JP2001121542A - ボイド抑制成形金型および成形方法 - Google Patents

ボイド抑制成形金型および成形方法

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JP2001121542A
JP2001121542A JP2000206813A JP2000206813A JP2001121542A JP 2001121542 A JP2001121542 A JP 2001121542A JP 2000206813 A JP2000206813 A JP 2000206813A JP 2000206813 A JP2000206813 A JP 2000206813A JP 2001121542 A JP2001121542 A JP 2001121542A
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molding
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mold part
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JP2000206813A
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English (en)
Inventor
Akihiro Mochizuki
章弘 望月
Hidekazu Kitayama
英和 北山
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Polyplastics Co Ltd
Original Assignee
Polyplastics Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 成形品中の所望部分におけるボイドの発生を
抑制する成形金型を提供する。 【解決手段】 肉厚が4mm以上である成形品の所望部
分を成形する金型部分3及び該所望部分に近接する近接
部分を成形する金型部分4からなり、金型部分3の材質
の熱伝導率を金型部分4の材質の熱伝導率よりも高くす
ること、金型部分3の冷却温度を金型部分4の冷却温度
よりも低くすること、金型部分4の少なくとも一部に保
温手段を設けること、金型部分4の少なくとも一部に加
熱手段を設けること、又は近接部分に樹脂溜まりを設け
ることにより、成形金型内で所望部分を近接部分よりも
速く冷却し、冷却中に近接部分から所望部分へ樹脂を移
動させて所望部分におけるボイドの発生を抑制する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラスチック成形
品中の所望部分におけるボイドの発生を防止する成形金
型及び成形方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般にプラスチックの成形品の肉厚が約
4ないし6mm以上になると、成形品の肉厚方向のほぼ
中央にボイドが発生する。ボイドの発生は、成形品の肉
厚方向のほぼ中央が固化して収縮する前に、樹脂の供給
部であるゲートが固化してしまい、溶融樹脂の供給が不
足することにより生じる。例えば、成形品の曲がり部分
は強度が要求され、肉厚にしたりするが、ボイドが発生
しやすく、強度が低下しやすい。従って、ボイドの発生
を防ぐためにゲートを大きくする方法があるが、ゲート
を大きくするとゲートが固化するまで樹脂を供給し続け
なければならないため、成形サイクルが長くなるという
問題が生じる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、成形
品中の所望部分におけるボイドの発生を防止する成形金
型を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、成形品中
の所望部分の温度を低くし、その近接部分の温度を高く
して、該所望部分にその近接部分から樹脂が流れ込むよ
うに、金型の各部分を成形する金型の温度等を調節した
り、樹脂溜まりを設けることにより、成形品中の所望部
分におけるボイドの発生を防止できることを見い出し、
本発明を完成するに至った。
【0005】すなわち本発明の第1は、成形品の所望部
分(1)を成形する金型部分(3)及び該所望部分
(1)に近接する近接部分(2)を成形する金型部分
(4)からなり、成形金型内で、冷却中に近接部分
(2)から所望部分(1)へ樹脂を移動させて所望部分
(1)におけるボイドの発生を抑制することを特徴とす
る成形金型を提供する。本発明の第2は、近接部分
(2)の外表面の少なくとも一部に樹脂溜まり(7)を
形成する金型部分(8)を有し、冷却中に樹脂溜まり
(7)から所望部分(1)へ樹脂を移動させて所望部分
(1)におけるボイドの発生を抑制することを特徴とす
る本発明の第1に記載の成形金型を提供する。本発明の
第3は、所望部分(1)を近接部分(2)及び/又は樹
脂溜まり(7)よりも速く冷却し、冷却中に近接部分
(2)から所望部分(1)へ樹脂を移動させることを特
徴とする本発明の第1又は2に記載の成形金型を提供す
る。本発明の第4は、金型部分(3)の材質の熱伝導率
が、金型部分(4)及び/又は金型部分(8)の材質の
熱伝導率よりも高いことを特徴とする本発明の第3に記
載の成形金型を提供する。本発明の第5は、金型部分
(3)の冷却温度が、金型部分(4)及び/又は金型部
分(8)の冷却温度よりも低いことを特徴とする本発明
の第3又は4に記載の成形金型を提供する。本発明の第
6は、金型部分(3)の少なくとも一部に冷却手段(1
3)を設けることを特徴とする本発明の第3〜5のいず
れかに記載の成形方法を提供する。本発明の第7は、冷
却手段(13)が、冷媒又はペルチエ素子であることを
特徴とする本発明の第6に記載の成形金型を提供する。
本発明の第8は、金型部分(4)及び/又は金型部分
(8)の少なくとも一部に保温手段(14)を設けるこ
とを特徴とする本発明の第3〜7のいずれかに記載の成
形金型を提供する。本発明の第9は、保温手段(14)
が断熱材であることを特徴とする本発明の第8に記載の
成形金型を提供する。本発明の第10は、金型部分
(4)及び/又は金型部分(8)の少なくとも一部に加
熱手段(15)を設けることを特徴とする本発明の第3
〜9のいずれかに記載の成形金型を提供する。本発明の
第11は、加熱手段(15)が、熱媒、電熱、高周波、
超音波又は熱線であることを特徴とする本発明の第10
に記載の成形方法を提供する。本発明の第12は、金型
部分(4)及び/又は金型部分(8)の少なくとも一部
に加圧手段(17)を設け、金型部分(3)の成形圧力
より金型部分(4)及び/又は金型部分(8)の成形圧
力を高くして、冷却中に、成形金型内で近接部分(2)
及び/又は樹脂溜まり(7)から所望部分(1)へ樹脂
を移動させることを特徴とする本発明の第1〜11のい
ずれかに記載の成形金型を提供する。本発明の第13
は、加圧手段(17)が、機械的、油圧的、電磁的方法
により行われるものであることを特徴とする本発明の第
12に記載の成形金型を提供する。本発明の第14は、
成形品の所望部分(1)の肉厚が4mm以上であること
を特徴とする本発明の第1〜13のいずれかに記載の成
形金型を提供する。本発明の第15は、成形品の樹脂溜
まり(7)の肉厚が所望部分(1)の0.8〜1.5倍
であることを特徴とする本発明の第1〜14のいずれか
に記載の成形金型を提供する。本発明の第16は、冷却
中に近接部分(2)から所望部分(1)へ樹脂を移動さ
せて所望部分(1)におけるボイドの発生を抑制するこ
とを特徴とする成形方法を提供する。本発明の第17
は、本発明の第1〜15のいずれかに記載の成形金型を
使用して、成形品の所望部分(1)におけるボイドの発
生を抑制することを特徴とする成形方法を提供する。本
発明の第18は、近接部分(2)の外表面の少なくとも
一部に樹脂溜まり(7)を形成させ、冷却中に樹脂溜ま
り(7)から所望部分(1)へ樹脂を移動させて所望部
分(1)におけるボイドの発生を抑制することを特徴と
する本発明の第16又は17に記載の成形方法を提供す
る。本発明の第19は、成形金型内で所望部分(1)を
近接部分(2)及び/又は樹脂溜まり(7)よりも速く
冷却して、冷却中に近接部分(2)から所望部分(1)
へ樹脂を移動させ、所望部分(1)におけるボイドの発
生を抑制することを特徴とする本発明の第16から18
のいずれかに記載の成形方法を提供する。本発明の第2
0は、冷却中に、金型部分(3)の成形圧力より金型部
分(4)及び/又は金型部分(8)の成形圧力を高くし
て、成形金型内で近接部分(2)から所望部分(1)へ
樹脂を移動させることを特徴とする本発明の第16〜1
9のいずれかに記載の成形方法を提供する。本発明の第
21は、成形品の所望部分(1)の肉厚が4mm以上で
あることを特徴とする本発明の第16〜20のいずれか
に記載の成形方法を提供する。本発明の第22は、成形
品の樹脂溜まり(7)の肉厚が所望部分(1)の0.8
〜1.5倍であることを特徴とする本発明の第16〜2
1のいずれかに記載の成形方法を提供する。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図を使用して説明
する。図1は、従来の内金型及び成形品の要部断面図で
ある。内金型は、固定金型、移動金型もしくはスライド
部等に入れコマとして設けられる。内金型10は、成形
品の所望部分1を成形する金型部分3と該所望部分1に
近接する近接部分2を成形する金型部分4とが通常一体
になった内金型であり、必要であればその他の部分5を
成形する金型部分6が設けられる。なお、金型部分3と
金型部分4とは別々であっても構わないし、金型部分3
と金型部分4と金型部分6が一体になった内金型でも構
わない。内金型は、金型の片方、例えば移動金型のみに
設けられていてもよいが、相対する金型部分、例えば固
定金型にも内金型の設けられた移動金型と同様の冷却、
保温もしくは加熱手段が設けられることが望ましい。以
下、要点のみを説明するため、その他の部分5と金型部
分6については説明を省く。
【0007】本発明において、成形品中の所望部分1に
その近接部分2から樹脂が流れ込むように調節するに
は、下記の方法がある。なお、近接部分とは、下記の方
法により所望部分1に樹脂が流れ込むことが可能な部分
を意味する。 1.温度差による方法 (i)冷却手段を設ける方法 金型部分3及び金型部分4には、通常、冷却手段13
(例えば冷却水の循環)が設けられる。冷却手段13に
より、冷却期間のある時期迄は、成形品内部の樹脂は移
動可能な状態であり、それ以後には内部の樹脂も固化さ
れる。本発明では、上記の樹脂が移動可能な状態にある
期間を冷却中という。したがって、従来の金型では、金
型部分3及び金型部分4は一様な温度に冷却されるの
で、所望部分1と近接部分2の冷却も一様に行われ、所
望部分1の肉厚が厚い場合には、冷却中に、所望部分1
の内部にボイド9を生じ、そのまま固化するので、所望
部分1の強度が低下するという問題があった。なお、自
然空冷のみで、冷却手段13を、格別設けなくてもよい
場合もある。
【0008】図3は本発明の内金型10及び成形品の他
の一例の要部断面図である。図1と異なる点は、金型部
分3の冷却温度が、金型部分4の冷却温度よりも低いこ
とである。金型部分3の冷却温度を低くするには、冷却
手段13の冷媒等の温度を低下させるか、冷媒等の流量
を増加させるか、金型ブロック内の冷却手段の配置の仕
方を適切にする等による。あるいは反対に金型部分4の
冷却温度を上げることも可能である。冷却手段13は、
キャビティと反対側、側面又は金型ブロック内に、上側
のみまたは両側(図3では両側。)に設けられる。金型
部分3と金型部分4の温度差は、5℃以上、好ましくは
10〜20℃である。従って、本発明の金型では、金型
部分3の冷却速度が、金型部分4の冷却速度よりも大き
く、冷却の途中で近接部分2から所望部分1の内部に樹
脂が移動し、所望部分1の内部にボイドを生じにくくな
る。
【0009】本発明で使用される冷却手段13として
は、金型の内部又は外面を冷却する公知の手段が使用可
能であり、具体的には、冷却された媒体を金型の内部又
は外面に通過させる方法、ペルチエ効果により電子的に
冷却する方法が挙げられる。上記媒体としては、水、塩
化カルシウム水溶液、アンモニアのような無機液体もし
くは加圧液体;ポリエチレングリコール、シリコンオイ
ル、動、植物油のような有機液体;水蒸気、空気のよう
な気体等が挙げられる。媒体は顕熱により熱交換しても
よいし、凝縮により伝熱効果を高くしてもよい。冷却手
段及び冷却条件(温度、時間等)は、樹脂の種類、成形
品の大きさ等により、適切な値に設定される。
【0010】(ii)熱伝導率の異なる材質を使用する方
法 図2は本発明の内金型10及び成形品の一例の要部断面
図である。図1と異なる点は、金型部分3の材質の熱伝
導率が、金型部分4の材質の熱伝導率よりも高いことで
ある。金型部分3の材質の熱伝導率と金型部分4の材質
の熱伝導率の差は、20W/m・℃以上、好ましくは5
0W/m・℃以上であり、一般的に用いられる金型材質
の組み合わせから、130W/m・℃までの範囲のもの
が通常用いられる。しかしながら、材質を選択し、熱伝
導率の差を大きく取れるなら、樹脂を移動させボイドの
発生を防ぐ効果は更に大きくなる。従って、本発明の金
型では、所望部分1の冷却速度が近接部分2の冷却速度
よりも速くなる(即ち、伝熱量が多くなる)ので、冷却
の途中で近接部分2から所望部分1の内部に樹脂が移動
し、所望部分1の内部にボイドを生じにくくなる。即
ち、所望部分1の内部にボイドが発生しても、それを埋
めるようにボイド周辺の樹脂が移動し、該周辺の樹脂の
移動を補うように、近接部分2から樹脂が移動する。こ
の場合、金型部分3と金型部分4を同一温度にして伝熱
量を変えてもよいし、異なる温度にして伝熱量を変えて
もよい。なお、金型部分4は全体を熱伝導率の低い材質
で製作する必要はなく、例えば熱伝導率の低い材質の入
れ子あるいは中子を金型4の表面あるいは内部に使用す
ることもできる。
【0011】金型部分3の材質の熱伝導率を大きくし、
金型部分4の材質の熱伝導率を小さくするためには、次
のような材料の構成が挙げられる。熱伝導率の大きい金
型部分3の材質としては、熱伝導率が30W/m・℃以
上、好ましくは40W/m・℃以上、特に好ましくは5
0W/m・℃以上のものから選ぶことが好ましい。具体
的にはS55C、SCM、ベリリウム銅、アルミニウム
合金等が挙げられる。熱伝導率の小さい金型部分4の材
質としては、熱伝導率が30W/m・℃未満、好ましく
は20W/m・℃以下のものから選ぶことが好ましい。
具体的には、SKD11、SUS440、アルミナ、ジ
ルコニア、チタニア等が挙げられる。これらは金型自身
よりも金型内に入れ子として使用することができる。要
は、熱伝導率の大きさとその差が問題になるが、材料の
強度、加工等の面から、選択できる材料に限界があるの
で、各金型部分を冷却する温度を調節することにより、
材料選択の制限を緩和することができる。すなわち、熱
伝導量を非常に小さくするには、熱伝導率の非常に小さ
な材料を選択することもできるが、冷却水温度を、樹脂
の固化上限界温度付近に設定すれば、熱伝導量を非常に
小さくすることができる。しかしながら、熱伝導量を小
さくし過ぎると、成形サイクルが長くなりすぎるため
に、実際には、上記適切な材質と冷却温度の組み合わせ
が求められる。
【0012】(iii)保温手段を設ける方法 図4は本発明の内金型10及び成形品の他の一例の要部
断面図である。図1と異なる点は、金型部分4の少なく
とも一部に断熱材等の保温手段14を設けることであ
る。保温手段14は、内金型のキャビティ構成面、キャ
ビティと反対側(外側)、側面又は金型ブロック内に、
金型ブロックの上側のみまたは両側(図4では両側に入
れコマにしてある。)に設けられる。あるいは、断熱材
を内金型の外側に設けて内金型に冷却水を通さないよう
にしてもよいし、または、断熱材を内金型と外金型の間
に入れて外金型のみに冷却水を通すようにしてもよい。
保温手段による金型部分3と金型部分4の温度差は、5
℃以上、好ましくは10〜20℃である。従って、本発
明の金型では、金型部分3の冷却速度が金型部分4の冷
却速度よりも大きく、冷却の途中で近接部分2から所望
部分1の内部に樹脂が移動し、所望部分1の内部にボイ
ドを生じにくくなる。
【0013】保温手段14は具体的には断熱材又は保温
材であり、具体的には、無機断熱材、熱硬化性樹脂、無
機フィラー入り熱硬化性樹脂、熱硬化性樹脂フォーム、
金属中空筐体、気体、液体等が挙げられる。無機断熱材
としては、セラミック、セラミックフォーム、グラスウ
ール等が挙げられる。特に、金型キャビティ構成面とし
てはアルミナ、ジルコニア、チタニア等を使用すること
ができる。熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、エ
ポキシ樹脂、メラミン樹脂等が挙げられ、無機フィラー
としてはグラスウール、マイカ、タルク等が挙げられ
る。気体としては、空気、二酸化炭素、不活性ガス等が
挙げられ、液体としては、水、動植物油、炭化水素油、
ハロゲン化炭化水素油等が挙げられる。
【0014】(iv)加熱手段を設ける方法 図5は本発明の内金型10及び成形品の他の一例の要部
断面図である。図1と異なる点は、金型部分4の少なく
とも一部に加熱手段を設けることである。加熱手段は、
内金型のキャビティ構成面、キャビティと反対側、側面
又は金型ブロック内に、上側のみまたは両側(図5では
両側。)に設けられる。加熱手段による金型部分3と金
型部分4の温度差は、5℃以上、好ましくは10〜20
℃である。従って、本発明の金型では、金型部分3の冷
却速度が、金型部分4の冷却速度よりも大きく、冷却の
途中で近接部分2から所望部分1の内部に樹脂が移動
し、所望部分1の内部にボイドを生じにくくなる。
【0015】本発明で使用される加熱手段としては、金
型の内部又は外面を加熱する公知の手段が使用可能であ
り、具体的には、加熱された媒体を金型の内部又は外面
に通過させる加熱、電熱による加熱、金型の外面の高周
波、超音波、熱線などによる加熱等が挙げられる。上記
媒体としては、水、塩化カルシウム水溶液のような無機
液体;アルキル化芳香族炭化水素、ポリエチレングリコ
ール、シリコンオイル、動、植物油のような有機液体;
水蒸気、空気のような気体等が挙げられる。加熱手段及
び加熱条件(温度、時間等)は、樹脂の種類、成形品の
大きさ等により、適切な値に設定される。
【0016】2.圧力差による方法 金型部分4の少なくとも一部に加圧手段17を設け、金
型部分3の成形圧力より金型部分4の成形圧力を高くし
て、冷却中に、成形金型内で近接部分2から所望部分1
へ樹脂を移動させることにより、所望部分1におけるボ
イドの発生を抑制することが可能である。例えば、金型
部分4の少なくとも一部をスライド可能にして、金型部
分4をより加圧することができる。加圧手段17として
は特に限定されず、機械的、油圧的、電磁的方法のいず
れにより行われてもよい。上記温度差による方法と圧力
差による方法は組み合わせて使用することもできる。
【0017】なお、本発明では所望部分1の内部にボイ
ドを生じなければ、近接部分2の内部にボイドまたはひ
けを生じても構わないが、それらが生じにくいように広
い範囲から少しずつ樹脂を移動させるようにすることが
できる。例えば、所望部分1の両側に金型部分4を設
け、両側の近接部分2から樹脂を移動させることができ
る。さらに近接部分2に近接する部分の温度を高くし
て、順次樹脂を移動させるようにすること等もできる。
【0018】3.樹脂溜まりを設ける方法 図8は、本発明に係る、樹脂溜まり7を成形する金型部
分8とそれによる成形品の一例を示す要部断面図である
(なお、内金型は金型部分8のみ示す。)。図1と異な
る点は、所望部分1の近接部分2の外表面の一部に樹脂
溜まり7を形成する金型部分8を設けたことである。な
お、図8では金型部分8の一部は所望部分1の一部を形
成する内金型ともなっているが、所望部分1の形成に無
関係にしてもよい。これにより、所望部分1は樹脂溜ま
り7よりも速く冷却され、冷却中に樹脂溜まり7から所
望部分1へ樹脂が移動して、所望部分1におけるボイド
の発生を抑制することができる。図9は、図8において
金型部分8の外周に断熱材14’を設けた金型及び成形
品の一例を示す要部断面図である。このように、所望部
分1を樹脂溜まり7よりも速く冷却するには、上記
(i)の方法に対応して、冷却手段を設ける方法、(i
i)熱伝導率の異なる材質を金型に使用する方法、(ii
i)保温手段を設ける方法、(iv)加熱手段を設ける方
法等を使用することが可能であり、樹脂溜まり7の成形
圧力を所望部分1より高くするには上記圧力差による方
法(v)を使用することが可能である。
【0019】樹脂溜まり7を形成させる位置は、近接部
分2の外表面の少なくとも一部であり、例えば外観を損
なわない位置やひけ、そり等の変形が生じたとしても問
題になりにくい位置等に設けることができる。また、樹
脂溜まり7は、完全に冷却後切除したりすることもでき
る。
【0020】本発明において成形される樹脂は、熱可塑
性樹脂であっても熱硬化性樹脂であってもよい。熱可塑
性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ
スチレン、ABS樹脂、ポリ(メタ)アクリレート、ポ
リ塩化ビニル、ポリアミド、ポリアセタール、ポリカー
ボネート、変性ポリフェニレンエーテル、ポリエチレン
テレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフ
ェニレンスルフィド、ポリイミド、ポリアミドイミド、
ポリエーテルイミド、ポリアリレート、ポリサルフォ
ン、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルケトン、ポ
リエーテルエーテルケトン、液晶ポリマー、弗素樹脂、
熱可塑性エラストマー、ポリマーアロイ等が挙げられ
る。上記樹脂には、各種の樹脂添加剤、充填剤、樹脂改
質剤等が入っていてもよい。
【0021】本発明の金型を使用する成形方法として
は、射出成形、押出成形、フープ成形、ブロー成形、圧
縮成形、射出圧縮成形、注型成形等が挙げられる。本発
明で得られる成形品としては、曲がり部分を持つ成形
品、表面に複雑な凹凸ないし模様を持つ成形品等が挙げ
られる。具体的には、ドアハンドルなどの模様転写各種
成形品;歯車、ギア、ラック、ピニオン、ベアリング等
の機械部品が例示される。
【0022】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。な
お、本実施例では、樹脂の移動をモデル的に検討するた
めに、図6に示すような形状の内金型を図7に示すよう
な移動金型内に設け、成形品の金型部分3及び金型部分
4に接する側の内部にそれぞれボイドが発生するか否か
を調べた。なお、図7のノズル用穴16はピンゲートタ
イプであってもダイレクトゲートであってもよいが、サ
イドゲートとした。
【0023】[比較例1]ポリアセタール樹脂であるジュ
ラコンTMM90S(ポリプラスチックス(株)製)を使
用した。 成形品形状:幅60mm×高さ40×厚み20mm 成形機:日鋼(株)製J75EP 溶融樹脂温度:200℃ 内金型材質:金型部分3及び金型部分4ともにアルミ合
金(熱伝導率151W/m・℃) 金型温度:金型部分3は80℃、及び金型部分4は80
℃である。 成形サイクル:120秒 射出速度:17mm/秒 保圧:100MPa 得られた成形品には、金型部分3及び金型部分4にまた
がる成形品の中心部に長径約10mm、短径約5mm、
厚みの薄い楕円状ボイドが発生した。
【0024】[実施例1]比較例1において、金型温度を
金型部分3では80℃、及び金型部分4では100℃に
設定した他は比較例1と同様に行った。この結果、成形
品の金型部分3に接する側の内部にはボイドが発生しな
かった。一方金型部分4に接する側の内部にはボイドが
見られ、ボイドの発生位置をコントロールできることが
判った。
【0025】[実施例2]比較例1において、内金型材質
を金型部分3にアルミ合金(熱伝導率151W/m・
℃)、及び金型部分4にSUS440(熱伝導率24W
/m・℃)を使用した他は比較例1と同様に行った。こ
の結果、成形品の金型部分3に接する側の内部にはボイ
ドが発生しなかった。一方金型部分4に接する側の内部
にはボイドが見られ、ボイドの発生位置をコントロール
できることが判った。
【0026】[実施例3]比較例1において、金型部分4
と移動金型の間の側面及び底面に断熱材(ベークライト
製、厚さ5mm、熱伝導率1W/m・℃)を設けた他は
比較例1と同様に行った。この結果、成形品の金型部分
3に接する側の内部にはボイドが発生しなかった。一方
金型部分4に接する側については、表面の一部に大きな
ひけが見られたが内部には大きなボイドは発生せず、ボ
イドの発生位置をコントロールできることが判った。
【0027】[実施例4]比較例1において、金型部分3
を80℃、及び金型部分4を140℃にした他は比較例
1と同様に行った。この結果、成形品の金型部分3に接
する側の内部にはボイドが発生しなかった。一方金型部
分4に接する側の内部には、ボイドの発生が見られ、ボ
イドの発生位置をコントロールできることが判った。
【0028】[実施例5]ジュラコンTMM90S(ポリプ
ラスチックス(株)製)を使用し、図8に示すL字型
で、樹脂溜まりの設けられた試験片を一体的に製作し
た。 成形品形状:L字型部長辺150mm×20mm角、短
辺100mm×20mm角、曲がり外辺20mm;樹脂
溜まり20mm×20mm角をL字型部長辺上の曲がり
外辺と接する位置に設けた。 溶融樹脂温度:200℃ 内金型材質:アルミ合金(熱伝導率151W/m・℃) 金型温度:80℃ 射出速度:17mm/秒 保圧:100MPa この結果、樹脂溜まり内にはボイドが発生したがL字型
部分の内部には、ボイドが発生せず、ボイドの発生位置
をコントロールできることが判った。
【0029】[実施例6]内金型の、樹脂溜まりの設けら
れる部分の側面及び底面に断熱材(ベークライト製、厚
さ5mm、熱伝導率1W/m・℃)を設けた他は実施例
5と同様に行った。この結果、L字型部分の内部には、
ボイドが発生せず、ボイドの発生位置をコントロールで
きることが判った。
【0030】
【発明の効果】本発明によれば、成形品中の所望部分に
おけるボイドの発生を抑制することが可能になり、曲が
り部分の強度の低下や、複雑な表面を持つ部分の精度が
保たれるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来技術の金型及び成形品の一例を示す要部断
面図である。
【図2】本発明の金型及び成形品の一例を示す要部断面
図である。
【図3】本発明の金型及び成形品の他の一例を示す要部
断面図である。
【図4】本発明の金型及び成形品の他の一例を示す要部
断面図である。
【図5】本発明の金型及び成形品の他の一例を示す要部
断面図である。
【図6】実施例及び比較例で使用した内金型の正面図で
ある。
【図7】実施例及び比較例で使用した内金型が設けられ
た移動金型、及びそれに対する固定金型の斜視図であ
る。
【図8】本発明に係る、樹脂溜まり7を成形する金型部
分8とそれによる成形品の一例を示す要部断面図であ
る。
【図9】図8で、金型部分8の外周に断熱材14’を設
けた金型及び成形品の一例を示す要部断面図である。
【符号の説明】
1 所望部分 2 近接部分 3 金型部分 4 金型部分 5 その他の部分 6 金型部分 7 樹脂溜まり 8 金型部分 9 ボイド 10 内金型 11 固定金型 12 移動金型 13 冷却手段 14 保温手段 14’断熱材 15 加熱手段 16 ノズル用孔 17 加圧手段

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 成形品の所望部分(1)を成形する金型
    部分(3)及び該所望部分(1)に近接する近接部分
    (2)を成形する金型部分(4)からなり、成形金型内
    で、冷却中に近接部分(2)から所望部分(1)へ樹脂
    を移動させて所望部分(1)におけるボイドの発生を抑
    制することを特徴とする成形金型。
  2. 【請求項2】 近接部分(2)の外表面の少なくとも一
    部に樹脂溜まり(7)を形成する金型部分(8)を有
    し、冷却中に樹脂溜まり(7)から所望部分(1)へ樹
    脂を移動させて所望部分(1)におけるボイドの発生を
    抑制することを特徴とする請求項1に記載の成形金型。
  3. 【請求項3】 所望部分(1)を近接部分(2)及び/
    又は樹脂溜まり(7)よりも速く冷却し、冷却中に近接
    部分(2)から所望部分(1)へ樹脂を移動させること
    を特徴とする請求項1又は2に記載の成形金型。
  4. 【請求項4】 金型部分(3)の材質の熱伝導率が、金
    型部分(4)及び/又は金型部分(8)の材質の熱伝導
    率よりも高いことを特徴とする請求項3に記載の成形金
    型。
  5. 【請求項5】 金型部分(3)の冷却温度が、金型部分
    (4)及び/又は金型部分(8)の冷却温度よりも低い
    ことを特徴とする請求項3又は4に記載の成形金型。
  6. 【請求項6】 金型部分(3)の少なくとも一部に冷却
    手段(13)を設けることを特徴とする請求項3〜5の
    いずれかに記載の成形方法。
  7. 【請求項7】 冷却手段(13)が、冷媒又はペルチエ
    素子であることを特徴とする請求項6に記載の成形金
    型。
  8. 【請求項8】 金型部分(4)及び/又は金型部分
    (8)の少なくとも一部に保温手段(14)を設けるこ
    とを特徴とする請求項3〜7のいずれかに記載の成形金
    型。
  9. 【請求項9】 保温手段(14)が断熱材であることを
    特徴とする請求項8に記載の成形金型。
  10. 【請求項10】 金型部分(4)及び/又は金型部分
    (8)の少なくとも一部に加熱手段(15)を設けるこ
    とを特徴とする請求項3〜9のいずれかに記載の成形金
    型。
  11. 【請求項11】 加熱手段(15)が、熱媒、電熱、高
    周波、超音波又は熱線であることを特徴とする請求項1
    0に記載の成形方法。
  12. 【請求項12】 金型部分(4)及び/又は金型部分
    (8)の少なくとも一部に加圧手段(17)を設け、金
    型部分(3)の成形圧力より金型部分(4)及び/又は
    金型部分(8)の成形圧力を高くして、冷却中に、成形
    金型内で近接部分(2)及び/又は樹脂溜まり(7)か
    ら所望部分(1)へ樹脂を移動させることを特徴とする
    請求項1〜11のいずれかに記載の成形金型。
  13. 【請求項13】 加圧手段(17)が、機械的、油圧
    的、電磁的方法により行われるものであることを特徴と
    する請求項12に記載の成形金型。
  14. 【請求項14】 成形品の所望部分(1)の肉厚が4m
    m以上であることを特徴とする請求項1〜13のいずれ
    かに記載の成形金型。
  15. 【請求項15】 成形品の樹脂溜まり(7)の肉厚が所
    望部分(1)の0.8〜1.5倍であることを特徴とす
    る請求項1〜14のいずれかに記載の成形金型。
  16. 【請求項16】 冷却中に近接部分(2)から所望部分
    (1)へ樹脂を移動させて所望部分(1)におけるボイ
    ドの発生を抑制することを特徴とする成形方法。
  17. 【請求項17】 請求項1〜15のいずれかに記載の成
    形金型を使用して、成形品の所望部分(1)におけるボ
    イドの発生を抑制することを特徴とする成形方法。
  18. 【請求項18】 近接部分(2)の外表面の少なくとも
    一部に樹脂溜まり(7)を形成させ、冷却中に樹脂溜ま
    り(7)から所望部分(1)へ樹脂を移動させて所望部
    分(1)におけるボイドの発生を抑制することを特徴と
    する請求項16又は17に記載の成形方法。
  19. 【請求項19】 成形金型内で所望部分(1)を近接部
    分(2)及び/又は樹脂溜まり(7)よりも速く冷却し
    て、冷却中に近接部分(2)から所望部分(1)へ樹脂
    を移動させ、所望部分(1)におけるボイドの発生を抑
    制することを特徴とする請求項16から18のいずれか
    に記載の成形方法。
  20. 【請求項20】 冷却中に、金型部分(3)の成形圧力
    より金型部分(4)及び/又は金型部分(8)の成形圧
    力を高くして、成形金型内で近接部分(2)から所望部
    分(1)へ樹脂を移動させることを特徴とする請求項1
    6〜19のいずれかに記載の成形方法。
  21. 【請求項21】 成形品の所望部分(1)の肉厚が4m
    m以上であることを特徴とする請求項16〜20のいず
    れかに記載の成形方法。
  22. 【請求項22】 成形品の樹脂溜まり(7)の肉厚が所
    望部分(1)の0.8〜1.5倍であることを特徴とす
    る請求項16〜21のいずれかに記載の成形方法。
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JP2008207403A (ja) * 2007-02-23 2008-09-11 Matsushita Electric Works Ltd 熱硬化性樹脂成形体の製造方法

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