JP2002025441A - 陰極線管及びその製造方法 - Google Patents

陰極線管及びその製造方法

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    • HELECTRICITY
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 パネルの内面に、特性及び膜質が共に良好で
かつ安定した導電反射膜と熱吸収膜を形成することがで
きる陰極線管の製造方法を提供する。 【解決手段】 蛍光膜14が形成されたパネル11の内
面に所定の膜を形成する陰極線管の製造方法であって、
パネル11の内面に真空蒸着法によってアルミニウムを
付着させることにより、蛍光体膜14上に導電反射膜1
5を形成する第1のステップと、導電反射膜15の表面
を酸化させて酸化アルミニウムによる拡散防止膜21を
形成する第2のステップと、パネル11の内面に真空蒸
着法によってクロムを付着させることにより、導電反射
膜15上に拡散防止膜21を介して熱吸収膜16を形成
する第3のステップとを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、陰極線管とその製
造方法に係り、特に、蛍光体の発光輝度を向上させるた
めの導電反射膜(メタルバック膜)と色選別マスクの熱
膨張に伴う電子ビームのランディングずれを軽減するた
めの熱吸収膜とをパネルの内面に有する陰極線管に適用
して好適な技術に関する。
【0002】
【従来の技術】カラー陰極線管の製造方法、特に、その
パネル製造においては、パネルの内面に蛍光膜を形成し
た後、アルミニウムの導電反射膜を形成することが行わ
れている。蛍光膜の形成は、パネル内面のブラックマト
リクス膜(カーボン膜)の所定位置に、赤、緑、青の各
色蛍光体を所定のパターンで形成した後、その表面を平
滑化するための中間膜(フィルミング膜)を形成するこ
とにより行われる。また、導電反射膜の形成は、上述の
ように蛍光膜が形成されたパネルの内面に、真空蒸着法
によってアルミニウムを蒸着させることにより行われ
る。これにより、図4に示すように、パネル1の内面に
蛍光膜2と導電反射膜3とが形成される。
【0003】一般に、カラー陰極線管においては、電子
銃から出射される3本の電子ビームを、それぞれ色選別
マスク(アパーチャグリル、シャドウマスク等)で色選
別して、対応する色の蛍光体に当てている。このとき、
電子ビームが色選別マスクに照射されることで色選別マ
スク自体が発熱し、さらに色選別マスクからの輻射熱が
導電反射膜で反射されることにより、色選別マスクの温
度が一層高められる。その結果、色選別マスクの熱膨張
が顕著になって電子ビームのランディング位置(蛍光体
に対する電子ビームの到達位置)にずれが生じ、色ずれ
等の不具合を招いてしまう。
【0004】そこで、電子ビームのランディングずれを
軽減するために、パネル内面の導電反射膜上に熱吸収膜
を形成し、この熱吸収膜によって色選別マスクからの輻
射熱を吸収することにより、色選別マスクの熱膨張を抑
えることが行われている。
【0005】従来における熱吸収膜の形成は、パネルの
内面にアルミニウムを蒸着して導電反射膜を形成した後
に行われている。具体的には、導電反射膜が形成された
パネルの内面に対し、黒鉛を溶剤に溶かしてスプレー塗
布することにより熱吸収膜を形成する方法や、低い真空
度でアルミニウムを蒸着することにより、酸化アルミニ
ウム(アルミナ)による熱吸収膜を形成する方法、ある
いはアルミニウム以外の黒色化材料(マンガン、錫等)
を蒸着して熱吸収膜を形成する方法などが公知となって
いる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
の製造方法においては、パネルの内面に導電反射膜と熱
吸収膜を形成するにあたって、独立した2つの成膜工程
を必要とするため、陰極線管の製造工程(パネル製造工
程)が複雑化するという不具合があった。また、製造工
程の簡素化を図るために、同一の真空槽内で導電反射膜
と熱吸収膜とを蒸着しようとすると、熱吸収膜を構成す
る膜材料が導電反射膜の表面で拡散(金属拡散)し、こ
れによって蛍光体の発光輝度が低下する恐れがあった。
さらに、スプレー塗布や低真空度での酸化アルミニウム
による成膜手法では、製造上のばらつきが大きいうえ
に、管理が難しく、特性の安定した熱吸収膜を得ること
が困難であった。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するためになされたもので、蛍光膜が形成されたパネ
ルの内面に所定の膜を形成する陰極線管の製造方法であ
って、パネルの内面に第1の膜材料を付着させることに
より、蛍光体膜上に導電反射膜を形成する第1のステッ
プと、導電反射膜の表面に拡散防止膜を形成する第2の
ステップと、パネルの内面に第2の膜材料を付着させる
ことにより、導電反射膜上に拡散防止膜を介して熱吸収
膜を形成する第3のステップとを有するものである。
【0008】上記陰極線管の製造方法においては、パネ
ルの内面に第1の膜材料による導電反射膜を形成した
後、その導電反射膜上に第2の膜材料による熱吸収膜を
形成するにあたって、導電反射膜における第2の膜材料
の拡散が拡散防止膜によって防止される。これにより、
導電反射膜及び熱吸収膜の特性及び膜質が共に良好でか
つ安定したものとなる。また、このようして得られた陰
極線管、すなわちパネルの内面に導電反射膜、拡散防止
膜及び熱吸収膜からなる3層の膜を有する陰極線管にあ
っては、拡散防止膜の介在によって導電反射膜と熱吸収
膜とがいずれも十分な機能を果たすようになるため、画
像品質に優れたものとなる。
【0009】さらに、上記陰極線管の製造方法におい
て、第1、第3のステップにおける成膜手法に真空蒸着
法を用いる場合にあっては、第2のステップにおいて、
真空蒸着法に用いられる真空槽内の真空度を所定のレベ
ルに低下させ、これによって導電反射膜の表面を酸化さ
せて拡散防止膜を得ることにより、同一の真空槽内にお
いて第1の膜材料だけで導電反射膜と拡散防止膜を形成
できるうえ、拡散防止膜を簡易に形成することが可能と
なる。
【0010】また、第1の膜材料と第2の膜材料をそれ
ぞれ別々の加熱源に供給して、第1のステップでは第1
の膜材料が供給された加熱源を作動させ、第3のステッ
プでは第2の膜材料が供給された加熱源を作動させるこ
とにより、同一の真空層内で導電反射膜と熱吸収膜を順
に形成することが可能となる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0012】図1は本発明に係る陰極線管の側断面図で
ある。図1において、陰極線管本体10は、ガラス製の
パネル11とファンネル12によって構成されている。
このパネル11とファンネル12は、互いの開口端面
(シールエッジ面)を突き合わせた状態でシール剤(フ
リット)により一体に接合されている。ファンネル12
のネック部分には、電子ビームの出射源となる電子銃1
3が内装されている。一方、パネル11の内面には、
赤、緑、青の各色蛍光体を所定のパターンで形成してな
る蛍光膜14とともに、導電反射膜(メタルバック膜)
15、拡散防止膜21及び熱吸収膜16からなる3層の
膜が形成されている。
【0013】また、陰極線管本体10の内部には、色選
別機構を構成する色選別マスク(アパーチャグリル、シ
ャドウマスク等)17が組み込まれている。この色選別
マスク17は、色選別のための多数のスリット又は小孔
を有するもので、陰極線管本体10内ではパネル11の
内面に近接して配置されている。電子銃13から出射さ
れた電子ビームは図中破線で示すように色選別マスク1
7のスリット又は小孔を通してパネル11の内面に到達
し、そこに形成されている蛍光膜14の蛍光体を発光さ
せる。
【0014】図2は本発明に係る陰極線管の製造方法で
使用される真空蒸着装置の概略図である。図2におい
て、真空槽(真空チャンバー)18の上部にはパネル受
け台19が設けられている。これに対してパネル11
は、その内面に形成された蛍光膜14を下向きにしてパ
ネル受け台19に載置される構成になっている。
【0015】また、真空槽18の内部には、加熱源とな
る2つのヒータ部20A,20Bが設けられている。こ
れら2つのヒータ部20A,20Bは、パネル受け台1
9にパネル11を載せたときに、該パネル内面に形成さ
れた蛍光膜14に対向する状態で配置されている。ちな
みに、各ヒータ部20A,20B(加熱源)の加熱方式
としては、抵抗加熱法、電子ビーム加熱法、高周波誘導
加熱法などを採用することができる。また、加熱源(ヒ
ータ部)の配置や個数は、成膜対象物となるパネル11
のサイズや形状等に応じて適宜設定される。
【0016】次に、本発明に係る陰極線管の製造方法と
して、蛍光膜14が形成されたパネル11の内面に、導
電反射膜15、拡散防止膜21及び熱吸収膜16からな
る3層の膜を、真空蒸着法を用いて形成する際の手順を
説明する。
【0017】先ず、パネル受け台19にパネル11を載
せるとともに、真空槽18内の各ヒータ部20A,20
Bに、それぞれ第1の膜材料と第2の膜材料を別々に供
給する。このとき、第1,第2の膜材料は、各ヒータ部
20A,20Bに設けられたボート(るつぼ)に入れら
れる。
【0018】ここで、第1の膜材料は導電反射膜15を
構成するもので、第2の膜材料は熱吸収膜16を構成す
るものである。第1の膜材料としては、光反射率の高い
材料が用いられ、第2の膜材料としては、第1の膜材料
よりも赤外吸収率の高い材料が用いられる。ここでは、
一例として、第1の膜材料にアルミニウム(ペレット)
を用い、第2の膜材料にクロム(粉末)を用いることと
する。
【0019】続いて、真空槽18内を真空ポンプ等によ
り排気して、真空槽18の全圧を規定の真空度(例え
ば、10-4Torr程度)まで減圧させるとともに、ヒ
ータ部20Aを作動させて、そこに供給されたアルミニ
ウム(第1の膜材料)を加熱する。
【0020】図3は蒸着時における加熱温度と真空度の
プロファイルを示す図である。図3から明らかなよう
に、アルミニウムの蒸着時は、先ず、所定の時間(例え
ば、20秒間)にわたって予備加熱(予熱)を行い、そ
の後、所定の時間(例えば、45秒間)にわたって本加
熱を行う。予備加熱時の温度は、上記規定の真空度にお
けるアルミニウムの沸点(980℃)よりも低い温度
(500〜800℃)に設定され、本加熱時の温度は、
上記アルミニウムの沸点よりも高い温度(例えば、13
50〜1450℃)に設定される。
【0021】このような温度プロファイルに従ってヒー
タ部20Aによりアルミニウムを加熱することにより、
真空槽18内でアルミニウムが蒸発してパネル11の内
面に付着(蒸着)する。これにより、パネル11内面の
蛍光膜14上に、アルミニウムからなる導電反射膜15
が形成される。
【0022】こうして導電反射膜15を形成したら、そ
の後、真空槽18内の排気(真空ポンプ等)を停止し、
かつ槽内を外部とリークすることにより、真空槽18内
の真空度を所定のレベルまで低下させる。このときの真
空度は、例えば10-2〜500Torrに設定される。
このように真空槽18内の真空度を低下させることによ
り、上記リーク時において真空槽18内に空気(酸素)
が導入されるため、その状態を所定の時間(例えば、5
〜60秒間)にわたって維持することにより、導電反射
膜15の表面を酸化させる。これにより、導電反射膜1
5の表面に、酸化膜(酸化アルミニウムの膜)からなる
拡散防止膜21が形成される。
【0023】ちなみに、真空槽18内の真空度を所定の
レベルまで低下させるにあたっては、その設定レベル
を、導電反射膜15の表面に酸化膜を形成するのに必要
とされる最小限(最も高いレベル)の真空度に抑えるこ
とが望ましい。その理由は、後述する再排気の所要時間
を極力短縮するためである。
【0024】続いて、真空槽18内を再び排気して規定
の真空度(10-4Torr程度)まで減圧させ、その減
圧状態(高い真空度の状態)からヒータ部20Bを作動
させて、そこに供給されたクロム(第2の膜材料)を加
熱する。このときの温度プロファイルとしては、上記図
3に示すように、先ずは、所定の時間(例えば、20秒
間)にわたって予備加熱を行い、その後、所定の時間
(例えば、45秒間)にわたって本加熱を行う。予備加
熱時の温度は、上記規定の真空度におけるクロムの沸点
(1170℃)よりも低い温度(例えば、500〜80
0℃)に設定され、本加熱時の温度は、上記クロムの沸
点よりも高い温度(例えば、1450〜1650℃)に
設定される。
【0025】このような温度プロファイルに従ってヒー
タ部20Bによりクロムを加熱することにより、真空槽
18内でクロムが蒸着してパネル11の内面に付着(蒸
着)する。これにより、パネル11内面の導電反射膜1
5上に拡散防止膜21を介して熱吸収膜16が形成され
る。以上で、蛍光膜14が形成されたパネル11の内面
に、導電反射膜15、拡散防止膜21及び熱吸収膜16
からなる3層の膜が形成されることになる。
【0026】このように本実施形態に係る陰極線管の製
造方法においては、パネル11の内面に導電反射膜15
と熱吸収膜16を形成するにあたって、導電反射膜15
を形成した後に拡散防止膜21を形成するようにしてい
るため、その成膜過程において導電反射膜15と熱吸収
膜16の間に拡散防止膜21が介在した状態となる。そ
のため、パネル11の内面にクロムを蒸着させたとき
に、導電反射膜15でのクロムの拡散が拡散防止膜21
によって防止される。これにより、導電反射膜15の膜
質及び特性が良好なものとなるため、発光輝度の低下を
回避することができる。また、パネル11の内面に高い
真空度のもとでクロムを蒸着させるため、熱吸収膜16
の膜質及び特性も安定したものとなる。
【0027】その結果、成膜工程以降の製造条件(例え
ば、フリットシール炉によってパネルとファンネルを接
合するときの加熱温度条件)による膜構造の変化や、そ
れに伴う品質(例えば、発光輝度、ビームランディング
のずれによる色ずれ等)のばらつきを低減することがで
きる。
【0028】また、パネル11の内面にアルミニウムを
蒸着させて導電反射膜15を形成した後、その導電反射
膜15の表面を酸化させて拡散防止膜21を得るように
しているため、同一の真空槽18内において、第1の膜
材料であるアルミニウムだけで導電反射膜15と拡散防
止膜21を形成できるうえ、拡散防止膜21を簡易に形
成することができる。
【0029】さらに、アルミニウムとクロムを別々のヒ
ータ部20A,10Bに供給して、先ず、アルミニウム
が供給されたヒータ部20Aを作動させ、その後、クロ
ムが供給されたヒータ部20Bを作動させるようにして
いるため、同一の真空槽18内で導電反射膜15と熱吸
収膜16を順に形成することができる。また、1回(1
サイクル)の蒸着工程のなかで、導電反射膜15、拡散
防止膜21及び熱吸収膜16からなる3層の膜を同一の
真空槽18内で連続的に形成することもできる。その結
果、陰極線管の製造工程(特に、パネル製造工程)を簡
素化できるとともに、各々の成膜工程の所要時間、ひい
てはトータルの成膜所要時間を短縮することができる。
【0030】また、上記図3において、真空槽18内の
真空度を所定のレベル(10-2〜500Torr)まで
低下させた際に、その状態(図のT1期間内)からクロ
ムの蒸着(予備加熱)を開始することにより、導電反射
膜15上にクロムの酸化物層を形成して当該酸化物層を
拡散防止膜21として機能させることができる。また、
排気のための所要時間T2を削減してトータルの成膜所
要時間を一層短縮することができる。さらに、クロムの
蒸着を開始するときの開始タイミングT3を、真空槽1
8内が低真空度(10-2〜500Torr)となるT1
期間の初期(好ましくは真空層18内の真空度が上記所
定のレベルに達するタイミングT4と同時)に設定する
ことにより、トータルの成膜所要時間をより一層短縮す
ることができる。
【0031】なお、上記実施形態においては、第1の膜
材料にアルミニウム、第2の膜材料にクロムを用いるよ
うにしたが、本発明はこれに限らず、他の膜材料(金属
以外も含む)の組み合わせを採用することも可能であ
る。例えば、第2の膜材料として、マンガン、錫、ニッ
ケル、ホウ素等を採用することができる。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係る陰極線
管の製造方法によれば、パネルの内面に導電反射膜を形
成した後、その導電反射膜上に拡散防止膜を介して熱吸
収膜を形成するため、熱吸収膜を構成する第2の膜材料
が導電反射膜上で拡散することがない。これにより、パ
ネルの内面に、反射特性(ミラー効果)に優れた導電反
射膜と、熱吸収特性に優れた熱吸収膜を形成することが
できる。
【0033】また、このようにして得られた陰極線管、
すなわちパネルの内面に、導電反射膜、拡散防止膜及び
熱吸収膜からなる3層の膜を有する陰極線管にあって
は、導電反射膜と熱吸収膜の膜質向上及び特性の安定化
等により、蛍光体の発光輝度を向上させることができる
とともに、色選別マスクの熱膨張を抑えて電子ビームの
ランディングずれを軽減することができる。その結果、
画像品質に優れた陰極線管を提供することが可能とな
る。
【0034】さらに、本発明に係る陰極線管の製造方法
によれば、同一の真空槽内における真空度の切り替えに
より、第1の膜材料だけで導電反射膜と拡散防止膜を形
成することができるとともに、拡散防止膜の形成を簡易
に行うことができる。また、第1の膜材料と第2の膜材
料をそれぞれ別々の加熱源に供給して、それらの加熱源
を個別に作動させることにより、同一の真空槽内で導電
反射膜と熱吸収膜を順に形成することができる。さら
に、1回(1サイクル)の蒸着工程のなかで、導電反射
膜、拡散防止膜及び熱吸収膜からなる3層の膜を同一の
真空槽内で連続的に形成することもできる。これによ
り、陰極線管の製造工程(特に、パネル製造工程)を簡
素化できるとともに、トータルの成膜所要時間を短縮で
きるため、陰極線管のコスト低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法で製造される陰極線管の側断面図
である。
【図2】本発明の方法を実施する際に使用される真空蒸
着装置の概略図である。
【図3】実施形態における蒸着時の加熱温度と真空度の
プロファイルを示す図である。
【図4】従来におけるパネルの断面図である。
【符号の説明】
10…陰極線管本体、11…パネル、14…蛍光膜、1
5…導電反射膜、16…熱吸収膜、18…真空槽、19
…パネル受け台、20A,20B…ヒータ部(加熱
源)、21…拡散防止膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡邊 哲朗 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 Fターム(参考) 4K029 AA27 BA03 BA07 BA44 BB02 BC03 BC07 BC10 BD00 BD09 CA01 EA03 GA01 5C028 CC04 CC05 CC06 5C036 BB05 BB08

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 蛍光膜が形成されたパネルの内面に所定
    の膜を形成する陰極線管の製造方法であって、 前記パネルの内面に第1の膜材料を付着させることによ
    り、前記蛍光体膜上に導電反射膜を形成する第1のステ
    ップと、 前記導電反射膜の表面に拡散防止膜を形成する第2のス
    テップと、 前記パネルの内面に第2の膜材料を付着させることによ
    り、前記導電反射膜上に前記拡散防止膜を介して熱吸収
    膜を形成する第3のステップとを有することを特徴とす
    る陰極線管の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記第1,第3のステップにおける成膜
    手法に真空蒸着法を用いることを特徴とする請求項1記
    載の陰極線管の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記第2のステップにおいて、真空蒸着
    法に用いられる真空槽内の真空度を所定のレベルまで低
    下させることにより、前記導電反射膜の表面を酸化させ
    て前記拡散防止膜を得ることを特徴とする請求項2記載
    の陰極線管の製造方法。
  4. 【請求項4】 真空蒸着法に用いられる真空槽内に複数
    の加熱源を設けるとともに、前記第1の膜材料と前記第
    2の膜材料とをそれぞれ別々の加熱源に供給し、前記第
    1のステップでは前記第1の膜材料が供給された加熱源
    を作動させ、前記第3のステップでは前記第2の膜材料
    が供給された加熱源を作動させることを特徴とする請求
    項2記載の陰極線管の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記第2のステップにおいて、前記真空
    槽内の真空度を所定のレベルまで低下させ、その状態か
    ら前記第2の膜材料の蒸着を開始することを特徴とする
    請求項3記載の陰極線管の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記第2のステップにおいて、真空蒸着
    法に用いられる真空槽内の真空度を所定のレベルまで低
    下させることにより、前記導電反射膜の表面を酸化させ
    て前記拡散防止膜を得ることを特徴とする請求項4記載
    の陰極線管の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記第2のステップにおいて、前記真空
    槽内の真空度を所定のレベルまで低下させ、その状態か
    ら前記第2の膜材料の蒸着を開始することを特徴とする
    請求項6記載の陰極線管の製造方法。
  8. 【請求項8】 蛍光膜が形成されたパネルの内面に、導
    電反射膜、拡散防止膜及び熱吸収膜からなる3層の膜を
    有することを特徴とする陰極線管。
  9. 【請求項9】 前記拡散防止膜は、前記導電反射膜の表
    面に形成された酸化膜からなることを特徴とする請求項
    8記載の陰極線管。
JP2000203920A 2000-07-05 2000-07-05 陰極線管及びその製造方法 Expired - Fee Related JP4164992B2 (ja)

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