみ復調信号をチャンネルデコーダ2
1に出力する。
第1振幅測定手段29、ハイパスフィルタ(HPF)2
7、第2振幅測定手段31で構成され、中間周波数信号
eの異なる2つの周波数帯の夫々において、信号eの振
幅を所定時間計測し、それぞれの平均値を示す信号m、
nを比較&判別手段33とAGC切替えスイッチ15と
に供給する。第1の前記周波数帯は中間周波数信号eの
中心周波数近傍の帯域を含む周波数帯であり、FMオー
ディオ放送のスペクトラムが存在する周波数帯を概ね含
むようにするが、ディジタル放送のスペクトラムが存在
する周波数帯をも含むように周波数帯を広くしても支障
ない。第2の前記周波数帯は中間周波数信号eの中心周
波数近傍の帯域を含まない周波数帯であり、中心周波数
から所定周波数以上離間した周波数帯であって、FMオ
ーディオ放送のスペクトラムが存在する周波数帯を殆ど
含まず、ディジタル放送のスペクトラムが存在する周波
数帯を含むようにする。前記構成により、信号mはFM
放送信号の振幅値Mを表し、信号nはディジタル放送信
号の振幅値Nを表すものとなる。
に応じて前記信号m、nから一つを選択して、AGC電
圧生成手段14に与える。AGC電圧生成手段14はA
GC切替えスイッチ15から与えられた信号からAGC
電圧を生成しRF増幅部13に与える。AGC電圧生成
手段14は補正器18を有する。補正器18は信号mの
値に対して、1より小さい所定の係数kを乗算して、信
号mの値Mを補正する。前記係数ccは、信号mの値M
に係数ccを乗算した値(M×k)と、信号nの値Nと
が、略同じ値になるように設定した場合には、RF増幅
部の増幅度をアナログ放送とディジタル放送とで同一に
することが出来る。しかしこのように設定した場合には
振幅の大きいアナログ放送信号がRF増幅部13で飽和
する恐れがあるので、アナログ放送のときは、ディジタ
ル放送時よりRF増幅部13の増幅度が低くなるように
係数kを設定する。該補正は信号nに対しては行われな
い。そして、AGC電圧生成手段14において補正を行
うか行わないかの制御は、放送方式選択信号sに基づい
て行われる。
では、中間周波数信号eにおけるアナログ放送信号の振
幅に補正処理をし、補正した値を基にしてAGC電圧を
生成し、RF増幅部13に与える。なお、信号mに対す
る補正を行う補正器18は、必ずしもAGC電圧生成手
段14内に設けなくてもよく、例えば、振幅測定手段1
7とAGC切替えスイッチ15との間に設けてもよい。
図3に示す例では、アナログ放送の電力スペクトラム強
度が−17db、ディジタル放送の電力スペクトラム強
度が−42dbであるから、その差が25dbであり、
同一のRF増幅回路を通過した後の振幅比N/Mは1/
17.8(約0.056)となる。従って前記した1よ
り小さい係数kの値として0.056を設定すれば、R
F増幅部13における増幅度はアナログ放送とディジタ
ル放送とで同一になるが、ダイナミックレンジの観点か
ら、中間周波数信号における前記振幅値の比M:Nを例
えば2:1になるようにするには、前記係数kの値を
0.5に設定する。
替えスイッチ15に与えられ、AGC切替えスイッチ1
5は、前記放送方式選択信号sが1の時には前記信号m
を選択し、前記放送方式選択信号sが0の時には前記信
号nを選択して、信号lとしてAGC電圧生成手段14
に供給する。また、放送がアナログ放送のみのときは、
AGC切替えスイッチ15で信号mが選択され、補正器
18で補正した振幅値がAGC電圧の生成に用いられ、
放送がディジタル放送、又はアナログ放送とディジタル
放送の両方であるときは、AGC切替えスイッチ15で
信号nが選択され、該振幅値NがAGC電圧の生成に用
いられる。AGC電圧生成手段14は、AGC切替えス
イッチ15から供給された前記信号lに応じたAGC電
圧を生成してRF増幅部13に供給し、これにより、中
間周波数信号eの振幅は所定値になるように制御され
る。
は、RF増幅部13の中間周波フィルタ13Dから出力
された中間周波数信号eを用いて、受信された信号の放
送方式がアナログ放送であるか、ディジタル放送である
かを判別し、その結果を放送方式判別信号cとしてMP
U35に出力する。放送方式判別装置20は例えば図2
に示すように構成され、構成の一部に後述する振幅測定
手段17を兼用することも出来る。
段29、ハイパスフィルタ(HPF)27、第2振幅測
定手段31、比較&判別手段33で構成される。ここ
に、比較&判別手段33はMPU35で構成しても良
い。放送方式判別装置20で放送方式を判別する場合
は、放送方式にかかわらず、AGC切替えスイッチ15
は信号mを選択し、該信号mは補正器18で補正され
る。これは、中間周波数信号にアナログ放送信号が含ま
れている場合であっても、RF増幅部13が飽和しない
ようにするためであり、放送方式が判別された後は、そ
の放送方式に応じてAGC切替えスイッチ15の接続や
補正器18による補正の有無が制御される。
号eの振幅を測定する。前記したように、FMオーディ
オ放送とディジタル放送とでは、その信号の振幅はFM
オーディオ放送の方が大きいから、第1振幅測定手段2
9では、放送がFMオーディオ放送のとき、及び、FM
オーディオ放送とディジタル放送の混在放送のときは、
FMオーディオ放送信号の振幅が測定され、ディジタル
放送のみのときは、ディジタル放送信号の振幅が測定さ
れることになる。第1振幅測定手段29の出力は、値M
を有する信号mとして、比較&判別手段33及びAGC
切替えスイッチ15に与えられる。
周波数信号eの中心周波数より例えば129kHz高い
遮断周波数を有する高周波通過フィルタである。これに
より、ハイパスフィルタ(HPF)27を通過するの
は、ディジタル放送信号だけとなる。即ち、中間周波数
信号eにおいて、FMオーディオ放送信号の両側に分布
するディジタル放送信号のスペクトラムのうち、片側だ
けがハイパスフィルタ(HPF)27を通過して、第2
振幅測定手段31に与えられる。従って、第2振幅測定
手段31ではディジタル放送信号の振幅が測定され、振
幅値Nを有する信号nとして比較&判別手段33及び前
記AGC切替えスイッチ15に与えられる。
の振幅を調べて、放送方式を判断する。即ち、前記振幅
値Nが略ゼロ又は所定値以下であり、Mが所定値以上で
ある場合には、放送がFMオーディオ放送のみであると
判断する。また、MとNが略同一値で且つ所定値以上で
あるときは、放送がディジタル放送のみであると判断す
る。さらに、前記振幅値M及びNが所定値以上であり、
且つM/Nが1より大きい所定値以上である場合には、
放送がFMオーディオ放送とディジタル放送との混在放
送であると判断する。そして、比較&判別手段33は放
送方式判別信号cをMPU35に与える。
じて放送方式選択信号sをAGC切替えスイッチ15と
AGC電圧生成手段14とに与え、これに応じて前記放
送方式スイッチ15は、前記sが1の時は信号mを選択
してAGC電圧生成手段14に与え、前記sが0の時は
信号nを選択してAGC電圧生成手段14に与える。A
GC電圧生成手段14では、放送方式選択信号sが0の
ときは、振幅値Nを基にしてAGC電圧を生成し、放送
方式選択信号sが1のときは、振幅値Mに対して所定の
係数kを乗算し、その結果の値を基にして、AGC電圧
を生成する。
送方式判別装置の第2実施例を示すブロック図である。
図6と図2で異なる点は、振幅測定手段の構成だけであ
る。即ち、図6に示す振幅測定手段17Aでは、第1振
幅測定手段29の前段にBPF25が設けられ、第2振
幅測定手段31の前段にローパスフィルタ(LPF)2
7Bが配置されている点である。BPF25は、一つの
FMオーディオ放送の信号のスペクトルが分布する周波
数範囲を通過帯域とする帯域通過フィルタであり、ディ
ジタルオーディオ放送の成分を含めない、より正確な振
幅測定を行うためのフィルタである。そして、その中心
周波数は前記中間周波数信号eの中心周波数と同一で、
通過帯域幅は例えばFMオーディオ放送のスペクトラム
が分布する周波数範囲である258kHzに設定する。
これにより、第1振幅測定手段29では、ディジタル放
送信号成分が混入していない、FMオーディオ放送信号
成分のみの測定が出来るから、FMオーディオ放送信号
の振幅をより正確に測定できる。
を通さず、ディジタル放送信号成分のみを通過させるた
めのフィルタであり、その遮断周波数は、中間周波数信
号eの中心周波数から所定値だけ低い周波数に設定す
る。前記遮断周波数は、図3に示した、FMオーディオ
放送信号のスペクトラムとFMオーディオ放送信号のス
ペクトラムが切り替わる周波数であり、例えば、前記中
間周波数信号eの中心周波数より129kHz低い値に
設定する。これにより、第2振幅測定手段31では、F
Mオーディオ放送信号成分が混入していない、ディジタ
ル放送信号成分のみの測定が出来るから、ディジタル放
送信号の振幅をより正確に測定できる。
ル放送受信装置によれば、アナログ放送とディジタル放
送とが混在する電波環境において、受信した放送がアナ
ログ放送であるか、ディジタル放送であるかを判別する
放送方式判別が、I/Q検波やディジタル復調の前の信
号を用いて短時間で行われる。また、受信したディジタ
ル放送の信号レベル(振幅)又はFMオーディオ放送の
信号レベルが正確に測定出来る。そしてAGC電圧を生
成する際に、受信した信号の振幅として補正前の値を用
いるか、補正後の値を用いるかが、受信を希望する放送
の放送方式に適合する方へ、前記放送方式の判別結果に
応じて切り替えられる。従って、受信後RF増幅部の利
得を速やかに適正値に制御することが出来るようにな
る。
図である。
装置の第1実施例を示すブロック図である。
力スペクトル分布を示す図である。
例を示すブロック図である。
選択信号sと復調制御信号uの一例を示す図である。
装置の第2実施例を示すブロック図である。
Claims (6)
- 【請求項1】RF信号の増幅と選局と中間周波数信号の
生成とを行うRF増幅部と、該RF増幅部で選局された
受信信号の中間周波信数信号について、アナログ放送信
号の振幅を示す第1振幅値とディジタル放送信号の振幅
を示す第2振幅値とを測定して出力する振幅測定手段
と、前記選局された放送がアナログ放送であるかディジ
タル放送であるかを前記中間周波数信号を基に判別する
放送方式判別装置と、前記振幅測定手段の出力を基にし
て前記RF増幅部の増幅度を制御するためのAGC電圧
を生成するAGC電圧生成手段とを備えた放送受信装置
において、 前記中間周波数信号の中心周波数近傍を含む周波数帯で
前記第1振幅値を測定し、前記中間周波数信号の中心周
波数から所定値以上離れた周波数帯で前記第2振幅値を
測定して、前記第1振幅値と第2振幅値のいずれか一方
の値を前記放送方式判別装置の出力に応じて選択し、該
選択した値を基にしてAGC電圧を生成することを特徴
とする放送受信装置。 - 【請求項2】前記振幅測定手段は、前記中間周波数信号
の中心周波数から所定値以上離れた周波数帯で前記第2
振幅値を測定する際に、ハイパスフィルタ又はローパス
フィルタを介して測定することを特徴とする請求項1記
載の放送受信装置。 - 【請求項3】前記放送方式判別装置は、前記第1振幅値
と第2振幅値とによって放送方式を判別することを特徴
とする請求項1又は請求項2記載の放送受信装置。 - 【請求項4】前記放送方式判別装置の出力に応じて、前
記第1振幅値と第2振幅値とから一方を選択して前記A
GC電圧生成手段に与えるAGC切替えスイッチを有す
ることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに
記載の放送受信装置。 - 【請求項5】前記AGC電圧生成手段は、前記振幅測定
手段から出力された前記第1振幅値に1より小さい係数
を乗算して補正する補正器を有し、前記選局された放送
がアナログ放送である場合には、前記補正器で補正した
値を基にAGC電圧を生成することを特徴とする請求項
1乃至請求項4のいずれかに記載の放送受信装置。 - 【請求項6】前記放送方式判別装置で放送方式を判別す
る間は、放送方式にかかわらず前記第1振幅値を用いて
前記AGC電圧を生成することを特徴とする請求項1乃
至請求項5のいずれかに記載の放送受信装置。
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