JP2002016468A - 弾性表面波装置 - Google Patents

弾性表面波装置

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JP2002016468A
JP2002016468A JP2000199130A JP2000199130A JP2002016468A JP 2002016468 A JP2002016468 A JP 2002016468A JP 2000199130 A JP2000199130 A JP 2000199130A JP 2000199130 A JP2000199130 A JP 2000199130A JP 2002016468 A JP2002016468 A JP 2002016468A
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Atsuhiro Iioka
淳弘 飯岡
Kazuhiro Otsuka
一弘 大塚
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 製造プロセス中に焦電破壊等のダメージを受
けず、SAW装置の耐電力性を向上させることができ、特
性劣化がなく、周波数温度特性に優れ、小型、低背製造
方法が容易な表面実装型弾性表面波装置を提供するこ
と。 【解決手段】 単結晶から成る圧電基板1上の一主面上
に励振電極5を形成し、他主面上にガラス層8を介して
非単結晶から成る保護基板3を接合させたことを特徴と
する弾性表面波装置とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、携帯電話や自動車
電話等の移動体無線機器に内蔵される共振器、周波数帯
域フィルタなどの弾性表面波装置に関する。
【0002】
【従来技術とその課題】従来の弾性表面波(Surface Ac
oustic Wave、以下SAWと略す)装置の模式的な断面
図を図10に示す。図示する弾性表面波素子J1におい
て、101は圧電基板、102は入出力電極のパッド、
103はGND電極のパッド、104は弾性表面波素子
用の圧電基板上に形成された櫛形状のIDT(Inter Di
gital Transducer)電極、109はパッド102、10
3を接続するワイヤである。
【0003】圧電基板には、一般的に単結晶である例え
ばニオブ酸リチウム(LiNbO3)もしくはタンタル
酸リチウム(LiTaO3)のように高い電気機械結合
係数を有する材料を用いる。
【0004】同図の構成では、パッド102及びIDT
電極104をAl−Cu合金膜で形成し、パッド10
2、103をAuワイヤ109により電気的に接続して
いる。なお、図中105〜108はパッケージを構成す
る部材である。
【0005】また、他の従来例として図11にSAW装
置J2の断面図を示す。IDT電極114が形成された
圧電基板111は、フェースダウン方式でパッケージに
実装され、パッド112はバンプ113を介してパッケ
ージ表面に形成された外部の駆動回路、共振回路、接地
回路等に接続される導電パターンのパッド120と電気
的に接続される。
【0006】さらに蓋体119をシーム溶接等によりパ
ッケージ内を気密に封止している。
【0007】圧電基板にIDT電極を形成するウェハプ
ロセスにおいて、急激な熱履歴がかかる場合、発生する
焦電気によりウェハが製造装置のステージ、搬送治具等
に吸着することがある。また、圧電基板にストレスが発
生して、そり、クラックが発生することがあった。ま
た、急激な温度変化にさらされると圧電基板が分極し、
IDT電極間に電位差が生じ、電極間隔が狭いところで
スパークによる焦電破壊が発生するという問題があっ
た。さらに、発生する焦電気により、圧電基板の表面に
ゴミが付着することがあった。
【0008】また、実装工程において、ダイボンド工
程、フリップチップ実装等におけるマウント時や接合時
に素子にクラックやかけが発生する。
【0009】従来のダイシング工程において、切削した
素子端面にチッピングによる電極パターンの欠損が発生
したり、後工程の実装工程で端面が破損する問題があっ
た。
【0010】このようなSAW装置J1、J2は、その
駆動周波数や通過帯域が数100MHz〜数GHzと高
周波化すると同時に、高出力が要求されてきている。そ
のため、高い入力電力に対する耐電力性を有するIDT
電極構造が求められている。
【0011】しかしながら、IDT電極の材料には材料
コストが安く、成膜やパターニングが容易なAlが用い
られることが多く、高周波化するには電極指のピッチ及
び電極線幅を0.1μm〜1μmオーダーに微細化する
必要があり、このような微細なIDT電極を用いた場
合、駆動時にSAWによって生じる圧電基板表面の歪み
が、IDT電極の電極層に内部応力を発生させる。この
内部応力を緩和させるために電極層内のAl原子が移動
し、Al結晶粒界に空孔が集積してボイド及び突起(ヒ
ロック)が発生し、SAWの伝搬及び共振等の特性劣
化、及び電極指破壊が生じるといった問題点があった。
【0012】上記問題点を解決する方法として、IDT
電極材料のAlにCuを少量添加し、Al結晶粒界に金
属間化合物のCuAl2 等を析出させて電極層を硬化さ
せるといった方法があり、Cu以外にTi,Pdといっ
た金属を添加したものも用いられている。また、Al結
晶粒径が電極層の厚さに対して小さい方が耐電力性が高
いことが知られており、Al結晶粒径を小さくする方法
として、Al−Cu合金/Cu/Al−Cu合金の3層
構造とすること等、電極材料及び電極構造の面から耐電
力性を改善する提案がなされている(Jpn.J.Ap
pl.Phys.Vol.34(1995)pp.26
88−2692参照)。また、このように微細なIDT
電極に大きな電力を印加すると、抵抗によるジュール熱
や、振動の熱への変換により、弾性表面波素子自体が高
温状態となる。高温状態においては、圧電基板と電極膜
の熱膨張係数の差による歪みが電極膜に付加されるた
め、電極指の破壊が加速される。
【0013】従来、耐電力性を向上させるために、Al
にCu等の金属を添加した合金電極や、Alと他の金属
を積層した電極構造は、電極自体のストレスマイグレー
ション性を高めることにより、いずれもAl膜より比抵
抗が増加して発熱量が増加する。
【0014】圧電基板は、厚さを約350μmとしたも
のが、取り扱いの点から多く使用されている。弾性表面
波装置の面積が同じであると仮定すると、圧電基板が薄
い方が圧電基板の熱容量も小さくなり、放熱において有
利である。
【0015】弾性表面波素子を最適設計により、その面
積を小さくして2次元方向のサイズの極小化する試みが
主としてはかられてきた。また、圧電基板と実装基板と
をフェイスダウンでフリップチップ実装化して、小型・
低背化をはかった構造においては、バンプの高さと圧電
基板の厚さによって高さ方向のサイズは規定される。高
さを最小化するには、圧電基板の厚さを低減する必要が
ある。
【0016】さらに、無線電波周波数帯の有効活用や情
報伝達量の拡大に伴い、受信周波数帯と送信周波数帯の
周波数間隔が狭い仕様になっている。このため、装置に
求められる温度に依存する周波数変動量は小さくなって
いる。
【0017】従って、本発明は上記事情に鑑みて完成さ
れたものであり、その目的は製造プロセスにおいて、圧
電基板の焦電性に起因して発生するウェハ吸着、ウェハ
のクラック及び櫛歯状電極の焦電破壊を防止し、弾性表
面波装置の周波数温度特性を改善し、さらに圧電基板の
厚さを薄くすることにより、弾性表面波装置の動作中の
発熱量を低減して耐電力性を向上させ、高さ方向のサイ
ズを最小化にし、弾性表面波装置の周波数の温度変化に
よる変動量を小さくすることにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明の弾性波装置は、
単結晶から成る圧電基板上の一主面上に励振電極を形成
し、他主面上にガラス層を介して非単結晶から成る保護
基板を接合させたこととする。
【0019】また、特に前記圧電基板の厚みが前記ガラ
ス層と前記保護基板とを合わせた厚みより薄くしたこ
と、及び前記圧電基板の線膨張係数が前記ガラス層及び
前記保護基板より大きいことを特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る弾性表面波装
置の実施形態について図面に基づき詳細に説明する。
【0021】図1〜図5は弾性表面波装置H1〜H5の
実施形態の断面図である。尚、図1〜5において、同一
部分には同一の符号を付している。さらに図6に弾性表
面波素子の構造断面図を示す。
【0022】図1の弾性表面波素子H1において、1は
単結晶から成る圧電基板、2は入出力電極のパッド、3
は圧電基板1を接着固定する非単結晶である絶縁性基板
(保護基板)、4は絶縁性基板7に形成した入出力電極
のパッド、5は弾性表面波素子用の圧電基板上に形成さ
れた櫛歯状をなすIDT電極(励振電極)である。同図
の構成では、パッド2、4及びIDT電極5をAlを主
成分とするAl−Cu合金膜で形成し、パッド2、4を
Au等からなるバンプ接続体6により電気的に接続して
いる。7はセラミックス等からなる絶縁性基板、8は圧
電基板1と絶縁性基板6を接着固定するガラス質体から
なる接着部材(ガラス層)、10は外部の駆動回路、共
振回路、接地回路等に接続され絶縁性基板7に設けられ
たリード体である。9はセラミックス等からなる蓋体で
ある。11は絶縁性基板7と蓋体9を接続する絶縁性樹
脂である。
【0023】絶縁性基板3、7は、非単結晶であるアル
ミナ、窒化アルミニウムやガラスセラミック基板等によ
って作製するか、または樹脂、ガラス等の基板によって
形成する。
【0024】図6に示すとおり、ホウケイ酸ガラス、石
英ガラスやガラスセラミックスなどのガラス質体からな
る接着部材8を介して行う圧電基板1と絶縁性基板3と
の接合は、櫛歯状電極が形成されるウェハプロセスの前
から実施してもよく、それとは逆にIDT電極を形成し
た弾性表面波素子をダイシングにより個片に分離する直
前かまたは分離してから実施してもかまわない。
【0025】弾性表面波装置H1は、互いに噛み合うよ
うに形成された少なくとも一対の櫛歯状電極のIDT電
極5を設けることにより作製する。IDT電極5は、所
望の特性を得るために、複数対の櫛歯状電極を、直列接
続、並列接続等の方式で接続して構成してもよい。
【0026】IDT電極5は蒸着法、スパッタリング法
又はCVD法等の薄膜形成法により形成する。
【0027】絶縁性基板7のパッド電極4と圧電基板1
のパッド電極2上に設けられたバンプ接続体6との接続
は、超音波熱圧着併用法等で行われる。
【0028】ダイボンド材の役割をするホウケイ酸ガラ
ス、石英ガラスやガラスセラミックスなどから成るガラ
ス質体の接着部材8により接着固定され、シリコン樹
脂,ポリウレタン樹脂,エポキシ樹脂などの絶縁性樹脂
11がIDT電極5が形成された機能面に浸入しない構
成とし、最後に、セラミックス等からなる蓋体9を絶縁
性基板7に対し接着固定してSAW装置を完成する。
【0029】ガラス質体からなる接着部材8を介する圧
電基板1と絶縁性基板3との接続を、櫛歯状電極が形成
されるウェハプロセスの前から実施した場合、ウェハプ
ロセスにおいて、発生する焦電気によるウェハが製造装
置のステージ、搬送治具等への吸着は発生しない。
【0030】さらに、圧電基板より熱容量が大きい絶縁
性基板と接続した構造を持つため、IDT電極の間隔が
狭いところで生ずるスパークによる焦電破壊が発生しに
くく、発生する焦電気による圧電基板表面へのゴミ付着
も起こりにくい。
【0031】また、圧電基板を絶縁性基板に接合した構
造により、弾性表面波素子を形成した圧電基板を確実に
固定でき、実装工程において、ダイボンド工程、フリッ
プチップ実装等におけるマウント時や接合時に素子にク
ラックやかけ等が発生しにくい。
【0032】さらに、ダイシング工程において、圧電基
板を確実に固定できるため、切削した素子端面にチッピ
ングによる電極パターンの欠損が発生したり、後工程の
実装工程で端面が破損する問題も解消できる。
【0033】また、圧電基板1をガラス質体で接合する
ことにより、従来に比べ、温度による周波数特性の変化
量は、約2分の1程度小さくなり、品質の良い弾性表面
波装置を提供できる効果も有する。
【0034】この考察として、ガラス質体の接着部材と
絶縁性基板として用いた線膨張係数が4〜8×10-6
/℃であり、弾性表面波素子の線膨張係数が10〜40
×10-6m/℃としており、これらの線膨張係数の差異
により、温度変動による応力が弾性表面波素子主面上の
SAW伝搬波長を変化させ、温度特性が良好になると考
えられる。
【0035】次に、他の実施形態について説明する。図
2は図1における形状の絶縁性基板7の代わりに、異な
る形状の絶縁性パッケージ7を用いた構造のSAW装置
である。
【0036】絶縁性パッケージ7は、セラミック基板を
エッチング法、フォトリソグラフィ法とエッチング法、
機械的研削法又はレーザー加工法等により加工して、作
製するか、または、セラミック基板と枠上セラミック基
板とを積層することよって作製する。または、樹脂、ガ
ラス等の基板の一主面を、同様にエッチング法、フォト
リソグラフィ法とエッチング法、機械的研削法又はレー
ザー加工法等により加工して、凹部を容易に形成でき
る。
【0037】図3は図1の応用例であり、絶縁性基板3
が、蓋体の役割を兼ねた構造を有するSAW装置であ
る。
【0038】さらに、図4も図1の応用例であり、絶縁
性基板3が蓋体の役割を兼ね、さらに絶縁性基板7の代
わりに、絶縁性パッケージ7を用いた構造のSAW装置
である。
【0039】図5は図1の応用例であり、絶縁性基板3
が蓋体の役割を兼ね、絶縁性基板7との接続に絶縁性樹
脂11を用いた構造を有するSAW装置である。
【0040】図2、図4は、いずれも位置合わせがセル
フアライメントで行うことができる。
【0041】図1〜図5の弾性表面波装置は、いずれも
絶縁性樹脂11が振動空間に入り込まない確実な気密構
造が得られる。
【0042】このように、図1〜図5において、振動空
間内に低湿度の空気を封入し密閉することにより、ID
T電極5の酸化による劣化を抑制でき好ましい。また、
空気の代わりに、窒素ガス、アルゴンガスなどの不活性
ガス等を封入し密閉しても、同様な効果が得られる。
【0043】本発明において、IDT電極5はAl−C
u系のAl合金からなる。そして、IDT電極5の対数
は50〜200程度、電極指の幅は0.1〜10.0μ
m程度、電極指の間隔は0.1〜10.0μm程度、電
極指の交差幅は10〜80μm程度、IDT電極5の厚
みは0.2〜0.4μm程度とすることが、共振器ある
いはフィルタとしての所期の特性を得るうえで好適であ
る。また、IDT電極5のSAWの伝搬路の両端に、S
AWを反射し効率よく共振させるための反射器を設けて
もよい。
【0044】弾性表面波素子H1〜H5用の圧電基板と
しては、36°Yカット−X伝搬のLiTaO3単結
晶、64°Yカット−X伝搬のLiNbO3単結晶、4
5°Xカット−Z伝搬のLiB4O7単結晶は、電気機
械結合係数が大きく且つ群遅延時間温度係数が小さいた
め好ましい。圧電基板の厚みは30〜100μm程度が
よい。
【0045】かくして、本発明は、製造プロセスにおけ
る圧電基板の焦電性に起因する焦電破壊等の電極ダメー
ジや、圧電基板へのダメージが発生せず、耐電力性に優
れ、SAW装置の温度による周波数特性の変化量が少な
く、また薄型化及び小型軽量化されるという作用効果を
有する。
【0046】なお、本発明は上記の実施形態に限定され
るものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で変
更・改良を施すことは何ら差し支えない。
【0047】
【実施例】図1は、本発明の実施例における弾性表面波
装置の概略を表す断面図である。
【0048】本実施例では、弾性表面波素子H1用の圧
電基板として36°Yカット−X伝搬のLiTaO3単
結晶を用い、そのチップサイズは、0.9mm×1.0
mm、厚さ50μmであった。圧電基板の加工は、ID
T電極5等のパターン形成後、ウェハの裏面を研磨して
薄板化した。なお、これとは逆にダイシングにより個片
化した後、研磨により薄板化してもよい。圧電基板1と
接続するアルミナ製の絶縁性基板3として、サイズ80
mm×80mm、厚さ0.3mmのガラスを使用した。
圧電基板1を絶縁性基板3に接合してからダイシングし
個片化した。また、絶縁性基板7として2.5mm×
2.0mm、リード体10を合計1μm膜厚のAu及び
Niを無電解めっきにて形成した絶縁性基板7として、
高さ0.5mmのアルミナ製基板を使用した。
【0049】アルミナ製の絶縁性基板7のパッド電極4
とSAW装置の入出力電極2との接続には、超音波熱圧
着併用法を用いて、Auバンプ接続体6を介して接着固
定した。
【0050】最後に、アルミナ製セラミックからなる蓋
体9を絶縁性樹脂11により接着固定してSAW装置を
完成した。
【0051】このような工程で作製した弾性表面波装置
の高さは、1.0mmであった。以上のように、従来の
ワイヤボンディング工程が不要となり、ワイヤの横方向
の空間及びワイヤの高さ方向のサイズを縮小でき、圧電
基板の厚さを薄板化させた構造を取ることにより、小型
化、低背化を図ることができた。
【0052】RF−SAWフィルタを従来のセラミック
パッケージに実装するとベアチップエレメントと比較し
て高周波側の減衰量が著しく劣化する。また、通過帯域
内の低周波側の減衰特性がフィルタ仕様により劣化する
ことがある。これは、パッケージ及びAuワイヤのイン
ダクタンス成分による影響と考えられる。フリップチッ
プ実装を適用することにより、減衰特性の良好なフィル
タ周波数特性が得られた。
【0053】図8は、IDT電極材料としてAl膜を用
いたSAW装置の圧電基板の厚さと耐電力性の関係を示
し、SAW装置の電気特性の内、初期特性と0.1Wの
電力を1000時間印加した後の挿入損失変化量を表
す。圧電基板の厚さが100μm以下の場合、挿入損失
の変化量が少なくなっている。
【0054】図9は、前記と同様に圧電基板の厚さが3
50μmのものと100μmのSAW装置に、0.1W
の電力を1000時間印加した後の電気特性の変化を示
しており、厚さが100μmの方が挿入損失の変化が少
なくなっている。
【0055】この実施例の構造で作成した弾性表面波フ
ィルタの温度による周波数特性の変化は、約−20pp
m/℃であった。従来の温度変化による周波数特性の変
化の−40ppm/℃の値に比べ、2分の1程度の温度
による周波数特性の変化量になり、良好な温度特性を持
つ弾性表面波装置ができた。
【0056】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の弾性表面
波装置によれば、製造プロセスにおいて、圧電基板の焦
電性に起因して発生するウェハ吸着、ウェハのクラック
及び櫛歯状をなす電極の焦電破壊を防止し、弾性表面波
装置の周波数温度特性を改善することができる。
【0057】特に圧電基板の厚みを極力薄くすることが
でき、これにより圧電基板の熱容量も小さくなり、放熱
において有利となり、SAW装置の動作中の発熱に起因
する電極膜の破壊を防止し、耐電力性を向上させること
ができる。
【0058】また、従来に比べ、温度による周波数特性
の変化量が、約2分の1程度以下に小さくすることが可
能で、これにより品質の優れた弾性表面波装置を提供で
きる。
【0059】さらに、圧電基板をフェイスダウンでフリ
ップチップ実装化し、小型・低背化をはかった構造にお
いては、バンプの高さと圧電基板の厚さによって高さ方
向のサイズは規定されるが、本発明によれば高さを最小
化することができ、よりいっそうの小型化・低背化がは
かれる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の弾性表面波装置の実施形態の一例を示
す端面図である。
【図2】本発明の弾性表面波装置の実施形態の一例を示
す端面図である。
【図3】本発明の弾性表面波装置の他の実施形態の一例
を示す端面図である。
【図4】本発明の弾性表面波装置の他の実施形態の一例
を示す端面図である。
【図5】本発明の弾性表面波装置の他の実施形態の一例
を示す端面図である。
【図6】本発明の弾性表面波装置の実施形態の一例を示
す斜視図である。
【図7】本発明の弾性表面波装置の実施形態の一例を示
す斜視図である。
【図8】本発明に係る弾性表面波装置の実施形態を説明
するための特性比較図である。
【図9】本発明に係る弾性表面波装置の実施形態を説明
するための特性比較図である。
【図10】従来の弾性表面波装置の例を示す端面図であ
る。
【図11】従来の弾性表面波装置の例を示す端面図であ
る。
【符号の説明】
1:圧電基板 2:入出力パッド電極 3: 絶縁性基板 4:入出力パッド電極 5:IDT電極 6:バンプ接続体 7:絶縁性基板またはパッケージ 8:ガラス質体の接着部材 9:蓋体 10:リード体 11:絶縁性樹脂 H1〜H5:SAW装置

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単結晶から成る圧電基板上の一主面上に
    励振電極を形成し、他主面上にガラス層を介して非単結
    晶から成る保護基板を接合させたことを特徴とする弾性
    表面波装置。
  2. 【請求項2】 前記圧電基板の厚みが前記ガラス層と前
    記保護基板との合計厚みより薄いことを特徴とする請求
    項1に記載の弾性表面波装置。
  3. 【請求項3】 前記圧電基板の線膨張係数が前記ガラス
    層及び前記保護基板より大きいことを特徴とする請求項
    1に記載の弾性表面波装置。
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