JP2002019390A - 繊維製品用の熱転写ラベル - Google Patents

繊維製品用の熱転写ラベル

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JP2002019390A
JP2002019390A JP2000206154A JP2000206154A JP2002019390A JP 2002019390 A JP2002019390 A JP 2002019390A JP 2000206154 A JP2000206154 A JP 2000206154A JP 2000206154 A JP2000206154 A JP 2000206154A JP 2002019390 A JP2002019390 A JP 2002019390A
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JP2000206154A
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Yoshitaka Kimura
好孝 木村
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Japan Polymark Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 型版を用いずに、オンデマンド方式で繊維製
品用の熱転写ラベルを生産する。 【解決手段】 表面に離型層を設けたベースシート上
に、型版を用いないデジタル印刷法によって逆向きに印
刷した多色の画像層と、画像層の平面形状と実質的に等
しく且つ転写温度で溶融・軟化する比較的肉厚の接着層
とを積層し、この画像層および接着層はいずれも柔軟性
を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、型版を用いずに生
産することにより、オンデマンド方式によって少ロット
生産で多品種化に即応できる繊維製品用の熱転写ラベル
に関する。
【0002】
【従来の技術】熱転写ラベルを製造するには、各種の型
版方式のうちで最もインキの膜厚を厚くできるシルクス
クリーン印刷法を利用するのが一般的である。スクリー
ン型版は、一般に直接法または間接法の写真製版によっ
て製造する。直接法では、例えば、ジアゾ系感光性樹脂
をスクリーン紗に塗布・乾燥し、これにポジフィルムを
焼き付け、水現像、水切り、乾燥後に後露光して膜面を
固化させる。一方、間接法では、感光液を塗布したフィ
ルムにポジを焼き付けて現像し、これをスクリーン紗に
貼り付けてベースフィルムを剥がせばよい。
【0003】 前記のように、シルクスクリーン印刷法
は、離型ベースシートの上に図柄層および接着層などを
形成する際に、多色の図柄層である場合にはその色数に
応じた数のスクリーン型版を作製することを要し、この
作製のために相当の時間、手間および経費が掛かってし
まう。したがって、熱転写ラベルの製造には、多色であ
るほど一定以上の数量と納期が必要になって、少ロット
の生産では1枚当たりのコストが非常に高くなり、例え
ば、繊維製品の開発段階において、試作ラベルを作製し
て評価しようとすることなどは安易に行えない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】近年の繊維製品では、
例えば、有名デザイナーの手になるデザイナーズ・アン
ド・キャラクター・ブランド(DC商品)が隆盛であ
り、少ロットで多品種に亘る著名ブランドの商品群を揃
えることで多様化した消費者の欲求を充足させ、デザイ
ンおよび品質に対する価値を高めるとともに、売上げの
向上と店舗のイメージアップを図ることになる。ここ数
年では、専門店や大手百貨店がDC商品で独自の売り場
展開を行い、需要の掘り起こしや独特のイメージ作りを
競い、小売マーチャンダイジングの軸となりつつある。
【0005】 このような多様化の流れの中で、繊維製
品用の熱転写ラベルについても、少ロット生産で多品種
化が相対的に必要であり、この点ではシルクスクリーン
印刷法は必ずしも熱転写ラベルの理想的な製造法とはい
えない。特に、多色で美麗なオリジナルの熱転写ラベル
は、シルクスクリーン印刷法だけを用いて製造すると、
写真製版からの費用が嵩んでいき、これを少ロットで多
品種取り揃えることは経済的に不可能である。
【0006】 本発明は、熱転写ラベルに関する前記の
問題点を改善するために提案されたものであり、少ロッ
トで多品種生産が可能である繊維製品用の熱転写ラベル
を提供することを目的としている。本発明の他の目的
は、繊維製品用として多色にすることで美麗でありしか
も廉価な熱転写ラベルを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る熱転写ラベルは、表面に離型層を設け
たベースシート上に、型版を用いないデジタル印刷法に
よって逆向きに印刷した多色の画像層と、画像層の平面
形状と実質的に等しく且つ転写温度で溶融・軟化する比
較的肉厚の接着層とを積層する。本発明において、型版
を用いないデジタル印刷法は、インクジェットプリンタ
ー、静電電子写真印刷機、熱転写プリンター、カラーや
モノクロのマグネットグラフィ印刷機、電気凝集印刷機
などによる印刷法を包含する。本発明の熱転写ラベルで
は、少なくとも画像層をデジタル印刷法によって印刷す
ればよく、画像層を除く樹脂層は既存の塗布やコーティ
ングまたはシルクスクリーン印刷法で形成しても、全体
をデジタル印刷法によってより安価に設けることも可能
である。
【0008】 本発明の熱転写ラベルにおいて、通常、
画像層は多色であり、多色の範疇にはモノクロや複数色
程度も含んでいる。本発明の熱転写ラベルは、表面に離
型層を設けたベースシート上に画像層を設ける前に、透
明または半透明である保護層を形成してもよい。また、
画像層を設けた次に、該画像層の皮膜を補強し且つ伸縮
性を増加させる中間層を形成してもよい。この保護層お
よび中間層は、熱転写ラベルにおいていずれか片方また
は両層ともに設けることも可能である。画像層を含むこ
れらの樹脂層は、繊維製品に転写した際に違和感が生じ
ないようにいずれも柔軟性を有することを要する。
【0009】 本発明の熱転写ラベルでは、型版を用い
ないデジタル印刷法によって逆向きに印刷した多色の画
像層の次に、その画像色の再現性を高める有色バックア
ップ層を設けることも可能である。一般に、被転写体で
ある繊維製品が濃色または中間色である場合には、有色
バックアップ層として白色バックアップ層を設ける。
【0010】 本発明の熱転写ラベルは、ホットメルト
の接着層が繊維製品と融着しやすいことにより、通常、
繊維製品用として好適である。本発明の熱転写ラベル
は、裏返したラベル本体を繊維製品の所定個所と接触さ
せて加熱・加圧し、転写後にベースシートを離型層で剥
離すればよい。本発明の熱転写ラベルには、繊維製品と
同様に融着できる素材に使用したり、繊維製品用として
製造されたものを他の用途に転用したり、または他の製
品の一部に繊維が取り付けられ、この繊維部分に転写す
る場合なども包含する。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の熱転写ラベル10は、図
1に例示するように、表面に離型層を設けたベースシー
ト11上に、少なくとも、型版を用いないデジタル印刷
法によって逆向きに印刷した多色の画像層13と、画像
層13の平面形状と実質的に等しく且つ転写温度で溶融
・軟化する比較的肉厚の接着層16とを積層している。
転写ラベル11には、透明または半透明である保護層1
2と、画像色の再現性を高める有色バックアップ層14
と、画像層13の皮膜を補強し且つ伸縮性を増加させる
中間層15とをさらに形成してもよい。
【0012】 ベースシート11は、ポリエステル,ポ
リエチレン,ポリプロピレン,ポリアミドなどのプラス
チックフィルム、セロファン、合成紙、天然紙、ラミネ
ート紙、ラミネート布、金属薄板などからなる。ベース
シート11の厚みは、通常20〜180μm、好ましく
は50〜125μmである。
【0013】 シート11の表面に設ける離型層(図示
しない)は、セルロース系、ポリアミド系、アクリル系
樹脂などの公知の熱可塑性樹脂からなり、保護層12や
画像層13を設ける前に塗布またはスクリーン印刷で形
成する。この離型層の厚みは、通常0.5〜10μmで
ある。
【0014】 保護層12は、透明または半透明の樹脂
皮膜であり、画像層13を摩擦、衝撃、薬品付着、溶剤
付着などの物理的・化学的影響から保護する。保護層1
2は、ポリアミド系、ポリエステル系、アクリル系樹脂
などまたはこれらの樹脂を適宜組み合わせた混合樹脂か
らなり、塗布前後に架橋または部分架橋反応を生起して
も架橋反応しなくてもよい。保護層12は、塗布または
スクリーン印刷で形成し、その厚みは通常2〜20μm
である。
【0015】 画像層13は、熱転写ラベル10におい
て、文字、図形、記号、模様、書画などの図柄を構成し
ている。画像層13に用いるインキもしくはトナーは、
ユーザーの要望に対応できるオンデマンド方式の印刷、
すなわち型版を用いないデジタル印刷法によって施し、
インクジェットプリンター、静電電子写真印刷機、熱転
写プリンター、カラーやモノクロのマグネットグラフィ
印刷機、電気凝集印刷機などで形成する。画像層13
は、ベースシート11の離型層や保護層12と仮接着で
き、乾燥した際に皮膜形成が容易であって、その厚みは
通常1〜50μmである。
【0016】 画像層13に関して、静電電子写真印刷
機(例えば、XEIKON DCP50D、ザイコン社
製)で形成するには、例えば、湿式または乾式のトナー
を用いる。乾式トナー材料としては、二成分トナーと一
成分トナーの双方を好適に使用できる。二成分トナーお
よび非磁性一成分トナーは、基本的にバインダー樹脂、
着色剤、帯電制御剤、添加剤から構成し、磁性一成分ト
ナーはさらに鉄、マグネタイトなどの磁性粉を含有す
る。
【0017】 乾式トナー材料で用いるパインダー樹脂
は、トナーの帯電性、熱定着性を考慮して選択すればよ
い。主たるパインダー樹脂として、ポリスチレン,水添
スチレン樹脂,スチレン−イソプチレン共重合体.スチ
レン−ブタジエン共重合体,スチレン−ブタジエン−塩
素化パラフィン共重合体などのポリスチレン系樹脂、ポ
リメチルメタクリレート,ポリエチルメタクリレート,
ポリブチルメタクリレート,ポリグルシジルメタクリレ
ート,メチルメタクリレート−ブチルメタクリレート共
重合体、エチルメタクリレート−アクリル酸共重合体な
どのアクリル樹脂、スチレン−n−ブチルメタクリレー
ト共重合体,スチレン−ジエチルアミノエチルメタクリ
レート共重合体,スチレン−メチルメタクリレート共重
合体,スチレン−グリシジルメタクリレート共重合体,
スチレン−メチルメタクリレート−n−ブチルアクリレ
ート共重合体,スチレン−メチルメタクリレート−ブチ
ルアクリレート−N−エトキシメチルアクリルアミド共
重合体,スチレン−n−ブチルメタクリレート−無水マ
レイン酸共重合体,スチレン−n−ブチルメタクリレー
ト−アクリル酸共重合体などのスチレン−(メタ)アク
リル酸エステル共重合樹脂、フマル酸/エーテル化ジフ
ェノール系ポリエステルなどのポリエステル樹脂、エポ
キシ系樹脂、ポリウレタン系樹脂、シリコン系樹脂、ブ
チラール樹脂、低分子量ポリエチレン,エチレン−酢酸
ビニル共重合体,低分子量ポリプロピレンなどのポリオ
レフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリビニルアルコ
ール樹脂、ポリフッ化ビニリデンなどのフッ素樹脂、テ
ルぺン樹脂、イミド樹脂、ケトン樹脂、エチルセルロー
ス、ロジン、アルキッド樹脂などが例示できる。
【0018】 乾式トナー材料において、帯電制御剤
は、正帯電用として、ニグロシン系染料などの電子供与
性染料、アルコキシ化アミン、第4級アンモニウム塩、
アルキルアミド、リン、タングステン、モリブデン酸キ
レート顔料、フッ素系活性剤、疎水性シリカなどであ
る。一方、負帯電用として、モノアゾ染料の金属錯塩な
どの電子受容性染料、電子受容性有機錯体、塩素化ポリ
オレフィン、塩素化ポリエステル、酸基過剰のポリエス
テル、銅フタロシアニンのスルホニルアミン、オイルブ
ラツク、ナフテン酸金属塩などの金属石鹸が例示でき
る。また、着色剤は湿式トナーと同様の材料を用い、さ
らに脂肪酸金属塩,フッ素系界面活性剤,酸化珪素誘導
体などのクリーニング剤、コロイダルシリカ,シリコン
ワニス,金属石鹸,ノニオン界面活性剤などの流動化
剤、炭酸カルシクム,粘土鉱物,雲母などの充填剤を所
望に応じてに添加してもよい。
【0019】 一方、湿式トナーは、基本的には樹脂と
着色剤からなるトナー粒子を分散媒中に分散することに
より、このような湿式トナーを用いた静電電子写真印刷
機でベースシート上に印刷する場合、画像層はこのよう
な樹脂と着色剤とからなるトナー粒子である。このトナ
ー粒子に用いる樹脂としては、例えば、スチレン−ブタ
ジエン共重合樹脂、スチレン−イソプレン共重合樹脂、
スチレン−アクリロニトリル共重合樹脂、エチレン−酢
酸ビニル共重合樹脂、エチレン−アクリレート共重合樹
脂、エチレン−アクリル酸共重合樹脂、エチレン−メタ
クリレート共重合樹脂、エチレン−エチルアクリレート
共重合樹脂、酢酸ビニル−メチルメタクリレート共重合
樹脂、アクリル酸−メチルメタクリレート共重合樹脂、
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、2−エチルヘキシ
ルアクリレート−メタクリル酸共重合体、ラウリルメタ
クリレート−2−ヒドロキシエチルメタクリレート共重
合体、2−エチルヘキシルメタクリレート−ダイアセト
ンアクリルアミド共重合体などの熱可塑性樹脂が例示で
きる。このトナー粒子には、必要に応じて電荷制御剤、
分散剤、定着剤などの添加剤を加えてもよい。
【0020】 好適な着色剤として、公知の有機顔料ま
たは無機顔料を用い、共重合樹脂の分子が有色の原子団
を有している場合には共重合樹脂自体または有色原子団
を着色剤として利用できる。すなわち、着色剤が独立の
成分であってもよいし、共重合樹脂が着色剤として機能
するものでもよい。例えば、ブラック系の着色剤は、カ
ーボンブラック,四三酸化鉄などの無機系着色剤、シア
ニンブラックなどの有機系着色剤である。イエロー系着
色剤は、黄鉛、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、チタ
ン黄、オーカーなどの無機系顔料である。イエロー系着
色剤は、アセト酢酸アリリド−モノアゾ系,アセト酢酸
アリリド−ジスアゾ系などのアゾレーキ系(難溶性金属
塩)顔料、スレン系顔料、金属錯体顔料、キノフタロン
顔料でもよい。
【0021】 マゼンタ系着色剤は、カドミウムレッ
ド、ベンガラ、銀朱、鉛丹、アンチモン朱などの無機系
顔料である。マゼンタ系着色剤は、アゾレーキ系顔料、
モノアゾ系,ジスアゾ系,縮合アゾ系などの不溶性アゾ
系顔料、アントラキノン系,チオインジゴ系,ペリノン
系,ペリレン系,キナクリドン系,ピロコリン系,赤色
系フルオルビン系などの縮合多環系顔料、染付けレーキ
系顔料でもよい。シアン系着色剤は、群青、紺青、コバ
ルトブルー、セルリアンブルーなどの無機系顔料であ
る。シアン系着色剤は、フタロシアニン系顔料、スレン
系顔料、塩基性染料レーキ顔料でもよい。
【0022】 所望に応じて、着色剤として光輝性顔料
やマット顔料を用いることも可能である。この光輝性顔
料は、例えば、貝殻の内側部,真珠の粉砕物,二酸化チ
タン被覆の雲母などのパール顔料、アルミニウム,真
鍮,青銅,金,銀などの粉末であって、好ましくは1〜
120μmの微粒子または鱗片状箔片の金属粉、ポリエ
ステルフィルムにアルミニウムなどの金属を蒸着して粉
砕した銀色粉または蒸着後に透明な黄色に塗装してから
粉砕した金色粉のような蒸着プラスチックフィルム片、
数μm以下の厚さのポリエステル樹脂層とアクリル樹脂
層を多数積層し、光の干渉による虹彩色を生じる複合フ
ィルムを細断した箔粉である屈折率の異なる2種以上の
樹脂層などである。マット顔料は、カオリナイト,ハロ
サイト,白雲母,タルクなどの粘土鉱物、無水シリカ,
無水アルミナ,炭酸カルシウム,炭酸マグネシウム,炭
酸バリウムなどの無彩色顔料である。
【0023】 画像層13に関して、インクジェットプ
リンター(例えば、マックスアートPM−7000C、
エプソン社製)で形成する場合には、その画像をインク
ジェット印刷で用いるインキからなる。このインキは油
性インキであり、へッドのつまりなどを防ぐために高沸
点の溶媒をベースとすると好ましい。高沸点溶媒として
は、エチレングリコール,ジエチレングリコール,トリ
エチレングリコール,プロピレングリコ−ル,ジプロピ
レングリコール,へキシレングリコ一ル,ポリエチレン
グリコール,ポリプロピレングリコールなどの高沸点低
揮発性の多価アルコール類、またはそのモノエ一テル化
物、ジエーテル化物、エステル化物であるエチレングリ
コールモノメチルエーテル,ジエチレングリコールモノ
メチルエーテル,ジプロピレングリコールモノメチルエ
ーテルなど、ポリエチレングリコ一ル,ポリプロピレン
グリコールなどのポリアルキレングリコール類、グリセ
リンなどのパラフイン系炭化水素類、石油ナフサ系溶剤
類、ナフテン系炭化水素類、芳香族系炭化水素類などが
例示できる。
【0024】 この油性インキについて、速乾性を増す
ために、より揮発性の高い溶剤を前記の溶媒と混合した
り、または単独で加えてもよい。この溶剤として、例え
ぱ、エチルアルコール,イソプロピルアルコールなどの
アルキルアルコール類、アセトン,メチルエチルケトン
などのケトン類、トルエン,キシレンなどの芳香族炭化
水素類、酢酸エチルなどのエステル類、ジメチルホルム
アミド,ジメチルアセトアミドなどのアミド類、ジオキ
サン,テトラヒドロフランなどのエ一テル類などが例示
できる。
【0025】 インクジェットプリンターでは、インキ
用の着色剤として公知の顔料、染料を用いることがで
き、顔料としては前記の湿式トナーの着色剤が同様に使
用できる。この染料は、水不溶性の油溶性染料や分散染
料を溶媒に分散または溶解した態様で用いる。水不溶性
の染料は、例えば、ジアリールメタン系、トリアリール
メタン系、チアゾ−ル系、メチン系、アゾメチン系、キ
サンチン系、オキサジン系、アゾおよびアゾ系誘導体、
アントラキノン誘導体、キノフタロン誘導体、スピロジ
ピラン系、イソドリノスビロピラン系、フルオラン系の
染料である。
【0026】 油性インキの溶媒には、分散性、定着性
向上のために、可溶または不溶の樹脂類を含有させても
よい。この樹脂は、ポリビニルアルコール類、ポリビニ
ルピロリドン,エチレン−酢酸ビニル共重合体などのエ
チレン系樹脂、ポリアクリル酸,アクリル酸−アクリロ
ニトリル共重合体などのアクリル樹脂、酢酸ビニル−ア
クリル酸エステル共重合体,酢酸ビニル−脂肪酸ビニル
エチレン共重合体などの酢酸ビニル共重合樹脂、蛋白
質、天然ゴム類、グルコシド、セルロ−ス誘導体、ポリ
アミド樹脂、ロジン及びロジンエステル類、テルぺンフ
ェノール樹脂、アルキッド樹脂、スチレン樹脂、メラミ
ン樹脂などである。
【0027】 さらに、界面活性剤、防腐剤、防黴剤、
pH調整剤、消泡剤、紫外線吸収剤、粘度調整剤、表面
張力調整剤として、ポリオキシエチレン化合物の脂肪酸
エステル型,ポリエチレンオキサイド縮合型などのノニ
オン界面活性剤、高級脂肪酸塩、高級アルキルジカルボ
ン酸塩、高級アルコール硫酸エステル塩、高級アルキル
スルホン酸塩、高級脂肪酸とアミノ酸の縮合物、スルホ
琥珀酸エステル塩、ナフテン酸塩などのアニオン界面活
性剤、脂肪酸アミン塩、第4アンモニウム塩、スルホニ
ウム塩、ホスフォニウム塩などのカチオン界面活性剤、
ベタイン型などの両性界面活性剤など必要に応じて添加
してもよい。
【0028】 インクジェットプリンターでは、ベース
シート11上に鮮明な画像を形成するために、ホットメ
ルトインキまたはUV硬化性インキを用いてもよい。ホ
ットメルトインキは、常温では固体または高粘度液体で
あり、記録時は加熱によって溶融・低粘度化されること
になる。
【0029】 ホットメルトインキの溶剤として、パラ
フィンワックス、カルナパワックス、キャンデリラワッ
クス、木ロウ、ミツロウ、ラノリン、パラフィンフック
ス誘導体、マイクロクリスタリンワックス、α−オレフ
ィン無水マレイン酸共重合体ワックスなどのワックス類
を用いる。他の溶剤では、ステアリン酸,ミリスチン
酸,パルミチン酸などの脂肪酸類、ステアリルアルコ−
ル,ポリビニルエーテルなどの高級アルコール類、ソル
ビタンモノステアレートなどの多価アルコール脂肪酸エ
ステル類、ポリオレフィン樹脂類、エポキシ樹脂類、ポ
リアミド樹脂類、ポリエステル樹脂類、ウレタン樹脂類
などが例示できる。
【0030】 UV硬化性インキは、プレポリマー、モ
ノマー、光開始剤及び着色剤を主成分とする。プレポリ
マーとしては、ポリエステルアクリレート、ポリウレタ
ンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエーテル
アクリレート、オリゴアクリレート、アルキドアクリレ
ート、ポリオールアクリレート、シリコンアクリレート
などのプレポリマーのいずれかであればよい。
【0031】 好適なモノマーとして、スチレン,酢酸
ビニルなどのビニルモノマー、n−ヘキシルアクリレー
ト,フェノキシエチルアクリレートなどの単官能アクリ
ルモノマー,ジエチレングリコールジアクリレート,
1,6−ヘキサンジオールジアクリレート,ヒドロキシ
ピペリン酸エステルネオペンチルグリコールジアクリレ
ート,トリメチロールプロパントリアクリレート,ジペ
ンタエリストールヘキサアクリレートなどの多官能アク
リルモノマーが例示できる。これらのプレポリマーやモ
ノマーは、単独または2種以上混含して用いる。
【0032】 UV硬化性インキにおける光重合開始剤
は、イソブチルベンゾインエーテル、イソプロピルベン
ゾインエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾイ
ンメチルエーテル、1−フェニル−l,2−プロパジオ
ン−2−オキシム、2,2−ジメトキシ−2−フェニル
アセトフェノン、ベンジル、ヒドロキシシクロヘキシル
フェニルケトン、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒド
ロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オ
ン、ベンゾフェノン、クロロチオキサントン、2−クロ
ロチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2−
メチルチオキサントン、塩素置換ベンゾフェノン、ハロ
ゲン置換アルキル−アリルケトンなどであり、所定の硬
化特性、記録特性を得るために適宜選択して用いる。所
望に応じて、脂肪族アミン、芳香族アミンなどの光開始
助剤、チオキサンソンなどの光鋭感剤などを添加しても
よい。
【0033】 画像層13に関して、熱転写プリンター
(例えば、MD−5000、アルプス社製)で印刷する
場合には、該画像層は熱転写プリンター用のインキで形
成することになる。この熱転写プリンターに用いるイン
キの材料は、溶融型転写に用いる材料と、感熱昇華転写
に用いる材料とに大別できる。
【0034】 溶融型転写に用いるインキリボンは、イ
ンキ層、ベースフィルム、滑性層からなる。インキ層
は、基本的に着色剤、ワックス−熟可塑性樹脂バインダ
ー、柔軟剤、分散剤などの添加剤で構成し、その熱溶融
特性はインキ成分の60〜80%を占める樹脂バインダ
ーで決定する。この樹脂バインダーとして、ポリエステ
ル樹脂、ポリエチレン,ポリプロピレンなどのポリオレ
フイン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体,エチレン
−エチルアクリレート共重合体などのエチレン共重合樹
脂、塩化ビニル樹脂、メチルメタクリレ−ト−アクリル
酸共童合体などのアクリル樹脂、ポリアミド、ケトン樹
脂、各種セルロース誘導体、ポリウレタン、ポリスチレ
ン樹脂、ポリアセタール樹脂、エポキシ樹脂、フェノー
ル樹脂、ロジン、アルキッド樹脂などが例示できる。
【0035】 溶融型転写に際し、インキの溶融温度を
低下させるために、みつろうなどの動物性ワックス、カ
ルナバワックス,キャンデリラワックス,木ろうなどの
植物系ワックス、パラフィンワックス,マイクロクリス
タリンワックスなどの石油系ワックス、低分子量ポリエ
チレンなどの合成炭化水素類、炭素数21以上のn−パ
ラフィンなどのワックス化合物を添加してもよい。ま
た、着色剤には湿式トナーと同様の材料を用いることが
できる。
【0036】 感熱昇華転写について、インキリボン
は、熱拡散能の大きな染料をバインダーに混入したイン
キ薄膜をべースフィルムに塗布する。インキリボンは、
溶融型転写と同様に、インキ層、ベースフィルム、滑性
層からなる。
【0037】 このインキ層の染料として、分散染料、
油溶性染料、塩基性染料が好適である。これらの染料
は、通常、約150〜550程度の分子量を有し、昇華
または溶融温度、色相、耐光性、樹脂、現像剤中での溶
解性などを考慮して選択する。例えば、ジアリールメタ
ン系、トリアリールメタン系、チアゾール系、メチン
系、アゾメチン系、キサンチン系、オキサジン系、アゾ
およびアゾ系誘導体、アントラキノン誘導体、キノフタ
ロン誘導体、スピロジピラン系、インドリノスピロピラ
ン系、フルオラン系、ローダミンラクタム系などの染料
が好適である。
【0038】 前記の染料のほかに、例えぱ、モノメチ
ン系,ジメチン系,トリメチン系などのメチン(シアニ
ン)系塩基性染料、フェニルメタン系塩基性染料、トリ
フェニルレメタン系塩基性染料、キサンテン系塩基性染
料、アクリジン系塩基性染料、キノンイミン系塩基性染
料、第4級アミンを有するアントラキノン系塩基性染料
などの塩基性染料類が例示できる。これらの染料は、そ
のまままたはアルカリ処理した態様で用いても、その対
イオン交換体またはロイコ体を用いてもよい。常態では
無色または淡色であるロイコ染料などは、ベースシート
11や保護層12に顕色剤を含有させておく。
【0039】 これらの分散染料は、1成分のみで用い
ても、2成分以上を混合して用いてもよい。特に、混合
して溶融させた際に、どのような混合体を形成するかで
熱的挙動は異なり、これに伴って蒸気圧も組成比で特有
な変化をするので、融点が低下する場合、活性化エネル
ギーが小さくなって昇華感度が向上する。バインダー樹
脂は、塩化ビニル樹脂、ポリアミド、ポリカーボネー
ト、ポリスチレン、アクリル樹脂、フェノール樹脂、ポ
リエステル、エポキシ樹脂、ポリアセタール樹脂、セル
ロース樹脂などから適宜選択する。
【0040】 画像層13に関して、カラーのマグネッ
トグラフィ印刷機で形成する場合には、用いる磁性トナ
ーは、熱可塑性樹脂、磁性体、着色顔料などからなり、
この熱可塑性樹脂および着色顔料は電子写真用の乾式ト
ナーと同様である。所望に応じて、酸化スズなどの導電
性付与剤、ポリテトラフルレオロエチレンなどの滑剤、
ワックス、磁気凝集防止剤などを添加してもよい。この
磁性体は、主にFe34、γ−Fe23、各種のフェラ
イト、鉄粉などであり、同一組成でも粒子形状で磁気特
性が異なるため、プリンターの特性に合わせた組成と形
状の粒子を選択する。
【0041】 画像層13に関して、電気凝集印刷機
(例えば、エルコグラフィー、エルコーシ社製)によっ
て形成することも可能である。
【0042】 有色バックアップ層14は、画像層13
の平面形状よりも僅かに小さく、被転写体である繊維製
品の地色が透過しないように設け、その地色が濃色であ
れば、通常、白色インキで隠蔽力を増すと好ましい。バ
ックアップ層14は、画像層13の画像色の再現性を高
めるのが目的であるため、着色インキを用いることもあ
る。バックアップ層14は、画像層13の次に設け、塗
布またはスクリーン印刷で形成し、その厚みは通常5〜
30μmである。
【0043】 中間層15は、一般に、画像層13の平
面形状と同一であるかまたは僅かに大きいと好ましく、
必要ならば画像層13の平面形状よりも僅かに小さくて
もよい。中間層15は、画像層13の皮膜を補強し且つ
伸縮性を増加させるため、画像層13やバックアップ層
14の樹脂と親和性の高い樹脂からなるか、またはその
樹脂および充填材からなる。この充填材は、中間層15
の全体に対して10〜80重量%含有してもよい。中間
層15は、塗布またはスクリーン印刷で形成し、その厚
みは通常10〜30μmである。
【0044】 接着層16は、画像層13の平面形状と
実質的に等しく、すなわち同一またはその平面形状より
も僅かに大きいと好ましい。接着層16は、被転写体で
ある繊維製品の形状に応じて厚みを調整し、該繊維製品
の材質に応じて樹脂を変更し、この樹脂は転写時の加熱
温度で溶融または軟化することを要する。接着層16
は、塗布またはスクリーン印刷で形成し、通常、数回ス
クリーン印刷を行って比較的厚く設けると好ましく、そ
の厚みは通常10〜200μmである。
【0045】 バックアップ層14、中間層15および
接着層16に関して、用いる樹脂は、ポリスチレン,水
添スチレン樹脂,スチレン−イソプチレン共重合体.ス
チレン−ブタジエン共重合体,スチレン−ブタジエン−
塩素化パラフィン共重合体などのポリスチレン系樹脂、
ポリメチルメタクリレート,ポリエチルメタクリレー
ト,ポリブチルメタクリレート,ポリグルシジルメタク
リレート,メチルメタクリレート−ブチルメタクリレー
ト共重合体、エチルメタクリレート−アクリル酸共重合
体などのアクリル樹脂、スチレン−n−ブチルメタクリ
レート共重合体,スチレン−ジエチルアミノエチルメタ
クリレート共重合体,スチレン−メチルメタクリレート
共重合体,スチレン−グリシジルメタクリレート共重合
体,スチレン−メチルメタクリレート−n−ブチルアク
リレート共重合体,スチレン−メチルメタクリレート−
ブチルアクリレート−N−エトキシメチルアクリルアミ
ド共重合体,スチレン−n−ブチルメタクリレート−無
水マレイン酸共重合体,スチレン−n−ブチルメタクリ
レート−アクリル酸共重合体などのスチレン−(メタ)
アクリル酸エステル共重合樹脂、フマル酸/エーテル化
ジフェノール系ポリエステルなどのポリエステル樹脂、
エポキシ系樹脂、ポリウレタン系樹脂、シリコン系樹
脂、ブチラール樹脂、低分子量ポリエチレン,エチレン
−酢酸ビニル共重合体,低分子量ポリプロピレンなどの
ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリビニル
アルコール樹脂、ポリフッ化ビニリデンなどのフッ素樹
脂、テルぺン樹脂、イミド樹脂、ケトン樹脂、エチルセ
ルロース、ロジン、アルキッド樹脂などであり、ここか
ら適宜選択すると好ましい。
【0046】
【実施例】次に、本発明を実施例に基づいて説明する
が、本発明は実施例に限定されるものではない。
【0047】実施例1 熱転写ラベル1(図3)を製造するために、剥離性ベー
スシート11として、厚さ50μm、幅1020mm、
長さ1000mのロール状ポリエステルフィルム(東レ
製)を用い、該フィルムの表面にロールコータで公知の
離型剤を厚み約0.5μmで0.6g/m塗布する。
このポリエステルフィルムのロールをスリッタで幅50
0mmにスリットする。
【0048】 得た幅500mmのシートロールは、例
えば、静電電子写真印刷機(XEIKON DCP50
D、ザイコン社製)に送り込む。図2で概略を示すよう
に、シートロール22を静電電子写真印刷機20の給紙
部21にセットし、給紙部21においてシート23の調
湿を行い、該シートは印刷機20の内部を通過する。印
刷機20では、裏表と色別に8個のドラム24を有し、
本実施例では表面印刷であるので4個のドラム24を使
用する。各ドラム24はアルミ製であり、周面に薄膜の
OPC(有機感光体)を塗布している。
【0049】 各ドラム24は、均一に帯電された後
に、該ドラム上に潜像を生成するプリンタヘッドとして
LEDアレイで描画する。LEDアレイは光源であり、
1インチ当たり600個を配列している。得た潜像は、
平均粒径が7.5μmの乾式トナーによって実像化す
る。このトナーは、磁性を有するキャリア粒子(フェラ
イト)と混合されて帯電している。シート23には、各
ドラム24を通過することにより、多色の画像が付着す
る。
【0050】 シート23上に付着した画像は、次にニ
ップローラ対26、ヒートランプ27さらにニップロー
ラ対28を通過することにより、初めの圧着でシート2
3と融合し、ついでその定着面をなめし再定着して、よ
り光沢を持った画像を再現する。この2段階定着方式に
よって、ポリエステルフィルムのシート23への高品質
印刷が可能となり、美麗な画像層13を形成する。最後
に、カッタ29によって、定着した図柄ごとに切断し、
長さ600mmのベースシート11を得る。
【0051】 有色バックアップ層14のために、15
0メッシュのスクリーン版に画像層13の図柄の周縁よ
り0.3mm縮小した版像を形成し、このスクリーン版
でバックアップ層14を印刷する。バックアップ層14
は白色であり、被転写体の地色を隠蔽するために設け
る。2回印刷した後のバックアップ層14の厚みは16
μmである。
【0052】 中間層15のために、100メッシュの
スクリーン版に画像層13の図柄の周縁より0.2mm
拡大した版像を形成し、このスクリーン版で中間層15
を印刷する。中間層15は、画像層13の皮膜を補強す
るために設ける。得た中間層15の厚みは16μmであ
る。
【0053】 最後に、接着層16のために、70メッ
シュのスクリーン版に画像層13の図柄の周縁より0.
4mm拡大した版像を形成し、このスクリーン版で接着
層16を印刷する。接着層16には、綿布と接着しやす
い樹脂を用いる。2回印刷した後の接着層16の厚みは
約32μmである。
【0054】 完成した転写ラベル10を裏返し、図3
のように黒色の綿布30に画像層13などを転写する。
この転写条件は、熱転写機(商品名:T−80型トラン
ステイター、ジャパンポリマーク社製)において、温度
を160℃、転写圧力を98kPa(1kg/c
)、転写時間を10秒に設定する。この加熱転写の
結果、黒色の綿布30に鮮明で多色の図柄を形成する。
【0055】 図柄を転写した黒色の綿布30は、電気
洗濯機(商品名:三菱洗濯機CW−C30A1−H)に
よって、JIS L0217 103に規定の方法に準じ
て繰り返し10回洗濯する。この洗濯の結果、綿布30
の転写図柄には脱落や変色などの損耗が生じず、鮮明で
多色の画像が保持されている。
【0056】実施例2 熱転写ラベルを製造するために、剥離性ベースシート1
1として、厚さ100μmのポリエステルフィルム(東
レ製)を用い、これを縦470mm、横320mmに裁
断する。300メッシュのスクリーン版に縦460m
m、横310mmのベタ版を取り付け、このスクリーン
版によって公知の離型剤をベースシート11の表面にス
クリーン印刷する。得た離型層の厚みは約3μmであ
る。
【0057】 保護層12のために、225メッシュの
スクリーン版に画像層13の図柄の周縁より0.2mm
拡大した版像を形成し、このスクリーン版で保護層12
を印刷する。透明の保護層12は、画像層13を物理的
・化学的影響から保護するために設ける。得た保護層1
2の厚みは約5μmである。
【0058】 保護層12を設けたベースシート11
は、例えば、枚葉処理の静電電子写真印刷機(XEIK
ON CSP320D)に送り込む。実質的に実施例1
と同様に印刷することにより、ベースシート11への高
品質印刷ができ、美麗な画像層13を形成する。
【0059】 有色バックアップ層14のために、15
0メッシュのスクリーン版に画像層13の図柄の周縁よ
り0.3mm縮小した版像を形成し、このスクリーン版
でバックアップ層14を印刷する。バックアップ層14
は白色であり、被転写体の地色を隠蔽するために設け
る。2回印刷した後のバックアップ層14の厚みは16
μmである。
【0060】 中間層15のために、100メッシュの
スクリーン版に画像層13の図柄の周縁より0.2mm
拡大した版像を形成し、このスクリーン版で中間層15
を印刷する。中間層15は、画像層13の皮膜を補強す
るために設ける。得た中間層15の厚みは16μmであ
る。
【0061】 最後に、接着層16のために、70メッ
シュのスクリーン版に画像層13の図柄の周縁より0.
4mm拡大した版像を形成し、このスクリーン版で接着
層16を印刷する。接着層16には、ポリエステル−綿
の混紡布と接着しやすい樹脂を用いる。2回印刷した後
の接着層16の厚みは約80μmである。
【0062】 完成した転写ラベル10を裏返し、図3
のように黒色のポリエステル−綿の混紡布30に画像層
13などを転写する。この転写条件は、熱転写機(商品
名:T−80型トランステイター)において、温度を1
70℃、転写圧力を196kPa(2kg/cm)、
転写時間を10秒に設定する。この加熱転写の結果、ポ
リエステル−綿の混紡布30に鮮明で多色の画像を形成
する。
【0063】 図柄を転写した黒色のポリエステル−綿
の混紡布30は、電気洗濯機(商品名:三菱洗濯機CW
−C30A1−H)によって、JIS L0217 10
3に規定の方法に準じて繰り返し10回洗濯する。この
洗濯の結果、混紡布30の転写図柄には脱落や変色など
の損耗が生じず、鮮明で多色の画像が保持されている。
【0064】実施例3 熱転写ラベル1を製造するために、剥離性ベースシート
11として、厚さ50μm、幅1020mm、長さ10
00mのロール状ポリエステルフィルム(東レ製)を用
い、該フィルムの表面にロールコータで公知の離型剤を
厚み約0.5μmで0.6g/m塗布する。このポリ
エステルフィルムのロールをスリッタで幅500mmに
スリットする。
【0065】 得た幅500mmのシートロールは、イ
ンクジェットプリンター(マックスアートPM−700
0C、エプソン社製)に送り込む。このシートロール
は、油性インキを用いて6色ヘッド×64ノズルのイン
クジェットプリンターで双方向印刷され、その画像の画
質は1440dpi×720dpiである。最後に、カ
ッタによって、定着した図柄ごとに切断し、長さ600
mmのベースシート11を得る。
【0066】 以下、実施例1と同様に積層処理して転
写ラベル10を製造する。この転写ラベル10につい
て、実施例1と同様の洗濯試験を行い、実施例1と同様
の試験結果を得た。
【0067】実施例4 熱転写ラベルを製造するために、剥離性ベースシート1
1として、厚さ100μmのポリエステルフィルム(東
レ製)を用い、これを縦470mm、横320mmに裁
断する。ベースシート11の表面には、実施例2と同様
に離型層さらに保護層12を設ける。
【0068】 ベースシート11は、インクジェットプ
リンター(マックスアートPM−7000C、エプソン
社製)に送り込む。このベースシート11シートロール
は、油性インキを用いて6色ヘッド×64ノズルのイン
クジェットプリンターで双方向印刷され、その画像の画
質は1440dpi×720dpiである。
【0069】 以下、実施例2と同様に積層処理して転
写ラベルを製造する。この転写ラベルについて、実施例
1と同様の洗濯試験を行い、実施例2と同様の試験結果
を得た。
【0070】実施例5 熱転写ラベル1を製造するために、実施例1と同様に離
型剤を塗布し、ポリエステルフィルムのロールをスリッ
タで幅500mmにスリットする。実施例1と同様に画
像層13を形成し、シートロールのまま静電電子写真印
刷機20から送り出す。次に、有色バックアップ層1
4、中間層15および接着層16は、モノクロのマグネ
ットグラフィ印刷機によって連続的に形成する。
【0071】 有色バックアップ層14用のマグネット
グラフィ印刷機は、磁性トナーとして所定の熱可塑性樹
脂、磁性体および白色顔料を用いる。この印刷機では、
画像層13の図柄の周縁より0.3mm縮小したベタ画
像を形成し、シートロールを通してバックアップ層14
を印刷する。
【0072】 中間層15用のマグネットグラフィ印刷
機は、磁性トナーとして所定の熱可塑性樹脂および磁性
体を用いる。この印刷機では、画像層13の図柄の周縁
より0.2mm拡大したベタ画像を形成し、シートロー
ルを通して中間層15を印刷する。
【0073】 最後に、接着層16用のマグネットグラ
フィ印刷機は、磁性トナーとして綿布と接着しやすい熱
可塑性樹脂および磁性体を用いる。この印刷機では、画
像層13の図柄の周縁より0.4mm拡大したベタ画像
を形成し、シートロールを通して接着層16を印刷す
る。1回の印刷では厚みが不足ならば、1台の印刷機で
繰り返し印刷するかまたは2台の印刷機によって連続重
ね印刷すればよい。積層処理が完了した後に、シートロ
ールを長さ600mmごとに切断してベースシート11
を得る。
【0074】実施例6 熱転写ラベル1を製造するために、実施例1と同様のロ
ール状ポリエステルフィルム(東レ製)を用い、該フィ
ルムの表面にロールコータで公知の離型剤を厚み約0.
5μmで0.6g/m塗布する。このポリエステルフ
ィルムのロールをスリッタで幅500mmにスリットす
る。保護層12は、フィルムの表面にロールコータで厚
み約5μmで連続的に塗布する。次に、実施例1と同様
に画像層13を形成し、シートロールのまま静電電子写
真印刷機20から送り出す。
【0075】 有色バックアップ層14は、画像層13
を形成したフィルム表面に、ロールコータで厚み16μ
mで連続的に塗布する。中間層15は、バックアップ層
14を形成したフィルム表面に、ロールコータで厚み1
6μmで連続的に塗布する。最後に、接着層16は、中
間層15を形成したフィルム表面に、ロールコータで厚
み約80μmで連続的に塗布する。
【0076】 積層処理が完了したシートロールは、ト
ムソンカッタによって画像層13の図柄と対応する平面
形状に打ち抜いていく。得た熱転写ラベルについて、図
柄部分をハーフカットすることにより、ベースシート1
1だけを大きく打ち抜くことも可能である。
【0077】
【発明の効果】本発明に係る熱転写ラベルは、ベースシ
ートの表面に、オンデマンド方式によって印刷された図
柄を有する画像層を有し、この画像層は型版を用いずに
デジタル印刷法によって形成する。本発明の熱転写ラベ
ルは、従来のスクリーン印刷法やグラビア印刷法などに
よる製造手段と比べて、複雑な型版を作製する時間、手
間およびコストが全く掛からないことから、多色で美麗
な図柄であっても熱転写ラベルを短納期且つ廉価に販売
することが可能である。
【0078】 本発明の熱転写ラベルは、市販の加熱転
写機を用いて繊維製品への転写を行うことにより、柔軟
な繊維製品において迅速且つ容易に多色の図柄を得るこ
とができる。したがって、本発明の熱転写ラベルは、繊
維製品における少ロット生産および多品種化の流れに対
応し、ユーザーの要望に即応できる個性的な繊維製品を
提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る熱転写ラベルを概略的に示す拡
大断面図である。
【図2】 本発明で用いる静電電子写真印刷機の一例を
示す概略断面図である。
【図3】 本発明の熱転写ラベルを繊維製品に転写する
状態を概略的に示す拡大断面図である。
【符号の説明】
10 熱転写ラベル 11 ベースシート 12 保護層 13 画像層 14 有色バックアップ層 15 中間層 16 接着層

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面に離型層を設けたベースシート上
    に、型版を用いないデジタル印刷法によって逆向きに印
    刷した多色の画像層と、画像層の平面形状と実質的に等
    しく且つ転写温度で溶融・軟化する比較的肉厚の接着層
    とを積層し、この画像層および接着層はいずれも柔軟性
    を有し、裏返したラベル本体を繊維製品の所定個所と接
    触させて加熱・加圧する繊維製品用の熱転写ラベル。
  2. 【請求項2】 表面に離型層を設けたベースシート上
    に、透明または半透明である保護層と、型版を用いない
    デジタル印刷法によって逆向きに印刷した多色の画像層
    と、画像層の平面形状と実質的に等しく且つ転写温度で
    溶融・軟化する比較的肉厚の接着層とを積層し、この保
    護層、画像層および接着層はいずれも柔軟性を有し、裏
    返したラベル本体を繊維製品の所定個所と接触させて加
    熱・加圧する繊維製品用の熱転写ラベル。
  3. 【請求項3】 表面に離型層を設けたベースシート上
    に、型版を用いないデジタル印刷法によって逆向きに印
    刷した多色の画像層と、該画像層の皮膜を補強し且つ伸
    縮性を増加させる中間層と、画像層の平面形状と実質的
    に等しく且つ転写温度で溶融・軟化する比較的肉厚の接
    着層とを積層し、この画像層、中間層および接着層はい
    ずれも柔軟性を有し、裏返したラベル本体を繊維製品の
    所定個所と接触させて加熱・加圧する繊維製品用の熱転
    写ラベル。
  4. 【請求項4】 表面に離型層を設けたベースシート上
    に、透明または半透明である保護層と、型版を用いない
    デジタル印刷法によって逆向きに印刷した多色の画像層
    と、該多色の画像層の皮膜を補強し且つ伸縮性を増加さ
    せる中間層と、画像層の平面形状と実質的に等しく且つ
    転写温度で溶融・軟化する比較的肉厚の接着層とを積層
    し、この保護層、画像層、中間層および接着層はいずれ
    も柔軟性を有し、裏返したラベル本体を繊維製品の所定
    個所と接触させて加熱・加圧する繊維製品用の熱転写ラ
    ベル。
  5. 【請求項5】 型版を用いないデジタル印刷法によって
    逆向きに印刷した多色の画像層の次に、画像色の再現性
    を高める有色バックアップ層を設ける請求項1から4の
    いずれかに記載の熱転写ラベル。
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