JPH11346768A - イヌジステンパーウイルスヌクレオカプシド蛋白質の抗原性を有する蛋白質及び抗イヌジステンパーウイルスヌクレオカプシド蛋白質抗体測定試薬 - Google Patents

イヌジステンパーウイルスヌクレオカプシド蛋白質の抗原性を有する蛋白質及び抗イヌジステンパーウイルスヌクレオカプシド蛋白質抗体測定試薬

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JPH11346768A
JPH11346768A JP10155072A JP15507298A JPH11346768A JP H11346768 A JPH11346768 A JP H11346768A JP 10155072 A JP10155072 A JP 10155072A JP 15507298 A JP15507298 A JP 15507298A JP H11346768 A JPH11346768 A JP H11346768A
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protein
cdv
reagent
canine distemper
distemper virus
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JP10155072A
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Kotaro Tsuchiya
耕太郎 土屋
Ichiro Sato
佐藤  一郎
Akira Iwata
晃 岩田
Susumu Ueda
進 上田
Seiichi Shimamura
誠一 島村
Yoshitsugu Harada
義次 原田
Shigetoshi Okubo
重敏 大久保
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Morinaga Milk Industry Co Ltd
Original Assignee
Morinaga Milk Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 イヌジステンパーウイルスヌクレオカプシド
蛋白質の抗原性を有する蛋白質、及び抗CDV−NP抗
体測定試薬を提供する。 【解決手段】 平均分子量が約58キロダルトンであ
り、かつパラミクソウイルス科モルビリウイルス属に属
するイヌジステンパーウイルス(Canine DistemperViru
s)の構成蛋白質の一つであるヌクレオカプシド蛋白質の
抗原性を有することを特徴とする蛋白質、及び該蛋白質
を担体又は膜に固定した抗原を有効成分として含有する
抗イヌジステンパーウイルスヌクレオカプシド蛋白質抗
体検出試薬。 【効果】 特別な機器及び熟練を必要とすること無く、
簡単、迅速、かつ正確に抗CDV−NP抗体を測定する
ことが可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パラミクソウイル
ス科モルビリウイルス属に属するイヌジステンパーウイ
ルス(Canine Distemper Virus:以下、CDVと記載する
ことがある。)の構成蛋白質の一つであるヌクレオカプ
シド蛋白質(以下、NPと記載することがある。)の抗
原性を有する蛋白質、及び該蛋白質を担体又は膜に固定
した抗原を有効成分として含有する抗イヌジステンパー
ウイルスヌクレオカプシド蛋白質抗体測定試薬、に関す
る。本発明の試薬によれば、熟練技術者を必要とするこ
となく、検体(血清)の採取現場において、イヌジステ
ンパーウイルス感染の診断、ワクチンの効果の判定、及
び接種時期の判定等を、簡便、正確、かつ迅速に行うこ
とが可能であり、本発明の試薬は、獣医学上その意義は
極めて大きいものである。尚、本明細書において「イヌ
ジステンパーウイルスのヌクレオカプシド蛋白質」と
は、該ウイルス粒子中の核酸(RNA)に結合している
蛋白質自体を意味し、核酸と蛋白質との複合体を意味す
るものではない。また、百分率は特に断りのない限り重
量による値である。
【0002】
【従来の技術】イヌジステンパーは、麻疹ウイルス、牛
疫ウイルス等と同一のパラミクソウイルス科モルビリウ
イルス属に属するCDVにより惹起されるイヌの伝染病
の一種である。CDVは、6種類の蛋白質から構成され
ており、それらの中でCDV−NPの占める割合が最も
大きいことが知られている[ジャーナル・オブ・ジェネ
ラル・ウイロロジー(Journal of General Virology) 、
第64巻、第1205ページ、1983年]。CDV
は、主として肉食動物に感染し、強い神経親和性及び神
経毒性を有し、特にイヌに対して高い頻度で急性脳炎、
亜急性又は慢性脳炎(老犬脳炎:old dog encephaliti
s) を惹起し、死に至らしめることが知られている(獣
医学、第7巻、第27ページ、1990年)。また、イ
ヌジステンパーは、ミンク、キツネ等の毛皮生産のため
に飼養されている動物に空気感染することが知られてい
るので(畜産大事典編集委員会編、「新編畜産大事
典」、第1181ページ、養賢堂、1996年)、これ
らの産業にとってもその影響は大きい。
【0003】わが国では、イヌへのジステンパーワクチ
ン接種は任意接種となっているが、最近の研究によれ
ば、イヌジステンパーの症例の増加が報告されており
[ジャーナル・オブ・ベタリナリー・メディカル・サイ
エンス(Journal of Veterinaly Medical Science) 、第
58巻、第547ページ、1996年]、昨今のペット
ブームに伴う飼い犬の増加から、ワクチン接種の必要性
の有無を、簡便、かつ迅速に判定することが可能な試薬
の開発が待望されている。
【0004】従来、CDV感染の診断方法として、感染
動物の組織学的観察又は組織及び体液からのウイルス粒
子の確認がある。これらの方法は、いずれも、検体中の
ウイルス力価が高く、極めて限定された時期に検体を採
取して、直ちに検査を行うことが必要であるが、これら
の方法は、検査を行う特別な機器及び熟練技術者が必要
であり、かつ結果の判定までに長時間を要するという欠
点があった。一方、CDV感染を血清学的に診断する方
法としては、血清中に存在するCDVに対する抗体を検
出する方法が一般的であり、例えば、ウイルス中和試験
法[国立予防衛生研究所学友会編、「ウイルス実験学各
論(改訂2版)」、第52ページ、第72ページ及び第
132ページ、丸善、1982年]、及び最近開発され
た酵素免疫測定法(Enzyme Linked Immunosorbent Assa
y:以下、ELISA法と記載する。) が知られている
[ジャーナル・オブ・ベタリナリー・メディカル・サイ
エンス(Journal of Veterinary Medical Science) 、第
57巻、第761ページ、1995年]。
【0005】しかしながら、これらの方法は、いずれも
測定の操作が標準化されていないこと、操作が煩雑であ
ること、操作に熟練を要すること、特別な機器を要する
こと、結果の判定に長時間を要すること等から、簡便性
及び実用性に乏しいという欠点があった。CDV感染の
診断、ワクチンの接種による抗体獲得の調査を、簡便、
迅速、かつ高い信頼度で行うためには、CDVに含まれ
る物質(抗原性物質)を効率良く量産し、抗原抗体反応
により検出することが、最も望ましいことである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は、抗CD
V−NP抗体に対して抗原性を有する蛋白質の効率的な
製造方法、及び該蛋白質を抗原として用いる抗CDV−
NP抗体測定試薬の製造方法を開発するために鋭意研究
を重ねた結果、バキュロウイルスに属する夜盗蛾核多角
体病ウイルス(Autographa Californica Nuclear Polyhe
dorosis Virus:以下、AcNPVと記載することがあ
る。)の多角体蛋白質構造遺伝子を、CDV−NPをコ
ードする遺伝子領域(RNA)に相補的なDNA配列に
より組換えた組換えバキュロウイルスを、昆虫細胞(Spo
doptera frugiperda Cell:以下、Sf細胞と記載す
る。)に感染させた組換えバキュロウイルス感染Sf細
胞より採取した物質が、本来のCDV−NPに極めて類
似する性質を有すること、及び該蛋白質を担体又は膜に
固定した試薬が抗CDV−NP抗体と特異的に、かつ鋭
敏に反応することを見い出し、本発明を完成した。
【0007】即ち、本発明の目的は、CDV−NPの抗
原性を有する蛋白質を提供することである。本発明の他
の目的は、CDVの診断、CDVワクチン接種による抗
体獲得の調査、CDVワクチンの接種時期の判定等を、
特別な機器及び熟練技術者を要することなく、簡便、迅
速、かつ高い信頼度で実施し得る試薬を提供することで
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決する本発
明の第一の発明は、平均分子量が約58キロダルトンで
あり、かつパラミクソウイルス科モルビリウイルス属に
属するイヌジステンパーウイルス(Canine Distemper Vi
rus)の構成蛋白質の一つであるヌクレオカプシド蛋白質
の抗原性を有することを特徴とする蛋白質であり、本発
明は、該蛋白質が、該蛋白質をコードする遺伝子領域と
相補的な配列を有するDNAを組込んだ組換えバキュロ
ウイルスを昆虫由来の細胞に感染させた組換えバキュロ
ウイルス感染昆虫細胞から採取され、配列番号2に記載
されたアミノ酸配列を有することを望ましい態様として
いる。
【0009】前記課題を解決する本発明の第二の発明
は、平均分子量が約58キロダルトンであり、かつパラ
ミクソウイルス科モルビリウイルス属に属するイヌジス
テンパーウイルス(Canine Distemper Virus)の構成蛋白
質の一つであるヌクレオカプシド蛋白質の抗原性を有す
る蛋白質を担体又は膜に固定した抗原を有効成分として
含有する抗イヌジステンパーウイルスヌクレオカプシド
蛋白質抗体検出試薬であり、本発明は、該蛋白質が、該
蛋白質をコードする遺伝子領域と相補的な配列を有する
DNAを組込んだ組換えバキュロウイルスを昆虫由来の
細胞に感染させた組換えバキュロウイルス感染昆虫細胞
から採取され、配列番号2に記載されたアミノ酸配列を
有すること、膜が、合成高分子膜、又は天然高分子膜で
あること、及び担体が、合成高分子、天然高分子、又は
金属高分子であることを望ましい態様としている。
【0010】
【発明の実施の形態】次に、本発明について更に詳細に
説明する。以下、まず、本発明の第一の発明であるCD
V−NPの抗原性を有する蛋白質について説明する。本
発明のCDV−NPの抗原性を有する蛋白質は、CDV
−NPをコードする遺伝子領域と相補的な配列を有する
DNAを、AcNPVの多角体蛋白質構造遺伝子プロモ
ーター領域に、作用可能な状態で組込んだバキュロウイ
ルスに感染したSf細胞から採取する。本発明のCDV
−NPの抗原性を有する蛋白質の産生に必要な組換えバ
キュロウイルスの製造方法は公知の方法であり、次に、
その代表的な製造方法を例示するが、本発明は以下に例
示した方法に限定されるものではない。CDV(例え
ば、HK株等)から、NPをコードする遺伝子RNAと
相補的なDNA配列を含む配列を常法により調製し、そ
のDNAをバキュロウイルス転移ベクターのクローニン
グ部位に挿入し、組換えベクターを製造する。組換えバ
キュロウイルスの作出法の概略を模式的に示したのが図
1であり、その方法を、この図に基づいて説明すれば次
のとおりである。
【0011】1)CDV−NPをコードする遺伝子 CDVは、パラミクソウイルス科モルビウリウイルス属
のRNAウイルスであり、そのウイルス粒子の構成蛋白
質であるNPをコードする遺伝子の塩基配列は、例え
ば、Onderstepoort 株について知られている[ジャーナ
ル・オブ・ウイロロジー(Journal of Virology) 、第5
3巻、第684ページ、1985年、及びウイロロジー
(Virology)、第193巻、第66ページ、1993
年]。CDV−NPをコードする遺伝子領域は、公知の
手段により取得することが可能であり、例えば、HK株
から次の方法により取得することができる。
【0012】CDVに感染したアフリカミドリザル腎
(Vero)細胞の培養上清よりウイルス粒子を超遠心
分離し、得られたウイルス粒子からゲノムRNAを抽出
する。CDVゲノムRNAの回収は、ウイルス粒子をプ
ロテイナーゼK及びソジウムドデシル硫酸存在下で加温
処理し、これをフェノール:クロロホルム:イソアミル
アルコール溶液(25:24:1)により抽出し、取得
することができる。
【0013】回収されたゲノムRNAを鋳型とし、ま
た、現在までに公知となっている塩基配列[ジャーナル
・オブ・ウイロロジー(Journal of Virology) 、第53
巻、第684ページ、1985年、及びウイロロジー(V
irology)、第193巻、第66ページ、1993年]を
参考にして、任意に合成DNAプライマーを作製し、逆
転写反応及びポリメラーゼ・チェイン反応(RT−PC
R法)により目的の遺伝子断片を増幅させ、適当なプラ
スミドDNA、例えば、pUC19上にクローニングす
る。得られた遺伝子断片が目的の遺伝子断片であるか否
かについては、この遺伝子断片の塩基配列を決定し、既
知の遺伝子配列と比較することにより、類推することが
でき、更に、該遺伝子断片を各種真核細胞発現用のプラ
スミドDNAに挿入し、リン酸カルシウム法により各種
細胞に導入し、抗イヌジステンパーウイルス抗体と反応
する58キロダルトンの蛋白質の発現を確認することに
より、得られた遺伝子断片が、目的とする断片であるこ
とを確認することができる。より具体的には、後記する
実施例において詳記するが、このDNAは、配列番号1
に記載したDNA配列を有している。
【0014】2)cDNAからのDNA断片の切出し クローン(pUC−HKN:cDNA)を含むプラスミ
ド[図1の(a)]を、NPをコードする領域をプライ
マーとしたポリメラーゼ・チェイン・リアクション(P
CR)法を用いて増幅させたDNA断片[図1の
(b)]を得る。この増幅させる遺伝子の5′末端には
該遺伝子が有する翻訳開始コドン(ATG)を、また、
3′末端には該遺伝子が有する翻訳停止コドン(UA
A)を包含させる。
【0015】3)バキュロウイルス転移ベクターへのD
NA断片の挿入 転移ベクターpAcYM1[図1の(c)。ジャーナル
・オブ・ジェネラル・ウイロロジー(Journal of Genera
l Virology) 、第68巻、第1233ページ、1987
年、及びウイロロジー(Virology)、第173巻、第6
74ページ、1989年]は、多角体遺伝子を含むAc
NPVゲノムDNAを制限酵素EcoRIで切断したD
NA断片を、アンピシリン耐性を有するプラスミドpU
C8にクローニングしたものである。転移ベクターpA
cYM1のクローニング部位を制限酵素Sma Iを用
いて公知の方法により切断し、その多角体プロモーター
に関して、前記DNA断片をその読取り方向に配向して
挿入し、組換えベクターpBacHKNを作製する[図
1の(d)]。前記の挿入部位と、挿入されたDNA断
片の配向とが正しいことを公知の方法で確認し、組換え
ベクターを得る。次に、得られた組換えベクターを用い
てCDV−NP遺伝子に相当するDNA断片をAcNP
Vの多角体蛋白質構造遺伝子の一部と組換えることによ
り組換えバキュロウイルスを製造する。
【0016】4)組換えバキュロウイルスの取得 得られた組換えベクターpBacHKN[図1の
(d)]とAcNPVの多角体蛋白質構造遺伝子の一部
とをSf細胞中で相同組換えにより組換えを行い、組換
えバキュロウイルスAcHKNが得られる。
【0017】前記組換えバキュロウイルスの取得及び該
ウイルスの遺伝子の発現に用いられるSf細胞は、細胞
内でAcNPVが増殖可能であれば如何なる細胞であっ
ても使用することが可能である。例えば、Sf細胞とし
ては、Sf9、Sf21AE等の株化細胞が知られてお
り(石田 功・安東民衛編、「遺伝子発現実験マニュア
ル」、第235ページ、講談社、1995年]、Sf9
細胞は、ATCC(American Type Culture Collectio
n)からATCC CRL 1711として容易に入手
することができる。また、Sf細胞の培養条件は、公知
ではあるが、例えば、27℃、pH6.2であり、使用
する培地としては10%(V/V)ウシ胎児血清及び1
0%(V/V)バクト・トリプトース・ブロース(Bact
o TriptoseBroth:以下、BTBと記載することがあ
る。Difco社製)を含むグレース培地(ギブコBR
L社製)を例示できるが、培養条件及び培地は、前記の
ものに限定されない。
【0018】得られた組換えバキュロウイルスAcHK
NをSf細胞に公知の方法で感染させ、常法により適当
な成育条件下で増殖させることによりCDV−NP遺伝
子が発現される。成育条件を例示すれば、次のとおりで
ある。即ち、組換えウイルスAcHKNに感染したSf
細胞を、適当な培養容器に10%ウシ胎児血清及び10
%(V/V)BTBを含むグレース培地と共に入れ、2
7℃で3〜4日間静置状態で培養する。前記のとおり、
組換えウイルスAcHKNをSf細胞に公知の方法で感
染させ、常法により適当な成育条件下で増殖させ、CD
V−NP遺伝子が細胞内に発現されたSf細胞から発現
した蛋白質を採取する。発現した蛋白質の採取は、常法
の生化学的な精製方法により実施され、特に限定されな
いが、より詳しくは、次に例示する方法を使用すること
が望ましい。
【0019】組換えバキュロウイルス感染Sf細胞を、
無血清グレース培地で洗浄し、遠心分離して上清を除去
し、蛋白質分解酵素阻害剤を含む炭酸緩衝液(pH9.
6)に懸濁し、超音波処理により細胞を破砕し、遠心分
離して上清を回収し、分子量100キロダルトン以上の
物質を除去可能なメンブレンフィルターにより濾過し、
精製する。得られた蛋白質は、配列番号2に記載したア
ミノ酸配列を有している。以上のとおりの方法により得
られたCDV−NPの抗原性を有する蛋白質は、 a)平均分子量が58キロダルトンであること、 b)パラミクソウイルス科モルビリウイルス属に属する
イヌジステンパーウイルス(Canine Distemper Virus)の
構成蛋白質の一つであるヌクレオカプシド蛋白質の抗原
性を有すること、の理化学的及び生物学的性質を有して
いた。
【0020】次に、本発明の第二の発明である抗CDV
−NP抗体測定試薬について説明する。本発明の抗CD
V−NP抗体測定試薬には、大別して三通りの態様があ
り、その一は、該蛋白質を担体に固定した抗原を用い、
酵素免疫反応を測定原理とする試薬(以下、試薬Aと記
載する。)であり、その二は、該蛋白質を担体粒子に固
定した抗原を用い、粒子凝集反応を測定原理とする試薬
(以下、試薬Bと記載する。)であり、その三は、該蛋
白質を膜に固定した抗原、吸収材及びイヌ型イムノグロ
ブリン(以下、イムノグロブリンをIgと記載する。)
と結合する蛋白質を固定した担体粒子の組合せからな
り、ペーパークロマトグラフィーを用いた抗原抗体反応
を測定原理とする試薬(以下、試薬Cと記載する。)で
ある。
【0021】次に、これらの試薬について、その製造法
及びこれらの試薬を用いた抗CDV−NP抗体測定方法
を説明する。 I.試薬Aについて 1)抗原蛋白質の固定 前記本発明の第一の発明であるCDV−NPの抗原性を
有する蛋白質を、公知の物理吸着法又は化学結合(共有
結合)法(日本臨床検査自動化学会誌別冊、第12巻、
第2号、第55ページ、1987年)により、担体の表
面に固定する。担体としては、例えば、マイクロタイト
レーションプレート、ラテックス粒子等の合成高分子、
ゼラチン、赤血球等の天然高分子、金コロイド粒子等の
金属高分子を好適なものとして例示することができる
が、使用する担体の材質は、特に限定されない。即ち、
抗原蛋白質が担体より脱離しなければ、どのような材質
の担体を用いることも可能であり、また、どのような固
定方法でも蛋白質の担体への感作方法として使用するこ
とができる。得られた抗原固定担体は、検体との非特異
的な吸着を防止するために、0.05から5%程度のウ
シ血清アルブミン(シグマ社製。以下、BSAと記載す
る。)等を含む溶液によりブロッキング処理を行うこと
が望ましい。
【0022】2)酵素免疫測定法による測定 被検動物から採取した血清を、0.05%(容量)のポ
リオキシエチレンソルビタンモノラウリル酸(Twee
n−20。バイオラッド社製)、0.5%BSA、及び
0.1%アジ化ナトリウムを添加したPBS緩衝液によ
り希釈する。該希釈液を、抗原蛋白質を固定したマイク
ロタイトレーションプレートのウエル内に100μl添
加し、37℃にて1時間保持し、その後、ウエル内の反
応液を除去する。次に、被検動物のIgGと結合する酵
素標識抗体を含む溶液を添加し、37℃で1時間保持
し、その後、ウエル内の反応液を除去する。最後に、基
質溶液を添加し、陰性標準品(検体希釈用緩衝液であ
り、吸光度を認めない対照液。)との発色を比較し、陰
性標準品と同等の発色を示している検体を陰性と判定
し、陰性標準品よりも濃い発色を呈している検体を陽性
と判定する。
【0023】II.試薬Bについて 1)粒子凝集法による測定 被検動物から採取した血清を、0.5%BSA及び0.
1%アジ化ナトリウムを含むトリス緩衝液(以下、トリ
ス緩衝液と記載する。)により希釈し、マイクロピペッ
トで正確に68μl秤取し、反応板のサークル内に滴下
する。次に、トリス緩衝液に懸濁させた抗原蛋白質固定
担体粒子を含む溶液18μlを、反応板のサークル内に
滴下し、反応板を穏やかに回転させてサークル内の液を
10分間均一に混合する。次いで、陰性標準品(検体希
釈用緩衝液であり、凝集を生じない。)との状態を比較
し、陰性標準品と同一の状態を維持している検体を陰性
と判定する。尚、測定時間を10分間と規定したのは、
予め前記の公知の方法により陽性と判定された多数の検
体について、本発明の試薬Bにより凝集するまでの時間
を測定し、試験した結果、10分間保持すれば、いずれ
の検体も凝集することが確認されたからである。
【0024】本発明の試薬Aを使用すれば、検体の滴下
から発色の確認までを約2.5時間で行うことが可能で
ある。また、本発明の試薬Bを使用すれば、検体の滴下
から凝集の有無の判定までを約10分間で行うことが可
能であり、その操作はわずか2回である。しかも、前記
のいずれの試薬においても、測定は、発色の有無あるい
は担体粒子の凝集の有無を観察するのみであるから、特
別な機器又は熟練技術者の判定を必要とせず、初心者で
も簡単に実施することが可能である。
【0025】III.試薬Cについて 1)該蛋白質を固定した膜の調製 膜の材質としては、市販のナイロン、ニトロセルロー
ス、ポリビニリデンジフルオライド等の合成又は天然高
分子のいずれも使用できる。また、抗原蛋白質の膜への
固定方法としては、物理吸着法、化学結合(共有結合)
法、その他いずれの方法も使用することができる。即
ち、抗原蛋白質が膜より脱離しなければどのような材質
を用いることも可能である。得られた抗原蛋白質固定膜
は、検体又はイヌ型イムノグロブリンと結合する蛋白質
を固定した担体粒子との非特異的な吸着を防止するため
に、0.05から5%程度のBSA等でブロッキング処
理を行い、乾燥条件下で保存することが望ましい。
【0026】2)イヌ型イムノグロブリンと結合する蛋
白質固定担体粒子の調製 担体粒子としては、市販ラテックス粒子等の合成高分
子、ゼラチン等の天然高分子、又は、金コロイド等の金
属高分子を好適なものとして例示することができる。担
体粒子は、肉眼での判定を容易に行うために着色されて
いることが望ましい。ただし、金属高分子のコロイド粒
子は、本質的に色調を有するため着色する必要はない。
イヌ型イムノグロブリンと結合する蛋白質としては、抗
イヌIgG抗体、抗イヌIgM抗体等を例示できるが、
これらのものに限定されるものではない。これらのイヌ
型イムノグロブリンと結合する蛋白質は、市販品であっ
ても良く、また、公知の方法によって調製することもで
きる。得られたイヌ型イムノグロブリンと結合する蛋白
質を感作した担体粒子は、コロイド化学的安定性の向
上、又は膜及び検体との非特異的な結合を防止する目的
で、0.05から5%程度のBSA等を含有した緩衝液
中に懸濁して保管することが望ましい。
【0027】3)吸収材 吸収材は、試験に使用される各試薬を十分に吸収可能で
あり、滴下された検体及び各反応試薬の膜上の移動速度
が変動しない材質であることが望ましい。そのような材
質として、綿、ろ紙、多孔性プラスチック等を好適なも
のとして例示することができるが、前記の性能を有する
ものであれば、他の材質であっても使用することが可能
である。また、吸収材の大きさは、試験時に滴下される
検体及び各反応試薬が完全に吸収されるものであれば、
どのような大きさであっても良い。
【0028】4)試薬の組立て まず、線状に抗原蛋白質を固定した膜を短冊状(例え
ば、幅5〜20mm、長さ約50mm程度)に裁断し、
裁断した膜を同一の大きさの支持体(例えば、プラスチ
ック等)に固定する。次に、短冊状の膜の片端に適当な
大きさの吸収材を配設する。この吸収材は、検体の展開
を容易にする機能を有している。支持体への膜の固定に
は、接着剤、粘着テープ等を用いることができる。以上
により、本発明の試薬Cが調製される。
【0029】5)抗CDV−NP抗体測定方法 被検動物から採取した血清を緩衝液により希釈し、これ
を支持体に固定され、短冊状に裁断された膜の一端に適
当量を滴下する。滴下された検体は、ペーパークロマト
グラフィーにおいて、ろ紙が溶媒を展開するのと同様
に、検体が膜上を展開し、線状に固定された抗原蛋白質
の部分に到達する。ここで、抗原蛋白質と検体中の抗C
DV−NP抗体との免疫複合体が形成される。
【0030】次に、イヌ型イムノグロブリンを結合する
蛋白質を感作させた担体粒子の懸濁液を、検体を滴下し
た位置と同一の位置に滴下する。該懸濁液も同様に膜上
を展開し、抗原蛋白質と検体中の抗CDV−NP抗体と
の免疫複合体が形成された部位に到達する。その位置
で、膜−抗原蛋白質−抗CDV−NP抗体−抗イヌ型イ
ムノグロブリン蛋白質−担体粒子複合体が形成され、膜
上には該担体粒子の着色が肉眼で確認できる。一方、検
体中に抗CDV−NP抗体が存在しない場合は、該複合
体が形成されないので、着色は認められない。本発明の
試薬Cを使用した場合、抗イヌ型イムノグロブリン蛋白
質を感作した担体粒子の着色が認められた場合は陽性と
判定され、着色が認められなかった場合は陰性と判定さ
れる。
【0031】本発明の試薬Cを使用した場合、検体の滴
下から着色の有無の判定までを約10分間で行うことが
可能であり、その操作はわずか2回である。しかも、判
定は、担体粒子の着色の有無を調べるのみであることか
ら、特別な機器及び熟練技術者を必要とせず、初心者で
も簡単に実施することができる。
【0032】以上、本発明を詳細に説明したが、次に、
試験例を示して、本発明を更に具体的に説明する。 試験例1 この試験例では、イヌジステンパーの血清学的診断方法
として従来から使用されているウイルス中和(以下、V
Nと記載する。)試験を次のとおり実施した。 1)被検試料 (1) 個体番号1〜4:CDVワクチン未接種個体から採
取した血清 (2) 個体番号5〜7:CDVワクチン接種個体から採取
した血清 (3) 個体番号8〜9:CDV感染個体から採取した血清 (4) 陰性標準品 :検体希釈用緩衝液 2)試験方法 被検血清を56℃で30分間加熱処理した後、イーグル
のMinimum Essential培地に5(v/
v)%のウシ胎児血清と0.26%のトリプト−スフォ
スフェイトブロース粉末を加えた溶液(Maintenance Me
dium、以下、MMと記載することがある。)を用いて1
0倍希釈より2倍段階希釈し、これに200TCID50
/0.1mlのCDVを含むMMを等量加え、室温で2
時間反応させた。反応終了後、各混合液を96ウエルの
マイクロタイトレーションプレートの3個のウエルへ1
00μlずつ分注し、更に、これらのウエルへ1×10
5 個/mlのVero細胞を浮遊させたMMをウエル当
たり50μl分注し、37℃、5%二酸化炭素存在下で
6日間培養した。培養後、CDVによる細胞変性効果の
有無を顕微鏡にて観察し、3ウエル中2ウエル以上で細
胞変性効果を抑制する最高血清希釈倍数の逆数により、
その被検血清の中和抗体価とした。
【0033】3)試験結果 この試験の結果は表1に示すとおりである。表1から明
らかなとおり、CDVワクチン接種歴又はCDV感染歴
を有する被検個体から採取された血清においては、陰性
標準品及びワクチン未接種の個体から採取された血清と
比較して、高い中和抗体価が観察された。VN試験は、
CDVが該ウイルスに対して感受性のある細胞への感
染、及び増殖能を失なわさせる試料中に含有される抗体
(中和抗体)の力価を測定する試験である。該VN試験
は、感度及び特異性とも高く、定量試験が可能である
が、培養細胞と無菌操作が必要なこと、操作が標準化さ
れていないこと、更に、結果の判定に長時間を要するこ
と等の欠点がある。
【0034】
【表1】
【0035】試験例2 試験例1と同一の被検試料を用い、本発明の試薬Aによ
る試験を実施した。 1)試験方法 後記する実施例2と同一の方法により製造した本発明の
試薬Aを用い、イヌ血清中の抗CDV−NP抗体との反
応性を、ELISA法により、次のとおり試験した。
【0036】マイクロタイトレーションプレートのウエ
ル内に、前記0.05%Tween−20(バイオラッ
ド社製)及び0.5%BSAを添加したPBS緩衝液
(以下、PBS溶液と記載する。)により、500倍に
希釈した検体を100μl添加し、37℃にて1時間反
応させた。反応終了後、ウエルを洗浄溶液にて5回洗浄
し、0.05%Tween−20、0.5%BSAを添
加したPBS溶液により2000倍に希釈した西洋ワサ
ビペルオキシダーゼ(以下、HRPと記載する。)標識
抗イヌIgG抗体(ザイメッド社製)を100μl添加
し、37℃にて1時間反応させた。反応終了後、ウエル
を洗浄溶液にて5回洗浄し、オルトフェニレンジアミン
溶液(シグマ社製)を100μl添加し、室温で15分
間発色させた。発色後、2M硫酸溶液を100μl添加
し、各検体の発色を陰性標準品と比較し、更に、495
nmにおける吸光度を測定した。
【0037】2)試験結果 この試験の結果は表2に示すとおりである。表2から明
らかなとおり、CDVワクチン接種歴又はCDV感染歴
を有する被検個体から採取された血清においては、陰性
標準品と比較して高い発色が認められた。一方、CDV
ワクチン未接種の個体においては、陰性標準品と同等の
発色であった。以上の試験結果から、本発明の試薬によ
りCDV感染の診断、及びワクチン接種効果を正確に判
定することが可能であり、本発明の試薬は、従来にない
優れた試薬であることが判明した。
【0038】
【表2】
【0039】試験例3 試験例1と同一の被検試料を用い、本発明の試薬Bによ
る試験を行った。 1)試験方法 後記する実施例3と同一の方法により製造した本発明の
試薬B18μl、及び希釈した検体(試験例1で用いた
ものと同一の検体)68μlをポリスチレンスライド板
上に滴下し、十分に混合し、次いで、スライド板を緩か
に揺動させ(毎分約15回転)、凝集反応が出現するま
での時間を測定した。 2)試験結果 この試験の結果は表3に示すとおりである。表3から明
らかなとおり、CDVワクチン接種歴又はCDV感染歴
を有する被検個体から採取された血清においては、10
分間以内の極めて短時間に担体粒子の凝集が認められ
た。一方、CDVワクチン未接種の個体及び陰性標準品
においては、凝集を認めなかった。以上のことから、本
発明の試薬によりCDV感染の診断、及びワクチン接種
効果を正確に判定することが可能であり、本発明の試薬
は、従来にない優れた試薬であることが判明した。
【0040】
【表3】
【0041】試験例4 試験例1と同一の被検試料を用い、本発明の試薬Cによ
る試験を行った。 1)試験方法 後記する実施例4と同一の方法により製造した本発明の
試薬Cを用い、吸収材を固定した側と反対側に、希釈し
た検体(試験例1で用いたものと同一の検体)15μl
を滴下し、検体が吸収材に十分に染み込むまで静置し
た。次に、イヌ型イムノグロブリンと特異的に結合する
蛋白質固定ラテックス粒子懸濁液(0.02%)20μ
lを滴下し、吸収材に十分染み込むまで静置した。最後
に、線状に固定した抗原蛋白質の反応部分の着色の有無
を確認した。
【0042】2)試験結果 この試験の結果は表4に示すとおりである。表4から明
らかなとおり、CDVワクチン接種歴又はCDV感染歴
を有する被検個体から採取された血清においては、10
分間以内の極めて短時間に着色が観察された。一方、C
DVワクチン未接種の個体及び陰性標準品においては、
着色を認めなかった。以上のことから、本発明の試薬に
よりCDV感染の診断、及びワクチン接種効果を正確に
判定することが可能であり、本発明の試薬は、従来にな
い優れた試薬であることが判明した。
【0043】
【表4】
【0044】
【実施例】次に、実施例により本発明を更に具体的に説
明するが、本発明は、以下の実施例により何ら限定され
るものではない。 実施例1 1)CDV−NP遺伝子由来のDNAの取得 超遠心分離法により濃縮したウイルス粒子から、CDV
ゲノムRNAを回収するために、250μlの濃縮ウイ
ルス液に1.5μlの1Mトリス塩酸緩衝液(pH
8)、6μlの0.5MEDTA溶液、3μlの10m
g/mlプロテイナーゼK溶液及び37.5μlの10
%SDS溶液を加え、37℃で30分間反応させた。こ
れをフェノール:クロロホルム:イソアミルアルコール
溶液(25:24:1)により2回抽出操作を反復し、
水層の部分を回収し、水層に30μlの3M酢酸ナトリ
ウム溶液(pH5.2)及びエタノール1mlを添加
し、−80℃で20分間静置し、その後、15000回
転で10分間遠心して沈殿を回収し、100μlのTE
緩衝液(pH8)に溶解させた。回収したRNAの濃度
は、280nmの吸光度を測定して決定した。
【0045】ゲノムRNAよりcDNAを合成する逆転
写反応は、次のとおり実施した。即ち、RNAに対し
て、蒸留水を35μl、10倍濃度の逆転写反応用緩衝
液[0.5Mトリス塩酸緩衝液(pH8.3)、0.5
M塩化カリウム、80mM塩化マグネシウム、0.1M
ジチオスレイトール]を5μl、10μM濃度のランダ
ムプライマーを1μl、10μM濃度の配列番号3に記
載されたCDl−P1プライマーを1μl、リボヌクレ
アーゼ阻害剤(38単位/μl。和光純薬工業社製)を
1μl添加して総量43μlに調整し、90℃で5分間
静置し、その後、氷水中で急冷し、更に、1μlのリボ
ヌクレアーゼ阻害剤、5μlのデオキシヌクレオチド混
合液(各10mM)、1μlの逆転写酵素(29単位/
μl。生化学工業社製)を添加し、42℃で90分間反
応させた。
【0046】CDV−NP遺伝子を含むDNA断片を増
幅させるPCR反応のために作製したプライマーの塩基
配列は、既に報告されているOnderstepoort 株の塩基配
列[ウイロロジー、第193巻、第66ページ、199
3年]を参考にして、配列番号3及び配列番号5に記載
されている合成DNAを作製して用いた。前記合成した
一本鎖cDNAの2μlに対して、蒸留水を14μl、
10倍濃度のPfuポリメラーゼ用バッファー(ポリメ
ラーゼに添付のもの)を2μl、10μM合成プライマ
ー(配列番号3及び配列番号5)を各0.5μl、デオ
キシリボヌクレオチド混合液(各2mM)を5μl、P
fuポリメラーゼ(Stratagene社製。2.5単位/μ
l)を0.5μl添加し、流動パラフィンを重層し、9
4℃90秒、56℃30秒、72℃2分を1サイクルと
したPCRを30サイクル実施し、予想される1.83
KbpのDNA断片を得た。
【0047】この反応液を、フェノール:クロロホル
ム:イソアミルアルコール溶液(25:24:1)溶液
により抽出し、ウルトラフリーC3TKでプライマー及
びデオキシリボヌクレオチドを除去し、これを30μl
の10mM塩化マグネシウム、5mMジチオスレイトー
ル、6mMATPを含有する70mMトリス塩酸緩衝液
(pH7.6)に溶解し、10単位のT4ポリヌクレオ
チドカイネースを添加し、37℃で1時間反応させ、D
NA断片の5′末端をリン酸化した。このDNA断片
を、プラスミドベクターpUC19のSma Iサイト
にクローニングした。以上の操作により構築したプラス
ミドを、pUC−HK−N(CDl−P1)と命名し
た。
【0048】2)組換えバキュロウイルスの作出 プラスミドpUC−HK−N(CDI−P1)よりNP
遺伝子の上流に存在する非翻訳領域を除去したNP遺伝
子断片を得る目的で、該プラスミドを鋳型として、更
に、配列番号4及び配列番号5に示した合成プライマー
を用い、前記と同一条件でPCRを実施し、目的とする
1.74KbpのDNA断片を得た。得られたDNA断
片の塩基配列は配列番号1に記載したとおりであった。
本断片は、既知のCDV−NP蛋白質と同様に523ア
ミノ酸残基からなる配列番号2に記載した蛋白質をコー
ドしており、そのアミノ酸配列は、既知のCDVのNP
蛋白質と96%の相同性を有していた。これらの解析結
果から、得られたDNA断片は、目的とするCDV−N
Pをコードしている断片であることが確認された。
【0049】組換えバキュロウイルスを作出するため
に、上記1.74KbpのDNA断片をバキュロウイル
ス転移ベクターpAcYM1のSma Iサイトに挿入
した。挿入したDNA断片が転移ベクター上の多角体プ
ロモーターに対して正しく配向していることは、構築さ
れた転移ベクターを制限酵素EcoR I及びPvuI
Iにより消化した場合、1.27KbpのDNA断片が
出現することにより確認した。得られた転移ベクター
を、pBacHKNと命名した。
【0050】CDV−NPをコードする遺伝子領域と相
補的な配列を有するDNAを挿入された組換えバキュロ
ウイルスの作出は、次のとおり実施した。即ち、1μg
のpBacHKN、20ngの制限酵素Bsu36 I
で消化した野生型バキュロウイルスBacPAK6(Cl
onetech 社製)のゲノムDNA、4μlのリポフェクチ
ン(ギブコBRL社製)を混合し、蒸留水を添加して総
量を16μlに調整し、室温で15分間静置した。これ
とは別に、35mmの培養用ディッシュに2mlの培養
用メディウム(10%ウシ胎児血清と0.26%のBact
o Triptose Brothを含むグレースメディウム)とともに
植込んだ1×106 個のSf21AE細胞を用意し、植
込みに用いた培養用メディウムを1mlの無血清グレー
スメディウムに置換し、前記のDNA混合溶液をこれに
移すことにより、該DNAの該細胞への導入を行った。
DNA混合溶液を加えられた細胞は一晩無血清のままで
培養した後、1mlの培養用メディウムを添加し、更
に、培養を続けた。DNAを導入された細胞内では、バ
キュロウイルスゲノムDNAと転移ベクターDNAの間
で相同組換えを起こすことが予想され、これによって生
成する組換えウイルスは、DNAを導入された細胞の培
養上清からプラッククローニング法により得ることがで
きた。得られた組換えウイルスを、AcHK−Nと命名
した。
【0051】組換えバキュロウイルスAcHK−Nを感
染させたSf21AE細胞をウエスタンブロッティング
により解析した結果、抗CDV抗体と特異的に反応する
分子量約58キロダルトンの蛋白質が大量に発現してい
ることが確認された。
【0052】3)抗原性を有する蛋白質の製造 該組換えバキュロウイルスをSf21AE細胞に感染さ
せ、該感染細胞を、1mMフェニルメチルスルホニルフ
ルオライド(シグマ社製)、40mMエチレンジアミン
四酢酸二ナトリウム(和光純薬社製)、及び100単位
のトラジロール(バイエル社製)を含む炭酸緩衝液(p
H9.6。以下、炭酸緩衝液と記載する。)に懸濁し、
超音波処理して細胞を破砕し、遠心分離(15,000
回転で15分間)し、上清を回収し、得られた上清を抗
原希釈液で10倍に希釈し、分子量100キロダルトン
以上の物質を除去可能なメンブレンフィルター(ミリポ
ア社製)に通液し、抗原蛋白質を含む溶液を得た。
【0053】蛋白質含量をBCAプロテインアッセイキ
ット(ピアス社製)により測定した結果、約0.3mg
/mlであり、1×107 個のSf9細胞当たりの蛋白
質量は、約2mgと算出された。
【0054】実施例2 1)抗原蛋白質を固定したマイクロタイトレーションプ
レートの調製 前記実施例1と同一の方法により得られた抗原蛋白質溶
液を、炭酸緩衝液により蛋白質濃度4μg/mlに希釈
し、この溶液200μlをポリスチレン製96穴マイク
ロタイトレーションプレート(ヌンク社製。商標「マキ
シソープ」)の各ウエルに添加し、4℃で1日間静置し
た。反応終了後、前記蛋白質溶液を除去し、0.05%
(V/V)のポリオキシエチレンソルビタンモノラウリ
ル酸(Tween−20。バイオラッド社製)を添加し
たPBS溶液(pH7.0。以下、洗浄溶液と記載す
る。)でウエル内を3回洗浄した。次に、1%のゼラチ
ン(バイオラッド社製)を添加した炭酸緩衝液を200
μlずつ各ウエルに添加し、4℃で1日以上静置し、抗
原蛋白質を感作したマイクロタイトレーションプレート
を作製した。
【0055】2)測定の実施 前記試験例1と同一の方法によりELISA法により試
験した結果、CDVワクチン接種歴又はCDV感染歴を
有する被検個体から採取された血清においては、陰性標
準品及びCDVワクチン未接種の個体と比較して高い発
色が認められた。
【0056】実施例3 1)抗原蛋白質を固定したラテックス粒子懸濁液の調製 前記実施例1と同一の方法により調製した抗原蛋白質
を、トリス緩衝液(pH7.5。10mMトリス、15
0mM塩化ナトリウム)で蛋白質濃度1mg/mlに調
整し、この溶液3mlに、粒子の直径が0.2μmの市
販ポリスチレンラテックス粒子(日本合成ゴム社製。1
0w/v%)1.5mlを添加し、37℃で2時間撹拌
し、次いで、4℃で遠心分離し(15,000回転、1
5分間)、沈殿を0.5%BSA及び0.1%アジ化ナ
トリウムを含むトリス緩衝液に懸濁し、超音波処理によ
り分散させ、抗原蛋白質固定ラテックス粒子懸濁液を得
た。
【0057】2)測定の実施 前記試験例2と同一の方法により測定を実施した。 3)測定の結果 CDVワクチン接種歴を有する血清、及びCDV感染歴
を有する血清のいずれにおいても10分間以内に特異的
な凝集が確認された。これらの検体は、実施例2におい
てすべて陰性標準品よりも濃い発色が認められ、高い吸
光度を示した試料なので、両者の結果は良く一致した。
【0058】実施例4 1)抗原蛋白質を固定した膜の調製 前記実施例1と同一の方法により調製した抗原蛋白質
を、トリス緩衝液により希釈し、マイクロピペットを用
いて市販のニトロセルロースメンブレン(アドバンテッ
ク社製)に線状に塗布した。十分に乾燥し、その後、非
特異的な吸着を防止するため、0.5%のBSAを添加
した緩衝液によりブロッキング処理を行い、十分に乾燥
させて抗原蛋白質固定膜を得た。 2)イヌ型イムノグロブリンと特異的に結合する蛋白質
を固定させたラテックス粒子懸濁液の調製 市販の抗イヌIgGヤギ抗体(カッペル社製。1mg/
ml)0.3mlに、粒子の直径が0.2μmの市販ポ
リスチレン性赤色ラテックス粒子(日本合成ゴム社製。
10w/v%)0.05mlを添加し、トリス緩衝液
0.45mlを添加し、37℃で2時間撹拌し、次い
で、4℃で遠心分離し(15,000回転、15分
間)、沈殿を0.5%BSA及び0.1%アジ化ナトリ
ウムを含むトリス緩衝液に懸濁し、超音波処理により分
散させ、イヌ型イムノグロブリンと特異的に結合する蛋
白質固定ラテックス粒子懸濁液を得た。
【0059】3)反応容器の組立て 前記抗原蛋白質を固定化した膜を、厚さ約0.3mmの
プラスチック板に接着させ、幅約5mm、長さ約50m
mの短冊状に裁断した。これを厚さ約1mmの成型され
たプラスチック容器内部に接着して固定した。次に、検
体及び各試液を容易に展開させる目的で、膜の片端に吸
収材としてセルロース(アドバンテック社製)を接着
し、この吸収材全部を包み込むために、プラスチック板
の両端から膜の一部までを粘着テープで覆い、測定試薬
を得た。 4)測定の実施 前記試験例3と同一の方法により測定を実施した。 5)測定結果 CDVワクチン接種歴を有する血清、及びCDV感染歴
を有する血清のいずれにおいても10分間以内に着色が
認められ、陽性と判定された。また、この結果は、実施
例2及び3の結果と良く一致していた。
【0060】以上のとおり、測定の操作は、希釈した検
体の滴下及びラテックス粒子懸濁液の滴下のわずか2回
であり、検体の滴下から判定までに要した時間は約10
分間と短時間であった。
【0061】
【発明の効果】以上詳記したとおり、本発明は、新規な
イヌジステンパーウイルスヌクレオカプシド蛋白質の抗
原性を有する蛋白質、及び抗イヌジステンパーウイルス
ヌクレオカプシド蛋白質抗体測定試薬に関するものであ
り、本発明にれば、次のような効果が奏される。 1)CDV−NPの抗原性を有する蛋白質を効率良く生
産することが可能である。 2)CDV−NPの抗原性を有する蛋白質により適切な
担体を感作させた試薬を量産することが可能である。 3)CDV−NPの抗原性を有する蛋白質により適切な
膜を感作させた試薬を量産することが可能である。 4)本発明の試薬は、イヌ血清中に存在する抗CDV−
NP抗体を、特別な機器及び熟練技術者を必要とするこ
となく、検体(血清)の採取現場において簡単に測定す
ることを可能とする。 5)CDV感染及びワクチン効果の判定の操作回数を顕
著に短縮することができる。 6)CDV感染の診断、及びワクチン効果の判定を簡
便、かつ迅速に行うことができ、医療上の価値が極めて
大きい。
【0062】
【配列表】 配列番号:1 配列の長さ:1736 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA to genomic RNA 起源: 生物名:イヌジステンパーウイルス 株名:HK株 配列の特徴: 特徴を表す記号:CDS 存在位置 :6..1574 特徴を決定した方法:S 配列: CCAATATGGC TAGCCTTCTT AAAAGCCTCA CGCTGTTCAA GAGGACTCGG GACCAACCCC 60 CTCTTGCCTC TGGCTCCGGG GGAGCAATAA GAGGAATAAA GCATGTCATT ATAGTCCTAA 120 TCCCGGGTGA TTCAAGCATT GTTACAAGAT CTCGACTATT GGATAGACTT GTTAGGTTGG 180 TTGGTGATCC AGAAATCAAC GGCCCTAAAT TAACTGGGAT CTTAATCAGT ATCCTCTCCT 240 TGTTCGTGGA GTCCCCTGGA CAGTTGATCC AGAGGATCAT AGACGACCCT GATGTAAGCA 300 TCAAGTTAGT AGAGGTAATA CCAAGCATCA ACTCTGTTTG CGGTCTTACA TTTGCATCCA 360 GAGGAGCAAG TCTGGATTCT GAGGCAGATG AGTTCTTCAA AATTGTAGAC GAAGGGTCGA 420 AAGCTCAAGG GCAATTAGGC TGGTTGGAGA ATAAGGATAT AGTAGACATA GAAGTTGATG 480 ATGCTGAGCA ATTCAATATA TTACTAGCTT CCATCTTGGC TCAAATTTGG ATCCTGCTAG 540 CTAAAGCGGT GACTGCTCCT GATACTGCAG CCGACTCGGA GATGAGAAGG TGGATTAAGT 600 ATACCCAGCA AAGACGTGTG GTCGGAGAAT TTAGAATGAA CAAAATCTGG CTTGATATTG 660 TTAGAAACAG GATTGCTGAG GACCTATCTT TGAGGCGATT CATGGTGGCA CTCATTTTGG 720 ACATCAAAAG ATCCCCAGGG AACAAGCCTA GAATTGCTGA AATGATTTGT GATATAGATA 780 ACTACATTGT GGAAGCTGGG TTAGCTAGTT TCATCCTAAC TATCAAGTTT GGCATTGAAA 840 CTATGTATCC GGCTCTTGGG TTGCATGAGT TTTCCGGAGA ATTAACAACT ATTGAATCCC 900 TCATGATGCT ATATCAACAG ATGGGTGAAA CAGCACCATA CATGGTTATC TTGGAAAACT 960 CTGTTCAAAA CAAATTTAGT GCAGGGTCCT ACCCATTGCT CTGGAGTTAT GCTATGGGGG 1020 TTGGTGTTGA ACTTGAGAAC TCCATGGGAG GATTAAATTT CGGTCGATCT TACTTTGACC 1080 CAGCCTACTT CAGACTCGGG CAAGAAATGG TTAGACGATC TGCAGGCAAA GTAAGCTCCG 1140 CACTTGCTGC CGAGCTTGGC ATCACCAAGG AGGAAGCTCA GCTGGTGTCA GAAATAGCAT 1200 CCAAGACAAC AGAGGACCGG ACGATTCGAG CTACTGGTCC CAAGCAATCC CAAATTACCT 1260 TCCTGCACTC GGAAAGATCC GAAGTCGCTA ATCAACAACC CCCGACCATC AACAAGAGGT 1320 CCGAAAACCA GGGAGGAGAC AGATACCCCA TTCACTTCAG TGATGAAAGG CCTCCAAGGC 1380 ACACCCCAGA CGTCAACAGC TCTGAACGGA GTGAGCCACG CCACGACACC CAAATTATCC 1440 AAGATGATGG AAATGATGAT GACCGGAAAT CGATGGAAGC AATCGCCAAG ATGAGGATGC 1500 TTACTAAGAT GCTCAGTCAA CCTGGGACCA GTGAAGATGG TTCTCCTGTT TATAATGATA 1560 GAGAGCTACT CAATTAAATA TTCAAGACCA GTCCTGCATC AGTCAACAAT TATCATTCTA 1620 AACTCATTAT AAAAAACTTA GGACCCAGGT CCAACAAACC CGATCAACCA TTCATCCAAC 1680 CACCCGTTCT ATCCCTAAAT GGCAGAGGAA CAGGCCTACC ATGTCAGCAA AGGGCT 1735
【0063】 配列番号:2 配列の長さ:523 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 起源: 生物名:イヌジステンパーウイルス 株名:HK株 配列の特徴:Nタンパク質 配列: Met Ala Ser Leu Leu Lys Ser Leu Thr Leu Phe Lys Arg Thr Arg Asp 5 10 15 Gln Pro Pro Leu Ala Ser Gly Ser Gly Gly Ala Ile Arg Gly Ile Lys 20 25 30 His Val Ile Ile Val Leu Ile Pro Gly Asp Ser Ser Ile Val Thr Arg 35 40 45 Ser Arg Leu Leu Asp Arg Leu Val Arg Leu Val Gly Asp Pro Glu Ile 50 55 60 Asn Gly Pro Lys Leu Thr Gly Ile Leu Ile Ser Ile Leu Ser Leu Phe 65 70 75 80 Val Glu Ser Pro Gly Gln Leu Ile Gln Arg Ile Ile Asp Asp Pro Asp 85 90 95 Val Ser Ile Lys Leu Val Glu Val Ile Pro Ser Ile Asn Ser Val Cys 100 105 110 Gly Leu Thr Phe Ala Ser Arg Gly Ala Ser Leu Asp Ser Glu Ala Asp 115 120 125 Glu Phe Phe Lys Ile Val Asp Glu Gly Ser Lys Ala Gln Gly Gln Leu 130 135 140 Gly Trp Leu Glu Asn Lys Asp Ile Val Asp Ile Glu Val Asp Asp Ala 145 150 155 160 Glu Gln Phe Asn Ile Leu Leu Ala Ser Ile Leu Ala Gln Ile Trp Ile 165 170 175 Leu Leu Ala Lys Ala Val Thr Ala Pro Asp Thr Ala Ala Asp Ser Glu 180 185 190 Met Arg Arg Trp Ile Lys Tyr Thr Gln Gln Arg Arg Val Val Gly Glu 195 200 205 Phe Arg Met Asn Lys Ile Trp leu Asp Ile Val Arg Asn Arg Ile Ala 210 215 220 Glu Asp Leu Ser Leu Arg Arg Phe Met Val Ala Leu Ile Leu Asp Ile 225 230 235 240 Lys Arg Ser Pro Gly Asn Lys Pro Arg Ile Ala Glu Met Ile Cys Asp 245 250 255 Ile Asp Asn Tyr Ile Val Glu Ala Gly Leu Ala Ser Phe Ile leu Thr 260 265 270 Ile Lys Phe Gly Ile Glu Thr Met Tyr Pro Ala Leu Gly Leu His Glu 275 280 285 Phe Ser Gly Glu Leu Thr Thr Ile Glu Ser Leu Met Met Leu Tyr Gln 290 295 300 Gln Met Gly Glu Thr Ala Pro Tyr Met Val Ile Leu Glu Asn Ser Val 305 310 315 320 Gln Asn Lys Phe Ser Ala Gly Ser Tyr Pro Leu Leu Trp Ser Tyr Ala 325 330 335 Met Gly Val Gly Val Glu Leu Glu Asn Ser Met Gly Gly Leu Asn Phe 340 345 350 Gly Arg Ser Tyr Phe Asp Pro Ala Tyr Phe Arg Leu Gly Gln Glu Met 355 360 365 Val Arg Arg Ser Ala Gly Lys Val Ser Ser Ala Leu Ala Ala Glu Leu 370 375 380 Gly Ile Thr Lys Glu Glu Ala Gln Leu Val Ser Glu Ile Ala Ser Lys 385 390 395 400 Thr Thr Glu Asp Arg Thr Ile Arg Ala Thr Gly Pro Lys Gln Ser Gln 405 410 415 Ile Thr Phe Leu His Ser Glu Arg Ser Glu Val Ala Asn Gln Gln Pro 420 425 430 Pro Thr Ile Asn Lys Arg Ser Glu Asn Gln Gly Gly Asp Arg Tyr Pro 435 440 445 Ile His Phe Ser Asp Glu Arg Pro Pro Arg His Thr Pro Asp Val Asn 450 455 460 Ser Ser Glu Arg Ser Glu Pro Arg His Asp Thr Gln Ile Ile Gln Asp 465 470 475 480 Asp Gly Asn Asp Asp Asp Arg Lys Ser Met Glu Ala Ile Ala Lys Met 485 490 495 Arg Met Leu Thr Lys Met Leu Ser Gln Pro Gly Thr Ser Glu Asp Gly 500 505 510 Ser Pro Val Tyr Asn Asp Arg Glu Leu Leu Asn 515 520
【0064】配列番号:3 配列の長さ:20 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA to genomic RNA 起源: 生物名:イヌジステンパーウイルス 配列の特徴: 特徴を表す記号:misc feature 存在位置:1..20 他の情報:/label=primer 配列: ACAAAGTTGG CTAAGGATAG
【0065】配列番号:4 配列の長さ:20 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA to genomic RNA 起源: 生物名:イヌジステンパーウイルス 配列の特徴: 特徴を表す記号:misc feature 存在位置:1..20 他の情報:/label=primer 配列: CCAATATGGC TAGCCTTCTT
【0066】配列番号:5 配列の長さ:17 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA to genomic RNA 起源: 生物名:イヌジステンパーウイルス 配列の特徴: 特徴を表す記号:misc feature 存在位置:1..17 他の情報:/label=primer 配列: AGCCCTTTGC TGACATG
【図面の簡単な説明】
【図1】バキュロウイルス転移ベクターpBac−HK
Nの作製方法を示す模式図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI //(C12N 5/10 C12R 1:91) (72)発明者 上田 進 埼玉県所沢市中新井3−2−19 (72)発明者 島村 誠一 神奈川県座間市東原五丁目1番83号 森永 乳業株式会社生物科学研究所内 (72)発明者 原田 義次 神奈川県座間市東原五丁目1番83号 森永 乳業株式会社生物科学研究所内 (72)発明者 大久保 重敏 神奈川県座間市東原五丁目1番83号 森永 乳業株式会社生物科学研究所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均分子量が約58キロダルトンであ
    り、かつパラミクソウイルス科モルビリウイルス属に属
    するイヌジステンパーウイルス(Canine Distemper Viru
    s)の構成蛋白質の一つであるヌクレオカプシド蛋白質の
    抗原性を有することを特徴とする蛋白質。
  2. 【請求項2】 該蛋白質が、該蛋白質をコードする遺伝
    子領域と相補的な配列を有するDNAを組込んだ組換え
    バキュロウイルスを、昆虫由来の細胞に感染させた組換
    えバキュロウイルス感染昆虫細胞から採取され、配列番
    号2に記載されたアミノ酸配列を有する請求項1に記載
    の蛋白質。
  3. 【請求項3】 平均分子量が約58キロダルトンであ
    り、かつパラミクソウイルス科モルビリウイルス属に属
    するイヌジステンパーウイルス(Canine Distemper Viru
    s)の構成蛋白質の一つであるヌクレオカプシド蛋白質の
    抗原性を有する蛋白質を担体又は膜に固定した抗原を、
    有効成分として含有する抗イヌジステンパーウイルスヌ
    クレオカプシド蛋白質抗体測定試薬。
  4. 【請求項4】 該蛋白質が、該蛋白質をコードする遺伝
    子領域と相補的な配列を有するDNAを組込んだ組換え
    バキュロウイルスを昆虫由来の細胞に感染させた組換え
    バキュロウイルス感染昆虫細胞から採取され、配列番号
    2に記載されたアミノ酸配列を有する請求項3に記載の
    抗イヌジステンパーウイルスヌクレオカプシド蛋白質抗
    体測定試薬。
  5. 【請求項5】 膜が、合成高分子膜、又は天然高分子膜
    である請求項3又は請求項4のいずれか1項に記載の抗
    イヌジステンパーウイルスヌクレオカプシド蛋白質抗体
    測定試薬。
  6. 【請求項6】 担体が、合成高分子、天然高分子、又は
    金属高分子である請求項3又は請求項4のいずれか1項
    に記載の抗イヌジステンパーウイルスヌクレオカプシド
    蛋白質抗体測定試薬。
JP10155072A 1998-06-03 1998-06-03 イヌジステンパーウイルスヌクレオカプシド蛋白質の抗原性を有する蛋白質及び抗イヌジステンパーウイルスヌクレオカプシド蛋白質抗体測定試薬 Pending JPH11346768A (ja)

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