JP2002019306A - 熱転写受容シート - Google Patents

熱転写受容シート

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JP2002019306A
JP2002019306A JP2000206539A JP2000206539A JP2002019306A JP 2002019306 A JP2002019306 A JP 2002019306A JP 2000206539 A JP2000206539 A JP 2000206539A JP 2000206539 A JP2000206539 A JP 2000206539A JP 2002019306 A JP2002019306 A JP 2002019306A
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dye
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JP2000206539A
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Toshikazu Onishi
俊和 大西
Mitsuru Tsunoda
充 角田
Yoshihiro Shimizu
良浩 清水
Shigeo Hayashi
滋雄 林
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 染料熱転写プリンターに適し、製造工程の受
容層熱処理でブロッキングを生じることなく、かつ記録
画像の耐光性に優れた受容シートを提供しようとするも
のである。 【解決手段】 受容層が、脂環族ジカルボン酸化合物を
40モル%以上含むジカルボン酸成分と、ビスフェノー
ルA骨格を有するジオール化合物を15モル%以上含む
ジオール成分との重縮合反応によって生成したポリエス
テル樹脂を染料受容性樹脂として含有し、更に、架橋剤
として水添化キシリレンジイソシアネート変性体を含有
することを特徴とする熱転写受容シート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は熱転写受容シート
(以下、単に受容シートと記す)に関するものである。
更に詳しく述べるならば、受容層の熱処理工程において
ブロッキングを生じることなく、かつ記録画像の耐光性
に優れた受容シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】染料熱転写プリンターは、染料インクシ
ートに、受容シートの染料染着性を有する熱可塑性樹脂
を含む受容層を重ね合わせ、サーマルヘッドなどから供
給される熱により、染料を受容層上に転写して画像を形
成する可能であり、且つ高画質な画像記録が得られるこ
となどから銀塩写真との置き換えが進みつつある。
【0003】しかし、一般に染料熱転写方式で得られた
染料画像は、保存中、特に光による退色を受ける。これ
は使用される染料や熱可塑性樹脂が、太陽光等に含まれ
る紫外線(290〜400nm)の影響を受け劣化が進
むためと考えられる。熱可塑性樹脂として、一般に使用
されているポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリ
カーボネート樹脂等を用いた場合、特に画像の退色が著
しい。また、ポリオレフィンのような炭化水素系ポリマ
ーにおいても染料自体の光分解ばかりでなく、残存する
不純物やフリーラジカル等が光増感物質として作用する
可能性もあり、光劣化が進行すると考えられている。
【0004】上記保存性の改善のために、受容層中に、
紫外線吸収剤、消光剤、光安定化剤、酸化防止剤、可塑
剤等の助剤を配合する方法が種々提案されている。しか
しながら、例えば助剤により画像の保存性が向上したと
しても、一方で、受容層の熱処理工程でブロッキングを
生じたり、画像をプリントする際に低エネルギー領域で
十分に低い印画濃度を得られない、いわゆる「かぶり」
の現象が生じる等の問題もあった。また、画像記録後に
オーバーラミ層を転写して退色を抑制する方式も提案さ
れているが、プリント時間が長くなり、且つプリントの
ランニングコストも上昇してしまう。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、サーマルプ
リンター、特に染料熱転写プリンターに適し、製造工程
の受容層熱処理でブロッキングを生じることなく、かつ
記録画像の耐光性に優れた受容シートを提供しようとす
るものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は鋭意研究の
結果、受容層の染料染着性樹脂として特定の熱可塑性ポ
リエステル樹脂を用い、架橋剤として水添化キシリレン
ジイソシアネート変性体(以下水添化XDI変性体と称
する)を添加することにより、受容層の熱処理工程にお
いてブロッキングがなく、かつ画像の耐光性が極めて向
上することを見出して発明を完成するに至った。
【0007】本発明の熱転写シートは、シート状支持体
と、この支持体の少なくとも1面上に染料受容層を有す
る熱転写受容シートにおいて、受容層が、脂環族ジカル
ボン酸化合物を40モル%以上含むジカルボン酸成分
と、ビスフェノールA骨格を有するジオール化合物を1
5モル%以上含むジオール成分との重縮合反応によって
生成したポリエステル樹脂を染料受容性樹脂として含
み、更に、架橋剤として水添化XDI変性体を含むこと
を特徴とする熱転写受容シートである。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明において、染料染着性のポ
リエステル樹脂としては、脂環族ジカルボン酸化合物を
40モル%以上含むジカルボン酸成分と、ビスフェノー
ルA骨格を有するジオール化合物を15モル%以上含む
ジオール成分との重縮合反応によって生成したポリエス
テル樹脂が使用される。脂環族ジカルボン酸化合物とし
ては、シクロヘキサンジカルボン酸類〔化1〕、デカヒ
ドロナフタレンジカルボン酸類〔化2〕、およびこれら
のエステル化合物、酸ハロゲン化物などが挙げられる
が、本発明はこれら具体例に限定されるものではない。
脂環族ジカルボン酸化合物の含有量は、ジカルボン酸成
分中に40モル%以上必要であり、好ましくは50モル
%以上である。
【0009】
【化1】
【0010】(式中、Rは水素原子又は炭素数1〜4の
アルキル基、アルキレン基を表す。)
【0011】
【化2】
【0012】(式中、R1及びR2は互いに独立に、水素
原子、炭素数1〜4のアルキル基またはアルキレン基を
表す。)
【0013】その他のジカルボン酸成分としては、コハ
ク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカ
ジオン酸、ダイマー酸等の脂肪族ジカルボン酸類、テレ
フタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、2,6−ナ
フタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸類等を併
用することができる。また、カルボン酸成分には、少量
の多官能性カルボン酸が含まれてもよく、例えば、トリ
メット酸、ピロメット酸等の芳香族カルボン酸類、ブタ
ンテトラカルボン酸等の脂肪族ポリカルボン類を用いる
ことができる。
【0014】ビスフェノールA骨格を有するジオール化
合物としては、ビスフェノールA、ビスフェノールAの
エチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピ
レンオキサイド付加物等が挙げられ、ビスフェノールA
のエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロ
ピレンオキサイド付加物が好ましい。これらの含有量
は、ジオール成分中に15モル%以上必要であり、30
モル%以上が好ましい。
【0015】他のジオール化合物としては、一般の脂肪
族グリコール類、芳香族グリコール類、脂環族グリコー
ル類等が用いられ、例えばエチレングリコール、プロピ
レングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−
ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−
ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレ
ングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノールネ
オペンチルグリコール、及び前述のビスフェノールA骨
格を有するジオール化合物等から選択することができ
る。
【0016】特に限定するわけではないが、本発明のポ
リエステル樹脂の数平均分子量は3,000〜100,
000程度が好ましく、より好ましくは5,000〜5
0,000である。また、これらのポリエステル樹脂の
ガラス転移温度Tgは45〜120℃程度が好ましく、
より好ましくはTgは50〜90℃である。
【0017】従来、一般的に受容層中の熱可塑性樹脂と
併用される架橋剤としては、2,4−トリレンジイソシ
アネート(2,4−TDI)、2,6−TDI、ジフェ
ニルメタン−4,4'−ジイソシアネート(MDI)、
キシリレンジイソシアネート(XDI)、1,5−ナフ
タレンジイソシアネート(NDI)、トリジンジイソシ
アネート(TODI)等の芳香族系イソシアネート、ヘ
キサメチレンジイソシアネート(HDI)等の脂肪族イ
ソシアネート、などの変性体である、アダクト体、ビウ
レット体、トリマ体が一般に用いられている。
【0018】これら架橋剤は、受容層塗工乾燥時の熱
や、塗工後の熱処理工程において、熱可塑性樹脂や剥離
剤等の官能基と反応して3次元架橋し、プリント時の融
着を回避する役目を果たす。塗工後の熱処理工程におけ
るブロッキングを軽減するためには、反応速度の速い芳
香族系イソシアネート変性体が好ましいが、芳香族系イ
ソシアネートで架橋させた樹脂は耐光性が悪いという弱
点がある。一方脂肪族系イソシアネート変性体を用いる
と、架橋させた樹脂は耐光性が良好であるが、イソシア
ネート反応性がおとるため、塗工乾燥時に架橋反応が進
まず、熱処理工程時にブロッキングが発生する。
【0019】本発明において、架橋剤として用いられる
水添化XDI変性体は芳香族系イソシアネートであるX
DIを水添化したものを、アダクト体、ビウレット体、
トリマ体のいずれかに変性したものであり、芳香族系の
反応速度と脂肪族系の耐光性が両立されたイソシアネー
ト変性体である。水添化XDI変性体を使用することに
より、塗工乾燥時の熱で架橋反応が進み、熱処理工程後
には耐光性の強い受容層を得る事ができる。架橋剤とし
ては水添化XDIのアダクト体、ビウレット体、イソシ
アヌレート体のいずれか、もしくは組み合わせて使用が
可能であり、また、ブロッキング、耐光性を著しく損な
わない範囲で他のイソシアネート変性体を併用すること
も可能である。一般に熱可塑性樹脂100重量部に対し
1〜50重量部のイソシアネート変性体が配合される。
【0020】受容層においては、本発明の効果を損なわ
ない範囲で、一般に用いられている下記の如き熱可塑性
樹脂を併用することも勿論可能である。例えばポリビニ
ルホルマール、ポリビニルブチラール等のポリアセター
ル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビ
ニル、ポリスチレン、スチレン−アクリルニトリル共重
合体、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、
ポリプロピレン、ポリメチルメタクリレート、MMA−
スチレン共重合体、ポリアミド、エチルセルロース、酢
酸セルロース、プロピルセルロース、酢酸・酪酸セルロ
ース、硝酸セルロース、ポリカーボネート、フェノキ
シ、ポリウレタン等の各種樹脂を単独、もしくは併用す
ることも可能である。
【0021】また、受容層には公知のヒンダードアミン
系光安定化剤、紫外線吸収剤を受容シートの特性を阻害
しない程度に配合することができる。ヒンダードアミン
系光安定化剤(HALS)は、例えば、下記〔化3〕に
示すような2,2,6,6−テトラメチルピペリジン骨
格を含む化合物であり、この骨格を有するものであれば
よく、特に限定されるものではない。
【0022】
【化3】 (ここでR3はアルキル基を示す)
【0023】具体的には、Sanol TS−770,
LS−2626,LS−765(以上三共製)、TIN
UVIN 144,622,111FD,123,29
2,Chimasorb 944(以上チバスペシャリ
ティケミカルズ製)、Mark LA−57,LA−8
7,LA−82,LA−63,LA68LD,LA−6
2,LA−67(以上旭電化製)、Cyasorb U
V−3346(ACC製)、Sumisorb TM−
061,577(以上住友化学製)等が上市されてい
る。勿論ヒンダードアミン系光安定化剤はこれらに限定
されるものではなく、また、2種以上のヒンダードアミ
ン系光安定化剤を併用することもできる。
【0024】紫外線吸収剤は、例えば、ベンゾトリアゾ
ール系紫外線吸収剤の具体例として2−(5−メチル−
2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール(TIN
UVIN P:チバスペシャリティーケミカルズ社
製)、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−
ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾ
ール(TINUVIN 234:チバスペシャリティー
ケミカルズ社製)、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2
−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール(TINU
VIN 320:チバスペシャリティーケミカルズ社
製)、2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロ
キシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール(TI
NUVIN 326:チバスペシャリティーケミカルズ
社製)、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキ
シフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール(TIN
UVIN 327:チバスペシャリティーケミカルズ社
製)、2−(3,5−ジ−t−アミルー2−ヒドロキシ
フェニル)ベンゾトリアゾール(TINUVIN 32
8:チバスペシャリティーケミカルズ社製)、2−
(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベ
ンゾトリアゾール(TINUVIN 329:チバスペ
シャリティーケミカルズ社製)などが挙げられる。
【0025】トリアジン系紫外線吸収剤の具体例として
2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−ト゛デシルオキシプ
ロピル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6
−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−ト
リアジン、2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−トリデ
シルオキシプロピル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニ
ル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−
1,3,5−トリアジン(TINUVIN 400:チ
バスペシャリティーケミカルズ社製)、2−(4,6−
ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5
−[(ヘキシル)オキシ]−フェノール(TINUVI
N 1577:チバスペシャリティーケミカルズ社製)
など、蓚酸アニリド系紫外線吸収剤の具体例として2−
エトキシ−2’−エチル−オキサリック酸ビスアニリド
(TINUVIN 321:チバスペシャリティーケミ
カルズ社製)など、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤の具
体例として2−ヒドロキシ−4−n−オクチルオキシベ
ンゾフェノン(CHIMASSORB 81:チバスペ
シャリティーケミカルズ社製)などがそれぞれ挙げられ
るが、勿論これらに限定するものではない。これらの使
用量は、受容層中に1〜20重量%程度が好ましく、2
〜10重量%がより好ましい。
【0026】また、受容層には、シリコーンオイルなど
の融着防止剤も配合でき、蛍光染料、消光剤、酸化防止
剤などを適宜添加することも可能である。なお受容層の
塗工量は0.1〜20.0g/m2の範囲が好ましい。
【0027】受容シートの支持体としては、上質紙、コ
ート紙、アート紙などの紙類、合成紙類、プラスチック
フィルム類、或いはこれらを適宜積層した積層基材など
公知の支持体が使用できる。積層基材としては、基材表
層(受容層を形成する側)には、特に限定されるもので
はないが、印画された画質の均一性や階調性の点から、
ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポ
リエチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリア
ミド、ポリ塩化ビニル、ポリスチレンなどを主成分とし
た延伸フィルムや、ポリオレフィンなどの熱可塑性樹脂
を主成分とする多層構造フィルムが用いられる。
【0028】また、積層基材の芯材層としては、熱収縮
性の小さいシートが好ましく、セルロースパルプを主成
分とする紙、コート紙、アート紙、キャスト塗被紙、少
なくとも一方に熱可塑性樹脂層を設けたラミネート紙
等、または、合成樹脂を主成分とするポリエステル、ポ
リアミド、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリカーボ
ネート、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル等のフ
ィルム、または、シートが用いられる。積層基材の基材
裏層(受容層を形成しない面)は、基材表層と同様の材
質のフィルムが適宜使用できる。
【0029】積層基材の積層方法としては、特に限定さ
れるものではないが、ウェットラミネート、エキストル
ージョンラミネート、ドライラミネート、ワックスラミ
ネート等の公知の技術が用いられてもよく、一般にドラ
イラミネート法が用いられる。ドライラミネート接着剤
としてはポリエーテル系、ポリエステル系などの接着剤
を用いることができる。また、本発明で得られる積層基
材は、20〜300μmの厚さを有することが好まし
い。
【0030】本発明の受容シートにおいて、受容層に対
し反対の面(裏面)上に、走行性向上、静電気の防止、
受容シート相互の擦れによる受像層の損傷防止、さらに
はプリントした受容シートを重ねおきしたとき、受容層
からそれに接触隣接する受容シート裏面への染料移行の
防止などを目的として背面被覆層が形成されていてもよ
い。背面被覆層には、接着剤として有効な樹脂が含ま
れ、この樹脂は、受容シートの走行性、受容層面の傷つ
き防止の為にも有効なものである。このような樹脂とし
ては、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹
脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂、ウレタン樹脂、
メラミン樹脂等、並びにこれらの樹脂の反応架橋物を用
いることができる。
【0031】また背面被覆層には帯電防止処理のために
各種の導電剤を添加することができる。この導電剤とし
ては、カチオン系ポリマーを用いることが好ましい。カ
チオン系ポリマーとしては、一般的にポリエチレンイミ
ン、カチオン性モノマーを含むアクリル系重合体、カチ
オン変性アクリルアミド系重合体およびカチオン澱粉等
を用いることができる。背面被覆層の塗工量は、0.3
〜10.0g/m2の範囲内が好ましい。
【0032】これら各塗工層は、ブレードコーター、エ
アーナイフコーター、ゲートロールコーターなどのコー
ターを用いて塗工、乾燥して形成することができる。
【0033】なお、本発明の受容シートは、裏面に粘着
加工を施してシール、ポスターなどの用途に、裏面に磁
気記録層を設けて磁気カードなどの用途に、或いはIC
チップを内臓した支持体と積層することによってICカ
ードなどの用途に、などさまざまな用途に使用できる。
【0034】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に
説明するが、勿論本発明はこれによって限定されるもの
ではない。尚、実施例中の「部」および「%」は、すべ
て「重量部」および「重量%」を示す。また、製造例で
はモル%で示す。
【0035】「ポリエステル樹脂の製造」製造例1(ポリエステル樹脂A) 下記のカルボン酸成分とグリコール成分との混合物に、
微量のテトラ−n−ブチルチタネートを触媒として添加
し、この反応物を窒素気流中で加熱して、徐々に220
℃まで昇温し、この温度で2時間保持し、更に0.2m
mHg以下の真空条件下で、260℃の温度において2
時間重縮合反応させながら、未反応のグリコール成分を
除去して、ポリエステル樹脂Aを製造した。 (カルボン酸成分) ・1,4−シクロヘキサンジカルボン酸 85モル% ・コハク酸 15モル% (グリコール成分) ・ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物 70モル% ・ネオペンチルグリコール 10モル% ・エチレングリコール 20モル%
【0036】製造例2(ポリエステル樹脂B) 下記のカルボン酸成分とグリコール成分との混合物を用
いた以外は製造例1と同様にして、ポリエステル樹脂B
を製造した。 (カルボン酸成分) ・1,4−シクロヘキサンジカルボン酸 50モル% ・コハク酸 50モル% (グリコール成分) ・ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物 80モル% ・ネオペンチルグリコール 10モル% ・エチレングリコール 10モル%
【0037】製造例3(ポリエステル樹脂C) 下記のカルボン酸成分とグリコール成分との混合物を用
いた以外は製造例1と同様にして、ポリエステル樹脂C
を製造した。 (カルボン酸成分) ・2,6−デカヒドロナフタレンジカルボン酸 55モル% ・コハク酸 45モル% (グリコール成分) ・ビスフェノールA 25モル% ・水添型ビスフェノールA 55モル% ・エチレングリコール 20モル%
【0038】製造例4(ポリエステル樹脂D) 下記のカルボン酸成分とグリコール成分との混合物を用
いた以外は製造例1と同様にして、ポリエステル樹脂B
を製造した。 (カルボン酸成分) ・テレフタル酸 40モル% ・イソフタル酸 60モル% (グリコール成分) ・ビスフェノールA 60モル% ・ネオペンチルグリコール 10モル% ・エチレングリコール 30モル%
【0039】<実施例1>厚さ100μmの上質紙の両
面に、2軸延伸されたポリプロピレンを主成分とする多
層構造フィルム(商標:ユポFPG50、王子油化合成
紙製)をドライラミネート方式で積層し、これを基材と
した。さらにこの基材の一方に下記受容層用塗液を、固
形分塗工量が5g/m2となるように塗工、乾燥(12
0℃、1分間)して受容層を形成し、熱転写受容シート
を作成した。 受容層用塗料: ポリエステル樹脂A 100部 シリコーンオイル(商標:KF393、信越シリコン社製) 3部 水添XDIアダクト体(商標:タケネートD−120N、 武田薬品社製) 5部 ヒンダードアミン系光安定化剤(商標:アデカスタブLA−63、 旭電化工業社製:分子量2000) 3部 トルエン 300部
【0040】<実施例2>受容層用塗料の配合におい
て、ポリエステル樹脂Aをポリエステル樹脂Bに変えた
以外は、実施例1と同様にして、受容シートを作成し
た。
【0041】<実施例3>受容層用塗料の配合におい
て、ポリエステルAをポリエステル樹脂Cに変えた以外
は、実施例1と同様にして、受容シートを作成した。
【0042】<実施例4>受容層用塗料の配合におい
て、水添XDIアダクト体(商標:タケネートD−12
0N、武田薬品社製)を水添XDIトリマー体(商標:
タケネートD−127N)に変えた以外は、実施例1と
同様にして、受容シートを作成した。
【0043】<比較例1>実施例1の受容層用塗料にお
いて、水添XDIアダクト体(商標:タケネートD−1
20N、武田薬品社製)をTDIアダクト体(商標:タ
ケネートD−103、武田薬品社製)に変えた以外は実
施例1と同様にして受容シートを作成した。
【0044】<比較例2>実施例1の受容層用塗料にお
いて、水添XDIアダクト体(商標:タケネートD−1
20N、武田薬品社製)をXDIアダクト体(商標:タ
ケネートD−110N)に変更した以外は実施例1と同
様にして受容シートを作成した。
【0045】<比較例3>実施例1の受容層用塗料にお
いて、水添XDIアダクト体(商標:タケネートD−1
20N、武田薬品社製)をHDIアダクト体(商標:タ
ケネートD−127N)に変更した以外は実施例1と同
様にして受容シートを作成した。
【0046】<比較例4>実施例1の受容層用塗料にお
いてポリエステル樹脂Aを、ポリエステル樹脂Dに変更
した以外は実施例1と同様にして受容シートを作成し
た。
【0047】評価 上記各実施例および比較例で得られた受容シートについ
て、それぞれ下記の方法により評価を行い、それらの結
果を表1に示す。
【0048】〔ブロッキング評価〕塗工後120℃で1
分間乾燥して得られた直後の受容シートを、50℃の温
度下で該受容シートの受容層面に上質紙を100gf/
cm2の圧力で押しつけて、48時間後ブロッキングを
評価した。
【0049】〔耐光性評価〕得られた受容シートを熱転
写ビデオプリンター(商標:XLS−8300、コダッ
ク社製)を用い印加エネルギーを調整し、OD=1.0
の黒ベタを印画した。この印画済みシートを耐光性試験
機(商標:アトラスフェードメーター)にて72時間処
理し、処理後の黒ベタODを測定し、下記式に従い、画
像の残存率を計算した。この強制試験において残存率が
60%以上の残存率であれば、実用上問題のない耐光性
レベルである。 画像残存率(%)=処理後OD/処理前OD×100
【0050】
【表1】
【0051】表1の実施例に示すように、受容層樹脂と
して特定のポリエステル系樹脂を用い、架橋剤として水
添XDIを使用するとブロッキング、耐光性の何れも良
好となることがわかる。一方受容層にXDI変性体、T
DI変性体を使用した比較例1,2では、ブロッキング
は良好だが、耐光性が劣る。またHDI変性体を使用し
た比較例3では、耐光性は向上するがブロッキングが悪
化する。比較例4のポリエステル樹脂は、脂環族ジカル
ボン酸単位を有しておらず、実施例1に比較して画像残
存率が劣る。
【0052】
【発明の効果】本発明は、製造工程の受容層熱処理でブ
ロッキングをせず、かつ記録画像の耐光性に優れた受容
シートを提供することが可能となり、産業界に寄与する
ところが大である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 林 滋雄 東京都江東区東雲一丁目10番6号 王子製 紙株式会社東雲研究センター内 Fターム(参考) 2H111 AA08 AA16 AA33 CA03 CA12 CA30 CA33

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シート状支持体と、この支持体の少なく
    とも1面上に染料受容層を有する熱転写受容シートにお
    いて、受容層が、脂環族ジカルボン酸化合物を40モル
    %以上含むジカルボン酸成分と、ビスフェノールA骨格
    を有するジオール化合物を15モル%以上含むジオール
    成分との重縮合反応によって生成したポリエステル樹脂
    を染料受容性樹脂として含有し、更に、架橋剤として水
    添化キシリレンジイソシアネート変性体を含有すること
    を特徴とする熱転写受容シート。
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