JP2002019490A - 車両減速装置 - Google Patents

車両減速装置

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JP2002019490A
JP2002019490A JP2000204559A JP2000204559A JP2002019490A JP 2002019490 A JP2002019490 A JP 2002019490A JP 2000204559 A JP2000204559 A JP 2000204559A JP 2000204559 A JP2000204559 A JP 2000204559A JP 2002019490 A JP2002019490 A JP 2002019490A
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driver
vehicle
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deceleration
driving
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Shinji Matsumoto
真次 松本
Takeshi Kimura
健 木村
Migaku Takahama
琢 高浜
Hiromitsu Toyoda
博充 豊田
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】運転に直接関係しない操作による運転者への負
荷を考慮して、減速制御開始のタイミングを適切なもの
とする。 【解決手段】運転に直接関係しない電装品の操作を、そ
れらの電気信号で捉え、運転者がそれらの操作装置を操
作しているときに、夫々の負荷レベルWtを設定し、負
荷レベルWtが大きいほど、減速制御開始距離閾値LS
が大きくなるように設定し、この値より、補正された前
方車両又は障害物までの距離LXhが小さくなったら減速
制御が開始されるようにする。また、旋回走行など、走
行状態自体が運転者への負荷を高めるような場合には、
その走行状態に応じて前記負荷レベルWtを補正する。
更に、運転者が制動か、又は回避を行おうとしていると
きには、前記減速制御開始距離閾値LS が小さくなるよ
うに設定して、減速制御開始タイミングを遅らせる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、前方の車両や障害
物、或いは路面の状態に応じて車両を自動的に減速する
車両減速装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】このような車両減速装置としては、例え
ば特開平6−144169号公報に記載されるものがあ
る。この車両減速装置は、路面の摩擦係数状態(以下、
単にμとも記す)を検出し、この路面μに応じて、自動
的に減速を開始するタイミングを決定する安全車間距離
を設定し、この安全車間距離以下になったら自動的に減
速を開始するものである。また、主に運転者の顔をカメ
ラで監視して、運転者が脇見をしているか否かを検出
し、運転者が脇見をしている場合には警報を発し、自動
的に減速を開始するものもある。また、特開平11−1
61798号公報や特開平11−48952号公報に記
載されるものでは、運転者の状態をカメラで監視し、そ
の状態から緊急度を判断し、緊急度に応じて運転者のブ
レーキ操作を補助するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来の車両減速装置では、例えば運転者が前方の車両や障
害物、或いは路面μといったものを認識しているか否
か、又は認識し易い状態なのか、認識し難い状態なのか
といったものが考慮されていない。脇見は、確かに前方
の車両や障害物、路面μを認識し難い判定の一つではあ
るが、カメラで捉えた映像から脇見を判定するのは困難
である上に、カメラや画像解析用のコントローラなどが
必要となり、コストアップにつながってしまう。また、
運転者が前方の車両や障害物、路面μなどを認識してい
るときに、早くから自動減速が開始されてしまうと違和
感を感じる。
【0004】本発明はこれらの諸問題に鑑みて開発され
たものであり、例えば電装品からの信号を利用して運転
者が運転に直接関係しない操作をしているか否かを判定
し、そうした運転に直接関係しない操作をしているとき
には前方の車両や障害物、路面μを認識し難い状態にあ
るとして自動減速のタイミングを早めるなど、コストア
ップを伴わないで自動減速の精度を高め、同時に運転者
が前方の車両や障害物、路面μを認識していると考えら
れるときには自動減速のタイミングを遅くして違和感を
なくすことができる車両減速装置を提供することを目的
とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記諸問題を解決するた
めに、本発明のうち請求項1に係る車両減速装置は、前
方の車両及び障害物及び路面の状態の少なくとも何れか
を検出し、その状態に応じて車両を減速する車両減速装
置において、運転者が車両の運転に直接関係のない操作
を行っていることを検出する運転者操作状態検出手段
と、この運転者操作状態検出手段で検出された運転者の
操作状態に応じて車両減速作動の状態を変更する減速作
動状態変更手段とを備えたことを特徴とするものであ
る。
【0006】また、本発明のうち請求項2に係る車両減
速装置は、前記請求項1の発明において、前記運転者操
作状態検出手段は、車両の運転席周辺で運転者が操作し
得る操作装置のうちの少なくとも一つ以上の操作装置の
操作を検出できるものであることを特徴とするものであ
る。また、本発明のうち請求項3に係る車両減速装置
は、前記請求項1又は2の発明において、前記減速作動
状態変更手段は、前記運転者操作状態検出手段で検出さ
れた運転者の操作状態から運転者が運転に直接関係ない
操作を行っているときに、車両減速作動タイミングを早
めることを特徴とするものである。
【0007】また、本発明のうち請求項4に係る車両減
速装置は、前記請求項3の発明において、前記減速作動
状態変更手段は、前記運転者操作状態検出手段で検出さ
れた運転者の操作状態から運転者への負荷のレベルを検
出し、その運転者への負荷のレベルに応じて、車両減速
作動タイミングを早める変更幅を調整することを特徴と
するものである。
【0008】また、本発明のうち請求項5に係る車両減
速装置は、前記請求項3又は4の発明において、前記減
速作動状態変更手段は、前記運転者操作状態検出手段で
検出された運転者の操作状態から運転者が二つ以上の操
作装置を操作しているときには、夫々の操作状態から運
転者への負荷のレベルを検出し、それらの負荷のレベル
を足し合わせた負荷のレベルに応じて、車両減速作動タ
イミングを早める変更幅を調整することを特徴とするも
のである。
【0009】また、本発明のうち請求項6に係る車両減
速装置は、前記請求項4又は5の発明において、前記減
速作動状態変更手段は、車両の走行状態から得られる運
転操作自体の負荷に応じて、前記運転者操作状態検出手
段で検出された運転者の操作状態から検出した運転者へ
の負荷のレベルを補正することを特徴とするものであ
る。
【0010】また、本発明のうち請求項7に係る車両減
速装置は、前記請求項1乃至6の発明において、運転者
が車両の運転に直接関係する操作を行っていることを検
出する運転操作状態検出手段を備え、前記減速作動状態
変更手段は、この運転操作状態検出手段で検出された運
転操作状態に応じて車両減速作動の状態を変更すること
を特徴とするものである。
【0011】また、本発明のうち請求項8に係る車両減
速装置は、前記請求項7の発明において、前記減速作動
状態変更手段は、前記運転操作状態検出手段で検出され
た運転操作状態から運転者が制動しようとしていること
を検出し、運転者が制動しようとしているときに、車両
減速作動タイミングを遅くすることを特徴とするもので
ある。
【0012】また、本発明のうち請求項9に係る車両減
速装置は、前記請求項7又は8の発明において、前記減
速作動状態変更手段は、前記運転操作状態検出手段で検
出された運転操作状態から運転者が回避しようとしてい
ることを検出し、運転者が回避しようとしているとき
に、車両減速作動タイミングを遅くすることを特徴とす
るものである。
【0013】また、本発明のうち請求項10に係る車両
減速装置は、前記請求項1乃至9の発明において、自動
減速を開始する前に乗員に注意を喚起する注意喚起手段
を備えたことを特徴とするものである。
【0014】
【発明の効果】而して、本発明のうち請求項1又は2に
係る車両減速装置によれば、電装品などの信号から、車
両の運転席周辺で運転者が操作し得る運転操作に直接関
係しない操作装置の操作を検出し、その操作状態に応じ
て車両減速作動の状態を変更する構成としたため、コス
トアップを伴うことなく、前方の車両や障害物、路面μ
を認識しにくいときに車両減速タイミングを早めるなど
して、車両減速の精度を高めることが可能となる。
【0015】また、本発明のうち請求項3に係る車両減
速装置によれば、運転者の操作状態から運転者が運転に
直接関係ない操作を行っているときに、車両減速作動タ
イミングを早めることとしたため、運転者が前方の車両
や障害物、路面μを認識しにくいときに車両減速の精度
を高めることができる。また、本発明のうち請求項4に
係る車両減速装置によれば、運転者の操作状態から運転
者への負荷のレベルを検出し、その運転者への負荷のレ
ベルに応じて、車両減速作動タイミングを早める変更幅
を調整することとしたため、運転者の操作状態が負荷レ
ベルの大きいものであるときに車両減速作動タイミング
を大きく早めるなどして車両減速の精度を更に高めるこ
とができる。
【0016】また、本発明のうち請求項5に係る車両減
速装置によれば、運転者の操作状態から運転者が二つ以
上の操作装置を操作しているときには、夫々の操作状態
から運転者への負荷のレベルを検出し、それらの負荷の
レベルを足し合わせた負荷のレベルに応じて、車両減速
作動タイミングを早める変更幅を調整することとしたた
め、運転者の操作状態が負荷レベルの大きいものである
として車両減速作動タイミングを大きく早めることがで
き、その分だけより一層車両減速の精度を高めることが
できる。
【0017】また、本発明のうち請求項6に係る車両減
速装置によれば、車両の走行状態から得られる運転操作
自体の負荷に応じて、運転者の操作状態から検出した運
転者への負荷のレベルを補正することとしたため、高速
走行、旋回走行など、運転操作自体の負荷が大きいとき
に運転者の負荷のレベルを大きくし、それに応じて車両
減速作動タイミングを大きく早めることができるなど、
車両減速精度を高めることが可能となる。
【0018】また、本発明のうち請求項7に係る車両減
速装置によれば、運転操作状態に応じて車両減速作動の
状態を変更することとしたため、運転者が制動しようと
しているとか、回避しようとしているときには、車両減
速作動タイミングを遅らせるなどして、状況に適した車
両減速を行うことにより車両減速精度を高めると共に、
運転者に対する違和感を払拭することが可能となる。
【0019】また、本発明のうち請求項8に係る車両減
速装置によれば、運転操作状態から運転者が制動しよう
としていることを検出し、運転者が制動しようとしてい
るときに、車両減速作動タイミングを遅くすることとし
たため、状況に適した車両減速を達成して車両減速精度
を高め、同時に運転者に対する違和感を払拭することが
できる。
【0020】また、本発明のうち請求項9に係る車両減
速装置によれば、運転操作状態から運転者が回避しよう
としていることを検出し、運転者が回避しようとしてい
るときに、車両減速作動タイミングを遅くすることとし
たため、状況に適した車両減速を達成して車両減速精度
を高め、同時に運転者に対する違和感を払拭することが
できる。
【0021】また、本発明のうち請求項10に係る車両
減速装置によれば、自動減速を開始する前に乗員に注意
を喚起することとしたため、予期せぬ減速作動による乗
員への違和感を抑制防止することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】これ以下、本発明の制動力制御装
置の実施形態を添付図面に基づいて説明する。図1は、
本発明に係る車両減速装置の一実施形態が適用された車
両を示す概略構成図であって、後輪駆動車である場合を
示している。図中、10FL,10FRは、非駆動輪
(従動輪)となる前左輪,前右輪を、10RL,10R
Rは、駆動輪となる後左輪,後右輪を示す。つまり、エ
ンジン20の出力は、既存のトルクコンバータを介して
自動変速機24に伝達され、この自動変速機24で自動
的に選択されたギヤ比(減速比)で減速されることによ
り駆動トルクが調整され、更にプロペラシャフト、ディ
ファレンシャルギヤを介して後左右車軸に分岐され、そ
の回転駆動力が両後輪10RL,10RRから路面に伝
達される。
【0023】前記エンジン20の吸気管路36には、ス
テップモータ45をアクチュエータとし、そのステップ
数に応じた回転角により開度が調整可能なスロットルバ
ルブ39が設けられている。このスロットルバルブ39
は、アクセルペダルの踏込み量を検出するアクセルセン
サ37の踏込み量検出値Accに応じて、駆動トルクコ
ントロールユニット(主としてエンジンコントロールユ
ニット)31が電気的に調整制御して、その開方向への
スロットル開度を調整すると共に、この駆動トルクコン
トロールユニット31からの駆動信号によってステップ
モータ45のステップ数(回転角)が調整制御され、こ
の回転角に応じてスロットル開度が調整されるが、駆動
トルクコントロールユニット31のフェイル時には、ア
クセルペダルの踏込み量に機械的に連動することが可能
となっている。なお、エンジン20及びその周囲には、
前記駆動トルクコントロールユニット31内のエンジン
コントロールユニットでエンジンの燃焼状態を電子制御
するために必要な各種のセンサが設けられているが、車
両減速制御に関与しないものについては説明を省略す
る。
【0024】また、前記自動変速機24では、前記駆動
トルクコントロールユニット31内の主としてトランス
ミッションコントロールユニットからの制御信号又は駆
動信号によってアクチュエータユニットが駆動される。
この駆動トルクコントロールユニット31で制御される
自動変速機24内のギヤ比は、周知のように、車速とス
ロットル開度とを変数として、或いはエンジン回転数を
参照としながら、運転状態に応じた最適な駆動トルクが
得られる車両減速比となるように制御される。ちなみ
に、本実施例のトランスミッションコントロールユニッ
トは、前記エンジンコントロールユニットと相互に情報
の授受を行って前記エンジン20及び自動変速機24の
通常走行時における最適化制御を実施している。
【0025】一方、前記各車輪10FL〜10RRに
は、夫々、該当するホイールシリンダ2FL〜2RRが
取付けられている。なお、各ホイールシリンダ2FL〜
2RRは、ディスクロータにパッドを押付けて制動す
る,所謂ディスクブレーキである。マスタシリンダ5
は、ブレーキペダル4の踏込みに応じて2系統のマスタ
シリンダ圧を発生する。このマスタシリンダ圧は、作動
流体圧制御ユニット6を介して、前記各ホイールシリン
ダ2FL〜2RRに供給される。この作動流体圧制御ユ
ニット6は、例えば従来既存のTCS(Traction Contr
ol System )やVDC(Vehicle Dynamics Control)用
のものを転用可能であり、マスタシリンダ5とは個別に
作動流体圧を昇圧する圧力源、その圧力源からの作動流
体圧又はマスタシリンダ5からの作動流体圧を増圧した
り減圧したりするための各種圧力制御弁を備えて構成さ
れる。なお、前記マスタシリンダ圧PM/C はマスタシリ
ンダ圧力センサ16によって検出され、後述する制駆動
力コントロールユニット30に入力される。この実施形
態では、マスタシリンダ圧PM/C はブレーキペダル4の
踏込み状態の検出量としても用いられる。また、後述す
る制駆動力コントロールユニット30からの制御信号に
応じて、目標制動流体圧が達成されるように構成されて
いる。
【0026】また、車両には、車両に発生する実ヨーレ
イトψ' を検出するヨーレイトセンサ13や、ステアリ
ングホイールの操舵角から操舵輪の舵角θを検出する舵
角センサ14や、車両に発生する前後加速度XG 及び横
加速度YG を検出する加速度センサ15などが取付けら
れ、各センサの検出信号は何れも後述する制駆動力コン
トロールユニット30に入力される。なお、前記ヨーレ
イトセンサ13からの実ヨーレイトψ' や舵角センサ1
4からの舵角θには、例えば正負等の方向性があるが、
両者の間には、例えばステアリングホイールを右切りし
たときの舵角と、そのときに発生する右周りのヨーレイ
トとの方向性が整合するように設定してある。
【0027】また、前記各車輪10FL〜10RRには
車輪速センサ28FL〜28RRが設けられており、各
車輪速センサ28FL〜28RRからは、当該車輪10
FL〜10RRの回転速度に応じたパルス信号が、その
車輪速VwFL〜VwRRとして後述する制駆動力コントロ
ールユニット30に向けて出力される。また、車両に
は、車両衝突防止制御用の外界認識センサとして、ミリ
波レーダコントローラ17や単眼カメラコントローラ1
8を備えており、夫々、ミリ波レーダで検出した前方車
両又は障害物までの距離LX 、並びにカメラ画像から判
断した自車レーン内判断信号FC を後述する制駆動力コ
ントロールユニット30に向けて出力する。なお、本実
施形態では前記ミリ波レーダコントローラ17と単眼カ
メラコントローラ18とは互いに相互通信を行ってお
り、前記ミリ波レーダコントローラ17で検出した前方
車両又は障害物が自車レーン内であるか否かの判定を前
記単眼カメラコントローラ18内で行うように構成され
ている。
【0028】また、車両には、例えばラジオやCDプレ
ーヤー等のオーディオ装置、ナビゲーション装置、エア
コンディショニング装置、電動サイドミラー装置、電動
サンルーフ装置、電動ワイパー装置、電熱線式シガーラ
イター、室内灯、フォグランプ、パワーウインド等の電
装品が備えられており、運転席の周囲で操作可能となっ
ていると共に、運転者がそれらの電装品、つまり操作装
置を操作すると、各操作装置内で発生する信号の変化
を、各操作装置の操作状態として、後述する制駆動力コ
ントロールユニット30に向けて出力する。また、これ
らに加えて、前記駆動トルクコントロールユニット31
内のトランスミッションコントロールユニットで検出さ
れるインヒビタスイッチ信号、つまりセレクトレバーに
よるシフトレンジ信号も相互通信により制駆動力コント
ロールユニット30に入力される。また、必要に応じ
て、例えばルームミラー、グローブボックス、センター
コンソールボックス等にもスイッチを設け、運転者がそ
れらを操作すると、その操作状態に応じた信号が制駆動
力コントロールユニット31に向けて出力するように構
成してもよい。
【0029】前記制駆動力コントロールユニット30
は、前述の各センサやスイッチ類からの検出信号を入力
して、前記作動流体圧コントロールユニット6への目標
制動流体圧PwSi制御信号或いは駆動トルクコントロー
ルユニット31への目標スロットル開度TVOS制御信
号を出力するマイクロコンピュータと、このマイクロコ
ンピュータから出力される制御信号を各制御弁ソレノイ
ドへの駆動信号に変換する駆動回路とを備えている。そ
して、前記マイクロコンピュータは、A/D変換機能等
を有する入力インタフェース回路や、D/A変換機能等
を有する出力インタフェース回路や、マイクロプロセサ
ユニットMPU等からなる演算処理装置や、ROM,R
AM等からなる記憶装置を備えている。なお、前記マイ
クロコンピュータは、その動作周波数が大変に高いこと
から、当該マイクロコンピュータからパルス幅変調され
たディジタルデータの基準矩形波制御信号を出力するよ
うにし、各駆動回路は単にそれを各アクチュエータ作動
に適した駆動信号に変換,増幅するだけのものとして構
成されている。
【0030】次に、前記制駆動力コントロールユニット
31で実行される車両減速制御のための演算処理につい
て、図2のフローチャートを用いて説明する。この演算
処理は、例えば予め設定された所定時間ΔT(例えば1
0msec. )毎にタイマ割込で行われる。この演算処理で
は、まずステップS1で、前記アクセルセンサ37で検
出されたアクセルペダル踏込み量Acc、マスタシリン
ダ圧センサ16で検出されたマスタシリンダ圧PM/C
即ちブレーキペダル4の踏込み状態の検出量、ヨーレイ
トセンサ13で検出された実ヨーレイトψ' 、舵角セン
サ14で検出された舵角θ、加速度センサ15で検出さ
れた前後加速度XG 及び横加速度YG 、ミリ波レーダコ
ントローラ17で検出された前方車両又は障害物までの
距離LX 、単眼カメラコントローラ18で検出された自
車レーン内判断信号FC 、車輪速センサ28FL〜28
RRで検出された車輪速VwFL〜VwRR、駆動トルクコ
ントロールユニット31から通信されたレンジ信号、並
びに前記各電装品、即ち操作装置からの電気信号を運転
者操作状態情報として読込む。
【0031】次に、ステップS2に移行して、同ステッ
プ内で行われる個別の演算処理に従って、車両が通常走
行しているときには、前記非駆動輪である前左右輪10
FL、10FRの前左右輪速VwFL、VwFRの平均値か
ら車速VSPを算出する。なお、例えばABS等が作動
し、その制御の演算処理で車速VSPを算出しているとき
には、その車速VSPを用いる。
【0032】次に、ステップS3に移行して、同ステッ
プ内で行われる個別の演算処理に従って路面μを算出す
る。具体的には、例えば予め設定された周期で同じ大き
さの駆動力と制動力とを同時に作用させ、そのときの制
駆動力と各車輪のスリップ量との関係から、乗員、特に
運転者に違和感を感じさせることなく路面μを推定する
方法などが挙げられる。また、将来的に路車間(道路ー
車両間)通信が整備され、この路車間通信によって前方
路面の路面μ情報が得られる場合には、その路面μを用
いる。
【0033】次に、ステップS4に移行して、同ステッ
プ内で行われる個別の演算処理に従って、前記ステップ
S1で読込んだ前方車両又は障害物までの距離(図では
障害物までの距離)LX の補正を行う。即ち、原則的に
は前記ミリ波レーダコントローラ17で検出した距離L
X をそのまま用いるのであるが、例えば自動減速で車両
に大きなピッチングが発生すると、ミリ波レーダが前方
車両又は障害物を検出しなくなる、所謂ロストしてしま
うことがあり、そのような場合には、下記1式に従っ
て、ロスト直前の前方車両又は障害物までの距離LX0
ら前記車速VSPを制御時間(演算周期)ΔT倍した値を
減じて補正後の前方車両又は障害物までの距離LXhとす
る。
【0034】 ロストしていない場合:LXh=LX ロストした場合:LXh=LX0ーVSP×ΔT ……… (1) 次に、ステップS5に移行して、同ステップ内で行われ
る個別の演算処理に従って、前方車両又は障害物の速度
(図では障害物の速度)VZ を算出する。具体的には、
下記2式に従って、前回演算時の補正後の前方車両又は
障害物までの距離と今回演算時のそれとの差分値ΔLXh
を制御時間(演算周期)ΔTで除し、それを自車速VSP
から減じて前方車両又は障害物の速度VZ とする。
【0035】 VZ =VSPーΔLXh/ΔT ……… (2) 次に、ステップS6に移行して、運転者操作による運転
者への負荷レベルWtを算出する。本実施形態では、前
記電装品、つまり操作装置からの電気信号を用いて、運
転者操作による運転者への負荷のレベルを四段階に分け
る。各負荷レベルの基本的な判断基準を以下に示す。 負荷レベル1: ・ステアリングホイールから手を離すことなく、一回の
操作で済み、且つ車両前方から視線をずらすことなく操
作の結果が認識できる操作。 (例)ステアリングホイールについているラジオのON
/OFFスイッチの操作等。 負荷レベル2: ・ステアリングホイールから手を離すことなく、一回の
操作で済むが、操作の結果を確認するために、車両前方
から視線をずらすことがある操作。 (例)ステアリングホイールについているラジオのチャ
ンネル設定スイッチの操作等。
【0036】・ステアリングホイールから一方の手を離
す必要があるが、一回の操作で済み、且つ車両前方から
視線をずらすことなく操作の結果が認識できる操作。 (例)センターコンソールのエアコンディショニング装
置のON/OFFスイッチの操作等。 負荷レベル3: ・ステアリングホイールから一方の手を離す必要があ
り、一回の操作で済むが、操作の結果を確認するため
に、車両前方から視線をずらすことがある操作。 (例)センターコンソールのエアコンディショニング装
置の温度設定スイッチの操作等。
【0037】・ステアリングホイールから一方の手を離
す必要があり、二回以上又は連続的な操作が必要だが、
車両前方から視線をずらすことなく操作の結果が認識で
きる操作。 (例)電動サンルーフのスイッチ操作等。 負荷レベル4: ・ステアリングホイールから一方の手を離す必要があ
り、二回以上又は連続的な操作が必要で、且つ操作の結
果を確認するために、車両前方から視線をずらすことが
ある操作。 (例)電動サイドミラーの調整スイッチの操作等。
【0038】つまり、電装品などの電気信号から、運転
者が、運転に直接関係のない、どのような操作をしてい
るかが分かるから、その操作状態に対して運転者に対す
る負荷のレベルを設定する。また、同時に運転に直接関
係のない二以上の操作が行われたときには、それぞれの
操作に対して負荷レベルを設定し、それらを足し合わせ
て、そのときの負荷レベルとする。但し、最大値はWt
=4である。
【0039】また、設定された負荷レベルは、その負荷
レベルの大きさに合わせて所定時間負荷レベルが保持さ
れる。具体的には、例えば本実施形態のように制御時間
(演算周期)ΔTが10msec. である場合、負荷レベル
Wt=1のときはデクリメントカウンタTwtを50(=
0.5秒)、負荷レベルWt=2のときはデクリメント
カウンタTwtを100(=1秒)、負荷レベルWt=3
のときはデクリメントカウンタTwtを200(=2
秒)、負荷レベルWt=4のときはデクリメントカウン
タTwtを400(=4秒)とし、各制御時刻毎にデクリ
メントカウンタTwtをデクリメントし、デクリメントカ
ウンタTWt=0となった時点で、負荷レベルWt=0と
するようにする。もし、デクリメントカウンタTWt=0
となる以前に、更に運転に直接関係ない操作が行われた
ときには、その操作の負荷レベルに応じたカウント値を
現在のデクリメントカウンタTWtに加算する。
【0040】次に、ステップS7に移行して、同ステッ
プ内で行われる個別の演算処理に従って、前記ステップ
S6で設定した負荷レベルWtに対し、走行状態に応じ
た補正を行う。この補正は、運転に直接関係ない操作で
あっても、走行状態によっては、運転者への負荷が大き
かったり、小さかったりするという変動を補正するため
のものであり、具体的には高速急旋回走行を想定してい
る。即ち、図3aに示すように車速VSPが大きいほど、
横加速度YG の閾値YG0を小さく設定し、合わせて、図
3bに示すように車速VSPが大きいほど、ヨーレイト
ψ’の閾値ψ'0を小さく設定し、前記ステップS1で読
込んだ横加速度YG 及びヨーレイトψ’が夫々の閾値Y
G0、ψ'0より大きい場合には負荷レベルWtを一段階大
きくする。つまり、走行状態から得られる運転者への負
荷を加味して、運転に直接関係しない操作状態の負荷レ
ベルを調整することになる。なお、補正は、閾値を二つ
設けて、二段階で補正するようにしてもよい。
【0041】次に、ステップS8に移行して、同ステッ
プ内で行われる個別の演算処理に従って、運転者の運転
操作状態により、制動又は回避意思があるか否かの判断
を行う。具体的には、前記ステップS2で読込んだアク
セルペダル踏込み量Accやマスタシリンダ圧PM/C
即ちブレーキペダル4の踏込み状態の検出量からブレー
キペダル4を踏込んで制動しようとしているかどうか、
或いはレンジ信号からダウンシフトによって制動しよう
としているかどうか、または舵角θの変化及び変化速度
から転舵によって回避しようとしているかどうかを判断
する。そして、制動又は回避しようとしているときには
制動・回避意思判断フラグFをセットし、制動又は回避
しようとしていないときにはリセットする。なお、ブレ
ーキペダルの踏込みで制動しようとしているかどうかの
判定は、マスタシリンダ圧PM/Cに代えて、ブレーキペ
ダルの踏力センサやストロークセンサでも可能である
し、更にブレーキランプスイッチでの代用も可能であ
る。
【0042】次に、ステップS9に移行して、同ステッ
プ内で行われる個別の演算処理に従って、安全マージン
係数Kaを算出する。この安全マージン係数Kaは、前
記ステップS4で補正された前方車両又は障害物までの
距離LXhと比較して、それより小さくなったときに車両
減速制御を開始するための減速制御開始距離閾値LS
算出したり、前記ステップS3で算出した路面μに乗じ
て目標制動減速度XGSを算出したりするためのものであ
り、例えば図4の制御マップに従って設定する。前記ス
テップS7で補正された負荷レベルWtは最大で“5”
であり、この負荷レベルWtが大きくなるほど、安全マ
ージン係数Kaを次第に小さく設定する。この実施形態
では負荷レベルWt=0のとき安全マージン係数Ka=
0.9、負荷レベルWt=1のとき安全マージン係数K
a=0.875、負荷レベルWt=2のとき安全マージ
ン係数Ka=0.85、負荷レベルWt=3のとき安全
マージン係数Ka=0.8、負荷レベルWt=4のとき
安全マージン係数Ka=0.75、負荷レベルWt=5
のとき安全マージン係数Ka=0.7になるように設定
している。この安全マージン係数Kaは、負荷レベルW
tが大きいほど、即ち運転者の負荷が大きいほど、前記
減速制御開始距離閾値LS を大きくして減速制御が早く
始まるようにしたり、或いは目標制動減速度XGSを小さ
くして急激な減速が行われないようにしたりする目的で
設定される。
【0043】次に、ステップS10に移行して、同ステ
ップ内で行われる個別の演算処理に従って、前述した減
速制御開始距離閾値LS を算出する。具体的には、下記
3式に従って、自車速VSP、前方車両又は障害物速度V
Z 、路面μ、安全マージン係数Kaを用いて算出する。
従って、自車速VSPが大きいほど、前方車両又は障害物
速度VZ が小さいほど、路面μが小さいほど、安全マー
ジン係数Kaが小さいほど、減速制御開始距離閾値LS
は大きくなり、その分だけ減速制御が早く開始されるこ
とになる。
【0044】 LS =(VSP 2 ーVZ 2 )/(2×μ×Ka)+LS0 ……… (3) また、式中のLS0は停止したときの前方車両又は障害物
までの距離、即ち停止距離安全マージンであり、前記ス
テップS8で判定した制動・回避意思判断により制動・
回避意思判断フラグFがセットされているときには例え
ば2mとし、リセットされているときには例えば4mと
する。つまり、運転者が制動しようとしているか、又は
回避しようとしているときに減速制御開始距離閾値LS
は小さくなるので、その分だけ減速制御が遅く開始され
ることになる。逆に、運転者が制動しようとしていない
とか、又は回避しようとしていないときには減速制御開
始距離閾値LS は大きくなるので、その分だけ減速制御
が早く開始されることになる。
【0045】また、更に、例えば図5に示すように、負
荷レベルWtが大きくなるほど、前記停止距離安全マー
ジンLS0が大きくなるようにしてもよい。この場合は、
前記3式を変形した下記4式を用いる。 制動・回避意思判断フラグFがセットされているとき: LS =(VSP 2 ーVZ 2 )/(2×μ)+LS0 制動・回避意思判断フラグFがリセットされていると
き: LS =(VSP 2 ーVZ 2 )/(2×μ)+LS0+2[m] ……… (4) この4式では、前記安全マージン係数Kaを用いなくて
も、負荷レベルWtが大きければ減速制御開始距離閾値
S は大きくなるので、その分だけ減速制御が早く開始
される。また、運転者が制動しようとしているか、又は
回避しようとしているときに減速制御開始距離閾値LS
は小さくなるので、その分だけ減速制御が遅く開始され
ることになる。
【0046】次に、ステップS11に移行して、同ステ
ップ内で行われる個別の演算処理に従って、減速制御開
始の判断を行う。具体的には、前記ステップS1で読込
んだ自車レーン内判断信号FC により前方車両又は障害
物が自車レーン内にあり、且つ前記ステップS4で補正
した補正後の前方車両又は障害物までの距離LXhが前記
減速制御開始距離閾値LS 以下となったときに、減速制
御を開始する必要があると判断する。
【0047】次に、ステップS12に移行して、同ステ
ップ内で行われる個別の演算処理に従って、前記路面μ
に前記安全マージン係数Kaを乗じて目標制動減速度X
GSを算出する。なお、路面μが細かく変動すると、目標
制動減速度XGSも不連続に変動する恐れがあるので、算
出に際してはフィルタを設けるなどしてもよい。次に、
ステップS13に移行して、同ステップ内で行われる個
別の演算処理に従って、前記ステップS12で算出した
目標制動減速度XGSにブレーキ諸元係数KB を乗じて目
標制動流体圧PwSi(i=FL〜RR)を算出する。な
お、ブレーキ諸元係数KB は、各車輪のディスクロータ
とブレーキパッドとの摩擦係数、ホイールシリンダ断面
積、ディスクロータ有効径、タイヤ転がり動半径によっ
て決まる。
【0048】次に、ステップS14に移行して、同ステ
ップ内で行われる個別の演算処理に従って、目標スロッ
トル開度TVOS を算出する。ここでは、自動減速制御
が開始されているか否かによって目標スロットル開度T
VOS を決定する。即ち、減速制御が開始されていない
ときには目標スロットル開度TVOS を前記アクセル開
度Accに応じた値に設定し、減速制御が開始されてい
るときには目標スロットル開度TVOS を零とする、即
ち全閉とする。
【0049】次に、ステップS15に移行して、同ステ
ップ内で行われる個別の演算処理に従って、前記目標ス
ロットル開度TVOS を要求値として前記駆動トルクコ
ントロールユニット31に出力すると共に、前記目標制
動流体圧PwSiを達成するための駆動信号を創成出力し
てからメインプログラムに復帰する。この演算処理によ
れば、例えば電装品など、運転に直接関係しない操作を
行うと、その運転者操作に応じて負荷レベルWtが設定
され、この負荷レベルWtに応じて安全マージン係数K
aが設定され、この安全マージン係数Kaを用いて減速
制御開始距離閾値LS が設定されるか、又は前記負荷レ
ベルWtに応じて停止距離安全マージンLS0が設定さ
れ、この停止距離安全マージンLS0を用いて減速制御開
始距離閾値LS が設定される。理解を容易にするため
に、前方車両又は障害物の速度VZ が零であると仮定す
ると、図6に示すように、安全マージン係数Kaも停止
距離安全マージンLS0も考慮せず、単に路面μと自車速
SP(実際には前方車両又は障害物の速度VZ の二乗
項)とだけから決まる減速制御開始距離閾値LS は比較
的小さいので、減速制御開始タイミングは遅い。これに
対して、固定的な停止距離安全マージンLS0を加えれ
ば、減速制御開始距離閾値LS は少し大きくなるから、
その分だけ減速制御開始タイミングは早まる。更に、前
述のように運転に直接関係しない操作による運転者の負
荷を考慮し、その負荷レベルWtに応じた安全マージン
係数Kaや停止距離安全マージンLS0を設定すると、減
速制御開始距離閾値LS はその負荷、つまり運転者操作
の状態に応じて変化し、負荷レベルWtが高いほど、減
速制御開始距離閾値LS は大きくなって減速制御開始タ
イミングが早まる。
【0050】具体的に、車両が高μ路を比較的低速直進
走行中であって、運転に直接関係のない操作を行ってい
ないときには、図2の演算処理のステップS6で設定さ
れる負荷レベルWt=0であり、同ステップS7で設定
される横加速度閾値YG0もヨーレイト閾値ψ'0も大きい
が、そもそも直進走行中であるから横加速度YG もヨー
レイトψ’も小さく、前記負荷レベルWtを補正する必
要もないので、同ステップS9で設定される安全マージ
ン係数Kaは0.9程度となる。そして、前記ステップ
S10で減速制御開始距離閾値LS が設定されるのであ
るが、自車速V SPが小さいために、元来、自車速VSP
二乗項を路面μで除した値は小さく、それを比較的大き
な安全マージン係数Kaで除した値もさほど大きくなら
ず、それに固定的な停止距離安全マージンLS0を加えて
も、減速制御開始距離閾値LS は小さな値にしかならな
いから、このような状況では、容易には自動減速は行わ
れないことになる。これは安全マージン係数Kaの代わ
りに、負荷レベルWtに応じて停止距離安全マージンL
S0を変更する場合でも、自車速VSPの二乗項を路面μで
除した値は同じでも、停止距離安全マージンLS0が小さ
いために、結果的に減速制御開始距離閾値LS は小さく
なる。
【0051】しかしながら、同じ高μ路を低速直進走行
中でも、例えば前記ステアリングホイールについている
ラジオのON/OFFスイッチを操作するとか、チャン
ネル設定スイッチを操作するなどの、運転には直接関係
なくとも、負荷の小さな運転者操作により、前記負荷レ
ベルWtが“1”、“2”程度に設定されると、この場
合も前記旋回走行による負荷レベルWtの補正はなされ
ないので、前記安全マージン係数Kaは0.875,
0.85と次第に小さな値に設定されるので、自車速V
SPの二乗項を路面μ及び安全マージン係数Kaで除した
値は少し大きくなるので、これに固定的な停止距離安全
マージンLS0を加えた減速制御開始距離閾値LS は、運
転に直接関係しない操作を全くしていない状況から比べ
れば少し大きな値になるから、前記補正後の前方車両又
は障害物までの距離LXhが減速制御開始距離閾値LS
下となるタイミングが早くなり、その分だけ減速制御開
始タイミングが早くなる。また、安全マージン係数Ka
の代わりに、負荷レベルWtに応じて停止距離安全マー
ジンLS0を変更する場合でも、負荷レベルWtに応じて
停止距離安全マージンLS0が少し大きな値に設定され、
結果的に減速制御開始距離閾値LS は大きくなるから、
減速制御のタイミングはやはり早くなる。
【0052】また、前記高μ路低速直進走行中であって
も、例えば電動サンルーフのスイッチや電動サイドミラ
ーの調整スイッチを操作すると、運転に直接関係なく、
負荷の大きな運転者操作により、前記負荷レベルWtが
“3”、“4”程度に設定され、この場合も前記旋回走
行による負荷レベルWtの補正はなされないものの、安
全マージン係数Kaは0.8,0.75と更に小さな値
に設定されるので、自車速VSPの二乗項を路面μ及び安
全マージン係数Kaで除した値は更に大きくなるので、
これに固定的な停止距離安全マージンLS0を加えた減速
制御開始距離閾値LS は、運転に直接関係しないものの
運転者への負荷が小さな操作をしている状況から比べれ
ば更に大きな値になるから、前記補正後の前方車両又は
障害物までの距離LXhが減速制御開始距離閾値LS 以下
となるタイミングはより一層早くなり、その分だけ減速
制御開始タイミングが早くなる。また、安全マージン係
数Kaの代わりに、負荷レベルWtに応じて停止距離安
全マージンLS0を変更する場合でも、負荷レベルWtに
応じて停止距離安全マージンLS0が更に大きな値に設定
され、結果的に減速制御開始距離閾値LS は大きくなる
から、減速制御のタイミングはやはり早くなる。
【0053】これらと同じ操作を高μ路高速直進走行中
に行うと、今度は自車速VSPの二乗項そのものが大きく
なるので、やはり減速制御開始距離閾値LS は大きくな
り、その分だけ減速制御開始タイミングが早くなる。ま
た、低μ路では、前記自車速VSPの二乗項を路面μで除
した値が大きくなるので、やはり減速制御開始距離閾値
S は大きくなり、その分だけ減速制御開始タイミング
が早くなる。
【0054】一方、同じ高μ路を低速走行していても、
例えば急激なステアリング操作によって小さく旋回する
と、図2の演算処理のステップS7で設定される横加速
度閾値YG0やヨーレイト閾値ψ'0は大きくても、横加速
度YG やヨーレイトψ’がこれらを上回ることがあり、
そのような状況では前記負荷レベルWtが大きな値に補
正されてしまう。すると、安全マージン係数Kaはより
一層小さな値になり、自車速VSPの二乗項を路面μ及び
安全マージン係数Kaで除した値も大きくなるので、こ
れに固定的な停止距離安全マージンLS0を加えた減速制
御開始距離閾値LS は、直進走行時又は緩やかな旋回時
に比べれば大きな値になるから、その分だけ減速制御開
始タイミングが早くなる。また、安全マージン係数Ka
の代わりに、負荷レベルWtに応じて停止距離安全マー
ジンLS0を変更する場合でも、負荷レベルWtに応じて
停止距離安全マージンLS0が更に大きな値に設定され、
結果的に減速制御開始距離閾値LS は大きくなるから、
減速制御のタイミングはやはり早くなる。
【0055】更に、車速が高まれば、前記横加速度閾値
G0やヨーレイト閾値ψ'0そのものが小さく設定される
ので、旋回中の横加速度YG やヨーレイトψ’がこれら
を上回る可能性が高まり、その分だけ負荷レベルWtが
大きく補正されて安全マージン係数Kaが小さく設定さ
れるか、若しくは停止距離安全マージンLS0が大きく設
定されるために、結果的に減速制御開始距離閾値LS
大きくなり、減速制御のタイミングは早くなる。
【0056】これらは何れも運転者が制動も回避もしよ
うとしていないときであって、例えばブレーキペダルを
踏込んで制動しようとしているとか、ステアリングホイ
ールを操舵して回避しようとしていることが判断される
と、図2の演算処理のステップS8で制動・回避意思判
断フラグFがセットされるので、前記3式で加算される
停止距離安全マージンLS0が小さな値に設定されたり、
或いは前記4式で2mという距離が加算されなかったり
するので、全体として減速制御開始距離閾値L S が小さ
くなり、減速制御のタイミングは遅くなる。
【0057】つまり、本実施形態では、自動減速制御を
行う場合の制御開始タイミングが、運転者の運転操作以
外の操作による負荷レベルや車両の走行状態、運転者の
制動・回避意思に応じて変更調整され、制御の頻繁な作
動による煩わしさを減少し、運転者の前方に対する注意
意識が低下している状況での制御を適切に行って精度を
向上させることが可能となる。
【0058】なお、前記実施形態では、自動減速のみを
行う場合について詳述したが、それ以外にもABSやT
CS、VDC等の種々の制御を平行して行なうように構
成してもよい。また、前記実施形態では、コントロール
ユニットをマイクロコンピュータで構成するものについ
てのみ説明したが、各種の演算回路を組み合わせて構成
してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の車両減速装置の一実施形態を示す車両
概略構成図である。
【図2】図1の制駆動力コントロールユニットで行われ
る自動減速制御のための演算処理のフローチャートであ
る。
【図3】図2の演算処理で用いられる制御マップであ
る。
【図4】図2の演算処理で用いられる制御マップであ
る。
【図5】図2の演算処理で用いられる制御マップであ
る。
【図6】図2の演算処理で設定される減速制御開始距離
閾値の説明図である。
【符号の説明】
2FL〜2RRはホイールシリンダ 4はブレーキペダル 5はマスタシリンダ 6は作動流体圧制御ユニット 10FL〜10RRは車輪 13はヨーレイトセンサ 14は舵角センサ 15は加速度センサ 16はマスタシリンダ圧力センサ 17はミリ波レーダコントローラ 18は単眼カメラコントローラ 20はエンジン 24は自動変速機 28FL〜28RRは車輪速センサ 30は制駆動力コントロールユニット 31は駆動トルクコントロールユニット 37はアクセルセンサ 39はスロットルバルブ 45はステップモータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B60R 21/00 624 B60R 21/00 624C 627 627 F02D 29/02 301 F02D 29/02 301D 341 341 G08G 1/16 G08G 1/16 C (72)発明者 高浜 琢 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 豊田 博充 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 Fターム(参考) 3D041 AA33 AA80 AC15 AC27 AD10 AD41 AD46 AD47 AD50 AD51 AE04 AE43 AF01 AF09 3D044 AA25 AA35 AA45 AC01 AC16 AC28 AC31 AC56 AC59 AD04 AD21 AE01 AE04 AE14 AE21 3G093 AA05 BA14 BA23 BA24 DA06 DB00 DB03 DB04 DB05 DB07 DB15 DB16 DB18 DB21 DB23 DB25 EA09 EB04 EC02 FA04 FA10 FA11 5H180 AA01 CC12 CC14 LL01 LL09

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 前方の車両及び障害物及び路面の状態の
    少なくとも何れかを検出し、その状態に応じて車両を減
    速する車両減速装置において、運転者が車両の運転に直
    接関係のない操作を行っていることを検出する運転者操
    作状態検出手段と、この運転者操作状態検出手段で検出
    された運転者の操作状態に応じて車両減速作動の状態を
    変更する減速作動状態変更手段とを備えたことを特徴と
    する車両減速装置。
  2. 【請求項2】 前記運転者操作状態検出手段は、車両の
    運転席周辺で運転者が操作し得る操作装置のうちの少な
    くとも一つ以上の操作装置の操作を検出できるものであ
    ることを特徴とする請求項1に記載の車両減速装置。
  3. 【請求項3】 前記減速作動状態変更手段は、前記運転
    者操作状態検出手段で検出された運転者の操作状態から
    運転者が運転に直接関係ない操作を行っているときに、
    車両減速作動タイミングを早めることを特徴とする請求
    項1又は2に記載の車両減速装置。
  4. 【請求項4】 前記減速作動状態変更手段は、前記運転
    者操作状態検出手段で検出された運転者の操作状態から
    運転者への負荷のレベルを検出し、その運転者への負荷
    のレベルに応じて、車両減速作動タイミングを早める変
    更幅を調整することを特徴とする請求項3に記載の車両
    減速装置。
  5. 【請求項5】 前記減速作動状態変更手段は、前記運転
    者操作状態検出手段で検出された運転者の操作状態から
    運転者が二つ以上の操作装置を操作しているときには、
    夫々の操作状態から運転者への負荷のレベルを検出し、
    それらの負荷のレベルを足し合わせた負荷のレベルに応
    じて、車両減速作動タイミングを早める変更幅を調整す
    ることを特徴とする請求項3又は4に記載の車両減速装
    置。
  6. 【請求項6】 前記減速作動状態変更手段は、車両の走
    行状態から得られる運転操作自体の負荷に応じて、前記
    運転者操作状態検出手段で検出された運転者の操作状態
    から検出した運転者への負荷のレベルを補正することを
    特徴とする請求項4又は5に記載の車両減速装置。
  7. 【請求項7】 運転者が車両の運転に直接関係する操作
    を行っていることを検出する運転操作状態検出手段を備
    え、前記減速作動状態変更手段は、この運転操作状態検
    出手段で検出された運転操作状態に応じて車両減速作動
    の状態を変更することを特徴とする請求項1乃至6の何
    れかに記載の車両減速装置。
  8. 【請求項8】 前記減速作動状態変更手段は、前記運転
    操作状態検出手段で検出された運転操作状態から運転者
    が制動しようとしていることを検出し、運転者が制動し
    ようとしているときに、車両減速作動タイミングを遅く
    することを特徴とする請求項7に記載の車両減速装置。
  9. 【請求項9】 前記減速作動状態変更手段は、前記運転
    操作状態検出手段で検出された運転操作状態から運転者
    が回避しようとしていることを検出し、運転者が回避し
    ようとしているときに、車両減速作動タイミングを遅く
    することを特徴とする請求項7又は8に記載の車両減速
    装置。
  10. 【請求項10】 自動減速を開始する前に乗員に注意を
    喚起する注意喚起手段を備えたことを特徴とする請求項
    1乃至9の何れかに記載の車両減速装置。
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