JP2002025575A - 燃料電池 - Google Patents

燃料電池

Info

Publication number
JP2002025575A
JP2002025575A JP2000200659A JP2000200659A JP2002025575A JP 2002025575 A JP2002025575 A JP 2002025575A JP 2000200659 A JP2000200659 A JP 2000200659A JP 2000200659 A JP2000200659 A JP 2000200659A JP 2002025575 A JP2002025575 A JP 2002025575A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
fuel cell
repellent
electrode
gas
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000200659A
Other languages
English (en)
Inventor
Makoto Uchida
誠 内田
Eiichi Yasumoto
栄一 安本
Akihiko Yoshida
昭彦 吉田
Yasushi Sugawara
靖 菅原
Junji Morita
純司 森田
Osamu Sakai
修 酒井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP2000200659A priority Critical patent/JP2002025575A/ja
Priority to EP01945737A priority patent/EP1298744A1/en
Priority to PCT/JP2001/005683 priority patent/WO2002003488A1/ja
Priority to US10/048,903 priority patent/US20020150808A1/en
Publication of JP2002025575A publication Critical patent/JP2002025575A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M8/00Fuel cells; Manufacture thereof
    • H01M8/02Details
    • H01M8/0202Collectors; Separators, e.g. bipolar separators; Interconnectors
    • H01M8/023Porous and characterised by the material
    • H01M8/0239Organic resins; Organic polymers
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

Landscapes

  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Sustainable Development (AREA)
  • Sustainable Energy (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Electrochemistry (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Fuel Cell (AREA)
  • Inert Electrodes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガス拡散層における撥水材の分子量や溶融粘
度、分子構造などを最適化することによって、製造工程
での塗着量バラツキや塗着不良が少なく、低コストで高
い放電性能を持つ固体高分子型燃料電池、液体燃料電池
および電極を提供することを目的とする。 【解決手段】 電解質に高分子膜を用い、前記電解質の
両面に触媒層とその触媒層の外面にガスス拡散層を有す
る電極を備えた燃料電池において、少なくとも一方の電
極において前記ガス拡散層に繊維化しない撥水材を用い
ることを特徴とする燃料電池用電極およびそれを用いた
燃料電池。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃料として水素ガ
ス、あるいはメタノールまたは化石燃料からの改質水
素、もしくはメタノール、エタノール、ヂメチルエーテ
ルなどの液体燃料を直接用い、空気や酸素を酸化剤とす
る燃料電池に関するものであり、とくに高分子電解質を
用いた燃料電池に関し、特にその電極の拡散層に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般的に高分子電解質型燃料電池に使わ
れる電極は、高分子電解質膜を中心としてその外側両面
に触媒層を配置し、さらにその外面に拡散層を配置す
る。拡散層は、主に次の三つの機能を持つ。その第一は
拡散層の外面に配置されたガス流路から、触媒層へ均一
に燃料ガスもしくは酸化剤ガスを供給するために、反応
ガスを拡散させる機能である。第二は触媒層で生成した
水を、速やかにガス流路に排出する機能である。第三は
触媒層の反応に必要な電子を導電する機能である。
【0003】従って、高い反応ガス透過性能、水蒸気透
過性能、電子導電性が必要となる。このため、従来のガ
ス拡散層は、多孔質構造とすることでガス透過能を与
え、フッ素樹脂で代表とされる撥水性の高分子材料を層
中に分散することで水蒸気透過能を与え、カーボン繊維
や金属繊維、炭素微粉末などの電子導電性材料で拡散層
を構成することで電子導電性を与えてきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、ガス透過能と
水蒸気透過能、電子導電生を向上させるための種々の取
り組みは、それぞれ相反する効果を示す。たとえば、ガ
ス透過能を高めるために炭素繊維の径を小さくし、ま
た、充填量を減らすことでガス拡散層の気孔率を高める
と、電子導電性が低下する。また、水蒸気透過能を高め
るために撥水性高分子を添加すると、ガス透過能や電子
導電性が低下する。そこで、ガス拡散層を単一の構成に
するのではなく、例えばカーボン繊維層と、炭素微粉末
と撥水性高分子で形成した層とを組み合わせて、上記の
相反する機能をうまく両立させる取り組みがなされてい
る。しかし、上記の目的を実現するため、撥水性高分子
材料が必要とする種々の特性について詳細に規定した例
は少ない。
【0005】上記の撥水性高分子の使用方法として、例
えば、最も一般的な代表例として特開平06−2038
51号公報、07−130373号公報、08−106
915号公報、09−259893号公報に開示されて
いるように、ポリテトラフルオロエチレン(以下PTF
E)のディスパージョンにカーボンペーパーやカーボン
クロスを含浸処理したり、特開平07−220734号
公報、04−67571公報号、03−208260号
公報、03−208261号公報、03−208262
号公報、06−44984号公報に開示されているよう
に、PTFEを添加した炭素微粉末の層を形成する方法
が提案されている。
【0006】しかし、上記、PTFEを添加した炭素微
粉末の層を形成する場合に、分子量の大きい撥水性高分
子を使用すると撥水性高分子が繊維化しやすく、撥水性
高分子と炭素微粉末の混合溶液(以下、撥水層インク)
の安定性が低く、塗工、印刷などの製造プロセスにおい
て、配管やポンプなどに撥水層インクの固まりが目詰ま
りや濃度変化を起こし、塗着量バラツキや塗着不良を生
じさせ、結果的に電極の放電性能を低下させていた。
【0007】本発明は上記従来の課題を解決するもの
で、ガス拡散層における撥水材の分子量や溶融粘度、分
子構造などを最適化することによって、製造工程での塗
着量バラツキや塗着不良が少なく、高い放電性能を持つ
固体高分子型燃料電池、液体燃料電池および電極を提供
することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決するた
めに本発明の燃料電池は、水素イオン伝導性高分子電解
質膜と、前記水素イオン伝導性高分子電解質膜に接触し
た触媒層と前記触媒層に接触したガス拡散層とを積層し
た一対の電極と、前記電極の一方に燃料ガスを供給排出
し他方に酸化剤ガスを供給排出するガス流路を有する一
対の導電性セパレータとを具備した燃料電池において、
前記ガス拡散層の少なくとも一方は非繊維状撥水材を配
置したことを特徴とする。
【0009】このとき、非繊維状撥水材は分子量が10
0万を越えない高分子化合物であることが望ましい。
【0010】また、非繊維状撥水材は380℃における
溶融粘度が10P以上で109P以下であることが望ま
しい。
【0011】さらに、非繊維状撥水材は融点が250℃
以上で330℃以下であることが望ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明は、電解質に高分子膜を用
い、前記電解質の両面に触媒層とその触媒層の外面にガ
ス拡散層を有する電極を備えた燃料電池において、少な
くとも一方の電極において前記ガス拡散層に非繊維状撥
水材を用いることを特徴とする。使用した撥水性高分子
が繊維化しないため、撥水層インクの安定性が高く、す
なわち塗工、印刷などの製造プロセスにおいて、配管や
ポンプなどに撥水層インクの固まりによる目詰まりや濃
度変化を起こらず、塗着量バラツキや塗着不良が小さい
ため、結果的に電極の放電性能が向上するという作用を
有する。
【0013】また、ガス拡散層に用いる撥水材の分子量
を100万以下とする。従来このような用途に用いられ
ているものはPTFEのように、200万〜600万の
分子量を持ち、繊維化することによって高い成形性を持
つものである。これと比較して、繊維化するための十分
な分子量を持たないため撥水性高分子が繊維化せず、こ
の電極で作った燃料電池は放電性能が向上する。
【0014】また、ガス拡散層に用いる撥水材の380
℃における溶融粘度を10〜109Pにすると、従来用
いられている380℃における溶融粘度が1011P以上
であるPTFEと比較して、電極の焼成工程における溶
融粘度が小さいために炭素微粉末の細孔に溶け込みより
緻密な結着が可能となり、高い撥水効果と耐久性が得ら
れる。
【0015】そして、ガス拡散層に用いる撥水材の融点
を250〜330℃とすると、従来用いられている融点
が333〜347℃のPTFEと比較して、電極の焼成
工程における温度が低く、より消費エネルギーの小さい
製造工程で作成可能となり、コストダウンが図れる。
【0016】このような非繊維状撥水材としては、テト
ラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレンの共重
合体を調整して用いることが出来る。これと成型用PT
FEとを比較すると、380℃における溶融粘度が小さ
く(104〜105P)、かつ、融点が低い(270℃)
ため、電極の焼成工程における溶融粘度が小さく、炭素
微粉末の細孔に溶け込みやすく、より緻密な結着が可能
となる。このため、高い撥水効果と耐久性が得られ、電
極の焼成工程における温度が低く、より消費エネルギー
の小さい製造工程で作成可能となり、コストダウンが図
れる。
【0017】さらに、使用した撥水性高分子が繊維化し
ないため、撥水層インクの安定性が高く製造工程での塗
着量バラツキや塗着不良が少ない電極を使用するため、
高い放電性能を持ち、かつ耐久性の高い低コストな燃料
電池が実現できる。
【0018】以下、本発明の実施の形態について、図を
用いて説明する。
【0019】(実施の形態1)図1に、本発明と従来例
の撥水性高分子の一次粒子の概念図を示した。本発明の
撥水性高分子は、分子量が100万以下であり、従来用
いられている撥水性高分子、例えば成型用PTFEの分
子量200万〜600万と比較して小さい。従来の撥水
性高分子は、図1の(b)のように、非常に長い分子鎖
が折り畳まれて一次粒子2を形成している。この粒子に
剪断力がかかると、分子同士の絡み合いが生じ、図1の
4のような繊維化を起こす。
【0020】一方、本発明でもちいる撥水性高分子の粒
子1は分子鎖が短く、図1の(a)に示したように撥水
性高分子に剪断力をかけても十分な分子量を持たないた
め高分子同士が絡み合いを生じず、図1の3に示したよ
うに繊維化しない。従って、撥水層インクの安定性が高
く、すなわち塗工、印刷などの製造プロセスにおいて、
配管やポンプなどに撥水層インクの固まりによる目詰ま
りや濃度変化を起こらず、塗着量バラツキや塗着不良が
小さいため、結果的に電極の放電性能が向上するという
作用を有する。
【0021】(実施の形態2)図2に、撥水性高分子を
炭素微粉末に吸着させ、熱処理を加えたときの構造変化
の概念図を示した。(a)は本発明で用いる非繊維状撥
水材を使用したときの様子を示したものであり、(b)
は従来用いられている成型用PTFEを使用したときの
ものである。本発明では、撥水性高分子の380℃にお
ける溶融粘度は10〜109Pであり、従来用いられて
いる成型用PTFEの380℃における溶融粘度は10
11P以上であり、これと比較して小さい。図2の(b)
に示したように、従来の撥水性高分子の粒子6は、熱処
理を加えても溶融粘度が高いために、粒子8のように、
炭素微粉末表面に十分広がらない。一方、図2の(a)
に示したように、本発明の撥水性高分子の粒子5は、溶
融粘度が低いために、7のように炭素微粉末表面に溶融
し、炭素微粉末の細孔に溶け込み広がる。従って、緻密
な結着が可能となり、高い撥水効果と耐久性が得られる
という作用を有する。
【0022】以上の本発明の方法により作成されたガス
拡散層を用いることによって、高活性な燃料電池および
その電極を作成することができる。さらに詳しくは実施
例において具体的に説明する。
【0023】
【実施例】(実施例1)アセチレンブラック(電気化学
工業製:デンカブラック)に、PTFEディスパージョ
ン(ダイキン製:ルブロンLDW−40)を乾燥重量と
して10〜70重量%混合して撥水層インクを作成し、
カーボンペーパ(東レ製:TGPH060H)の表面に
塗工し、熱風乾燥機で350℃で熱処理してガス拡散層
を形成した。
【0024】つぎに、30nmの平均一次粒子径を持つ
導電性カ−ボン粒子であるケッチェンブラックEC(オ
ランダ国、AKZO Chemie社)に、平均粒径約
30Åの白金粒子を50重量%担持したものを、空気極
側の触媒担持粒子とした。また、ケッチェンブラックE
Cに、平均粒径約30Åの白金粒子とルテニウム粒子と
を、それぞれ25重量%担持したものを燃料極側の触媒
担持粒子とした。つぎに、この触媒担持粒子と水素イオ
ン伝導性高分子電解質の溶液とを混合し、触媒ぺ−スト
を作成した。このとき、触媒担持粒子と水素イオン伝導
性高分子電解質との混合比は96:4重量比とした。ま
た、水素イオン伝導性高分子電解質はパーフルオロカー
ボンスルホン酸(旭硝子社製フレミオン)を用いた。
【0025】つぎに、上記のガス拡散層の片側の表面
と、水素イオン伝導性高分子電解質膜(米国デュポン
社、ナフィオン112)の両面とに、上記の触媒ぺ−ス
トを印刷した。燃料極側のガス拡散層と空気極側のガス
拡散層とを、水素イオン伝導性高分子電解質膜を中心と
して触媒ぺ−スト面どうしが合うように重ね合わせ、ホ
ットプレス方で接合することで、電極電解質膜接合体
(MEA)を作成した。これをMEA1とする。MEA
の作成では、ガスリ−クを防止するため、ガス拡散層よ
り水素イオン伝導性高分子電解質膜を大きくした。
【0026】以上では、ガス拡散層の作成時にPTFE
ディスパージョン(ダイキン製:ルブロンLDW−4
0)を用いたが、PTFEディスパージョン(ダイキン
製:ND−1)を用い、その他の構成は同一としてME
Aを作成した。これをMEA2とする。
【0027】また、同様に、PTFEディスパージョン
(ダイキン製:D−1)を用い、その他の構成は同一と
してMEAを作成した。これを比較例としてMEA3と
する。
【0028】以上で用いた撥水性高分子の諸特性を、比
較例にあげた従来用いられている撥水性高分子と比較し
て表1に示した。実施例で用いた撥水性高分子は、分子
量が100万を越えず、380℃における溶融粘度が1
0P以上で109P以下であり、融点が250℃以上で
330℃以下であるため、上述のように、熱加工しても
繊維状にならない。
【0029】
【表1】
【0030】次に、以上のように作成したMEAの水素
イオン伝導性高分子電解質膜の外周部にゴム製のガスケ
ット板を接合し、冷却水と燃料ガス及び酸化剤ガス流通
用のマニホールド穴を形成した。
【0031】次に、外寸が20cm×32cm、厚みが
1.3mm、ガス流路および冷却水流路の深さが0.5
mmの樹脂含浸黒鉛板から構成したセパレーターを準備
し、セパレータ2枚を用い、MEAシートの一方の面に
酸化剤ガス流路が形成されたセパレーターを、裏面に燃
料ガス流路が形成されたセパレーターを重ね合わせ、こ
れを単電池とした。この単電池を2セル積層した後、冷
却水路溝を形成したセパレータでこの2セル積層電池を
挟み込み、このパターンを繰り返して100セル積層の
電池スタックを作成した。この時、電池スタックの両端
部には、ステンレス製の集電板と電気絶縁材料の絶縁
板、さらに端板と締結ロッドで固定した。この時の締結
圧はセパレータの面積当たり15kgf/cm2とし
た。
【0032】以上の方法で作成した電池で、MEA1、
MEA2、MEA3を用いたものをそれぞれ電池1、電
池2、電池3とする。
【0033】以上の電池の燃料極に純水素ガスを、空気
極に空気をそれぞれ供給し、電池温度を75℃、燃料ガ
ス利用率(Uf)を70%、空気利用率(Uo)を40
%とし、ガス加湿は燃料ガスを60〜70℃、空気を4
5〜70℃のバブラーをそれぞれ通して行うことで、電
池の放電試験を行った。図3に、電池1、電池2、電池
3の放電特性を示した。図3で、電流密度300mA/
cm2における単電池あたりの電圧は、電池1、電池
2、電池3電圧は、それぞれ、768mV、738m
V、及び610mVであり、本実施例の電池1及び2が
比較例の電池と比べて高い発電効率を持つことが分かっ
た。
【0034】また、電池1、電池2、電池3に2mol
/lのメタノール水溶液を温度60℃で供給し、電池温
度を75℃、空気利用率(Uo)を40%の条件で、空
気を45〜70℃のバブラーをそれぞれ通して供給し、
電池の放電試験を行った。その結果を、図4に示した。
図4で、電流密度200mA/cm2における単電池あ
たりの電圧は、それぞれ、714mV、688mV、及
び417mVであった。
【0035】つぎに、表2に、MEA1、2及び3を作
成したとき、ガス拡散層における撥水層インクの塗工重
量のバラツキを示した。比較例である電池3の塗工重量
のバラツキが±20〜±30であるのと比較して、実施
例である電池1と2の塗工重量バラツキは、±3〜±6
であった。塗工工程において、比較例の撥水層インクで
は、配管の屈曲部やポンプ、フィルターなどに固形状の
堆積物がたまり、目詰まりを起こしていた。また、塗工
中において撥水層インクの粘度や、固形分比が変化し安
定した塗工が困難であった。上記、固形状の堆積物は、
ゴム状に変化しており、繊維状物質が観察された。比較
例の撥水層インクに塗工工程中のポンプや配管、フィル
ターにおいて剪断力がかかり、撥水性高分子が繊維化し
てゴム状の固形物質となり堆積したと考えられる。この
堆積物による目詰まりによって、塗工インクの成分比が
変化し、粘度や固形分比が変化した。また、インクの流
れに脈動が現れ、インクの塗出量が不安定となり、塗工
重量のバラツキの原因になっていた。
【0036】
【表2】
【0037】一方、実施例の塗工工程では、配管やポン
プ、フィルターなどの目詰まりは観察されず、インクの
塗出量も非常に安定していた。実施例1〜4に用いた撥
水性高分子の繊維化は見られなかった。その結果、塗工
重量のバラツキが比較例と比較して非常に改善された。
【0038】また、表2には、本発明の電池1、電池2
と電池3の初期放電特性のバラツキを単電池当たりの電
圧で示した。比較例である電池3の特性バラツキが±7
0〜±80であったのと比べて、実施例のバラツキは±
5〜±8であった。このバラツキの要因は、上記、撥水
層の塗工重量のバラツキに起因していた。電池の撥水層
のバラツキが、反応ガスの供給量や生成水や、生成した
炭酸ガスの排出能力の差に反映され、燃料電池の放電性
能のバラツキとなって現れた。燃料電池は通常、複数の
単電池を直列または並列に接続して用いられる。
【0039】したがって、単電池性能のバラツキは燃料
電池スタックの性能に大きく影響する。とくに、直列に
接続された場合には、最も特性の低い単電池の限界電流
値が燃料電池スタック全体の限界電流値となってしまう
ため、最も低い単電池の性能が燃料電池スタック全体の
性能の限界値となる。つまり、単電池の性能バラツキを
低減することは重要な課題となる。本発明で作成した撥
水層インクの安定性が高く、すなわち塗工、印刷などの
製造プロセスにおいて、配管やポンプなどに撥水層イン
クの固まりによる目詰まりや濃度変化を起こらず、塗着
量バラツキや塗着不良が小さいため、単電池の放電性能
のバラツキが低減され、結果的に燃料電池スタックの放
電性能が向上した。
【0040】また、表1に示したように実施例である電
池1と電池2で用いた撥水性高分子は、比較例に比べ
て、溶融粘度が小さい。電極作成工程における熱処理に
おいて、図2に示したように、従来の撥水性高分子の粒
子6は、熱処理を加えても溶融粘度が高いために、熱処
理後の従来の撥水性高分子の粒子8のように、炭素微粉
末表面に十分広がらない。
【0041】一方、図2の(a)に示したように、本発
明で用いた撥水性高分子の粒子5は、溶融粘度が低いた
めに、図2中7の様に炭素微粉末表面に溶融し、炭素微
粉末の細孔に溶け込み広がり、緻密な結着が可能とな
る。図3と図4に示した本実施例と比較例の特性差は、
撥水層の撥水効果の差であり、比較例の撥水層と比較し
て本実施例の撥水層は高い撥水効果が得られ、反応ガス
の供給量や生成水や、生成した炭酸ガスの排出能力の差
に反映され、燃料電池の放電性能が向上した。
【0042】また、図5と表2に、実施例である電池
1、電池2及び比較例である電池3の寿命特性を示し
た。比較例の燃料電池が1000時間当たり50〜60
mVの性能低下を示したのに対して、本実施例の電池は
3〜7mVの性能低下であった。図2に示したように、
本発明の構成では炭素微粉末表面に溶融し、炭素微粉末
の細孔に溶け込み広がり、緻密な結着が可能となるた
め、高い撥水効果が長期に維持され、耐久性も高い結果
となった。
【0043】さらに、表1に示したように、実施例に用
いた撥水性高分子は比較例に用いた撥水性高分子と比較
して融点が低いため、電極の焼成工程における温度が低
くより消費エネルギーの小さい製造工程で作成可能であ
った。従って、製造コストが低減できた。
【0044】なお、本実施例において燃料の一例とし
て、水素とメタノールを用いたが、水素は改質水素とし
て炭酸ガスや窒素、一酸化炭素などの不純物を含む燃料
においても同様の結果が得られ、メタノールの代わりに
エタノール、ヂメチルエーテルなどの液体燃料およびそ
の混合物を用いても同様の結果が得られた。また、液体
燃料はあらかじめ蒸発させ、上記として供給してもよ
い。
【0045】さらに、本実施例の拡散層の構成は、実施
例に示した炭素微粉末やカーボンペーパーに限定される
ものではなく、他のカーボンブラックやカーボンクロス
を用いた場合にも効果があった。
【0046】さらに、本実施例の構成は、実施例の触媒
層や膜の構成に限定されるものではなく種々の触媒層の
構成にも効果があった。
【0047】さらに、本発明の固体高分子電解質と電極
との接合体を用いて、酸素、オゾン、水素などのガス発
生機やガス精製機及び酸素センサ、アルコールセンサな
どの各種ガスセンサーへの応用も効果がある。
【0048】
【発明の効果】以上、実施例の説明から明らかなよう
に、本発明による燃料電池および電極の構成によって、
触媒層の触媒に均一に反応ガスを供給し、かつ生成水や
生成炭酸ガスを速やかに排出することが可能となり、製
造工程での塗着量バラツキや塗着不良が少なく低コスト
で、高い放電性能と耐久性を持つ固体高分子型燃料電
池、液体燃料電池および電極を実現することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例と比較例における撥水性高分子
の剪断力に対する変化を示す概略図
【図2】本発明の実施例と比較例における撥水性高分子
の熱処理に対する変化を示す概略図
【図3】本発明の実施例と比較例との燃料電池の第1の
電圧−電流特性を示す図
【図4】本発明の実施例と比較例との燃料電池の第2の
電圧−電流特性を示す図
【図5】本発明の実施例と比較例との燃料電池の電圧−
作動時間特性を示す図
【符号の説明】
1,3,5,7 本発明で用いた撥水性高分子 2,4,6,8 従来例で用いた撥水性高分子 9 炭素微粉末
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉田 昭彦 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 菅原 靖 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 森田 純司 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 酒井 修 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 5H018 AA06 AS01 AS02 AS03 BB01 BB03 DD06 EE03 EE08 EE16 EE19 5H026 AA06 EE17 HH00

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水素イオン伝導性高分子電解質膜と、前
    記水素イオン伝導性高分子電解質膜に接触した触媒層と
    前記触媒層に接触したガス拡散層とを積層した一対の電
    極と、前記電極の一方に燃料ガスを供給排出し他方に酸
    化剤ガスを供給排出するガス流路を有する一対の導電性
    セパレータとを具備した燃料電池において、前記ガス拡
    散層の少なくとも一方は非繊維状撥水材を配置したこと
    を特徴とする燃料電池。
  2. 【請求項2】 非繊維状撥水材は分子量が100万を越
    えない高分子化合物であることを特徴とする請求項1記
    載の燃料電池。
  3. 【請求項3】 非繊維状撥水材は380℃における溶融
    粘度が10P以上で109P以下であることを特徴とす
    る請求項1または2記載の燃料電池。
  4. 【請求項4】 非繊維状撥水材は融点が250℃以上で
    330℃以下であることを特徴とする請求項1、2また
    は3記載の燃料電池。
JP2000200659A 2000-07-03 2000-07-03 燃料電池 Pending JP2002025575A (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000200659A JP2002025575A (ja) 2000-07-03 2000-07-03 燃料電池
EP01945737A EP1298744A1 (en) 2000-07-03 2001-06-29 Fuel cell
PCT/JP2001/005683 WO2002003488A1 (en) 2000-07-03 2001-06-29 Fuel cell
US10/048,903 US20020150808A1 (en) 2000-07-03 2001-06-29 Fuel cell

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000200659A JP2002025575A (ja) 2000-07-03 2000-07-03 燃料電池

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002025575A true JP2002025575A (ja) 2002-01-25

Family

ID=18698493

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000200659A Pending JP2002025575A (ja) 2000-07-03 2000-07-03 燃料電池

Country Status (4)

Country Link
US (1) US20020150808A1 (ja)
EP (1) EP1298744A1 (ja)
JP (1) JP2002025575A (ja)
WO (1) WO2002003488A1 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005216834A (ja) * 2004-02-02 2005-08-11 Matsushita Electric Ind Co Ltd 高分子電解質型燃料電池
JP2007042568A (ja) * 2005-07-08 2007-02-15 Dainippon Printing Co Ltd 固体高分子形燃料電池用のガス拡散用撥水性電極
JP2007242378A (ja) * 2006-03-07 2007-09-20 Univ Of Yamanashi 燃料電池用ガス拡散層
JP2008029962A (ja) * 2006-07-28 2008-02-14 Toyota Motor Corp 撥水性物質を含有するペーストを塗布する装置、方法及び燃料電池の製造方法
JP2017059305A (ja) * 2015-09-14 2017-03-23 東洋紡株式会社 燃料電池用ガス拡散層
WO2022210207A1 (ja) * 2021-03-29 2022-10-06 東ソー株式会社 熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、分散液状組成物、固体高分子形燃料電池用積層体、該固体高分子形燃料電池用積層体の製造方法

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1327492A1 (en) * 2002-01-15 2003-07-16 N.V. Bekaert S.A. Porous metal stack for fuel cells or electrolysers
JPWO2003088395A1 (ja) * 2002-04-17 2005-08-25 松下電器産業株式会社 高分子電解質型燃料電池

Family Cites Families (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3793085A (en) * 1966-02-14 1974-02-19 Matsushita Electric Ind Co Ltd Gas diffusion electrode for cells
JPS6074354A (ja) * 1983-09-30 1985-04-26 Fuji Electric Corp Res & Dev Ltd 燃料電池のガス拡散電極
JP2892679B2 (ja) * 1989-05-09 1999-05-17 松下電器産業株式会社 燃料電池用電極
JPH07130374A (ja) * 1993-11-03 1995-05-19 Tokyo Gas Co Ltd 燃料電池用電極におけるカ−ボンペ−パ−の撥水化処理法
JPH07211324A (ja) * 1994-01-19 1995-08-11 Osaka Gas Co Ltd 電極触媒組成物、電極材およびその製造方法
JPH08148167A (ja) * 1994-11-17 1996-06-07 Tokyo Gas Co Ltd 高分子電解質膜と電極の接合体及びその接合方法
JP3336839B2 (ja) * 1995-04-10 2002-10-21 ダイキン工業株式会社 電池用撥水性付与剤および電池
JPH09259893A (ja) * 1996-03-26 1997-10-03 Tanaka Kikinzoku Kogyo Kk 高分子電解質型燃料電池用電極、その製造方法及び該電極を有する燃料電池の運転方法
JP3584612B2 (ja) * 1996-05-30 2004-11-04 旭硝子株式会社 固体高分子型燃料電池およびその電極の製造方法
JPH10241700A (ja) * 1997-02-27 1998-09-11 Toyota Central Res & Dev Lab Inc ガス反応系あるいはガス生成系電池の電極材料
US6780533B2 (en) * 1999-12-17 2004-08-24 Utc Fuel Cells, Llc Fuel cell having interdigitated flow channels and water transport plates

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005216834A (ja) * 2004-02-02 2005-08-11 Matsushita Electric Ind Co Ltd 高分子電解質型燃料電池
JP2007042568A (ja) * 2005-07-08 2007-02-15 Dainippon Printing Co Ltd 固体高分子形燃料電池用のガス拡散用撥水性電極
JP2007242378A (ja) * 2006-03-07 2007-09-20 Univ Of Yamanashi 燃料電池用ガス拡散層
JP2008029962A (ja) * 2006-07-28 2008-02-14 Toyota Motor Corp 撥水性物質を含有するペーストを塗布する装置、方法及び燃料電池の製造方法
JP2017059305A (ja) * 2015-09-14 2017-03-23 東洋紡株式会社 燃料電池用ガス拡散層
WO2022210207A1 (ja) * 2021-03-29 2022-10-06 東ソー株式会社 熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、分散液状組成物、固体高分子形燃料電池用積層体、該固体高分子形燃料電池用積層体の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
EP1298744A1 (en) 2003-04-02
US20020150808A1 (en) 2002-10-17
WO2002003488A1 (en) 2002-01-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4023903B2 (ja) 固体高分子型燃料電池用膜・電極接合体
JP5107050B2 (ja) 固体高分子形燃料電池用膜電極接合体の製造方法
JP5066998B2 (ja) 固体高分子形燃料電池用膜電極接合体
US20080317945A1 (en) Electrolyte membranes for use in fuel cells
JP4090108B2 (ja) 固体高分子型燃料電池用膜・電極接合体
JP2023126365A (ja) 電極触媒層、膜電極接合体及び固体高分子形燃料電池
JP2008159320A (ja) 膜電極接合体
JP2003178780A (ja) 高分子電解質型燃料電池システム、および高分子電解質型燃料電池の運転方法
JPH07326363A (ja) イオン導電性付与電極並びにそのような電極を用いた電極・電解質接合体及びセル
JP2003109604A (ja) 燃料電池用ガス拡散電極およびその製造法
EP1383184B1 (en) Electrode for fuel cell and method of manufacturing the electrode
JP2002025575A (ja) 燃料電池
JP2004158261A (ja) プロトン伝導性材料、膜・電極接合体及び燃料電池
JP3712959B2 (ja) 燃料電池用電極およびその製造方法
JP3547013B2 (ja) 固体高分子型燃料電池用電極およびそれを用いた燃料電池
JP2010244791A (ja) 直接メタノール型燃料電池
JP4880131B2 (ja) ガス拡散電極およびこれを用いた燃料電池
JP2004273257A (ja) 燃料電池用の電極触媒層
US20220407100A1 (en) Membrane-electrode assembly capable of satisfying both of two requirements of excellent performance and high durability, and fuel cell including same
JP4686992B2 (ja) 固体高分子型燃料電池およびその発電方法
JP4271127B2 (ja) 固体高分子型燃料電池の電極構造体
JP4828864B2 (ja) 固体高分子型燃料電池用ガス拡散電極、固体高分子型燃料電池用膜−電極接合体とその製造方法、および固体高分子型燃料電池
JP3738831B2 (ja) 燃料電池用電極および燃料電池
JP2003142121A (ja) 固体高分子型燃料電池
JP2005339962A (ja) 高分子膜電極接合体、高分子電解質型燃料電池、および高分子膜電極接合体の製造方法