JP2004307081A - 紙葉類の重送防止部材 - Google Patents

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章弘 峯
Koichi Nishimori
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Abstract

【課題】耐久性、耐摩耗性を備え、かつ、紙葉類の分離性能が安定しており、「鳴き」と称される異音発生も防止できる重送防止部材を提供する。
【解決手段】ゴム成分に、比重が8以上である高比重物質が配合され、比重が1.2以上とされている部材より紙葉類の重送防止部材を成形する。上記高比重物質としては、タングステン、ビスマスあるいは/および酸化ビスマスからなるものを用いる。上記ゴム成分としては、EPDMゴム単体あるいは、EPDMゴム50重量部以上と熱可塑性エラストマーとを含み、該熱可塑性エラストマーを動的架橋している。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、紙葉類の重送防止部材に関し、詳しくは、複写機、プリンター、ファクシミリ等の給紙機構に用いられる分離シート、分離パッド等の紙葉類の重送防止部材の重送性能、鳴き性能、耐摩耗性を改良するものである。
【0002】
【従来の技術】
複写機、プリンター、ファクシミリ装置、自動預金支払機(ATM)等における紙送り機構においては、図3に示されるように、搬送される紙葉類1を挟んで、紙送りローラ2と板状の重送防止部材3を対向配置している。この重送防止部材と紙葉類との間の摩擦抵抗によって、紙葉類が二枚以上同時に送られる重送を防止している。
上記した重送を防止するには、紙と紙送りローラとの間の摩擦係数μ1、紙と重送防止部材との間の摩擦係数μ2、重ねられた紙同士の間の摩擦係数μ3との間には、μ1>μ2>μ3なる関係が成立していることが要求される。
また、紙類の分離性能が安定していることが必要であり、さらに耐オゾン性等の耐久性および耐摩耗性に優れていることが必要となる。
【0003】
また、搬送される紙葉類と重送防止部材とが擦れる際に、摩擦音である「鳴き」と称される異音が発生することがあり、異音を低減することも要求されている。
【0004】
重送を防止すると共に、「鳴き」と称される異音を抑制するものとして、特開平5−162877号(特許文献1)に、比重2.0以上の樹脂組成物で成形して共振を抑制した給紙用紙装置の用紙分離部材が提案されている。
また、特開2003−2472号(特許文献2)に、反発弾性率69%以下の材料からなる用紙分離部材が提案されている。
【0005】
【特許文献1】
特開平5−162877号
【0006】
【特許文献2】
特開2003−2472号
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開平5−162877号(特許文献1)では、樹脂組成物の比重を2.0以上にするために酸化マグネシウムを用いている。酸化マグネシウム等の従来用いられていた金属酸化物の比重は4〜5程度であり、樹脂組成物の比重を2.0以上にするためには多量に金属酸化物を配合する必要がある。金属酸化物は架橋に影響するためその配合に限界があり、上記樹脂組成物の比重が2.0以上とすることは困難である。
【0008】
また、前記特開2003−2472号(特許文献2)では、重送を防止すると共に、鳴きを抑制した用紙分離部材が開示されているが、摩擦係数をコントロールするために、硬度を75Hs以上と高くなるように調整されているが、硬度を高くしようとすると充填剤等の配合量が多くなり、耐摩耗性が悪くなるという問題がある。
【0009】
さらに、搬送される紙葉類がOHPフィルム等の平滑度の高いものである場合には、紙葉類と重送防止部材とが密着し易くなり、両者間の摩擦係数が非常に大きくなるため、重送防止部材の摩耗がさらに大きくなるという問題があった。
【0010】
このように、従来の重送防止部材は、重送性能、鳴き性能、耐摩耗性能を高度に両立させることは困難であり、より優れた性能の重送防止部材が要望されている。
【0011】
本発明は上記課題に鑑みてなされたもので、耐久性、耐摩耗性を備え、かつ、紙葉類の分離性能が安定しており、「鳴き」と称される異音発生も防止できる重送防止部材を提供することを課題としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、第一に、ゴム成分に、比重が8以上である高比重物質が配合され、比重が1.2以上とされている部材より成形されていることを特徴とする紙葉類の重送防止部材を提供している。
【0013】
上記のように、高比重物質を配合して高比重の部材より重送防止部材を成形すると、振動を抑えて異音の発生を低減できると共に、耐摩耗性も向上させることができる。
【0014】
また、本発明は、第二に、ゴム成分に、比重が8以上であるタングステン、ビスマスあるいは/および酸化ビスマスからなる高比重物質が配合され、比重が1.2以上とされている部材より成形されていることを特徴とする紙葉類の重送防止部材を提供している。
【0015】
上記のように、比重が19.3のタングステン、比重が9.8のビスマス、比重が8.9の酸化ビスマスからなる高比重物質を部材に加えた場合、架橋や硬度への影響が殆どないため、その配合量を自由に調節でき、部材の比重を1.2以上、好ましくは、1.4〜2.1と飛躍的にあげることができる。上記のように高比重の部材より重送防止部材を成形すると、振動を抑えて異音の発生を低減できると共に、耐摩耗性も向上させることができる。
上記配合する高比重物質としては、比重が19.3と極めて大きいタングステンが最も好適に用いられる。
【0016】
上記高比重物質はゴム成分100重量部に対して10重量部〜300重量部で配合されているのが好ましい。10重量部より少ないと部材の比重を1.2以上とするには多量に配合する必要がある一方、300重量部を超えると配合量が多すぎて加工性が悪くなるからである。
【0017】
上記部材のゴム成分としてEPDMゴムを用いると、その配合量により、摩擦係数の調整が容易とされる。また、EPDMは主鎖が飽和炭素からなり、主鎖に二重結合を含まないため、高濃度オゾン雰囲気、光線照射等の環境下に長時間曝されても、分子主鎖切断が起こりにくい。したがって、EPDMゴムを用いると重送防止部材の耐オゾン性を高めることができる。
【0018】
高摩擦係数や耐オゾン性が高い点より、ゴム成分としては、EPDM単体を使用することが最も好ましいが、ゴム成分としてEPDMを50重量部以上と1成分以上の熱可塑性エラストマーを動的架橋する部材としてもよい。この場合、全ゴムに占めるEPDMの比率は80重量部以上が好ましい。
【0019】
上記EPDMゴム以外のゴムとしては、天然ゴム(NR)、ブタジエンゴム(IR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、イソプレンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム等のジエン系ゴム、ブチルゴム、BR、イソプレンゴム、SBR、クロロプロピレンゴム(CR)、NR、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、アクリルゴム、エチレンプロピレンゴム(EPR)から選択される1種または2種以上を混合使用しても良い。
【0020】
上記熱可塑性エラストマーとしては、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)等からなるポリオレフィン系樹脂、ナイロン樹脂等のエラストマーや、エラストマー中間ブロックがポリブタジエン(B)からなるSBS系、エラストマー中間ブロックがエチレン/プロピレン(E/P)からなるSEPS系、エラストマー中間ブロックがポリイソプレン(I)からなるSIS系、エラストマー中間ブロックがエチレン/ブタジエンからなるSEBS系等のスチレン系エラストマーを用いるのが好ましい。
【0021】
EPDMには、ゴム成分のみからなる非油展タイプのEPDMとゴム成分と共に親展油を含む油展タイプのEPDMとが存在するが、本発明ではいずれのタイプのものも使用可能である。
【0022】
本発明の紙葉類の重送防止部材は、過酸化物架橋した部材から成形すると、架橋によるブルームが防止され、耐久性が向上するために好ましい。
上記過酸化物架橋に用いられる過酸化物としては、従来公知のものが使用でき、例えば以下のものが挙げられる。すなわち、ベンゾイルパーオキサイド、1−1ジtert−ブチルパーオキシ3−3−5トリメチルシクロヘキサン、2−5ジメチル2−5ジ(ベンゾイルパーオキシ)へキサン、ジ−tert−ブチルパーオキシジイソプロピルベンゼン、ジ−tert−ブチルパーオキシベンゾエート、ジクミルパーオキシド、tert−ブチルミルパーオキシドおよび2−5ジメチル2−5ジ(tert−ブチルオキシ)へキサン、ジ−tert−ブチルパーオキシドおよび2−5ジメチル2−5ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキセン−3などが使用できる。
【0023】
使用する過酸化物の量は過酸化物の種類、用いる他の成分との関係で、適宜選択することができるが、ゴム成分100重量部に対して0.5重量部以上5.0重量部以下が好ましく、より好ましくは1.0重量部以上3.0重量部以下である。
【0024】
また、部材中に、必要に応じて、軟化剤、架橋活性剤、強度向上のための充填剤を混合しても良い。
上記軟化剤としては、オイル、可塑剤が挙げられ、オイルとしては、パラフィン系、ナフテン系、芳香族系の鉱物油や炭化水素系オリゴマーからなるそれ自体公知の合成油、またはプロセスオイルを用いることができる。合成油としては、例えば、α−オレフィンとのオリゴマー、ブテンのオリゴマー、エチレンとα−オレフィンとの非晶質オリゴマーが好ましい。可塑剤としては、例えばジオクチルフタレート(DOP)、ジブチルフタレート(DBP)、ジオクチルセパケート(DOS)、ジオクチルアジペート(DOA)等を用いることができる。
【0025】
架橋反応を適切に行うために架橋活性剤を用いても良く、該架橋活性剤としては、例えば金属酸化物が良好に使用され、特に酸化亜鉛、炭酸亜鉛が好ましい。その配合量は加工性の理由から上記ゴム成分100重量部(軟化剤を除く)に対して、1重量部以上5重量部以下が適当である。
【0026】
また、機械的強度を向上させるために、必要に応じて充填剤を配合しており、該充填剤としては、シリカ、カーボンブラック、クレー、タルク等の粉体を挙げることができる。充填剤を配合する場合、充填剤は部材中、30重量部以下とするのが好ましい。充填剤の比率が上記範囲を超えると、ゴムの柔軟性が低下してしまうことがあるからである。
【0027】
また、部材中に、老化防止剤、ワックス等を配合することができる。老化防止剤としては、例えば、2−メルカプトンイミダゾールなどのイミダゾール類、フェニル−α−ナフチルアミン、N,N’−ジ−6ナフチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニルジアミンなどのアミン類などが挙げられる。
【0028】
本発明の重送防止部材の作成方法としては、公知の方法が採用でき、例えば、以下の方法により作成できる。
部材を2軸押出機、オープンロール、バンバリーミキサー、ニーダー等のゴム混練装置に投入し、混練りし、80〜90℃に加熱しながら、5〜6分程度混練りし、この混合物を金型内にセットして165〜175℃にてプレス加硫を行い、ゴムシートを作製する。このシートを所望の厚さにスライスした後、さらに所望の大きさの長方形に裁断し、紙葉類の重送防止部材としている。
【0029】
上記したタングステン等の高比重物質を配合した部材からなる紙葉類の重送防止部材は、耐久性、耐摩耗性を備え、かつ、紙葉類の分離性能が安定しており、「鳴き」と称される異音発生も防止できる。よって、インクジェットプリンター、レーザープリンター、複写機、普通紙ファクシミリ装置等の紙送り機構において、紙送りローラと対向させて配置すると、紙の分離性能を安定させることができ、耐久性、耐摩耗性に優れ、鳴きも発生せず良好に使用できる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1は、本発明の紙葉類の重送防止部材としての分離シートが用いられた給紙機構が示された模式的断面図である。
【0031】
この給紙機構は、給紙ローラ12とトレイ13とを備え、トレイ13は、その上面の給紙ローラ12寄りに分離シート14を備えている。トレイ13の上面には、多数枚の紙葉類15が重ねられて蓄えられている。トレイ13の給紙ローラ12寄りは、その下面に当接するバネ(図示されず)によって上方に押し上げられ、給紙ローラ12に向けて押し付けられている。
【0032】
分離シート14と給紙ローラ12との間には、紙葉類15の先端部分16が挟まれ、給紙ローラ12が図中の矢印Rで示される方向に回転することによって、紙葉類15が1枚ずつ画像形成機構に向けて送り出される構成としている。
【0033】
紙葉類の重送防止部材である分離シート14は下記のゴム成分を用いて成形されている。
ゴム成分としてEPDMゴムを単独で100重量部用い、比重19.3のタングステンを120重量部配合し、充填剤としてシリカ40重量部、炭酸カルシウム30重量部、カーボン1重量部、架橋剤として過酸化物を3重量部配合している。
【0034】
上記配合の部材を混練した後、金型内にセットして165〜175℃にてプレス加硫して、ゴムシートを作製する。このシートを所望の厚さにスライスした後、さらに所望の大きさの長方形に裁断し、紙葉類の重送防止部材である分離シート14としている。
【0035】
このように、比重の大きいタングステンを用いていて分離シート14を成形している。このため、分離シートの比重は2.1と高比重のゴムシートとすることができる。その結果、摩擦係数を一定の範囲内に調整することができると共に、耐摩耗性をも向上することができ、さらには、鳴き性能を改善することもできる。
【0036】
図2は、他の紙葉類の重送防止部材としての分離パッドが用いられた給紙機構が示された模式的断面図である。
この給紙機構では、トレイ21と給紙ローラ12とが離間しており、給紙ローラ12と対向する位置には、基板22に固定された分離パッド23が設けられている。給紙ローラ12が図中の矢印Rで示される方向に回転することにより、トレイ21の上の紙葉類15が1枚ずつ画像形成機構に向けて送り出される構成としている。
【0037】
また、分離パッド23に代えて、分離ローラが設けられた給紙機構も存在し、分離パッドと分離シートとの両方を備えた給紙機構も存在する。このような分離シート、分離パッド、分離ローラ等のいずれの場合でも、本発明の部材より成形した紙葉類の重送防止部材を好適に用いることができる。
【0038】
以下、本発明の紙葉類の重送防止部材の実施例、比較例について詳述する。
下記表1に示すように、実施例および比較例について、表に記載の配合からなる混練物を作成した。この該混練物を170℃20分の条件でプレス加硫して50mm×200mm×2mmのシート状に成形し、このシートを1.2mmにスライスした後、幅10mm長さ60mmの長方形に裁断し、紙葉類の重送防止部材を作成した。
【0039】
【表1】
Figure 2004307081
【0040】
表中の各配合の数値単位は重量部であり、使用した材料は下記の通りである。
EPDMゴム:住友化学製「エスプレン514F」
シリカ:日本シリカ製「ニプシルVN3」
炭酸カルシウム:備北粉化製「BF300」
タングステン:名古屋電気化学製「C50G」
カーボン:東海カーボン製「シーストSO」
過酸化物:日本油脂製「パーミクルD」
【0041】
(実施例1乃至実施例4)
実施例1乃至実施例4は、表1に示すように、比重が8以上である高比重物質であるタングステンを配合し、部材の比重が1.2以上である部材を用いて紙葉類の重送防止部材を成形した。
【0042】
(比較例1)
一方、比較例1は比重が8以上の高比重物質を含まず、比重が1.2未満である0.9の部材を用いて紙葉類の重送防止部材を成形した。
【0043】
上記実施例および比較例の紙葉類の重送防止部材について、後述する方法により、加工性、硬度、初期摩擦係数、摩耗量、通紙による重送性能および鳴きの発生の有無について評価を行った。評価結果を表1の下欄に示す。
【0044】
(加工性)
ニーダー、ロールにてゴム練りを行い、加工性の良好なものを「○」、加工性があまり良くなかったものを「△」とした。
【0045】
(硬度)
JIS A硬度(JIS K6253スプリング式測定法 デュロメータ)を測定した。この硬度は国際規格表示である従来のシェアAと同じである。
【0046】
(初期摩擦係数の測定)
ヘイドン14型の摩擦係数測定機(新東科学社の商品名「トライボギア TYPE:HEIDON−14DR」)を用意し、測定紙としてキャノン社のプロパーボンド紙を用いて、初期摩擦係数を測定した。測定条件は、荷重が200gfで、速度が600mm/minとした。
【0047】
(摩耗量の測定)
各実施例および比較例の重送防止部材をプリンター(キャノン社の商品名「LBP1310」)に装着し、23℃、相対湿度55%で、PPC用紙を用いて3万枚(30K)の通紙試験を行い、この試験の前後における重送防止部材の重量差を摩耗量[mg]とした。
【0048】
(通紙による重送性能)
上記プリンターを用いて上記条件下で、30Kの通紙試験を行い、通紙状況の観察を行った。通紙状況が良好なものを「○」、不送り並びに重送があったものを「△」、不送り並びに重送が多発したものを「×」とした。
【0049】
(鳴きの評価)
上記プリンターを用いて30Kを通紙した際に、異音の発生の有無を確認した。全く鳴きが発生しなかったものを「○」、ごくわずかではあるが、かすかに鳴きが発生したものを「△」、鳴きが発生したものを「×」とした。
【0050】
表1の結果から明らかなように、実施例1〜4はいずれも比重が19.3のタングステンを配合し、比重を1.3〜2.1とした部材より成形された重送防止部材であるため、加工性、硬度、初期摩擦係数、摩耗量、通紙による重送性能、および鳴きも全て良好であった。特に、タングステンを多く含んだ実施例2〜4の高比重の重送防止部材は鳴きが全く発生せず、非常に優れたものとなった。
【0051】
一方、比較例1は、タングステンを配合せず、比重が0.9と低い部材より重送防止部材を作成したため、摩耗量が多く、通紙試験において重送が有り、鳴きも発生した。
【0052】
上記した結果より、高比重物質であるタングステンを配合することにより、加工性、硬度、初期摩擦係数にはほとんど影響を与えない一方、摩耗量、通紙による重送性能、鳴き評価については性能を向上させることが確認された。
【0053】
また、本実施例においては、ゴムとしてEPDMを使用しているので、紙葉類の重送防止部材の耐オゾン性が高められるという利点もあった。さらに、過酸化物架橋を行っているので、ブルームが抑制され、耐久性を向上させることができた。
【0054】
【発明の効果】
以上の説明より明らかなように、本発明によれば、比重が8以上のタングステン等の高比重物質を配合し、比重を1.2以上とした部材を用いて紙葉類の重送防止部材を成形しているため、振動を抑えることができ、「鳴き」と呼ばれる異音の発生を低減できる。また、重送性能もよく、耐摩耗性も向上することができる。よって、複写機、プリンター、ファクシミリなどの給紙機構において、極めて良好に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の紙葉類の重送防止部材としての分離シートが用いられた給紙機構が示された模式的断面図である。
【図2】本発明の他の紙葉類の重送防止部材としての分離パッドが用いられた給紙機構が示された模式的断面図である。
【図3】従来の紙送り重送防止部材の説明図である。
【符号の説明】
12 給紙ローラ
13、21 トレイ
14 分離シート
15 紙葉類
16 先端部分
22 基板
23 分離パッド

Claims (4)

  1. ゴム成分に、比重が8以上である高比重物質が配合され、比重が1.2以上とされている部材より成形されていることを特徴とする紙葉類の重送防止部材。
  2. ゴム成分に、比重が8以上であるタングステン、ビスマスあるいは/および酸化ビスマスからなる高比重物質が配合され、比重が1.2以上とされている部材より成形されていることを特徴とする紙葉類の重送防止部材。
  3. 上記ゴム成分としてEPDMゴムのみを用いられ、あるいはゴム成分100重量部に対してEPDMゴム50重量部以上と熱可塑性エラストマーとを含み、該熱可塑性エラストマーを動的架橋している請求項1または請求項2に記載の紙葉類の重送防止部材。
  4. 上記高比重物質はゴム成分100重量部に対して10重量部〜300重量部で配合されている請求項1乃至請求項3に記載の紙葉類の重送防止部材。
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