JP2002018855A - ボイド抑制成形方法 - Google Patents

ボイド抑制成形方法

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JP2002018855A
JP2002018855A JP2000206875A JP2000206875A JP2002018855A JP 2002018855 A JP2002018855 A JP 2002018855A JP 2000206875 A JP2000206875 A JP 2000206875A JP 2000206875 A JP2000206875 A JP 2000206875A JP 2002018855 A JP2002018855 A JP 2002018855A
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molding
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Akihiro Mochizuki
章弘 望月
Hidekazu Kitayama
英和 北山
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Polyplastics Co Ltd
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Polyplastics Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 成形品中の所望部分におけるボイドの発生を
抑制する成形方法を提供する。 【解決手段】 肉厚が4mm以上である成形品を成形品
の内部の樹脂が固化する前に成形金型から取り出した
後、所望部分をその近接部分よりも速く冷却するか、近
接部分を保温手段により保温して、近接部分から所望部
分へ樹脂を移動させて所望部分におけるボイドの発生を
抑制する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラスチックの成
形金型に関するものであり、詳しくは成形品中の所望部
分におけるボイドの発生を防止する成形方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】一般にプラスチックの成形品の肉厚が約
4ないし6mm以上になると、成形品の肉厚方向のほぼ
中央にボイドが発生する。ボイドの発生は、成形品の肉
厚方向のほぼ中央が固化して収縮する前に、樹脂の供給
部であるゲートが固化してしまい、溶融樹脂の供給が不
足することにより生じる。例えば、成形品の曲がり部分
は強度が要求され、肉厚にしたりするが、ボイドが発生
しやすく、強度が低下しやすい。従って、ボイドの発生
を防ぐためにゲートを大きくする方法があるが、ゲート
を大きくするとゲートが固化するまで樹脂を供給し続け
なければならないため、成形サイクルが長くなるという
問題が生じる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、成形
品中の所望部分におけるボイドの発生を防止する成形方
法を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、成形品を
成形品の内部の樹脂が固化する前に成形金型から取り出
した後、成形品中の所望部分の温度を低くし、その近接
部分の温度を高くして、該所望部分にその近接部分から
樹脂が流れ込むように、各部分の冷却温度等を調節した
り、近接部分に樹脂溜まりを設けることにより、成形品
中の所望部分におけるボイドの発生を防止できることを
見い出し、本発明を完成するに至った。
【0005】すなわち本発明の第1は、成形品を成形品
の内部の樹脂が固化する前に成形金型から取り出した
後、冷却中に近接部分(2)から所望部分(1)へ樹脂
を移動させて所望部分(1)におけるボイドの発生を抑
制することを特徴とする成形方法を提供する。本発明の
第2は、近接部分(2)の外表面の少なくとも一部に樹
脂溜まり(7)を形成させ、成形金型から取り出した
後、冷却中に樹脂溜まり(7)から所望部分(1)へ樹
脂を移動させて所望部分(1)におけるボイドの発生を
抑制することを特徴とする本発明の第1に記載の成形方
法を提供する。本発明の第3は、成形金型から取り出し
た後、所望部分(1)を近接部分(2)及び/又は樹脂
溜まり(7)よりも速く冷却し、冷却中に近接部分
(2)及び/又は樹脂溜まり(7)から所望部分(1)
へ樹脂を移動させることを特徴とする本発明の第1又は
2に記載の成形方法を提供する。本発明の第4は、成形
金型から取り出した後、所望部分(1)の冷却温度を近
接部分(2)及び/又は樹脂溜まり(7)の冷却温度よ
りも低くすることを特徴とする本発明の第3又は4に記
載の成形方法を提供する。本発明の第5は、成形金型か
ら取り出した後、所望部分(1)を冷却手段(13)に
より冷却することを特徴とする本発明の第4に記載の成
形方法を提供する。本発明の第6は、冷却手段(13)
が、冷媒又はペルチエ素子であることを特徴とする本発
明の第5に記載の成形方法を提供する。本発明の第7
は、成形金型から取り出した後、近接部分(2)及び/
又は樹脂溜まり(7)を保温手段(14)により保温す
ることを特徴とする本発明の第3〜7のいずれかに記載
の成形方法を提供する。本発明の第8は、保温手段(1
4)が断熱材であることを特徴とする本発明の第7に記
載の成形方法を提供する。本発明の第9は、成形金型か
ら取り出した後、近接部分(2)及び/又は樹脂溜まり
(7)を加熱手段(15)により加熱することを特徴と
する本発明の第3〜8のいずれかに記載の成形方法を提
供する。本発明の第10は、加熱手段(15)が、熱
媒、電熱、高周波、超音波又は熱線であることを特徴と
する本発明の第9に記載の成形方法を提供する。本発明
の第11は、成形品の所望部分(1)の肉厚が4mm以
上であることを特徴とする本発明の第1〜10のいずれ
かに記載の成形方法を提供する。本発明の第12は、成
形品の樹脂溜まり(7)の肉厚が所望部分(1)の0.
8〜1.5倍であることを特徴とする本発明の第1〜1
1のいずれかに記載の成形方法を提供する。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図を使用して説明
する。図1は、本発明で成形に使用する内金型及び成形
品の要部断面図の一例である。内金型は、固定金型、移
動金型もしくはスライド部等に入れコマとして設けられ
る。内金型10は、成形品の所望部分1を成形する金型
部分3と該所望部分1に近接する近接部分2を成形する
金型部分4とが通常一体になった内金型であり、必要で
あればその他の部分5を成形する金型部分6が設けられ
る。なお、金型部分3と金型部分4とは別々であっても
構わないし、金型部分3と金型部分4と金型部分6が一
体になった内金型でも構わない。内金型は、金型の片
方、例えば移動金型のみに設けられていてもよい。従来
の方法では、成形品の内部の樹脂が固化する前に成形金
型から取り出して冷却すると、所望部分1と近接部分2
は一様な温度に冷却されるので、所望部分1の肉厚が厚
い場合には、冷却中に、所望部分1の内部にボイド9を
生じ、そのまま固化するので、所望部分1の強度が低下
するという問題があった。
【0007】本発明は、成形品を成形品の内部の樹脂が
固化する前に成形金型から取り出した後、冷却中に近接
部分2から所望部分1へ樹脂を移動させて所望部分1に
おけるボイドの発生を抑制することを特徴とする。本発
明において、成形品中の所望部分1にその近接部分2か
ら樹脂が流れ込むように調節するには、下記の方法があ
る。なお、近接部分とは、下記の方法により所望部分1
に樹脂が流れ込むことが可能な部分を意味する。
【0008】(i)冷却手段を設ける方法 成形品の内部の樹脂が固化する前に金型から取り出され
た成形品において、所望部分1は、冷却手段13により
冷却される。冷却手段13により、冷却期間のある時期
迄は、成形品内部の樹脂は移動可能な状態であり、それ
以後には内部の樹脂も固化される。本発明では、上記の
樹脂が移動可能な状態にある期間を冷却中という。図2
は本発明の成形方法の一例の要部断面図である。図2で
は、金型から取り出された成形品の所望部分1に冷却手
段13、例えば金型3’を接触させて、所望部分1の冷
却温度を、近接部分2の冷却温度よりも低くされる。金
型3’の冷却温度を調節するには、冷却手段13の冷媒
等の温度を調節するか、冷媒等の流量を調節するか、金
型3’内の冷却手段の配置の仕方を適切にする等によ
る。所望部分1と近接部分2の温度差は、5℃以上、好
ましくは10〜20℃である。従って、本発明では、所
望部分1の冷却速度が、近接部分2の冷却速度よりも大
きく、冷却の途中で近接部分2から所望部分1の内部に
樹脂が移動し、所望部分1の内部にボイドを生じにくく
なる。
【0009】本発明で使用される冷却手段13として
は、金型3’を使用する場合にはその内部又は外面を冷
却する公知の手段が使用可能であり、具体的には、冷却
された媒体を金型3’の内部又は外面に通過させる方
法、ペルチエ効果により電子的に冷却する方法が挙げら
れる。上記媒体としては、水、塩化カルシウム水溶液、
アンモニアのような無機液体もしくは加圧液体;ポリエ
チレングリコール、シリコンオイル、動、植物油のよう
な有機液体;水蒸気、空気のような気体等が挙げられ
る。媒体は顕熱、又は凝縮もしくは気化等の潜熱により
熱交換してもよい。金型3’は所望部分1を冷却できる
ものであれば特に限定されず、例えば所望部分1をはめ
込むものであっても、周囲を取り囲むものであっても、
単に板状のものであって所望部分1と接触するものであ
ってもよい。金型3’を使用しない場合には、所望部分
1を例えば冷風、冷水等の冷媒と接触させてもよく、こ
れも冷却手段に相当する。冷却手段及び冷却条件(温
度、時間等)は、樹脂の種類、成形品の大きさ等によ
り、適切な値に設定される。
【0010】(ii)保温手段を設ける方法 図3は本発明の成形方法の他の一例の要部断面図であ
る。図3では、金型から取り出された成形品の近接部分
2の少なくとも一部を断熱材14’等の保温手段14に
より保温することである。保温手段14は、近接部分2
の周囲、何れかの一面などに設けられる。保温手段によ
り、近接部分2は所望部分1よりも、5℃以上、好まし
くは10〜20℃高く保たれる。従って、本発明では、
冷却の途中で近接部分2から所望部分1の内部に樹脂が
移動し、所望部分1の内部にボイドを生じにくくなる。
【0011】保温手段14は具体的には断熱材又は保温
材であり、具体的には、無機断熱材、熱硬化性樹脂、無
機フィラー入り熱硬化性樹脂、熱硬化性樹脂フォーム、
金属中空筐体、気体、液体等が挙げられる。無機断熱材
としては、セラミック、セラミックフォーム、グラスウ
ール等が挙げられる。特に、金型キャビティ構成面とし
てはアルミナ、ジルコニア、チタニア等を使用すること
ができる。熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、エ
ポキシ樹脂、メラミン樹脂等が挙げられ、無機フィラー
としてはグラスウール、マイカ、タルク等が挙げられ
る。気体としては、空気、二酸化炭素、不活性ガス等が
挙げられ、液体としては、水、動植物油、炭化水素油、
ハロゲン化炭化水素油等が挙げられる。断熱材又は保温
材を使用しない場合には、成形品を金型から取り出した
ときの成形品の表面温度付近の媒体を吹き付けたり、接
触させたりして保温してもよく、これも保温手段に相当
する。
【0012】(iii)加熱手段を設ける方法 本発明の成形方法の他の一例は、金型から取り出された
成形品の近接部分2の少なくとも一部を加熱手段15に
より加熱する方法である。例えば、近接部分2に加熱手
段15の設けられた金型4’を接触させて、近接部分2
の温度を所望部分1の冷却温度よりも高くすることであ
る(図3で保温手段14の代りに、加熱手段15を設け
た場合に相当する)。金型4’の加熱温度を調節するに
は、加熱手段15の熱媒等の温度を調節するか、熱媒等
の流量を調節するか、金型ブロック内の加熱手段の配置
の仕方を適切にする等による。金型4’は近接部分2を
加熱できるものであれば特に限定されず、例えば所望部
分2をはめ込むものであっても、周囲を取り囲むもので
あっても、単に板状のものであって所近接部分2と接触
するものであってもよい。金型4’を使用しない場合に
は、近接部分2を例えば、熱風、高周波、超音波、熱線
などにより加熱してもよく、これも加熱手段に相当す
る。加熱手段及び加熱条件(温度、時間等)は、樹脂の
種類、成形品の大きさ等により、適切な値に設定され
る。加熱手段により、近接部分2は所望部分1よりも、
5℃以上、好ましくは10〜20℃高く保たれる。従っ
て、本発明では、冷却の途中で近接部分2から所望部分
1の内部に樹脂が移動し、所望部分1の内部にボイドを
生じにくくなる。
【0013】本発明で使用される加熱手段としては、金
型4’を使用する場合には、金型4’の内部又は外面を
加熱する公知の手段が使用可能であり、具体的には、加
熱された媒体を金型の内部又は外面に通過させる加熱、
電熱による加熱、金型の外面の高周波、超音波、熱線な
どによる加熱等が挙げられる。上記媒体としては、水、
塩化カルシウム水溶液のような無機液体;アルキル化芳
香族炭化水素、ポリエチレングリコール、シリコンオイ
ル、動、植物油のような有機液体;水蒸気、空気のよう
な気体等が挙げられる。上記各方法は組み合わせて使用
することもできる。
【0014】なお、本発明では所望部分1の内部にボイ
ドを生じなければ、近接部分2の内部にボイドまたはひ
けを生じても構わないが、それらが生じにくいように広
い範囲から少しずつ樹脂を移動させるようにすることが
できる。例えば、所望部分1の両側に保温手段又は加熱
手段を設け、両側の近接部分2から樹脂を移動させるこ
とができる。
【0015】樹脂溜まりを設ける方法 図4は、本発明に係る、所望部分1の近接部分2の外表
面の一部に樹脂溜まり7を設けた成形品の一例を示す要
部断面図である。これにより、所望部分1は樹脂溜まり
7よりも速く冷却され、冷却中に樹脂溜まり7から所望
部分1へ樹脂が移動して、所望部分1におけるボイドの
発生を抑制することができる。例えば、自然空冷のみ
で、冷却手段13を格別設けなくてもよい場合もある。
図5は、樹脂溜まり7の外周に断熱材14’を設けて、
樹脂溜まり7を所望部分1よりも遅く冷却させる一例を
示す要部断面図である。このように、所望部分1を樹脂
溜まり7より速く冷却するには、上記(i)の方法に対
応して、冷却手段を設ける方法、(ii)保温手段を設け
る方法、(iii)加熱手段を設ける方法等を使用するこ
とが可能である。
【0016】樹脂溜まり7を形成させる位置は、近接部
分2の外表面の少なくとも一部であり、好ましくは所望
部分1にボイドの発生が予測される部分に樹脂が流れ易
い位置であり、また、外観を損なわない位置やひけ、そ
り等の変形が生じたとしても問題になりにくい位置等に
設けることができる。また、樹脂溜まり7は、完全に冷
却後、切除したりすることもできる。
【0017】本発明において成形される樹脂は、熱可塑
性樹脂であっても熱硬化性樹脂であってもよい。熱可塑
性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ
スチレン、ABS樹脂、ポリ(メタ)アクリレート、ポ
リ塩化ビニル、ポリアミド、ポリアセタール、ポリカー
ボネート、変性ポリフェニレンエーテル、ポリエチレン
テレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフ
ェニレンスルフィド、ポリイミド、ポリアミドイミド、
ポリエーテルイミド、ポリアリレート、ポリサルフォ
ン、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルケトン、ポ
リエーテルエーテルケトン、液晶ポリマー、弗素樹脂、
熱可塑性エラストマー、ポリマーアロイ等が挙げられ
る。上記樹脂には、各種の樹脂添加剤、充填剤、樹脂改
質剤等が入っていてもよい。
【0018】本発明の金型を使用する成形方法として
は、射出成形、フープ成形、ブロー成形、圧縮成形、射
出圧縮成形、注型成形等が挙げられる。本発明で得られ
る成形品としては、曲がり部分を持つ成形品、表面に複
雑な凹凸ないし模様を持つ成形品等が挙げられる。具体
的には、ドアハンドルなどの模様転写各種成形品;歯
車、ギア、ラック、ピニオン、ベアリング等の機械部品
が例示される。
【0019】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。な
お、本実施例では、樹脂の移動をモデル的に検討するた
めに、図6に示すような形状の内金型を図7に示すよう
な移動金型内に設けて、成形を行った後、整形品を金型
から取り出し、冷却して内部にボイドが発生するか否か
を調べた。なお、図7のノズル用穴16はピンゲートタ
イプであってもダイレクトゲートであってもよい。
【0020】[成形例1]ポリアセタール樹脂であるジュ
ラコンTMM90S(ポリプラスチックス(株)製)を使
用した。 成形品形状:幅60mm×高さ40×厚み20mm 成形機:日鋼(株)製J75EP 溶融樹脂温度:200℃ 内金型材質:所望部分を形成する金型部分3及び近接部
分を形成する金型部分4ともにアルミ合金(熱伝導率1
51W/m・℃) 金型温度:金型部分3は80℃、及び金型部分4は80
℃である。 成形サイクル:120秒 射出速度:17mm/秒 保圧:100MPa
【0021】[比較例1]成形例1で得られた成形品を、
金型から取り出し、成形品全体を自然冷却した。冷却後
成形品には、成形品の中心部に長径約10mm、短径約
5mm、厚みの薄い楕円状ボイドが発生した。
【0022】[実施例1]成形例1で得られた成形品を金
型から取り出した直後、所望部分(左半分)は自然冷却
して、及び近接部分(右半分)を加熱金型を被せて10
0℃で、30秒間保った後、自然冷却した。この結果、
成形品の所望部分(左半分)の内部にはボイドが発生し
なかった。一方、近接部分(右半分)の内部にはボイド
が見られ、ボイドの発生位置をコントロールできること
が判った。
【0023】[実施例2]成形例1で得られた成形品を金
型から取り出した直後、成形品の右半分全体に断熱材
(ベークライト製、厚さ5mm、熱伝導率1W/m・
℃)で覆い、左半分を空気冷却した。この結果、成形品
の左半分にはボイドが発生しなかった。一方右半分に
は、表面の一部に大きなひけが見られたが内部には大き
なボイドは発生せず、ボイドの発生位置をコントロール
できることが判った。
【0024】[実施例3]成形例1で得られた成形品を金
型から取り出した直後、所望部分(左半分)を圧縮空気
を吹き付けて冷却した。この結果、成形品の所望部分
(左半分)の内部にはボイドが発生しなかった。一方、
近接部分(右半分)の内部にはボイドが見られ、ボイド
の発生位置をコントロールできることが判った。
【0025】[実施例4]ジュラコンTMM90S(ポリプ
ラスチックス(株)製)を使用し、図4に示すL字型
で、樹脂溜まりの設けられた試験片を一体的に製作し
た。 成形品形状:L字型部長辺150mm×20mm角、短
辺100mm×20mm角、曲がり外辺20mm;樹脂
溜まり20mm×20mm角をL字型部長辺上の曲がり
外辺と接する位置に設けた。 溶融樹脂温度:200℃ 内金型材質:アルミ合金(熱伝導率151W/m・℃) 金型温度:80℃ 射出速度:17mm/秒 保圧:100MPa 金型から取り出された成形品全体を自然冷却した。この
結果、樹脂溜まり内にはボイドが発生したがL字型部分
の内部には、ボイドが発生せず、ボイドの発生位置をコ
ントロールできることが判った。
【0026】[実施例5]実施例4において、成形品が金
型から取り出された直後、樹脂溜まりの側面及び天面を
断熱材(ベークライト製、厚さ5mm、熱伝導率1W/
m・℃)で覆って、保温した。この結果、L字型部分の
内部には、ボイドが発生せず、ボイドの発生位置をコン
トロールできることが判った。
【0027】
【発明の効果】本発明によれば、成形品中の所望部分に
おけるボイドの発生を抑制することが可能になり、曲が
り部分の強度の低下や、複雑な表面を持つ部分の精度が
保たれるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】成形金型及び成形品の一例を示す要部断面図で
ある。
【図2】本発明に係る冷却手段により冷却される成形品
の一例を示す要部断面図である。
【図3】本発明に係る保温手段により保温される成形品
の一例を示す要部断面図である。
【図4】本発明に係る樹脂溜まりを有する成形品の一例
を示す要部断面図である。
【図5】本発明に係る成形品の樹脂溜まりを保温手段に
より保温される一例を示す要部断面図である。
【図6】(a)成形例で使用した内金型の正面図であ
る。 (b)成形例で使用した内金型の側面図である。
【図7】成形例で使用した内金型が設けられた移動金
型、及びそれに対する固定金型の斜視図である。
【符号の説明】
1 所望部分 2 近接部分 3 金型部分 3’金型 4 金型部分 4’金型 5 その他の部分 6 金型部分 7 樹脂溜まり 9 ボイド 10 内金型 11 固定金型 12 移動金型 13 冷却手段 13’成形金型の冷却装置 14 保温手段 14’断熱材 15 加熱手段 16 ノズル用孔
フロントページの続き Fターム(参考) 4F202 AA04 AA11 AA23 AM32 CA11 CB01 CK41 CK85 CN01 4F206 AA04 AA11 AA23 AM32 JA07 JQ81 JW06 JW15 JW50

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 成形品を成形品の内部の樹脂が固化する
    前に成形金型から取り出した後、冷却中に近接部分
    (2)から所望部分(1)へ樹脂を移動させて所望部分
    (1)におけるボイドの発生を抑制することを特徴とす
    る成形方法。
  2. 【請求項2】 近接部分(2)の外表面の少なくとも一
    部に樹脂溜まり(7)を形成させ、成形金型から取り出
    した後、冷却中に樹脂溜まり(7)から所望部分(1)
    へ樹脂を移動させて所望部分(1)におけるボイドの発
    生を抑制することを特徴とする請求項1に記載の成形方
    法。
  3. 【請求項3】 成形金型から取り出した後、所望部分
    (1)を近接部分(2)及び/又は樹脂溜まり(7)よ
    りも速く冷却し、冷却中に近接部分(2)及び/又は樹
    脂溜まり(7)から所望部分(1)へ樹脂を移動させる
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の成形方法。
  4. 【請求項4】 成形金型から取り出した後、所望部分
    (1)の冷却温度を近接部分(2)及び/又は樹脂溜ま
    り(7)の冷却温度よりも低くすることを特徴とする請
    求項3又は4に記載の成形方法。
  5. 【請求項5】 成形金型から取り出した後、所望部分
    (1)を冷却手段(13)により冷却することを特徴と
    する請求項4に記載の成形方法。
  6. 【請求項6】 冷却手段(13)が、冷媒又はペルチエ
    素子であることを特徴とする請求項5に記載の成形方
    法。
  7. 【請求項7】 成形金型から取り出した後、近接部分
    (2)及び/又は樹脂溜まり(7)を保温手段(14)
    により保温することを特徴とする請求項3〜7のいずれ
    かに記載の成形方法。
  8. 【請求項8】 保温手段(14)が断熱材であることを
    特徴とする請求項7に記載の成形方法。
  9. 【請求項9】 成形金型から取り出した後、近接部分
    (2)及び/又は樹脂溜まり(7)を加熱手段(15)
    により加熱することを特徴とする請求項3〜8のいずれ
    かに記載の成形方法。
  10. 【請求項10】 加熱手段(15)が、熱媒、電熱、高
    周波、超音波又は熱線であることを特徴とする請求項9
    に記載の成形方法。
  11. 【請求項11】 成形品の所望部分(1)の肉厚が4m
    m以上であることを特徴とする請求項1〜10のいずれ
    かに記載の成形方法。
  12. 【請求項12】 成形品の樹脂溜まり(7)の肉厚が所
    望部分(1)の0.8〜1.5倍であることを特徴とす
    る請求項1〜11のいずれかに記載の成形方法。
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JP2005331040A (ja) * 2004-05-20 2005-12-02 National Institute Of Advanced Industrial & Technology ガスハイドレートの輸送及び貯蔵方法
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