JP2002015905A - 電磁波吸収用複合磁性体 - Google Patents

電磁波吸収用複合磁性体

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JP2002015905A
JP2002015905A JP2000194211A JP2000194211A JP2002015905A JP 2002015905 A JP2002015905 A JP 2002015905A JP 2000194211 A JP2000194211 A JP 2000194211A JP 2000194211 A JP2000194211 A JP 2000194211A JP 2002015905 A JP2002015905 A JP 2002015905A
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powder
magnetic material
composite magnetic
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soft magnetic
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JP2000194211A
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English (en)
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Naoharu Akino
直治 秋野
Yoshiaki Akachi
義昭 赤地
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KANKYO DENJI GIJUTSU KENKYUSHO
TDK Corp
Electromagnetic Compatibility Research Laboratories Co., Ltd.
Original Assignee
KANKYO DENJI GIJUTSU KENKYUSHO
TDK Corp
Electromagnetic Compatibility Research Laboratories Co., Ltd.
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 偏平状軟磁性体粉末・樹脂複合磁性体の複合
磁性材料の成型時に発生するボイドを抑え、1GHzを
超える高い周波数における磁気特性を向上させる。 【解決手段】 アスペクト比20以上の偏平状軟磁性体
粉末と粒子サイズ100μm以下のフェライト粉末と樹
脂結合材とを含むことを特徴とする電磁波吸収用複合磁
性体であり、前記偏平状軟磁性体粉末と前記フェライト
粉末とで50重量%から75重量%を占め、残りを前記
樹脂結合材とする。前記偏平状軟磁性体粉末はFe−S
i系、Fe−Si−Al系、Fe−Ni系、Fe−Co
系、Fe−Cr−Al系の少なくともいずれかであり、
前記フェライト粉末はNi−Zn系、Mn−Mg系、M
n−Zn系の少なくともいずれかであるとよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電磁妨害雑音のも
ととなる電磁波を吸収し、抑圧する電磁波吸収体に係
り、とくに1GHzを超える周波数領域の電磁波をも吸
収、抑圧可能な電磁波吸収用複合磁性体に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】近年、パーソナルコンピュータ等の情報
機器、携帯電話機等の通信機器の普及に伴い、これらの
機器内で使われるデジタル機能素子、デジタル回路ユニ
ット等から発生する高い周波数の電磁波が電磁妨害雑音
となり、テレビ放送の受信障害をもたらしたり、デジタ
ル機器の誤動作を誘発したりする問題が生じてきてい
る。この傾向は、デジタル機能素子、デジタル回路ユニ
ット等の動作の高速化に伴い、1GHzを超える周波数
にまで及ぶようになってきている。
【0003】このような高い周波数における電磁妨害雑
音を抑圧するためには、デジタル機能素子、デジタル回
路ユニット等の発生源で、電磁妨害雑音を吸収させる方
法が効果的である。
【0004】1GHzを超えるような高い周波数におけ
る電磁妨害雑音を電磁波吸収体で抑圧するために、この
周波数帯域において、複素比透磁率の実数部(μ'r)及
び虚数部(μ"r)が大きく、tanδ(=μ"r/μ'r)
が大きいこと等の特性が必要とされる。このような特性
をもつ電磁波吸収体としては、Fe−Si系等の偏平状
軟磁性体粉末を樹脂等の結合材と配合、混練した後、プ
ラスチック成型法により形成した複合磁性体あるいはN
i−Zn系等のフェライト粉末を樹脂等の結合材と配
合、混練した後、プラスチック成型法により形成した複
合磁性体がある。
【0005】ところで、上述のような複合磁性体におい
てはそれぞれ以下に列記するような問題又は不具合な点
が存在する。
【0006】(1) Fe−Si系軟磁性体粉末・樹脂複
合磁性体における問題。 磁性体粉末に長さ方向寸法が50μm程度、厚さ寸法が
0.3μm程度のアスペクト比(長さ方向寸法/厚さ寸
法)20以上のFe−Si系軟磁性体粉末の偏平状粉末
を、結合材に熱可塑性のポリエステル樹脂をそれぞれ用
い、磁性体粉末の重量配合比率を65%とし、配合、混
練して複合磁性材料を作製した。この複合磁性材料を用
い、外径寸法が7mm、内径寸法が3mm、長さ寸法10mm
の円筒形状の複合磁性体をプラスチック成型法により作
製した。この複合磁性体の複素比透磁率の実数部(μ'
r)は図1中のFe−Si:65%に、複素比透磁率の
虚数部(μ"r)は図2中のFe−Si:65%にそれぞ
れ示した通りであり、μ'rは1.5GHz近辺において
1に、μ"rは5GHz近辺において1にそれぞれ漸近を
しており、1GHzから10GHzを対象とするような
電磁波吸収体として特性不足のきらいがある。
【0007】さらに、その複合磁性体の円筒断面を電子
顕微鏡で観察してみると、図3にみるようなボイドが数
多く発生していた。このようなボイドの発生は図4に示
したFe−Si系軟磁性体の偏平状粉末同士が結合材の
ポリエステル樹脂で固められる際に、Fe−Si系軟磁
性体の偏平状粉末同士の間に結合材の樹脂が入りきれず
空気が多く残り、成型時の熱で残った空気が膨張して派
生するものと考えられる。このようなボイドの発生は複
合磁性体の磁気特性の劣化、磁気特性の不均一さ、磁気
特性の経時変化、さらには機械的強度の劣化をもたらす
原因ともなる問題である。
【0008】(2) フェライト粉末・樹脂複合磁性体に
おける問題。 磁性体粉末に初透磁率100で粒子サイズ100μm以
下のNi−Zn系フェライト粉末を、結合材に熱可塑性
のポリエステル樹脂をそれぞれ用い、磁性体粉末の重量
配合比率を65%とし、配合、混練して複合磁性材料を
作製した。この複合磁性材料を用い、外径寸法が7mm、
内径寸法が3mm、長さ寸法10mmの円筒形状の複合磁性
体をプラスチック成型法により作製した。この複合磁性
体の複素比透磁率の実数部(μ'r)は図1中のフェライ
ト:65%に、複素比透磁率の虚数部(μ"r)は図2中
のフェライト:65%にそれぞれ示した通りであり、
μ'rは1.5GHz近辺において1に、μ"rは2.5GH
z近辺において1にそれぞれ漸近をしており、1GHz
を超える周波数を対象とするような電磁波吸収体として
特性不足のきらいがある。なお、図5はNi−Zn系フ
ェライト粉末・ポリエステル樹脂より成る複合磁性材料
を用いて円筒状に成型した複合磁性体の断面を電子顕微
鏡で観察した断面図であり、図6は使用したNi−Zn
系フェライト粉末の形状を電子顕微鏡で観察した図であ
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、デジタル機
能素子、デジタル回路ユニット等から発生する1GHz
を超えるような高い周波数の電磁波を抑圧させるために
使われる電磁波吸収体を構成する複合磁性体において、
従来技術に内在している問題を解決することを目的とし
ている。すなわち、Fe−Si系等の偏平状軟磁性体粉
末・樹脂複合磁性体の複合磁性材料の成型時に発生する
ボイドを抑え、1GHzを超える高い周波数において、
Fe−Si系等の偏平状軟磁性体粉末・樹脂複合磁性体
及びフェライト粉末・樹脂複合磁性体がもつ磁気特性
(μ'r、μ"r、tanδ)を上回る磁気特性を備えた電
磁波吸収用複合磁性体を実現しようとするものである。
【0010】本発明のその他の目的や新規な特徴は後述
の実施の形態において明らかにする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る電磁波吸収用複合磁性体は、アスペク
ト比20以上の偏平状軟磁性体粉末と粒子サイズ100
μm以下のフェライト粉末と樹脂結合材とを含むことを
特徴としている。
【0012】前記電磁波吸収用複合磁性体において、前
記偏平状軟磁性体粉末と前記フェライト粉末とで50重
量%から75重量%を占め、残りを前記樹脂結合材とす
る構成が望ましい。
【0013】前記偏平状軟磁性体粉末はFe−Si系、
Fe−Si−Al系、Fe−Ni系、Fe−Co系、F
e−Cr−Al系の少なくともいずれかであり、前記フ
ェライト粉末はNi−Zn系、Mn−Mg系、Mn−Z
n系の少なくともいずれかであるとよい。
【0014】前記樹脂結合材はエポキシ系、フェノール
系の熱硬化性樹脂あるいはポリエステル系、ポリサルフ
ァイド系の熱可塑性樹脂であるとよい。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る電磁波吸収用
複合磁性体の実施の形態を図面及び表に従って説明す
る。
【0016】本発明に係る電磁波吸収用複合磁性体は磁
性体粉末と樹脂結合材を基本成分とするものであるが、
本実施の形態では、前記磁性体粉末に配合、攪拌して用
いる偏平状軟磁性体粉末として、Fe−Si系、Fe−
Si−Al系、Fe−Ni系、Fe−Co系、Fe−C
r−Al系のうちの少なくとも1つから選び得るものと
する。
【0017】また、前記磁性体粉末に配合、攪拌して用
いるフェライト粉末としては、Ni−Zn系、Mn−M
g系、Mn−Zn系のうちの少なくとも1つから選び得
るものとする。
【0018】また、上記の偏平状軟磁性体粉末及びフェ
ライト粉末を含む磁性体粉末との樹脂結合材には、熱硬
化性樹脂であるエポキシ系、フェノール系あるいは熱可
塑性樹脂であるポリエステル系、ポリサルファイド系の
うちから選び得るものとする。
【0019】そして、前記偏平状軟磁性粉末とフェライ
ト粉末を配合、攪拌してなる磁性体粉末を前記樹脂の結
合材とを配合、混練した複合磁性材料を用いて電磁波吸
収用複合磁性体をプラスチック成型法で所定形状に成
型、製作する。
【0020】本実施の形態では、このような基本成分を
有する電磁波吸収用複合磁性体において、偏平状軟磁性
体粉末はアスペクト比が20以上の粉末を用いることを
特徴としている。アスペクト比を20以上とするのは、
電磁波吸収用複合磁性体で対象とする高い周波数におけ
る電磁妨害雑音を電磁波吸収体で抑圧するために必要と
される複素比透磁率のμ'r、μ"r、tanδが相対的に
大きく得られることによる。
【0021】また、フェライト粉末は粒子サイズ100
μm以下としている。これは本発明に係る電磁波吸収用
複合磁性体をプラスチック成型法で形成する場合に、成
型性が損なわれないようにするため、及び偏平状軟磁性
体粉末単独の場合に見られたボイドの発生を解消するた
めに必要な条件である。フェライト粉末の粒子サイズが
100μmを超えると、成型性が悪化しかつボイドの発
生の恐れがでてくる。
【0022】さらに、本実施の形態としては偏平状軟磁
性体粉末及びフェライト粉末を含む磁性体粉末の重量配
合比率を50重量%から75重量%とし残部が樹脂結合
材から成るものとしている。磁性体粉末の重量配合比率
が50重量%未満の場合、本発明の意図とする電磁波吸
収用複合磁性体に必要な磁気特性が劣化する傾向にあ
り、また、磁性体粉末の重量配合比率が75重量%を超
える場合、本発明に係る電磁波吸収用複合磁性体をプラ
スチック成型法で形成する場合、複合磁性材料の流動性
が低下し、均一な成型に難を生じるためである。
【0023】また、前記磁性体粉末に占める偏平状軟磁
性体粉末の割合が、前記フェライト粉末の割合よりも多
いことがいっそう望ましい。このように、高い周波数に
おける複素比透磁率のμ'r、μ"r、tanδが相対的に
大きく得られるアスペクト比20以上の偏平状軟磁性体
粉末の割合をフェライト粉末よりも多くすることで、1
GHzを超える高い周波数での電磁波吸収をいっそう効
果的に行える。
【0024】
【実施例】以下、本発明に係る電磁波吸収用複合磁性体
の実施例について説明するが、本発明はこのような実施
例のみに限定されないことはいうまでもない。
【0025】本発明の実施例として、長さ方向寸法が5
0μm程度、厚さ寸法が0.3μm程度の(アスペクト
比で160程度)のFe−Si系偏平状軟磁性体粉末及
び初透磁率100で粒子サイズ100μm以下のNi−
Zn系フェライト(組成:Ni0.65Zn0.35
)粉末を予め配合、攪拌した後、ポリエステル
樹脂の結合材と配合、混練し、複合磁性材料を製作し
た。この場合、Fe−Si系偏平状軟磁性体粉末、Ni
−Zn系フェライト粉末、ポリエステル樹脂の配合比率
は以下の表1の通りとした。すなわち、磁性体粉末の重
量配合比率を65%、結合材の重量配合比率を30%と
固定し、複合磁性体の試料を成型、製作した。この場
合、磁性体粉末の重量配合比率65%に占めるFe−S
i系偏平状軟磁性体粉末を15,35,50%、Ni−
Zn系フェライト粉末を50,30,15%と3種類の
試料とした。また、比較例として、Fe−Si系偏平状
軟磁性体粉末65%、Ni−Zn系フェライト粉末0%
の場合と、Fe−Si系偏平状軟磁性体粉末0%、Ni
−Zn系フェライト粉末65%の場合の2種類の試料も
成型、製作した(表1参照)。
【0026】
【表1】
【0027】1GHzを超えるような高い周波数におけ
る電磁妨害雑音を電磁波吸収体で抑圧するために、この
周波数帯域において、複素比透磁率のμ'r及びμ"rが大
きく、tanδが大きいこと等の特性が必要とされる
が、上述の実施例3種類、比較例2種類の.試料のμ'r
及びμ"rを図示した図1及び図2をみると、Fe−Si
系偏平状軟磁性体粉末の重量配合比率が35、50%
(すなわちNi−Zn系フェライト粉末の重量配合比率
が30、15%)の実施例の場合、磁性体粉末がFe−
Si系偏平状軟磁性体粉末のみ、あるいはNi−Zn系
フェライト粉末のみの比較例の場合に比べて、より高い
周波数までより大きな値を維持していることが判る。
【0028】1GHzを超えるような高い周波数におけ
る電磁妨害雑音を電磁波吸収体で抑圧する評価方法とし
て、図7のように7mmの同軸管1(外径寸法が7mm、内
径寸法が3.04mm、長さ寸法10mm)内に、上述の実
施例(3種類)及び比較例(2種類)の複合磁性材料を
用いて円筒形状に成型した試料2を挿入して貫通型構造
のEMIフィルタを構成し、その透過減衰量を測定し
た。透過減衰量の測定法を図8に示した。図8は同軸法
による減衰特性の測定を行うもので、この図では図7の
貫通型EMIフィルタ5をネットワークアナライザ6に
接続し、このネットワークアナライザ6の出力をGP−
IBボード7を介してパーソナルコンピュータPCに入
力している。
【0029】測定で得られた実施例(3種類)及び比較
例(2種類)の試料の透過減衰量を図9に示した。な
お、参考として、同図に結合材のポリエステル樹脂の成
型品での透過減衰量も図示しておく。図9にみる通り、
実施例のうち特にFe−Si系偏平状軟磁性体粉末の重
量配合比率が35、50%(すなわちNi−Zn系フェ
ライト粉末の重量配合比率が30、15%の場合)、F
e−Si系偏平状軟磁性体粉末のみ、あるいはNi−Z
n系フェライト粉末のみの比較例に比べて、より大きな
透過減衰量を示し、特に、Fe−Si系偏平状軟磁性体
粉末の重量配合比率が50%(すなわちNi−Zn系フ
ェライト粉末の重量配合比率が15%の場合)、磁性体
粉末中にフェライト粉末を配合した効果が大きく現れて
いる。
【0030】また図9の測定結果からは、Fe−Si系
偏平状軟磁性体粉末のみ65%とした比較例よりも大き
な透過減衰量を得るために、少なくともFe−Si系偏
平状軟磁性体粉末の重量配合比率が35%以上あること
が望ましいことが判る。
【0031】Fe−Si系偏平状軟磁性体粉末の重量配
合比率が50%(すなわちNi−Zn系フェライト粉末
の重量配合比率が15%の場合)の円筒成型した複合磁
性体の断面を電子顕微鏡で観察してみると、図10に示
したように、図3にみたようなボイドの発生もなく、均
一な成型状態を示している。
【0032】上記実施例によれば、以下に列記するよう
な効果を奏することができる。
【0033】(1) 電磁波吸収用複合磁性体の特性向上 1GHz以上の周波数帯での磁気特性が改善され
る。Fe−Si系偏平状軟磁性体粉末、Ni−Zn系フ
ェライト粉末及びポリエステル樹脂の結合材よりなる複
合磁性材料をプラスチック成型法にて成型した複合磁性
体において、磁性体粉末の重量配合比率を65%に占め
るFe−Si系偏平状軟磁性体粉末を35、50%、N
i−Zn系フェライト粉末を30、15%とすることに
より、磁性体粉末がFe−Si系偏平状軟磁性体粉末の
み、あるいはNi−Zn系フェライト粉末のみの時に比
べて、より高い周波数まで複素比透磁率のμ'r及びμ"r
が大きく、tanδが大きい値を維持している。 1GHz以上の周波数帯での減衰特性が改善され
る。上記の結果として、複合磁性体において磁性体粉
末の重量配合比率65%に占めるFe−Si系偏平状軟
磁性体粉末を35、50%、Ni−Zn系フェライト粉
末を30、15%とすることにより、磁性体粉末がFe
−Si系偏平状軟磁性体粉末のみ、あるいはNi−Zn
系フェライト粉末のみの時に比べて、より大きな透過減
衰量を示す。
【0034】(2) 電磁波吸収用複合磁性体中のボイド
の発生の抑圧 磁気特性が改善される。複合磁性材料の磁性体粉末
にFe−Si系偏平状軟磁性体粉末に加えてNi−Zn
系フェライト粉末を使用した場合、複合磁性体中に生じ
るボイドがなくなり、ボイドのあった箇所が複合磁性材
料で埋め尽くされるために、磁気特性が改善される。 磁気特性の均一性が実現される。ボイドの生じた複
合磁性体における磁気特性は、複合磁性体中の複合磁性
材料部分ではμ'r>1、μ"r>0であるが(磁性体とし
ての共鳴現象を除いた表現)、空気のみのボイド部分は
μ'r=1、μ"r=0であり、複合磁性材料部分とボイド
部分の占める割合で磁気特性が左右されることになる。
すなわち、製造上制御できないボイドは複合磁性体毎に
その発生割合が変わり、磁気特性の不均一性をもたら
す。複合磁性材料の磁性体粉末にFe−Si系偏平状軟
磁性体粉末に加えてNi−Zn系フェライト粉末を使用
することにより、ボイド部分が複合磁性材料で埋め尽く
されるために、磁気特性の均一性が実現される。 磁気特性の劣化が緩和される。ボイド部分には除去
しきれない湿気を抱え込み長時間の間に、Fe−Si系
偏平状軟磁性体粉末の酸化を促進する等の現象が生じ、
その結果、磁気特性を劣化させるようなことになるが、
複合磁性材料の磁性体粉末にFe−Si系偏平状軟磁性
体粉末に加えてNi−Zn系フェライト粉末を使用する
ことにより、ボイド部分が複合磁性材料で埋め尽くされ
るために、このような劣化を伴う現象を払拭できる。
【0035】以上本発明の実施の形態及び実施例につい
て説明してきたが、本発明はこれに限定されることなく
請求項の記載の範囲内において各種の変形、変更が可能
なことは当業者には自明であろう。
【0036】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明に係る電
磁波吸収用複合磁性体によれば、以下に列記するような
効果を奏することができる。
【0037】(1) 電磁波吸収用複合磁性体の特性向上 1GHz以上の周波数帯での磁気特性が改善され
る。電磁波吸収用複合磁性体は、アスペクト比20以上
の偏平状軟磁性体粉末と粒子サイズ100μm以下のフ
ェライト粉末と樹脂結合材とを含む構成であり、磁性体
粉末が偏平状軟磁性体粉末のみ、あるいはフェライト粉
末のみの時に比べて、より高い周波数まで複素比透磁率
のμ'r及びμ"rを大きく、tanδを大きい値とするこ
とが可能であり、1GHz以上の周波数帯での磁気特性
の改善を図ることができる。 1GHz以上の周波数帯での減衰特性が改善され
る。上記の結果として、アスペクト比20以上の偏平
状軟磁性体粉末と粒子サイズ100μm以下のフェライ
ト粉末を配合した複合磁性体としたことで、EMIフィ
ルタに当該複合磁性体を用いる場合に磁性体粉末が偏平
状軟磁性体粉末のみ、あるいはフェライト粉末のみの時
に比べて、より大きな透過減衰量を得ることができる。
【0038】(2) 電磁波吸収用複合磁性体中のボイドの
発生の抑圧 磁気特性が改善される。複合磁性材料の磁性体粉
末にアスペクト比20以上の偏平状軟磁性体粉末に加え
て粒子サイズ100μm以下のフェライト粉末を使用し
たので、複合磁性体中に生じるボイドの発生を回避し、
ボイドのあった箇所が複合磁性材料で埋め尽くされるよ
うにして、磁気特性の改善を図ることができる。 磁気特性の均一性が実現される。ボイドの生じた複
合磁性体における磁気特性は、複合磁性体中の複合磁性
材料部分ではμ'r>1、μ"r>0であるが(磁性体とし
ての共鳴現象を除いた表現)、空気のみのボイド部分は
μ'r=1、μ"r=0であり、複合磁性材料部分とボイド
部分の占める割合で磁気特性が左右されることになる。
すなわち、製造上制御できないボイドは複合磁性体毎に
その発生割合が変わり、磁気特性の不均一性をもたら
す。複合磁性材料の磁性体粉末に偏平状軟磁性体粉末に
加えてフェライト粉末を使用することにより、ボイド部
分が複合磁性材料で埋め尽くされるために、磁気特性の
均一性が実現可能である。 磁気特性の劣化が緩和される。ボイド部分には除去
しきれない湿気を抱え込み長時間の間に、偏平状軟磁性
体粉末の酸化を促進する等の現象が生じ、その結果、磁
気特性を劣化させるようなことになるが、複合磁性材料
の磁性体粉末に偏平状軟磁性体粉末に加えてフェライト
粉末を使用することにより、ボイド部分が複合磁性材料
で埋め尽くされるようにして、このような劣化を伴う現
象を払拭できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】複合磁性体のμ'rを示す特性図である。
【図2】複合磁性体のμ"rを示す特性図である。
【図3】Fe−Si系軟磁性体粉末・ポリエステル樹脂
よりなる複合磁性材料を用いて円筒状に成型した複合磁
性体の断面で見られるボイドを示す拡大断面図である。
【図4】Fe−Si系軟磁性体粉末の形状を示す拡大図
である。
【図5】Ni−Zn系フェライト粉末・ポリエステル樹
脂よりなる複合磁性材料を用いて円筒状に成型した複合
磁性体の断面を示す拡大断面図である。
【図6】Ni−Zn系フェライト粉末を示す拡大図であ
る。
【図7】貫通型構造のEMIフィルタを示す側断面及び
正面図である。
【図8】貫通型構造のEMIフィルタの透過減衰量の測
定法を示す説明図である。
【図9】貫通型構造のEMIフィルタの透過減衰量を示
す特性図である。
【図10】Fe−Si系軟磁性体粉末・Ni−Zn系フ
ェライト粉末・ポリエステル樹脂よりなる複合磁性材料
を用いて円筒状に成型した複合磁性体の断面を示す拡大
断面図である。
【符号の説明】
1 同軸管 2 試料 5 貫通型EMIフィルタ 6 ネットワークアナライザ 7 GP−IBボード PC パーソナルコンピュータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 赤地 義昭 東京都中央区日本橋一丁目13番1号ティー ディーケイ株式会社内 Fターム(参考) 5E040 AA11 AA19 AB03 AB09 AC05 BB03 BB04 BB05 CA13 NN04 NN06 5E321 BB32 BB53 GG11

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アスペクト比20以上の偏平状軟磁性体
    粉末と粒子サイズ100μm以下のフェライト粉末と樹
    脂結合材とを含むことを特徴とする電磁波吸収用複合磁
    性体。
  2. 【請求項2】 前記偏平状軟磁性体粉末と前記フェライ
    ト粉末とで50重量%から75重量%を占め、残りを前
    記樹脂結合材とする請求項1記載の電磁波吸収用複合磁
    性体。
  3. 【請求項3】 前記偏平状軟磁性体粉末はFe−Si
    系、Fe−Si−Al系、Fe−Ni系、Fe−Co
    系、Fe−Cr−Al系の少なくともいずれかであり、
    前記フェライト粉末はNi−Zn系、Mn−Mg系、M
    n−Zn系の少なくともいずれかである請求項1又は2
    記載の電磁波吸収用複合磁性体。
  4. 【請求項4】 前記樹脂結合材はエポキシ系、フェノー
    ル系の熱硬化性樹脂あるいはポリエステル系、ポリサル
    ファイド系の熱可塑性樹脂である請求項1,2又は3記
    載の電磁波吸収用複合磁性体。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100565845B1 (ko) * 2003-06-12 2006-03-30 재단법인 포항산업과학연구원 전자파 흡수재
KR100653425B1 (ko) * 2005-10-11 2006-12-04 한국과학기술연구원 페라이트-고분자 나노복합체
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CN108242311A (zh) * 2017-12-18 2018-07-03 梅庆波 一种包覆型软磁磁粉芯的制备方法

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