JP2002018567A - シリンダブロックおよびその製造方法 - Google Patents

シリンダブロックおよびその製造方法

Info

Publication number
JP2002018567A
JP2002018567A JP2000200539A JP2000200539A JP2002018567A JP 2002018567 A JP2002018567 A JP 2002018567A JP 2000200539 A JP2000200539 A JP 2000200539A JP 2000200539 A JP2000200539 A JP 2000200539A JP 2002018567 A JP2002018567 A JP 2002018567A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cylinder block
volume ratio
region
porous
metal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000200539A
Other languages
English (en)
Inventor
Nobuyuki Oda
信行 小田
Yasuaki Hasegawa
泰明 長谷川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mazda Motor Corp filed Critical Mazda Motor Corp
Priority to JP2000200539A priority Critical patent/JP2002018567A/ja
Publication of JP2002018567A publication Critical patent/JP2002018567A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Cylinder Crankcases Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 シリンダブロックの加工性、溶湯含浸性、コ
スト面を有利あるものにしながら、その耐摩耗性を高め
る。 【解決手段】 円筒状の金属多孔体4をそれによってシ
リンダボア3が形成されるように鋳ぐるんだシリンダブ
ロック1において、その金属多孔体4のピストン上死点
側領域Yの体積率を高くしてその耐摩耗性を高め、残る
領域Xの体積率を低くする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、シリンダブロッ
クおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】エンジン、例えば自動車用エンジンで
は、軽量化のためにシリンダブロックがアルミニウム合
金等の軽金属で形成されることが多くなっている。この
一方、シリンダブロックの特定部位に要求される機能、
例えばシリンダボア内周面の耐摩耗性を十分確保するこ
とがシリンダブロックを構成する金属では十分満足でき
ないことがある。このため、シリンダボアに別途シリン
ダライナを嵌合することが一般に行なわれているが、そ
の他、プリフォームと呼ばれる多孔体をシリンダブロッ
ク鋳造時に鋳ぐるむことも行なわれている。
【0003】例えば、特開平9−14045号公報に
は、円筒状のセラミックス製多孔体をアルミニウム合金
溶湯で鋳ぐるんだシリンダブロックについて記載されて
いる。しかし、セラミックス製の多孔体は合金溶湯との
濡れ性があまり良くなく、その空隙内に溶湯が含浸し難
いという問題がある。これに対して、セラミックス製の
プリフォームに代えてこれを金属製とするという提案も
ある(例えば、特開平11−277218号公報、特許
第2826751号公報参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、一般には金属
多孔体はセラミックス製の多孔体に比べてその耐摩耗性
が低い。これに対して、金属多孔体の体積率を増加させ
るとボア内周面の耐摩耗性が高くなるものの、体積率の
増加によって気孔率が低下するから、金属多孔体への溶
湯の含浸抵抗が高くなる。従って、十分に含浸させるべ
く溶湯注入圧を高めるとプリフォームが変形し易くな
り、注入圧を低くすると溶湯が含浸しない部分が発生
し、ボイド等の欠陥を生じ易い。また、体積率の増大に
よって金属多孔体の耐摩耗性を高めると、金属溶湯で鋳
ぐるんだ後のシリンダボアのボーリング加工の際、工具
の摩耗損傷が大きくなる。しかも、体積率の増加は金属
多孔体の使用量が増加することを意味し、そのために製
造原価が増す。
【0005】また、金属多孔体の材質として高硬度のも
のを採用すると、ボア内周面の耐摩耗性が高くなるが、
相手材であるピストンリングやピストンの摩耗が大きく
なる。また、材料強度が高くなるため、板材から円筒状
に曲げ加工することが難しくなり、ボーリング加工用工
具の摩耗損傷も大きくなる。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述の如き問
題に対して、円筒状の金属多孔体を複数の領域に分け、
各領域の体積率又は材質を互いに異なるものにすること
により、ボア内周面の耐摩耗性を相異なるものにし、そ
の解決を図ったものである。
【0007】すなわち、本発明は、体積率が相異なる2
以上の領域を有する円筒状の金属多孔体がシリンダボア
を形成するように鋳ぐるまれ、このシリンダボアの内周
面が金属多孔体の上記2以上の領域に対応して面性状の
相異なる2以上の領域に分かれていることを特徴とする
シリンダブロックである。
【0008】これにより、シリンダボア内周面の摩耗損
傷の激しい部位を高体積率の領域で形成してその耐摩耗
性を確保する一方、その他の部位は加工が容易で、かつ
溶湯(例えばアルミニウム合金等の軽金属溶湯)の含浸
性に最適な低体積率の領域で形成することができる。こ
のようにシリンダボア内周面をピストンリング側から受
ける摩耗損傷の厳しさの度合に応じて耐摩耗性の異なる
2以上の領域に分けることにより、シリンダブロックの
製造を容易なものにしながら、その耐久性を高めること
ができる。
【0009】上記金属多孔体は、例えば体積率が12%
〜40%の高体積率領域と、これよりも体積率が低い低
体積率領域とに区画されたものとすればよい。12%未
満では十分な耐摩耗性の向上効果を得ることが難しく、
40%を越えると、耐摩耗性の向上には有利になるもの
の、ピストンリングの損傷を招き易くなり、また、製造
も難しくなる。
【0010】シリンダボア内周面において摩耗損傷の激
しいのは爆発時にピストンリングが高い圧力で押し付け
られるピストン上死点側の部分であるから、上記金属多
孔体は、ピストン上死点側の領域の体積率を他の領域よ
りも高くすることが好ましい。例えば、シリンダボア全
長のピストン上死点側の端から1/3ないし1/6程度
の領域、すなわち、ピストンが上死点にあるときのピス
トンリング配設部位に対応する領域の体積率を高くすれ
ばよい。例えばピストン上死点側の端から20mm程度
の領域である。
【0011】また、シリンダボア内周面におけるピスト
ン上死点時のピストンリング位置よりも上死点側ではピ
ストンリングによる摩耗損傷を受けないから、このピス
トンリング位置よりも上死点側の部位については金属多
孔体の体積率を下げることも可能である。但し、このよ
うにピストン上死点時のピストンリングに対応する位
置、端的に言えばシリンダボアの中間位置のみ体積率を
高くし、その両側の体積率を低くすると、体積率の高い
部分は溶湯の含浸性が低く、エアが抜け難いから当該中
間部位にエアが残って欠陥となり易くなる。従って、好
ましいのは、金属多孔体におけるピストン上死点時のピ
ストンリングに対応する部位よりピストン上死点側の端
に至る領域を全て高体積率にすることである。
【0012】また、本発明は、材質が相異なる2以上の
領域を有する円筒状の金属多孔体がシリンダボアを形成
するように鋳ぐるまれ、このシリンダボアの内周面が金
属多孔体の上記2以上の領域に対応して面性状の相異な
る2以上の領域に分かれていることを特徴とするシリン
ダブロックである。
【0013】これにより、シリンダボア内周面の摩耗損
傷の激しい部位のみ耐摩耗性に優れた材質による領域で
形成する一方、その他の部位は加工性、溶湯含浸性、あ
るいはコスト低減を優先させた材質による領域で形成す
ることができる。この発明の場合も、シリンダボア全長
のピストン上死点側の領域、例えば上死点側の端から1
/3ないし1/6程度の領域を耐摩耗性に優れた材質、
例えば硬度の高い材質で形成すればよい。
【0014】上記金属多孔体の耐摩耗性に優れた領域
は、CrとNiもしくはそのいずれかを含むFe合金に
よって形成することが好ましい。
【0015】また、溶湯、例えばアルミニウム合金湯の
軽金属溶湯の含浸性を良好なものとするためには、金属
多孔体の平均孔径を0.3mm以上2.Omm以下とす
ることが好ましい。0.3mm未満では鋳造時の溶湯の
含浸性が悪くなりボイド等の欠陥が発生し易くなり、
2.0mmを超える孔径ではシリンダボア内周面に占め
る金属部分の面積率が小さすぎるため十分な耐摩耗性を
得ることが難しくなる。
【0016】また、シリンダボア内周面の耐摩耗性と相
手材(ピストンリング)の損傷とのバランスを取るため
に、金属多孔体を構成する金属は120以上300以下
のビッカース硬度を有するものであることが好ましい。
硬度が120よりも小さいと、シリンダブロック本体を
例えばアルミニウム合金で形成する場合、この本体と大
差ない硬度となるため耐摩耗性の向上が小さく、300
を超える高硬度になるとピストンリングの損傷を招き易
くなるため好ましくない。
【0017】また、本発明は、上述の如きシリンダブロ
ックの製造方法であって、材質又は体積率が相異なる2
以上の領域を有する円筒状の金属多孔体を形成する工程
と、上記金属多孔体を成形型のキャビティにセットする
工程と、上記キャビティに溶湯を注入することにより、
上記金属多孔体を、シリンダボアを形成するように鋳ぐ
るむ工程とを備えていることを特徴とする。
【0018】これにより、シリンダボア内周面の摩耗損
傷の激しい部位のみ耐摩耗性に優れた材質による領域又
は高体積率の領域で形成され、その他の部位は加工が容
易で、かつ溶湯の含浸性に最適な材質による領域又は低
体積率の領域で形成されたシリンダブロックを得ること
ができる。
【0019】上記シリンダブロックの製造方法において
は、シリンダボア内周面において摩耗損傷の激しいのは
ピストン上死点側の部分であるから、上記金属多孔体
は、ピストン上死点側の領域が他の領域よりも体積率が
高くなるように形成することが好ましい。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態を具体的に説明する。
【0021】図1は本発明に係る自動車用エンジンのシ
リンダブロック1を示す。このシリンダブロック1にお
いて、2はアルミニウム合金製シリンダブロック本体、
3はシリンダボア、4はシリンダボア3を形成する金属
多孔体である。この金属多孔体4がシリンダブロック本
体2を形成する溶湯で鋳ぐるまれて当該シリンダブロッ
ク1が形成されている。
【0022】金属多孔体4は、ピストン上死点側の端か
らボア全長の1/6〜1/3程度(図例は約1/4程度
になっている。)の領域Yが高硬度又は高体積率の材で
形成され、残りの領域Xが低硬度又は低体積率の材で形
成されている。この両領域X,Yはシリンダボア内周面
に現れていて、その領域間では材質(硬度)又は体積率
が不連続に変化している。図2及び図3に示すように、
領域Xは単一の部材5で円筒状に形成されているが、領
域Yは、領域Xを形成する部材5の延長部6と別の部材
7とを厚さ方向に重ねて、すなわち複合化させて形成さ
れている。
【0023】上記シリンダブロック1は次のようにして
製造することができる。
【0024】先ず多孔質金属板の一部領域に1枚以上の
他の多孔質金属板を重ねた後、ロール加圧もしくは平板
加圧することにより全領域を同一の厚みにすることで体
積率もしくは材質の異なる2つ以上の領域を不連続に有
する金属多孔板を形成し、この金属多孔板を丸めて図3
に示すような円筒状の金属多孔体4を形成する。この金
属多孔体4を金型のキャビティに設置し、アルミニウム
合金溶湯を注入することにより、金属多孔体4がシリン
ダボア3を形成するように鋳ぐるみ、当該シリンダブロ
ック1を得る。
【0025】鋳造方法としては、ダイキャスト、溶湯鋳
造、低圧鋳造などが適用できる。特に量産性に優れたダ
イキャスト法においてもこの発明の金属多孔体は変形や
破損が無く歩留良く良好な複合材が形成できる。
【0026】
【実施例】実施例1 発泡ウレタン樹脂の骨格表面をカーボン塗布による導電
化処理を施した後、電気メッキによりNi皮膜を形成し
焙焼還元することによりNi金属多孔板を得た。しかる
後、クロマイズ処理を施して表1に示すNo.1とN
o.2の金属多孔板を得た。
【0027】
【表1】
【0028】表1の金属多孔板について表2に示す組み
合わせでサンプルA〜Dの各円筒形状の金属多孔体(図
3参照)を形成した。
【0029】
【表2】
【0030】すなわち、サンプルAは、No.1の金属
多孔板を3重に巻いて円筒形状とし、さらにプレス加工
により全領域が厚さ5.3mmとなるように成形した。
その体積率は全領域にわたって9%である。サンプルB
は、No.1の金属多孔板に代えてNo.2の金属多孔
板を用いてサンプルAと同様に円筒形状の金属多孔体を
形成した。その体積率は全領域にわたって15%であ
る。サンプルA,Bは領域Y欄が「無し」になっている
が、これは金属多孔体に領域X、領域Yの区別がなく、
その全体が領域X欄に記載された金属多孔板で形成され
ていることを意味する。
【0031】サンプルC,Dは、領域XはサンプルAと
同じ構成になるようにしたが、サンプルCの領域Yにつ
いては、No.1の金属多孔板を1枚追加することによ
り計4重巻きとし、プレス成形後の厚さが領域Xと同じ
く5.3mmになるようにした。その体積率は12%で
ある。サンプルDの領域Yについては、No.1の金属
多孔板を2枚追加することにより計5重巻きとしてプレ
ス成形後の厚さが5.3mmになるようにしたものであ
り、その体積率は15%である。
【0032】ここで、サンプルBについては金属多孔板
の体積率が高いため、加工性が極めて悪く他のサンプル
に比べ加工時間が2倍近くになった。
【0033】上記円筒状の金属多孔体A〜Dを金型内に
セットし、700℃に加熱したアルミニウム合金(AD
C12)の溶湯を鋳造圧力が78〜88MPa、溶湯射
出速度が1.5〜2.5m/sの条件で複合化(鋳ぐる
み)することでシリンダブロックを作製した。
【0034】次いで上記シリンダブロックの摩耗特性を
表3に示すテスト条件で評価した。摩耗テストは、摺動
相手材としてピストンリング用のSUS440(表面窒
化処理有り)を用い、これを20Hzの加圧周期で最大
面圧が5.9MPaとなるようにサンプルの領域X、Y
に押し当てながら摺動させるというものである。摺動面
には潤滑油を供給するようにした。摺動速度、潤滑油
量、温度及びテスト時間は表3に示す通りである。領域
X,Yの摩耗量を表4に示す。
【0035】
【表3】
【0036】
【表4】
【0037】本発明例C,Dでは領域Yの摩耗量が領域
Xに比べて少なくなっている。これは領域Yの体積率が
領域Xよりも高く耐摩耗性に優れているためである。従
って、本発明によれば、シリンダボア内周面のピストン
上死点側の部分(領域Y)の耐摩耗性が高まる。
【0038】実施例2 平均粒径0.5μmのFe23粉末50重量部、平均粒
径5μmのFe−Cr(Cr63%)合金粉末14.5
重量部、平均粒径2.5μmのNi粉末4.5重量部、
分散剤1.5重量部、水11重量部、フェノール樹脂1
2重量部の配合比率でこれらを混合し、スラリーを作成
した。このスラリーを発泡ウレタン樹脂の骨格表面に塗
着乾燥後、非酸化性雰囲気中で焼結することで、表5に
示すFe−18Cr−8Ni合金よりなるNo.3の金
属多孔板を作製した。
【0039】
【表5】
【0040】表1及び表5の金属多孔板を用いて表6に
示す組み合わせでサンプルE〜Gの各円筒形状の金属多
孔体(図3参照)を形成した。
【0041】
【表6】
【0042】すなわち、サンプルEは、No.3の金属
多孔板を3重巻きにしてサンプルAと同様にして円筒形
状の金属多孔体を形成したものであり、体積率は全領域
にわたって9%である。サンプルF,Gは、領域Xはサ
ンプルAと同じ構成になるようにしたが、サンプルFの
領域YについてはNo.1の金属多孔板3枚に対し、N
o.3の金属多孔板1枚が円筒の内周側になるように計
4重巻きに巻き加工した後、プレス成形により厚さが領
域Xと同じく5.3mmになるようにしたものであり、
その領域Yの体積率は12%である。サンプルGの領域
YはNo.1の金属多孔板3枚に対し、No.3の金属
多孔板2枚が円筒の内周側になるように計5重巻きに巻
き加工した後、プレス成形により厚さが5.3mmにな
るようにしたものであり、その体積率は15%である。
【0043】得られた円筒形状の金属多孔体を実施例1
と同様の方法でアルミニウム合金と複合化し摩耗特性を
評価した結果を表7に示す。
【0044】
【表7】
【0045】表7によれば、本発明例F,Gはいずれも
領域Yの摩耗量が少ない。これは、いずれも領域Yを形
成する金属多孔体の体積率が高くその骨格部の硬度も高
いためと考えられる。同様に本発明例Gの摩耗量がFよ
りも少なくなっているのは、Gの領域Yの体積率がFよ
りも高いためと考えられる。
【0046】(加工性について)上記No.1〜3の金
属多孔板を用いてサンプルA,B,Eに相当する各円板
を形成し、これらについて水溶性切削液を滴下しながら
ダイヤモンド工具で切削加工を行なったときの工具摩耗
量を調べた。具体的には、円板を旋盤に取り付けて周速
度100m/sで回転させながら、工具チップを切り込
み量0.5mm、1回転当たりの送り量を0.06mm
で円板の縁から中心に向かって送ることにより、円板表
面を切削した。結果は表8に示されている。
【0047】
【表8】
【0048】表8によれば、体積率の高いサンプルBは
体積率の低いサンプルAの場合よりも工具摩耗量が多く
なっている。また、Fe−18Cr−8Ni合金を用い
たサンプルEは、体積率はサンプルAと同じであるもの
の、工具摩耗量はサンプルAよりも多くなっている。こ
れから、シリンダボア内周面全体をサンプルBのような
高い体積率の金属多孔体又はサンプルEのような高硬度
の材料で形成すると、耐摩耗性は高くなっても、加工性
が悪く工具寿命が短くなって不利になることがわかる。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、円筒状の金属多孔体をそれによってシリンダボアが
形成されるように鋳ぐるんだシリンダブロックにおい
て、その金属多孔体として体積率又は材質が相異なる2
以上の領域を備えたものを採用し、その相異なる領域が
シリンダボア内周面を形成するようにしたから、加工
性、溶湯含浸性、コスト面を有利あるものにしながら、
シリンダボア内周面の耐摩耗性を部分的に高めて、シリ
ンダブロック全体としての耐久性を向上させることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係るシリンダブロックの縦断面図。
【図2】同シリンダブロックの一部を拡大して示す縦断
面図。
【図3】同シリンダブロックに鋳ぐるむ円筒状金属多孔
体を一部切欠いて示す斜視図。
【符号の説明】
1 シリンダブロック 2 シリンダブロック本体 3 シリンダボア 4 金属多孔体 5 領域Xを形成する部材 6 部材5の延長部 7 領域Yを形成する部材

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 体積率が相異なる2以上の領域を有する
    円筒状の金属多孔体がシリンダボアを形成するように鋳
    ぐるまれ、このシリンダボアの内周面が金属多孔体の上
    記2以上の領域に対応して面性状の相異なる2以上の領
    域に分かれていることを特徴とするシリンダブロック。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載されているシリンダブロ
    ックにおいて、 上記金属多孔体は、体積率が12%〜40%の高体積率
    領域と、これよりも体積率が低い低体積率領域とを備え
    てなることを特徴とするシリンダブロック。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載されているシリンダブロ
    ックにおいて、 上記金属多孔体は、ピストン上死点側の領域が他の領域
    よりも体積率が高いことを特徴とするシリンダブロッ
    ク。
  4. 【請求項4】 材質が相異なる2以上の領域を有する円
    筒状の金属多孔体がシリンダボアを形成するように鋳ぐ
    るまれ、このシリンダボアの内周面が金属多孔体の上記
    2以上の領域に対応して面性状の相異なる2以上の領域
    に分かれていることを特徴とするシリンダブロック。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載されているシリンダブロ
    ックにおいて、 金属多孔体は、その1つの領域がCrとNiもしくはそ
    のいずれかを含み他の領域よりも高耐摩耗性のFe合金
    からなることを特徴とするシリンダブロック。
  6. 【請求項6】 材質又は体積率が相異なる2以上の領域
    を有する円筒状の金属多孔体を形成し、該金属多孔体を
    成形型のキャビティにセットし、該キャビティに溶湯を
    注入することにより、該金属多孔体がシリンダボアを形
    成するように鋳ぐるまれたシリンダブロックを製造する
    ことを特徴とするシリンダブロックの製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載されているシリンダブロ
    ックの製造方法において、 上記金属多孔体は、ピストン上死点側の領域が他の領域
    よりも体積率が高くなるように形成することを特徴とす
    るシリンダブロックの製造方法。
JP2000200539A 2000-07-03 2000-07-03 シリンダブロックおよびその製造方法 Pending JP2002018567A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000200539A JP2002018567A (ja) 2000-07-03 2000-07-03 シリンダブロックおよびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000200539A JP2002018567A (ja) 2000-07-03 2000-07-03 シリンダブロックおよびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002018567A true JP2002018567A (ja) 2002-01-22

Family

ID=18698401

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000200539A Pending JP2002018567A (ja) 2000-07-03 2000-07-03 シリンダブロックおよびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002018567A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010190200A (ja) * 2009-02-20 2010-09-02 Honda Motor Co Ltd シリンダライナ
CN107795402A (zh) * 2016-08-29 2018-03-13 丰田自动车株式会社 内燃机的汽缸体以及汽缸体的制造方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010190200A (ja) * 2009-02-20 2010-09-02 Honda Motor Co Ltd シリンダライナ
CN107795402A (zh) * 2016-08-29 2018-03-13 丰田自动车株式会社 内燃机的汽缸体以及汽缸体的制造方法
US10408159B2 (en) 2016-08-29 2019-09-10 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Cylinder block of internal combustion engine and cylinder block manufacturing method

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6840978B2 (en) Porous metal article, metal composite material using the article and method for production thereof
JP4789837B2 (ja) 鉄系焼結体及びその製造方法
EP0167034A1 (en) Valve-seat insert for internal combustion engines and its production
JP5588879B2 (ja) プレアロイ銅合金粉末鍛造連接棒
JP4275900B2 (ja) キャストイン硬質材料体を含む金属鋳造鋳型体
JP3547078B2 (ja) シリンダブロックの製造方法
JP2009503374A (ja) 鋳込インサート付連接棒
US6103397A (en) Metallic porous product and composite product thereof and method of producing the same
US20070098832A1 (en) Molding tool
CA2332192C (en) Oil pump
US8510942B2 (en) Camshaft lobe and method of making same
JP2002018567A (ja) シリンダブロックおよびその製造方法
KR19980081678A (ko) 철계 소결합금의 제조방법, 이 제조방법에 의해 제조된 철계 소결합금 및 베어링 캡
JP4323689B2 (ja) 金属多孔体プリフォームの製造方法
US20050183839A1 (en) Preform for composite material and aluminum composite material having the preform for composite material and a manufacturing method of the same
JP2003064404A (ja) 金属多孔体、それを用いた金属複合材およびそれらの製造方法
EP0424109A2 (en) Aluminium alloy matrix composite for internal combustion engines
CN114909471A (zh) 活塞销及其制造方法
JP2003010961A (ja) 複合強化シリンダブロック
EP0779410B1 (en) Composite shim for use in internal combustion engine
JPH03134252A (ja) 内燃機関用アルミニウム合金複合部材
JPH03189063A (ja) 鉄系多孔質強化材およびそれと非鉄金属との複合体
JP2009030657A (ja) シリンダブロックおよびその製造方法
JPH10219307A (ja) 焼結歯車
JPS61165264A (ja) 一部に耐摩耗性面を有する機械部品の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070615

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070927

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090609

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20091027