JP2002019986A - 紙葉類の重送防止ゴム部材 - Google Patents

紙葉類の重送防止ゴム部材

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 安定した紙送り性能を有し、耐磨耗性、耐久
性の両性能において優れた、重送防止ゴム部材を提供す
る。 【解決手段】 EPDMゴムを主成分とするゴムコンパ
ウンド及び共架橋剤を含む混合物を過酸化物で共架橋さ
せたことを特徴とするゴム組成物からなる重送防止ゴム
部材を作製する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、紙葉類の重送防止
ゴム部材に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェットプリンター、レーザプリ
ンター、静電式複写機、普通紙ファクシミリ装置、自動
預金支払機(ATM)等における紙送り機構において
は、図1に示される様に、搬送される紙葉類1を挟ん
で、紙送りローラ2と板状の重送防止ゴム部材3を対向
配置している。この重送防止ゴム部材と紙葉類との間の
摩擦抵抗によって、紙葉類が二枚以上同時に送られる不
都合を防止している。すなわち、詳細には、紙と紙送り
ローラとの間の摩擦係数μ1、紙と重送防止ゴム部材と
間の摩擦係数μ2、重ねられた紙同士の間の摩擦係数μ
3との間には、μ1>μ2>μ3なる関係が成立してい
ることが要求される。また紙類の分離性能が安定してい
ることが必要であり、さらに耐オゾン性等の耐久性及び
耐磨耗性に優れていることが要求される。
【0003】従来、この種の重送防止ゴム部材用の組成
物としては、耐磨耗性に優れたウレタンゴム、天然ゴ
ム、クロロプレンゴム又はブタジエン−イソプレン−E
PDMゴム等が使用されている。例えば特開平10−1
81897号にはEPDMゴムをチウラム系加硫促進剤
でイオウ加硫したゴム組成物を用いた重送防止ゴム部材
が開示されている。また特開平8−334939号には
紙送りローラ用の組成物として、EPDMゴムを過酸化
物で加硫したゴム組成物が開示されている。また、物性
や加硫速度改善の目的で、適当な共架橋剤をEPDMゴ
ム100重量部(軟化剤を除く)に対して、0.5〜5
重量部使用することが開示されている。具体的には、実
施例において、トリメタクリル酸トリメチロールプロパ
ン(トリメチロールプロパントリメタクリレート)が、
EPDMゴム100重量部(軟化剤を除く)に対して2
重量部使用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来のゴム組成物で
は、重送防止ゴム部材に硬度を付与するために、配合す
る充填剤の種類や量が選択されているが、十分な耐磨耗
性を付与することは困難であった。また、搬送される紙
葉類と重送防止ゴム部材とが擦れる際に、摩擦音である
「鳴き」と称される異音が発生することがあり、問題と
なっていた。また搬送される紙葉類がOHPフィルム等
の平滑度の高いものである場合には、これら紙葉類と重
送防止ゴム部材とが密着し易くなり、両者間の摩擦係数
が非常に大きくなるため、重送防止ゴム部材の磨耗がさ
らに大きくなるという問題があった。
【0005】また、前記の特開平10−181897号
に開示された重送防止ゴム部材では、イオウ加硫のた
め、促進剤等のブルームのために耐久性が損なわれると
いう問題がある。
【0006】一方、前記の特開平8−334939号に
開示の紙送りローラ用の組成物は、ローラの搬送性を維
持してブルームを防止することを目的としており、共架
橋剤の配合量は0.5重量部〜5重量部(実施例では2
重量部)と少ない上に、その使用目的は物性や加硫速度
の改善と記載されているのみである。さらには、重送防
止ゴム部材は紙送りローラーのように回転せず、平板状
であるため、摩擦係数、均一磨耗性等、微妙な物性バラ
ンスが必要となる点が開示された紙送りローラとは異な
る。よって、開示された紙送りローラ用のゴム組成物を
用いて、重送防止ゴム部材を成形することは出来ない。
【0007】このように、従来の重送防止ゴム部材は、
所要の摩擦係数、耐磨耗性、耐久性を満足出来る程度に
両立させることは困難であり、より優れた性能の重送防
止ゴム部材が要望されている。
【0008】本発明は上記課題に鑑みてなされたもの
で、耐久性、耐磨耗性を備え、かつ、紙葉類の分離性能
が安定しており、「鳴き」と称される異音発生も防止で
きる重送防止ゴム部材を提供することを課題としてい
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は、EPDMゴムを主成分とするゴムコンパ
ウンドに共架橋剤を含むゴム組成物を過酸化物で共架橋
させたことを特徴とする紙葉類の重送防止ゴム部材を提
供している。
【0010】上記EPDMゴム(エチレン−プロピレン
−ジエンゴム)はその配合量により摩擦係数の調節が容
易とされる。またEPDMは主鎖が飽和炭化水素からな
り、主鎖に二重結合を含まないため、高濃度オゾン雰囲
気、光線照射等の環境下に長時間曝されても、分子主鎖
切断が起こりにくい。従って。重送防止ゴム部材の耐オ
ゾン性を高めることができる。
【0011】上記共架橋剤とは、それ自身も架橋すると
ともに、ゴム分子とも反応して架橋し、全体を高分子化
する働きをする多官能性モノマー、メタクリル酸あるい
はアクリル酸の金属塩、1,2ポリブタジエンの官能基
を利用した多官能性ポリマ―類、ジオキシムなどが挙げ
られる。本発明で用いるゴム組成物は、この共架橋剤に
より、架橋分子の分子量が増大し、これにより硬度が増
大するので、従来の充填剤添加による硬度付与と比較し
て、耐磨耗性を著しく向上させることができる。
【0012】また、本発明ではゴム組成物を過酸化物で
共架橋させているため、加硫によるブルームが防止さ
れ、耐久性を向上させることができる。
【0013】さらに、ゴム組成物にコルク粒子を混合さ
せると、表面に凹凸形状が形成され、耐磨耗性をさらに
向上させることができる。
【0014】上記ゴムコンパウンドにはEPDM以外の
ゴム成分として、天然ゴム(NR)、ブタジエンゴム
(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、イソプ
レンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム等のジエ
ン系ゴム、ブチルゴム、BR,イソプレンゴム、SB
R、クロロプロピレンゴム(CR)、NR、アクリロニ
トリル−ブタジエンゴム、アクリルゴム、エチレンプロ
ピレンゴム(EPR)から選択される1種または2種以
上を混合使用しても良い。しかし、耐オゾン性が高い点
より、EPDMのみを使用することが最も好ましく、E
PDMと他のゴムとをブレンドする場合、全ゴムに占め
るEPDMの比率は、50重量%以上、さらに、80重
量%以上が好ましい。
【0015】EPDMには、ゴム成分のみからなる非油
展タイプのEPDMとゴム成分とともに親展油を含む油
展タイプのEPDMとが存在するが、本発明ではいずれ
のタイプのものも使用可能である。
【0016】上記共架橋剤としては、メタクリル酸の高
級エステル類が好適に用いられ、具体的には、トリメチ
ロールプロパントリメタクリレート(TMPT)、エチ
レンジメタクリレート(EDMA)、ポリエチレングリ
コールジメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレー
ト、アリルメタクリレート、テトラハイドロフルフリル
メタクリレート、イソブチレンエチレンジメタクリレー
ト、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレ
ート、ジアリルフタレート、ジアリルイタコネート、ビ
ニルトルエン、ビニルピリジン、ジビニルベンゼンが挙
げられる。
【0017】メタクリル酸あるいはアクリル酸の金属塩
としては、例えば、アクリル酸アルミニウム、メタクリ
ル酸アルミニウム、アクリル酸亜鉛、メタクリル酸亜
鉛、アクリル酸カルシウム、メタクリル酸カルシウム、
アクリル酸マグネシウム、メタクリル酸マグネシウムが
挙げられる。1,2ポリブタジエンの官能基を利用した
多官能性ポリマ―類としては、Buton150、Bu
ton100、ポリブタジエンR−15、Diene−
35、Hystal−B2000が挙げられる。また、
含硫黄化合物としては例えば、S.Tetron Aな
どが挙げられる。 ジオキシムとしては、例えば、P.
Quinomeジオキシム、P,P‘−ジベンゾイルキ
ノンジオキシム、N,N’−m−フェニレンビスマレイ
ミドなどが挙げられる。
【0018】上記共架橋剤としてメタクリル酸高級エス
テルを使用すると、共架橋することにより、耐摩耗性が
向上するため好ましく、さらにトリメチロールプロパン
トリメタクリレートを使用すると、加工性が良好である
のでより好ましい。
【0019】使用する共架橋剤の量は共架橋剤の種類、
用いる他の成分との関係で、適宜選択することができる
が、加工性等の理由から上記ゴムコンパウンド100重
量部(軟化剤を除く)に対して、5重量%以上20重量
%以下が適当であり、好ましくは10重量%以上15重
量%以下である。
【0020】また、共架橋剤としてメタクリル酸高級エ
ステルを使用する場合には、上記ゴムコンパウンド10
0重量部(軟化剤を除く)に対して、5重量部以上20
重量部以下に設定している。その理由は5重量%未満で
あると、耐摩耗性が悪いという問題があり、20重量%
を越えると、加工不良が起こるとの理由から好ましくな
い。
【0021】上記過酸化物としては、ベンゾイルパーオ
キサイド、1―1ジ−tert―ブチルパーオキシ3―
3―5トリメチルシクロヘキサン、2―5ジメチル2―
5ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、ジ−tert
―ブチルパーオキシジイソプロピルベンゼン、ジ−te
rt―ブチルパーオキシベンゾエート、ジクミルパーオ
キシド、tert―ブチルクミルパーオキシド、2―5
ジメチル2―5ジ(tert―ブチルパーオキシ)ヘキ
サン、ジ−tert―ブチルパーオキシド及び2―5ジ
メチル2―5ジ(tert―ブチルパーオキシ)ヘキセ
ン―3などが使用できる。
【0022】ゴム組成物にコルク粒子を混合する場合
は、使用するゴム組成物の配合に応じて、適切な粒径の
ものを適切な配合量で混合しているが、粒径は10〜8
0メッシュのものが好ましく、さらには20〜40メッ
シュの範囲とすることがより好ましい。またその配合量
は、組成物の全重量を基準として、一般に10重量%〜
50重量%であるのが好ましく、さらに好ましい配合量
は10重量%〜20重量%である。
【0023】ゴム組成物には軟化剤、架橋活性剤、強度
向上のための充填材を混合している。上記軟化剤として
はオイル、可塑剤が挙げられ、オイルとしては、パラフ
ィン系、ナフテン系、芳香族系等の鉱物油や炭化水素系
オリゴマーからなるそれ自体公知の合成油、またはプロ
セスオイルを用いることができる。合成油としては、例
えば、α−オレフィンとのオリゴマー、ブテンのオリゴ
マー、エチレンとα−オレフィンとの非晶質オリゴマー
が好ましい。可塑剤としては、例えば、ジオクチルフタ
レート(DOP)、ジブチルフタレート(DBP)、ジ
オクチルセパケート(DOS)、ジオクチルアジペート
(DOA)等を用いることができる。
【0024】架橋反応を適切に行うために架橋活性剤を
用いても良く、該架橋活性剤としては例えば金属酸化物
が良好に使用され、特に酸化亜鉛、炭酸亜鉛が好まし
い。その配合量は加工性の理由から上記ゴムコンパウン
ド100重量%(軟化剤を除く)に対して、1重量%以
上5重量%以下が適当である。
【0025】また、機械的強度を向上させるために、必
要に応じて充填剤を配合しており、該充填剤としては、
シリカ、カーボンブラック、クレー、タルク等の粉体を
挙げることができる。充填剤を配合する場合、充填剤は
ゴム組成物中、30重量%以下とするのが好ましい。充
填剤の比率が上記範囲を越えると、ゴムの柔軟性が低下
してしまうことがあるからである。
【0026】また、ゴム組成物中に、老化防止剤、ワッ
クス等を配合することができる。老化防止剤としては、
例えば、2−メルカプトベンゾイミダゾールなどのイミ
ダゾール類、フェニル−α−ナフチルアミン,N,N´
−ジ−6−ナフチル−p−フェニレンジアミン、N−フ
ェニル−N´−イソプロピル−p−フェニレンジアミン
などのアミン類などが挙げられる。
【0027】本発明の重送防止ゴム部材の作成方法とし
ては、公知の方法が採用でき、例えば、以下の方法によ
り作成できる。ゴム組成物を2軸押出機、オープンロー
ル、バンバリーミキサー、ニーダー等のゴム混練装置に
投入し、混練りし、80〜90℃に加熱しながら、5〜
6分程度混練りし、この混合物を金型内にセットして1
65〜175℃にてプレス加硫を行い、ゴムシートを作
製する。このシートを所望の厚さにスライスした後、さ
らに所望の大きさの長方形に裁断し、紙葉類の重送防止
ゴム部材としている。コルク粒子が混合されている場合
には、公知のモールド成形装置によりゴム板を予備成形
した後、その表面をパッフィングしてコルク粒子の一部
をゴム板表面と同一平面上に露出させている。
【0028】上記ゴム組成物からなる紙葉類の重送防止
ゴム部材は、耐オゾン性に優れ、適切な摩擦係数を付与
でき、かつ優れた耐磨耗性を有する。よって、インクジ
ェットプリンター、レーザプリンター、静電式複写機、
普通紙ファクシミリ装置等の紙送り機構において、紙送
りローラと対向させて配置すると、紙の分離性能を安定
させることができ、耐久性、耐磨耗性に優れているので
良好に使用できる。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を説明す
る。本発明に係わる紙葉類の重送防止部材は、下記の配
合のゴム組成物を過酸化物で共架橋させてゴムシートと
して成形し、これをスライス及び裁断して長方形の板状
としている。
【0030】(A)EPDMゴムを主成分とするゴムコ
ンパウンド (B)共架橋剤 (C)過酸化物 (D)充填剤 (E)架橋促進剤 (F)コルク粒子
【0031】上記(A)には、EPDMゴムのみを使用
している。そして上記(B)としてはメタクリル酸高級
エステルであるトリメチロールプロパントリメタクリレ
ートを用い、(C)としてはジクミルパーオキシドを用
い、(D)としてはカーボン、酸化ケイ素、炭酸カルシ
ウム、酸化チタンを用い、(E)としては金属酸化物で
ある酸化亜鉛を用いている。なお、(F)を配合しない
場合もあるが、配合する場合には(F)としては粒径2
0〜40メッシュのものを、ゴム組成物の全重量に対し
て15重量%使用している。
【0032】下記表1に示すように、実施例1〜3およ
び比較例1〜3について、表に記載の配合からなる混練
物を作成し、該混練物を170℃20分の条件でプレス
加硫して50mm×200mm×2mmのシート状に成
形し、このシートを1.2mmにスライスした後、幅1
0mm長さ60mmの長方形に裁断し、重送防止ゴム部
材を製造した。
【0033】
【表1】
【0034】表中の各配合の数値単位は重量%であり、
磨耗量の数値単位はmgである。使用した材料は下記の
通りである。 EPDM:住友化学製 エスプレン586 メタクリル酸高級エステル:新中村化学製、NKエステ
ルTMPT、トリメチロールプロパントリメタクリレー
ト 酸化ケイ素:日本シリカ製 ニプシール VN3 炭酸カルシウム:備北粉化製 BF300 酸化チタン:チタン工業製 クロノス酸化チタン KR
380 カーボン:東海カーボン製 シーストSO 過酸化物:日本油脂製 パークミルD 架橋活性剤:酸化亜鉛、三井金属鉱業社製酸化亜鉛2種 BR:JSR製、BR11 ステアリン酸:日本油脂製 つばき イオウ:鶴見化学製、粉末硫黄 加硫促進剤:チウラムジスルフィド
【0035】[実施例1乃至実施例3]実施例1乃至実施
例3はいずれもEPDMゴム及び共架橋剤としてEPD
Mゴム100重量%(軟化剤を除く)に対して、5重量
%以上20重量%以下のトリメチロールプロパントリメ
タクリレートをさらに含む混合物を過酸化物で共架橋さ
せたものである。
【0036】[比較例1乃至比較例3]一方、比較例1
は過酸化物を用いた加硫であるが、共架橋剤を配合しな
い例である。比較例2は過酸化物を用いた加硫である
が、共架橋剤がEPDMゴム100重量%に対して20
重量%よりも多い例である。比較例3はイオウ加硫であ
って共架橋剤を配合しない例である。
【0037】上記実施例1乃至実施例3、比較例1乃至
比較例3の重送防止ゴム部材を、初期摩擦係数、磨耗
量、初期の通紙状況及び鳴きの発生の有無に関して以下
の様に試験し、評価した。
【0038】(摩擦係数の測定)測定機としてヘイドン
14型(新東科学(株)製の「トライボギア」、TYP
E:HEIDON―14DR)を、測定紙としてキャノ
ン(株)製のプロパーボンド紙を、各々使用し、荷重2
00g、速度600mm/分の条件で測定した。
【0039】(通紙状況の観察及び「鳴き」評価と耐久
試験)各実施例及び比較例の重送防止ゴム部材をプリン
ター(キャノン社の商品名「LPB470」)に装着
し、23℃、相対湿度55%で、PPC用紙を用いて初
期通紙1000枚にて通紙状況の観察を行った。また耐
久試験としては、上記プリンターを用いて23℃、相対
湿度55%で、5万枚(50K)の通紙試験を行い、こ
の試験の前後における重送防止ゴム部材の重量差を磨耗
量とした。同時に、この試験中における「鳴き」の有無
の確認も行った。各重送防止ゴム部材の通紙性能及び
「鳴き」の有無は以下の様に評価した。
【0040】「通紙性能」 ○:良好に通紙できた。 △:不送りあり(紙送りができない場合や重送する場合
もあった。) 「鳴き」の有無 ○:「鳴き」無し △:「鳴き」有り なお、磨耗量は35mg以下が最適である。
【0041】実施例1と比較して、共架橋剤及び金属酸
化物を配合しない以外は配合が同じである組成物を使用
した比較例1の重送防止ゴム部材は、初期摩擦係数が
1.2と大きく、初期の通紙性能に問題があった。さら
に、磨耗量が70mgと大きく、実用不可であった。
【0042】共架橋剤であるメタクリル酸高級エステル
の配合量がEPDMゴム100重量%に対して20重量
%よりも多い配合の比較例2は、混練りが不可能であ
り、重送防止ゴム部材に加工できず、加工性を表中に×
と示した。
【0043】ブタジエンゴム80重量%とEDPM20
重量%をゴムコンパウンドとして、共架橋剤を配合せ
ず、イオウを用いて加硫した組成物を使用した比較例3
の重送防止ゴム部材は、初期摩擦係数は1.0と適切な
値であり、初期の通紙性能も良好であったが、磨耗量が
95mgと大きく、「鳴き」も確認され、実施例の重送
防止ゴム部材と比べて劣っていた。
【0044】一方、EPDMゴム及び共架橋剤を含む組
成物を過酸化物で共架橋させた実施例1〜3の重送防止
ゴム部材は、初期摩擦係数が0.8〜1.0と適切な値
であり、初期の通紙性能も良好であり、磨耗量も12〜
20mgと小さく、「鳴き」も全く確認されなかった。
よって、実施例1〜3の重送防止ゴム部材は、成形性、
耐磨耗性に優れ、分離性能が安定しており、イオウ加硫
でないことからブルームの問題もなく、EDPMゴムを
使用しているため耐オゾン性等の耐久性にも優れた高性
能のローラである。
【0045】なお、実施例1〜3の組成物中に、さらに
コルク粒子を含有する場合のゴム組成物からなる重送防
止ゴム部材を作製して実験した結果、実施例1〜3と同
様に優れた重送防止ゴム部材となり、特に、紙葉類がO
HPフィルム等の平滑度が高いものである場合において
も、優れた耐磨耗性を有しており、従って各種の紙類に
おいて広範に良好に使用できることが確認された。
【0046】
【発明の効果】以上の説明より明らかなように、本発明
の紙葉類の重送防止ゴム部材によれば、EPDMゴムを
主成分とするゴムコンパウンド及び共架橋剤を含む混合
物を過酸化物で共架橋させることにより、全体が高分子
化されて分子量が増大し、これにより硬度が増大するの
で、従来の充填剤添加による硬度付与と比較して、耐磨
耗性を著しく向上させることができる。さらに、適切な
摩擦係数を有し、耐オゾン性等の耐久性も良好となり、
安定した紙送り性能及び耐久性を有し、「鳴き」と呼ば
れる異音も生じることがなく、複写機、プリンター、フ
ァクシミリなどの給紙機構において極めて良好に使用す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 紙送り重送防止ゴム部材の説明図である。
【符号の説明】
1 紙葉類 2 紙送りローラー 3 重送防止ゴム部材

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 EPDMゴムを主成分とするゴムコンパ
    ウンドに共架橋剤を含むゴム組成物を過酸化物で共架橋
    させたことを特徴とする紙葉類の重送防止ゴム部材。
  2. 【請求項2】 上記共架橋剤が、メタクリル酸高級エス
    テルであって、その含量は上記ゴムコンパウンド100
    重量%(軟化剤を除く)に対して、5重量%以上20重
    量%以下であることを特徴とする請求項1に記載の紙葉
    類の重送防止ゴム部材。
  3. 【請求項3】 上記メタクリル酸高級エステルがトリメ
    チロールプロパントリメタクリレートである請求項1ま
    たは請求項2に記載の紙葉類の重送防止ゴム部材。
  4. 【請求項4】 上記ゴム組成物にコルク粒子を混合して
    いる請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の紙葉
    類の重送防止ゴム部材。
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