JP4240773B2 - 燃焼制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガス給湯器,ガス風呂釜等における燃焼制御装置に関し、詳しくはバーナの燃焼状態を監視して、室内の酸欠や熱交換器のフィン詰り等による不完全燃焼を防止する燃焼装置に関する。
【従来の技術】
【0002】
従来から、バーナへの供給ガス量と燃焼用空気量とを一定の関係に保って比例制御する燃焼装置が知られており、例えば、給湯器では出湯温度に応じてガス量を調節すると共に、ガス量に対応した空気がバーナに供給されるように空気量を制御している。
しかしながら、こうした空燃比制御を行っているにも関わらず、酸素量が不足することでバーナが不完全燃焼を起こし、一酸化炭素が発生することがある。その原因としては、主に以下の3つが挙げられる。
(1)燃焼装置の給排気系の不良(外的要因による)
(2)排ガス漏洩による室内の酸欠状態
(3)経時変化に伴う風量低下
▲1▼ファン8の吸引による給気経路内のほこり付着
▲2▼燃焼生成物による熱交換器1のフィン詰まり
これらはすべて燃焼用空気の不足(酸素量の不足)という一つの要因と考えられる。
【0003】
不完全燃焼を解消する方法として、酸素量の不足に対してメインバーナよりも先に火炎状態が敏感に変化するセンサーバーナを設け、このセンサーバーナの火炎状態を熱電対の起電力値(TC出力と呼ぶ)から検知することにより、メインバーナが酸欠やフィン詰まり等により不完全燃焼を起こす前に、燃焼を停止したり、ファンの回転数を増加させて正常時の空気過剰率(理論空気量に対する燃焼用空気量の比)と同等の空気過剰率で燃焼するようにフィードバック制御を行うことが既に知られている。
【0004】
しかし、燃焼装置が暖まっていない状態での初点火(以下、コールドスタートと呼ぶ)の場合に、燃焼状態の不安定さがあり、また、センサとしての熱電対自体が暖められるまでに時間を要すため、異常燃焼の検知をすぐに開始できない。尚、コールドスタートに対して、暖まっている状態での繰り返しによる再点火をホットスタートと呼ぶ。
【0005】
コールドスタートの場合には、燃焼室が冷却しており、ガスの燃焼速度が遅いため、火炎はリフティング気味になってセンサーバーナになかなか保炎せず、安定しにくい。また、冷えた燃焼室では、燃焼用空気の流路抵抗も小さくなって燃焼用空気が過剰に供給される結果、火炎温度自体がそもそも低くなっている。
【0006】
しかも、熱電対は、常温まで冷えていると、それ自体に熱容量があるため、火炎によりあぶられてから温度が上昇するには時間がかかる。従って、コールドスタート時のTC出力の立ち上がりが遅くなる。
特に、センサーバーナはメインバーナよりもインプット(燃焼量)が低いため、なかなか熱電対が暖まらず、TC出力の立ち上がりが遅い。
【0007】
例えば、コールドスタートでは、図4に2点鎖線で示されるTC出力MVc(L1制御)のように、熱電対の起電力は緩やかな上昇特性を示し、時間経過に伴って徐々に定常燃焼時の安定起電力になっていく。
TC出力が異常燃焼判定値V2より低下すると異常燃焼していると判定する制御を行うが、燃焼初期はTC出力が不安定なので、安定するまで異常燃焼の判定を行わない。
ここで、点火からTC出力が異常燃焼判定値V2を越えるまでの経過時間を点火状態で比較すると、コールドスタートのCt1秒は、図5に示されるホットスタートのHt1秒より圧倒的に長い。異常検知の開始が可能とみなせる程TC出力が確実に安定するまでには、異常燃焼判定値V2を越えてから所定時間ta秒かかるため、実際に異常燃焼の判定を開始する時期は、点火からCT1秒(=Ct1+ta),HT1秒(=Ht1+ta)経過した後である。
【0008】
ところで、熱電対の起電力が安定するまでの待機時間を無視して、不完全燃焼防止のための起電力検知を早く開始すると、コールドスタートの場合には、正常に燃焼していてもTC出力が十分に立ち上がっておらず、異常時のような低起電力しか出力していないので、異常燃焼していると誤検知しかねない。
【0009】
そこで、この待機時間短縮のための対策として、特開平8−14552号公報に示される燃焼制御装置では、コールドスタートの場合に適正な燃焼用空気量となるようにファンの回転数を低くして燃焼炎の安定を早めると共に、安定した燃焼炎が熱電対への加熱をスムーズに行っている。この対策方法によれば、図4に示すコールドスタートのTC出力MVc(L0制御)のように、起電力の立ち上げをCT2秒(=Ct2+ta)にまで早めることができる。
つまり、コールドスタートかホットスタートかという、各々の点火状態に応じて適正な空燃比で燃焼開始を行って、熱電対の起電力が検知可能状態となるまでの待機時間を短縮できる。
尚、これらの燃焼制御は、インプットに対応するファン回転数の制御線を用いて図3に示される。図中のL1制御は、定常燃焼時に最も良好な燃焼状態に維持される制御線である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、検知開始が可能となるまでの待機時間CT2,HT1には、異常燃焼の誤検知を確実に防止するために、余裕時間taを含めて長めに設定されており、実際に起電力が安定した時点よりも遅れて検知を開始していた。
従って、燃焼状態が悪化しても迅速に不完全燃焼防止のための処理を行うことができなかった。
【0011】
そこで、本発明の燃焼制御装置は上記課題を解決し、燃焼状態の異常が検出できるまでの待機時間を短縮して不完全燃焼を未然に防止する安全な燃焼装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する本発明の請求項1記載の燃焼制御装置は、
燃料ガスを燃焼するバーナと、
上記バーナへの供給ガス量を調節するガス量調節手段と、
上記バーナへ燃焼用空気を供給する空気供給手段と、
上記バーナへ供給する燃焼用空気量を調節する空気量調節手段と、
上記ガス量調節手段によって調節されるガス量と上記空気量調節手段によって調節される空気量とを所定の目標空燃比で制御する燃焼制御手段と、
定常燃焼制御時の目標空燃比よりも上記空気量を減少させる初期燃焼制御を行う初期燃焼制御手段と、
上記バーナの燃焼状態を検知する燃焼状態検知手段と、
上記燃焼状態検知手段からの検知信号に基づいて異常燃焼を検知すると不完全燃焼防止処理を行う不完全燃焼防止手段と、
上記燃焼状態検知手段の検知信号に基づいて上記バーナの燃焼安定状態を判定する安定判定手段と、
上記安定判定手段により燃焼が安定したと判定された時に上記初期燃焼制御から定常燃焼制御に移行する切替手段と、
定常燃焼制御に切り替えた後に上記不完全燃焼防止手段を作動状態に置く作動手段と
を備え、
上記燃焼状態検知手段として熱電対を用い、
上記安定判定手段は、上記熱電対の出力値の時間変化率が所定値以下である状態が所定時間以上継続して検知された場合に燃焼が安定したと判定することを要旨とする。
【0014】
また、本発明の請求項2記載の燃焼装置は、上記請求項1記載の燃焼装置において、
燃焼用空気を強制的に取り込んで燃焼するメインバーナの空気供給路中に、該メインバーナが不完全燃焼を起こす前に異常燃焼するセンサーバーナを設け、上記熱電対で該センサーバーナの燃焼状態を検知することを要旨とする。
【0018】
また、本発明の請求項3記載の燃焼装置は、上記請求項1または2に記載の燃焼装置において、
上記安定判定手段により燃焼が安定したと判定されなくても点火から所定時間経過した場合には、上記切替手段が作動するように、初期燃焼制御から定常燃焼制御への切替時期に上限時間を設けたことを要旨とする。
【0019】
また、本発明の請求項4記載の燃焼装置は、上記請求項1〜3の何れかに記載の燃焼装置において、
点火から所定時間以上経過するまでは上記切替手段が作動しないように、初期燃焼制御から定常燃焼制御への切替時期に下限時間を設けたことを要旨とする。
【0020】
また、本発明の請求項5記載の燃焼装置は、上記請求項3記載の燃焼装置において、
燃焼装置が室温に近い状態での初点火なのか、余熱を残存した状態の再点火なのかを判定する点火状態判定手段と、
再点火の場合、初点火に比べて上記上限時間を短く設定する上限時間設定手段を備えたことを要旨とする。
【0021】
また、本発明の請求項6記載の燃焼装置は、上記請求項1〜5の何れかに記載の燃焼装置において、
燃焼装置が室温に近い状態での初点火なのか、余熱を残存した状態の再点火なのかを判定する点火状態判定手段を備え、
上記点火状態判定手段による判定結果によって再点火と判定する場合には、点火時から定常燃焼制御を行い、燃焼が安定したと判定された時に、上記不完全燃焼防止手段を作動状態に置くことを要旨とする。
【0022】
また、本発明の請求項7記載の燃焼装置は、上記請求項1〜6の何れかに記載の燃焼装置において、
上記作動手段は、定常燃焼制御開始から所定時間後に作動することを要旨とする。
【0023】
上記構成を有する本発明の請求項1記載の燃焼装置によれば、初期燃焼制御手段が、定常燃焼制御時の目標空燃比よりも空気量を減少させる初期燃焼制御を行い、燃焼状態検知手段がバーナの燃焼状態を検知し、その検知信号に基づいてバーナの燃焼が安定したと安定判定手段が判定した時に、切替手段が初期燃焼制御から定常燃焼制御に移行させ、その後に、作動手段が不完全燃焼防止手段を作動状態に置き、燃焼状態検知手段の検知信号に基づいて異常燃焼を検知すると不完全燃焼防止処理を行う。
このように、燃焼安定の判定による燃焼制御の切替や異常燃焼の検知を同じ燃焼状態検知手段からの検知信号に基づいて行うため、不完全燃焼防止と燃焼制御とが関連付けられて動作する。
このため、余裕時間を含めた点火からの所定時間の経過を安定判定基準とする間接的な判定よりも早く初期燃焼制御から定常燃焼制御に切り替えて、不完全燃焼防止手段を作動状態に置き、早期に不完全燃焼防止処理を行うことができる。
【0024】
また、熱電対の出力値に基づいて燃焼安定状態や異常燃焼を検知する実測型であるため、適切な時期に定常燃焼制御に切り替え、速やかに異常燃焼の検知を開始でき、正確に異常燃焼を検知することができる。また、安定判定手段は、熱電対の出力値の時間変化率が所定値以下である状態が所定時間以上継続して検知されて初めて燃焼安定と判定するため、出力値が振動した場合のように一時的に出力値の時間変化率が小さくなっても、燃焼が安定したという判定を行わず、燃焼制御を切り替えず、異常検知を開始しない。従って、燃焼状態が異常であると誤検知してしまうことはない。
【0025】
また、本発明の請求項2記載の燃焼装置によれば、供給酸素量が減少してくると、メインバーナの燃焼状態が悪化する前にセンサーバーナが異常燃焼し始め、熱電対でセンサーバーナの燃焼状態を検知する。
こうしたセンサーバーナは、敏感に燃焼状態が悪化するものの、インプット(ガス供給量)がメインバーナよりも小さいため、センサーバーナに設けられる熱電対の出力値の立ち上がりは、メインバーナに設けられる熱電対の場合よりも遅い。
しかしながら、燃焼安定の判定を時間の経過ではなくセンサーバーナの熱電対の出力値に基づいて行うため、初期燃焼制御から定常燃焼制御への切替に無駄な待ち時間を設ける必要がなくなり、その後に行われる異常燃焼の検知を早期に開始できる。
この結果、出力値の立ち上がりの遅いセンサーバーナでも迅速に不完全燃焼防止処理を行うことができ、メインバーナの不完全燃焼を未然に防止できる。
【0029】
また、本発明の請求項3記載の燃焼装置によれば、燃焼が安定したと判定されない場合においても、初期燃焼制御に上限時間を設けたため、点火から所定時間経過すれば、必ず定常燃焼制御に切り替わり、その後不完全燃焼防止手段が作動状態になる。つまり、不完全燃焼防止手段の不作動を防止できる。
【0030】
また、本発明の請求項4記載の燃焼装置によれば、初期燃焼制御から定常燃焼制御の切替時期に下限時間を設けたため、初期燃焼制御を行う時には、熱電対の出力に関わらず、点火から所定時間以上経過するまで定常燃焼制御へ切り替えず、不完全燃焼防止手段を作動させない。従って、初期燃焼時に異常燃焼の誤検知を防止できる。
【0031】
また、本発明の請求項5記載の燃焼装置によれば、点火状態に応じて初期燃焼制御の上限時間を設定するため、熱電対の出力が早く安定する再点火においては、初点火よりも早い時期に定常燃焼制御に切り替えることができ、不完全燃焼防止手段を速やかに作動させることができる。
【0032】
また、本発明の請求項6記載の燃焼装置によれば、熱電対の出力が早く安定する再点火においては、点火時から定常燃焼制御を行い、燃焼が安定したと判定された時に不完全燃焼防止手段の検知を開始するため、異常検知の開始が初点火の場合よりも早くなる。このようにして、点火状態に応じて異常検知の開始時期を切り替え、迅速に不完全燃焼防止処理を行うことができる。
【0033】
また、本発明の請求項7記載の燃焼装置によれば、作動手段が定常燃焼制御開始から所定時間後に不完全燃焼防止手段を作動状態に置くため、初期燃焼制御からの変更直後や点火時の定常燃焼制御の開始直後の燃焼が不安定な時に誤って異常燃焼していると判定しない。
【0034】
【発明の実施の形態】
以上説明した本発明の構成・作用を一層明らかにするために、以下本発明の燃焼制御装置の好適な実施形態について説明する。
【0035】
《第1実施形態》
図2は、一実施形態としての燃焼制御装置である給湯器の概略図である。
給湯器は、燃料ガスを燃焼するメインバーナ12と、通水路の水をメインバーナ12の燃焼により加熱する熱交換器2と、この熱交換器2,メインバーナ12間で燃焼空間を形成する燃焼室3と、燃焼用空気を底部から燃焼室3へ送り込むファンFと、排気を導き排出する排気筒13と、燃焼室3内でメインバーナ12よりも先に火炎状態が変化して異常燃焼を敏感に検知するセンサーバーナ14とを備える。
【0036】
メインバーナ12,センサーバーナ14へのガス供給経路には、ガス量を制御するガス比例弁11と、ガス通路を開閉するガス電磁弁10とが設けられる。
また、熱交換器1へ通じる通水経路には、入水温度センサ5,水流センサ4等の入水状態の検知部が設けられる。
【0037】
センサーバーナ14は、筒体15内にセラミックプレート16を設けた全一次空気式バーナで、セラミックプレート16の火炎の燃焼状態を検出するために、筒体15の内側面には、燃焼状態によって発生起電力を変化させる熱電対2が設けられ、その検出信号(TC出力)が燃焼コントローラ6へ送られるように構成される。このセンサーバーナ14は、酸素の供給が不足すると、メインバーナ12が不完全燃焼を起こす前に異常燃焼して、図2に破線で示されるように、火炎が筒体15の上端へリフトし、熱電対2は、これを利用して燃焼状態を検知する。
【0038】
メインバーナ12には、点火電極と燃焼炎を検知するフレームロッド(図示略)とが設けられ、前記のセンサ・アクチュエータと共に燃焼コントローラ6へと電気的に接続され、出湯・運転・停止等の所定の制御が行われる。
【0039】
次に、燃焼制御処理を図1に示したフローチャートに基づき説明する。
給湯カラン(図示略)を開くと給水管より給水され、水流センサ4からの検知信号が燃焼コントローラ6へ送信され、ファン8が回転する。それに伴って、ガス電磁弁10が開いてメインバーナ12,センサーバーナ14に燃料ガスが供給され、図示しないイグナイタの放電によって燃料ガスが着火する。
【0040】
出湯温度センサ9による検出温度と、燃焼コントローラ6に設定された設定温度との間に差があれば、燃焼コントローラ6からの指令信号によりガス比例弁11の開度が調節されると共に、ガス量に応じた回転数で作動するようにファン8へも指令信号が送られ、燃焼が開始される(S1)。
【0041】
それと同時に、熱電対2のTC出力が点火状態判定値V1を越えているか否かを判断する(S2)。TC出力が点火状態判定値V1(例えば5mV)を越えている場合には、暖まっている状態での繰り返しによる再点火(ホットスタート)と判断して、後述のステップ6で用いられる上限時間にHt4秒を選択して(S3)ステップ4へ進む。
一方、ステップ2でTC出力が点火状態判定値V1以下の場合には、給湯器が室温程度まで冷えた状態である初点火(コールドスタート)と判断して、後述のステップ15で用いられる上限時間にCt4秒(>Ht4)を選択して(S12)ステップ13へ進む。
【0042】
ここで、コールドスタートかホットスタートかを判定する理由について説明する。コールドスタートの場合には、メインバーナ12の燃焼炎の安定を早めると共に、安定した燃焼炎が熱電対2への加熱をスムーズに行い起電力の立ち上げを早めるために、図3,図4に示されるように、適正な燃焼用空気量となるようにファン8の回転数を低くする初期燃焼制御(L0制御)を行う。
燃焼制御は、L0,L1,L2は、図3に示されるように、インプット(ガス供給量)に対応するファン回転数の制御線に基づいて行われ、インプットに対して回転数が最も低い制御がL0,最も高い制御がL2,その中間がL1である。
【0043】
このコールドスタートでは、定常燃焼時と比較して、空気の各通路部およびセンサーバーナ14の温度が低いため流路抵抗が小さく、また、単位体積当たりの酸素量が増加する。
もし、コールドスタートにも関わらず定常燃焼のファン8の回転制御(L1制御やL2制御)のままで燃焼用空気を供給すると、燃焼用空気量が過剰になってしまい、燃焼炎はリフトを起こして燃焼状態が悪くなる。
従って、コールドスタート時の燃焼状態を良好にするために、供給空気量の少ないL0制御を行う。
【0044】
一方、ホットスタートでは、図5に示されるように、定常燃焼と同じL1制御を行う。
つまり、ホットスタートの場合には、流入する燃焼用空気は、燃焼室3によって暖められ膨張し、流路抵抗を増加させて、燃焼用空気の供給量が減少し、しかも、この空気の膨張により単位体積当たりの酸素量も減少する。従って、ホットスタート時や定常燃焼の場合には、温度による燃焼用空気量への影響を考慮してファン8の適正回転数が決められたL1制御を行う。
このように、コールドスタート時とホットスタート時とではインプットが同じでも異なる回転数で制御するため、つまり、燃焼制御方法が点火状態によって異なるため、ステップ2において、コールドスタートかホットスタートかを判断するのである。
【0045】
そこで、ステップ2にてホットスタートと判断した場合には、L1制御の開始(S4)と同時にステップ5,6へ進んで、点火から最大Ht4秒経過するまでの間、TC出力が安定判定値V3(例えば15mV)を越えた状態が2tb秒継続したか否かを判断する。尚、ステップ5の条件に所定時間継続を含める理由は後述する。
TC出力が安定判定値V3を越えれば、或いは、TC出力が安定判定値V3を越えなくても点火からHt4秒経過すれば、TC出力が不完全燃焼を判定できる程度に安定したとみなし、TC出力が、異常燃焼を示す異常燃焼判定値V2(<V3)以下であるか否かの検知をすぐに開始する(S7)。即ち、TC出力の安定判定直後に異常燃焼検知を開始し、不完全燃焼防止処理が作動できる状態にする。
【0046】
従って、ステップ5においてTC出力が安定していなくても、少なくとも点火からHt4秒後には異常燃焼検知を開始するため、つまり、異常燃焼の検知開始時期に上限時間を設けたため、メインバーナ12の不完全燃焼の兆候を見逃すことを防止できる。
【0047】
ステップ7において、TC出力が異常燃焼判定値V2以下になって、熱電対2の出力が正常でない場合には、不完全燃焼の兆候があると判断して、図3に示すように、ファン8の回転数の制御線をL1→L2へ変更する(S8)。つまり、不完全燃焼の兆候をTC出力の低下によって察知した場合には、ファン8の回転数の目標制御線を増大側にシフトし、定常燃焼時と比較して燃焼用空気量を増加する制御(L2制御)をして、燃焼改善運転を行う。
【0048】
ステップ8において空燃比を制御線L2に変更してから安定待ち時間te秒間が経過すると(S9)、もう一度熱電対2からの出力信号によりそのTC出力が異常燃焼判定値V2を越えるか否かを判断し(S10)、TC出力が異常燃焼判定値V2を越える場合には、燃焼が良好な状態に戻ったことになり、L2制御のまま燃焼は継続される。
しかし、ステップ10において、TC出力が異常燃焼判定値V2以下である場合には、ファン8を停止させると共にガス電磁弁10を閉じて燃焼を停止させ(S11)、更には、この給湯器に設けられる赤ランプの点灯や警報器7のブザー鳴動等により異常出力を行わせて、燃焼異常が報知される。つまり、燃焼用空気量を増加したにもかかわらず、不完全燃焼の傾向が解消されない場合は燃焼停止を行う。
【0049】
次に、コールドスタート時の燃焼制御を説明する。
ステップ2でコールドスタートと判断された場合には、ステップ12を介してステップ13へ進み、初期燃焼制御(L0制御)を行う。
【0050】
そして、点火から最大Ct4秒経過するまでの間、TC出力が安定判定値V3を越えるか否かを判断し(S14)、安定判定値V3を越えた時点でTC出力が安定したと判断し、燃焼室3内が定常温度近くまで上昇したとみなして、ファン8の回転数をL0→L1制御、つまり、定常燃焼時のファン8の回転数に移行し(S17)、L1制御開始から安定待ち時間tb秒経過したら(S18)、S7へ進んで異常燃焼検知を開始し、不完全燃焼防止処理を行うことができるようにする。
【0051】
例えば、図4に実線(L0制御)で示されるように、正常に燃焼している場合には、点火からCt3秒(TC出力が安定判定値V3を越えて安定と判定した時点)後に初期燃焼制御(L0)を定常燃焼制御(L1)に切り替え、目標空燃比での制御を速やかに開始できる。そして、切替からtb秒(つまり、点火からCT3秒)経過後には、TC出力が検知可能レベルまで上昇したとして異常検知を開始できる。
このように、異常燃焼検知が可能になる定常燃焼制御へ切り替える時期を決めるための安定判定(S14)をTC出力に基づいて行うため、異常燃焼の検知開始までの待機時間CT3が、時間経過を安定判定基準とする間接的な従来例の所定時間CT2秒よりも短くなる。従って、異常燃焼の検知を受けて目標空燃比を変更する等して不完全燃焼を早期に解消することができる。
また、点火後のTC出力が必ず異常燃焼判定値V2を越えた状態(安定判定値V3)から異常燃焼判定値V2まで低下した時に、異常燃焼していると判断するため、確実に異常燃焼を判断でき、異常燃焼の誤検知を防止できる。
【0052】
一方、ステップ14,15において、点火から上限時間Ct4秒以内にTC出力が安定判定値V3を越えない場合には、TC出力が異常燃焼判定値V2を越えるか否かを判断する(S16)。TC出力が異常燃焼判定値V2を越える場合には、L0制御からL1制御へ移行し(S17)上述の制御を行い、一方、TC出力が異常燃焼判定値V2を越えない場合には、L0制御からL2制御へ移行し燃焼改善運転を行い(S19)、ステップ9を介してステップ10へ進み、ホットスタート時と同様に異常燃焼検知を行い、異常燃焼が検知されれば、運転を停止して異常表示を行う(S11)。
【0053】
このようにステップ15において、L0制御からの切替時期に上限時間Ct4を設けることによって、TC出力が低くても必ず異常燃焼の判定を行うので、不完全燃焼に確実に対応できる。
また、ステップ3,12においては、異常燃焼の検知開始時期の上限時間が点火状態に応じて設定されているため、TC出力の立ち上がりの早いホットスタートでは、点火からHt4(<Ct4)秒後までには異常燃焼の検知を開始して、コールドスタートよりも迅速に不完全燃焼に対応できる。
尚、ステップ2で検出されるTC出力値に応じて数種類の上限時間を設定しておき、ステップ3やステップ12において上限時間をその中から選択できるようにしてもよい。
【0054】
次に、熱電対2の出力値が安定判定値V3を越えた状態が所定時間継続すると(S5)、ステップ7で異常検知を開始する理由について、ホットスタートにおける点火遅れを例に挙げて、図1,図6を用いて説明する。
メインバーナ12の燃焼中、給湯カランを閉めて止水すると水流センサ4からの検知信号によりガス電磁弁10が閉弁して燃焼が停止される。その後、給湯カランを開いて出水させると、正常時は、すぐにメインバーナに点火し、図6に破線で示されるTC出力特性が得られ、燃焼制御開始時のTC出力がV1を越え、ホットスタートと判断され(S2)、上述したような制御により、速やかに異常検知を開始する(S7)。
【0055】
しかし、給湯カランが開かれても、例えばイグナイタが本来と異なる場所へ放電してしまうことによって、点火が遅れてしまうと、図6に実線で示されるように、TC出力は降下し続ける。点火遅れ許容時間(図示略)を越えても点火されない場合には、異常とみなして器具を停止する制御が別に行われる。
一方、点火遅れ許容時間内に点火され、点火時のTC出力が安定判定値V3を越えていても、その後TC出力が低下して異常燃焼判定値V2以下になる場合には、まだTC出力が安定していないので異常燃焼の検知を開始すべきではない。そこで、ステップ5において、TC出力が安定判定値V3を越えた状態が2tb秒継続したか否かを判断することにより、TC出力が安定したと確実に判定して、その後、異常検知が開始される。
このステップ5の条件を単に、「TC出力が安定判定値V3を越えた後に2tb秒経過」としてしまうと、異常検知開始時のTC出力が安定判定値V3以下の安定していない場合も含まれてしまい、望ましくない。尚、この安定待ち時間は、tbの2倍の長さにしなくてもよい。
【0056】
以上説明した第1実施形態によれば、TC出力がゆっくり安定するコールドスタートであっても、TC出力に基づいて燃焼の安定を判定するため、初期燃焼制御から定常燃焼制御に速やかに切り替えることができ、異常燃焼の検知開始までの待機時間が短縮できる。
つまり、不完全燃焼の傾向を判定することが点火直後の早い時期から可能となり、点火直後の燃焼状態に対する無監視時間を最小とすることができ、不完全燃焼防止に対する信頼性を増すことができる。
【0057】
初点火か再点火かの判定や、燃焼安定の判定による燃焼制御の切替、および不完全燃焼防止制御に入ることを全て熱電対2の出力値に基づいて行うため、制御システムが簡素化され、制御の誤作動を抑制でき、しかも新たに各制御のための検出判定装置を設ける必要もなく、製造コストを抑えることができる。
また、コールドスタート時のL0制御からの切替時期の上限時間や、ホットスタート時の異常燃焼の検知開始時期の上限時間を設定することにより、確実に不完全燃焼防止処理に入ることができる。
更に、S9やS18において、異常検知が、L1制御の開始後すぐに開始されるのではなく、安定待ち時間tbやte秒経過後に開始されるため、TC出力の不安定時に異常燃焼であると誤検知することを防止できる。
【0058】
また、TC出力が早く安定するホットスタート時においては、L0制御を行わずにL1制御を行って、燃焼が安定したと判定された時に異常燃焼の検知を開始するため、異常検知の開始がコールドスタートの場合よりも早くなる。このように点火状態に応じて異常検知の開始時期を切り替えることで、不完全燃焼に素早く対応することができる。
【0059】
《第2実施形態》
次に、第2実施形態について図7を用いて説明する。尚、第1実施形態と異なる部分について説明し、重複する部分に関しては同一符号,同一ステップ番号を付してその説明を省略する。第2実施形態は、コールドスタートのL0制御からの切替の判定方法およびホットスタートの異常燃焼検知の開始時期の判定方法が第1実施形態と異なる。
【0060】
燃焼制御処理を図7に示したフローチャートに基づき説明する。
ステップ2でコールドスタートと判断された場合には、上限時間をCt4として設定し(S12)L0制御を行う(S13)と共に、点火から下限時間Ct5秒経過するまで待つ(S20)。
【0061】
下限時間Ct5秒経過したら、点火から最大Ct4秒経過するまでの間にTC出力値の時間変化率の絶対値が所定値B(mV/s)以下か否かを判断し(S21,S15)、所定値B以下であればTC出力が安定したとみなしてステップ17へ進み、L0制御からL1制御に移行する(S17)。このL1制御への切替時期を、点火からCt6秒後として図8に示す。
そして、ステップ18でL1制御開始からtb秒(つまり、点火からCT6秒)経過後(S6)、TC出力に基づいて異常燃焼検知を開始する(S7)。
【0062】
一方、ステップ21,15において、点火から上限時間Ct4秒以内に時間変化率の絶対値が所定値B以下にならない場合でも、異常燃焼の検知を開始し、TC出力が異常燃焼判定値V2を越えるか否かを判断する(S16)。
TC出力が異常燃焼判定値V2を越える場合には、L0制御からL1制御へ移行し(S17)第1実施形態と同様な制御を行い、一方、TC出力が異常燃焼判定値V2を越えない場合には、L0制御からL2制御へ移行し(S19)、第1実施形態と同様に、ステップ9を介してステップ10へ進み、異常燃焼検知を行い、異常燃焼が検知されれば、運転を停止して異常表示を行う(S11)。
【0063】
このように、ステップ21においてTC出力値の時間変化率に基づいて燃焼状態の安定度合いを判断するため、燃焼が安定していれば、TC出力値が第1実施形態の安定判定値V3のような所定値に達していなくても、燃焼制御を切り替えることができ、速やかに異常燃焼の検知を開始し、不完全燃焼を早期に解消することができる。
【0064】
また、ステップ20においてL0制御からの切替時期に下限時間Ct5を設けたため、初期燃焼制御を行うコールドスタート時には、TC出力値に関係なく点火から所定時間以上経過するまで定常燃焼制御へ切り替えず、不完全燃焼防止処理に入らない。
従って、TC出力が安定しにくい点火初期に誤って燃焼状態が異常であると判定してしまうことを防止できる。
【0065】
次に、ステップ2でホットスタートと判断された場合について図7,図9を用いて簡単に説明する。ホットスタートのTC出力の安定判定方法も、コールドスタートと同様でTC出力の時間変化に基づく。つまり、図1のステップ5の代わりに図7のステップ22,23(コールドスタートのステップ20,21に相当)が加わった点以外は第1実施形態と同様である。
【0066】
ステップ4におけるL1制御の開始と同時に、ステップ22へ進んで点火から下限時間Ht5秒経過するまで待つ。
下限時間Ht5秒経過したら、点火から最大Ht4秒経過するまでの間にTC出力値の時間変化率の絶対値が所定値B以下か否かを判断し(S23,S6)、所定値B以下であればTC出力が安定したとみなして異常燃焼検知を開始する(S7)。この時刻を点火からHT6秒後として図9に示す。
【0067】
一方、ステップ23,6において、点火から上限時間Ht4秒以内に時間変化率の絶対値が所定値B以下にならない場合でも、異常燃焼の検知を開始し、TC出力が異常燃焼判定値V2を越えるか否かを判断する(S7)。ステップ7以降は、第1実施形態と同じ処理を行う。
【0068】
コールドスタートのステップ21と同様に、ステップ23においてTC出力値の時間変化率に基づいて燃焼状態の安定度合いを判断するため、燃焼が安定していれば、TC出力値が所定値に達していなくても、異常燃焼の検知を開始でき、不完全燃焼を早期に解消することができる。
【0069】
また、ステップ22において、燃焼状態の安定判定の開始時期に下限時間Ht5を設けたため、TC出力が安定しにくい点火初期に燃焼が安定したと誤って判定することがなく、不完全燃焼の誤検知を防止できる。例えば、図9に示されるように、点火時のTC出力が異常燃焼判定値V2以上であって、その後、点火失敗や失火により、一時的にV2よりも低下する場合であっても、この下限時間Ht5が設定されているため、TC出力が安定しにくい点火初期(点火からHt5秒間)の間はステップ7へ進むことがなく、異常燃焼の誤検知を防止することができる。
【0070】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
例えば、燃焼装置は給湯器に限定されず、ストーブ,オーブン等、ファンと不完全燃焼防止装置とを備えた様々な燃焼装置に適用することは自由である。
また、図3に示したL0およびL2の空燃比変更線は、各々について1段階に限らず数段階の制御であってもよく、そのようにすれば、より細かく空燃比を変更できる。
また、燃焼状態を検知する熱電対2は、燃焼状態を敏感に感知するセンサーバーナ14に設ける代わりに、直接メインバーナ12に設けてもよい。
【0071】
また、コールドスタートにおいて初期燃焼制御から定常燃焼制御へ確実に切り替えるために、第2実施形態では切替時期に下限時間Ct5を設けていたが(S20)、それに代えて、TC出力値の時間変化率の絶対値が所定値B以下である状態が所定時間以上継続して検知された場合に燃焼が安定していると判定して、燃焼制御を切り替えてもよい。
この方法によれば、点火初期にTC出力値が振動して一時的にTC出力値の時間変化率の絶対値が小さい場合には、燃焼が安定したという判定を行わないので、燃焼制御を切り替えず、異常検知を開始しない。従って、燃焼状態が異常であると誤検知してしまうことはない。
【0072】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の請求項1記載の燃焼装置によれば、バーナの燃焼の安定状態の判定や、異常燃焼の検知を同じ燃焼状態検知手段からの検知信号に基づいて行うため、不完全燃焼防止と燃焼制御とが関連付けられて動作する。このため、余裕時間を含めた点火からの所定時間の経過を安定判定基準とする間接的な判定よりも早く初期燃焼制御から定常燃焼制御に切り替えて、不完全燃焼防止手段を作動状態に置き、早期に不完全燃焼防止処理を行って不完全燃焼を未然に防ぐことができる。
【0073】
また、熱電対の出力値に基づいて燃焼安定状態や異常燃焼を検知する実測型であるため、適切な時期に定常燃焼制御に切り替え、速やかに異常燃焼の検知を開始でき、正確に異常燃焼を検知することができる。更に、熱電対の出力値の時間変化率が所定値以下である状態が所定時間以上継続して検知されて初めて燃焼が安定したと判定するため、一時的に出力値の時間変化率が小さい場合には、異常検知を開始しない。従って、燃焼状態が異常であるという誤検知を防止できる。
【0074】
更に、本発明の請求項2記載の燃焼装置によれば、燃焼安定の判定を時間の経過ではなくセンサーバーナの熱電対の出力値に基づいて行うため、初期燃焼制御から定常燃焼制御への切替に無駄な待ち時間を設ける必要がなくなり、その後に行われる異常燃焼の検知を早期に開始し、迅速に不完全燃焼防止処理を行うことができ、メインバーナの不完全燃焼を未然に防止できる。
しかも、酸素供給不足に対してメインバーナよりも敏感に燃焼状態が悪化するセンサーバーナに熱電対を設けるため、メインバーナが不完全燃焼を起こす前に、異常燃焼を検知して不完全燃焼防止処理を行い、不完全燃焼を未然に防止できる。
【0078】
更に、本発明の請求項3記載の燃焼装置によれば、初期燃焼制御に上限時間を設けたため、燃焼状態が不安定であっても点火から所定時間経過後は確実に定常燃焼制御に切り替えることができ、不完全燃焼防止手段の不作動を防止できる。
【0079】
更に、本発明の請求項4記載の燃焼装置によれば、初期燃焼制御から定常燃焼制御の切替時期に下限時間を設けたため、初期燃焼制御を行う時には、熱電対の出力に関わらず、点火から所定時間以上経過するまで定常燃焼制御へ切り替えず、不完全燃焼防止手段を作動させない。従って、初期燃焼時に異常燃焼の誤検知を防止できる。
【0080】
更に、本発明の請求項5記載の燃焼装置によれば、点火状態に応じて初期燃焼制御の上限時間を設定するため、再点火においては、初点火よりも早く不完全燃焼防止手段を作動させることができる。
【0081】
更に、本発明の請求項6記載の燃焼装置によれば、再点火の場合には、点火時から定常燃焼制御を行うため、初点火の場合よりも異常検知の開始が早まり、迅速に不完全燃焼処理を行うことができる。
【0082】
更に、本発明の請求項7記載の燃焼装置によれば、不完全燃焼防止手段の検知開始時期を、定常燃焼制御開始から所定時間後としているため、燃焼が不安定な定常燃焼制御の開始直後の異常燃焼の誤検知を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態における燃焼制御を表すフローチャートである。
【図2】一実施形態としての給湯器の概略構成図である。
【図3】インプットとファン回転数との関係を表すグラフである。
【図4】TC出力と不完全燃焼検知開始を表すグラフである。
【図5】TC出力と不完全燃焼検知開始を表すグラフである。
【図6】TC出力と不完全燃焼検知開始を表すグラフである。
【図7】第2実施形態における燃焼制御を表すフローチャートである。
【図8】TC出力と不完全燃焼検知開始を表すグラフである。
【図9】TC出力と不完全燃焼検知開始を表すグラフである。
【符号の説明】
2…熱電対、3…燃焼室、4…水流センサ、6…燃焼コントローラ、8…ファン、12…バーナ、14…センサーバーナ。
Claims (7)
- 燃料ガスを燃焼するバーナと、
上記バーナへの供給ガス量を調節するガス量調節手段と、
上記バーナへ燃焼用空気を供給する空気供給手段と、
上記バーナへ供給する燃焼用空気量を調節する空気量調節手段と、
上記ガス量調節手段によって調節されるガス量と上記空気量調節手段によって調節される空気量とを所定の目標空燃比で制御する燃焼制御手段と、
定常燃焼制御時の目標空燃比よりも上記空気量を減少させる初期燃焼制御を行う初期燃焼制御手段と、
上記バーナの燃焼状態を検知する燃焼状態検知手段と、
上記燃焼状態検知手段からの検知信号に基づいて異常燃焼を検知すると不完全燃焼防止処理を行う不完全燃焼防止手段と、
上記燃焼状態検知手段の検知信号に基づいて上記バーナの燃焼安定状態を判定する安定判定手段と、
上記安定判定手段により燃焼が安定したと判定された時に上記初期燃焼制御から定常燃焼制御に移行する切替手段と、
定常燃焼制御に切り替えた後に上記不完全燃焼防止手段を作動状態に置く作動手段と
を備え、
上記燃焼状態検知手段として熱電対を用い、
上記安定判定手段は、上記熱電対の出力値の時間変化率が所定値以下である状態が所定時間以上継続して検知された場合に燃焼が安定したと判定することを特徴とする燃焼制御装置。 - 燃焼用空気を強制的に取り込んで燃焼するメインバーナの空気供給路中に、該メインバーナが不完全燃焼を起こす前に異常燃焼するセンサーバーナを設け、上記熱電対で該センサーバーナの燃焼状態を検知することを特徴とする請求項1記載の燃焼制御装置。
- 上記安定判定手段により燃焼が安定したと判定されなくても点火から所定時間経過した場合には、上記切替手段が作動するように、初期燃焼制御から定常燃焼制御への切替時期に上限時間を設けたことを特徴とする請求項1または2に記載の燃焼制御装置。
- 点火から所定時間以上経過するまでは上記切替手段が作動しないように、初期燃焼制御から定常燃焼制御への切替時期に下限時間を設けたことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の燃焼制御装置。
- 燃焼装置が室温に近い状態での初点火なのか、余熱を残存した状態の再点火なのかを判定する点火状態判定手段と、
再点火の場合、初点火に比べて上記上限時間を短く設定する上限時間設定手段を備えたことを特徴とする請求項3記載の燃焼制御装置。 - 燃焼装置が室温に近い状態での初点火なのか、余熱を残存した状態の再点火なのかを判定する点火状態判定手段を備え、
上記点火状態判定手段による判定結果によって再点火と判定する場合には、点火時から定常燃焼制御を行い、燃焼が安定したと判定された時に、上記不完全燃焼防止手段を作動状態に置くことを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の燃焼制御装置。 - 上記作動手段は、定常燃焼制御開始から所定時間後に作動することを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の燃焼制御装置。
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