JP2002022518A - 複合型流量計 - Google Patents

複合型流量計

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JP2002022518A
JP2002022518A JP2000207864A JP2000207864A JP2002022518A JP 2002022518 A JP2002022518 A JP 2002022518A JP 2000207864 A JP2000207864 A JP 2000207864A JP 2000207864 A JP2000207864 A JP 2000207864A JP 2002022518 A JP2002022518 A JP 2002022518A
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flow rate
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JP2000207864A
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Takayuki Yamaguchi
隆行 山口
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Ricoh Elemex Corp
Ricoh Co Ltd
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Ricoh Elemex Corp
Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 外部からの振動の影響を受けることなく正確
な流量測定を可能にし、さらに、消費エネルギーの節減
を図る。 【解決手段】 フルイディック発振素子2aの誘振子1
5の両側の対称位置であって主噴流が通る位置に大流量
域測定用の熱式流速検出部材17,18を配設する。こ
れによりノズル12からの流体の噴流方向の切り替えの
周波数を一対の熱式流速検出部材17,18からの出力
により検出し、外部の振動の影響を受けることなく大流
量域の流量測定を行うことができる。また、この大流量
域測定用の熱式流速検出部材17,18を、小流量域測
定用の熱式流速検出部材3に付与する駆動エネルギーよ
り低い駆動エネルギーで駆動する。これにより消費エネ
ルギーの節減を図ることが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、大流量域の測定と
小流量域の測定とが可能な複合型流量計に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、流体を噴出させるノズルと、この
ノズルの出口に対向する誘振子とを有するフルイディッ
ク発振素子を用い、ノズルから噴流する流体の流れる向
きが誘振子の両側に交互に変化する現象を利用し、この
ときに流れる流体の流量に応じた振動数による流体振動
を電気信号に変換して流量を測定するフルイディック流
量計が知られている。このフルイディック流量計は小流
量域の測定精度が低いため大流量域の測定に利用されて
いる。また、測定流量域の範囲を広げるために、上記の
フルイディック発振素子の流路中に、小流量域の測定に
適したフローセンサ等の検出素子を配設した複合型流量
計も知られている。
【0003】従来のフルイディック流量計の多くは、流
体振動を検出するために、ノズルの出口と誘振子との間
に、一対の圧力導入孔をノズルの中心を境とする対称位
置に配置し、これらの圧力導入孔から噴出する流体の圧
力を圧力センサにより検出し、二つの圧力センサの出力
変化によってノズルからの噴流の方向が交互に変わるこ
とよる流体振動を認識し、この流体振動の周波数により
流量を求めるように構成されている。
【0004】最近では、上記のように流体振動の検出を
圧力センサの出力により行うフルイディック流量計は、
外部から加わる振動を拾い易く、それが擬似信号として
検出されてしまい、流量測定が不正確になると指摘され
ている。そのために、フルイディック発振素子における
流体振動の検出を圧力センサ以外の検出素子の出力によ
って行う提案がなされている。その例を次に述べる。
【0005】第一は、特開平4−58111号公報に記
載されているように、流体振動の検出をフローセンサの
出力により行うものである。このフローセンサは、フル
イディック発振素子の中心を挟んで形成された一対の開
孔を連通する流路に配置され、このフローセンサの出力
により流量を測定しようとするものである。
【0006】第二は、特開平6−66608号公報に記
載されているように、流体振動の検出を一対のサーミス
タなどの熱センサの出力により行うものである。この一
対の熱センサは、誘振子(ターゲット)の前面側の両側
に配置され、噴流の向きが交互に変わる流体の温度に対
応する抵抗値を出力するもので、これら一対の熱センサ
の出力により流量を測定しようとするものである。
【0007】第三は、特開平4−361119号公報に
記載されているように、流体振動の検出をサーミスタ、
白金薄膜抵抗素子などの一対の熱式流速検出部材の出力
により行うものである。これらの熱式流速検出部材は、
誘振子(ターゲット)の左右両側の対称位置で、かつノ
ズルから噴出する主噴流が通過する位置に配置され、こ
れら一対の熱式流速検出部材の出力により流量を測定し
ようとするものである。ている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、フルイ
ディック発振素子における流体振動の検出を圧力センサ
以外の検出素子によって行う提案の中では、サーミス
タ、白金薄膜抵抗素子などの一対の熱式流速検出部材を
主噴流が通過する位置に配置したものが、流量測定精度
の点で優れている。
【0009】フローセンサなどの熱式流速検出部材は、
従来から小流量域の測定のために用いられているが、感
度を高めるためにある程度に高めた駆動エネルギーによ
り駆動するものである。これにより、小流量域の測定の
ためのフローセンサなどの熱式流速検出部材をそのまま
利用してフルイディック発振素子の振動検出を行うと、
消費エネルギーが大きくなってしまい、ガスメータなど
のように、駆動電源を電池とし、かつ10年間もの長期
にわたり作動させる要求には応えられない問題がある。
【0010】そこで本発明の目的は、外部からの振動の
影響を受けることなく正確な流量測定を行うことがで
き、さらに、消費エネルギーを節減し得る複合型流量計
を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
流体を流す流路中に流路を絞るノズルと、このノズルの
出口から広がる流路拡大部と、この流路拡大部に配置さ
れて前記ノズルの出口に対向する誘振子とが設けられた
フルイディック発振素子と、前記フルイディック発振素
子の前記流路拡大部における前記誘振子の両側の対称位
置であって前記ノズルから噴出する主噴流が通る位置に
配設された大流量域測定用の熱式流速検出部材と、小流
量域の流量測定のためにフルイディック発振素子の前記
流路に配置されて流体の流量に応じた電気信号を出力す
る小流量域測定用の熱式流速検出部材と、を備え、大流
量域測定用の前記熱式流速検出部材は、付与される駆動
エネルギーが小流量域測定用の前記熱式流速検出部材に
付与させる駆動エネルギーより低い仕様に設定されてい
る。
【0012】したがって、ノズルから噴出する流体の流
れは、流体の熱の変化に対応して出力される熱式流速検
出部材の電気信号により検出され、ノズルからの流体の
噴流方向の切り替えの周波数は一対の熱式流速検出部材
からの電気信号により検出され、検出された周波数によ
り流体の大流量域の測定がなされる。また、大流量域測
定用の熱式流速検出部材は主噴流が通る位置に配設され
ているため、測定精度を高めることが可能となる。さら
に、熱式流速検出部材は流体の温度に対応する電気信号
を出力するため外部の振動の影響を受けることはない。
さらに、大流量域測定用の熱式流速検出部材を低い駆動
エネルギーによって駆動することができるため、消費エ
ネルギーを節減することが可能となる。
【0013】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明において、小流量域測定用の前記熱式流速検出部材の
出力が定められた値以下の場合に大流量域測定用の前記
熱式流速検出部材の駆動を停止する駆動停止手段を具備
する。
【0014】したがって、測定範囲が小流量域の場合
に、大流量域測定用の熱式流速検出部材の駆動を停止さ
せ、消費エネルギーを節減することが可能となる。
【0015】請求項3記載の発明は、請求項1又は2記
載の発明において、前記熱式流速検出部材としてフロー
センサを用いる。
【0016】したがって、フローセンサは薄膜技術など
により薄型化、小型化を図ることが可能であるため、流
体の流れを損なうことがなく、フルイディック発振素子
にコンパクトに組み込むことが可能となる。
【0017】請求項4記載の発明は、請求項3記載の発
明において、大流量域測定用の前記フローセンサは、駆
動時の温度が小流量域測定用の前記フローセンサの駆動
時の温度より低い仕様に設定されている。
【0018】したがって、大流量域測定用の熱式流速検
出部材を低い駆動エネルギーによって駆動することがで
きるため、消費エネルギーを節減することが可能とな
る。
【0019】請求項5記載の発明は、請求項3記載の発
明において、大流量域測定用の前記フローセンサは、発
熱体の面積が小流量域測定用の前記フローセンサの発熱
体の面積より小さい値に設定されている。
【0020】したがって、大流量域測定用のフローセン
サを低電圧で駆動し、消費エネルギーを節減することが
可能となる。
【0021】請求項6記載の発明は、請求項3記載の発
明において、大流量域測定用の前記フローセンサは、全
体の薄膜のパターン面積が小流量域測定用の前記フロー
センサの全体の薄膜のパターン面積より小さい値に設定
されている。
【0022】したがって、大流量域測定用のフローセン
サを低電圧で駆動し、消費エネルギーを節減することが
可能となる。
【0023】請求項7記載の発明は、請求項3ないし6
の何れか一記載の発明において、大流量域測定用のフロ
ーセンサの駆動方式は定温度駆動とする。
【0024】したがって、大流量域測定の場合、大流量
域測定用のフローセンサにおける発熱体の温度低下、こ
れに伴う感度の低下を防止することが可能となる。
【0025】
【発明の実施の形態】本発明の一実施の形態を図面に基
づいて説明する。図1は複合型流量計の内部構造を示す
平面図、図2は主噴流と大流量域測定用のフローセンサ
との関係を示す説明図、図3はフローセンサを拡大して
示す平面図、図4はフローセンサの差動出力電圧と流量
との関係を示すグラフである。
【0026】図1及び図2において、1は複合型流量計
である。この複合型流量計1は、フルイディック流量計
2と、小流量域測定用の熱式流速検出部材としてのフロ
ーセンサ3とにより形成されている。
【0027】フルイディック型流量計2の主要な構成部
材をなすフルイディック発振素子2aの上面の開口面は
図示しない上カバーにより閉塞されるものである。フル
イディック発振素子2aには流体を矢印方向に流す流路
4が形成されている。この流路4には、流体の流れ方向
の上流側から下流側に向けて、入口部5、複数の整流用
網6,7,8及び整流格子9が所定の間隔をおいて配置
された整流流路部10、下流側に向けて流路が絞られた
フローセンサ流路部11、ノズル12、流路拡大部1
3、出口部14が形成されている。流路拡大部13には
ノズル12の出口に対向する誘振子15と、この誘振子
15の下流側に配置されたエンドブロック16とが形成
されている。
【0028】さらに本発明のフルイディック流量計2
は、流路拡大部13における誘振子15の両側の対称位
置であってノズル12から噴出する主噴流が通る位置に
配設された大流量域測定用の熱式流速検出部材としての
フローセンサ17,18を具備する。
【0029】前述した小流量域測定用のフローセンサ3
は、フローセンサ流路部11においてノズル12の幅方
向の中心を通る直線上に配置されている。この小流量域
測定用のフローセンサ3と、大流量域測定用のフローセ
ンサ17,18とは、流路4の開口面を覆う上カバーの
内面に支持されている。
【0030】ここで、図3を参照し、小流量域測定用の
フローセンサ3の一例について説明する。本実施の形態
におけるフローセンサ3,17,18はダイヤフラム型
であるが、これに限られるものではなくマイクロブリッ
ジ型でもよい。基板101の表面には、図示しないが金
属薄膜がその表面を絶縁膜により絶縁された状態で形成
されている。この表面が絶縁された金属薄膜の中央部分
(点線で囲った領域)はダイヤフラム部102である。
この表面が絶縁された金属薄膜の上には、流体の流れの
方向(矢印方向)に沿って、流体温度検出素子103、
抵抗素子104,105,106、これらの素子103
〜106を制御回路(図示せず)に接続するボンディング
パッド107〜113が形成されている。すなわち、流
体温度検出素子103の両端はボンディングパッド10
7,108に接続され、抵抗素子104はボンディング
パッド109,110に接続され、抵抗素子105はボ
ンディングパッド111,112に接続され、抵抗素子
106はボンディングパッド110,113に接続され
ている。114はダイヤフラム部102の下部に空隙部
115を形成するための溝である。すなわち、溝114
からエッチング液を注入するという異方性エッチング法
により空隙部115が形成されている。この空隙部11
5の輪郭は点線で囲ったダイヤフラム部102の輪郭と
等しい。抵抗素子104,105,106はダイヤフラ
ム部102の上に配列され、空隙部115により基板1
01とは熱的に絶縁されている。
【0031】ここで、抵抗素子105は流体を暖める発
熱体として機能し、抵抗素子104,106は測温抵抗
素子として機能する。すなわち、発熱体としての抵抗素
子105を加熱し、図3において矢印方向から流体が流
れるものとすると、上流側の抵抗素子104は流体の流
れにより冷やされ、抵抗素子104から熱を奪った流体
に触れる下流側の抵抗素子106は温度が上がる。この
ときの両者の温度差は抵抗値の変化により差動出力電圧
として出力されるため、その出力をホイートストーンブ
リッジ回路に取り込み、抵抗値の変化を電圧に変換する
ことで、その電圧に対応する流体の流速が測定される。
【0032】大流量域測定用のフローセンサ17,18
は、基本的には小流量域測定用のフローセンサ3の構造
と同様であるが、流体温度検出素子103はなくても構
わない。ただし、大流量域測定用のフローセンサ17,
18は、駆動時の抵抗素子105の温度が、小流量域測
定用のフローセンサ3における抵抗素子105の駆動時
の温度より低い仕様に設定されている。
【0033】このような構成において、複合型流量計1
の流量測定について説明する。入口部5ら流路4に流れ
る流体は、整流用網6により緩衝され、次段の整流用網
7との隙間でミキシングされ周期的な振動の変動が緩和
され、同様にして、整流用網7,8により変動が緩和さ
れて流路4内で略均一な流速分布にされた後に、格子状
の整流格子9により二次元流となり非圧縮性の定常的な
一様な流れとなる。これにより、低流量域測定用のフロ
ーセンサ3の出力を安定させることができる。
【0034】ノズル12から下流側に向かって噴出され
た流体は誘振子15の外側に沿って左右に振り分けられ
る。図1において誘振子15の下側に流体が流れる状
態、すなわち主噴流の向きがBの状態から説明すると、
ノズル12から噴出する流体の主噴流は流路拡大部13
から出口部14に向けて流れるが、一部はエンドブロッ
ク16にぶつかり流路拡大部13の下側の側壁に沿って
帰還流体となり、新たにノズル12から噴出する流体の
噴流に直角方向からぶつかる。この帰還流体のエネルギ
ーにより、新たにノズル12から噴出する流体の主噴流
は今度は誘振子15の上側のAの向きに流れ、一部はエ
ンドブロック16にぶつかり流路拡大部13の上側の側
壁に沿って帰還流体となり、新たにノズル12から噴出
する流体の主噴流に直角方向からぶつかる。この帰還流
体のエネルギーにより、新たにノズルから噴出する流体
の噴流は今度は誘振子15の下側となるBの向き流れ
る。ノズル12から噴出する主噴流の流れの振り分けは
このようにして繰り返される。
【0035】このとき、ノズル12から噴出する流体の
流速は、流体の熱の変化に対応して出力されるフローセ
ンサ17,18の電気信号により検出され、ノズル12
からの流体の噴流方向の切り替えの周波数は一対のフロ
ーセンサ17,18からの電気信号により検出され、検
出された周波数により流体の大流量域の流量を求めるこ
とができる。
【0036】この場合、大流量域測定用のフローセンサ
17,18は主噴流が通る位置に配設されているため、
測定精度を高めることができる。
【0037】さらに、フローセンサ17,18は流体の
温度に対応する電気信号を出力するため外部の振動の影
響を受けることはない。
【0038】さらに、熱式流速検出部材として用いたフ
ローセンサ3,17,18は、薄膜により製作可能で薄
型化、小型化を図ることができるため、流体の流れを損
なうことがなく、フルイディック発振素子2aにコンパ
クトに組み込むことができる。特に、大流量域測定用の
フローセンサ17,18は主噴流の向きが交替する流路
拡大部13に配置されるため、流体の流れを損なわない
点については有利である。
【0039】上述のように、複合型流量計1において
は、小流量域の流量をフローセンサ3の出力を基に測定
し、大流量域の流量をフルイディック流量計2により測
定しているので、小流量域測定用のフローセンサ3の出
力が定められた値以下の場合に大流量域測定用のフロー
センサ17,18の駆動を停止する駆動停止手段を具備
することにより、測定範囲が小流量域の場合に、大流量
域測定用のフローセンサ17,18の駆動を停止させる
ことができる。この駆動停止手段は、フローセンサ1
7,18の駆動を停止させるときのフローセンサ3の出
力をテーブルとして備え、フローセンサ3の出力の監視
と、フローセンサ3の出力とテーブルでの設定値との比
較判断と、その比較判断の結果によりフローセンサ1
7,18を駆動するドライバの駆動停止制御とを、マイ
クロコンピュータ構成の制御部によって制御することで
実現できる。
【0040】一般に、複合型流量計1は、小流量域の測
定時には、ある周期をもってフローセンサ3を駆動して
流量測定を行っているが、大流量域の測定時にはフルイ
ディック流量計2を常時駆動している。これに対し、本
発明における複合型流量計1においては、前述のよう
に、大流量域測定用のフローセンサ17,18は、駆動
時の抵抗素子105の温度が、小流量域測定用のフロー
センサ3における抵抗素子105の駆動時の温度より低
い仕様に設定されているので、大流量域測定用のフロー
センサ17,18を低い電圧(駆動エネルギー)によっ
て駆動することができる。これにより、消費エネルギー
を節減することができる。
【0041】ここで、図4に小流量域測定用のフローセ
ンサ3の差動出力電圧と流量との関係を示す。縦軸は差
動出力電圧(測温抵抗素子として機能する抵抗素子10
4,106から出力される検出電圧の差)、横軸は流量
である。同図の実線は、発熱体として機能する抵抗素子
105の温度を40℃に昇温させたときの測定結果、点
線は、抵抗素子105の温度を20℃に昇温させたとき
の測定結果である。測定の対象はLPGガスと、Air
(空気)である。図4のグラフに示すように、同じ流量
でもLPGガスの方がAirより検出電圧の差が大きい
のは、流体の熱伝導率の違いによるものである。
【0042】抵抗素子105の温度を40℃に昇温させ
たときの測定結果(実線)では、流量値に対して電圧差
が大きいため感度が高いと評価できるが、抵抗素子10
5の温度を20℃に昇温させたときの測定結果(点線)
は、流量値に対して電圧差が小さいため感度が低い。
【0043】このことから、小流量域測定用のフローセ
ンサ3は抵抗素子105の温度が40℃まで昇温するよ
うに高い電圧で駆動する必要がある。
【0044】これに対して、大流量域測定用のフローセ
ンサ17,18は、それぞれ流体の温度に対応する出力
電圧(電気信号)により主噴流の流速を求め、主噴流の
向きの切り替えを検出できれば目的を達成できるので、
発熱体として機能する抵抗素子105の温度が20℃程
度となる低い電圧で駆動する。これにより、大流量域の
測定に際しては、常時フローセンサ17,18を駆動し
なければならない状態であっても、駆動電圧を低くして
消費エネルギーを低く抑えることができる。これによ
り、駆動電源として電池を用いても10年もの長期にわ
たり複合型流量計1を作動させることができる。
【0045】このように、大流量域のフローセンサ1
7,18の駆動電圧を低く抑えるためには、そのフロー
センサ17,18の発熱体としての抵抗素子105の面
積を、小流量域測定用のフローセンサ3の抵抗素子10
5の面積より小さい値に設定してもよい。或いは、大流
量域測定用のフローセンサ17,18の全体の薄膜のパ
ターン面積を、小流量域測定用のフローセンサ3の全体
の薄膜のパターン面積より小さい値に設定してもよい。
【0046】この例では、フローセンサ3,17,18
の全体の薄膜とは、少なくともダイヤフラム部102上
の抵抗素子104〜106を含む。マイクロブリッジ型
の場合には、基板に形成された堀を横切る薄膜のブリッ
ジ上の抵抗素子である。
【0047】フローセンサ3,17,18を駆動する方
式としては、発熱体として機能する抵抗素子105に定
電流を流す定電流駆動方式と、抵抗素子105の温度が
一定になるように電流を制御して駆動する定温度駆動方
式とがあるが、少なくとも、大流量域測定用のフローセ
ンサ17,18を定温度駆動方式で駆動することによ
り、フローセンサ17,18の抵抗素子105が大流量
の流体に晒されることによる温度低下、これに伴う感度
の低下を防止することができる。
【0048】なお、熱式流速検出部材として、フローセ
ンサを用いたが、複数の流体の流路中に複数の抵抗線を
平行に配設した構成のセンサなどの適用も可能である。
【0049】
【発明の効果】請求項1記載の発明は、上述のように、
フルイディック発振素子の誘振子の両側の対称位置であ
ってノズルから噴出する主噴流が通る位置に大流量域測
定用の熱式流速検出部材が配設され、この大流量域測定
用の熱式流速検出部材は、付与される駆動エネルギーが
小流量域測定用の熱式流速検出部材に付与させる駆動エ
ネルギーより低い仕様に設定されているので、ノズルか
らの流体の噴流方向の切り替えの周波数を一対の熱式流
速検出部材からの電気信号により検出し、外部の振動の
影響を受けることなく大流量域の流量測定を行うことが
できる。また、大流量域測定用の熱式流速検出部材は主
噴流が通る位置に配設されているため、測定精度を高め
ることができる。さらに、大流量域測定用の熱式流速検
出部材を低い駆動エネルギーによって駆動することがで
きるため、消費エネルギーを節減することができる。
【0050】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明において、小流量域測定用の熱式流速検出部材の出力
が定められた値以下の場合に大流量域測定用の熱式流速
検出部材の駆動を停止する駆動停止手段を具備するの
で、測定範囲が小流量域の場合に、大流量域測定用の熱
式流速検出部材を停止させ、消費エネルギーを節減する
ことができる。
【0051】請求項3記載の発明は、請求項1又は2記
載の発明において、熱式流速検出部材としてフローセン
サを用いるので、フローセンサは薄型化、小型化を図る
ことが可能であるため、流体の流れを損なうことがな
く、コンパクトに組み込むことができる。特に、大流量
域測定用のフローセンサは主噴流の向きが交替する流路
拡大部に配置されるため、流体の流れを損なわない点に
ついては有利である。
【0052】請求項4記載の発明は、請求項3記載の発
明において、大流量域測定用のフローセンサは、駆動時
の温度が小流量域測定用のフローセンサの駆動時の温度
より低い仕様に設定されているので、大流量域測定用の
熱式流速検出部材を低い駆動エネルギーによって駆動す
ることができるため、消費エネルギーを節減することが
できる。
【0053】請求項5記載の発明は、請求項3記載の発
明において、大流量域測定用のフローセンサは、発熱体
の面積が小流量域測定用のフローセンサの発熱体の面積
より小さい値に設定されているので、大流量域測定用の
フローセンサを低電圧で駆動し、消費エネルギーを節減
することができる。
【0054】請求項6記載の発明は、請求項3記載の発
明において、大流量域測定用のフローセンサは、全体の
薄膜のパターン面積が小流量域測定用のフローセンサの
全体の薄膜のパターン面積より小さい値に設定されてい
るので、大流量域測定用のフローセンサを低電圧で駆動
し、消費エネルギーを節減することができる。
【0055】請求項7記載の発明は、請求項3ないし6
の何れか一記載の発明において、大流量域測定用のフロ
ーセンサの駆動方式は定温度駆動とするので、大流量域
測定の場合、大流量域測定用のフローセンサにおける発
熱体の温度低下、これに伴う感度の低下を防止すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態における複合型流量計の
内部構造を示す平面図である。
【図2】主噴流と大流量域測定用のフローセンサとの関
係を示す説明図である。
【図3】フローセンサを拡大して示す平面図である。
【図4】フローセンサの差動出力電圧と流量との関係を
示すグラフである。
【符号の説明】
2a フルイディック発振素子 3 小流量域測定用の熱式流速検出部材、フローセンサ 4 流路 12 ノズル 13 流路拡大部 15 誘振子 17,18 大流量域測定用の熱式流速検出部材、フロ
ーセンサ 105 発熱体 104〜106 薄膜

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流体を流す流路中に流路を絞るノズル
    と、このノズルの出口から広がる流路拡大部と、この流
    路拡大部に配置されて前記ノズルの出口に対向する誘振
    子とが設けられたフルイディック発振素子と、 前記フルイディック発振素子の前記流路拡大部における
    前記誘振子の両側の対称位置であって前記ノズルから噴
    出する主噴流が通る位置に配設された大流量域測定用の
    熱式流速検出部材と、 小流量域の流量測定のためにフルイディック発振素子の
    前記流路に配置されて流体の流量に応じた電気信号を出
    力する小流量域測定用の熱式流速検出部材と、を備え、 大流量域測定用の前記熱式流速検出部材は、付与される
    駆動エネルギーが小流量域測定用の前記熱式流速検出部
    材に付与させる駆動エネルギーより低い仕様に設定され
    ていることを特徴とする複合型流量計。
  2. 【請求項2】 小流量域測定用の前記熱式流速検出部材
    の出力が定められた値以下の場合に大流量域測定用の前
    記熱式流速検出部材の駆動を停止する駆動停止手段を具
    備する請求項1記載の複合型流量計。
  3. 【請求項3】 前記熱式流速検出部材としてフローセン
    サを用いる請求項1又は2記載の複合型流量計。
  4. 【請求項4】 大流量域測定用の前記フローセンサは、
    駆動時の温度が小流量域測定用の前記フローセンサの駆
    動時の温度より低い仕様に設定されている請求項3記載
    の複合型流量計。
  5. 【請求項5】 大流量域測定用の前記フローセンサは、
    発熱体の面積が小流量域測定用の前記フローセンサの発
    熱体の面積より小さい値に設定されている請求項3記載
    の複合型流量計。
  6. 【請求項6】 大流量域測定用の前記フローセンサは、
    全体の薄膜のパターン面積が小流量域測定用の前記フロ
    ーセンサの全体の薄膜のパターン面積より小さい値に設
    定されている請求項3記載の複合型流量計。
  7. 【請求項7】 大流量域測定用のフローセンサの駆動方
    式は定温度駆動とする請求項3ないし6の何れか一記載
    の複合型流量計。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015222940A (ja) * 2014-04-28 2015-12-10 キヤノン株式会社 画像処理方法および撮影装置
WO2020216583A1 (de) * 2019-04-26 2020-10-29 Endress+Hauser Flowtec Ag Verfahren zum betreiben einer sonde eines thermischen durchflussmessgeräts und ein thermisches durchflussmessgerät mit einer solchen sonde

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