JP2002014449A - 漂白−定着濃縮物 - Google Patents

漂白−定着濃縮物

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ＢＸ浴用の化学物質をワンパートとして製造
するための、そして特に非常に容易に、すなわち水での
希釈により、調整済みＢＸ浴にすることができるかまた
はＢＸ浴の再生のために極めて容易に使用することがで
きるようなワンパートＢＸ濃縮物を提供すること。 【解決手段】 鉄（III）錯塩、チオ硫酸塩および亜硫
酸塩、二亜硫酸塩またはスルフィン酸を含有するワンパ
ート写真漂白−定着濃縮物は、燐酸塩、ポリ燐酸塩もし
くはポリホスホン酸塩、または硝酸塩もしくは臭化物が
それに加えられる場合には安定なままである。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、漂白−定着浴を製
造または再生することができるワンパート(one-part)漂
白−定着濃縮物（ＢＸ濃縮物）に関し、そしてまた漂白
−定着浴にも関する。
【０００２】
【従来の技術及び課題】ＢＸ浴は、カラー写真処理にお
いて、現像により生成する銀をその可溶性形態に酸化す
るために（漂白）およびそれをこの形態で、現像されて
いないハロゲン化銀と一緒に、溶解しようとする物質か
らの錯体を生成することにより溶解させるために（定
着）使用される。これらの目的のためには、ＢＸ浴は一
連の必要な化学物質、すなわち酸化剤としての鉄（II
I）錯塩、定着剤としてのチオ硫酸塩、チオ硫酸塩用の
安定剤としての亜硫酸塩、二亜硫酸塩またはスルフィン
酸を含有する。これらの化学物質は互いに影響を与える
ため、それらは同一溶液中で長期間にわたり保つことは
できない。例えば、鉄（III）錯塩は亜硫酸塩、二亜硫
酸塩またはスルフィン酸を酸化する。チオ硫酸塩はそれ
によりもはや安定化されないため、それは次に分解す
る。
【０００３】この理由のために、ＢＸ浴はツウパーツま
たはスリーパーツとして製造され、それらは使用直前ま
で互いに一緒にされない。再生のために、すなわち消費
された化学物質に対するその後の添加のために、必要で
ある濃縮物も同様にツウパーツまたはスリーパーツとし
て製造される。
【０００４】ＢＸタンク浴またはＢＸ再生剤の成分のマ
ルチパーツの製造は、第一にそれは費用がかかり且つ不
経済であるために、そして第二にそれがしばしば添加ミ
スを生ずるため、不利である。
【０００５】従って、ＢＸ浴用の化学物質をワンパート
として製造するための大きな要望があり、そして特に非
常に容易に、すなわち水での希釈により、調整済みＢＸ
浴にすることができるかまたはＢＸ浴の再生のために極
めて容易に使用することができるようなワンパートＢＸ
濃縮物を提供するための要望がある。これらの要望を満
たすための試みは、上記のチオ硫酸塩の分解のために並
びにチオ硫酸塩、亜硫酸塩および鉄（III）錯塩、特に
これが鉄（III）−ＥＤＴＡである場合、の不十分な可
溶性のためにこれまでは失敗してきた。
【０００６】
【課題を解決するための手段】驚くべきことに、燐酸
塩、ポリ燐酸塩もしくはポリホスホン酸塩、または硝酸
塩もしくは臭化物を含んでなる系からの少なくとも１種
の化合物を、上記の成分を含有するＢＸ濃縮物に加える
場合にこれらの欠点を克服することができることが今回
見いだされた。
【０００７】写真漂白および漂白−定着バッチ用に適す
るＦｅ（III）の錯塩は多くの文献から既知である（例
えばＥＰ ３２９ ０８８、５８４ ６６５、５０７ １２
６、５５６ ７８２、５３２ ００３、７５０ ２２６、
６５７ ７７７、５９９ ６２０、５８８ ２８９、７２
３ １９４、８５１ ２８７、８４０ １６８、８７１０
６５、５６７ １２６、７２６ ２０３およびＵＳ ５ ６
７０ ３０５）。
【０００８】Ｆｅ（III）のための好ましい錯化剤は、
エチレンジアミン四酢酸（ＥＤＴＡ）、プロピレンジア
ミン四酢酸（ＰＤＴＡ）、β−アラニン二酢酸（ＡＤ
Ａ）、ジエチレントリアミン五酢酸（ＤＴＰＡ）、メチ
ルイミノ二酢酸（ＭＩＤＡ）、エチレンジアミン一琥珀
酸塩（ＥＤＭＳ）、メチルグリシン二酢酸（ＭＧＤ
Ａ）、エチレンジアミン二琥珀酸塩（ＥＤＤＳ）、特に
（Ｓ,Ｓ）−ＥＤＤＳ、イミノ琥珀酸、イミノ琥珀酸−
プロピオン酸、および２−ヒドロキシプロピルイミノ二
酢酸である。
【０００９】錯化剤の混合物を使用することもできる。
【００１０】適する亜硫酸塩の例は、亜硫酸アンモニウ
ム、亜硫酸水素アンモニウム、亜硫酸ナトリウム、二亜
硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸カリウ
ム、二亜硫酸カリウムおよび亜硫酸水素カリウムを包含
する。適するスルフィン酸の例はヒドロキシメタンスル
フィン酸、ホルムアミジンスルフィン酸、ベンゼンスル
フィン酸、ｐ−トルエンスルフィン酸、メタンスルフィ
ン酸、ｏ−アミドスルフィン酸およびそれらの塩を包含
する。
【００１１】燐酸塩としては、アルカリ塩および／また
はアンモニウム塩、例えば燐酸二水素アンモニウム、燐
酸水素二アンモニウム、燐酸三アンモニウム、燐酸二水
素カリウム、燐酸水素二カリウム、燐酸三カリウム、燐
酸二水素ナトリウム、燐酸水素二ナトリウム、および燐
酸三ナトリウム、または遊離燐酸を使用することができ
る。
【００１２】使用することができるポリ燐酸塩およびポ
リホスホン酸塩の例は、ヘキサメタ燐酸ナトリウム、四
燐酸ナトリウム、ヒドロキシエタンジホスホン酸、Ｎ
（−２−カルボキシエチル）−１−アミノエタン−１,
１−ジホスホン酸、Ｎ,Ｎ−ビス−（カルボキシメチレ
ン）−１−アミノエタン−１,１−ジホスホン酸、モル
ホリノメタン−ジホスホン酸、ニトリロトリスメチレン
−ホスホン酸、エチレンジアミン−テトラメチレンホス
ホン酸、ヘキサメチレンジアミンテトラメチレンホスホ
ン酸、２−ホスホノブタン−１,２,４−トリカルボン
酸、および２−カルボキシエタン−ホスホン酸を包含す
る。遊離ポリ燐酸も適する。
【００１３】アルカリおよび／またはアンモニウム硝酸
塩および臭化物を硝酸塩および臭化物として使用するこ
とができる。
【００１４】燐酸塩、ポリ燐酸塩およびポリホスホン酸
塩、硝酸塩並びに臭化物は好ましくは濃縮物に０.０１
〜２.５モル／リットル、特に０.０５〜１モル／リット
ルの範囲の量で加えられる。
【００１５】チオ硫酸ナトリウム、カリウムおよびアン
モニウムが定着剤として特に適する。
【００１６】他の成分はアミノポリカルボン酸、再ハロ
ゲン化剤、ｐＨ調節用の酸およびアルカリ、漂白促進
剤、白色カプラーおよび緩衝物質を包含しうる（Resear
ch Disclosure 37 038, February 1995, pages 107 to
109 参照）。
【００１７】特に、ｐＨ範囲は４〜９である。
【００１８】さらに、他の錯化剤を個別にまたは混合し
て加えることもできる。これらはポリカルボン酸、例え
ばシュウ酸、マロン酸、グルタル酸、アジピン酸、スベ
リン酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸；（ポリ）
ヒドロキシポリカルボン酸、例えばクエン酸、グリコー
ル酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、ガラクタール酸、を包
含する。
【００１９】これらの追加の錯化剤は好ましくは１〜２
００ミリモル／ｌの、特に５〜５０ミリモル／ｌの濃縮
物の量で加えられる。
【００２０】本発明はさらに、特に０.０１〜０.６モル
／リットルの量の燐酸塩、および特に０.５〜５０ミリ
モル／量の量のポリカルボン酸または（ポリ）ヒドロキ
シポリカルボン酸をさらに含有することを特徴とする、
冒頭に挙げられたタイプの調整済み漂白−定着浴にも関
する。
【００２１】漂白−定着浴は、本発明に従う濃縮物が燐
酸塩および／またはポリ燐酸塩を含有する場合の濃縮物
から製造することができる。
【００２２】
【実施例】実施例１ １リットルのＢＸ濃縮物は、 チオ硫酸アンモニウム溶液、５７重量％ ４００ｍｌ 亜硫酸水素アンモニウム溶液、６６重量％ ８０ｍｌ ＮＨ4Ｆｅ（III）ＥＤＴＡ溶液、４８重量％ ３３０ｍｌ 添加剤 以下参照 ｐＨ ５.５ を含有していた。
【００２３】ｐＨをＮＨ3またはＨ2ＳＯ4で調節した。
【００２４】ＢＸ濃縮物に対する下記の添加剤を製造し
た： ＢＸ１：添加剤なし ＢＸ２：４０ｇ／ｌの酢酸ナトリウム（０.４９モル／
リットル） ＢＸ３：１８６ｇ／ｌの燐酸三ナトリウム十二水和物
（０.４９モル／リットル） ＢＸ４：５０ｇ／ｌのヘキサメタ燐酸ナトリウム（０.
０８２モル／リットル） ＢＸ５：７３ｍｌ／ｌのアミノトリスメチレン−ホスホ
ン酸、濃度５０重量％（０.１６モル／リットル）
【００２５】
【表１】
【００２６】亜硫酸塩の安定性は、燐酸塩、ポリ燐酸塩
およびポリホスホン酸塩の添加によりかなり改良され
た。
【００２７】本発明に従うＢＸ濃縮物は、例えば塩化物
に富んだハロゲン化銀乳剤をベースとした露光され、現
像されたカラー紙の漂白−定着用の標準的なＡＰ９４法
において、従来の二部分構成のＢＸ濃縮物の代わりに障
害なく使用することができる。
【００２８】実施例２ 実施例１（添加剤なし）の通りにしてＢＸ濃縮物に対す
る下記の添加剤を製造した： ＢＸ１：添加剤なし ＢＸ２：４０ｇ／ｌの酢酸ナトリウム（０.４９モル／
リットル） ＢＸ３：４８.５ｇ／ｌの燐酸二水素アンモニウム（０.
４９モル／リットル） ＢＸ４：４８ｇ／ｌの臭化アンモニウム（０.４９モル
／リットル） ＢＸ５：７３ｇ／ｌの硝酸アンモニウム（０.４９モル
／リットル） ＢＸ６：４８.５ｇ／ｌの燐酸二水素アンモニウム（０.
４９モル／ｌ）、２０ｇ／ｌのＥＤＴＡ酸、８ｇ／ｌの
クエン酸、 ＢＸ７：４８.５ｇ／ｌの燐酸二水素アンモニウム（０.
４９モル／ｌ）、１６ｇ／ｌのクエン酸、
【００２９】
【表２】
【００３０】燐酸塩、臭化物または硝酸塩の添加がワン
パート漂白−定着濃縮物中の結晶の生成を防止するた
め、そうでなければ可能ではない活性成分の含有量を含
んでなる安定な濃縮物を製造することもできる。
【００３１】本発明に従うＢＸ濃縮物は短い処理時間
（ＣＤおよびＢＸ時間は１２〜３５秒間の範囲である）
およびジスルホエチルヒドロキシルアミン（ＨＡＤＳ）
を酸化防止剤として含有するカラー現像主薬（ＣＤ）に
特に適する。
【００３２】実施例３ 調整済み漂白−定着浴を下記の成分から製造した： チオ硫酸アンモニウム溶液、５７重量％ ９０ｍｌ 亜硫酸ナトリウム １０ｇ ＮＨ4Ｆｅ（III）ＥＤＴＡ溶液、４８重量％ ７０ｍｌ 燐酸二水素カリウム ２０ｇ ヘキサメタ燐酸ナトリウム ５ｇ 水で１リットルとした。
【００３３】ｐＨをアンモニアまたは燐酸で６.５に調
節した。
【００３４】この漂白−定着浴は亜硫酸塩の改良された
安定性により特徴づけられる。
【００３５】それは本発明に従う濃縮物から製造するこ
とができる。
【００３６】実施例４ 調整済み漂白−定着浴を下記の成分から製造した： チオ硫酸アンモニウム溶液、５７重量％ ９０ｍｌ 亜硫酸ナトリウム １０ｇ ＮＨ4Ｆｅ（III）ＥＤＴＡ溶液、４８重量％ ７０ｍｌ 燐酸二水素カリウム ２０ｇ ＥＤＴＡ酸 ２ｇ クエン酸 １ｇ 水で１リットルとした。
【００３７】ｐＨをアンモニアまたは燐酸で６.５に調
節した。
【００３８】この漂白−定着浴は亜硫酸塩の改良された
安定性により特徴づけられる。
【００３９】それは本発明に従う濃縮物から製造するこ
とができる。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 鉄（III）錯塩、チオ硫酸塩および亜硫
    酸塩、二亜硫酸塩またはスルフィン酸を含有するワンパ
    ート(one-part)写真漂白−定着濃縮物であって、それが
    燐酸塩、ポリ燐酸塩もしくはポリホスホン酸塩、または
    硝酸塩もしくは臭化物を含んでなる系からの少なくとも
    １種の化合物をさらに含有することを特徴とする濃縮
    物。
  2. 【請求項２】 チオ硫酸塩の含有量が０.５〜５モル／
    リットルであり、亜硫酸塩の含有量が０.２〜４モル／
    リットルでありそしてＦｅ（III）錯塩の含有量が０.１
    〜１モル／リットルであることを特徴とする請求項１に
    記載のワンパート漂白−定着濃縮物。
  3. 【請求項３】 ｐＨが４〜９であることを特徴とする請
    求項１または２に記載のワンパート漂白−定着濃縮物。
  4. 【請求項４】 ｐＨが５〜６.５であることを特徴とす
    る請求項１または２に記載のワンパート漂白−定着濃縮
    物。
  5. 【請求項５】 燐酸塩、ポリ燐酸塩、ポリホスホン酸
    塩、硝酸塩または臭化物の量が０.０１〜２.５モル／リ
    ットルであることを特徴とする請求項１〜４のいずれか
    に記載のワンパート漂白−定着濃縮物。
  6. 【請求項６】 １種もしくはそれ以上の錯化剤をさらに
    含有することを特徴とする請求項１〜５のいずれかに記
    載のワンパート漂白−定着濃縮物。
  7. 【請求項７】 追加の錯化剤がポリカルボン酸または
    （ポリ）ヒドロキシポリカルボン酸であることを特徴と
    する請求項６に記載のワンパート漂白−定着濃縮物。
  8. 【請求項８】 追加の錯化剤がクエン酸であることを特
    徴とする請求項６に記載のワンパート漂白−定着濃縮
    物。
  9. 【請求項９】 鉄（III）錯塩、チオ硫酸塩、および亜
    硫酸塩、二亜硫酸塩またはスルフィン酸塩を含有するワ
    ンパート写真漂白−定着濃縮物であって、それが燐酸
    塩、ポリ燐酸塩またはポリホスホン酸塩をさらに含有す
    ることを特徴とする濃縮物。
  10. 【請求項１０】 鉄（III）錯塩、チオ硫酸塩、および
    亜硫酸塩、二亜硫酸塩またはスルフィン酸塩を含有する
    調整済み漂白−定着濃縮物であって、それが燐酸塩およ
    びポリカルボン酸または（ポリ）ヒドロキシカルボン酸
    をさらに含有することを特徴とする濃縮物。
  11. 【請求項１１】 燐酸塩を０.０１〜０.６モルの量で含
    有しそしてポリカルボン酸または（ポリ）ヒドロキシカ
    ルボン酸を０.５〜５０ミリモル／リットルの量で含有
    することを特徴とする請求項１０に記載の調整済み漂白
    −定着濃縮物。
  12. 【請求項１２】 請求項１〜９のいずれかに記載の濃縮
    物から製造されることを特徴とする請求項１０および１
    １に記載の調整済み漂白−定着濃縮物。
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