JP2002017660A - 内視鏡用可撓管の製造方法 - Google Patents
内視鏡用可撓管の製造方法Info
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Abstract
密着性に優れた内視鏡用可撓管を得ることができる内視
鏡用可撓管の製造方法を提供すること。 【解決手段】本発明の内視鏡用可撓管2の製造方法は、
螺旋管31の外周に、細線321を編組して形成された
網状管32を被覆して芯材3を作製する工程と、芯材3
の端部付近の外周に、剥離部材4を被覆する工程と、剥
離部材4で被覆された芯材3に外皮5を被覆する工程
と、芯材3の端部付近における外皮5を剥離部材4とと
もに除去する工程と、外皮5の除去によって芯材3が露
出した部分において、螺旋管31と網状管32とをその
端部付近でろう接する工程とを有する。ろう接工程の前
に、網状管32に被覆した外皮5に対して熱処理を施す
工程を有するのが好ましい。外皮5の材料は、フッ素ゴ
ムおよびシリコーンゴムの少なくとも一方を含むもので
あるのが好ましい。剥離部材4は、少なくとも片方の面
付近がフッ素系樹脂を含む材料で構成されたものである
のが好ましい。
Description
製造方法に関するものである。
られる内視鏡用可撓管は、螺旋管の外周を網状管(編組
体)で被覆した管状の芯材に、合成樹脂や合成ゴム等で
構成された外皮が被覆された構成となっている。
ように製造されていた。まず、螺旋管の外周に網状管を
被覆する。次に、その状態で、螺旋管と網状管とをその
両端付近で半田付け(ろう接)して固定する。その後、
押出成形等の方法によって、さらに外皮を被覆する。
するため、使用する都度、消毒・滅菌を行う必要があ
る。この消毒・滅菌を行う方法に、従来の消毒液等の使
用に代わるものとして、オートクレーブ(高圧蒸気滅
菌)がある。このオートクレーブでは、内視鏡は、例え
ば、135℃、2気圧程度の高温高圧の水蒸気に5〜2
0分程度さらされる。
って滅菌をすることができるものとするためには、内視
鏡用可撓管もオートクレーブ時の高温に対する耐熱性が
求められる。このため、内視鏡用可撓管の外皮の材料と
しては、例えばフッ素ゴムやシリコーンゴム等の耐熱性
に優れた材料を使用する必要がある。
とした場合には、外皮を内視鏡用可撓管の芯材に被覆し
た後、外皮材料に対して熱処理(加硫)を施す必要があ
る。このような熱処理(加硫)の際の温度は、例えば、
250〜300℃程度である。
温度は、多くの半田(軟ろう)の融点よりも高いため、
次のような問題があった。それは、外皮を熱処理するた
めに内視鏡用可撓管を加熱すると、螺旋管と網状管とを
固定していた半田が溶融し、螺旋管と網状管との固定が
損なわれるという問題である。
には、螺旋管と網状管との固定に溶接(融接)等の他の
方法を用いる必要があった。このため、製造効率の低
下、製造コストの増大を招いていた。
田付け(ろう接)を行うこともできるが、この場合、半
田付けに先立ち、芯材の両端付近に密着した外皮を除去
する必要がある。しかし、外皮の一部は、網状管の網目
等に入り込んでいるため、芯材に密着した外皮を完全に
除去するのは困難であった。また、芯材に密着した外皮
の除去が不十分な状態で半田付け(ろう接)を行うと、
残存した外皮材料によって、螺旋管と網状管との密着性
が十分に得られない場合があった。したがって、このよ
うな方法で内視鏡用可撓管を製造した場合、製造効率の
低下、製造コストの増大、螺旋管と網状管との密着性の
低下等の問題を招いていた。
的簡単な製造工程で、螺旋管と編組体と外皮との密着性
(結合力)に優れた内視鏡用可撓管を得ることができる
内視鏡用可撓管の製造方法を提供することにある。
(1)〜(12)の本発明により達成される。
れた螺旋管の外周に、細線を編組して形成された編組体
を被覆して芯材を作製する工程と、前記芯材の端部付近
の外周に、剥離部材を被覆する工程と、前記剥離部材で
被覆された前記芯材に外皮を被覆する工程と、前記芯材
の端部付近における前記外皮を前記剥離部材とともに除
去する工程と、前記外皮の除去により前記芯材が露出し
た部分において、前記螺旋管と前記編組体とをその端部
付近でろう接する工程とを有することを特徴とする内視
鏡用可撓管の製造方法。
旋管と編組体と外皮との密着性(結合力)に優れた内視
鏡用可撓管を製造することができる。
体に被覆した外皮に対して熱処理を施す工程を有する上
記(1)に記載の内視鏡用可撓管の製造方法。
を利用して内視鏡用可撓管を製造することができる。
加硫するものである上記(2)に記載の内視鏡用可撓管
の製造方法。
利用して内視鏡用可撓管を製造することができる。
よびシリコーンゴムの少なくとも一方を含むものである
上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の内視鏡用可
撓管の製造方法。これにより、耐熱性に優れた内視鏡用
可撓管を製造することができる。
芯材と接触する側の面付近が前記芯材との密着性の低い
材料で構成されたものである上記(1)ないし(4)の
いずれかに記載の内視鏡用可撓管の製造方法。これによ
り、生産性良く内視鏡用可撓管を製造することができ
る。
外皮と接触する側の面付近が前記外皮との密着性の低い
材料で構成されたものである上記(1)ないし(5)の
いずれかに記載の内視鏡用可撓管の製造方法。これによ
り、生産性良く内視鏡用可撓管を製造することができ
る。
の面付近がフッ素系樹脂を含む材料で構成されたもので
ある上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の内視鏡
用可撓管の製造方法。
を用いた場合においても、生産性良く内視鏡用可撓管を
製造することができる。
ある上記(1)ないし(7)のいずれかに記載の内視鏡
用可撓管の製造方法。これにより、生産性良く内視鏡用
可撓管を製造することができる。
螺旋管を芯金に巻回した状態で、前記螺旋管の外周に前
記編組体を被覆することにより行われ、その後、前記芯
金を除去する上記(1)ないし(8)のいずれかに記載
の内視鏡用可撓管の製造方法。
(結合力)がさらに優れた内視鏡用可撓管を製造するこ
とができる。
ける前記螺旋管の外径は、自然状態における前記螺旋管
の外径より小さい上記(9)に記載の内視鏡用可撓管の
製造方法。
(結合力)が特に優れた内視鏡用可撓管を製造すること
ができる。
記芯材を長手方向に移動しながら、前記外皮の材料を押
し出し口から押し出して、押し出した前記外皮の材料
を、その一部を前記芯材の隙間に浸透させつつ、前記芯
材の外周に被覆するものである上記(1)ないし(1
0)のいずれかに記載の内視鏡用可撓管の製造方法。
に優れた内視鏡用可撓管を生産性良く製造することがで
きる。
記外皮は、前記外皮の少なくとも外表面に切れ目を入れ
ることにより、前記剥離部材とともに除去されるもので
ある上記(1)ないし(11)のいずれかに記載の内視
鏡用可撓管の製造方法。これにより、生産性良く内視鏡
用可撓管を製造することができる。
製造方法の好適な実施形態について、添付図面を参照し
つつ説明する。
鏡用可撓管を有する内視鏡の全体構成の一例について説
明する。
視鏡用可撓管を有するファイバー内視鏡(ファイバース
コープ)を示す全体図である。以下、図1中の上側を
「基端」、下側を「先端」として説明する。
(弾力性)を有する挿入部可撓管11と、挿入部可撓管
11の先端部に設けられた湾曲管12と、挿入部可撓管
11の基端部に設けられ、術者が把持してファイバー内
視鏡1全体を操作する操作部13と、操作部13の基端
部に設けられ、被写体の像を直接観察する接眼部14
と、操作部13に接続されたライトガイド可撓管15
と、ライトガイド可撓管15の先端側に設けられた光源
差込部16とで構成されている。
入部可撓管11やライトガイド可撓管15の製造に使用
することができるものである。
して使用される。また、操作部13には、操作レバー1
7が設置されている。この操作レバー17を操作する
と、挿入部可撓管11内に配設されたワイヤー(図示せ
ず)が牽引されて、湾曲管12が2方向に湾曲し、その
湾曲方向を変えることができる。
クタ18が設置され、この光源用コネクタ18が光源装
置(図示せず)に接続されている。光源装置から発せら
れた光は、光源用コネクタ18、および、光源差込部1
6内、ライトガイド可撓管15内、操作部13内、挿入
部可撓管11内および湾曲管12内に連続して配設され
た光ファイバー束によるライトガイド(図示せず)を通
り、湾曲管12の先端部より観察部位に照射され、照明
する。
の反射光(被写体像)は、挿入部可撓管11内および操
作部13内に連続して配設された光ファイバー束による
イメージガイド(図示せず)を通り、接眼部14へ伝達
される。
せず)が設置され、イメージガイド内を通って到達した
反射光がこの接眼レンズを通して観察される。
いて説明したが、本発明の内視鏡用可撓管の製造方法
は、ファイバー内視鏡に限らず、電子内視鏡の内視鏡用
可撓管の製造にも使用することができることは、言うま
でもない。
を図2〜図13に示す好適実施形態に基づいて詳細に説
明する。
のような各工程を有する。 [1]芯材3を作製する工程 まず、芯材3を作製する。
に示すように、芯材3は、螺旋管31と、網状管32
(編組体)とで構成されている。螺旋管31は、帯状材
を均一な径で螺旋状に間隔を開けて巻回して形成された
ものである。帯状材を構成する材料としては、例えば、
ステンレス鋼、銅系合金等が好ましく用いられる。ま
た、網状管32は、金属製または非金属製の細線321
を複数並べたものを編組して形成されたものである。細
線321を構成する材料としては、例えば、ステンレス
鋼、銅系合金等が好ましく用いられる。
(編組体)を被覆することにより作製される。
体)の被覆は、いかなる方法で行われてもよいが、螺旋
管31を芯金8に巻回した状態で行われるのが好まし
い。これにより、螺旋管31の形状が安定し、網状管3
2(編組体)の被覆を容易に行うことができる。また、
芯金8に巻回された状態における螺旋管31の外径D'
は、自然状態(外力が作用していない状態)における螺
旋管31の外径Dより小さくなっているのが好ましい。
ついて説明する。図3は、螺旋管の自然状態を示す正面
図、図4は、螺旋管を芯金に仮止めした状態を示す正面
図、図5は、螺旋管を芯金に仮止めした状態を示す側面
図、図6は、芯金に仮止めした螺旋管の外周に網状管を
被覆した状態を示す正面図である。以下の説明では、図
3、図4中の左側を「先端」、右側を「基端」として説
明する。
旋管31を用意する。この螺旋管31の先端部を内周側
に折り曲げて、図4および図5に示すように、折り曲げ
部311を形成しておく。このような螺旋管31に芯金
8を挿通する。芯金8の両端付近には、溝81、82が
形成されており、折り曲げ部311を芯金8の先端側の
溝81に通して、螺旋管31の先端が芯金8に対して回
転しないようにする。そして、螺旋管31の基端を帯状
材の巻回方向に捩じっていく。そうすると、螺旋管31
は、その外径D' が次第に縮小するように変形する。
した後、螺旋管31の基端に先端と同様の折り曲げ部3
12を形成する。そして、この折り曲げ部312を芯金
8の基端側の溝82に通し、螺旋管31が元の形状に復
元しないように仮止めする。なお、螺旋管31を芯金に
仮止めする方法は、前述したような折り曲げ部311、
312と溝81、82とによる方法によらず、いかなる
方法でもよい。
らに網状管32を被覆することにより、図6に示すよう
な芯金8に巻回された芯材3が得られる。螺旋管31の
外周に網状管32を被覆する方法としては、例えば、以
下のような方法が挙げられる。
2内に、芯金8に巻回した螺旋管31を挿通する。その
後、芯金8の両端付近で、網状管32を針金6で緊縛す
ることにより、螺旋管31と網状管32とがずれないよ
うに固定する。このとき、螺旋管31は、その外周のほ
ぼ全面が網状管32の内周と密着しているのが好まし
い。これにより、螺旋管31と網状管32との密着性に
優れた内視鏡用可撓管2を得ることができる。
前述したような方法に限定されず、例えば、芯金に巻回
された螺旋管の外周に、シート状の編組体を巻着するよ
うな方法であってもよい。
被覆された後に除去されればよいが、本実施形態では、
後述する外皮5の被覆工程の後に除去されるものとして
説明する。
る工程 図7は、芯材の端部付近を剥離部材で被覆した状態を示
す正面図である。
部付近の外周に剥離部材4を被覆する。
覆した際に芯材3の端部付近の網状管32、螺旋管31
に外皮5が密着するのを防止する機能を有する。これに
より、後述する螺旋管31と網状管32とのろう接を簡
便かつ確実に行うことができる。
触する側の面(以下、「芯材接触面」という)付近が芯
材3との密着性の低い材料で構成されたものであるのが
好ましい。これにより、後述する芯材3の端部付近の外
皮5を剥離部材4とともに除去する工程において、芯材
3の外周から剥離部材4を容易に除去することが可能と
なる。それに伴い、外皮5の除去も容易なものとなり、
結果として、内視鏡用可撓管2の生産性が向上する。
接触する側の面(以下、「外皮接触面」という)付近が
外皮5との密着性の低い材料で構成されたものであるの
が好ましい。これにより、剥離部材4と外皮5との剥離
性は、優れたものとなる。そのため、後述する芯材3の
端部付近の外皮5を剥離部材4とともに除去する工程に
おいて、剥離部材4と外皮5とを容易に剥離することが
可能となる。それに伴い、剥離部材4の除去も容易なも
のとなり、結果として、内視鏡用可撓管2の生産性が向
上する。
密着性が低い材料としては、例えば、フッ素系樹脂、シ
リコーン系樹脂、長鎖アルキル系樹脂、アルキッド系樹
脂、等が挙げられるが、その中でも特に、フッ素系樹脂
が好ましい。芯材接触面付近、外皮接触面付近の構成材
料としてフッ素系樹脂を用いることにより、後述する熱
処理を行った場合でも剥離部材4が芯材3、外皮5と密
着するのを効果的に防止することができる。その結果、
外皮5に対して熱処理を施す必要がある場合であって
も、内視鏡用可撓管を生産性良く製造することが可能と
なる。
テープを用いている。剥離部材4としてこのようなテー
プを用いると、本工程を容易かつ確実に行うことができ
る。これにより、芯材3の端部付近の網状管32、螺旋
管31に外皮5が密着するのをより確実に防止すること
ができる。また、剥離部材4としてこのようなテープを
用いた場合、後述する芯材3の端部付近の外皮5を剥離
部材4とともに除去する工程において、芯材3の外周か
ら剥離部材4を容易に除去することができる。
る場合、その表面付近の少なくとも一部が粘着剤を含む
材料で構成されたものであるのが好ましい。これによ
り、芯材3の端部付近における剥離部材4の固定をさら
に確実なものとすることができる。その結果、後述する
外皮を被覆する工程において、剥離部材4が芯材3の端
部付近からずれるのを防止することができ、芯材3の端
部付近の網状管32、螺旋管31が外皮5と密着するの
をより確実に防止することができる。粘着剤としては、
例えば、アクリル系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、ウ
レタン系粘着剤、ゴム系粘着剤等が挙げられる。
程 次に、剥離部材4で被覆された芯材3の外周に外皮5を
被覆する。
および螺旋管31)の少なくとも一部を埋め込むように
被覆されるのが好ましい。これにより、次のような効果
が得られる。
り、外皮5が芯材3から剥離(分離)しにくいものとな
る。 ・外皮5の耐久性が向上し、亀裂等が生じにくいものと
なる。 ・芯材3(網状管32および螺旋管31)の材質、網状
管32の編組の密度等の選択、埋め込み部分の厚さ等を
調整することにより、外皮5の可撓性(弾力性)を所望
に調節することができる。
されないが、芯材3に被覆した後に熱処理(加硫)を必
要とするものであるのが好ましく、例えば、フッ素ゴ
ム、シリコーンゴム、エチレンプロピレンゴムよりなる
群から選択される少なくとも1種を含むものであるのが
好ましい。後述するように、本発明によれば、外皮5に
対して熱処理を施す場合であっても、螺旋管31と網状
管32とをろう接によって簡便に固定することができる
ため、熱処理を必要とする外皮材料51を使用した場合
に本発明の優位性がより大きいものとなる。
リコーンゴムの少なくとも一方を含むものとした場合に
は、外皮5が耐熱性に優れたものとなる。これにより、
オートクレーブ(高圧蒸気滅菌)によって滅菌を行うこ
とができる内視鏡用可撓管2を製造することができる。
特に限定されないが、次に説明するような押出成形によ
り容易に被覆することができる。
された芯材に外皮を被覆している押出成形機のダイスヘ
ッドの部分の縦断面図である。以下の説明では、図8中
の左側を「先端」、右側を「基端」として説明する。
72とを有している。ダイスヘッド7には、基端から先
端に貫通する円形断面の通路73が形成されている。
同心的に挿通し、図示しない移送手段により、基端から
先端に向かって長手方向(図8中の矢印A方向)に移動
する。
ニップル72とによって、外皮材料通路74が形成され
ている。外皮材料通路74の先端は、通路73内に周状
に開口しており、押し出し口75を形成している。
ず)に投入された外皮材料51が、シリンダ(図示せ
ず)内のスクリュー(図示せず)によって順次送り込ま
れる(図8中の矢印B部)。送り込まれた外皮材料51
は、外皮材料通路74を通って、押し出し口75から押
し出され、長手方向に移動する芯材3の外周に順次被覆
される。
3の隙間33に浸透させる。これにより、外皮5が芯材
3から極めて剥離しにくいものとなる。また、芯材3が
外皮5に埋め込まれることにより、強度等の性能を維持
しつつ、内視鏡用可撓管2の外径を細径化(または、内
径を拡大化)することができる。押出成形を終えた後、
芯金8を抜き取る。
抜き取った状態を示す縦断面図である。図9中、D''
は、芯材3から芯金8を抜き取った状態における螺旋管
31の外径を示す。
にして行うことができる。針金6および折り曲げ部31
1、312が除去されるように、芯材3の両端付近を切
断する。折り曲げ部311、312を除去することによ
り、螺旋管31は、芯金8に対する固定から解除され
る。これにより、螺旋管31は、縮径状態(外径D' )
から元の外径(自然状態)に復元しようとして、網状管
32および外皮5に対して、外周方向に押し広げるよう
な力を及ぼし続ける。このため、螺旋管31の外径は、
幾分拡大し(D'' <D' )、それに伴い、螺旋管31
の内径も拡大する。その結果、螺旋管31と芯金8との
間に隙間が生じ、芯金8を芯材3から容易に抜き取るこ
とが可能となる。
より、螺旋管31と網状管32と外皮5との密着性がさ
らに向上する。その結果、内視鏡用可撓管を繰り返し使
用した場合であっても、螺旋管31と網状管32と外皮
5とが、ずれにくいものとなる。
32および外皮5の内周面に常に押し付けられているた
め、螺旋管31と網状管32と外皮5との密着性(結合
力)が強い。これにより、内視鏡用可撓管2が弾力性に
特に優れたものとなる。その理由について、次に説明す
る。
げた部分では、外皮5は、芯材3の曲がりに沿って外側
では伸長し、内側では収縮する。一方、外皮5が芯材3
に対して確実に固定されているので、内視鏡用可撓管2
の真っ直ぐな部分では、外皮5は伸縮しない。このた
め、外皮5は、内視鏡用可撓管2の曲がった部分で集中
して伸縮するため、その単位長さ当たりの伸縮割合が大
きい。したがって、内視鏡用可撓管2の曲がった部分に
おいて、外皮5に発生する局部的な復元力が大きいの
で、曲がった内視鏡用可撓管2の復元が確実になされ
る。これにより、内視鏡用可撓管2が弾力性に優れたも
のとなる。
に対する固定が不十分であると、外皮5が芯材3に対し
てずれ易くなる。このような場合には、内視鏡用可撓管
2を曲げたとき、外皮5は、その曲げた部分だけでな
く、真っ直ぐな部分も含めた全長に渡る部分で伸縮を吸
収することとなる。このため、外皮5の単位長さ当たり
の伸縮の割合が小さくなって、外皮5に発生する復元力
は小さい。このため、曲がった内視鏡用可撓管2の復元
が確実になされない。
して示す縦断面図である。図10に示すように、螺旋管
31を形成する帯状材は、その片面にかえり313(バ
リ)が形成されている。このかえり313は、板材から
せん断加工により帯状材を切り出した際に形成されるも
のである。螺旋管31は、このような帯状材のかえり3
13を外周側に向けて巻回して形成したものであるのが
好ましい。これにより、かえり313が網状管32およ
び外皮5に対してアンカー効果を生じ、螺旋管31と網
状管32との密着性(結合力)、螺旋管31と外皮5と
の密着性(結合力)は、さらに優れたものとなる。この
ように、かえり313を外周側に向けることによるアン
カー効果は、前述の芯材3を埋め込むように外皮5を被
覆することによる効果と相乗的に作用し、その結果、螺
旋管31と網状管32と外皮5との固定は、より確実な
ものとなる。また、螺旋管31の内周面がかえり313
のない平滑なものとなるため、内視鏡用可撓管2の内部
に挿通される光ファイバー、ケーブル、チューブ類等の
内蔵物を傷つけることがない。
法は、前述したような押出成形に限定されず、いかなる
方法でもよい。また、芯金8を芯材3から抜き取る方法
は、前述したような方法に限定されず、いかなる方法で
もよい。
す。これにより、外皮5の性質を改善して、内視鏡用可
撓管に、例えば、耐熱性向上等の効果を与えることがで
きる。熱処理の目的としては、外皮材料51の加硫が挙
げられるが、これに限定されない。
部付近の外皮5を除去する工程の後に行われるものであ
ってもよい。
る工程 図11は、芯材の端部付近の外皮と剥離部材とを除去し
た後の状態を示す図である。
外皮5を除去する。この部位の外皮5は、剥離部材4と
ともに除去される。外皮5の除去は、例えば、剥離部材
4を被覆してある部分と被覆していない部分との境界
(図9中の矢印で示す部分)上の外皮5のほぼ全周に切
れ目を入れる等の方法により行うことができる。また、
必要に応じて、除去される部位の外皮5に、長手方向の
切れ目を入れてもよい。
に除去されるものであってもよいし、別々に除去される
ものであってもよい。また、外皮5と剥離部材4とが別
々に除去される場合、外皮5を除去した後に剥離部材4
を除去してもよいし、剥離部材4を除去した後に外皮5
を除去してもよい。
芯材3との密着性の低い材料で構成されていると、芯材
3の外周から剥離部材4を容易に除去することができ
る。そのため、外皮5も容易に除去することができる。
5との密着性の低い材料で構成されていると、剥離部材
4と外皮5との剥離性は、優れたものとなっている。そ
のため、剥離部材4と外皮5とを容易に剥離することが
できる。そのため、剥離部材4も容易に除去することが
できる。
する工程 前記[5]で外皮5が除去され、芯材3が露出した部分
において、螺旋管31と網状管32とをろう接(半田付
け)して固定し、内視鏡用可撓管2を得る。このろう接
は、芯材2の外側(例えば、図11中の矢印Aで示す部
分)に施されるものであってもよいし、芯材2の内側
(例えば、図11中の矢印Bで示す部分)に施されるも
のであってもよい。
ろう接の前に行うことができるので、熱処理を行った際
に、網状管32と螺旋管31とを固定している半田が溶
融して、この固定が損なわれるという問題が生じない。
これにより、外皮5の熱処理を行う場合にも、網状管3
2と螺旋管31との固定に溶接(融接)等の他の方法を
使用する必要がなく、低コストで簡便なろう接を使用す
ることができる。また、芯材3の端部付近には外皮5が
密着していないため、網状管32と螺旋管31とのろう
接を簡便かつ確実に行うことができる。
2は、端部に口金91を装着して、操作部13や光源差
込部16に接続される。次に説明するように、口金91
を内視鏡用可撓管2の端部に固定するろう接と、網状管
32と螺旋管31とのろう接を一度に行っても良い。
されている部分の縦断面図である。以下の説明では、図
12中の左側を「先端」、右側を「基端」として説明す
る。
は、口金91を介して操作部13に接続されている。
92が形成されている。外挿部92の内径は、芯材3の
端部における外径とほぼ同じ大きさになっている。そし
て、この外挿部92が内視鏡用可撓管2の基端に外挿さ
れている。外挿部92には、ろう接用孔93が形成され
ている。口金91の外側から、このろう接用孔93が形
成されている部分をろう接する。これにより、網状管3
2と螺旋管31とが固定されるとともに、口金91が内
視鏡用可撓管2に固定される。
の外周には、熱収縮チューブ94を被覆して、水密性を
高めることとしても良い。また、内視鏡用可撓管2と口
金91との隙間に接着剤(図示せず)を充填することに
より、水密性を高めることとしても良い。
で固定される。また、内視鏡用可撓管2と操作部13と
の接続部分の全体は、おさえゴム96で覆われている。
口金91および操作部13とおさえゴム96との間に
は、Oリング97が設置され、水密性が確保されてい
る。内視鏡用可撓管2の外周面21には、例えばパリレ
ンのような潤滑剤をコーティングしても良い。
視鏡用可撓管の他の一例を示す拡大縦断面図である。
が内層52と外層53との2層の積層体で構成されてい
る。そして、芯材3は、内層52に埋め込まれている。
上の積層体であってもよい。このような外皮5の各層
は、互いに物理的特性または化学的特性が異なる材料で
構成することができる。これにより、外皮5の各層の特
性の組み合わせによって、内視鏡用可撓管2に必要とさ
れる各種の性能を同時に優れたものとすることができ
る。
れた材料を使用することにより、外皮5を芯材3により
確実に固定することができる。
用することにより、内層52が外層53と螺旋管31と
の間のクッションとして作用し、内視鏡用可撓管2の弾
力性をより優れたものとすることができる。
使用することにより、消毒液の使用に対する耐久性に優
れたものとすることができる。
層体で構成してもよく、長手方向の一部についてこのよ
うな積層体で構成してもよい。
5を芯材3に被覆する方法は、特に限定されず、例え
ば、複数の押し出し口75を備えた押出成形機によって
複数の層を同時に押し出して、その積層体を芯材3に被
覆することができる。
を添付図面に示す好適な実施形態に基づいて説明した
が、本発明は、これらに限定されるものではない。
てテープを用いているが、剥離部材4は、これに限定さ
れるものではない。例えば、剥離部材4として、フッ素
系、シリコーン系等の離型剤を塗布して形成したシート
材等を用いてもよい。
螺旋管31の外径D、縮径状態における螺旋管31の外
径D' 、および芯材3から芯金8を抜き取った状態にお
ける螺旋管31の外径D'' は、それぞれ、全長に渡っ
てほぼ一定となっているが、これらの値は、長手方向に
沿って変化するものであってもよい。
状管と螺旋管とのろう接を容易かつ確実に行うことがで
きる。このため、比較的簡単な製造工程で、網状管と螺
旋管と外皮との密着性に優れた内視鏡用可撓管を製造す
ることができる。特に、外皮に対して熱処理を施す必要
がある場合においても、螺旋管と網状管との固定にろう
接を使用することができる。
ないので口金等の取り付けも容易に行うことができる。
旋管の外径より小さくなった状態で、螺旋管の外周に網
状管を被覆することにより、螺旋管と網状管との密着性
(結合力)、螺旋管と外皮との密着性を向上することが
できる。
を、外皮材料の一部が芯材の隙間に浸透するように行う
ことにより、螺旋管と編組体と外皮との密着性が向上す
る。
特に優れた弾力性、耐久性を有する内視鏡用可撓管を製
造することができる。
を有するファイバー内視鏡の一例を示す全体図である。
ある。
ある。
した状態を示す正面図である。
す正面図である。
外皮を被覆する工程を示す縦断面図である。
態を示す縦断面図である。
縦断面図である。
た後の状態を示す縦断面図である。
縦断面図である。
の拡大縦断面図である。
Claims (12)
- 【請求項1】 帯状材を螺旋状に巻回して形成された螺
旋管の外周に、細線を編組して形成された編組体を被覆
して芯材を作製する工程と、 前記芯材の端部付近の外周に、剥離部材を被覆する工程
と、 前記剥離部材で被覆された前記芯材に外皮を被覆する工
程と、 前記芯材の端部付近における前記外皮を前記剥離部材と
ともに除去する工程と、 前記外皮の除去により前記芯材が露出した部分におい
て、前記螺旋管と前記編組体とをその端部付近でろう接
する工程とを有することを特徴とする内視鏡用可撓管の
製造方法。 - 【請求項2】 前記ろう接工程の前に、前記編組体に被
覆した外皮に対して熱処理を施す工程を有する請求項1
に記載の内視鏡用可撓管の製造方法。 - 【請求項3】 前記熱処理は、前記外皮の材料を加硫す
るものである請求項2に記載の内視鏡用可撓管の製造方
法。 - 【請求項4】 前記外皮の材料は、フッ素ゴムおよびシ
リコーンゴムの少なくとも一方を含むものである請求項
1ないし3のいずれかに記載の内視鏡用可撓管の製造方
法。 - 【請求項5】 前記剥離部材は、少なくとも前記芯材と
接触する側の面付近が前記芯材との密着性の低い材料で
構成されたものである請求項1ないし4のいずれかに記
載の内視鏡用可撓管の製造方法。 - 【請求項6】 前記剥離部材は、少なくとも前記外皮と
接触する側の面付近が前記外皮との密着性の低い材料で
構成されたものである請求項1ないし5のいずれかに記
載の内視鏡用可撓管の製造方法。 - 【請求項7】 前記剥離部材は、少なくとも片方の面付
近がフッ素系樹脂を含む材料で構成されたものである請
求項1ないし6のいずれかに記載の内視鏡用可撓管の製
造方法。 - 【請求項8】 前記剥離部材は、帯状のテープである請
求項1ないし7のいずれかに記載の内視鏡用可撓管の製
造方法。 - 【請求項9】 前記芯材を作製する工程は、前記螺旋管
を芯金に巻回した状態で、前記螺旋管の外周に前記編組
体を被覆することにより行われ、 その後、前記芯金を除去する請求項1ないし8のいずれ
かに記載の内視鏡用可撓管の製造方法。 - 【請求項10】 前記芯金に巻回された状態における前
記螺旋管の外径は、自然状態における前記螺旋管の外径
より小さい請求項9に記載の内視鏡用可撓管の製造方
法。 - 【請求項11】 前記外皮を被覆する工程は、前記芯材
を長手方向に移動しながら、前記外皮の材料を押し出し
口から押し出して、押し出した前記外皮の材料を、その
一部を前記芯材の隙間に浸透させつつ、前記芯材の外周
に被覆するものである請求項1ないし10のいずれかに
記載の内視鏡用可撓管の製造方法。 - 【請求項12】 前記芯材の端部付近における前記外皮
は、前記外皮の少なくとも外表面に切れ目を入れること
により、前記剥離部材とともに除去されるものである請
求項1ないし11のいずれかに記載の内視鏡用可撓管の
製造方法。
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