JP2002017397A - ノルウオークウイルスの免疫学的分析方法、感染症のスクリーニング方法及びスクリーニング用キット - Google Patents

ノルウオークウイルスの免疫学的分析方法、感染症のスクリーニング方法及びスクリーニング用キット

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JP2002017397A JP2000208150A JP2000208150A JP2002017397A JP 2002017397 A JP2002017397 A JP 2002017397A JP 2000208150 A JP2000208150 A JP 2000208150A JP 2000208150 A JP2000208150 A JP 2000208150A JP 2002017397 A JP2002017397 A JP 2002017397A
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norwalk virus
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JP2000208150A
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Tadayoshi Shibata
忠良 柴田
Sadahiko Suzuki
定彦 鈴木
Tomoko Yoda
知子 依田
Shiro Matsuura
司郎 松浦
Yoshitake Terano
由剛 寺野
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NIPPON SEIBUTSU KAGAKU CT KK
Iatron Laboratories Inc
Osaka Prefecture
Mitsubishi Kagaku Iatron Inc
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NIPPON SEIBUTSU KAGAKU CENTER KK
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Osaka Prefecture
Mitsubishi Kagaku Iatron Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ノルウォーク ウイルス(NV)を病原体とする
流行性胃腸炎の抗原分析は、従来、RT−RCRもしくはバ
キュロウイルスの系を用いたキャプシッドタンパクを認
識する抗体を用いる方法が主流であったが、前者は操作
が煩雑で時間がかかり、後者は抗体の特異性が高くグル
ープの枠を越えたウイルスの検出は困難であった。した
がって簡便、迅速且つゲノグループの如何を問わないの
分析法が待ち望まれてした。 【解決方法】ゲノグループ IおよびII のいずれのノル
ウォーク ウイルスも認識する抗体を、大腸菌の系から
発現させたタンパクを抗原として作製し、その抗体を用
いることにより、前記課題を解決した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、便、血液、体液、
体組織、食品等の検体中のノルウオーク ウイルス(Nor
walk virus:NVという。)を免疫学的に分析する方法、N
V感染症のスクリーニング方法及び感染症スクリーニン
グ用キットに関する。
【0002】
【従来の技術】古くから、流行性胃腸炎または流行性嘔
吐下痢症などと呼ばれ、罹患する年齢が幅広く、腹痛、
吐き気、嘔吐、下痢、中程度の発熱などを主症状とする
胃腸炎の集団発生が世界各地でしばしば観察されてい
た。そしてアメリカ合衆国、オハイオ州、ノルウオーク
(Norwalk)で1968年に集団発生した流行性胃腸炎の患者
大便から、この胃腸炎の病原因子であるウイルスが、19
72年電子顕微鏡下に発見され、その発見の地名に因ん
で、ノルウオーク ウイルス68と名付けられた(Kapikia
n AZ, Journal of Virology 5, 1075(1972))。その
後、このノルウオーク ウイルス68と同じ小型で、粒子
表面構造が不明瞭な形状を持つウイルスが各地で相次い
で検出され、その形態的特徴から、小型球形ウイルス(S
RSV)と呼び習わされたが、1999年、ICTV(International
Committee on Taxonomy of Viruses)においてこのウイ
ルスの種名をノルウオーク ウイルス(Norwalk viru
s:NVという。)とすることに決定された。NVは、分子
量が7.4〜7.7Kbの単一(+)鎖のRNAウイルスでり、その
ゲノムは、5′から3′側に向かってヘリカーゼ、Vpg、
ポリメラーゼの領域を包含するORF1と、キャプシッド
タンパク(capsid protein:CPという。)を包含するORF
2および生物的機能が未だ不明なORF3の3つの翻訳領域
と、末尾のポリAからなる。ウイルス粒子を構成するタ
ンパクは1種類で、分子量は58〜63KDaである。
【0003】このNVが、カリシウイルス科(Calicivirid
ae)に分類されることについては、既に国際的に同意が得
られている。しかし、NVは、RNAの一本鎖のウイルスであ
るので変異が多く、遺伝的に多様なウイルスが見つかっ
ており、その分類も種々のものが提案されてきた。とこ
ろが、1990年、Jiang Xらが、NV株68の全塩基配列の解
読に成功して以来、NVについてもその遺伝子構造の解明
が進み、現在最もよく使われている分類法は、NV新鮮分
離株を既知のウイルスと比較して、系統樹上でゲノグル
ープI(GI)かゲノグループII(GII )に分類する方法
である。ゲノグループIとゲノグループIIにおけキャプ
シッド領域のアミノ酸配列の相同性は約50%と低い。
このキャプシッド領域において、ウイルス株間の塩基配
列の80%程度の相同性を根拠にさらに分けると現存す
るNVは、凡そ10種類のクラスターに分類することがで
きる。(Noel JS, Jounal of Medical Virology 53, 372
(1997))。NV68遺伝子の全塩基配列の解読以来、NVの抗
原分析は、RT-PCR法が主流となったが、患者大便からRN
Aを抽出し、RT-PCR法を行い、DNA産物をハイブリダゼー
ションするというこの診断法は、操作が煩雑で、判定結
果を得るまでに1〜2日という時間を必要とする。医療
機関にとってもその判定結果が出されるまでは適切な対
応策が取り難く、その間にも感染が拡大する可能性があ
る。
【0004】さらにNVには、感受性のある培養細胞およ
び実験動物が未知のため、免疫学的診断法は未だ確立さ
れてはいない。そこで、遺伝子組換え技術を利用し、バ
キュロウイルス(BVという。)の系を用いたキャプシッ
ド タンパクの発現が進められ、リコンビナントキャプ
シッド タンパクに対する抗体が報告されてきた。(Jia
ng X. Jouranl of Virology 66(11), 6527(1992), Jian
g X, Jouranl of Clinical Microbiology 33(6), 1452
(1995), Dingle KE, Jouranl of General Virology 76,
2349(1995), Leite JPG, Archives of Virology 141,
865(1996), Green KY, Journal of Clinical Microbiol
ogy 35(7), 1909(1997), Hake AD, Clinical and Diagn
ostic Laboratory Immunology 6(1), 142(1999)。しか
し、BVの系を用いたキャプシッド タンパクの発現で
は、自動的にキャプシッド タンパクが、NVの粒子形成
と同様に二量体を形成し、それが90個集まって中空の粒
子を形成する。この自動的に形成された粒子表面には、
キャプシッドタンパクの中間的位置を占める可変領域が
存在すると考えられている。そのためBVの系を用いて作
製したキャプシッド タンパクを認識する抗体は特異性
が高くなり、クラスターやゲノグループの枠を超えたNV
を認識する免疫抗体は未だ得られていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】嘔吐、頭痛、下痢、発
熱などを伴う集団食中毒の原因を窮めることは、感染拡
大の防止を含む治療対策のためにも極めて重要である。
本発明は、NVのゲノグループの種類の如何を問わず、簡
便かつ10分程の短時間で抗原検出が可能な流行性胃腸炎
のスクリーニング方法及びそのためのキットを提供する
ことを主な目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ノルウォ
ーク ウイルスのキャプシッド タンパクの発現に、従
来のBVの系を用いるのではなく、大腸菌の系を用いたと
ころ、発現したキャプシッド タンパクは、二量体を形
成せず溶液中に溶解し、キャプシッド タンパクのN−
末領域に存在するゲノグループ間で最も保存されている
領域やC−末領域に存在する次に保存されている領域に
対しても、また中間的位置を占める可変領域に対して
も、同様に抗体が産生されることが判明した。さらに大
腸菌の系でゲノグループIIを抗原として用いて作製した
抗体がNVゲノグループIおよびIIのいずれのキャプシ
ッド タンパクも認識することを突きとめ、この抗体を
用いてさらに研究を重ねた結果、本発明を完成するに至
った。すなわち、本発明は、(1)ノルウオーク ウイル
スのキャプシッド タンパクを認識する抗ノルウオーク
ウイルス抗体を用いるノルウオーク ウイルスの免疫学
的分析方法、(2)免疫学的分析方法が、酵素免疫法、
イムノクロマトグラフ法、ラテックス凝集法、磁気ビー
ズ凝集法又は磁気ビーズ酵素免疫法である前記(1)に記
載の分析方法、(3)前記(1)に記載の分析方法によ
って検体中のノルウオーク ウイルスを分析する感染症
のスクリーニング法、(4)ノルウオーク ウイルスの
キャプシッド タンパクを認識する抗ノルウオーク ウ
イルス抗体、ノルウオーク ウイルスのキャップシッド
タンパクを認識する標識化抗ノルウオーク ウイルス抗
体及び界面活性剤含有検体希釈液を含むノルウオーク
ウイルス感染症のスクリーニング用キット、及び(5)
検体希釈液が、界面活性剤としてN−テトラデシル−
N、N−ジメチル−3−アンモニオ−1−プロパンスル
ホン酸、3−[(3−コラシドプロピル)ジメチルアンモ
ニオ]−プロパンスルホン酸、N,N−ビス(3−D−
グルコンアミドプロピル)コラミド及びポリエチレング
リコールモノ−p−イソオクチルフェニルエーテルを含
む前記(4)に記載のスクリーニング用キット、である。
【0007】
【発明の実施の形態】本明細書において「分析」とは、
分析対象であるNVの存在を検出すること、及びNVを定量
的、半定量的、又は定性的に測定することのいずれをも
意味する。従って、本明細書において「分析方法」と
は、分析対象であるNVの存在を検出する方法、NVを定量
的、半定量的、又は定性的に測定する方法のいずれをも
含む。本発明の方法は、界面活性剤含有検体希釈液中で
抗原抗体反応を実施することを除けば、それ以外の点で
は従来公知の免疫学的測定法にそのまま適用することが
できる。本発明方法のより具体的態様としては、例え
ば、試料を界面活性剤含有検体希釈液で処理して被検液
を調整する工程(1)、NVを認識する第一抗体を、適当
な不溶性支持体上に固定させる工程(2)、工程(1)
で調製した被検液を、工程(2)の固定化第一抗体に接
触させる工程(3)、前記NVに対して前記第一抗体とは
異なる部位で結合すると共に標識を有する第二抗体を過
剰量で、前記工程(3)と同時又は前記工程(3)前又
は終了後に接触させる工程(4)、固定化第一抗体とNV
との免疫複合体に結合した第二抗体上の標識の信号を測
定する工程(5)を含む、試料中のNVの免疫学的測定法
が含まれる。この測定方法は、通常、「サンドウィッチ
法」と呼ばれている。また、本発明は、その他公知の免
疫学的測定法に広く応用することができる。
【0008】本発明に用いられるNVを認識する抗体は、
モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体のいずれでも
よい。モノクローナル抗体は、たとえば次の方法により
調製することができる。先ず、患者糞便からRNAを抽出
し、プライマーとしてM13Primer M4、82MSを用いてRT-PC
Rを行い、目的のCPをコードする遺伝子を増幅させる。得
られたRT-PCR産物を、SRSV I-L1 Primer 及びSRSV I-L2
Primer、SRSV II-L1 Primerと SRSV II-L2Primerを用い
て、ネステッドPCR法によりCPをコードする構造遺伝子を
更に増幅させる。このネステッドPCR法の産物をTA-cloni
ng vectorであるpT7 blue (R)にライゲーションさせ、宿
主大腸菌であるXL1-blue competent cell を使って形質
転換させる。この形質転換大腸菌を培養し、Alkaline lys
ate 法により、プラスミドDNAを抽出する。そのプラスミ
ドDNAと、大腸菌の発現ベクターであるpMAL-C2及びp-Trx
Fusを、2種類の制限酵素BamH1とSal 1で切断して、目的の
DNAを得る。 得られたCPをコードする遺伝子を、それぞれ発現ベクタ
ーであるpMAL-c2(New England BioLabs, USA)と、pTrix-
Fus(Invirtogen,USA)に組込み、これらの宿主である大腸
菌XL1-blueまたはGI724を形質転換させて、それぞれマル
トースバインディングプロテイン(MBP)またはチオレド
キシン(TRX)との融合タンパクとしてのCPを発現させる。
NVとしてメキシコタイプ ゲノグループIIに属するNV36
株を用いた場合のCPをNV36CPまたは単にNV36と称するこ
とがある。(NV36CPのアミノ酸配列は、GenBankのアクセス
No.AB028244として登録されている。) ついで自体公知の順序でハイブリドーマを作製し、その
ハイブリドーマによりモノクローナル抗体を大量生産さ
せる。
【0009】(1)まず、大腸菌の系で発現させたNV36C
PとTRXの融合タンパクであるrTRX-NV36をBALB/Cマウス
に注射して免疫感作し、免疫したマウスの脾臓細胞とマ
ウスのミエローマ細胞P3U1とを細胞融合させる。 (2)未融合のミエローマ細胞を支持しない媒質中で希
釈して培養し、抗体産生細胞とミエローマ細胞が融合し
たハイブリドーマを選別し、その中で更にNV36にのみを
認識する抗体を産生するハイブリドーマを選別する。 (3)ハイブリドーマを選択した後、限界希釈法により
モノクローナル抗体産生ハイブリドーマを培養する。 (4)NV36のみを認識する2種類のモノクローナル抗体
産生ハイブリドーマ培養上清液から、それぞれモノクロ
ーナル抗体を回収して精製し、2種類のモノクローナル抗
体を得る。 このようにして得られたモノクローナル抗体のサブクラ
スについて、サザーンバイオテクノロジー アソシエー
ション インク(Southern Biotechnology Association
Inc. )のキットを使用して調べたところ、いずれのモ
ノクローナル抗体もIgGであることが判明した。得ら
れたハイブリドーマのうち、135-1B4株、135-1F6株は特
に抗体生産能が高かった。ハイブリドーマ135-1B4は、2
000年5月19日、通産省工業技術院生命工業技術研究所
(NIBH)に受託番号 FERM BP-7164として寄託され、ハ
イブリドーマ135-1F6は、同日NIBHに FERM BP-7165と
して寄託された。このハイブリドーマ135-1B4および35-
1F6から産生されるモノクローナル抗体は、GIおよびGII
のいずれのNV株に対しても特異的に反応する。NVを認識
するポリクローナル抗体としては、たとえばrTRX-NV36
によって免疫された動物の血清から精製された抗血清
(Yoda T, Terano Y. et al., J. Med.Viol. 60(4), 47
5〜481(2000))、及びrTRX-NV36によって免疫された動物
の脾臓細胞があげられる。これらの抗体の調製は常法で
行うことができる。本発明に用いられるノルウォーク
ウイルスのキャプシッド タンパクを認識する抗ノルウ
ォーク抗体としては、大腸菌の系で発現させたノルウォ
ーク ウイルスのキャプシッド タンパクを抗原(免疫
原)に用いて作製した抗体が有利に用いられ、前記FERM
BP-7164およびFERM BP-7165のハイブリドーマから産
生された135-1B4抗体および135-1F6抗体が特に有利に使
用することができる。
【0010】本発明の方法で測定することのできるNV
は、前記の界面活性剤含有検体希釈液で抽出することが
でき、試料、例えば、生物学的試料、特には、動物(特に人)
の排泄物(例えば、尿、糞便)又は食品(例えば、牡蛎)に含
まれるものである。 本発明では、検査対象となるNVを含有するおそれのある
試料を界面活性剤含有希釈液で処理して、NVを抽出する。
得られた被検液を次の接触工程に用いる。 本発明の方法を、競合法又は非競合法、更にはサンドウィ
ッチ法で実施する場合には、NVに対して特異性を有する
抗体は、前記の方法で予め調製しておく。この抗体(サン
ドウィッチ法では第一抗体)は適当な不溶性支持体(例え
ば、ポリスチレンプレート、ラテックス粒子、磁性粒子、ガ
ラス繊維膜、ナイロン膜、ニトロセルロース膜、酢酸セル
ロース膜)上に固定し、前記被検液を接触させると、その
被検液中にNV(抗原)が存在する場合には、前記の界面活
性剤含有検体希釈液中で、抗原抗体反応が起こる。この抗
原抗体反応は、前記の界面活性剤含有検体希釈液中で実
施することを除けば、通常の抗原抗体反応と同様に行う
ことができる。 また、本発明の方法を競合法又は非競合法で実施する場
合には、NVに対して特異的に反応する抗体は、前記の方法
で予め適当な自体公知の方法で標識し、前記の界面活性
剤含有検体希釈液で調製した被検液とを接触させると、
被検液中にNVが存在する場合には、前記の界面活性剤含
有検体希釈液中で抗原抗体反応が起きる。この抗原抗体
反応は、前記の界面活性剤含有検体希釈中液で実施する
ことを除けば、通常の抗原抗体反応と同様に行うことが
できる。 更に、本発明の方法を競合法又は非競合法で実施する場
合には、既知量の標識化抗原(即ち、rTRX-NV36)、又は既知
量の標識化抗体を用いてNVの存在の確認を行うことがで
きる。また、サンドウィッチ法を用いる場合には、過剰量
の標識化第二抗体を用いる。rTRX-NV36の標識には、自体
公知の標識体、例えば、放射性同位体(例えば、32P、35S、
3H)、酵素(例えば、ペルオキシダーゼ、アルカリフォスフ
ァターゼ、ルシフェラーゼ)、タンパク(例えば、アビジ
ン)、低分子化合物(例えば、ビオチン)、蛍光物質(例えば、
FITC)、化学発光物質(例えば、アクリジニウム)、ラテック
ス粒子(例えば、着色ラテックス粒子、蛍光ラテックス粒
子)、金属(例えば、金、銀、白金等の貴金属)コロイド粒子、
炭素粒子等をもちいることができる。
【0011】競合法及び非競合法では、標識化抗原は前
記不溶性支持体上の固定化抗体と被検液との接触工程、
即ち前記不溶性支持体上の固定化抗体と被検液中の抗原
との抗原抗体反応が終了してから(非競合法)、或いは前
記不溶性支持体上の固定化抗体と被検液との接触工程、
すなわち前記不溶性支持体上の固定化抗体と被検液中の
抗原との抗原抗体反応と同時に(競合法)、反応系に加え
ることができる。非競合法では、被検液中のNVと結合して
いない不溶性支持体上の固定化抗体が標識化rTRX-NV36
と結合する。 一方、競合法では、既知量の標識化抗原と前記被検液中の
未知量の抗原とが拮抗的に不溶性支持体上の固定化抗体
と結合する。更に、競合法及び非競合法では、既知量の前
記標識化抗体と被検液との接触工程、即ち、既知量の前記
標識化抗体と被検液中の抗原との抗原抗体反応が終了し
てから(非競合法)、或いは既知量の前記標識化抗体と被
検液との接触工程、即ち既知量の前記標識化抗体と被検
液中の抗原との抗原抗体反応と同時に(競合法)、不溶性
支持体上の既知量の固定化rTRX-NV36と反応させること
ができる。非競合法では、被検液中のNVと結合していない
前記標識化抗体が不溶性支持体上の既知量の固定化rTRX
-NV36と結合する。一方、競合法では、前記有機抽出液中の
未知量の抗原と不溶性支持体上の既知量の固定化rTRX-N
V36とが拮抗的に既知量の前記標識化抗体と結合する、サ
ンドウィッチ法では、第二抗体を被検液と接触させる前、
或いは接触させると同時に、或いは接触させた後、前記不
溶性支持体上の固定化抗体(第一抗体)と反応させると、
第一抗体と抗原と第2抗体の複合体が形成する。
【0012】競合法及び非競合法では、前記不溶性支持
体上の固定化抗体と前記標識化rTRX-NV36との反応、又は
前記標識化抗体と前記不溶性支持体上の固定化rTRX-NV3
6との反応が終了した後、固定化抗体と結合しなかった標
識化rTRX-NV36、又は固定化rTRX-NV36と結合しなかった
標識化抗体とを分離し、固定化抗体と結合した標識化rTR
X-NV36の標識から信号、又は固定化rTRX-NV36と結合した
標識化抗体の標識からの信号を測定する。分離は、例え
ば、緩衝液による洗浄によって行うことができる。サンド
ウィッチ法では、第一抗体と抗原と前記標識化第二抗体
の反応が終了した後で、第一抗体と抗原と標識化第二抗
体の複合体を形成した前記標識化第二抗体を除去し、続
いて第一抗体と抗原と標識化第二抗体の複合体を形成し
た前記標識化第2抗体の標識からの信号を測定する。 こうして分離した前記標識化rTRX-NV36、又は前記標識化
抗体のいずれか一方、又は両方の標識に由来する信号(競
合法及び非競合法)、或いは第一抗体と抗原と標識化第二
抗体の複合体を形成した前記標識化第二抗体の標識に由
来する信号(サンドウィッチ法)を測定する。信号を測定
する際には、前記標識化rTRX-NV36、又は前記標識化抗体、
又は標識化第二抗体を含む反応系を信号測定に好ましい
条件に変えることができる。例えば、標識として酵素、ア
ビジンを用いた場合には、反応後、基質を加え、酵素活性
を測定する。また、標識として蛍光(蛍光ラテックス粒子
を含む)又は化学発光物質を用いた場合には、消光が起こ
らない条件で信号を測定する。着色ラテックス粒子、金属
コロイド粒子、及び炭素粒子等は、目視或いは反射光等で
信号を測定する。 本発明においては、検体として通常便又は食品を使用す
る。この便又は食品をそのまま用いることもできるが、検
体中の夾雑物質による非特異的反応を回避するため、便
又は食品試料を希釈して用いるのが好ましい。検体希釈
液としては、反応系に影響を与えない水性液体であれば
特に限定されず、例えば、精製水、生理食塩水、又は各種緩
衝液を用いることができる。緩衝液としては、pH6-9に緩
衝能を有する従来公知の緩衝液、例えば、リン酸塩緩衝
液、トリス緩衝液、HEPES緩衝液等のグット緩衝液、ホウ酸
塩緩衝液等を用いることができる。希釈液として好まし
くは緩衝液を使用し、特に好ましくはホウ酸塩緩衝液を
用いる。
【0013】この際、検体中に蛋白質及び/又は脂質等
(非イオン性及びイオン性夾雑物質)が、抗体及び金コロ
イド、メンブレン、ラテックス粒子、磁気ビーズ粒子、又は
ポリスチレン製プレート等に対して非特異的に吸着し、
測定に影響を与えることがある。検体希釈液に界面活性
剤を添加することにより、こうした非特異的な吸着を回
避することができる。界面活性剤としては、例えば、非イ
オン系界面活性剤及び両性イオン系界面活性剤を使用す
ることが望ましい。特に、N-テトラデシル-N、N-ジメチル-
3-アンモニオ-1-プロパンスルホン酸(以下、Zwittergent
3-14という)、3-[(3-コラシドプロピル)ジメチルアミ
ノ]1-プロパンスルホネート(以下、CHAPSという)、N、N-ビ
ス(3-D-グルコンアミドプロピル)コラミド(以下、BIGCHA
Pという)、及びポリエチレングリコールモノ-p-イソオク
チルフェニルエーテル(以下、TritonX-100という)からな
る4種の界面活性剤を添加した検体希釈液を用いること
により、非イオン性及びイオン性夾雑物による影響を効
果的に排除することができる。更に、牛血清アルブミン
(以下、BSAという)を共存させるとより効果的である。 これらの添加剤の検体希釈液中の濃度は、Zwittergent 3
-14 が好ましくは0.01-0.5w/v%、より好ましくは0.05-0.
1w/v%、CHAPSが好ましくは0.01-0.5w/v%、より好ましくは
0.05-0.1w/v%、BIGCHAPが好ましくは0.01-0.3W/V%、より
好ましくは0.05-0.1W/V%、Triton X-100が、好ましくは0.
01-0.5w/v%、より好ましくは0.1-0.3w/v%の範囲内であ
る。更に、必要に応じてBSAを添加する場合には、その検体
希釈液中の濃度は、好ましくは0.1-1.0w/v%、より好まし
くは0.3-0.7w/v%の範囲内である。
【0014】上記で得られた抗NV抗体を用いて、検体、例
えば便や食品中のNVを免疫学的に分析するには、従来公
知の任意の免疫学的分析手段を適宜選択して適用するこ
とができる。 例えば、酵素免疫法、磁気ビーズ酵素免疫法を利用してNV
を測定するには、例えば、上記モノクローナル抗体(例え
ば135-1B4抗体または135-1F6抗体)をマイクロプレート
又は磁気ビーズに固相化する。そして、適当なブロッキン
グ剤(例えば、1.0%BSA溶液)でブロッキングした後、例え
ば、便試料又は食品試料(例えば、0.1g程度)を上記検体希
釈液で約2-50倍に希釈する。 それぞれの希釈液を試料溶液として上記固相化抗体と反
応させる。続いて、市販の標識化キット(例えば、Amersham
Pharmacia製ビオチン標識キット;商品名RPN2202等)を
用いて標識した上記モノクローナル抗体(例えば、135-1B
4抗体または135-1F6抗体)とを反応させる。更に、標識ア
ビジン(例えば、アルカリフォスファターゼ標識アビジ
ン)を反応させた後、適当な基質(例えば、p-ニトロフェニ
ルリン酸二ナトリウム等)を加えて発色させ、分光学的に
その吸光度を検出する。
【0015】一方、コントロール試験として、試料の代わ
りにrTRX-NV36の精製品を用いること以外は前記と同様
の操作を実施して、標準曲線を作成し、前記の試料から得
られた吸光度と比較することによって、前記試料中のNV
の存在・不在を検出し、又はNVの量をTRX-NV36量から換算
して定量的に測定することができる。 前記の酵素免疫法又は磁気ビーズ酵素免疫法は、2種のモ
ノクローナル抗体(例えば、135-1F6抗体と135-1B4抗体)
の組み合わせ、又ポリクローナル抗体とモノクローナル
抗体との組み合わせによって実施することもできる。 又、ラテックス凝集法、又は磁気ビーズ凝集法を利用して
NVを免疫学的に分析する場合には、例えば上記モノクロ
ーナル抗体(例えば135-1B4抗体または135-1F6抗体)をラ
テックスビーズ又は磁気ビーズに固相化する。そして、適
当なブロッキング剤(例えば、1.0%BSA溶液)でブロッキン
グした後、例えば、便試料又は食品試料(例えば、0.1g程
度)を上記検体希釈液で約2-50倍に希釈する。それぞれの
希釈液を試料溶液として上記固相化抗体と反応させる。
室温で数分間(例えば、3-10分間)反応させた後、ラテック
スビーズ又は磁気ビーズの凝集の有無を目視あるいは機
械的に検出する。 前記のラテックス凝集法、又は磁気ビーズ凝集法は、1種
又は2種以上のモノクローナル抗体の組み合わせ、又はポ
リクローナル抗体と1種以上のモノクローナル抗体との
組み合わせによって実施することもできる。 また、ラテックス凝集法、又は磁気ビーズ凝集法を利用し
てNVを免疫学的に分析する場合には、例えば、上記モノク
ローナル抗体をラテックスビーズ又は磁気ビーズに固相
化する。そして、適当なブロックング剤(例えば、1.0%BSA
溶液)でブロッキングした後、例えば、便試料又は食品試
料(例えば、0.1g程度)を上記検体希釈液で約2-50倍に希
釈する。それぞれの希釈液を試料溶液として上記固相化
抗体と反応させる。室温で数分間(例えば、3-10分間)反応
させた後、ラテックスビーズ又は磁気ビーズの凝集の有
無を目視あるいは機械的に検出する。
【0016】前記のラテックス凝集法、又は磁気ビーズ
凝集法は、1種又は2種以上のモノクローナル抗体の組み
合わせ、またはポリクローナル抗体と1種以上のモノクロ
ーナル抗体との組み合わせによって実施することもでき
る。 更に、イムノクロマトグラフ法を利用してNVを免疫学的
に分析する場合には、例えば、上記モノクローナル抗体
(例えば、1B4抗体、1F6抗体、2B3抗体、2F9抗体、3E6抗体、4C
3抗体、4D2抗体、4D6抗体、4G4抗体、5C9抗体)をNV捕捉用抗
体として用い、そして、ヤギ抗ウサギIgG抗体(Kappel社
製)又はウサギ抗マウスIg抗体(DAKO社製)を陽性コント
ロール抗体として用い、それらの抗体を薄膜状支持体(例
えば、ナイロン製薄膜状支持体Immunodyne ABC;Pall Cor
poration製)上に固相化する。 一方、上記モノクローナル抗体(例えば、1B4抗体、1F6抗
体、2B3抗体、2F9抗体、3E6抗体、4C3抗体、4D2抗体、4D6抗
体、4G4抗体、5C9抗体)を金コロイド(例えば、GOLD GOLLOI
D 20nm;British BioCell International製)で標識し、こ
れらの標識抗体を吸収パッド(例えば、PREM1420;Pall Co
rporation製)に塗布し、乾燥させた後、上記抗体固相化薄
膜状支持体の一端に貼付する。そして、便試料又は食品試
料(例えば、0.1g程度)を上記検体希釈液で約2-50倍に希
釈し、5,000rpm以上で3分間遠心分離した上清を試料液と
して、適量(例えば、50-100μl)吸水パッド上に塗布する。
室温で5-10分間静置した後、薄膜状支持体上に固相化さ
れたNV捕捉用抗体及び陽性コントロール抗体による金コ
ロイドの捕捉に基づく着色(例えば、赤紫〜紫色)の有無
を目視あるいは機械的に判定する。このような操作法に
より試料中のNVを正確に分析することができる。 なお、本発明において標識化されたポリクローナル及び/
又はモロクローナル抗体を用いる場合には、従来公知の
任意の方法によって、従来公知の任意の標識(例えば、酵
素蛋白質や金コロイド)を付けることができる。また、標
識化されたポリクローナルおよび/又はモノクローナル
抗体として用いるラテックスビーズ固相化抗体も、従来
公知の任意の方法によって調製することができる。 〔図1〕に、酵素免疫法、磁気ビーズ酵素免疫法、ラテ
ックス凝集法、磁気ビーズ凝集法、イムノクロマトグラ
フ法によるNVの測定可能濃度範囲を示す。こうして得ら
れた結果は、NV感染症の診断指標として適用することが
できる。酵素免疫法、磁気ビーズ酵素免疫法、ラテックス
凝集法、磁気ビーズ凝集法、又はイムノクロマトグラフ法
でNVが陽性の場合には、消化管及び食品中のNVが陽性で
あるもと判断することができ、こうしてNV感染症のスク
リーニング法が提供される。
【0017】以下にNVの免疫学的測定用キットの一態様
を示す。 (1)NV測定用のキットの構成 (a)NV測定用イムノクロマトグラフ小片(固定化マウ
スモノクローナル又はウサギポリクローナル抗NV抗体、
固定化ウサギポリクローナル抗マウスイムノグロブリン
抗体、固定化ヤギポリクローナル抗ウサギイムノグロブ
リン抗体、標識化マウスモノクローナル又はウサギポリ
クローナル抗NV抗体を含む) (b)界面活性剤含有検体希釈液 (c)被検液採取用具(例えば、定量キャピラリー) (d)被検液調製用容器(例えば、小試験管) (2)キットを用いた測定方法 (a)便、原因食品等の検体を界面活性剤含有検体希釈
液中に浸し、均一になるまで粉砕する。 (b)遠心分離した後上清を被検液とする。 (c)被検液(例えば、50μ1)を被検液採取用具で
取り、NV測定用イムノクロマトグラフ小片先端に滴下
し、所定時間(例えば、5分間)静置した後、イムノク
ロマトグラフ小片の「NV検出ゾーン」及び「陽性コント
ロールゾーン」の着色の有無により判定する。例えば、
金コロイドを標識物として用いた場合には、以下の〔表
1〕の基準に従い判定する。
【0018】
【表1】
【0019】
【実施例】以下に実施例をあげて本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれらによって限定されるものではな
い。 実施例1 NVのELISA法による測定 マイクロプレート(Costar製:No.3590)の各ウェルに、モ
ノクローナル抗体(135-1F6抗体)溶液(5μg/ml;0.05M
炭酸塩/重炭酸塩緩衝液;pH9.6)を100μlずつ分注し、4℃
下で一夜静置した後、0.1M ホウ酸塩緩衝生理食塩液(pH
8.2)(以下、BBSという)で3回洗浄した。1.0w/v%(以下、単
に%という)ゼラチン(Bio-Rad Laboratories製;EIA pur
ity)を含むBBSを各ウェルに250μlずつ分注し、37℃下で
1時間保温してブロッキングした。0.1%Tween20を含むBBS
で5回洗浄した後、検体希釈液(0.07% Zwittergent 3-1
4、 0.07% CHAPS、 0.07% BIGCHAP、 0.2% Triton X-100お
よび0.5% BSAを含むBBS)で希釈した融合タンパクrTRX-N
V36および便検体をそれぞれ各ウェルに100μlずつ分注
し、37℃下で1時間反応させた。0.1%Tween20を含むBBSで5
回洗浄した後、予め、市販の試薬(Amersham Pharmacia 製
ビオチン標識キット;商品名RPN2202)を用いてビオチン
標識したモノクローナル抗体(135-1B4抗体)溶液(5μg/m
l;0.1% Tween20、及び0.1% BSAを含むBBS)を100μlずつ
分注し、37℃下で1時間反応させた。0.1% Tween20を含む
BBSで5回洗浄した後、アルカリフォスファターゼ標識ア
ビジン(DAKO製;D365)を0.1% Tween20及び0.1% BSAを
含むBBSで1000倍希釈した液を各ウェルに100μlずつ分
注し、37℃下で30分間反応させた。BBSで5回洗浄した後、p
-ニトロフェニルリン酸二ナトリウム六水和物溶液(10mg
/ml;0.005% MgCl2を含む9.7%ジエタノールアミン緩衝
液;pH9.8)各ウェルに100μlずつ分注した。室温下で20分
間酵素反応させ、4M NaOH溶液を各ウェルに100μlずつ
分注した酵素反応を停止させた。最後に、各ウェルの黄色
の呈色をマイクロプレート用分光光度計(Bio-Tek Instr
uments製; EL312e型)を用いて、405nmの波長光で吸光度
を測定した。 〔図2〕は、ELISA法によるNVの測定結果を示したもの
である。
【0020】実施例2 NVのイムノクロマトグラフ測定 本例では、NV捕捉用抗体としてモノクローナル抗体(135-
1F6抗体)、金コロイド標識抗体としてモノクローナル抗
体(135-1B4)を用いてNVのイムノクロマトグラフ法を実
施した。 ナイロン66製メンブレン(Immunodyne ABC, 孔径 1.2μ
m; Pall Corporation製)を5mm×30mmのサイズに切断し
た。メンブレンの上流側の一端から10mmの位置に135-1F6
抗体溶液(濃度1mg/ml;5mM ホウ酸緩衝液、pH8.5で希釈)
を幅1mmの線状に塗布した。また、陽性コントロール抗体
としてウサギ抗マウスIg抗体(DAKO製)(濃度3mg/ml;5mM
ホウ酸緩衝液、pH8.5で希釈)をメンブレンの上流側の
一端から15mmの位置に幅1mmの線状に塗布した。温度下で
1時間、37度下で30分間静置し、各々の抗体を固相化した。
メンブレンを0.5%BSA、及び0.02% Tween20を含む5mM
リン酸緩衝液、pH7.5に浸し、室温下で30分間静置しブロ
ッキングした。メンブレンの過剰のブロッキング液を除
き、シリカゲルデシケータ内に保存し、室温下で一夜乾燥
させ、NVのイムノクロマトグラフ法用抗体固相化メンブ
レンとした。 135-1B4抗体(濃度1mg/ml)1mlを2mM Na2B407緩衝液(以
下、Borax緩衝液という)、pH9.2、3000ml中で4℃下にて一
夜透析した。135-1B4抗体溶液は、4℃下、100,000×gで1時
間遠心分離した後、その上清を100,000×gで1時間遠心分
離したBorax緩衝液で、80μg/mlとなるように希釈した。
金コロイド液(GOLD COLLOID 20nm ; British BioCell I
nternational 製)100mlを0.2M K2CO3溶液でpH9.0に調
整した。
【0021】金コロイド液20mlを攪拌した135-1B4抗体
溶液2mlを除々に滴下し、室温下で30分間攪拌した。更に
攪拌しながら10% BSA溶液(pH9.0;4℃下、100,000×gで1
時間遠心分離した上清)2.5mlを滴下した後、室温下で30
分間攪拌した。この液に1% Tween20水溶液(0.45μmフィ
ルター濾過)30μlを加え混和した後、10℃下にて16,000
×gで60分間遠心分離し上清を除去した。沈殿した金コロ
イド標識135-1B4抗体を0.5% ショ糖、0.02% Tween20を
含むborax緩衝液、pH8.0(0.45μmフィルター濾過)20mlに
再懸濁させ、10℃下にて16,000×gで60分間遠心分離し上
清を除去した。更に、沈殿した金コロイド標識135-1B4抗
体を0.5%、ショ糖 0.02%、Tween20を含むBorax緩衝液、pH
8.0(0.45μmフィルター濾過)に再懸濁させ、10℃下にて1
6,000×gで60分間遠心分離し上清を除去した。最後に沈
澱した金ココロイド標識135-1B4抗体を0.5%、ショ糖0.02
g、Tween20を含むBorax緩衝液、pH8.0(0.45μmフィルター
濾過)に再懸濁させた後、波長520nmにおける吸光度が約1
0になるように濃度調整し、表面をシリコン処理したガラ
ス試験管に移し密栓し、4℃下に保存し、NVのイムノクロ
マトグラフ法用金コロイド標識抗体懸濁液とした。 金コロイド標識抗体懸濁液は、波長520nmにおける吸光度
が2.0になるように5.0% ショ糖、0.2% BSA、0.02%Tween
20を含む5mM リン酸塩緩衝液、pH7.2で希釈した後、その
5μlを吸収パッドPREM1420(5mm×5mm;Pall Corporation
製)に塗布し、シリカゲルデシケータ内で室温下、一夜減
圧(≦50mmHg)乾燥したものをNVのイムノクロマトグラフ
法用金コロイド標識抗体パッドとした。
【0022】グラスファイバーパッド(5mm×18mm)を1.0
% ショ糖、0.5%Tween20、0.2% ポリビニールアルコール
の水溶液に浸した後、過剰の溶液を除去し風乾したもの
をNVのイムノクロマトグラフ法用試料添加パッドとし
た。 セルロースパッド(AP10;Millipore Corporation 製)を
5mm×20mmのサイズに切断し、NVのイムノクロマトグラフ
法用吸収パッドとした。 5mm×60mmのサイズに切断したプラステック粘着シート
(BioDot製)に、上流側より、試料添加パッド、金コロイド
標識抗体パッド、抗体固相化メンブレン、吸収パッドの順
に各々その両端を隣接する部材と1mm重ね合わせて貼付
し、NV測定用イムノクロマトグラフ小片とした。 前記検体希釈液で希釈したTRX-NV36および、便検体各50
μlを、水平に静置したNV測定用イムノクロマトグラフ小
片の試料添加パッドに滴下し、室温下で5~10分間展開し
た。メンブレンの135-1F6抗体を固相化した部分、及び陽
性コントロール抗体を固相化した部分の金コロイドの捕
捉に基づく赤紫~紫赤の着色によりrTRX-NV36の有無を判
定した。 〔表2〕は、ELISA法によるrTRX−NV36の測定結果を示
したものである。
【0023】
【表2】 〔表2〕において、−は陰性、±は擬陽性、+は陽性で
あることを示す。ポリクローナル抗体を固相化抗体に用
いたNV測定用イムノクロマトグラフ小片では3ng/ml、135
-1F6抗体を固相化したNV測定用イムノクロマトグラフ小
片では2ng/mlのrTRX-NV36が検出可能であった。また各々
TRX-NV36が濃度は500μg/ml付近になると抗原過剰によ
るフック現象が現れ始めNV捕捉抗体を固相化した部分NV
検出ゾーンの着色の度合いが弱くなり、rTRX-NV36の濃度
が1mg/ml付近になると着色が補どんど目視観察されなく
なった。
【0024】〔表3〕は、イムノクロマトグラフ法によ
るNVの測定結果を示したものである。ポリクローナル抗
体を固相化抗体に用いたNV測定用イムノクロマトグラフ
小片では104〜105個/ml、135-1F6抗体をしたNV測定用イ
ムノクロマトグラフ小片でも104〜105個/mlのNVが検出
可能であった。また、各々NVの濃度が107個/ml付近になる
と抗原過剰によるフック現象が現れ始めNV捕捉抗体を固
相化した部分(NV検出ゾーン)の着色の度合いが弱くな
り、NVの濃度が108個/ml付近になると着色がほとんど目
視観察されなくなった。
【0025】
【表3】
【0026】
【発明の効果】本発明の免疫学的測定法又は感染病のス
クリーニング方法によれば、NVのゲノグループIおよびII
に属するいずれのウイルスについても、極めて簡単に且
つ短時間(10分程度)にその存在を高い精度で確認でき
る。したがって流行性胃腸炎、食中毒症状の原因究明を迅
速に行うことができ、その結果早い段階でその治療対策
を立てることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】は、本発明の免疫学的分析法の測定可能濃度範
囲を示す。
【図2】は、ELISA法によるNVの測定結果を示す。図
中、白丸はポリクローナル固定化抗体、黒丸は135-1F6
固定化抗体および白四角は陰性対照である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柴田 忠良 大阪府大阪市東成区中道1丁目3番69号 大阪府立公衆衛生研究所内 (72)発明者 鈴木 定彦 大阪府大阪市東成区中道1丁目3番69号 大阪府立公衆衛生研究所内 (72)発明者 依田 知子 大阪府大阪市東成区中道1丁目3番69号 大阪府立公衆衛生研究所内 (72)発明者 松浦 司郎 東京都千代田区東神田1丁目11番4号 株 式会社ヤトロン内 (72)発明者 寺野 由剛 大阪府池田市旭丘3丁目4−17 Fターム(参考) 4B063 QA18 QQ10 QQ79 QR56 QR90 QS33 QS35

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ノルウオーク ウイルスのキャプシッド
    タンパクを認識する抗ノルウオーク ウイルス抗体を用
    いるノルウオーク ウイルスの免疫学的分析方法。
  2. 【請求項2】免疫学的分析方法が、酵素免疫法、イムノ
    クロマグラフ法、ラテックス凝集法、磁気ビーズ凝集法
    又は磁気ビーズ酵素免疫法である請求項1に記載の分析
    方法。
  3. 【請求項3】請求項1に記載の分析方法によって検体中
    のノルウオーク ウイルスを分析する感染症のスクリー
    ニング方法。
  4. 【請求項4】ノルウオーク ウイルスのキャプシッド
    タンパクを認識する抗ノルウオーク ウイルス抗体、ノ
    ルウオーク ウイルスのキャプシッド タンパクを認識
    する標識化抗ノルウオーク ウイルス抗体及び界面活性
    剤含有検体希釈液を含むノルウオーク ウイルス感染症
    スクリーニング用キット。
  5. 【請求項5】検体希釈液が、界面活性剤としてN−テト
    ラデシル−N、N−ジメチル−3−アンモニオー1−プ
    ロパンスルホン酸、3−[(3−コラシドプロピル)ジ
    メチルアンモニオ]−プロパンスルホン酸、N,N−ビ
    ス(3−D−グルコンアミドプロピル)コラミド及びポ
    リエチレングリコールモノ−p−イソオクチルフェニル
    エーテルを含む請求項4に記載のスクリーニング用キッ
    ト。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100342013C (zh) * 2005-10-14 2007-10-10 王健伟 密码子优化的杯状病毒衣壳蛋白的编码核苷酸序列及其应用
JP2020500307A (ja) * 2016-11-09 2020-01-09 フォルシュングスツェントルム ユーリッヒ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツングForschungszentrum Juelich GmbH ウイルス粒子およびウイルス様粒子の超音波検出

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JPN6010017439, T.Yoda, "Expression of Recombinant Norwalk−Like Virus Capsid Proteins Using a Bacterial System and the Develo", Journal of Medical Virology, 200004, Vol.60/No.4, 475−481, US, John Wiley & Sons Inc. *

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