JP2002025547A - アルカリ二次電池用電極 - Google Patents

アルカリ二次電池用電極

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JP2002025547A
JP2002025547A JP2000210134A JP2000210134A JP2002025547A JP 2002025547 A JP2002025547 A JP 2002025547A JP 2000210134 A JP2000210134 A JP 2000210134A JP 2000210134 A JP2000210134 A JP 2000210134A JP 2002025547 A JP2002025547 A JP 2002025547A
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polymer
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secondary battery
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Koichi Matsumoto
光市 松本
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Asahi Kasei Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電極活物質と集電体基板との密着性向上、電
気化学的耐久性の向上。 【解決手段】 アルカリ二次電池のペースト式電極にお
けるバインダとして、電極活物質に化学結合性を有し、
イオン伝導性を有する重合体を用いることにより、電極
活物質と集電体金属板との密着性を向上し、電極の薄型
化と電池特性を向上できる。特に、正極用バインダとし
て、スルホン酸基を有するパーフルオロカーボン重合体
を用いる場合は、正極で特に要求される耐酸化性に優
れ、好適である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルカリ二次電池
用電極及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ニッケル・カドミウム(NiC
d)電池、ニッケル・水素(NiMH)電池等のアルカ
リ二次電池では、電池の高性能化に当たって各種の電極
の改良がなされてきた。電極活物質そのものの改良に加
えて、導電性を改良するための添加剤、集電体基板の構
造、電極活物質の集電体基板に保持する量を向上させる
方法、電極活物質や添加剤の分散均一性を向上する方法
等の各種がある。
【0003】近年、アルカリ二次電池の高容量化、高出
力化を低コストで達成するために、集電体基板の形状・
構造とそれに電極活物質を保持させる方法の改良、特に
ペースト式電極が進展している。しかしながら、電極活
物質や添加剤を相互に固着し、かつそれらを集電体基板
に固着するバインダ、電極活物質や添加剤を集電体基板
に塗着するペースト形成剤に最適なものがないのが現状
である。従来のバインダとしてSBRディスパージョン
やPVA水溶液等の炭化水素系有機重合体や、増粘剤と
してCMC等のセルロース系重合体を使用する場合は、
接着性や電池内の電気化学的耐久性が不十分であり、イ
オン伝導性も妨げる方向に作用する。
【0004】特に、ニッケルー水素二次電池における高
容量化、高出力化において、その正極とセパレータの薄
型化が課題になっている。ニッケルー水素二次電池正極
は現在、水酸化ニッケルを主成分とする粉末を導電助剤
や、バインダ、増粘剤とともにペースト状として、発泡
ニッケルやニッケル繊維基体に充填後、加圧成形した電
極が主流になっている。この場合、正極の厚みは通常1
ミリメートルを超え、正極の表面粗度も大きいためセパ
レータとして薄型化が容易な微多孔膜の使用も困難とな
っている。この正極の薄型化とコスト低下のために、パ
ンチングメタル等の穴あき金属板に活物質を塗布・固着
させる方法が試みられているが、特性を満足するバイン
ダがないために、実現されていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は電極活物質同
士、および電極活物質と集電体基板とが強固に接着する
ことにより、電極内に高濃度に電極活物質を固着可能と
し、電池内の電気化学的耐久性や耐酸化性が良好で、耐
熱性に優れ、電池特性も良好なアルカリ二次電池用電極
を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は鋭意研究した
結果、電極活物質のバインダ成分として電極活物質と化
学結合性を有し、イオン伝導性を有する重合体を使用し
た場合、電極内に高濃度に電極活物質を固着できること
を見いだし、本発明をなすに至った。すなわち、本発明
は下記の通り。 (1)少なくとも電極活物質、及び電極活物質に化学結
合性を有し、イオン伝導性を有する重合体を含んだ混合
物が、金属板の集電体基板に塗着されてなることを特徴
とする、アルカリ二次電池用電極。
【0007】(2)電極活物質に化学結合性を有し、イ
オン伝導性を有する重合体が、スルホン酸基を有するパ
ーフルオロカーボン重合体であることを特徴とする、
(1)記載のアルカリ二次電池用電極。 (3)スルホン酸基を有するパーフルオロカーボン重合
体のEWが、500〜1500であることを特徴とす
る、(1)記載のアルカリ二次電池用電極。 (4)電極活物質に化学結合性を有し、イオン伝導性を
有する重合体が、スルホン酸基を有するパーフルオロカ
ーボン重合体とスルホン酸基を有しないパーフルオロカ
ーボン重合体との組成物であることを特徴とする、
(1)記載のアルカリ二次電池用電極。
【0008】(5)電極活物質の主成分が、水酸化ニッ
ケルであり、金属板が穴あき金属板であることを特徴と
する、(1)記載のニッケルー水素二次電池用正極。 (6)電極活物質の主成分が水素吸蔵合金であり、金属
板が穴あき金属板であることを特徴とする、(1)記載
のニッケルー水素二次電池用負極。 (7)電極活物質粉末、電極活物質に化学結合性を有
し、イオン伝導性を有する重合体を含有する溶液、添加
剤からなる水系ペーストを、穴あき金属板などの集電体
基板に塗着することを特徴とする、アルカリ二次電池用
電極の製造方法。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明について、以下具体的に説
明する。本発明におけるアルカリ二次電池とは、アルカ
リ水溶液からなる電解質を有することを特徴とし、負極
板及び正極板、セパレータなどから構成され、充放電が
可能な二次電池のことである。該アルカリ二次電池に
は、ニッケルー水素電池、ニッケルーカドミウム電池な
どの種類がある。
【0010】本発明における電極とは、活物質、集電
体、添加剤などからなる負極もしくは正極をいう。ニッ
ケルー水素二次電池の負極の活物質として、水素吸蔵合
金粉末が使用され、ミッシュメタル系材料が好適である
が、それ以外にもZr系やTi―Mn系材料を用いるこ
ともできる。水素吸蔵合金粉末の平均粒径は10〜15
0μmの範囲が好ましい。水素吸蔵合金粉末の表面には
良導電性の金属被膜を被着してマイクロカプセル化する
こともできる。金属被膜としては、ニッケル、銅、パラ
ジウム、コバルトなどを採用することができる。ニッケ
ルーカドミウム二次電池の負極活物質は水酸化カドミウ
ムが使用される。但し、負極板製造時に酸化カドミウム
を充填して、後に電解液を注入した際に酸化カドミウム
を水酸化カドミウムに変化させることも可能である。
【0011】ニッケルー水素二次電池もしくはニッケル
ーカドミウム二次電池の正極の活物質として、水酸化ニ
ッケル粉末が主に使用される。水酸化ニッケルの膨潤劣
化を抑えるために、ニッケルの一部に2荷の亜鉛やコバ
ルトを固溶添加したり、利用率の向上のために水酸化ニ
ッケルの表面に電子伝導性の水酸化コバルトの被膜を形
成することも可能である。通常、粉末の平均粒径は1〜
200μmが好ましく、実用化されている8〜50μm
が好適に使用できる。
【0012】電極活物質の粒子径、粒度分布、粒子形状
は集電体基板に高充填密度で含浸ないし塗着するために
最適化される。粒子形状は不定形よりも球状ないし鶏卵
状や、フレーク状が集電体形状に合わせて好適に選択さ
れる。本発明における集電体基板としては、ニッケル薄
板、ニッケルメッキつき薄鋼鈑、微孔を穿ったニッケル
メッキつき薄鋼鈑、エキスパンドメタルやパンチングメ
タルシートあるいは金属粉末を粉末圧延法により成形し
て得られた多数の孔を有するシート等の二次元基板が可
能である。特に本発明は、厚みの薄い二次元基板に電極
活物質等をペースト状にして塗着したペースト式電極に
好適である。
【0013】本発明に云う電極活物質に化学結合性を有
し、イオン伝導性を有する重合体としては、電極活物質
と共有結合ないしイオン結合ないし水素結合ないし配位
結合を形成しうる官能基を有し、且つイオン伝導性のあ
る官能基を有する重合体であることを意味する。これら
官能基としてはスルホン酸基、カルボン酸基、ホスホン
酸基、リン酸基、スルホン酸金属塩基、カルボン酸金属
塩基、ホスホン酸金属塩基、リン酸金属塩基が好まし
い。ポリマーの骨格としては、ポリオレフィン、ポリス
チレンのような炭化水素系重合体も使用可能であるが、
耐酸化性や耐熱性に優れた含フッ素系高分子が好まし
い。
【0014】含フッ素系高分子としては、例えば、テト
ラフルオロエチレン、トリフルオロモノクロロエチレ
ン、トリフルオロエチレン、フッ化ビニリデン、1,1
―ジフルオロ−2,2―ジクロロエチレン、1,1―ジ
フルオロー2―クロロエチレン、ヘキサフルオロプロピ
レン、1,1,1,3,3―ペンタフルオロプロピレ
ン、オクタフルオロイソブチレン、エチレン、塩化ビニ
ル、及びアルキルビニルエステル等の第一群のモノマー
と、下記一般式(1)、 Y―(CF2a―(CFRfb―(CFR'fc―O― ―[CF(CF2X)―CF2―O]n―CF=CF2 …… (1) (式中、YはーSO2F、―SO3NH、―COOH、―
CN、―COF、―COOR(Rは炭素数1〜10のア
ルキル基)、―PO32、―PO3Hであり、aは0〜
6、bは0〜6の整数、cは0または1であり、但しa
+b+cは0に等しくはならない。Xはn>1の時、C
l、Br、Fまたはそれらの混合物であり、nは0〜6
である。Rf及びR'fは独立にF、Cl、約1〜10個
の炭素原子を有するフルオロクロロアルキル基からなる
群から選択される。)で表される第二群のモノマーから
選ばれた、第二群モノマーを必須とする2種あるいは3
種以上のモノマーの共重合体、上記第二群の1種以上の
重合体などである。特に、スルホン酸基を有するパーフ
ルオロカーボン重合体が好ましい。
【0015】重合体の重合度は電極活物質との濡れ性な
いし表面親和性、或いはポリマー溶液の形成し易さと、
バインダとして保持すべき強度から最適化される。バイ
ンダとしての強度や耐久性の点から重合体の分子量は5
000以上が好ましい。その分子量が100万以上にな
ると、電極活物質との濡れ性や表面親和性が悪くなり、
分散溶液も形成し難くなる傾向がある。イオン伝導性を
有する重合体のイオン交換容量EWは、電極活物質間の
バインダとしてのイオン伝導性、接着性、バインダとし
て保持すべき強度、親水性、耐久性、電池としての特
性、及び分散溶液を製造する難易度から最適化される。
イオン伝導性や接着性、親水性を高めるにはEWの低い
ポリマーが使用されることが望ましいが、強度、耐久性
からはEWが高いポリマーが望ましいのが一般的であ
る。
【0016】ここで言うEWとは、イオン伝導性を有す
る交換基の当量重量を表している。当量重量はイオン交
換基1当量あたりのイオン伝導性を有する重合体の乾燥
重量であり、「g/ew」の単位で表される。EWは水
酸化ナトリウム標準水溶液を用いて、遊離酸型の重合体
を滴定することにより測定される。本発明に好適なスル
ホン酸基を有するパーフルオロカーボン重合体のEW
は、500以上が好ましく、より好ましくは700以上
である。500未満では親水性が高すぎ、かつバインダ
としての強度や耐久性が低くなり易い。また、本発明に
好適なスルホン酸基を有するパーフルオロカーボン重合
体のEWは、1500以下が好ましく、より好ましくは
1300以下である。1500を越えるとイオン伝導性
が低すぎ、かつ良好な分散溶液を形成し難くなる。ま
た、2種以上のポリマーを混合して用いることによりE
Wを適宜調節することも可能である。
【0017】本発明において、スルホン酸基を有するパ
ーフルオロカーボン重合体を使用する場合は、スルホン
酸基を有しないパーフルオロカーボン重合体と混合した
組成物として使用することも可能である。スルホン酸基
を有しないパーフルオロカーボン重合体としては、PT
FE(ポリテトラフルオロエチレン)、PFA(テトラ
フルオロエチレンーパーフルオロアルキルビニルエーテ
ル共重合体)、FEP(テトラフルオロエチレンーヘキ
サフルオロプロピレン共重合体)等の市販の重合体が、
コスト低減のためにも、好ましい。ペーストのコロイド
形成効果、増粘効果や、電極活物質の体積変化に抵抗し
てその崩落を抑止したりして、スルホン酸基を有するパ
ーフルオロカーボン重合体の接着性を補完する効果が得
られる。
【0018】電極活物質に化学結合性を有し、イオン伝
導性を有する重合体は、各種溶媒中に溶解ないし分散さ
れた溶液状にして用いられる。溶媒としては例えば、メ
タノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等の
アルコール類、N,N'―ジメチルアセトアミド、N,
N'―ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、
スルホラン等の極性溶媒、テトラヒドロフラン等の環状
エーテル類、及び上記溶媒群から選ばれた2種類以上の
混合物、さらには上記溶媒群と水との混合物が好まし
い。
【0019】さらには、上記溶媒群の少なくとも1種
と、フルオロカーボンや含フッ素アルコール等の含フッ
素化合物との混合溶媒も使用可能である。本発明の重合
体溶液の濃度は、電極活物質表面に付着して適切な接着
性を発現しやすい、3〜20重量%の範囲が好ましい。
この濃度が低すぎると、活物質表面への均一な付着が得
られ難くなり、この濃度が高すぎると、溶液中の重合体
の溶解性や分散性が悪くなり、活物質や集電体への分散
性が悪くなるとともに、活物質への付着や被覆が厚くな
りすぎて活物質の不均一化や利用率の低下をきたし易
い。
【0020】なお、スルホン酸基を有しないパーフルオ
ロカーボン重合体を併用する場合は、水もしくは水と溶
媒の混合液中に懸濁した状態ないしコロイド状態で適用
することも可能である。上記の重合体をバインダとして
各種電極を製作するには、従来のペーストを用いる電極
製作方法が採用でき、従来のバインダの代わりに上記重
合体溶液を主体にして使用する。
【0021】ニッケルー水素二次電池の負極を製作する
には例えば、水素吸蔵合金粉末、ニッケル粉末などの導
電助材、当該重合体溶液、及び必要に応じて水、増粘
材、バインダを混合してペーストを形成し、集電体とな
るニッケルめっき鋼鈑、パンチングメタルやエキスパン
ドメタルのような穴あき金属板をペースト槽から引き上
げてペースト層を金属板の両側に被着させてペースト被
着シートを形成し、ペースト層を乾燥して活物質とし、
更にロールプレス法などで加圧して水素吸蔵合金電極と
することができる。
【0022】また、ニッケルー水素二次電池もしくはニ
ッケルーカドミウム二次電池の薄型の正極を製作するに
は例えば、水酸化ニッケル粉末、ニッケル粉末や酸化コ
バルト粉末などの導電助材、当該重合体溶液、及び必要
に応じて水、増粘材、従来のバインダを混合して、粘度
調整後、ペーストを形成し、集電体となるニッケル薄
板、ニッケルめっき鋼鈑、パンチングメタルやエキスパ
ンドメタルのような穴あき金属板をペースト槽から引き
上げてペースト層を金属板の両側に被着させてペースト
被着シートを形成し、ペースト層を乾燥して活物質と
し、更にロールプレス法などで加圧して薄型の正極とす
ることができる。
【0023】被着を形成する場合には、ペースト組成の
異なる2種以上のペースト槽から逐次に金属板を引き上
げてペースト被着シートを形成することができる。本発
明においてペーストを形成する場合はまず、電極活物
質、導電助材、当該重合体溶液及び必要に応じて水を混
合して電極活物質と当該重合体との化学結合性ないし化
学親和性を形成した後、必要に応じてその他添加剤を混
合することが好ましい。
【0024】ただし、有機化合物系の増粘剤やバインダ
等の添加剤の使用は極力避け、ペーストの粘度調整も無
機化合物系の増粘剤や溶媒ないし水の蒸発によって行う
のが好ましい。粉末の二次凝集を避け、粉末の微細表面
に均一に当該重合体を被着させるために超音波振動を与
えて混合する方法は好ましい実施の態様である。当該重
合体の使用量は、電極活物質の表面に均一に付着できる
量から電極活物質粒子を好ましい厚さに被覆できる量の
範囲で選択できる。当該重合体の使用量は通常、電極活
物質100重量部に対して0.01〜10重量部、好ま
しくは0.05〜5重量部の範囲であり、電極活物質の
密度、粒度、表面積等やその他の添加剤の種類と使用量
が考慮されるべきである。
【0025】その他の添加剤として増粘材を使用するこ
とができる。増粘材としては、カルボキシメチルセルロ
ース、メチルセルロース、ポリビニルアルコールなどの
水溶性ポリマーをイオン交換水や蒸留水などに溶解して
所定濃度に調整されたものが使用できる。その他の増粘
材としては、当該重合体と結合性を有する粒径1ミクロ
ン以下のカーボン微粉末や金属微粉末、セラミックス微
粉末を使用することもできる。以下、本発明を実施例に
基づいて説明する。
【0026】
【実施例1】平均粒径10μmのNi(OH)2粉末9
2.5重量部と 平均粒径5μmのCoO粉末7.5重
量部とを混合した。この混合粉末100重量部に、電極
活物質に化学結合性を有し、イオン伝導性を有する重合
体としてプロトンタイプパーフルオロスルホン酸樹脂の
5重量%溶液(旭化成工業(株)製SS1080、EW
1025,溶媒組成はエタノール/水=50/50)2
0重量部、水30重量部を超音波振動を用いて混合し
た。
【0027】その後、溶媒の約30重量部を蒸発させて
ペースト状となし、そのペースト槽からニッケルパンチ
ングメタルシート(厚さ0.06mm、開孔半径0.7
5mm、開孔率40%)を引き上げ、温風乾燥装置によ
り乾燥してからロールプレスし、厚さ0.6mmのニッ
ケル正極を得た。以上のようにして作製したニッケル正
極の密着性を評価するために、試験水槽水面近傍に上記
正極を垂直に保持し、試験水槽底面裏に接着した超音波
振動体から28kHz、100Wの超音波を10分間放
射させた。上記正極から剥落した量は無視できるほど微
量であった。
【0028】次に、市販のランタン富化したミッシュメ
タルLm及びNi、Co、Mn、Alを用いて高周波炉
によって、LmNi4Co0.4Mn0.3Al0.3の組成から
なる水素吸蔵合金を作製した。前記水素吸蔵合金を機械
粉砕し、これを200メッシュのふるいを通過させた。
得られた合金粉末100重量部に、電極活物質に化学結
合性を有し、イオン伝導性を有する重合体としてプロト
ンタイプパーフルオロスルホン酸樹脂の5重量%溶液
(旭化成工業(株)製SS910、EW910,溶媒組
成はエタノール/水=50/50)60重量部を超音波
振動を用いて混合した。
【0029】次に導電材としてカーボン微粉末1.0重
量部とカルボキシメチルセルロース0.1重量部を加え
て混合し、ペーストを調整した。このペースト槽からニ
ッケルパンチングメタルシート(厚さ0.04mm、開
孔半径0.9mm、開孔率60%)を引き上げ、温風乾
燥装置により乾燥してからロールプレスし、厚さ0.4
mmの負極を得た。次に上記正極と上記水素吸蔵合金負
極とをポリプロピレン不織布からなるセパレータを挟ん
で6N―KOH水溶液に浸漬して理論容量が1000m
Ahの負極規制の開放型電池を作製し、20℃、0.2
Cの電流で6時間充電し、0.2Cの電流で0.9Vま
で放電する充放電サイクルを500回実施し、5回目の
充放電に対する500回目の放電量の割合で定義される
容量維持率を調べたところ、98%であった。
【0030】
【比較例1】実施例1と同じNi(OH)2粉末とCo
O粉末の混合粉末100重量部に、カルボキシメチルセ
ルロース0.5重量部、ポリテトラフルオロエチレンの
懸濁液(比重1.5、固形分60重量%)を固形分換算
で3.0重量部添加し、これらに純水45重量部添加し
て混練することによりペーストを調整した。このペース
ト槽から、実施例1と同じパンチングメタルシートを実
施例1と同様にして引き上げ、温風乾燥装置により乾燥
してからロールプレスし、厚さ0.6mmのニッケル正
極を得た。このニッケル正極の密着性を実施例1と同じ
く超音波を用いて評価したところ、塗着量の20%が剥
落した。
【0031】
【実施例2】実施例1で用いた正極活物質100重量部
に、電極活物質に化学結合性を有し、イオン伝導性を有
する重合体としてプロトンタイプパーフルオロスルホン
酸樹脂の5重量%溶液(旭化成工業(株)製SS95
0、EW950,溶媒組成はエタノール/水=50/5
0)5重量部と濃度が60wt%のPTFEディスパー
ジョン5重量部、水30重量部を超音波振動を用いて混
合した。
【0032】その後、溶媒の約30重量部を蒸発させて
ペースト状となし、そのペースト槽から実施例1と同様
にしてニッケルパンチングメタルシート(厚さ0.06
mm、開孔半径0.75mm、開孔率40%)を引き上
げ、温風乾燥装置により乾燥してからロールプレスし、
厚さ0.6mmのニッケル正極を得た。以上のようにし
て作製したニッケル正極の密着性を実施例1と同様に評
価した結果は、実施例1と同様、上記正極から剥落した
量は無視できるほど微量であった。
【0033】次に、実施例1で得られた水素吸蔵合金粉
末100重量部に、カーボン微粉末1重量部、濃度が6
0wt%のPTFEディスパージョン2重量部、濃度が
52%のSBRディスパージョン3重量部、カルボキシ
メチルセルロース0.25重量部に、水50重量部と混
合してペーストを調整した。そのペースト槽から実施例
1と同様にしてニッケルパンチングメタルシート(厚さ
0.04mm、開孔半径0.9mm、開孔率60%)を
引き上げ、温風乾燥装置により乾燥してからロールプレ
スし、厚さ0.4mmの負極を得た。
【0034】次に、実施例1と同様に上記正極と上記水
素吸蔵合金負極とをポリプロピレン不織布からなるセパ
レータを挟んで6N―KOH水溶液に浸漬して理論容量
が1000mAhの負極規制の開放型電池を作製し、2
0℃、0.2Cの電流で6時間充電し、0.2Cの電流
で0.9Vまで放電する充放電サイクルを500回実施
し、5回目の充放電に対する500回目の放電量の割合
で定義される容量維持率を調べたところ、98%であっ
た。
【0035】
【発明の効果】本発明のアルカリ二次電池用電極は、電
極活物質と化学結合性を有し、イオン伝導性を有する重
合体をバインダとして使用することから、厚みの薄い二
次元基板を集電体としてペースト法でも塗着性に優れた
薄型電極が可能となり、電池の特性も優れたものとでき
る。特に正極用バインダとして、スルホン酸基を有する
パーフルオロカーボン重合体を用いる場合は、正極で特
に要求される耐酸化性に優れ、好適である。また、正極
が従来の発泡ニッケル基板ではなく、パンチングメタル
等の厚みの薄い二次元基板を使用できるようになること
から、セパレータとして厚みの薄い親水性不織布や部分
親水化微多孔膜が使用できるようになる。これによって
電池全体の小型化もしくは体積当たりの高容量化が実現
できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01M 4/70 H01M 4/70 A

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも電極活物質、及び電極活物質
    に化学結合性を有し、イオン伝導性を有する重合体を含
    んだ混合物が、金属板の集電体基板に塗着されてなるこ
    とを特徴とする、アルカリ二次電池用電極。
  2. 【請求項2】 電極活物質に化学結合性を有し、イオン
    伝導性を有する重合体が、スルホン酸基を有するパーフ
    ルオロカーボン重合体であることを特徴とする、請求項
    1記載のアルカリ二次電池用電極。
  3. 【請求項3】 スルホン酸基を有するパーフルオロカー
    ボン重合体のEWが、500〜1500であることを特
    徴とする、請求項1記載のアルカリ二次電池用電極。
  4. 【請求項4】 電極活物質に化学結合性を有し、イオン
    伝導性を有する重合体が、スルホン酸基を有するパーフ
    ルオロカーボン重合体とスルホン酸基を有しないパーフ
    ルオロカーボン重合体との組成物であることを特徴とす
    る、請求項1記載のアルカリ二次電池用電極。
  5. 【請求項5】 電極活物質の主成分が、水酸化ニッケル
    であり、金属板が穴あき金属板であることを特徴とす
    る、請求項1記載のニッケルー水素二次電池用正極。
  6. 【請求項6】 電極活物質の主成分が水素吸蔵合金であ
    り、金属板が穴あき金属板であることを特徴とする、請
    求項1記載のニッケルー水素二次電池用負極。
  7. 【請求項7】 電極活物質粉末、電極活物質に化学結合
    性を有し、イオン伝導性を有する重合体を含有する溶
    液、添加剤からなる水系ペーストを、穴あき金属板など
    の集電体基板に塗着することを特徴とする、アルカリ二
    次電池用電極の製造方法。
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