JP2002022225A - 防音機能付き換気装置 - Google Patents

防音機能付き換気装置

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JP2002022225A JP2000199174A JP2000199174A JP2002022225A JP 2002022225 A JP2002022225 A JP 2002022225A JP 2000199174 A JP2000199174 A JP 2000199174A JP 2000199174 A JP2000199174 A JP 2000199174A JP 2002022225 A JP2002022225 A JP 2002022225A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 軽量であって建家の強度に与える影響が少な
いばかりではなく、構造が簡単なので、加工組立費用が
極めて安い防音機能付き換気装置を提供する。 【解決手段】 建屋1の屋根棟に設けられた換気部12
の排気口11に併設された吸音部15は複数のグラスウ
ールまたはロックウール製吸音プレート16をほぼ等間
隔に配置し、隣り合う吸音プレート16間の空隙を排気
口11における空気流通路として形成させる。屋根棟の
小屋組梁材のピッチが約2000〜3000mm以下で
あれば、吸音プレート16の一枚重量は人の手作業で扱
える軽量に抑えられ、そうした軽量の吸音プレート16
を一枚ずつ小屋組み梁材に能率的かつ安全な作業でもっ
て取り付けることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建屋の屋内を換気
する機能に加え、屋内騒音を屋外に出さないように吸音
・遮音する防音機能を備えた換気装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】地下鉄などの公共機関、そして工場など
に設備される換気装置においては、騒音を外部に出すの
を防止する吸音・遮音機能が兼備されている場合が多
い。ここでいう吸音と遮音の区別については、『JIS
工業用語大辞典』によれば、吸音とは主に空気音のエネ
ルギーを吸収する性能をいい、また遮音とは空気音や固
体音などを遮断,吸収または分散させて音の伝搬を遮る
性能とある。本明細書では便宜的に、以下吸音と遮音の
両用語を一括して防音(または消音)と表現する。
【0003】このような防音機能付き換気装置の従来例
としては、実開昭52−38751号公報や特公昭52
−1282号公報に記載されるスプリッター型消音器が
ある。これらの消音器にあっては、騒音を通さず外部漏
洩を防げる堅固な遮音性能材質のケーシングを備え、こ
のケーシングの内部に複数の板状吸音部材を平行に配置
して、吸音部材間の空隙を空気流通路として形成してい
る。そして、吸音部材の材質や形状を変更することによ
って、消音効果と通気能力を調整できるようになってい
る。
【0004】ところで、かかるスプリッター型消音器に
あっては、要求される遮音性能や建家への設置方法の違
いによって、その都度設計、製作するため、例えばカタ
ログに掲載されている型式でも作り置きしないのが一般
的であり、それによってケーシング等の部品・部材加工
やその組立費用がかかるという問題がある。
【0005】そうしたコスト高を解消しようと提案され
た防音機能付き換気装置の他の例としては、特開平11
−63601号公報,特開昭54−69217号公報お
よび特開昭57−20737号公報に記載されるような
装置がある。
【0006】その中でも、特開平11−63601号公
報記載の装置の場合、建屋の排気口の内側に空気流通路
が形成される程度の空隙を設けて遮音板を配置し、この
遮音板によって屋内騒音が排気口から直接外部に漏れ出
るのを防止している。しかしながら、かかる装置にあっ
ては、防音・消音性能をより高めようとすると、遮音板
の大きさや重量が大型化し、そうした遮音板を排気口下
に吊り下げる支持部材もそれ相応の強度が要求されて大
型化するので、やはり装置全体の重量増加に拍車をかけ
ることになる。その結果、このような装置の据え付けに
あたって、既設建屋や新設建屋の小屋組梁材などに相当
な強度負担がかかることことから、設計変更などが強い
られることになる。しかも、そうした労苦の割には防音
・消音性能が上記他の各公報記載の各装置と比べて劣る
といった問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、軽量
であって建家の強度に与える影響が少ないばかりではな
く、構造が簡単なので、加工組立費用が極めて安い防音
機能付き換気装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明に係る請求項1記載の防音機能付き換気装置
は、建屋の適所に設けられた換気部の排気口に吸音部が
併設され、この吸音部は吸音性能を有する複数のプレー
ト形状の吸音部材を間隔をおいて配置され、隣り合う吸
音部材の間の空隙が排気口における空気流通路として形
成されている。
【0009】このような構成により、建屋の換気部排気
口を利用して新たに吸音部が併設され、この吸音部は複
数のプレート形状の吸音部材を間隔を設けて、一般には
ほぼ等間隔で空気流通路としながら吊り下げるだけの構
造であるから、これまで従来の同種構造の装置と比較し
て格段に簡単に据え付けることができ、また大幅な軽量
化によって既設または新設の建屋の小屋組強度に特別な
設計を要しないで済むという利点がある。
【0010】また、請求項2記載の防音機能付き換気装
置は、換気部の排気口が建屋の屋根棟に設けられる場
合、この屋根棟に沿って吸音部材が排気口の口幅方向へ
間隔をおいて、一般には等間隔に配置される。
【0011】このような構成により、換気部が建屋の屋
根棟といった高所に設置されている場合、これに併設さ
れる吸音部の取り付けも高所作業となるが、屋根棟の小
屋組梁材のピッチ次第では吸音部材の一枚一枚の重量を
軽く抑えて、人の手作業で簡便に組立作業を行うことが
できる。
【0012】また、請求項3記載の防音機能付き換気装
置は、各吸音部材を吊り下げて支持する各支持部材を屋
根棟の小屋組み梁材に結合して吸音部が形成されてい
る。
【0013】このような構成により、上記請求項2の発
明において、換気部の設置部位が建屋の屋根棟の場合、
この屋根棟の小屋組梁材のピッチが例えば約2000〜
3000mm以下であれば、併設される吸音部の吸音部
材の一枚重量は人の手作業で扱える軽量に抑えることが
でき、そうした軽量の吸音部材を一枚ずつ支持部材を介
して小屋組み梁材に能率的かつ安全な作業で取り付ける
ことができる。
【0014】また、請求項4記載の防音機能付き換気装
置は、吸音部材の材質が、吸音性能を有するようにプレ
ート状に成形されたグラスウールまたはロックウールで
ある。
【0015】この場合、グラスウールやロックウールと
いった汎用の市販製品を簡易に利用することができると
いった利点がある。
【0016】また、請求項5記載の防音機能付き換気装
置は、グラスウールまたはロックウールの表面にガラス
クロスを貼着させている。
【0017】この場合、経時使用によるグラスウールま
たはロックウールの劣化に起因する繊維飛散を防ぐため
に、表面をガラスクロスで被覆しておけば、環境配慮へ
の見地からもより好ましい。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明にかかる防音機能付き換気
装置の実施の形態について、図面に基づいて詳細に説明
する。
【0019】図1は、本実施の形態にかかる防音機能付
き換気装置(以下、本装置という)10を屋根棟に設置
される既設建屋や新設建屋など建屋1の側面断面として
示している。この場合、建屋1の両側壁2の下方に外気
取り入れ口3が設けてあり、屋根棟に本装置10の換気
部排気口11が設けられている。
【0020】図2は、その屋根棟に据え付けられた本装
置10の拡大図である。両側に適宜勾配の合掌屋根4を
有し、この合掌屋根4の頂部である屋根棟に沿って本装
置10の換気部排気口11が屋根棟に沿って連続または
断続的に設けられ、そうした排気口11の上位に換気部
12が設置されている。この換気部12を支持する部材
として下部板ベース13が排気口11の図でいう上端出
口側に備わっている。排気口11は、その口幅寸法Wの
方向の両側の縁取り部材14によって屋根棟方向へ延び
て形成され、そうした両側の縁取り部材14間に本発明
の要部である吸音部15が配置されている。
【0021】図3の斜視図に示すように、吸音部15で
は、主要部を構成する複数の短冊形状の吸音プレート
(吸音部材)16が排気口11の口幅寸法W方向へ好ま
しくは等間隔ピッチPで配置され、屋根棟に沿って延び
ている。吸音プレート16の材質にはグラスウールやロ
ックウール(スラグウールを含む)など汎用の市販製品を
利用することができる。ロックウールは、周知のよう
に、鉱滓綿や流動鉱滓を圧縮空気または蒸気で小孔に通
して吹き飛ばすことにより、ケイ酸塩を繊維状としたも
のである。グラスウールやロックウールの経時使用によ
る劣化で繊維成分の飛散を防止する意味から、板表面に
ガラスクロスを貼着しておくことは環境への配慮から有
効である。また、そうしたグラスウールやロックウール
などの材質に代えて、セラミックスや金属を繊維化した
吸音性能を有する材質で形成することもできる。吸音プ
レート16の板厚寸法は、例えば約25〜100mm程
度とすることができる。
【0022】したがって、排気口11ではかかる複数枚
の吸音プレート16が、それぞれの上端で支持部材を介
して吊り下げられた状態で支持されている。支持部材
は、吸音プレート16の上端に下端部を係止した棒状の
つなぎ部材17と、このつなぎ部材17の上端部を係止
して支持する断面C字形のチャンネル型鋼などによる吊
下梁18によって構成されている。つなぎ部材17とし
ては、図示例のような棒材に代えて平板など用いること
もできる。すなわち、チャンネル形状の吊下梁18は吸
音プレート16の間隔ピッチPに対応して平行に屋根棟
方向へ延び、例えば屋根棟の小屋組み梁材やスラブを利
用して固定することもできるし、先述した換気部12の
下部板ベース13を利用してこれに固定することもでき
る。
【0023】一枚一枚の吸音プレート16を屋根棟の小
屋組み梁材を利用して吊り下げ支持する場合、梁ピッチ
が約2000〜3000mm以下であれば、一枚の吸音
プレート16の重量を例えば20kg以下の軽量に抑え
ることができ、人の手作業で簡単かつ労苦なくつなぎ部
材17や吊下梁18を介して小屋組み梁材に取り付ける
ことができる。
【0024】別の構造例として、吸音プレート16の枚
数に対応する本数のチャンネル形状の吊下梁18を別製
作の固定枠に上記間隔ピッチPで枠組みし、そうした枠
組み吊下梁18につなぎ部材17を結合して吸音プレー
ト16を吊り下げて一体化構造にすることもできる。こ
の場合には、重量的に人の手作業ではやや無理があるの
で、屋根棟といった高所での据え付け作業の安全を重視
してクレーンなどの揚重機による機械力を利用すること
が好ましい。
【0025】さらに別の構造例として、特に新設建屋の
建築現場に本装置10を据え付けるような場合、合掌屋
根4の小屋組みの段階で、すべての吸音プレート16と
支持部材を固定枠に結合して一体化した構造に、さらに
換気部12を取り付けることもできる。すなわち、本装
置10全体を地上で仮組みや本組みした状態で、クレー
ンによって建屋1の屋根棟に設けた排気口11の上部に
組み込む形で据え付けることも可能である。
【0026】以上の各構造形態による本装置10にあっ
ては、吸音プレート16のつなぎ部材17や吊下梁18
からなる支持部材、またこれらを組み立てる固定枠など
への各部結合個所は溶接のほか、ボルト締結構造などと
することができる。ボルト組み構造の場合、後々撤去や
新旧交換、そして解体修繕の必要が生じた場合でも取り
外しや取り付けるのに便利である。
【0027】本装置10はこのような構成されているか
ら、建屋1の屋内換気は外気取り入れ口3から導入した
外気を対流させて、図中破線矢印で示す屋内の汚染空気
などを屋根棟の本装置10における排気口11に通し、
吸音部15の各吸音プレート16間の空気流通路を流通
させて換気部12から屋外に排出する。
【0028】その際、屋内で発生した騒音などは、本装
置10の吸音部15において各吸音プレート16で吸音
・遮音させる作用によって有効に防音する。
【0029】−実施例− 本装置10の吸音プレート16をグラスウールを用い
て、長さ寸法600mm,板厚50mm、単位荷重24
kg/m3のプレート形状に作製した。この吸音プレー
ト16の複数枚をピッチP:550mmで排気口11に
吊り下げて支持させ、これを「実施例」とした。これに
対して、吸音部15を設けず、換気部12における内部
プレートにグラスウールを裏貼りした構造による装置を
「比較例」とした。
【0030】図4は、上記実施例と比較例の両構造にお
ける防音効果を比較するうえで、中心周波数(Hz)と
透過損失(dB)との相関性能を示す特性グラフであ
る。この特性グラフから明らかなように、実施例(◆)の
場合にあっては、比較例(▲)の場合と比べて騒音源の中
心周波数1000Hz以上で防音性能が有効であること
が理解される。なお、●は吸音板単体についての測定値
である。また、実施例にあっては、吸音プレート16の
寸法仕様や配置ピッチPを可変すると、上記透過損失か
らみた特性向上がさらに有効となる。
【0031】なお、上記実施例の吸音部15の作製にあ
たって、吸音プレート16の単位長さ重量を0.36k
g/mとし、吊下梁18にC型軽量溝型鋼のH100×
A50×C20×t2.3(mm)の材料を用いた場
合、1m当たりの重量は4.06kgとなり、吸音プレ
ート16の重量0.36kg/mと合算しても約5.0
kg/mに抑えることができる。これは前述の各公報技
術による防音機能付き換気装置の単位重量と比べても格
段に軽量化が図れることを表わしている。
【0032】
【発明の効果】本発明にかかる防音機能付き換気装置
は、建屋の換気部や排気口を利用して新たに吸音部が併
設され、この吸音部は複数のプレート形状の吸音部材を
間隔をおいて空気流通路としながら吊り下げるだけの構
造であるから、これまで従来の同種構造の装置と比較し
て格段と簡単に据え付けることができ、また大幅な軽量
化によって既設または新設の建屋の小屋組強度に特別な
設計を要しないで済むという利点がみられる。
【0033】また、換気部が建屋の屋根棟といった高所
に設置されている場合、これに併設される吸音部の取り
付けも高所作業となるが、屋根棟の小屋組梁材のピッチ
次第では吸音部材の一枚一枚の重量を軽く抑えて、人の
手作業でもって簡便に組立作業を行うことができる。
【0034】また、換気部の設置部位が建屋の屋根棟の
場合、この屋根棟の小屋組梁材のピッチが例えば約20
00〜3000mm以下であれば、併設される吸音部の
吸音部材一枚の重量は人の手作業で扱える軽量に抑える
ことができ、そうした軽量の吸音部材を一枚ずつ支持部
材を介して小屋組み梁材に能率的かつ安全な作業でもっ
て取り付けることができる。
【0035】また、プレート形状の吸音部材の材質にグ
ラスウールやロックウールといった汎用の市販製品を簡
易に利用することができ、経時使用によるグラスウール
またはロックウールの劣化で繊維飛散を防ぐために、表
面をガラスクロスで被覆しておけば、環境配慮への見地
からもより好ましい。
【0036】結局、従来は換気装置と遮音装置(消音
器、遮音板など)とを別々に設けることが常識だったの
に対し、本発明においては、換気装置に対して遮音性の
ないことが知られている吸音材を適切に配置することに
より、遮音機能を引出し得たものであり、これが結果的
に簡易な構造および軽量化に結び付いているという効果
が奏せられている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る防音機能付き換気装置が屋根棟に
設置される建屋の一例を概略的に示す側面断面図であ
る。
【図2】本実施形態において要部を拡大して示す側面断
面図である。
【図3】本実施形態の要部である吸音部を示す斜視図で
ある。
【図4】騒音源の中心周波数と透過損失と相関について
実施例と比較例を比較して示す特性グラフである。
【符号の説明】
1 建屋 2 側壁 3 外気取り入れ口 4 合掌屋根 10 換気装置 11 排気口 12 換気部 13 下部板ベース 14 排気口縁取り部材 15 吸音部 16 吸音プレート 17 つなぎ部材 18 吊下梁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石井 和利 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株式 会社技術開発本部内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 建屋の適所に設けられた換気部の排気口
    に吸音部が併設され、この吸音部は吸音性能を有する複
    数のプレート形状の吸音部材が等間隔をおいて配置さ
    れ、隣り合う吸音部材の間の空隙が排気口における空気
    流通路として形成されていることを特徴とする防音機能
    付き換気装置。
  2. 【請求項2】 換気部の排気口が建屋の屋根棟に設けら
    れる場合、この屋根棟に沿って吸音部材が排気口の口幅
    方向へ間隔をおいて配置されている請求項1記載の防音
    機能付き換気装置。
  3. 【請求項3】 各吸音部材を吊り下げて支持する各支持
    部材を屋根棟の小屋組み梁材に結合して吸音部が形成さ
    れている請求項1または2記載の防音機能付き換気装
    置。
  4. 【請求項4】 吸音部材が、吸音性能を有するようにプ
    レート状に成形されたグラスウールまたはロックウール
    である請求項1,2または3記載の防音機能付き換気装
    置。
  5. 【請求項5】 グラスウールまたはロックウールの表面
    にガラスクロスが貼着されている請求項4記載の防音機
    能付き換気装置。
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CN108798075A (zh) * 2018-06-22 2018-11-13 芬格隔墙系统(北京)有限公司 一种房中房

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