JP2002022152A - 燃焼制御装置 - Google Patents

燃焼制御装置

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JP2002022152A
JP2002022152A JP2000212810A JP2000212810A JP2002022152A JP 2002022152 A JP2002022152 A JP 2002022152A JP 2000212810 A JP2000212810 A JP 2000212810A JP 2000212810 A JP2000212810 A JP 2000212810A JP 2002022152 A JP2002022152 A JP 2002022152A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 燃焼状態の異常が検出できるまでの待機時間
を短縮して不完全燃焼を未然に解消する安全な燃焼装置
を提供することを目的とする。 【解決手段】 熱電対2の出力信号が安定判定値以下の
間は目標空燃比よりも空気量を減少させる初期燃焼制御
(L0制御)を行い(S13)、メインバーナ12を点
火してから初めて出力が安定判定値V3を越えた場合に
は、熱電対2の出力が不完全燃焼防止のための検知を行
うことができる程度上昇したとしてL0制御から定常燃
焼と同じL1制御に移行し(S17)、不完全燃焼防止
のための検知を開始する(S7)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガス給湯器,ガス
風呂釜等における燃焼制御装置に関し、詳しくはバーナ
の燃焼状態を監視して、室内の酸欠や熱交換器のフィン
詰り等による不完全燃焼を防止する燃焼装置に関する。
【従来の技術】
【0002】従来から、バーナへの供給ガス量と燃焼用
空気量とを一定の関係に保って比例制御する燃焼装置が
知られており、例えば、給湯器では出湯温度に応じてガ
ス量を調節すると共に、ガス量に対応した空気がバーナ
に供給されるように空気量を制御している。しかしなが
ら、こうした空燃比制御を行っているにも関わらず、酸
素量が不足することでバーナが不完全燃焼を起こし、一
酸化炭素が発生することがある。その原因としては、主
に以下の3つが挙げられる。 (1)燃焼装置の給排気系の不良(外的要因による) (2)排ガス漏洩による室内の酸欠状態 (3)経時変化に伴う風量低下 ファン8の吸引による給気経路内のほこり付着 燃焼生成物による熱交換器1のフィン詰まり これらはすべて燃焼用空気の不足(酸素量の不足)とい
う一つの要因と考えられる。
【0003】不完全燃焼を解消する方法として、酸素量
の不足に対してメインバーナよりも先に火炎状態が敏感
に変化するセンサーバーナを設け、このセンサーバーナ
の火炎状態を熱電対の起電力値(TC出力と呼ぶ)から
検知することにより、メインバーナが酸欠やフィン詰ま
り等により不完全燃焼を起こす前に、燃焼を停止した
り、ファンの回転数を増加させて正常時の空気過剰率
(理論空気量に対する燃焼用空気量の比)と同等の空気
過剰率で燃焼するようにフィードバック制御を行うこと
が既に知られている。
【0004】しかし、燃焼装置が暖まっていない状態で
の初点火(以下、コールドスタートと呼ぶ)の場合に、
燃焼状態の不安定さがあり、また、センサとしての熱電
対自体が暖められるまでに時間を要すため、異常燃焼の
検知をすぐに開始できない。尚、コールドスタートに対
して、暖まっている状態での繰り返しによる再点火をホ
ットスタートと呼ぶ。
【0005】コールドスタートの場合には、燃焼室が冷
却しており、ガスの燃焼速度が遅いため、火炎はリフテ
ィング気味になってセンサーバーナになかなか保炎せ
ず、安定しにくい。また、冷えた燃焼室では、燃焼用空
気の流路抵抗も小さくなって燃焼用空気が過剰に供給さ
れる結果、火炎温度自体がそもそも低くなっている。
【0006】しかも、熱電対は、常温まで冷えている
と、それ自体に熱容量があるため、火炎によりあぶられ
てから温度が上昇するには時間がかかる。従って、コー
ルドスタート時のTC出力の立ち上がりが遅くなる。特
に、センサーバーナはメインバーナよりもインプット
(燃焼量)が低いため、なかなか熱電対が暖まらず、T
C出力の立ち上がりが遅い。
【0007】例えば、コールドスタートでは、図4に2
点鎖線で示されるTC出力MVc(L1制御)のよう
に、熱電対の起電力は緩やかな上昇特性を示し、時間経
過に伴って徐々に定常燃焼時の安定起電力になってい
く。TC出力が異常燃焼判定値V2より低下すると異常
燃焼していると判定する制御を行うが、燃焼初期はTC
出力が不安定なので、安定するまで異常燃焼の判定を行
わない。ここで、点火からTC出力が異常燃焼判定値V
2を越えるまでの経過時間を点火状態で比較すると、コ
ールドスタートのCt1秒は、図5に示されるホットス
タートのHt1秒より圧倒的に長い。異常検知の開始が
可能とみなせる程TC出力が確実に安定するまでには、
異常燃焼判定値V2を越えてから所定時間ta秒かかる
ため、実際に異常燃焼の判定を開始する時期は、点火か
らCT1秒(=Ct1+ta),HT1秒(=Ht1+
ta)経過した後である。
【0008】ところで、熱電対の起電力が安定するまで
の待機時間を無視して、不完全燃焼防止のための起電力
検知を早く開始すると、コールドスタートの場合には、
正常に燃焼していてもTC出力が十分に立ち上がってお
らず、異常時のような低起電力しか出力していないの
で、異常燃焼していると誤検知しかねない。
【0009】そこで、この待機時間短縮のための対策と
して、特開平8−14552号公報に示される燃焼制御
装置では、コールドスタートの場合に適正な燃焼用空気
量となるようにファンの回転数を低くして燃焼炎の安定
を早めると共に、安定した燃焼炎が熱電対への加熱をス
ムーズに行っている。この対策方法によれば、図4に示
すコールドスタートのTC出力MVc(L0制御)のよ
うに、起電力の立ち上げをCT2秒(=Ct2+ta)
にまで早めることができる。つまり、コールドスタート
かホットスタートかという、各々の点火状態に応じて適
正な空燃比で燃焼開始を行って、熱電対の起電力が検知
可能状態となるまでの待機時間を短縮できる。尚、これ
らの燃焼制御は、インプットに対応するファン回転数の
制御線を用いて図3に示される。図中のL1制御は、定
常燃焼時に最も良好な燃焼状態に維持される制御線であ
る。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、検知開
始が可能となるまでの待機時間CT2,HT1には、異
常燃焼の誤検知を確実に防止するために、余裕時間ta
を含めて長めに設定されており、実際に起電力が安定し
た時点よりも遅れて検知を開始していた。従って、燃焼
状態が悪化しても迅速に不完全燃焼防止のための処理を
行うことができなかった。
【0011】そこで、本発明の燃焼制御装置は上記課題
を解決し、燃焼状態の異常が検出できるまでの待機時間
を短縮して不完全燃焼を未然に防止する安全な燃焼装置
を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明の請求項1記載の燃焼装置は、燃料ガスを燃焼するバ
ーナと、上記バーナへの供給ガス量を調節するガス量調
節手段と、上記バーナへ燃焼用空気を供給する空気供給
手段と、上記バーナへ供給する燃焼用空気量を調節する
空気量調節手段と、上記ガス量調節手段によって調節さ
れるガス量と上記空気量調節手段によって調節される空
気量とを所定の目標空燃比で制御する燃焼制御手段と、
定常燃焼制御時の目標空燃比よりも上記空気量を減少さ
せる初期燃焼制御を行う初期燃焼制御手段と、上記バー
ナの燃焼状態を検知する燃焼状態検知手段と、上記燃焼
状態検知手段からの検知信号に基づいて異常燃焼を検知
すると不完全燃焼防止処理を行う不完全燃焼防止手段
と、上記燃焼状態検知手段の検知信号に基づいて上記バ
ーナの燃焼安定状態を判定する安定判定手段と、上記安
定判定手段により燃焼が安定したと判定された時に上記
初期燃焼制御から定常燃焼制御に移行する切替手段と、
定常燃焼制御に切り替えた後に上記不完全燃焼防止手段
を作動状態に置く作動手段とを備えたことを要旨とす
る。
【0013】また、本発明の請求項2記載の燃焼装置
は、上記請求項1記載の燃焼装置において、上記燃焼状
態検知手段として熱電対を用いたことを要旨とする。
【0014】また、本発明の請求項3記載の燃焼装置
は、上記請求項2記載の燃焼装置において、燃焼用空気
を強制的に取り込んで燃焼するメインバーナの空気供給
路中に、該メインバーナが不完全燃焼を起こす前に異常
燃焼するセンサーバーナを設け、上記熱電対で該センサ
ーバーナの燃焼状態を検知することを要旨とする。
【0015】また、本発明の請求項4記載の燃焼装置
は、上記請求項2または3記載の燃焼装置において、上
記不完全燃焼防止手段は、上記熱電対からの出力値が所
定の異常燃焼判定値以下になった時に異常燃焼と判断
し、上記安定判定手段は、点火後上記熱電対の出力値が
異常燃焼判定値より高い安定判定値を越えた時に、燃焼
が安定したと判定することを要旨とする。
【0016】また、本発明の請求項5記載の燃焼装置
は、上記請求項2または3記載の燃焼装置において、上
記安定判定手段は、上記熱電対の出力値の時間変化率が
所定値以下であると検知された場合に、燃焼が安定した
と判定することを要旨とする。
【0017】また、本発明の請求項6記載の燃焼装置
は、上記請求項5記載の燃焼装置において、上記安定判
定手段は、上記熱電対の出力値の時間変化率が所定値以
下である状態が所定時間以上継続して検知された場合に
燃焼が安定したと判定することを要旨とする。
【0018】また、本発明の請求項7記載の燃焼装置
は、上記請求項1〜6の何れかに記載の燃焼装置におい
て、上記安定判定手段により燃焼が安定したと判定され
なくても点火から所定時間経過した場合には、上記切替
手段が作動するように、初期燃焼制御から定常燃焼制御
への切替時期に上限時間を設けたことを要旨とする。
【0019】また、本発明の請求項8記載の燃焼装置
は、上記請求項1〜7の何れかに記載の燃焼装置におい
て、点火から所定時間以上経過するまでは上記切替手段
が作動しないように、初期燃焼制御から定常燃焼制御へ
の切替時期に下限時間を設けたことを要旨とする。
【0020】また、本発明の請求項9記載の燃焼装置
は、上記請求項7記載の燃焼装置において、燃焼装置が
室温に近い状態での初点火なのか、余熱を残存した状態
の再点火なのかを判定する点火状態判定手段と、再点火
の場合、初点火に比べて上記上限時間を短く設定する上
限時間設定手段を備えたことを要旨とする。
【0021】また、本発明の請求項10記載の燃焼装置
は、上記請求項1〜9の何れかに記載の燃焼装置におい
て、燃焼装置が室温に近い状態での初点火なのか、余熱
を残存した状態の再点火なのかを判定する点火状態判定
手段を備え、上記点火状態判定手段による判定結果によ
って再点火と判定する場合には、点火時から定常燃焼制
御を行い、燃焼が安定したと判定された時に、上記不完
全燃焼防止手段を作動状態に置くことを要旨とする。
【0022】また、本発明の請求項11記載の燃焼装置
は、上記請求項1〜10の何れかに記載の燃焼装置にお
いて、上記作動手段は、定常燃焼制御開始から所定時間
後に作動することを要旨とする。
【0023】上記構成を有する本発明の請求項1記載の
燃焼装置によれば、初期燃焼制御手段が、定常燃焼制御
時の目標空燃比よりも空気量を減少させる初期燃焼制御
を行い、燃焼状態検知手段がバーナの燃焼状態を検知
し、その検知信号に基づいてバーナの燃焼が安定したと
安定判定手段が判定した時に、切替手段が初期燃焼制御
から定常燃焼制御に移行させ、その後に、作動手段が不
完全燃焼防止手段を作動状態に置き、燃焼状態検知手段
の検知信号に基づいて異常燃焼を検知すると不完全燃焼
防止処理を行う。このように、燃焼安定の判定による燃
焼制御の切替や異常燃焼の検知を同じ燃焼状態検知手段
からの検知信号に基づいて行うため、不完全燃焼防止と
燃焼制御とが関連付けられて動作する。このため、余裕
時間を含めた点火からの所定時間の経過を安定判定基準
とする間接的な判定よりも早く初期燃焼制御から定常燃
焼制御に切り替えて、不完全燃焼防止手段を作動状態に
置き、早期に不完全燃焼防止処理を行うことができる。
【0024】また、本発明の請求項2記載の燃焼装置に
よれば、熱電対の出力値に基づいて燃焼安定状態や異常
燃焼を検知する実測型であるため、適切な時期に定常燃
焼制御に切り替え、速やかに異常燃焼の検知を開始で
き、正確に異常燃焼を検知することができる。
【0025】また、本発明の請求項3記載の燃焼装置に
よれば、供給酸素量が減少してくると、メインバーナの
燃焼状態が悪化する前にセンサーバーナが異常燃焼し始
め、熱電対でセンサーバーナの燃焼状態を検知する。こ
うしたセンサーバーナは、敏感に燃焼状態が悪化するも
のの、インプット(ガス供給量)がメインバーナよりも
小さいため、センサーバーナに設けられる熱電対の出力
値の立ち上がりは、メインバーナに設けられる熱電対の
場合よりも遅い。しかしながら、燃焼安定の判定を時間
の経過ではなくセンサーバーナの熱電対の出力値に基づ
いて行うため、初期燃焼制御から定常燃焼制御への切替
に無駄な待ち時間を設ける必要がなくなり、その後に行
われる異常燃焼の検知を早期に開始できる。この結果、
出力値の立ち上がりの遅いセンサーバーナでも迅速に不
完全燃焼防止処理を行うことができ、メインバーナの不
完全燃焼を未然に防止できる。
【0026】また、本発明の請求項4記載の燃焼装置に
よれば、安定判定手段は、点火後の熱電対の出力値が異
常燃焼判定値より高い安定判定値を越えた時に燃焼が安
定したと判定し、その後、出力値が異常燃焼判定値以下
に低下した時に異常燃焼していると判断するため、点火
開始時に熱電対の起電力が立ち上がる途中で異常燃焼で
あると誤判定してしまうことを防止できる。
【0027】また、本発明の請求項5記載の燃焼装置に
よれば、安定判定手段は、熱電対の出力値の時間変化率
が所定値以下であると検知された場合に、燃焼が安定し
たと判定するため、燃焼が安定していれば熱電対の出力
値が所定値に達していなくても燃焼制御を切り替えるこ
とができる。従って、いつまでたっても所定の出力が得
られなくて不完全燃焼防止手段が作動しないといった不
具合がない。
【0028】また、本発明の請求項6記載の燃焼装置に
よれば、熱電対の出力値の時間変化率が所定値以下であ
る状態が所定時間以上継続して検知されて初めて燃焼安
定と判定するため、出力値が振動した場合のように一時
的に出力値の時間変化率が小さくなっても、燃焼が安定
したという判定を行わず、燃焼制御を切り替えず、異常
検知を開始しない。従って、燃焼状態が異常であると誤
検知してしまうことはない。
【0029】また、本発明の請求項7記載の燃焼装置に
よれば、燃焼が安定したと判定されない場合において
も、初期燃焼制御に上限時間を設けたため、点火から所
定時間経過すれば、必ず定常燃焼制御に切り替わり、そ
の後不完全燃焼防止手段が作動状態になる。つまり、不
完全燃焼防止手段の不作動を防止できる。
【0030】また、本発明の請求項8記載の燃焼装置に
よれば、初期燃焼制御から定常燃焼制御の切替時期に下
限時間を設けたため、初期燃焼制御を行う時には、熱電
対の出力に関わらず、点火から所定時間以上経過するま
で定常燃焼制御へ切り替えず、不完全燃焼防止手段を作
動させない。従って、初期燃焼時に異常燃焼の誤検知を
防止できる。
【0031】また、本発明の請求項9記載の燃焼装置に
よれば、点火状態に応じて初期燃焼制御の上限時間を設
定するため、熱電対の出力が早く安定する再点火におい
ては、初点火よりも早い時期に定常燃焼制御に切り替え
ることができ、不完全燃焼防止手段を速やかに作動させ
ることができる。
【0032】また、本発明の請求項10記載の燃焼装置
によれば、熱電対の出力が早く安定する再点火において
は、点火時から定常燃焼制御を行い、燃焼が安定したと
判定された時に不完全燃焼防止手段の検知を開始するた
め、異常検知の開始が初点火の場合よりも早くなる。こ
のようにして、点火状態に応じて異常検知の開始時期を
切り替え、迅速に不完全燃焼防止処理を行うことができ
る。
【0033】また、本発明の請求項11記載の燃焼装置
によれば、作動手段が定常燃焼制御開始から所定時間後
に不完全燃焼防止手段を作動状態に置くため、初期燃焼
制御からの変更直後や点火時の定常燃焼制御の開始直後
の燃焼が不安定な時に誤って異常燃焼していると判定し
ない。
【0034】
【発明の実施の形態】以上説明した本発明の構成・作用
を一層明らかにするために、以下本発明の燃焼制御装置
の好適な実施形態について説明する。
【0035】《第1実施形態》図2は、一実施形態とし
ての燃焼制御装置である給湯器の概略図である。給湯器
は、燃料ガスを燃焼するメインバーナ12と、通水路の
水をメインバーナ12の燃焼により加熱する熱交換器2
と、この熱交換器2,メインバーナ12間で燃焼空間を
形成する燃焼室3と、燃焼用空気を底部から燃焼室3へ
送り込むファンFと、排気を導き排出する排気筒13
と、燃焼室3内でメインバーナ12よりも先に火炎状態
が変化して異常燃焼を敏感に検知するセンサーバーナ1
4とを備える。
【0036】メインバーナ12,センサーバーナ14へ
のガス供給経路には、ガス量を制御するガス比例弁11
と、ガス通路を開閉するガス電磁弁10とが設けられ
る。また、熱交換器1へ通じる通水経路には、入水温度
センサ5,水流センサ4等の入水状態の検知部が設けら
れる。
【0037】センサーバーナ14は、筒体15内にセラ
ミックプレート16を設けた全一次空気式バーナで、セ
ラミックプレート16の火炎の燃焼状態を検出するため
に、筒体15の内側面には、燃焼状態によって発生起電
力を変化させる熱電対2が設けられ、その検出信号(T
C出力)が燃焼コントローラ6へ送られるように構成さ
れる。このセンサーバーナ14は、酸素の供給が不足す
ると、メインバーナ12が不完全燃焼を起こす前に異常
燃焼して、図2に破線で示されるように、火炎が筒体1
5の上端へリフトし、熱電対2は、これを利用して燃焼
状態を検知する。
【0038】メインバーナ12には、点火電極と燃焼炎
を検知するフレームロッド(図示略)とが設けられ、前
記のセンサ・アクチュエータと共に燃焼コントローラ6
へと電気的に接続され、出湯・運転・停止等の所定の制
御が行われる。
【0039】次に、燃焼制御処理を図1に示したフロー
チャートに基づき説明する。給湯カラン(図示略)を開
くと給水管より給水され、水流センサ4からの検知信号
が燃焼コントローラ6へ送信され、ファン8が回転す
る。それに伴って、ガス電磁弁10が開いてメインバー
ナ12,センサーバーナ14に燃料ガスが供給され、図
示しないイグナイタの放電によって燃料ガスが着火す
る。
【0040】出湯温度センサ9による検出温度と、燃焼
コントローラ6に設定された設定温度との間に差があれ
ば、燃焼コントローラ6からの指令信号によりガス比例
弁11の開度が調節されると共に、ガス量に応じた回転
数で作動するようにファン8へも指令信号が送られ、燃
焼が開始される(S1)。
【0041】それと同時に、熱電対2のTC出力が点火
状態判定値V1を越えているか否かを判断する(S
2)。TC出力が点火状態判定値V1(例えば5mV)
を越えている場合には、暖まっている状態での繰り返し
による再点火(ホットスタート)と判断して、後述のス
テップ6で用いられる上限時間にHt4秒を選択して
(S3)ステップ4へ進む。一方、ステップ2でTC出
力が点火状態判定値V1以下の場合には、給湯器が室温
程度まで冷えた状態である初点火(コールドスタート)
と判断して、後述のステップ15で用いられる上限時間
にCt4秒(>Ht4)を選択して(S12)ステップ
13へ進む。
【0042】ここで、コールドスタートかホットスター
トかを判定する理由について説明する。コールドスター
トの場合には、メインバーナ12の燃焼炎の安定を早め
ると共に、安定した燃焼炎が熱電対2への加熱をスムー
ズに行い起電力の立ち上げを早めるために、図3,図4
に示されるように、適正な燃焼用空気量となるようにフ
ァン8の回転数を低くする初期燃焼制御(L0制御)を
行う。燃焼制御は、L0,L1,L2は、図3に示され
るように、インプット(ガス供給量)に対応するファン
回転数の制御線に基づいて行われ、インプットに対して
回転数が最も低い制御がL0,最も高い制御がL2,そ
の中間がL1である。
【0043】このコールドスタートでは、定常燃焼時と
比較して、空気の各通路部およびセンサーバーナ14の
温度が低いため流路抵抗が小さく、また、単位体積当た
りの酸素量が増加する。もし、コールドスタートにも関
わらず定常燃焼のファン8の回転制御(L1制御やL2
制御)のままで燃焼用空気を供給すると、燃焼用空気量
が過剰になってしまい、燃焼炎はリフトを起こして燃焼
状態が悪くなる。従って、コールドスタート時の燃焼状
態を良好にするために、供給空気量の少ないL0制御を
行う。
【0044】一方、ホットスタートでは、図5に示され
るように、定常燃焼と同じL1制御を行う。つまり、ホ
ットスタートの場合には、流入する燃焼用空気は、燃焼
室3によって暖められ膨張し、流路抵抗を増加させて、
燃焼用空気の供給量が減少し、しかも、この空気の膨張
により単位体積当たりの酸素量も減少する。従って、ホ
ットスタート時や定常燃焼の場合には、温度による燃焼
用空気量への影響を考慮してファン8の適正回転数が決
められたL1制御を行う。このように、コールドスター
ト時とホットスタート時とではインプットが同じでも異
なる回転数で制御するため、つまり、燃焼制御方法が点
火状態によって異なるため、ステップ2において、コー
ルドスタートかホットスタートかを判断するのである。
【0045】そこで、ステップ2にてホットスタートと
判断した場合には、L1制御の開始(S4)と同時にス
テップ5,6へ進んで、点火から最大Ht4秒経過する
までの間、TC出力が安定判定値V3(例えば15m
V)を越えた状態が2tb秒継続したか否かを判断す
る。尚、ステップ5の条件に所定時間継続を含める理由
は後述する。TC出力が安定判定値V3を越えれば、或
いは、TC出力が安定判定値V3を越えなくても点火か
らHt4秒経過すれば、TC出力が不完全燃焼を判定で
きる程度に安定したとみなし、TC出力が、異常燃焼を
示す異常燃焼判定値V2(<V3)以下であるか否かの
検知をすぐに開始する(S7)。即ち、TC出力の安定
判定直後に異常燃焼検知を開始し、不完全燃焼防止処理
が作動できる状態にする。
【0046】従って、ステップ5においてTC出力が安
定していなくても、少なくとも点火からHt4秒後には
異常燃焼検知を開始するため、つまり、異常燃焼の検知
開始時期に上限時間を設けたため、メインバーナ12の
不完全燃焼の兆候を見逃すことを防止できる。
【0047】ステップ7において、TC出力が異常燃焼
判定値V2以下になって、熱電対2の出力が正常でない
場合には、不完全燃焼の兆候があると判断して、図3に
示すように、ファン8の回転数の制御線をL1→L2へ
変更する(S8)。つまり、不完全燃焼の兆候をTC出
力の低下によって察知した場合には、ファン8の回転数
の目標制御線を増大側にシフトし、定常燃焼時と比較し
て燃焼用空気量を増加する制御(L2制御)をして、燃
焼改善運転を行う。
【0048】ステップ8において空燃比を制御線L2に
変更してから安定待ち時間te秒間が経過すると(S
9)、もう一度熱電対2からの出力信号によりそのTC
出力が異常燃焼判定値V2を越えるか否かを判断し(S
10)、TC出力が異常燃焼判定値V2を越える場合に
は、燃焼が良好な状態に戻ったことになり、L2制御の
まま燃焼は継続される。しかし、ステップ10におい
て、TC出力が異常燃焼判定値V2以下である場合に
は、ファン8を停止させると共にガス電磁弁10を閉じ
て燃焼を停止させ(S11)、更には、この給湯器に設
けられる赤ランプの点灯や警報器7のブザー鳴動等によ
り異常出力を行わせて、燃焼異常が報知される。つま
り、燃焼用空気量を増加したにもかかわらず、不完全燃
焼の傾向が解消されない場合は燃焼停止を行う。
【0049】次に、コールドスタート時の燃焼制御を説
明する。ステップ2でコールドスタートと判断された場
合には、ステップ12を介してステップ13へ進み、初
期燃焼制御(L0制御)を行う。
【0050】そして、点火から最大Ct4秒経過するま
での間、TC出力が安定判定値V3を越えるか否かを判
断し(S14)、安定判定値V3を越えた時点でTC出
力が安定したと判断し、燃焼室3内が定常温度近くまで
上昇したとみなして、ファン8の回転数をL0→L1制
御、つまり、定常燃焼時のファン8の回転数に移行し
(S17)、L1制御開始から安定待ち時間tb秒経過
したら(S18)、S7へ進んで異常燃焼検知を開始
し、不完全燃焼防止処理を行うことができるようにす
る。
【0051】例えば、図4に実線(L0制御)で示され
るように、正常に燃焼している場合には、点火からCt
3秒(TC出力が安定判定値V3を越えて安定と判定し
た時点)後に初期燃焼制御(L0)を定常燃焼制御(L
1)に切り替え、目標空燃比での制御を速やかに開始で
きる。そして、切替からtb秒(つまり、点火からCT
3秒)経過後には、TC出力が検知可能レベルまで上昇
したとして異常検知を開始できる。このように、異常燃
焼検知が可能になる定常燃焼制御へ切り替える時期を決
めるための安定判定(S14)をTC出力に基づいて行
うため、異常燃焼の検知開始までの待機時間CT3が、
時間経過を安定判定基準とする間接的な従来例の所定時
間CT2秒よりも短くなる。従って、異常燃焼の検知を
受けて目標空燃比を変更する等して不完全燃焼を早期に
解消することができる。また、点火後のTC出力が必ず
異常燃焼判定値V2を越えた状態(安定判定値V3)か
ら異常燃焼判定値V2まで低下した時に、異常燃焼して
いると判断するため、確実に異常燃焼を判断でき、異常
燃焼の誤検知を防止できる。
【0052】一方、ステップ14,15において、点火
から上限時間Ct4秒以内にTC出力が安定判定値V3
を越えない場合には、TC出力が異常燃焼判定値V2を
越えるか否かを判断する(S16)。TC出力が異常燃
焼判定値V2を越える場合には、L0制御からL1制御
へ移行し(S17)上述の制御を行い、一方、TC出力
が異常燃焼判定値V2を越えない場合には、L0制御か
らL2制御へ移行し燃焼改善運転を行い(S19)、ス
テップ9を介してステップ10へ進み、ホットスタート
時と同様に異常燃焼検知を行い、異常燃焼が検知されれ
ば、運転を停止して異常表示を行う(S11)。
【0053】このようにステップ15において、L0制
御からの切替時期に上限時間Ct4を設けることによっ
て、TC出力が低くても必ず異常燃焼の判定を行うの
で、不完全燃焼に確実に対応できる。また、ステップ
3,12においては、異常燃焼の検知開始時期の上限時
間が点火状態に応じて設定されているため、TC出力の
立ち上がりの早いホットスタートでは、点火からHt4
(<Ct4)秒後までには異常燃焼の検知を開始して、
コールドスタートよりも迅速に不完全燃焼に対応でき
る。尚、ステップ2で検出されるTC出力値に応じて数
種類の上限時間を設定しておき、ステップ3やステップ
12において上限時間をその中から選択できるようにし
てもよい。
【0054】次に、熱電対2の出力値が安定判定値V3
を越えた状態が所定時間継続すると(S5)、ステップ
7で異常検知を開始する理由について、ホットスタート
における点火遅れを例に挙げて、図1,図6を用いて説
明する。メインバーナ12の燃焼中、給湯カランを閉め
て止水すると水流センサ4からの検知信号によりガス電
磁弁10が閉弁して燃焼が停止される。その後、給湯カ
ランを開いて出水させると、正常時は、すぐにメインバ
ーナに点火し、図6に破線で示されるTC出力特性が得
られ、燃焼制御開始時のTC出力がV1を越え、ホット
スタートと判断され(S2)、上述したような制御によ
り、速やかに異常検知を開始する(S7)。
【0055】しかし、給湯カランが開かれても、例えば
イグナイタが本来と異なる場所へ放電してしまうことに
よって、点火が遅れてしまうと、図6に実線で示される
ように、TC出力は降下し続ける。点火遅れ許容時間
(図示略)を越えても点火されない場合には、異常とみ
なして器具を停止する制御が別に行われる。一方、点火
遅れ許容時間内に点火され、点火時のTC出力が安定判
定値V3を越えていても、その後TC出力が低下して異
常燃焼判定値V2以下になる場合には、まだTC出力が
安定していないので異常燃焼の検知を開始すべきではな
い。そこで、ステップ5において、TC出力が安定判定
値V3を越えた状態が2tb秒継続したか否かを判断す
ることにより、TC出力が安定したと確実に判定して、
その後、異常検知が開始される。このステップ5の条件
を単に、「TC出力が安定判定値V3を越えた後に2t
b秒経過」としてしまうと、異常検知開始時のTC出力
が安定判定値V3以下の安定していない場合も含まれて
しまい、望ましくない。尚、この安定待ち時間は、tb
の2倍の長さにしなくてもよい。
【0056】以上説明した第1実施形態によれば、TC
出力がゆっくり安定するコールドスタートであっても、
TC出力に基づいて燃焼の安定を判定するため、初期燃
焼制御から定常燃焼制御に速やかに切り替えることがで
き、異常燃焼の検知開始までの待機時間が短縮できる。
つまり、不完全燃焼の傾向を判定することが点火直後の
早い時期から可能となり、点火直後の燃焼状態に対する
無監視時間を最小とすることができ、不完全燃焼防止に
対する信頼性を増すことができる。
【0057】初点火か再点火かの判定や、燃焼安定の判
定による燃焼制御の切替、および不完全燃焼防止制御に
入ることを全て熱電対2の出力値に基づいて行うため、
制御システムが簡素化され、制御の誤作動を抑制でき、
しかも新たに各制御のための検出判定装置を設ける必要
もなく、製造コストを抑えることができる。また、コー
ルドスタート時のL0制御からの切替時期の上限時間
や、ホットスタート時の異常燃焼の検知開始時期の上限
時間を設定することにより、確実に不完全燃焼防止処理
に入ることができる。更に、S9やS18において、異
常検知が、L1制御の開始後すぐに開始されるのではな
く、安定待ち時間tbやte秒経過後に開始されるた
め、TC出力の不安定時に異常燃焼であると誤検知する
ことを防止できる。
【0058】また、TC出力が早く安定するホットスタ
ート時においては、L0制御を行わずにL1制御を行っ
て、燃焼が安定したと判定された時に異常燃焼の検知を
開始するため、異常検知の開始がコールドスタートの場
合よりも早くなる。このように点火状態に応じて異常検
知の開始時期を切り替えることで、不完全燃焼に素早く
対応することができる。
【0059】《第2実施形態》次に、第2実施形態につ
いて図7を用いて説明する。尚、第1実施形態と異なる
部分について説明し、重複する部分に関しては同一符
号,同一ステップ番号を付してその説明を省略する。第
2実施形態は、コールドスタートのL0制御からの切替
の判定方法およびホットスタートの異常燃焼検知の開始
時期の判定方法が第1実施形態と異なる。
【0060】燃焼制御処理を図7に示したフローチャー
トに基づき説明する。ステップ2でコールドスタートと
判断された場合には、上限時間をCt4として設定し
(S12)L0制御を行う(S13)と共に、点火から
下限時間Ct5秒経過するまで待つ(S20)。
【0061】下限時間Ct5秒経過したら、点火から最
大Ct4秒経過するまでの間にTC出力値の時間変化率
の絶対値が所定値B(mV/s)以下か否かを判断し
(S21,S15)、所定値B以下であればTC出力が
安定したとみなしてステップ17へ進み、L0制御から
L1制御に移行する(S17)。このL1制御への切替
時期を、点火からCt6秒後として図8に示す。そし
て、ステップ18でL1制御開始からtb秒(つまり、
点火からCT6秒)経過後(S6)、TC出力に基づい
て異常燃焼検知を開始する(S7)。
【0062】一方、ステップ21,15において、点火
から上限時間Ct4秒以内に時間変化率の絶対値が所定
値B以下にならない場合でも、異常燃焼の検知を開始
し、TC出力が異常燃焼判定値V2を越えるか否かを判
断する(S16)。TC出力が異常燃焼判定値V2を越
える場合には、L0制御からL1制御へ移行し(S1
7)第1実施形態と同様な制御を行い、一方、TC出力
が異常燃焼判定値V2を越えない場合には、L0制御か
らL2制御へ移行し(S19)、第1実施形態と同様
に、ステップ9を介してステップ10へ進み、異常燃焼
検知を行い、異常燃焼が検知されれば、運転を停止して
異常表示を行う(S11)。
【0063】このように、ステップ21においてTC出
力値の時間変化率に基づいて燃焼状態の安定度合いを判
断するため、燃焼が安定していれば、TC出力値が第1
実施形態の安定判定値V3のような所定値に達していな
くても、燃焼制御を切り替えることができ、速やかに異
常燃焼の検知を開始し、不完全燃焼を早期に解消するこ
とができる。
【0064】また、ステップ20においてL0制御から
の切替時期に下限時間Ct5を設けたため、初期燃焼制
御を行うコールドスタート時には、TC出力値に関係な
く点火から所定時間以上経過するまで定常燃焼制御へ切
り替えず、不完全燃焼防止処理に入らない。従って、T
C出力が安定しにくい点火初期に誤って燃焼状態が異常
であると判定してしまうことを防止できる。
【0065】次に、ステップ2でホットスタートと判断
された場合について図7,図9を用いて簡単に説明す
る。ホットスタートのTC出力の安定判定方法も、コー
ルドスタートと同様でTC出力の時間変化に基づく。つ
まり、図1のステップ5の代わりに図7のステップ2
2,23(コールドスタートのステップ20,21に相
当)が加わった点以外は第1実施形態と同様である。
【0066】ステップ4におけるL1制御の開始と同時
に、ステップ22へ進んで点火から下限時間Ht5秒経
過するまで待つ。下限時間Ht5秒経過したら、点火か
ら最大Ht4秒経過するまでの間にTC出力値の時間変
化率の絶対値が所定値B以下か否かを判断し(S23,
S6)、所定値B以下であればTC出力が安定したとみ
なして異常燃焼検知を開始する(S7)。この時刻を点
火からHT6秒後として図9に示す。
【0067】一方、ステップ23,6において、点火か
ら上限時間Ht4秒以内に時間変化率の絶対値が所定値
B以下にならない場合でも、異常燃焼の検知を開始し、
TC出力が異常燃焼判定値V2を越えるか否かを判断す
る(S7)。ステップ7以降は、第1実施形態と同じ処
理を行う。
【0068】コールドスタートのステップ21と同様
に、ステップ23においてTC出力値の時間変化率に基
づいて燃焼状態の安定度合いを判断するため、燃焼が安
定していれば、TC出力値が所定値に達していなくて
も、異常燃焼の検知を開始でき、不完全燃焼を早期に解
消することができる。
【0069】また、ステップ22において、燃焼状態の
安定判定の開始時期に下限時間Ht5を設けたため、T
C出力が安定しにくい点火初期に燃焼が安定したと誤っ
て判定することがなく、不完全燃焼の誤検知を防止でき
る。例えば、図9に示されるように、点火時のTC出力
が異常燃焼判定値V2以上であって、その後、点火失敗
や失火により、一時的にV2よりも低下する場合であっ
ても、この下限時間Ht5が設定されているため、TC
出力が安定しにくい点火初期(点火からHt5秒間)の
間はステップ7へ進むことがなく、異常燃焼の誤検知を
防止することができる。
【0070】以上、本発明の実施形態について説明した
が、本発明はこうした実施形態に何等限定されるもので
はなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々
なる態様で実施し得ることは勿論である。例えば、燃焼
装置は給湯器に限定されず、ストーブ,オーブン等、フ
ァンと不完全燃焼防止装置とを備えた様々な燃焼装置に
適用することは自由である。また、図3に示したL0お
よびL2の空燃比変更線は、各々について1段階に限ら
ず数段階の制御であってもよく、そのようにすれば、よ
り細かく空燃比を変更できる。また、燃焼状態を検知す
る熱電対2は、燃焼状態を敏感に感知するセンサーバー
ナ14に設ける代わりに、直接メインバーナ12に設け
てもよい。
【0071】また、コールドスタートにおいて初期燃焼
制御から定常燃焼制御へ確実に切り替えるために、第2
実施形態では切替時期に下限時間Ct5を設けていたが
(S20)、それに代えて、TC出力値の時間変化率の
絶対値が所定値B以下である状態が所定時間以上継続し
て検知された場合に燃焼が安定していると判定して、燃
焼制御を切り替えてもよい。この方法によれば、点火初
期にTC出力値が振動して一時的にTC出力値の時間変
化率の絶対値が小さい場合には、燃焼が安定したという
判定を行わないので、燃焼制御を切り替えず、異常検知
を開始しない。従って、燃焼状態が異常であると誤検知
してしまうことはない。
【0072】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の請求項1
記載の燃焼装置によれば、バーナの燃焼の安定状態の判
定や、異常燃焼の検知を同じ燃焼状態検知手段からの検
知信号に基づいて行うため、不完全燃焼防止と燃焼制御
とが関連付けられて動作する。このため、余裕時間を含
めた点火からの所定時間の経過を安定判定基準とする間
接的な判定よりも早く初期燃焼制御から定常燃焼制御に
切り替えて、不完全燃焼防止手段を作動状態に置き、早
期に不完全燃焼防止処理を行って不完全燃焼を未然に防
ぐことができる。
【0073】更に、本発明の請求項2記載の燃焼装置に
よれば、熱電対の出力値に基づいて燃焼安定状態や異常
燃焼を検知する実測型であるため、適切な時期に定常燃
焼制御に切り替え、速やかに異常燃焼の検知を開始で
き、正確に異常燃焼を検知することができる。
【0074】更に、本発明の請求項3記載の燃焼装置に
よれば、燃焼安定の判定を時間の経過ではなくセンサー
バーナの熱電対の出力値に基づいて行うため、初期燃焼
制御から定常燃焼制御への切替に無駄な待ち時間を設け
る必要がなくなり、その後に行われる異常燃焼の検知を
早期に開始し、迅速に不完全燃焼防止処理を行うことが
でき、メインバーナの不完全燃焼を未然に防止できる。
しかも、酸素供給不足に対してメインバーナよりも敏感
に燃焼状態が悪化するセンサーバーナに熱電対を設ける
ため、メインバーナが不完全燃焼を起こす前に、異常燃
焼を検知して不完全燃焼防止処理を行い、不完全燃焼を
未然に防止できる。
【0075】更に、本発明の請求項4記載の燃焼装置に
よれば、安定判定手段は、必ず熱電対の出力値が異常燃
焼判定値を越えた状態から異常燃焼判定値以下に低下し
た時に異常燃焼していると判断するため、異常燃焼の誤
検知を防止できる。
【0076】更に、本発明の請求項5記載の燃焼装置に
よれば、熱電対の出力値の時間変化率が所定値以下の時
にバーナの燃焼が安定したと判定するため、燃焼が安定
していれば熱電対の出力値が所定値に達していなくても
燃焼制御を切り替えることができる。従って、所定の出
力が得られない間ずっと不完全燃焼防止手段が作動しな
いといった不具合がない。
【0077】更に、本発明の請求項6記載の燃焼装置に
よれば、熱電対の出力値の時間変化率が所定値以下であ
る状態が所定時間以上継続して検知されて初めて燃焼が
安定したと判定するため、一時的に出力値の時間変化率
が小さい場合には、異常検知を開始しない。従って、燃
焼状態が異常であるという誤検知を防止できる。
【0078】更に、本発明の請求項7記載の燃焼装置に
よれば、初期燃焼制御に上限時間を設けたため、燃焼状
態が不安定であっても点火から所定時間経過後は確実に
定常燃焼制御に切り替えることができ、不完全燃焼防止
手段の不作動を防止できる。
【0079】更に、本発明の請求項8記載の燃焼装置に
よれば、初期燃焼制御から定常燃焼制御の切替時期に下
限時間を設けたため、初期燃焼制御を行う時には、熱電
対の出力に関わらず、点火から所定時間以上経過するま
で定常燃焼制御へ切り替えず、不完全燃焼防止手段を作
動させない。従って、初期燃焼時に異常燃焼の誤検知を
防止できる。
【0080】更に、本発明の請求項9記載の燃焼装置に
よれば、点火状態に応じて初期燃焼制御の上限時間を設
定するため、再点火においては、初点火よりも早く不完
全燃焼防止手段を作動させることができる。
【0081】更に、本発明の請求項10記載の燃焼装置
によれば、再点火の場合には、点火時から定常燃焼制御
を行うため、初点火の場合よりも異常検知の開始が早ま
り、迅速に不完全燃焼処理を行うことができる。
【0082】更に、本発明の請求項11記載の燃焼装置
によれば、不完全燃焼防止手段の検知開始時期を、定常
燃焼制御開始から所定時間後としているため、燃焼が不
安定な定常燃焼制御の開始直後の異常燃焼の誤検知を防
止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態における燃焼制御を表すフローチ
ャートである。
【図2】一実施形態としての給湯器の概略構成図であ
る。
【図3】インプットとファン回転数との関係を表すグラ
フである。
【図4】TC出力と不完全燃焼検知開始を表すグラフで
ある。
【図5】TC出力と不完全燃焼検知開始を表すグラフで
ある。
【図6】TC出力と不完全燃焼検知開始を表すグラフで
ある。
【図7】第2実施形態における燃焼制御を表すフローチ
ャートである。
【図8】TC出力と不完全燃焼検知開始を表すグラフで
ある。
【図9】TC出力と不完全燃焼検知開始を表すグラフで
ある。
【符号の説明】 2…熱電対、3…燃焼室、4…水流センサ、6…燃焼コ
ントローラ、8…ファン、12…バーナ、14…センサ
ーバーナ。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃料ガスを燃焼するバーナと、 上記バーナへの供給ガス量を調節するガス量調節手段
    と、 上記バーナへ燃焼用空気を供給する空気供給手段と、 上記バーナへ供給する燃焼用空気量を調節する空気量調
    節手段と、 上記ガス量調節手段によって調節されるガス量と上記空
    気量調節手段によって調節される空気量とを所定の目標
    空燃比で制御する燃焼制御手段と、 定常燃焼制御時の目標空燃比よりも上記空気量を減少さ
    せる初期燃焼制御を行う初期燃焼制御手段と、 上記バーナの燃焼状態を検知する燃焼状態検知手段と、 上記燃焼状態検知手段からの検知信号に基づいて異常燃
    焼を検知すると不完全燃焼防止処理を行う不完全燃焼防
    止手段と、 上記燃焼状態検知手段の検知信号に基づいて上記バーナ
    の燃焼安定状態を判定する安定判定手段と、 上記安定判定手段により燃焼が安定したと判定された時
    に上記初期燃焼制御から定常燃焼制御に移行する切替手
    段と、 定常燃焼制御に切り替えた後に上記不完全燃焼防止手段
    を作動状態に置く作動手段とを備えたことを特徴とする
    燃焼制御装置。
  2. 【請求項2】 上記燃焼状態検知手段として熱電対を用
    いたことを特徴とする請求項1記載の燃焼制御装置。
  3. 【請求項3】 燃焼用空気を強制的に取り込んで燃焼す
    るメインバーナの空気供給路中に、該メインバーナが不
    完全燃焼を起こす前に異常燃焼するセンサーバーナを設
    け、上記熱電対で該センサーバーナの燃焼状態を検知す
    ることを特徴とする請求項2記載の燃焼制御装置。
  4. 【請求項4】 上記不完全燃焼防止手段は、上記熱電対
    からの出力値が所定の異常燃焼判定値以下になった時に
    異常燃焼と判断し、 上記安定判定手段は、点火後上記熱電対の出力値が異常
    燃焼判定値より高い安定判定値を越えた時に、燃焼が安
    定したと判定することを特徴とする請求項2または3記
    載の燃焼制御装置。
  5. 【請求項5】 上記安定判定手段は、上記熱電対の出力
    値の時間変化率が所定値以下であると検知された場合
    に、燃焼が安定したと判定することを特徴とする請求項
    2または3記載の燃焼制御装置。
  6. 【請求項6】 上記安定判定手段は、上記熱電対の出力
    値の時間変化率が所定値以下である状態が所定時間以上
    継続して検知された場合に燃焼が安定したと判定するこ
    とを特徴とする請求項5記載の燃焼制御装置。
  7. 【請求項7】 上記安定判定手段により燃焼が安定した
    と判定されなくても点火から所定時間経過した場合に
    は、上記切替手段が作動するように、初期燃焼制御から
    定常燃焼制御への切替時期に上限時間を設けたことを特
    徴とする請求項1〜6の何れかに記載の燃焼制御装置。
  8. 【請求項8】 点火から所定時間以上経過するまでは上
    記切替手段が作動しないように、初期燃焼制御から定常
    燃焼制御への切替時期に下限時間を設けたことを特徴と
    する請求項1〜7の何れかに記載の燃焼制御装置。
  9. 【請求項9】 燃焼装置が室温に近い状態での初点火な
    のか、余熱を残存した状態の再点火なのかを判定する点
    火状態判定手段と、 再点火の場合、初点火に比べて上記上限時間を短く設定
    する上限時間設定手段を備えたことを特徴とする請求項
    7記載の燃焼制御装置。
  10. 【請求項10】 燃焼装置が室温に近い状態での初点火
    なのか、余熱を残存した状態の再点火なのかを判定する
    点火状態判定手段を備え、 上記点火状態判定手段による判定結果によって再点火と
    判定する場合には、点火時から定常燃焼制御を行い、燃
    焼が安定したと判定された時に、上記不完全燃焼防止手
    段を作動状態に置くことを特徴とする請求項1〜9の何
    れかに記載の燃焼制御装置。
  11. 【請求項11】 上記作動手段は、定常燃焼制御開始か
    ら所定時間後に作動することを特徴とする請求項1〜1
    0の何れかに記載の燃焼制御装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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JP2015010814A (ja) * 2013-07-02 2015-01-19 リンナイ株式会社 プレート式バーナの制御装置
US10253950B2 (en) 2013-11-18 2019-04-09 Osram Opto Semiconductors Gmbh Method for producing a multifunctional layer, electrophoresis substrate, converter plate and optoelectronic component

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